JP2000017937A

JP2000017937A - 耐震移動壁構造

Info

Publication number: JP2000017937A
Application number: JP18925298A
Authority: JP
Inventors: Toshihiko Tsujii; 敏彦辻井
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1998-07-03
Filing date: 1998-07-03
Publication date: 2000-01-18

Abstract

(57)【要約】【課題】耐震移動壁構造に於て、移動壁の移動時に走
行不良や破壊が発生せず、かつ、高い耐震性を発揮でき
るようにする。【解決手段】上方のレールに転動自在に当接する転動
部材４とその転動部材４が回転自在に取付けられる基台
部５とを有する吊車２と、吊車２に垂設される吊下杆３
と、吊下杆３の下部に取付けられる移動壁１と、を備え
る。吊車２の基台部５に球面の一部を成す重量受け凹面
12を形成し、吊下杆３の上端部に球面の一部を成す当接
用弯曲面部18を有する頭部３ｂを形成し、吊下杆３を鉛
直線Ｍに対して所定角度θだけ揺動自在となるように、
吊下杆３の頭部３ｂの当接用弯曲面部18を多数の小球体
22…を介して吊車２の基台部５の重量受け凹面12にて受
ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、耐震移動壁構造に
関する。

【０００２】

【従来の技術】美術館や博物館あるいは各種の展示会場
等に於て使用される移動壁を移動自在に吊持する耐震移
動壁構造としては、例えば、図９に示すように、天井に
配設されたレールに沿って走行する吊車ａと、その吊車
ａから垂下されると共に下端に移動壁が取付けられる吊
下杆ｂと、を備えたものが公知であった。

【０００３】その吊車ａは、レールに転動自在に当接す
る車輪ｃ…及び球体ｄ…と、その車輪ｃ…と球体ｄ…が
回転自在に取付けられる基台部ｅと、を備え、その基台
部ｅに、スラストベアリングｆを介して、吊下杆ｂが鉛
直軸心ｇ廻りに回転自在に取付けられていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
従来の耐震移動壁構造では、下方の移動壁を人の手で押
して移動させると移動壁が傾斜することがある。そのよ
うな傾斜移動時には、吊下杆ｂと吊車ａも傾斜し、吊車
ａの車輪ｃと球体ｄとが一部浮き上がって、他の少数の
車輪ｃと球体ｄが全荷重を負荷するので、走行不良や、
レールや吊車等の破壊が発生するという問題があった。

【０００５】また、地震発生時に移動壁が横揺れする
と、吊下杆ｂと吊車ａも一体となって横揺れするので、
吊車ａと吊下杆ｂとの間に大きな負荷がかかり、破壊が
生ずるという問題があった。

【０００６】そこで、本発明は、上述の問題を解決し
て、移動壁の傾斜移動時に走行不良や破壊が発生せず、
かつ、高い耐震性を発揮できる耐震移動壁構造を提供す
ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明に係る耐震移動壁構造は、上方のレールに転
動自在に当接する転動部材とその転動部材が回転自在に
取付けられる基台部とを有する吊車と、該吊車に垂設さ
れる吊下杆と、該吊下杆の下部に取付けられる移動壁
と、を備えた耐震移動壁構造であって、上記吊車の基台
部に球面の一部を成す重量受け凹面を形成し、上記吊下
杆の上端部に球面の一部を成す当接用弯曲面部を有する
頭部を形成し、上記吊下杆を鉛直線に対して所定角度だ
け揺動自在となるように、該吊下杆の頭部の当接用弯曲
面部を上記吊車の基台部の重量受け凹面にて受けたもの
である。

【０００８】また、上方のレールに転動自在に当接する
転動部材とその転動部材が回転自在に取付けられる基台
部とを有する吊車と、該吊車に垂設される吊下杆と、該
吊下杆の下部に取付けられる移動壁と、を備えた耐震移
動壁構造であって、上記吊車の基台部に球面の一部を成
す重量受け凹面を形成し、上記吊下杆の上端部に球面の
一部を成す当接用弯曲面部を有する頭部を形成し、上記
吊下杆を鉛直線に対して所定角度だけ揺動自在となるよ
うに、該吊下杆の頭部の当接用弯曲面部を多数の小球体
を介して上記吊車の基台部の重量受け凹面にて受けたも
のである。

