JP2997631B2 - 耐震移動壁構造 - Google Patents

耐震移動壁構造

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JP2997631B2
JP2997631B2 JP7120561A JP12056195A JP2997631B2 JP 2997631 B2 JP2997631 B2 JP 2997631B2 JP 7120561 A JP7120561 A JP 7120561A JP 12056195 A JP12056195 A JP 12056195A JP 2997631 B2 JP2997631 B2 JP 2997631B2
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悦一 松田
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悦一 松田
松田 昭
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、展示場、コンベンショ
ン、博物館等を用途、機能、収容人員等に応じて自由に
間仕切るための移動壁の構造に於いて、特に、地震によ
る被害を少なくするための耐震移動壁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】展示場、コンベンション、博物館等を間
仕切るための移動壁は、一般に、天井に配設されたレー
ルに沿って走行する吊車に、2つの吊下部材を介して、
2点で吊り下げられる。しかして、従来、折り曲げるこ
とのできない棒状の吊下部材の下端部を移動壁本体の上
端縁に固着して、移動壁本体を吊り下げたものが公知で
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
従来の移動壁構造では、地震が発生すると、吊下部材に
上下方向と左右方向の大きな外力が作用するため、吊下
部材が切断して、移動壁本体が倒れる可能性が高くなっ
ていた。このため、移動壁本体の転倒により、他の物品
が壊れることや、人が大怪我すること等があり、地震に
よる被害が大きいという欠点があった。
【0004】そこで、本発明は、上述の問題を解決し
て、地震が発生しても大重量の移動壁の転倒を防止でき
る耐震性に優れた耐震移動壁構造を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明に係る耐震移動壁構造は、天井に配設された
レールに沿って走行する吊車に垂設される吊下部材と、
該吊下部材に吊下げられて移動可能とされる移動壁本体
とを、備え、上記吊下部材は、上記移動壁本体に上方か
ら挿入されるスライド杆部を、有し、該スライド杆部の
下部に重量支持部を設け、上記移動壁本体の内部に、該
重量支持部が下方から当接する受け面を、形成し、か
つ、該重量支持部は、該受け面に沿って水平左右方向へ
移動可能な左右余裕代をもって該受け面に当接し、さら
に、該重量支持部を、上記当接状態から分離する下方向
へ移動可能な上下余裕代をもって上記スライド杆部に、
取付けたものである。
【0006】また、天井に配設されたレールに沿って走
行する吊車に垂設される吊下部材と、該吊下部材に吊下
げられて移動可能とされる移動壁本体とを、備え、上記
吊下部材は、球状の内連接部と、該内連接部の過半を包
囲する球面孔部を有する外連接部と、を有する首振継手
部を、上記移動壁本体の上縁乃至その近傍の位置に、備
え、かつ、上記吊下部材は、上記移動壁本体に上方から
挿入されるスライド杆部を、有し、該スライド杆部の下
部に重量支持部を設け、上記移動壁本体の内部に、該重
量支持部が下方から当接する受け面を、形成し、かつ、
該重量支持部は、該受け面に沿って水平左右方向へ移動
可能な左右余裕代をもって該受け面に当接し、さらに、
該重量支持部を、上記当接状態から分離する下方向へ移
動可能な上下余裕代をもって上記スライド杆部に取付け
たものである。
【0007】なお、移動壁本体の下端部に、移動壁固定
