JP2999013B2 - 高強度高耐水性リグノセルロース成形板 - Google Patents

高強度高耐水性リグノセルロース成形板

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JP2999013B2 JP10704791A JP10704791A JP2999013B2 JP 2999013 B2 JP2999013 B2 JP 2999013B2 JP 10704791 A JP10704791 A JP 10704791A JP 10704791 A JP10704791 A JP 10704791A JP 2999013 B2 JP2999013 B2 JP 2999013B2
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  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木質または植物質の外
観を有し、且つ、曲げ強度、曲げ弾性率、木ネジ保持力
が高く、吸水時、高湿度環境下での寸法安定性、耐久性
に優れたリグノセルロース成形板に関する。リグノセル
ロース類を主原料として利用した板状材は、用いるリグ
ノセルロースが木質削片の場合パーティクルボードと称
され、また木質繊維の場合インシュレーションボード、
ハードボード、MDFと称されて生産され、床材、壁
材、ドア材、防音材、断熱材、畳心材、家具部材、自動
車用部材等として使用されている。
【0002】
【従来の技術】これらリグノセルロース成形板のほとん
どの製造方法は、リグノセルロース類に熱硬化性樹脂を
塗布した後積層し、積層マットを加熱圧締して成形する
方法であり、用途により製品の密度を変えて生産されて
いる。即ち、用途として高い強度を必要とする場合、成
形板の密度を高め、且つ、リグノセルロース類に対する
熱硬化性樹脂の添加割合を増して製造されたり、防音
材、断熱材として用いる用途では、低密度で製造されて
いる。しかしながら、高い強度や、曲げ弾性率を得よう
として、高密度化すると、リグノセルロース成形板が重
量化し、取扱上支障を生じると共に、リグノセルロース
類や熱硬化性樹脂を多大に用いなければならず、生産性
が低下するばかりでなく、経済面でも不利となる問題点
を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような問題点を解
消するため、削片板では表裏層に微細な木片を用いて熱
硬化性樹脂添加割合を増し、かつ表裏層の成形前の水分
含有率を高くして高密度な層とし、芯層部は、相対的に
大きな木片を用い、低い熱硬化性樹脂添加率で低密度な
層とする多層構造化する方法が取られている。しかし、
この方法では、表裏層は成形時の熱および水蒸気により
可塑化し、高密度な層となるが、成形後吸湿もしくは吸
水した場合、木片が元の形状に戻ろうとして膨張するた
め、吸湿吸水時の削片板の寸法変化が大きくなり易いと
いう問題点がある。また、多層化するためには、木片の
形状を制御する設備、乾燥設備、熱硬化性樹脂を添加す
る設備等が複数必要となる。また、曲げ強度、曲げ弾性
率を向上させるため成形後のリグノセルロース板表面
に、木材単板や樹脂含浸した紙を貼る方法がある。しか
し、この方法では、木材単板の場合、単板の繊維方向に
より曲げ強度、曲げ弾性率が極めて異なるという問題点
があり、リグノセルロース成形板等の使用方法が限定さ
れてしまうし、含浸紙の場合も含め、吸水時の寸法安定
性が改善できるわけではない。
【0004】木片に予め硬化性樹脂を含浸し硬化させて
処理した木片や、木片にカルボキシル基等の官能基を導
入し改質した後、接着剤を塗布し成型する方法もある
が、処理費用がかかるばかりでなく、処理木片表面が接
着剤に濡れ難くなるため、耐水・耐湿性の向上は図れる
が、強度面での改良は得難く、成形時熱板に付着し易い
等の問題もあり、生産性も低下する。熱硬化性樹脂を成
形したリグノセルロース板表面に含浸し、熱プレス等で
再度加熱圧締し、表面に高強度層を形成させる試みも提
案されているが、含浸後熱プレスの際に、温度上昇によ
る粘度低下のために含浸樹脂がボード外に流出し、充分
な強度改善ができなかったり、含浸樹脂がプレス表面に
付着し板面汚染や作業性低下につながるという問題点が
ある。他に、成形したリグノセルロース板を処理し、セ
