JP2999738B2 - 難燃性組成物 - Google Patents
難燃性組成物Info
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Description
機蓄光顔料を利用した難燃性の組成物に関し、更に詳し
くは、夜間の誘導表示材料、インテリア材料等の各種成
型品に利用することができる難燃性組成物に関する。
に、蛍光体が用いられている。この蛍光体の残光時間
は、きわめて短く、外部刺激を停止すると速やかにその
発光は減衰するが、まれに紫外線等で刺激した後、また
は、その刺激を停止した後もかなりの長時間(数10分
〜数時間)に渡り残光が肉眼で認められるものがあり、
これらを通常の蛍光体とは区別して蓄光性蛍光体あるい
は燐光体と呼んでいる。
(紫青色発光)、CaSrS:Bi(青色発光)、Zn
S:Cu(緑色発光)、ZnCdS:Cu(黄色〜橙色
発光)等の硫化物蛍光体が知られているが、これらのい
ずれの硫化物も、化学的に不安定であったり、耐光性に
劣るなど実用面での問題点が多い。
系蓄光性蛍光体(ZnS:Cu)は、PVCをはじめ、
ポリオレフィン、PS、ABSなどの汎用合成樹脂など
に混合した各種成形品等が知られているが、特に湿気が
存在すると紫外線により光分解して黒変したり、輝度低
下を生ずるため、屋外で直射日光に曝されるような用途
での使用は困難であり、夜光時計や避難誘導標識、屋内
の夜間表示等その用途は限定されていた。
分から2時間程度であり、実用的には蛍光体に放射性物
質Pm(プロメチウム)等を添加し、そのエネルギーで
自発光させているのが現状である。
はじめ、インテリア材料、建築材料などの火災に対する
安全性が世界各国で関心がもたれ、安全基準も年々厳し
くなってきている。PVCをはじめ、ポリオレフィン、
PS、ABSなどの汎用合成樹脂などの成形品は、火災
等の際、ハロゲン化水素ガスなどを発生したりするなど
の課題があることが知られている。最近では、樹脂等に
難燃剤を配合した難燃性組成物も知られているが、難燃
性を有していても、難燃剤自体がハロゲン系等が主流で
あるため、ハロゲン化水素ガスなどが発生するなどの課
題があり、未だ高難燃性に対しては不十分であるのが現
状である。
リエステル系樹脂、フッ素系樹脂から選択される少なく
とも1種の樹脂を主成分とする樹脂100重量部に対し
て、10〜300重量部の蓄光性蛍光体発色樹脂組成物
により形成された蓄光性蛍光体発色領域と、再帰反射領
域とからなる蓄光性蛍光発色再帰反射シートが知られて
いる(特開平8−129351号公報)。しかしなが
ら、この公報に開示される蓄光性蛍光発色再帰反射シー
トは、蓄光性蛍光体を使用する点で本発明と部分的に共
通するところがあるが、当該再帰反射シートは再帰反射
領域がフィルム構造からなる再帰反射要素を必須とする
ものであり、本発明とはその構成等が相違し、かつ、該
再帰反射シートは難燃性については何等言及されておら
ず、本発明とはその技術思想も相違するものである。
顔料(蓄光性蛍光体)を配合した汎用合成樹脂などの成
形品の課題に鑑み、これを解消しようとするものであ
り、放射性物質が含まれておらず安全で残光時間の長い
無機蓄光顔料を利用し、かつ、燃焼時ハロゲン化水素ガ
スを発生しない難燃性組成物を提供することを目的とす
る。
を解決するために樹脂材料と蓄光顔料とについて鋭意検
討した結果、特定の樹脂と特定の蓄光顔料を用いること
により目的の難燃性組成物が得られることを見い出し、
本発明を完成するに至ったのである。すなわち、本発明
の難燃性組成物は、ポリカーボネートに放射性物質を含
まない無機蓄光顔料を配合した組成物からなり、該組成
物が、前記無機蓄光顔料の配合量が、組成物全量に対
し、10〜30重量%であり、酸素指数が30以上で、
かつ、燃焼時にハロゲン化水素ガスが検出されず、か
つ、JIS C 7614に規定される2時間後の残光
輝度が1mcd/m2以上となることを特徴とする。
しく説明する。本発明の難燃性組成物は、ポリカーボネ
ート(PC)に放射性物質を含まない無機蓄光顔料を配
合した組成物からなり、該組成物が、前記無機蓄光顔料
の配合量が、組成物全量に対し、10〜30重量%であ
り、酸素指数(O.I)が30以上で、かつ、燃焼時に
ハロゲン化水素ガスが検出されず、かつ、JIS C7
614に規定される2時間後の残光輝度が1mcd/m
