JP3026036U - 耐震移動壁構造 - Google Patents

耐震移動壁構造

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JP3026036U
JP3026036U JP1995014317U JP1431795U JP3026036U JP 3026036 U JP3026036 U JP 3026036U JP 1995014317 U JP1995014317 U JP 1995014317U JP 1431795 U JP1431795 U JP 1431795U JP 3026036 U JP3026036 U JP 3026036U
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悦一 松田
敏彦 辻井
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悦一 松田
松田 昭
敏彦 辻井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐震性に優れると共に、遮音性にも優れ、か
つ、構造を簡単とすることができる耐震移動壁構造を提
供する。 【解決手段】 上方に配設されたレールに沿って走行す
る吊車に吊下げられる移動壁本体2aの底面に凹溝8を
設ける。その凹溝8に、角棒状の床当接部材25が昇降自
在に挿嵌される。床当接部材25を、移動壁本体2aの底
辺全長にわたって配設する。床当接部材25を床面Fに対
して離間・圧接切換え可能とする昇降駆動機構3を備え
る。移動壁本体2aの下端部に、遮音用垂下片16, 16
を、床面Fに摺動可能に、付設する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、展示場、コンベンション、博物館等を、用途、機能、収容人員等に 応じて自由に間仕切るための耐震移動壁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、展示場、コンベンション、博物館等を間仕切るための移動壁構造として 、例えば、天井に配設されたレールに沿って走行する2個の吊車から垂下された 鉛直杆に、移動壁を、床面から常時浮いた状態に吊り下げたものが公知であった 。その移動壁構造は、移動壁の底面にねじ孔が設けられ、そのねじ孔に、床面当 接用の円盤状の脚部材に設けられたねじ杆を、上下螺進退自在に螺着して、その 脚部材(ねじ杆)を上方へ螺進させて床面から離間させると、移動壁が移動自在 となり、脚部材(ねじ杆)を螺退させて床面に当接させると、移動壁が固定状と なるように構成されていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上述のような従来の移動壁構造では、脚部材の小面積の底面のみが、 床面に当接するため、地震が発生すると、床面や脚部が破損し易く、破損が生じ た場合は移動壁が大きく揺れて落下・転倒する危険性が高いという問題があった 。
【0004】 また、移動壁底面の複数箇所に設けられた脚部の間は隙間となるため、移動壁 の移動可能な状態と固定させた状態のどちらでも、移動壁の下面と床面との間に 数ミリメートル〜数センチメートルの隙間が生じ、遮音性がきわめて悪いという 問題があった。
【0005】 そこで、本考案は、上述の問題を解決して、耐震性に優れると共に、遮音性に も優れる耐震移動壁構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために本考案に係る耐震移動壁構造は、上方に配設され たレールに沿って走行する吊車に垂設される吊下部材と、該吊下部材に吊下げら れて移動可能とされる移動壁と、を備え、該移動壁は、移動壁本体と、その移動 壁本体の下端部に配設される床当接部材と、該床当接部材を床面に対して離間・ 圧接切換え可能とする昇降駆動機構と、を備えたものである。