ルロースをホルマール化し、吸湿・吸水時の寸法変化を
抑える試みもあるが、寸法安定性は増すものの、常態で
の剛性率や、曲げ強さが向上することはない。本発明で
は、通常の方法で得られるリグノセルロース成形板の不
十分な曲げ強度、曲げ弾性率、および吸水時・高湿度環
境下での寸法変化の大きさ、耐久性の低さという諸問題
点を改良することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は下記(1)〜
(5)を提供するものである。 (1) リグノセルロース類に熱硬化性樹脂を塗布した
後積層し、積層マットを加熱圧締して成形したリグノセ
ルロース成形板の表面を、必要に応じ研磨した後、該表
面に、含浸時の粘度が常温にて0.5Pa・ s 以下で、
硬化後の不揮発分が80重量%以上の常温硬化性樹脂を
含浸し、加熱せずに硬化させた表面層を形成せしめてな
り、該常温硬化性樹脂が、 [I] (a) 同一分子中に2個以上のイソシアネート基を
有する化合物と、(b)分子内に2個以上の活性水素基を
有する化合物の混合物および/または反応物を80重量
%以上含むものであり、(a) 化合物中のイソシアネート
基と(b) 化合物中の活性水素基との比が1:0.01〜
0.95である常温硬化性樹脂、 [II] (c) 同一分子中に2個以上のグリシジル基を有す
る化合物と(d) 分子内に2個以上のアミノ基を有する化
合物の混合物を80重量%以上含むものであり、(c) 化
合物中のグリシジル基と(d) 化合物中のアミノ基との比
が、1:0.85〜1.20である常温硬化性樹脂、 [III] 同一分子中に2個以上のイソシアネート基を有
する化合物とホルムアルデヒド系樹脂との混合物である
常温硬化性樹脂、のいずれかから選ばれることを特徴と
する高強度高耐水性リグノセルロース成形板。 (2) リグノセルロース類が、木材削片および/また
は木質繊維である(1)記載の高強度高耐水性リグノセ
ルロース成形板。 (3) 熱硬化性樹脂が、ホルムアルデヒド系樹脂およ
び/またはイソシアネート化合物である(1)〜(2)
記載の高強度高耐水性リグノセルロース成形板。 (4) イソシアネート化合物が、同一分子中に2個以
上のイソシアネート基を有する化合物である(3)記載
の高強度高耐水性リグノセルロース成形板。 (5) リグノセルロース類に熱硬化性樹脂を塗布した
後積層し、積層マットを加熱圧締して成形したリグノセ
ルロース成形板の表面を、必要に応じ研磨した後 、該表
面に、含浸時の粘度が常温にて0.5Pa・ s 以下で、
硬化後の不揮発分が80重量%以上の常温硬化性樹脂を
含浸し、加熱せずに硬化させた表面層を形成せしめてな
り、該常温硬化性樹脂が、ポリメチレンポリフェニルポ
リイソシアネート( ポリメリックMDI)と、一般式
(1)
【化2】 (ここで nは20以下の整数。)で表される化合物の混
合物および/または反応物を80重量%以上含むもので
あり、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの
イソシアネート基と一般式(1)で表される化合物中の
活性水素基との比が1:0.01〜0.95である高強
度高耐水性リグノセルロース成形板。本発明は、リグノ
セルロース類に熱硬化性樹脂を塗布した後積層し、積層
マットを加熱圧締して成形するという通常の方法で得ら
れるリグノセルロース成形板の表面を、そのままもしく
は厚み調整等の必要に応じ研磨した後、該表面に、含浸
時の粘度が0.5Pa・ s 以下で、硬化後の不揮発分が
80重量%以上の常温硬化性樹脂を含浸し、常温放置で
硬化せしめてなる表面層を形成せしめることにより、上
述のような諸問題点を解消したリグノセルロース成形板
を提供しようとするものである。本発明にいうリグノセ
ルロース類とは、木材を機械的に切削または破砕した木
材削片、木材を解繊した木質繊維、砂糖黍,トウモロコ
シ、稲、コウリャン、麦等禾本科植物の茎、麻、亜麻、
おう麻等のジン皮繊維などの単品もしくは混合品であ
り、これらを主成分とし、一部合成繊維等混合したもの
でもよい。工業的規模での入手の容易さを考慮すれば、
木材を原料とした削片、繊維類が望ましい。リグノセル
ロース類は、接着剤として使用する熱硬化性樹脂と混合
する前か、混合後に、含有水分が0〜20%となるよう
乾燥する必要がある。また、本発明での熱硬化性樹脂と