【０００９】また、吊下杆の頭部に上方へ膨出する半球
状小凸面部が突設され、かつ、吊車の基台部に、上記半
球状小凸面部に当接可能であって、上記吊下杆の跳上り
を防止する跳上防止面部が形成されている。

【００１０】また、吊下杆の頭部の上端面中央部に凹所
が形成されると共に該凹所に球体が嵌入され、さらに、
吊車の基台部に、上記球体に当接可能であって、上記吊
下杆の跳上りを防止する跳上防止面部が形成されてい
る。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基いて詳説する。

【００１２】図６は本発明に係る耐震移動壁構造の実施
の一形態を示し、この耐震移動壁構造は、美術館や博物
館、あるいは各種の展示会場等の室内に配設される移動
壁１を吊り下げるためのものであり、上方のレールＲ内
を走行する吊車２と、その吊車２に垂設される吊下杆３
と、吊下杆３の下部に取付けられる移動壁１と、を備え
ている。

【００１３】レールＲは、下方開口状の蟻溝30を有し、
その蟻溝30内に吊車２を受ける高剛性の受け面31, 31が
形成される。そして、レールＲは、横断面コの字状の係
止部材32, 32や、吊持用ボルト33, 33等から成る取付具
34を介して、建物の天井等に配設される。

【００１４】しかして、図１と図２と図３に示すよう
に、吊車２は、図外のレールＲに転動自在に当接する転
動部材４…と、その転動部材４…が回転自在に取付けら
れる基台部５と、基台部５の上面に鉛直軸心廻りに回転
自在に取付けられる横ガイドローラ６…と、を有する。
転動部材４…は、車輪４ａ…と転動ボール４ｂ…とから
成る。そして、車輪４ａ…は、平面視略正方形の基台部
５の４つの各辺に水平軸心Ｌ…廻りに回転自在に枢着さ
れる。

【００１５】転動ボール４ｂ…は、基台部５の下面の４
つの角部に１個ずつ回転自在に取付けられる。具体的に
は、基台部５に、下方開口状の球状の凹部７…を設け、
その凹部７…内に多数の小球体８…を介して転動ボール
４ｂを回転自在に収納する。

【００１６】また、基台部５は、車輪４ａ…が枢着され
る本体部９と、その本体部９の上面に固着される蓋状片
部10と、蓋状片部10の４つの角部の下面に固着されると
共に上記凹部７…が形成された転動ボール保持部21と、
その転動ボール保持部21の下面に取付けられる抜止片部
11と、から成る。

【００１７】さらに、基台部５に、球面の一部を成す重
量受け凹面12を有する中空室部13と、その中空室部13の
重量受け凹面12の下部から基台部５の下端面へと貫設さ
れる吊下杆挿通孔14と、を形成する。具体的には、基台
部５の本体部９の上面側中央部に重量受け凹面12を凹設
すると共に、その凹面12の底部に吊下杆挿通孔14を貫設
する。また、基台部５の蓋状片部10の下面中央部に、後
に詳しく説明する半球凹状の跳上防止面部15と、その跳
上防止面部15の下方開口端縁から側外方へ上り傾斜状に
形成される傾斜上面部16と、から成る下方開口凹所17
を、形成する。つまり、中空室部13は、本体部９の凹面
12と、蓋状片部10の下方開口凹所17と、から形成され
る。

【００１８】また、吊下杆３は、杆本体部３ａと、その
杆本体部３ａの上部に形成される頭部３ｂと、から成
る。また、頭部３ｂは、球面の一部を成す当接用弯曲面
部18と、平面視円形の平坦面部20と、平坦面部20の中央
部から上方へ膨出する半球状小凸面部19と、を有する。