【0007】 また、本考案に係る耐震移動壁構造は、上方に配設されたレールに沿って走行 する吊車に垂設される吊下部材と、該吊下部材に吊下げられて移動可能とされる 移動壁と、を備え、該移動壁は、移動壁本体と、その移動壁本体の下端部に配設 される床当接部材と、該床当接部材を床面に対して離間・圧接切換え可能とする 昇降駆動機構と、を備え、上記吊下部材は、上記移動壁本体に上方から挿入され たスライド杆部と、上記移動壁本体の内部に設けられた受け面に下方から当接す る重量支持部とを、有し、かつ、該重量支持部は、上記受け面から分離する下方 向へ移動可能な上下余裕代をもって上記スライド杆部に、取付けられたものであ る。
【0008】 また、本考案に係る耐震移動壁構造は、上方に配設されたレールに沿って走行 する吊車に垂設される吊下部材と、該吊下部材に吊下げられて移動可能とされる 移動壁と、を備え、該移動壁は、移動壁本体と、その移動壁本体の下端部に配設 される床当接部材と、該床当接部材を床面に対して離間・圧接切換え可能とする 昇降駆動機構と、を備え、上記吊下部材は、上記移動壁本体に上方から挿入され たスライド杆部と、上記移動壁本体の内部に設けられた受け面に下方から当接す る重量支持部とを、有し、かつ、該重量支持部は、上記受け面から分離する下方 向へ移動可能な上下余裕代をもって上記スライド杆部に、取付けられ、さらに、 一方の上記吊下部材は、上記移動壁本体に対して水平走行方向へスライド自在と されたものである。
【0009】 なお、床当接部材が、移動壁本体の底辺全長にわたって配設されると共に、該 移動壁本体の底面に、上記床当接部材が昇降自在に挿嵌される下方開口状の凹溝 が、設けられ、さらに、該床当接部材を床面に圧接させた下降状態に於て、該床 当接部材に全長にわたって近接乃至当接する遮音片部が、上記移動壁本体の下部 に、設けられているのが好ましい。
【0010】 また、移動壁本体の下端部に、遮音用垂下片を、床面に摺動可能に近接乃至当 接するように付設するも望ましい。また、吊下部材が、球状の頭部を有する内連 接部と、該内連接部の頭部の過半を包囲する球面孔部を有する外連接部と、を備 えた首振継手部を、移動壁本体の上縁乃至その近傍の位置に、有しているも好ま しい。
【0011】
【考案の実施の形態】
以下、実施の形態に基き本考案を詳説する。
【0012】 図7は、本考案に係る耐震移動壁構造の実施の一形態を示し、この耐震移動壁 構造は、長大スパンの梁を有する展示場、コンベンション、博物館等の建築構造 物に於て、内部の間仕切り、絵画や写真等の展示物の展示等に使用するためのも のであり、梁や天井に配設されたレールRに沿って走行する吊車M,Mに垂設さ れた左右の吊下部材1a,1bと、その吊下部材1a,1bに吊下げられて移動 可能とされた移動壁2と、を備えている。
【0013】 しかして、図1と図2と図3と図6に示すように、移動壁2は、移動壁本体2 aと、その移動壁本体2aの下端部に配設される床当接部材25と、その床当接部 材25を床面Fに対して離間・圧接切換え可能とする昇降駆動機構3と、を備えて いる。
【0014】 床当接部材25は、帯板上の金属板25aとその下面に固着された弾性部材25bに て角棒状に形成され、かつ、その床当接部材25は、移動壁本体2aの底辺全長に わたって、配設される。具体的には、移動壁本体2aの底面に、下方開口状の凹 溝8が、全長にわたって設けられ、その凹溝8に、床当接部材25が昇降自在に挿 嵌される(図1と図2と図3参照)。
【0015】 床当接部材25には、昇降駆動機構3の一部を成す縦ねじ杆28, 28が、上方突出 状に固着される。また、移動壁本体2aの下端部に、遮音用垂下片16, 16が、床 面Fに摺動可能に近接乃至当接するように付設されている。
【0016】 遮音用垂下片16, 16は、移動壁本体2aの下面の凹溝8の前後(図1と図2で は左右)両側に、移動壁本体2aの底辺全長にわたって取付けられる。その遮音 用垂下片16, 16は、夫々、相互に所定間隔をもって平行に配設された2枚の帯板 状弾性片部16a, 16bを、有する。
【0017】 また、図1に示すように、床当接部材25を床面Fに圧接させた下降状態に於て 、その床当接部材25に全長にわたって近接乃至当接する遮音片部18, 18が、移動 壁本体2aの下部に、設けられている。