用脚部を、付設するも好ましい。また、吊下部材の首振
継手部の外連接部に、該外連接部の球面孔部に連通する
ねじ孔を設けると共に、球状の内連接部に、吊下部材の
直線状態に於いて上記ねじ孔に連通する小凹所を設け、
上記外連接部のねじ孔にねじ部材を螺入すると共に該ね
じ部材の先端部を上記内連接部の小凹所に嵌入して、上
記吊下部材を直線状に保持し、かつ、該吊下部材は、首
振継手部に地震による曲げ力が負荷すると、上記ねじ部
材が内連接部と外連接部との境界面にて破断して、首振
継手部が首振自在となるように、構成するも望ましい。
【0008】
【作用】(請求項1によれば)通常は、吊下部材のスラ
イド杆部の下部の重量支持部が、移動壁本体の受け面に
当接して、その重量支持部にて吊下部材の重量を支持し
ている。地震が発生すると、横揺れと縦揺れにより、建
築構造物に上下方向の撓みが生じる。そして、吊下部材
が突き下げられると、該吊下部材の重量支持部が移動壁
本体の受け面から分離して該吊下部材は下降する。この
ため、下方への撓みを吸収でき、吊下部材と移動壁本体
に、突き下げによる外力が伝わらない。吊下部材は上下
余裕代の長さの範囲内で、移動壁本体に相対的に下降で
きる。
【0009】また、地震の横揺れにより、吊下部材が移
動壁本体に対して左右方向へ揺れると、吊下部材の重量
支持部が移動壁本体の受け面に沿って水平左右方向へス
ライド自在であるので、吊下部材に作用する外力が小さ
くなり、吊下部材の破損を防止できる。かつ、移動壁本
体も破損しない。重量支持部は、受け面の左右余裕代の
長さの範囲内で左右方向へスライドできる。
【0010】(請求項によれば)通常は、吊下部材の
スライド杆部の下部の重量支持部が、移動壁本体の受け
面に当接して、その重量支持部にて吊下部材の重量を支
持している。地震の横揺れにより、吊下部材の上部がそ
の上方の吊車及びレールと共に横揺れすると、吊下部材
の首振継手部が首振りして移動壁本体が横揺れするた
め、吊下部材の内部応力を小さくすることができ、吊下
部材は切断せず、移動壁本体は倒れない。また、横揺れ
と縦揺れにより、建築構造物に上下方向の撓みが生じ
て、吊下部材が突き下げられると、該吊下部材の重量支
持部が移動壁本体の受け面から分離して吊下部材が下降
するため、下方への撓みを吸収でき、吊下部材と移動壁
本体に、突き下げによる外力が伝わらない。また、地震
の横揺れにより、吊下部材の重量支持部が、移動壁本体
の受け面に沿って水平左右方向へスライドするので、吊
下部材に作用する外力が小さくなり、吊下部材の破損を
防止できる。かつ、移動壁本体も破損しない。
【0011】(請求項によれば)地震の横揺れと縦揺
れにより、建築構造物に上下方向の撓みが生じて、吊下
部材が突き下げられると、該吊下部材が下降し、重量支
持部が移動壁本体の受け面から分離して下方へ移動する
ため、下方への撓みを吸収でき、吊下部材と移動壁本体
は破損しない。また、床が突き上げられると、移動壁固
定用脚部を介して移動壁が突き上げられる。このとき、
吊下部材は上昇せず、移動壁本体の受け面が重量支持部
から分離して上方へ移動するため、床の突き上げ力は吊
下部材に伝達されず、吊下部材と移動壁本体は破損しな
い。
【0012】(請求項によれば)通常は、吊下部材の
首振継手部の外連接部と内連接部がねじ部材にて相互に
固定されて吊下部材が鉛直な直線状に保持されるので、
移動壁本体をぐらつかないように固定保持できる。地震
により首振継手部に曲げ力が負荷すると、ねじ部材が内
連接部と外連接部との境界面にて破断して、首振継手部
が首振自在となる。このため、地震による横揺れを吸収
でき、吊下部材と移動壁本体は破損せず、かつ、移動壁
本体は倒れない。
【0013】
【実施例】以下、実施例を示す図面に基づき本発明を詳
説する。
【0014】図16に於いて、Aは長大スパンの梁Bを有
する展示場、コンベンション、博物館等の建築構造物で
あり、1…はその建築構造物Aの天井Cと床Fの間に配
設されて、建築構造物A内を間仕切る移動壁である。