【００１９】しかして、吊下杆３の杆本体部３ａを吊車
２の基台部５の吊下杆挿通孔14に挿通すると共に、吊下
杆３の頭部３ｂを基台部５の中空室部13に収納する。そ
して、吊下杆３を鉛直線Ｍに対して所定角度θだけ揺動
自在となるように、吊下杆３の頭部３ｂの当接用弯曲面
部18を多数の小球体22…を介して吊車２の基台部５の重
量受け凹面12にて受ける（図５参照）。このとき、吊下
杆３の頭部３ｂの当接用弯曲面部18を含む球の中心と、
基台部５の重量受け凹面12を含む球の中心とが、一致す
るように構成する。これにより、吊下杆３は中心点Ｃ廻
りに揺動可能となる。

【００２０】さらに詳しく説明すると、図４に示すよう
に、杆本体部３ａは丸棒状とされ、その杆本体部３ａの
外径Ａは、吊下杆挿通孔14の内径Ｂよりも、十分に小さ
く設定される。換言すれば、吊下杆３の鉛直状態に於
て、杆本体部３ａの外周面と吊下杆挿通孔14の内周面と
の間に、逃げ用隙間Ｓ₁ を形成し、かつ、頭部３ｂの平
坦面部20と、蓋状片部10の傾斜上面部16との間に、逃げ
用隙間Ｓ₂ を形成する。

【００２１】また、蓋状片部10の跳上防止面部15と、頭
部３ｂの半球状小凸面部19との間に、微小間隙Ｓ₃ を形
成する。つまり、跳上防止面部15は、半球状小凸面部19
に当接可能であって、吊下杆３の跳上りを防止する。さ
らに、基台部５の重量受け凹面12の上端縁部と下端縁部
には、小球体22…が、重量受け凹面12から上方又は下方
へ抜け出るのを防止する段付部23, 24が、形成される。

【００２２】上述のように構成したことにより、図５に
示すように、移動壁１を矢印Ｃ方向へ押して移動させる
と、移動壁１と吊下杆３が傾斜する。このとき、吊下杆
３の頭部３ｂは、吊車２の基台部５に対して揺動する。
従って、吊車２が傾斜せず、転動部材４…（車輪４ａと
転動ボール４ｂ）が一部浮き上がることは無い。そし
て、転動部材４…はレールＲに均等に当接するので、走
行不良が生ずることが無く、吊車２がレールＲ内を軽快
に走行できる。従って、軽い力でスムースに移動させる
ことができる。

【００２３】また、吊車２に対して吊下杆３が揺動でき
ると共に吊下杆３が軸心廻りに回転自在であるため、地
震発生時に、移動壁１が揺れても、複雑な揺れや移動壁
１等の歪みを吸収でき、移動壁１と吊車２と吊下杆３等
の破壊を防止できる。

【００２４】次に、図７は他の実施の形態を示し、吊下
杆３の頭部３ｂの上端面中央部に凹所25が形成されると
共にその凹所25に球体26が嵌入される。さらに、吊車２
の基台部５の中空室部13の上面に、球体26に当接可能で
あって、吊下杆３の跳上りを防止する跳上防止面部27が
形成されている。また、吊下杆挿通孔14は、下方へ次第
に拡径し、かつ、吊下杆３の杆本体部３ａの吊下杆挿通
孔14に対向する外周面部28は、上方へ次第に縮径するテ
ーパ状とされている。

【００２５】上述の構成により、図１〜図６にて説明し
たものに比して、吊下杆３を容易に形成できる。しか
も、吊下杆３が跳上ることが無く、小球体22…が外れ出
るのを防止できる。

【００２６】なお、本発明は、上述の実施の形態以外に
も設計変更可能であり、例えば、小球体22…を省略し
て、重量受け凹面12に対して弯曲面部18を、相互に摺動
して首振り自在に受けるも自由である。また、図８に示
すように、吊車２を上下２段式としてもよい。その吊車
２は、基台部５の上面中央に短杆35を介して上水平板36
を取付けると共に、その上水平板36に鉛直軸心廻りに回
転自在な第１ガイドローラ37…と、水平軸心廻りに回転
自在な第２ガイドローラ38…と、が枢着される。なお、
基台部５の上面には横ガイドローラは設けられない。他
は図１〜図６にて説明したもの、又は、図７にて説明し
たものと同様である。