【0018】 具体的には、移動壁本体2aの下面に凹溝8の前後開口端縁に、弾性体から成 る遮音片部18, 18が、床当接部材25の前後両面に左右方向全長にわたって摺接す るように、付設される。
【0019】 また、図1と図2と図3に示すように、昇降駆動機構3は、床当接部材25に上 方突出状に設けられた縦ねじ杆28と、移動壁本体2aの内部に鉛直軸心廻りに回 転自在に設けられると共に縦ねじ杆28が上下螺進退自在に螺入されるナット部材 29と、そのナット部材29の外周面に設けられた第1スパイラルギヤ30と、その第 1スパイラルギヤ30に噛合すると共に前後方向の水平軸心廻りに回転可能に設け られた第2スパイラルギヤ31と、を備えている。
【0020】 ナット部材29の上端部と下端部は、各々、スラスト軸受32, 32を介して、移動 壁本体2a内に取付けられる。第2スパイラルギヤ31は、枢支枠33を介して、移 動壁本体2a内に枢設される。さらに、第2スパイラルギヤ31は、手動回転具34 の先端部が嵌脱自在に嵌入される差込凹部35を有する。
【0021】 差込凹部35は、第2スパイラルギヤ31の前後に突出した軸部の前後両面に凹設 された断面形状が矩形状の孔である。また、手動回転具34の先端部には、断面形 状に於て、差込凹部35の内形寸法よりも僅かに小さな外形寸法を有する角頭部が 設けられる。
【0022】 移動壁本体2aの前後両壁部の差込凹部35,35に対応する箇所には、手動回転 具34の先端部を挿入するための貫孔36, 36が設けられ、その貫孔36, 36には、小 蓋体40, 40が、着脱自在に嵌め込まれる。
【0023】 なお、図6に示すように、移動壁本体2aの左右両端部寄りに、夫々、昇降駆 動機構3,3が設けられる。
【0024】 次に、図4と図5に示すように、吊下部材1a,1bは、移動壁本体2aに上 方から挿入されたスライド杆部4と、そのスライド杆部4の下端部に取付けられ る重量支持部7a,7bと、スライド杆部4の上端部に連結される首振継手部5 と、その首振継手部5と上方の吊車とを連結する上杆部6と、を備える。首振継 手部5は、移動壁本体2aの上縁乃至その近傍の位置に配設される。また、首振 継手部5は、球状の頭部19を上端に有する内連接部20と、その内連接部20の頭部 19の過半を包囲する球面孔部21を有する外連接部22と、から成る。
【0025】 内連接部20の下部には、雄ねじ部47が形成され、その雄ねじ部47をスライド杆 部4の上端部に設けられたねじ孔48に螺着して、スライド杆部4と内連接部20が 連結される。また、外連接部22の上部には上方開口状のねじ孔49が形成され、そ のねじ孔49に上杆部6の下端に形成された雄ねじ部50を螺着して、上杆部6と外 連接部22が連結される。
【0026】 また、外連接部22に、球面孔部21に連通するねじ孔を設けると共にそのねじ孔 に小ねじ部材23を螺入する。さらに、内連接部20の頭部に、吊下部材1a,1b の直線状態に於いて小ねじ部材23の先端部が挿入される小凹所を設け、吊下部材 1a,1bを直線状に保持する。
【0027】 上述の構成により、首振継手部5に、地震による曲げ力が負荷すると、小ねじ 部材23が内連接部20と外連接部22との境界面にて破断して首振自在となるように 、構成されている。なお、吊下部材1a,1bの上杆部6の軸心に対して移動壁 本体2aが首振可能な角度は30°に設定されているが、30°以外にも、20°〜60 °程度の範囲内で変更してもよい。
【0028】 また、吊下部材1a,1bの重量支持部7a,7bは、スライド杆部4の下端 部が貫通状に固着される小板片状の支持片10を有する。9は支持片10を抜け止め するためのナット部材である。
【0029】 さらに、一方の重量支持部7bの支持片10の上面側には、4つの転動ボール11 …が回転自在として上方へ突出状に取付けられる(図4と図6では転動ボール11 …が2個のみあらわれている。
【0030】 また、移動壁本体2aの内部には、重量支持部7a,7bが下方から当接する 受け面15が設けられる。一方の受け面15には、それに対応する支持片10の転動ボ ール11…が転動自在に当接する。しかして、一方の吊下部材1bは、移動壁本体 2aに対して(図6に矢印A,Bにて示す)水平左右方向へスライド自在とされ る。