【0015】しかして、本発明に係る耐震移動壁構造
は、主として上記のような長大スパンの建築構造物Aの
内部に配設される移動壁1の構造であり、この耐震移動
壁構造は、図1に示すように、天井に配設されたレール
に沿って走行する吊車に垂設される吊下部材2と、該吊
下部材2に吊下げられて移動可能とされる移動壁本体3
とを、備えている。なお、移動壁1は、図外の吊車と、
吊下部材2と、移動壁本体3と、(後述の)移動壁固定
用脚部35と、から成る。
【0016】吊下部材2は、球状の内連接部4と、該内
連接部4の過半を包囲する球面孔部5を有する外連接部
6と、を有する首振継手部7を、移動壁本体3の上縁8
乃至その近傍の位置に、備えている。
【0017】内連接部4は、継手用短杆11の上端部に一
体に形成されている。継手用短杆11は、移動壁本体3に
係止する重量支持部9が下端部に付設された上下方向の
スライド杆部10の上部に、ねじ部をもって、螺着されて
いる。
【0018】つまり、吊下部材2は、移動壁本体3に上
方から挿入されるスライド杆部10を、有し、該スライド
杆部10の下部に重量支持部9が設けられている。スライ
ド杆部10は、移動壁本体3内に上方から挿入される。
【0019】外連接部6は、図外の吊車に垂設された上
杆部12の下端部にねじ部をもって螺着された上保持体6
aと、その上保持体6aの下面に取付ねじ13を介して固
着された下保持体6bと、から成る。
【0020】図2に示すように、上保持体6aは、下方
開口状の半球状孔部14を有する。また、下保持体6bに
は、上保持体6aの半球状孔部14に連続して前記球面孔
部5を成す内連接部4抜け止め用の上半内周面15を有す
る上下貫通状の孔部16が、設けられる。その孔部16の下
半内周面17は、下方へ次第に拡径するテーパ面とされて
いる。
【0021】しかして、吊下部材2の首振継手部7の外
連接部6に、該外連接部6の球面孔部5に連通するねじ
孔18を設けると共に、球状の内連接部4に、吊下部材2
の直線状態に於いてねじ孔18に連通する小凹所19を設
け、上記外連接部6のねじ孔18にねじ部材20を螺入する
と共に該ねじ部材20の先端部を内連接部4の小凹所19に
嵌入して、吊下部材2を直線状に保持する。
【0022】図2では、ねじ孔18とねじ部材20が夫々1
つのみあらわれているが、実際は、他のもう1か所にね
じ孔18が設けられると共にねじ部材20が螺入される。な
お、ねじ孔18を1か所のみとすると共にねじ部材20を1
本のみとするも自由である。
【0023】また、吊下部材2は、首振継手部7に地震
による曲げ力が負荷すると、上記ねじ部材20が内連接部
4と外連接部6との境界面(図2に仮想線にて示す。)
にて破断して、首振継手部7が首振自在となるように、
構成されている。
【0024】なお、図例では、吊下部材2の上杆部12の
軸心に対して移動壁本体3が首振可能な角度θは、30°
に設定されている(図11参照) が、30°以外にも、20°
〜60°程度の範囲内で変更してもよい。
【0025】次に、図3と図4と図5に示すように、重
量支持部9は、上方へ開口する球面状凹所24…を複数有
する取付部材22と、該取付部材22の球面状凹所24…に嵌
入される転動ボール21…と、取付部材22の球面状凹所24
…の内面に敷設されると共に転動ボール21…を転動自在
に受ける多数の小球体25…と、から成る。つまり、重量
支持部9は、複数の転動ボール21…を上方突出状に有す
る。
【0026】これにより、転動ボール21…は、大重量の
移動壁本体3の重量を受けても、スムースに転動するこ
とが可能である。
【0027】取付部材22は、平面視長方形の本体部22a
と、その長手方向両端部にねじ着されて転動ボール21…
を抜け止めする抜止部22b,22bと、から構成されてい
る。本体部22aは、中央に貫孔27を有する。そして、そ
の貫孔27に、スライド杆部10の下端部に形成されたねじ
部23を上方から挿通して、そのねじ部23に下方からナッ
ト部材26を螺嵌することにより、本体部22aがスライド
杆部10に固着される。