2以上となることを特徴とするものである。
無機蓄光顔料による残光輝度が目的の残光輝度以上とな
ることが必要であるので、透明なポリカーボネートであ
ることが望ましい。また、本発明の難燃性組成物は、酸
素指数(O.I)が30以上で、かつ、燃焼時にハロゲ
ン化水素ガスが検出されないものであるので、使用する
ポリカーボネートは難燃性が高いことが必要である。な
お、本発明で規定する「酸素指数」とは、JIS K
7201で定義されている酸素指数であり、JIS K
7201に規定されている方法で測定する。指数値が
大なる程、燃焼し難い材料を意味する。
配合する無機蓄光顔料により難燃性が損なわれることな
く、上記透明性、難燃性を達成できるポリカーボネート
であれば、特に限定されるものではない。
射性物質を含まない蓄光顔料で、ポリカーボネートに配
合した場合に目的の難燃性を達成できるものであり、か
つ、JIS C 7614に規定される2時間後の残光
輝度が1mcd/m2以上となるものであれば、特に限
定されるものではない。好ましくは、化学的に安定であ
り、しかも長時間にわたり耐光性を有すると共に、長時
間の残光特性を有するものが望ましく、例えば、MAl
2O4で表される化合物で、Mはカルシウム、ストロンチ
ウム、バリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つ
以上の金属元素からなる化合物を母結晶にした蓄光性蛍
光体が挙げられる。具体的に例を挙げると、アルミン酸
ストロンチウム(SrAl2O4)、アルミン酸カルシウ
ム(CaAl2O4)、アルミン酸バリウム(BaAl2
O4)、アルミン酸ストロンチウムカルシウム(SrxC
a1-xAl2O4)等である。
において、Mがカルシウム、ストロンチウム、バリウム
からなる群から選ばれる少なくとも1つ以上の金属元素
にマグネシウムを添加した複数の金属元素からなる化合
物を母結晶にした蓄光性蛍光体、例えばSrxMg1-xA
l2O4等も用いることができる。
u)を、Mで表す金属元素に対して0.001〜10モ
ル%添加した蓄光性蛍光体や、賦活剤の他に共賦活剤と
してランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウ
ム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロ
シウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテル
ビウム、ルテチウム、マンガン、スズ、ビスマスからな
る群から選ばれる少なくとも1つ以上の元素を、Mで表
す金属元素に対して0.001〜10モル%添加した蓄
光性蛍光体を使用することができる。
対し、無機蓄光顔料を10〜30重量%、好ましくは、
15〜25重量%配合することが望ましい。無機蓄光顔
料の配合量が10重量%未満であると、残光特性が不十
分となり、目的の残光輝度を達成することができず、ま
た、30重量%を越えると、ポリカーボネートとの配合
が困難となり、しかも、目的の難燃性組成物を得ること
ができず、好ましくない。
リカーボネート及び上記特性の無機蓄光顔料を特定量配
合することにより、初めて酸素指数(O.I)が30以
上で、かつ、燃焼時にハロゲン化水素ガスが検出されな
いと共に、目的の残光輝度を有するものとなる。従っ
て、上記特性を有しないポリカーボネート及び上記特性
を有しない無機蓄光顔料の組み合わせ等では、目的の難
燃性が達成されず、かつ、目的の残光輝度を達成するこ
とができないものとなる(これらの点等については、更
に後述する実施例等で詳しく説明する)。
用成型機等を使用して上記各配合成分を混合して成型等
することにより製造することができる。
無機顔料を利用していることから残光時間の長い樹脂物
品等となると共に、ハロゲンガスの発生がなく、しか
も、難燃性が高い安全な製品が得られることとなり、そ
の用途は特に限定されるものではなく、あらゆる用途に
適用することができ、例えば、夜間の誘導表示材料、イ
ンテリア材料等に好適に利用することができる。
内容を更に詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例
により制限されるものではない。
1に配合組成の難燃性組成物について、酸素指数(O.