【0031】 なお、他方の受け面15には、それに対応する(転動ボールを有していない)支 持片10の上面が当接し、かつ、他方の吊下部材1aが、移動壁本体2aに対して 左右方向へは移動できないように構成されている。
【0032】 さらに、左右の重量支持部7a,7bは、受け面15, 15から分離する下方向へ 移動可能な上下余裕代Hをもってスライド杆部4,4に取付けられている(図4 参照)。即ち、スライド杆部4は、移動壁本体2aに対して下方へスライド自在 とされ、重量支持部7a,7bは、夫々、受け面15よりも下方において、上述の 上下余裕代Hの範囲内で上下動自在とされる。その上下余裕代Hは、移動壁本体 2aの上端面と吊下部材1a,1bの外連接部22, 22の下端面との間の上下間隔 寸法Sと同一である。
【0033】 なお、例えば、移動壁本体2aの高さ寸法が6mの場合、上下余裕代Hの寸法 を、 500mm〜 700mm程度に設定するのが好ましい。そのようにすれば、大きな直 下型地震の上下の揺れを十分に吸収できる。
【0034】 また、図4に示すように、移動壁2の上方に、遮音材から成る下がり壁12, 12 を配設する。その下がり壁12, 12は、レールRの下方のスリット部38の両側にお いて天井から垂設される。
【0035】 そして、前後一対の下がり壁12, 12の間に、移動壁本体2aの上端部が挿入さ れる。その移動壁本体2aの前後両面の上端部には、一対の下がり壁12, 12の対 向内面に摺接する複数の遮音用小片39…が、移動壁本体2aの上辺全長にわたっ て設けられる。
【0036】 しかして、この移動壁を移動させるには、図2と図3に示すように、昇降駆動 機構3を手動にて駆動させて床当接部材25を床面Fから離間させる。具体的には 、手動回転具34を介して、第2スパイラルギヤ31を一方向へ回転させる。すると 、第1スパイラルギヤ30とナット部材29が鉛直軸心廻りに回転し、そのナット部 材29の回転により縦ねじ杆28が上昇すると共にその下端に連結された床当接部材 25が上昇する。
【0037】 その後、移動壁本体2aを人の手でレールと平行な方向へ押せばよい。なお、 この移動する際でも、移動壁本体2aの下端の遮音用垂下片16, 16が床面Fに摺 接するため、移動壁本体2aのぐらつきを防止できる。
【0038】 また、移動壁本体2aを所望の位置に固定するには、図1と図3に示すように 、手動回転具34を介して、第2スパイラルギヤ31を上記の場合と反対方向へ回転 させる。すると、第1スパイラルギヤ30とナット部材29が鉛直軸心廻りに上記と 反対方向へ回転し、そのナット部材29の回転により縦ねじ杆28が下降すると共に その下端に連結された床当接部材25も下降する。そして、床当接部材25の下面が 床面に圧接したら手動回転具34の回転を止めて該回転具34を取り外せばよい。
【0039】 上述のようにして、移動壁本体2aを床面F上に固定すれば、人がもたれかか っても移動壁2がぐらつかず、かつ、地震の際に移動壁2が前後に揺れ難くなる 。さらに、移動壁本体2aの一面側から他面側へ、音がほとんど伝わらなくなる 。即ち、床当接部材25と床面Fとの間に隙間は無いため遮音され、かつ、床当接 部材25と移動壁本体2aの間は遮音片部18, 18にて遮音され、さらに、床当接部 材25の前後両面側が、遮音用垂下片16, 16にて2重に遮音されるため、移動壁2 の下部を効率的に遮音できる。
【0040】 また、移動壁本体2aの上部は、一対の下がり壁12, 12と、それに摺接する遮 音用小片39…にて、遮音される。従って、移動壁2の一面側から他面側へ、音が 一層伝わり難くなる。
【0041】 また、この耐震移動壁構造は、極めて優れた耐震性を有している。即ち、図1 の如く移動壁本体2aの下面を床面Fに当接させた状態で、直下型地震等の大き な揺れを伴う地震が発生して建築構造物が、図4の矢印J方向に激しく横揺れす ると、首振継手部5の小ねじ部材23が内連接部20と外連接部22との境界面にて破 断して、内連接部20とスライド杆部4と移動壁2が、首振継手部5の中心を軸と して、矢印Kにて示す如く前後へ首振自在となる。これにより、水平方向の地震 エネルギーを吸収できる。従って、移動壁本体2aを天井に吊り下げた状態に保 持することができ、該移動壁本体2aは倒れない。