【0028】(図1にもどって)移動壁本体3は、吊下
部材2が挿入される上方開口状の挿入孔28を有する。該
移動壁本体3の前後両面には、外装板34, 34が、固設さ
れている。しかして、移動壁本体3に、重量支持部9の
転動ボール21…が下方から転動自在に当接する受け面29
を、形成する。
【0029】即ち、図1と図3に示すように、移動壁本
体3の挿入孔28内に、吊下部材2のスライド杆部10を挿
通する貫孔30を有する係止部材31を、固設し、その係止
部材31の下面が受け面29とされる。
【0030】また、図3と図6に示すように、重量支持
部9は、受け面29に沿って水平左右方向へ移動可能な左
右余裕代U,Uをもって該受け面29に当接する。即ち、
転動ボール21…は、移動壁本体3の受け面29に沿って水
平左右方向へ移動可能な左右余裕代U,Uをもって該受
け面29に当接する。
【0031】具体的には、係止部材31の受け面29は、左
右方向に余裕をもって長くされており、かつ、係止部材
31の貫孔30は、左右方向の長孔とされている(図6参
照)。これにより、吊下部材2は、移動壁本体3に対し
て、水平左右方向へ所定寸法Wだけスライド自在とな
る。
【0032】また、重量支持部9を、当接状態から分離
する下方向へ移動可能な上下余裕代Vをもってスライド
杆部10に、取付ける(図1参照)。具体的には、スライ
ド杆部10の上部に、下方へ向く段付部32を形成し、か
つ、移動壁本体3の当接部材31の上面近傍位置に、該段
付部32に対向するストッパ面33を形成する。
【0033】これにより、スライド杆部10(即ち吊下部
材2)は、受け面29に重量支持部9の転動ボール21…が
当接した状態における段付部32とストッパ面33との上下
寸法Hだけ、移動壁本体3に対して下方へスライド可能
となる。
【0034】なお、図10に示すように、移動壁本体3
は、左右2本の吊下部材2,2にて、吊下られる。そし
て、一方の吊下部材2aが、上述のように左右方向へス
ライド自在とされ、かつ、下方へ移動可能とされる。
【0035】また、他方の吊下部材2bは、図7に示す
ように、移動壁本体3に対して下方へ移動可能とされる
が、左右方向へは移動できないように構成されている。
【0036】即ち、図8に示すように、スライド杆部10
が挿通された当接部材31の貫孔30は、スライド杆部10の
外径よりも僅かに大きな内径を有する円形の孔とされ
る。かつ、重量支持部9は平面視矩形状の小板片のみか
ら成り、図1〜図6に示した転動ボール21と小球体25を
有していない。なお、その他の構成については、図1と
図2に示したものと同様とされる。
【0037】次に、図9に示すように、移動壁本体3の
下端部に、第1球面軸受部38を介して、移動壁固定用支
持杆36を、首振可能に取付けると共に、該移動壁固定用
支持杆36の下端部に、第2球面軸受部39を介して、床面
50に当接する当接固定部材37を、首振自在に取付ける。
【0038】上記移動壁固定用支持杆36と当接固定部材
37にて、移動壁固定用脚部35が形成される。つまり、移
動壁本体3の下端部に、移動壁固定用脚部35が、付設さ
れる。
【0039】第1球面軸受部38は、球状の内連接部40
と、該内連接部40の過半を包囲する球面孔部41を有する
外連接部42と、を有する。その外連接部42に、球面孔部
41に連通するねじ孔43を設けると共に、球状の内連接部
40に、移動壁固定用支持杆36の鉛直状態にてねじ孔43に
連通する小凹所44を設け、外連接部42のねじ孔43にねじ
部材45を螺入すると共に該ねじ部材45の先端部を内連接
部40の小凹所44に嵌入して、移動壁固定用支持杆36を鉛
直状に保持する。
【0040】かつ、第1球面軸受部38は、地震による曲
げ力が負荷すると、ねじ部材45が内連接部40と外連接部
42との境界面にて破断して、移動壁固定用支持杆36が首
振自在となるように、構成されている。
【0041】移動壁固定用支持杆36は、上端部に内連接
部40を一体に有すると共に下端部に開口するねじ孔46を
有する上杆部47と、該上杆部47のねじ孔46に螺入される