I)、ハロゲン化水素ガス発生量(mg/g)、2時間
後の残光輝度(mcd/m2)、及び本発明となる無機
蓄光顔料の代わりに従来のZnS−Cu系顔料を同量配
合した場合の2時間後の残光輝度(mcd/m2)、残
光時間を測定した結果を示す。これらの結果を下記表1
に示す。
素ガス発生量(mg/g)、2時間後の残光輝度(mc
d/m2)の測定方法は下記のとおりである。 (1) 酸素指数(O.I) 酸素指数(O.I) は、JIS K 7201に準拠し
て測定した。指数値が大なる程、燃焼し難い材料を意味
する。 (2) ハロゲン化水素ガス発生量(mg/g) ハロゲン化水素ガス発生量 は、ASTM E662に
準拠して測定した。
測定した。
となる実施例1〜2の難燃性組成物は、本発明範囲外と
なる比較例1〜3に較べて、酸素指数(O.I)、ハロ
ゲン化水素ガス発生量(mg/g)、2時間後の残光輝
度のいずれも優れたものとなることが判明した。個別的
にみると、実施例1は、ポリカーボネート(90重量
%)と無機蓄光顔料(10重量%)との組み合わせであ
り、この場合は酸素指数(O.I)が30であり、燃焼
時にハロゲン化水素ガスも検出されないため、難燃性を
達成しており、しかも、2時間後の残光輝度も3(mc
d/m2)であるため、長時間にわたり耐光性を有する
と共に、長時間の残光特性を有することが判明した。実
施例2は、無機蓄光顔料を増量(20重量%)した場合
であり、この場合は、酸素指数(難燃性)が若干高くな
り、かつ、残光輝度も高くなることが判明した。
るポリカーボネート(95重量%)と無機蓄光顔料(5
重量%)との組み合わせであるが、この場合は、無機蓄
光顔料の配合量が少ないため、目的の残光輝度を達成で
きず、しかも、酸素指数(O.I)が低くなることが判
明した。比較例2は、硬質塩化ビニル樹脂(硬質PV
C、90重量%)と無機蓄光顔料(10重量%)との組
み合わせであり、この場合は、難燃性を達成できず、ハ
ロゲン化水素ガスも多量に発生することが判明した。比
較例3は、メタクリル樹脂(PMMA、90重量%)と
無機蓄光顔料(10重量%)との組み合わせであり、こ
の場合は、目的の残光輝度を達成しているが、難燃性を
達成できないことが判明した。また、実施例1〜2及び
比較例1〜3のポリカーボネート、硬質PVC、PMM
Aに従来のZnS−Cu系顔料を同量配合した場合の2
時間後の残光輝度は、全て1以下となることが判明し
た。以上のように、本発明のポリカーボネート及び無機
蓄光顔料を特定量配合することにより、初めて難燃性が
達成されると共に、目的の残光輝度を有するものとな
り、これ以外の組み合わせでは、目的の難燃性等が達成
されず、かつ、目的の残光輝度を達成することができな
いことが判明した。
光顔料を利用していることから残光時間の長い製品とな
ると共に、ハロゲン化水素ガスの発生がなく、かつ難燃
性を有する安全な製品となる難燃性組成物が提供され
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリカーボネートに放射性物質を含まな
い無機蓄光顔料を配合した組成物からなり、該組成物
は、前記無機蓄光顔料の配合量が、組成物全量に対し、
10〜30重量%であり、酸素指数が30以上で、か
つ、燃焼時にハロゲン化水素ガスが検出されず、かつ、
JIS C 7614に規定される2時間後の残光輝度
が1mcd/m2以上となることを特徴とする難燃性組
成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16622197A JP2999738B2 (ja) | 1997-06-23 | 1997-06-23 | 難燃性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16622197A JP2999738B2 (ja) | 1997-06-23 | 1997-06-23 | 難燃性組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1112502A JPH1112502A (ja) | 1999-01-19 |
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Family
ID=15827366
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16622197A Expired - Lifetime JP2999738B2 (ja) | 1997-06-23 | 1997-06-23 | 難燃性組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2999738B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113493632A (zh) * | 2020-03-18 | 2021-10-12 | 河北军辉安防科技股份有限公司 | 一种防火蓄能发光涂料及其制备工艺 |
-
1997
- 1997-06-23 JP JP16622197A patent/JP2999738B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1112502A (ja) | 1999-01-19 |
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