【0042】 さらに、図6にて説明したように、一方の吊下部材1bが移動壁本体2aに対 して左右へスライド自在であるため、移動壁本体2aが左右方向へ揺れても、左 右の吊下部材1a,1bに大きな内部応力が生じることは無く、吊下部材1a, 1bの切断や破損を防止でき、ひいては移動壁2の転倒を防止できる。
【0043】 また、地震の水平方向の揺れにより、建築構造物を成す鉄筋等に、上下方向の 撓み(構造2次撓み)と、左右方向の撓みが発生する場合や、地震の上下方向の 揺れ(突き上げと突き下げ)により、建築構造物を成す鉄筋等に、上下方向の撓 み(地震応力撓み)が発生する場合がある。
【0044】 この構造2次撓みと地震応力撓みにより、吊下部材1a,1bが移動壁本体2 aに相対的に突き下げられると、図4に矢印Cにて示すように、吊下部材1a, 1bが、移動壁本体2aに対して相対的に下降する。
【0045】 これにより、上下方向の揺れのエネルギーが吸収され、吊下部材1a,1bの 切断や破損を防止できると共に、移動壁本体2aの破損を防止できる。かつ、移 動壁本体2aは倒れない。
【0046】 しかして、この耐震移動壁構造によれば、移動壁本体2aの重量(数トン)に 比して著しく軽量(数十キログラム程度)な床当接部材25を昇降させるのみで、 移動壁2を、固定・遮音状態と移動自在状態とに簡単に切換え得るので、昇降駆 動機構3を簡素化・軽量化することができる。従って、この耐震移動壁構造の簡 易化と製造コストダウンに貢献できる。
【0047】 次に、図7は、他の形態を示し、昇降駆動機構3が、床当接部材25の左右に固 着された縦ねじ杆28, 28と、その縦ねじ杆28, 28が上下螺進退自在に螺入される ナット部材29, 29と、そのナット部材29, 29の外周面に設けられた第1スパイラ ルギヤ30, 30と、その第1スパイラルギヤ30, 30に噛合する第2スパイラルギヤ が外端部に固設されると共に内端部が移動壁本体2aの中間部へ延びた水平軸心 廻りに回転自在な連動連結杆41, 41と、移動壁本体2aの中間部に設けられると 共に2本の連動連結杆41, 41に連動回転可能に連結されたギヤ部42と、を備える 。
【0048】 ギヤ部42は、図外の手動回転具34の先端部を差し込むための差込凹部35を有す る。しかして、手動回転具34の先端部を差込凹部35に嵌入して、その手動回転具 34を手動で回転させれば、左右両方の連動連結杆41, 41が水平軸心廻りに回転し 、それに伴って、左右両方の第1スパイラルギヤ30, 30とナット部材29, 29が鉛 直軸心廻りに回転する。これにより、左右の縦ねじ杆28, 28が同時に上昇又は下 降し、かつ、床当接部材25が水平状態のまま上昇又は下降する。
【0049】 このように、この耐震移動壁構造によれば、1か所の手動回転操作により、左 右両方の縦ねじ杆28, 28を同時に上昇・下降させることができるため、移動壁2 の移動可能状態と固定状態との切換え作業を簡単かつ迅速に行うことができる。
【0050】 次に、図8は、別の形態を示し、移動壁2の上部が遮音構造とされていないも のを示す。即ち、レール下方に下がり壁は設けられず、かつ、移動壁本体2aの 上端部に、遮音用小片は設けられない。そして、移動壁本体2aの上端部とレー ル取付部の下端面との間には、上下寸法S1 の隙間が開く。この移動壁構造は、 天井が著しく高い建造物等に設けられる高さ寸法が大きい移動壁2のように、上 方の遮音性をほとんど無視できる場合に最適である。
【0051】 図9は、さらに別の実施の形態を示す。移動壁2の本体2aの上端部の前後両 側縁には、本体2aの全長にわたる帯状の遮音壁部51, 51を有する遮音金具52, 52が取付けられている。遮音壁部51, 51の上部の最前面と最後面には、チャンネ ル状の弾性当接部材53, 53が全長にわたって取付けられる。
【0052】 また、天井板27, 27には、スライド杆部4と上記遮音壁部51, 51を通すための 隙間が設けられ、その隙間に面する天井板27, 27の端面に遮音壁部51, 51の当接 部材53, 53を摺動自在に受ける受け金具26, 26が配設される。