雄ねじ杆部48とその下端に一体に形成された球状の内連
接部49とから成る下杆部51と、から構成される。
【0042】第1球面軸受部38の外連接部42は、移動壁
本体3の下端部近傍の内部にねじ部をもって螺着された
上保持体42aと、その上半保持体42aの下面に取付ねじ
52を介して固着された下保持体42bと、から成る。
【0043】上保持体42aは、下方開口状の半球状孔部
53を有する。また、下保持体42bには、上保持体42aの
半球状孔部53に連続して前記球面孔部41を成す内連接部
40抜け止め用の上半内周面54を有する上下貫通状の孔部
55が、貫設される。その孔部55の下半内周面56は、下方
へ次第に拡径するテーパ面とされている。
【0044】また、当接固定部材37は、移動壁固定用支
持杆36の下端の内連接部49を略包囲する球面状凹所57を
有する外連接部58と、その外連接部58の下面に固着され
るゴム製の床当接部材60と、を備える。
【0045】しかして、第2球面軸受部39は、上方へ開
口する球面状凹所57を有する外連接部58と、該外連接部
58の球面状凹所57に嵌入される内連接部49と、該外連接
部58の球面状凹所57の内面に敷設されると共に上記内連
接部49を転動自在に受ける多数の小球体61…と、から成
る。
【0046】当接固定部材37の外連接部58は、小球体61
…を介して内連接部49を受ける受け部材63と、その受け
部材63の上面にねじ着されて内連接部49を抜け止めする
抜止部材64と、から構成される。
【0047】上述のように構成したことにより、通常
は、図1と図12に示すように、吊下部材2が鉛直に保持
され、かつ、重量支持部9が移動壁本体2の受け面29に
当接した当接状態となっている。さらに、移動壁固定用
脚部35は、図9に示すように、移動壁本体3の下部に鉛
直状態に固定保持されている。
【0048】しかして、地震が発生して建築構造物が激
しく揺れると、水平方向の揺れ(横揺れ)により、図11
に示すように、吊下部材2の上杆部12が、その上方の吊
車、レール、天井等と共に矢印Jで示すように水平方向
へ揺れるため、ねじ部材20が内連接部4と外連接部6と
の境界面にて破断して、首振継手部7が首振自在とな
る。
【0049】即ち、首振継手部7に曲げ力が負荷してね
じ部材20の先端部に大きな剪断力が作用するので該ねじ
部材20の先端部が破断して、内連接部4の小凹所19内
に、ねじ部材20の先端の破片20aが残った状態で、外連
接部6に対して内連接部4が回転する。
【0050】そして、移動壁本体3が、その下部または
その近傍を中心として矢印Kにて示すように揺動自在と
なって水平方向の地震エネルギーが吸収される。即ち、
吊下部材2が首振継手部7にて関節状となって首振りす
るため、吊下部材2に生ずる内部応力が小さくなり、該
吊下部材2が切断するのを防止できる。従って、移動壁
本体3を天井に吊り下げた状態に保持することができ、
該移動壁本体3は倒れない。
【0051】また、水平方向の揺れにより、建築構造物
を成す鉄筋等に、上下方向の撓み(以下構造2次撓みと
いう場合がある。)と、左右方向の撓みが発生する。さ
らに、地震の上下方向の揺れ(突き上げと突き下げ)に
より、建築構造物を成す鉄筋等に、上下方向の撓み(以
下地震応力撓みという場合がある。)が発生する。
【0052】この構造2次撓みと地震応力撓みにより、
吊下部材2が移動壁本体3に相対的に突き下げられる
と、図13と図14に示すように、吊下部材2が移動壁本体
3に相対的に下降して、受け面29に対して重量支持部9
が下方へ分離する。
【0053】これにより、上下方向の撓みを吸収するこ
とができる。即ち、移動壁本体3と吊下部材2に、上下
方向の圧縮力が作用しないので、吊下部材2の切断を防
止できると共に、移動壁本体3の破損を防止できる。か
つ、移動壁本体3は倒れない。
【0054】なお、吊下部材2は、図12の通常状態か
ら、図14に示すように、吊下部材2の段付部32が移動壁
本体3のストッパ面33に当接するまでの上下寸法Hだ