は、尿素、メラミン等のアミノ化合物や、フェノール類
とホルムアルデヒドの共縮合樹脂および/または分子内
に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、
各の樹脂特性に応じて適量の硬化剤を混合して、リグノ
セルロース類に添加する。溌水性付与のためにワックス
類を混合することや、難燃剤、防虫剤、防腐剤等を混合
して用いてもよい。これらの接着剤は、硬化後の硬度が
高く、成型後のリグノセルロース板の剛性向上に寄与す
る。また、イソシアネート基を有する化合物を用いる場
合は、耐水性が向上するとともに、リグノセルロース成
形板から放散されるホルムアルデヒドが少なくなるとい
う利点もある。
【0006】熱硬化性樹脂を混合した後の積層、加熱圧
締の条件については、本発明では特に限定するものでは
ないが、削片板では、多層とし、表裏層に微細な木片を
用いて熱硬化性樹脂添加割合を増し、かつ表裏層の成形
前の水分含有率を高くして高密度な層とし、芯層部は、
相対的に大きな木片を用い、低い熱硬化性樹脂添加率で
低密度な層とすることが望ましい。成型したリグノセル
ロース板は、望ましくは成型後厚みが安定した後、研磨
し所定の厚みに調製することが望ましい。更に、精密な
厚み精度が要求される場合は、以下に述べる含浸硬化処
理をほどこした後に再度研磨してもよい。本発明にいう
常温硬化性樹脂とは、含浸時の粘度が常温にて0.5Pa
・ s 以下で、硬化後の不揮発分が80重量%以上である
ことが必要であり、0〜40℃程度の温度下で、含浸リ
グノセルロース板表面が15時間以内で粘着性を呈しな
くなる程度硬化する事が望ましい。不揮発分測定は、接
着剤の一般試験方法JIS K 6833による。好ましくは含浸
時の粘度が常温にて0.3Pa・ s 以下である。含浸時の
粘度が0.5Pa・ s を超える場合、リグノセルロース板
への浸透が阻害され、充分な曲げ強さ、曲げ剛性率、木
ネジ保持力が得られないばかりか、含浸表面に樹脂が残
存するため、板の厚みが増したり、含浸処理後積み重ね
可能になるまでの時間が長くなり、生産性が低下する等
の問題も生じる。硬化後の不揮発分が80重量%に満た
ない場合、硬化後の剛性が充分とならず繊維板の曲げ強
さ、曲げ剛性率、木ネジ保持力が不充分となる。また、
含浸を容易ならしめるため、硬化後の不揮発分が、80
重量%を下回らない範囲で溶剤等添加しても良いが、溶
剤が20重量%以上となるよう添加した場合は、含浸は
容易となるも、過剰に浸透し不充分な物性しか得られ
ず、かつ、溶剤の揮散のため、作業環境が悪化し、充分
な揮散をさせようとする場合は生産性が低下する問題を
生じる。少量の溶剤を用いる場合でも、硬化製樹脂との
反応性を有するものが望ましい。このような溶剤とし
て、イソシアネート化合物系硬化性樹脂の場合、プロピ
レンカーボネート、グリシジル系硬化性樹脂の場合、脂
肪族モノグリシジルエーテル類を例示できる。
【0007】硬化性樹脂の種類については、上述要件を
満たすものであれば特に限定しないが、加熱硬化が必要
となる場合は、加熱時の繊維板水分変化等で、厚みが変
動したり、反り、狂いが起こり易くなるため、常温で硬
化性を示すものが望ましい。[I](a) 同一分子中に2個以上のイソシアネート基を有す
る化合物と、(b)分子内に2個以上の活性水素基を有す
る化合物の混合物および/または反応物を80重量%以
上含むものであり、化合物中のイソシアネート基と化合
物中の活性水素基との比が1:0.01 〜0.95で
あるもの、[II] (c)同一分子中に2個以上のグリシジル
基を有する化合物と(d)分子内に2個以上のアミノ基を
有する化合物の混合物を80重量%以上含むものであ
り、化合物中のグリシジル基と化合物中のアミノ基との
比が1: 0.85〜1.20であるもの等が、比較的
低温で硬化し、硬化後の剛性が高いため、望ましいもの
である。特に好ましくは、同一分子中に2個以上のイソ
シアネート基を有する化合物と、分子内に2個以上の活
性水素基を有する化合物の混合物および/または反応物
を80重量%以上含むものであり、化合物中のイソシア
ネート基と化合物中の活性水素基との比が、1:0.0
5〜0.25であるものである。各の化合物の同一分子
中の官能基が1つの場合は、反応後高分子化せず充分な
剛性率が発現できない。望ましくは分子中に3個以上の
