JP2997559B2 - 抗菌性エチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維、糸およびその製造方法 - Google Patents

抗菌性エチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維、糸およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性のエチレン−ビ
ニルアルコール系共重合体繊維、および糸、織編物、不
織布などの繊維製品並びにそれらの製造方法に関する。
詳細には、洗濯耐久性に優れた抗菌性および抗カビ性を
有する上記繊維、および糸、織編物、不織布などの繊維
製品に関する。
【0002】
【従来の技術】人間の生活環境中には種々の細菌やカビ
が存在しており、それらが人体や衣類等に付着して繁殖
し、皮膚障害、悪臭の発生、衣類等の繊維製品の変質等
を引き起こしている。特に、合成繊維は吸汗性が低いこ
とから、合成繊維製の衣類を着用した場合には、汗の付
着した皮膚や衣類に微生物が繁殖して腐敗現象を起こ
し、汗くさい臭いを発する。繊維への抗菌性の付与を目
的として、有機スズ化合物や有機水銀化合物を適用する
ことがかって行われていたが、それらの毒性により現在
ではその大部分が使用中止になっている。
【0003】それに代わるものとして、安全性の高いシ
リコーン4級アンモニウム塩をカーペット等の繊維製品
に施す方法が提案されている。しかし、シリコーン4級
アンモニウム塩はセルロース繊維には反応性を有し洗濯
耐久性のある抗菌性を示すが、合成繊維の場合は脱落し
易く、低い洗濯耐久性しか与えない。また、抗菌性の
銀、銅、亜鉛等の金属イオンを生ずる金属化合物やそれ
らの金属イオンで交換したゼオライト等の固体粒子を、
繊維形成性の重合体中に添加することも知られている。
しかしながら、それらの金属化合物や固体粒子は重合体
の特性に大きな影響を及ぼすことが多く、また繊維製造
時の工程性を低下させて、紡糸時の単糸切れ、紡糸パッ
クフィルターの詰まり、パック寿命の短縮、延伸時の毛
羽頻発等の問題を生ずる。また、染色処理や洗濯等によ
って、その抗菌性が著しく低下しがちである。さらに、
抗菌性のある上記銀、銅、亜鉛等の金属化合物を重合体
中に添加する代わりに、当該金属化合物とカゼインから
複合物を形成し、それを繊維表面に付着させる方法も提
案されているが(特開昭56−123474号公報)、
この場合は複合物の繊維表面からの脱落を防止するのに
ホルマリンによる不溶化処理が必要であり、ホルマリン
の遊離の問題が残されている。
【0004】
【発明の内容】上記の点から、本発明者らは、染色処
理、特に100℃以上の高温染色処理によっても抗菌性
が低下せず、しかも冷水洗濯および温水洗濯のいずれの
場合にも洗濯耐久性が優れていて良好な抗菌性、抗カビ
性を長期間失わず有し、且つ安全性の高い合成繊維を得
ることを目的する研究を続けてきた。その結果、合成繊
維を、ハロゲンおよび/または水酸基を有する抗菌性お
よび抗カビ性を示す特定の基で変性されたエチレン−ビ
ニルアルコール系共重合体から形成すると、上記目的を
達成できることを見出した。更に、本発明者らは、合成
繊維を上記した変性エチレン−ビニルアルコール系共重
合体から形成すると、ソフトで嵩高感に優れ、しかも天
然繊維に類似した合成繊維が得られることを発見した。
【0005】すなわち、本発明は、基本骨格がエチレン
−ビニルアルコール系共重合体からなり、共重合体中の
アルコール性水酸基が、 式: (Y)m−A−R1− (Ia) (式中、Aはアルキル基で置換された又は置換されてい
ないベンゼン核又はナフタレン核、Yはベンゼン核又は
ナフタレン核に結合したハロゲン原子又は水酸基、R1
は有機残基、mは1または2を示す)で表される基およ
び/または 式: (X)n−B−R2− (Ib) (式中、Bはアルキレン基、Xはハロゲン原子、R2
有機残基、nは1または2を示す)で表される基で変性
されている変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体
からなる繊維である。
【0006】 本発明は、更に、基本骨格がエチレン−
ビニルアルコール系共重合体からなり、共重合体中のア
ルコール性水酸基が、上記の式:(Y)m−A−R1−で
表される基および/または式:(X)n−B−R2−で表
される基で変性されている変性エチレン−ビニルアルコ
ール系共重合体と他の熱可塑性重合体からなる複合繊維
を包含する。また、本発明は、上記の繊維および複合繊
維の少なくとも一方を構成成分とする繊維製品を包含す
る。ここで、本明細書における「繊維製品」とは、前記
した変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体からな
る繊維または前記した変性エチレン−ビニルアルコール
系共重合体と他の熱可塑性重合体からなる複合繊維の少
なくとも一方を構成成分とする糸、または織編物や不織
布などの布帛を意味する。
【0007】 そして、本発明は、エチレン−ビニルア
ルコール系共重合体からなる繊維、エチレン−ビニルア
ルコール系共重合体と他の熱可塑性重合体からなる複合
繊維、またはそれら繊維の少なくとも一方を構成成分と
する繊維製品を、 式: (Y)m−A−Z1 (IIa) (式中、A、Yおよびmは上記と同じであり、Z1はア
ルコール性水酸基と反応性の基を示す)で表される化合