け、移動壁本体3に相対的に下降できる。従って、この
上下寸法Hを、構造2次撓みの寸法と地震応力撓みの寸
法との和と同一乃至それよりも大きく設定しておけば、
上下方向の撓みをすべて吸収することが可能である。
【0055】また、水平方向の揺れにより、図15に示す
ように、移動壁固定用脚部35の当接固定部材37が、その
下方の床と共に矢印Mで示すように水平方向へずれるた
め、第1球面軸受部38のねじ部材45が内連接部40と外連
接部42との境界面にて破断して、第1球面軸受部38が首
振自在となる。
【0056】即ち、第2球面軸受部39は常時首振自在で
あため、移動壁固定用支持杆36を介して、第1球面軸受
部38に曲げ力が負荷し、ねじ部材45の先端部に大きな剪
断力が作用する。これにより、ねじ部材45の先端部が破
断して、内連接部40の小凹所44内に、ねじ部材45の先端
の破片45aが残った状態で、外連接部42に対して内連接
部40が回転する。
【0057】そして、脚部35が、上端部を中心として揺
動自在となる。従って、前記吊下部材2の制約は受ける
が、移動壁本体3と床面50が、相対的に横揺れ自在とな
る。かつ、移動壁本体3の破損を防止できる。
【0058】また、地震の第1動が床面50の突き上げの
動きである場合は、移動壁固定用脚部35を介して移動壁
全体が突き上げられるので、図13と図14に示したよう
に、吊下部材2に相対的に移動壁本体3が上昇して、そ
の突き上げ力を吸収することができる。
【0059】従って、吊下部材2と移動壁本体3と脚部
35の破損を防止できると共に、移動壁本体3の転倒を防
止できる。
【0060】
【発明の効果】本発明は、上述の如く構成されるので、
次に記載する効果を奏する。
【0061】請求項1記載の耐震移動壁構造によれば、
地震が発生しても、長大スパンの建築構造物の天井に、
大面積かつ大重量の移動壁本体3を、吊り下げた状態に
保持することができて、移動壁本体3の転倒を防止でき
る。特に、横揺れによる建築構造物の上下方向の撓み
(構造2次撓み)と、縦揺れによる建築構造物の上下方
向の撓み(地震応力撓み)との、両方を吸収でき、優れ
た耐震性が得られる。従って、吊下部材2と移動壁本体
3の破損を防止できると共に、移動壁本体3により建築
構造物自体、及び、展示物、事務機器等の他の物体が破
損するのを防止でき、地震による被害を最小限に抑える
ことができる。かつ、(移動壁本体3が倒れないので)
安全性が高いという利点がある。
【0062】請求項記載の耐震移動壁構造によれば、
地震が発生しても、長大スパンの建築構造物の天井に、
大面積かつ大重量の移動壁本体3を、吊り下げた状態に
保持することができて、移動壁本体3の転倒を防止でき
る。特に、横揺れと縦揺れの両方に対して優れた耐震性
が得られる。そして、移動壁本体3の破損を防止できる
と共に、移動壁本体3により建築構造物自体、及び、展
示物、事務機器等の他の物体が破損するのを防止でき、
地震による被害を最小限に抑えることができる。かつ、
(移動壁本体3が倒れないので)安全性が高いという利
点がある。
【0063】請求項記載の耐震移動壁構造によれば、
通常状態では、移動壁固定用脚部35にて移動壁本体3を
鉛直状態に固定保持することができる。また、地震発生
時には、移動壁本体3が倒れるのを防止でき、地震によ
る物の破損等の被害が小さくなると共に、安全性が高
い。
【0064】請求項記載の耐震移動壁構造によれば、
通常状態では、移動壁本体3を鉛直に起立保持すること
ができると共に、地震発生時には、移動壁本体3を確実
に横揺れ自在として、移動壁本体3の転倒を防止でき
る。従って、地震による被害を少なくすることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐震移動壁構造の一実施例を示す断面
側面図である。
【図2】要部拡大断面図である。
【図3】要部拡大断面正面図である。
【図4】要部拡大断面平面図である。
【図5】転動ボール取付け状態を説明する拡大断面図で
ある。
【図6】要部拡大断面平面図である。