官能基を有するものが高剛性率が得られ望ましい。それ
ぞれの官能基の比率が、上記範囲から外れた場合は、剛
性率の充分な発現が期待できない。同一分子中に2個以
上のイソシアネート基を有する化合物が、ポリメチレン
ポリフェニルポリイソシアネート( ポリメリックMD
I) であり、分子内に2個以上の活性水素基を有する化
合物が、一般式 (1) で表される化合物である場合が特
に低温で硬化し、硬化後の剛性が高く望ましい。一般式
(1) で表される化合物は、他の活性水素基を有する化
合物より、反応中の発泡現象が起こりづらく、ひいては
高剛性を得易いという利点がある。また式中のnは,2
0以下の整数がが望ましく、20を越す場合は、硬化後
の架橋密度が低くなり、充分な硬度が得にくくなる。更
に好ましくは、nが10以下のものである。
【0008】本発明での、分子中に2個以上のイソシア
ネート基を有する化合物は、例えばトリレンジイソシア
ネート( TDI) 、4,4'- ジフェニルメタンジイソシア
ネート( MDI) 、ヘキサメチレンジイソシアネート(
HMDI) 、キシレンジイソシアネート( XDI)、イソ
ホロンジイソシアネート( IPDI)、ポリメチレンポリ
フェニルポリイソシアネート( ポリメリックMDI) が
例示される。揮散しやすいイソシアネート化合物は、作
業環境を汚染し易いためポリメリックMDIなどの低蒸
気圧の化合物が望ましい。常温硬化性樹脂の調製に当た
り、防炎剤、難燃剤、防腐剤、防黴剤、防虫剤等を混入
させ、耐火災性や耐久性を付与させてもよい。硬化性樹
脂を成型したリグノセルロース板表面に含浸する方法は
限定しないが、スプレー、イクストゥルーダー、ロー
ル、ナイフ等での表面への塗工含浸、デッピング、減圧
加圧含浸等の常法が用いうる。全面に均一塗布できる方
法であればよい。含浸量は特に限定しないが、片面80g/
m2以上が好ましい。含浸量がこれを下回る場合は、剛性
率の発現が充分でなくなることがある。
【0009】
【実施例】以下、本発明を、更に具体的に説明するた
め、実施例及び比較例をあげて説明するが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。尚、参考例、
実施例中の部、%はそれぞれ重量部、重量%を表す。 参考例1 平均長さ20mm、平均厚さ0.6mm 、平均幅 3 mm の針葉樹
ストランド状木片を、水分含有率2%まで乾燥し、4220g
分取した。メラミンユリアホルムアルデヒド共縮合樹脂
(三井東圧化学株式会社製ユーロイドU-775 、不揮発分
65%)100 部、40%ワックスエマルジョン 4.3部、20%
塩化アンモニウム水溶液8 部、水7.5 部を混合したもの
1200gを、上述木片にスプレー塗布し、塗布後木片から
1300g分取して、30cm角の枠内に均一に散布した。積層
したマットを 180℃の熱板に挟んで、3N/mm2の圧力で6
分間圧締し、厚み18mm 、密度 720kg/m3のパーティクル
ボードを得た。以後リグノセルロース板Aと略す。
【0010】参考例2 木材を乾式摩砕した木繊維を水分含有率 5%まで乾燥
し、 5250g分取した。メラミンフェノールホルムアルデ
ヒド共縮合樹脂[ 三井東圧化学株式会社製ユーロイドU-
811 、不揮発分65%、以下原料F−(1) と略す] 100
部、40 %ワックスエマルジョン 5部、20%塩化アンモ
ニウム水溶液 3部、アンモニウム水15部、水35部を混合
したもの 1450gを、上述木繊維にスプレー塗布し、塗布
後木繊維から235g分取して、それぞれ表層用、裏層用と
した。更に、参考例−1と同形状の乾燥した木片 2040g
に乳化性ポリメリックMDI( 三井東圧化学株式会社製
ユーロイドUR-4000)100部と水90部を混合乳化したもの1
90 gを塗布し、塗布後木片から 810g 分取して、芯層
用とした。30cm 角の枠内に裏層用繊維を均一に散布
し、続けて芯層用、表層用を散布し、積層したマットを
180℃の熱板に挟んで、3 N/mm2 の圧力で6分間圧締
し、厚み18mm 、密度 720kg/m3 のパーティクルボード
を得た。以後リグノセルロース板Bと略す。
【0011】参考例3 蒸煮し機械的に解繊した含水率50%のラワン系木質繊維
1500部に対し、尿素ホルムアルデヒド樹脂( 三井東圧化
学株式会社製ユーロイドU-730、不揮発分 58%) 260