【0053】 しかして、移動壁2は、地震発生時に、首振継手部5を中心として仮想線で示 す如く前方又は後方へ大きく揺動できるように、構成されている。なお、図例で は、揺動可能な最大角度θが約15°であるが、15°よりも大きい値に設定するの も好ましい。
【0054】 上述のように構成したことにより、通常使用状態での移動壁2の上部の遮音を 確実なものとし得ると共に、地震発生時における移動壁本体2aの破損や転倒を 防止できる。従って、遮音性と安全性の両面に優れる。
【0055】 なお、図例では、昇降駆動機構3として、手動にて回転駆動するものを示した が、電動モーターにて回転駆動するように構成してもよい場合がある。例えば、 図2に示した第2スパイラルギヤ31に、減速ギヤ等を介して電動モーターを連動 連結すればよい。あるいは、図7に示したギヤ部42に、電動モーターを連動連結 すればよい。
【0056】
【考案の効果】
本考案は、上述の如く構成されるので、次に記載する効果を奏する。
【0057】 請求項1記載の移動壁によれば、移動壁2を、移動自在な状態と、圧接固定起 立状態とに、簡単かつ迅速に切換えることができる。さらに、移動壁本体2aの 重量に比して著しく軽量な床当接部材25を昇降させるのみで切換えできるので、 構造を簡単(簡易型)とすることができ、かつ、製造コストを低くすることがで きる。また、移動壁2の圧接固定起立状態に於て、レールRにかかる荷重を軽減 でき、耐震性が向上する。
【0058】 請求項2記載の移動壁によれば、請求項1記載のものと同様の効果を奏すると 共に、地震による縦揺れのエネルギーを吸収することができ、吊下部材1a,1 bと移動壁2の破損防止及び転倒防止に貢献できる。
【0059】 請求項3記載の移動壁によれば、請求項1及び2記載のものと同様の効果を奏 すると共に、地震によるレールRと平行な方向の横揺れのエネルギーを吸収する ことができ、吊下部材1a,1bと移動壁本体2aの破損防止及び転倒防止に一 層貢献できる。
【0060】 請求項4記載の移動壁によれば、請求項1,2及び3記載のものと同様の効果 を奏すると共に、簡単な構造にて高い遮音性を得ることができる。
【0061】 請求項5記載の移動壁によれば、請求項1,2,3及び4記載のものと同様の 効果を奏すると共に、簡単な構造にて一層高い遮音性を得ることができる。また 、遮音用垂下片16, 16にて地震による揺れのエネルギーを吸収・緩和できる(免 振構造となる)。
【0062】 請求項6記載の移動壁によれば、請求項1,2及び3記載のものと同様の効果 を奏すると共に、地震の縦揺れ及び横揺れにより吊下部材1a,1bに生じる内 部応力を小さくすることができる。従って、大きな地震が発生しても、吊下部材 1a,1bは破断し難くなり、移動壁2の転倒を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施の一形態の移動壁固定状態の要部
拡大断面側面図である。
【図2】要部拡大断面正面図である。
【図3】移動壁の移動可能状態の要部拡大断面側面図で
ある。
【図4】要部拡大断面側面図である。
【図5】要部拡大断面図である。
【図6】簡略正面図である。
【図7】他の形態の簡略正面図である。
【図8】別の形態の要部拡大断面側面図である。
【図9】さらに別の形態の要部断面側面図である。
【符号の説明】
1a 吊下部材 1b 吊下部材 2 移動壁 2a 移動壁本体 3 昇降駆動機構 4 スライド杆部 5 首振継手部 7a 重量支持部 7b 重量支持部 8 凹溝 15 受け面 16 遮音用垂下片 18 遮音片部 19 頭部 20 内連接部 21 球面孔部 22 外連接部 25 床当接部材 F 床面 H 上下余裕代 M 吊車 R レール

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方に配設されたレールRに沿って走行
    する吊車M,Mに垂設される吊下部材1a,1bと、該
    吊下部材1a,1bに吊下げられて移動可能とされる移