【図7】要部断面側面図である。
【図8】要部拡大断面平面図である。
【図9】移動壁固定用脚部を説明する要部拡大断面側面
図である。
【図10】要部正面図である。
【図11】要部作用説明図である。
【図12】通常状態の要部断面側面図である。
【図13】地震発生時の要部作用説明図である。
【図14】地震発生時の要部作用説明図である。
【図15】地震発生時の要部作用説明図である。
【図16】建築構造物の一例を示す簡略断面図である。
【符号の説明】
2 吊下部材 3 移動壁本体 4 内連接部 5 球面孔部 6 外連接部 7 首振継手部 8 上縁 9 重量支持部 10 スライド杆部 18 ねじ孔 19 小凹所 20 ねじ部材 29 受け面 35 移動壁固定用脚部 U 左右余裕代 V 上下余裕代
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05D 15/00 - 15/06 E06B 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天井に配設されたレールに沿って走行す
    る吊車に垂設される吊下部材2と、該吊下部材2に吊下
    げられて移動可能とされる移動壁本体3とを、備え、上
    記吊下部材2は、上記移動壁本体3に上方から挿入され
    るスライド杆部10を、有し、該スライド杆部10の下部に
    重量支持部9を設け、上記移動壁本体3の内部に、該重
    量支持部9が下方から当接する受け面29を、形成し、か
    つ、該重量支持部9は、該受け面29に沿って水平左右方
    向へ移動可能な左右余裕代U,Uをもって該受け面29に
    当接し、さらに、該重量支持部9を、上記当接状態から
    分離する下方向へ移動可能な上下余裕代Vをもって上記
    スライド杆部10に、取付けたことを特徴とする耐震移動
    壁構造。
  2. 【請求項2】 天井に配設されたレールに沿って走行す
    る吊車に垂設される吊下部材2と、該吊下部材2に吊下
    げられて移動可能とされる移動壁本体3とを、備え、上
    記吊下部材2は、球状の内連接部4と、該内連接部4の
    過半を包囲する球面孔部5を有する外連接部6と、を有
    する首振継手部7を、上記移動壁本体3の上縁8乃至そ
    の近傍の位置に、備え、かつ、上記吊下部材2は、上記
    移動壁本体3に上方から挿入されるスライド杆部10を、
    有し、該スライド杆部10の下部に重量支持部9を設け、
    上記移動壁本体3の内部に、該重量支持部9が下方から
    当接する受け面29を、形成し、かつ、該重量支持部9
    は、該受け面29に沿って水平左右方向へ移動可能な左右
    余裕代U,Uをもって該受け面29に当接し、さらに、該
    重量支持部9を、上記当接状態から分離する下方向へ移
    動可能な上下余裕代Vをもって上記スライド杆部10に取
    付けたことを特徴とする耐震移動壁構造。
  3. 【請求項3】 移動壁本体3の下端部に、移動壁固定用
    脚部35が、付設されている請求項1又は2記載の耐震移
    動壁構造。
  4. 【請求項4】 吊下部材2の首振継手部7の外連接部6
    に、該外連接部6の球面孔部5に連通するねじ孔18を設
    けると共に、球状の内連接部4に、吊下部材2の直線状
    態に於いて上記ねじ孔18に連通する小凹所19を設け、上
    記外連接 部6のねじ孔18にねじ部材20を螺入すると共に
    該ねじ部材20の先端部を上記内連接部4の小凹所19に嵌
    入して、上記吊下部材2を直線状に保持し、かつ、該吊
    下部材2は、首振継手部7に地震による曲げ力が負荷す
    ると、上記ねじ部材20が内連接部4と外連接部6との境
    界面にて破断して、首振継手部7が首振自在となるよう
    に、構成されている請求項2記載の耐震移動壁構造。
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