部を均一にスプレー塗布し、含水率が15%となるように
乾燥した。乾燥した繊維620gを、30cm角のボックス中に
均一厚みになるように堆積したのち、積層したマットを
180℃の熱板に挟んで、3N/mm2の圧力で4分間圧締し、
厚み9mm、密度 700kg/m3 の繊維板を得た。以後リグノ
セルロース板Cと略す。
【0012】実施例1 ポリメリックMDI[ 三井東圧化学株式会社製 CR-100、
イソシアネート基含有率31.0%、以下原料I−(1) と略
す]100部と、一般式 (1) で表される化合物で、nの平
均値が3.5 のもの[ 以下原料P−(1) と略す]17.6部、
プロピレンカーボネート( 以下原料D-(1)と略す)10 部
を混合した。混合後の粘度は0.08Pa・ s であり、硬化後
の不揮発分は93%であった。この混合物を、参考例2で
作製したリグノセルロース板Bの両表面にそれぞれ 300
g/m2の割合で塗布し、室温で5日間放置した。塗布含浸
放置15時間後表面は粘着性を呈していなかった。得ら
れたリグノセルロース板の物性は表−1のとおりで、密
度は750kg/m3で曲げ強さ2661N/cm2 、曲げヤング率は54
×104N/cm2、吸水厚さ膨張率は 3.4%であり、樹脂含浸
硬化層を有しないリグノセルロース板Bより著しく好物
性を示していた。
【0013】実施例2 脂肪族ポリグリシジルエーテル系化合物[ 東都化成株式
会社製エポトート YH-301 、エポキシ当量155g、以下原
料E-(1)と略す] 100部と脂肪族ポリアミン系化合物[
エイ・シー・アイ・ジャパン製アンカミン1644、活性水
素当量154 、以下原料A−(1) と略す] 117 部、脂肪族
グリシジルエーテル[ エイ・シー・アイ・ジャパン製 H
eloxy-MK-116、エポキシ等量220g、以下原料D−(2) と
略す]25部を混合した。混合後の粘度は 0.56Pa ・ s で
あり、硬化後の不揮発分は96%であった。実施例1と同
様の方法で、樹脂含浸硬化層を有する繊維板を作製し物
性を測定したが、得られたリグノセルロース板の物性は
表−1のとおりで、樹脂含浸硬化層を有しないリグノセ
ルロース板Bより著しく好物性を示していた。また、実
施例1と同様に、塗布含浸放置15時間後表面は粘着性
を呈していなかった。
【0014】実施例3〜16 表−1に示す条件下で、実施例1と同様の方法で、樹脂
含浸硬化層を有するリグノセルロース板を作製した。各
板の物性値は表−1〜2に示すが、それぞれ樹脂含浸硬
化層を有しない板より著しく好物性を示していた。又塗
布含浸放置15時間後表面は粘着性を呈していなかっ
た。尚、表中の原料化合物の内訳は以下のとうりであ
る。 原料P−(2) :一般式 (1) で表される化合物でnの平
均値が1.8 のもの 原料P−(3) :一般式 (1) で表される化合物でnの平
均値が8.1 のもの 原料P−(4) :一般式 (1) で表される化合物でnの平
均値が17.0のもの 原料P−(5) :一般式 (1) で表される化合物でnの平
均値が8.1のもの
【0015】比較例1〜3 参考例1〜3で作製した成形板をそのままで物性測定し
た。結果は表3に示すとうり、樹脂含浸硬化層を有する
板より劣っていた。 比較例4 熱硬化製樹脂塗布後木片からの分取量を表層用、裏層用
それぞれ266g、芯層用920g、熱圧締時間を8分間とした
以外は、参考例2と同様の方法でリグノセルロース成形
板を作製した。以後リグノセルロース板Dと略す。結果
は表3に示すとうり、曲げ強さ、曲げ弾性率は比較例2
より高いものの、厚さ膨張率は高く、また重い板であ
り、生産性も悪い。
【0016】比較例5 ポリメリックMDI[ 三井東圧化学株式会社製CR-400、
イソシアネート基含有率30.8%、以下原料I−(2) と略
す] 100部と、一般式 (1) で表される化合物でnの平
均値が28.7のもの[ 以下原料P-(6)と略す]112部、原料
D−(1) 10部を混合した。混合後の粘度は0.52Pa・ s で
あり、硬化後の不揮発分は96%であった。この混合物を
用いて、実施例1と同様の方法で、樹脂含浸硬化層を有
する板を作製した。この板の物性は、表3に示すとう
り、実施例と比較して劣るものであった。 比較例6 原料I-(1)100 部と、原料P-(1) 17.6 部、メチレンク
ロライド[ 以下、原料D−(3) と略す] 40部を混合し