【００２７】

【発明の効果】本発明は上述の構成により、次のような
著大な効果を奏する。

【００２８】請求項１又は２記載の耐震移動壁構造によ
れば、移動壁１を移動させる際に、移動壁１が傾斜して
も、吊車２が傾斜することは無く、吊車２がレールＲ内
を軽快に走行できる。従って、移動壁１を軽い力でスム
ースに移動させることができる。また、地震発生時に、
移動壁１が揺れても、複雑な揺れや移動壁１等の歪みを
吸収でき、移動壁１と吊車２と吊下杆３等の破壊を防止
できる。

【００２９】請求項３記載の耐震移動壁構造によれば、
請求項１記載のものと同様の効果を奏すると共に、吊下
杆３が吊車２に対して跳ね上がるのを防止できる。従っ
て、、小球体22…が外部へ外れ出ることが無い。

【００３０】請求項４記載の耐震移動壁構造によれば、
請求項１記載のものと同様の効果を奏すると共に、吊下
杆３が吊車２に対して跳ね上がるのを防止できる。従っ
て、、小球体22…が外部へ外れ出ることが無い。かつ、
吊下杆３を容易に作成でき、全体として製造が容易とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態の要部拡大断面図であ
る。

【図２】要部拡大断面図である。

【図３】要部平面図である。

【図４】要部拡大断面図である。

【図５】作用説明図である。

【図６】要部断面図である。

【図７】他の実施の形態の要部拡大断面図である。

【図８】別の実施の形態の要部正面図である。

【図９】従来例説明図である。

【符号の説明】

１移動壁２吊車３吊下杆３ｂ頭部４転動部材５基台部 12 重量受け凹面 15 跳上防止面部 18 当接用弯曲面部 19 半球状小凸面部 22 小球体 25 凹所 26 球体Ｍ鉛直線Ｒレール θ 所定角度

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】上方のレールＲに転動自在に当接する転
動部材４…とその転動部材４…が回転自在に取付けられ
る基台部５とを有する吊車２と、該吊車２に垂設される
吊下杆３と、該吊下杆３の下部に取付けられる移動壁１
と、を備えた耐震移動壁構造であって、上記吊車２の基
台部５に球面の一部を成す重量受け凹面12を形成し、上
記吊下杆３の上端部に球面の一部を成す当接用弯曲面部
18を有する頭部３ｂを形成し、上記吊下杆３を鉛直線Ｍ
に対して所定角度θだけ揺動自在となるように、該吊下
杆３の頭部３ｂの当接用弯曲面部18を上記吊車２の基台
部５の重量受け凹面12にて受けたことを特徴とする耐震
移動壁構造。
【請求項２】上方のレールＲに転動自在に当接する転
動部材４…とその転動部材４…が回転自在に取付けられ
る基台部５とを有する吊車２と、該吊車２に垂設される
吊下杆３と、該吊下杆３の下部に取付けられる移動壁１
と、を備えた耐震移動壁構造であって、上記吊車２の基
台部５に球面の一部を成す重量受け凹面12を形成し、上
記吊下杆３の上端部に球面の一部を成す当接用弯曲面部
18を有する頭部３ｂを形成し、上記吊下杆３を鉛直線Ｍ
に対して所定角度θだけ揺動自在となるように、該吊下
杆３の頭部３ｂの当接用弯曲面部18を多数の小球体22…
を介して上記吊車２の基台部５の重量受け凹面12にて受
けたことを特徴とする耐震移動壁構造。
【請求項３】吊下杆３の頭部３ｂに上方へ膨出する半
球状小凸面部19が突設され、かつ、吊車２の基台部５
に、上記半球状小凸面部19に当接可能であって、上記吊
下杆３の跳上りを防止する跳上防止面部15が形成されて
いる請求項１又は２記載の耐震移動壁構造。
【請求項４】吊下杆３の頭部３ｂの上端面中央部に凹
所25が形成されると共に該凹所25に球体26が嵌入され、
さらに、吊車２の基台部５に、上記球体26に当接可能で
あって、上記吊下杆３の跳上りを防止する跳上防止面部
15が形成されている請求項１又は２記載の耐震移動壁構
造。