    動壁2と、を備え、該移動壁2は、移動壁本体2aと、
    その移動壁本体2aの下端部に配設される床当接部材25
    と、該床当接部材25を床面Fに対して離間・圧接切換え
    可能とする昇降駆動機構3と、を備えたことを特徴とす
    る耐震移動壁構造。
  2. 【請求項2】 上方に配設されたレールRに沿って走行
    する吊車M,Mに垂設される吊下部材1a,1bと、該
    吊下部材1a,1bに吊下げられて移動可能とされる移
    動壁2と、を備え、該移動壁2は、移動壁本体2aと、
    その移動壁本体2aの下端部に配設される床当接部材25
    と、該床当接部材25を床面Fに対して離間・圧接切換え
    可能とする昇降駆動機構3と、を備え、上記吊下部材1
    a,1bは、上記移動壁本体2aに上方から挿入された
    スライド杆部4,4と、上記移動壁本体2aの内部に設
    けられた受け面15, 15に下方から当接する重量支持部7
    a,7bとを、有し、かつ、該重量支持部7a,7b
    は、上記受け面15, 15から分離する下方向へ移動可能な
    上下余裕代Hをもって上記スライド杆部4,4に、取付
    けられていることを特徴とする耐震移動壁構造。
  3. 【請求項3】 上方に配設されたレールRに沿って走行
    する吊車M,Mに垂設される吊下部材1a,1bと、該
    吊下部材1a,1bに吊下げられて移動可能とされる移
    動壁2と、を備え、該移動壁2は、移動壁本体2aと、
    その移動壁本体2aの下端部に配設される床当接部材25
    と、該床当接部材25を床面Fに対して離間・圧接切換え
    可能とする昇降駆動機構3と、を備え、上記吊下部材1
    a,1bは、上記移動壁本体2aに上方から挿入された
    スライド杆部4,4と、上記移動壁本体2aの内部に設
    けられた受け面15, 15に下方から当接する重量支持部7
    a,7bとを、有し、かつ、該重量支持部7a,7b
    は、上記受け面15, 15から分離する下方向へ移動可能な
    上下余裕代Hをもって上記スライド杆部4,4に、取付
    けられ、さらに、一方の上記吊下部材1a,1bは、上
    記移動壁本体2aに対して水平走行方向へスライド自在
    とされていることを特徴とする耐震移動壁構造。
  4. 【請求項4】 床当接部材25が、移動壁本体2aの底辺
    全長にわたって配設されると共に、該移動壁本体2aの
    底面に、上記床当接部材25が昇降自在に挿嵌される下方
    開口状の凹溝8が、設けられ、さらに、該床当接部材25
    を床面Fに圧接させた下降状態に於て、該床当接部材25
    に全長にわたって近接乃至当接する遮音片部18, 18が、
    上記移動壁本体2aの下部に、設けられている請求項
    1,2又は3記載の耐震移動壁構造。
  5. 【請求項5】 移動壁本体2aの下端部に、遮音用垂下
    片16, 16が、床面Fに摺動可能に近接乃至当接するよう
    に付設されている請求項1,2,3又は4記載の耐震移
    動壁構造。
  6. 【請求項6】 吊下部材1a,1bが、球状の頭部19を
    有する内連接部20と、該内連接部20の頭部19の過半を包
    囲する球面孔部21を有する外連接部22と、を備えた首振
    継手部5を、移動壁本体2aの上縁乃至その近傍の位置
    に、有している請求項1,2又は3記載の耐震移動壁構
    造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101123937B1 (ko) * 2004-12-21 2012-03-26 재단법인 포항산업과학연구원 이동식 차음벽체

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101123937B1 (ko) * 2004-12-21 2012-03-26 재단법인 포항산업과학연구원 이동식 차음벽체

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