た。混合後の粘度は0.04Pa・ s であり、硬化後の不揮発
分は75%であった。この混合物を用いて、実施例1と同
様の方法で、樹脂含浸硬化層を有する板を作製した。こ
の板の物性は、表3に示すとうり、実施例と比較して劣
るものであった。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】本発明により、曲げ強度、曲げ弾性率、
木ネジ保持力が高く、高湿度環境下での寸法安定性、耐
久性に優れたリグノセルロース板を供給できることが、
表1〜3から明らかである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−72804(JP,A) 特開 平1−286804(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B27K 3/15 B27N 3/00 B27N 7/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リグノセルロース類に熱硬化性樹脂を塗
    布した後積層し、積層マットを加熱圧締して成形したリ
    グノセルロース成形板の表面を、必要に応じ研磨した
    後、該表面に、含浸時の粘度が常温にて0.5Pa・ s
    以下で、硬化後の不揮発分が80重量%以上の常温硬化
    性樹脂を含浸し、加熱せずに硬化させた表面層を形成せ
    しめてなり、該常温硬化性樹脂が、 [I] (a) 同一分子中に2個以上のイソシアネート基を
    有する化合物と、(b)分子内に2個以上の活性水素基を
    有する化合物の混合物および/または反応物を80重量
    %以上含むものであり、(a) 化合物中のイソシアネート
    基と(b) 化合物中の活性水素基との比が1:0.01〜
    0.95である常温硬化性樹脂、 [II] (c) 同一分子中に2個以上のグリシジル基を有す
    る化合物と(d) 分子内に2個以上のアミノ基を有する化
    合物の混合物を80重量%以上含むものであり、(c) 化
    合物中のグリシジル基と(d) 化合物中のアミノ基との比
    が、1:0.85〜1.20である常温硬化性樹脂、 [III] 同一分子中に2個以上のイソシアネート基を有
    する化合物とホルムアルデヒド系樹脂との混合物である
    常温硬化性樹脂、 のいずれかから選ばれる ことを特徴とする高強度高耐水
    性リグノセルロース成形板。
  2. 【請求項2】 リグノセルロース類が、木材削片および
    /または木質繊維である請求項1記載の高強度高耐水性
    リグノセルロース成形板。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂が、ホルムアルデヒド系樹
    脂および/またはイソシアネート化合物である請求項1
    〜2記載の高強度高耐水性リグノセルロース成形板。
  4. 【請求項4】 イソシアネート化合物が、同一分子中に
    2個以上のイソシアネート基を有する化合物である請求
    項3記載の高強度高耐水性リグノセルロース成形板。
  5. 【請求項5】 リグノセルロース類に熱硬化性樹脂を塗
    布した後積層し、積 層マットを加熱圧締して成形したリ
    グノセルロース成形板の表面を、必要に応じ研磨した
    後、該表面に、含浸時の粘度が常温にて0.5Pa・ s
    以下で、硬化後の不揮発分が80重量%以上の常温硬化
    性樹脂を含浸し、加熱せずに硬化させた表面層を形成せ
    しめてなり、 該常温硬化性樹脂が、ポリメチレンポリフェニルポリイ
    ソシアネート( ポリメリックMDI)と、一般式 (1) 【化1】 (ここで nは20以下の整数。)で表される化合物の混
    合物および/または反応物を80重量%以上含むもので
    あり、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの
    イソシアネート基と一般式(1)で表される化合物中の
    活性水素基との比が1:0.01〜0.95であること
    を特徴とする高強度高耐水性リグノセルロース成形板。
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