物および/または 式: (X)n−B−Z2 (IIb) (式中、B、Xおよびnは上記と同じであり、Z2はア
ルコール性水酸基と反応性の基を示す)で表される化合
物で変性処理することによって、上記した変性された繊
維、複合繊維または繊維製品を製造する方法である。
【0008】 本発明の繊維の基本骨格となるエチレン
−ビニルアルコール系共重合体(以後「Et/VA系共
重合体」という)は、エチレンからなる繰り返し単位の
割合が約30〜70モル%であり、残余がビニルアルコ
ール単独、またはビニルアルコールとその他のビニル系
モノマーの繰り返し単位からなるものが好ましい。共重
合体におけるエチレン単位の割合が30モル%よりも少
ないと、繊維化する際の曳糸性が不良となり、紡糸また
は延伸時に単糸切れ、断糸が多くなり、しかも柔軟性の
欠けたものとなる。そして、Et/VA系共重合体と高
融点の他の熱可塑性重合体とから高紡糸温度で複合繊維
を製造する際に、Et/VA系共重合体の耐熱性が劣っ
たものになり望ましくない。一方、エチレン単位の割合
が70モル%を超えると、ビニルアルコール単位の割合
が必然的に少なくなり、その結果、上記式(Ia)およ
び式(Ib)で表される基[以後、基(Ia)および基
(Ib)という]による変性割合が減少して、繊維、
よび糸、織編物、不織布などの繊維製品に抗菌性や抗カ
ビ性を付与することが困難になる。抗菌性や抗カビ性の
点から、Et/VA系共重合体におけるビニルアルコー
ル単位の割合は、約30〜70モル%、特に約40〜7
0モル%であるのが望ましい。
【0009】ここで、基本骨格をなすEt/VA系共重
合体は、架橋されていない鎖状のものであっても、また
は後記するように適当な方法によって架橋されたもので
あってもよい。このEt/VA系共重合体は、エチレン
/酢酸ビニル系共重合体の酢酸ビニル部分をケン化する
ことにより得ることができ、その場合のケン化度は約9
5%以上であるのがよい。ケン化度が低くなると、共重
合体の結晶性が低下して強度等の物性が低下するだけで
なく、共重合体が軟化し易くなり、繊維化工程でトラブ
ルが発生して好ましくない。
【0010】Et/VA系共重合体としては、通常、数
平均分子量約8000〜20000のものを使用するの
がよい。Et/VA系共重合体は、(株)クラレよりエ
バールRの商品名で、また日本合成化学工業(株)より
ソアノールRの商品名で市販されており、容易に入手可
能である。しかしながら、市販されているエチレンと酢
酸ビニルとの共重合体を購入しそれをケン化して、また
はエチレンと酢酸ビニルからラジカル重合等によってE
t/酢酸ビニル共重合体を製造しそれをケン化して使用
してもよい。いずれの場合も、Et/VA系共重合体中
にナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属
イオンやカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金
属イオンが存在すると、共重合体中に過度の架橋の発
生、主鎖切断、側鎖脱離等が生じて共重合体のゲル化が
生じたり、熱安定性が劣ったものになるので、それらの
イオンの含有量を極力少なくするのがよい。
【0011】 そして、本発明の繊維、および繊維製品
(糸や編織物、不織布などの布帛)では、Et/VA系
共重合体中のアルコール性水酸基は、上記基(Ia)お
よび基(Ib)の一方または両方により変性されている
必要がある。基(Ia)および/または基(Ib)による
Et/VA系共重合体の変性割合は、共重合体中のビニ
ルアルコール単位のモル数に基づいて、基(Ia)およ
び基(Ib)の合計で、約2.0〜45モル%、特に5〜
30モル%にするのが好ましい。ここでいうビニルアル
コール単位のモル数とは、ケン化したビニルアルコール
単位、未ケン化の酢酸ビニル単位、およびビニルアルコ
ールの水酸基がアセタール化等によってエーテル基等に
なっている場合はそのような基の合計モル数をいう。基
(Ia)および/または基(Ib)によるビニルアルコー
ル単位の変性割合が2.0モル%よりも少ないと、抗菌
および抗カビ効果を発揮することができにくくなる。一
方、変性割合が45モル%を超えると、Et/VA系共
重合体の水中での劣化が起こり易くなり、繊維の強度が
低下し、また着色が生じ易くなる。
【0012】 アルコール性水酸基の基(Ia)および
/または基(Ib)による変性は、Et/VA系共重合
体から繊維、複合繊維、または糸や織編物、不織布など
の繊維製品を予め形成して、または市販のEt/VA系
共重合体繊維、糸、繊維製品等を使用して、それらを上
記した式(IIa)および式(IIb)で表される化合物[以
後、化合物(IIa)、化合物(IIb)という]の一方また
は両方を使用して変性処理するのがよい。上記におい
て、Et/VA系共重合体から繊維または複合繊維を製
造する場合は、通常、溶融紡糸により製造することがで
きる。
【0013】基(Ia)および化合物(IIa)において、
Aは未置換のベンゼン核またはナフタレン核、或いはア
ルキル基で置換されたベンゼン核又はナフタレン核であ
る。ベンゼン核またはナフタレン核がアルキル基で置換
されている場合は、炭素数が1〜5個のアルキル基がよ
い。またベンゼン核またはナフタレン核に結合したアル
キル置換基の数は2個以下がよい。Yはハロゲン原子又
は水酸基であり、mが2のとき(基Yがベンゼン核また
はナフタレン核に2個結合しているとき)は、2個の基
Yは両方とも水酸基であってもまたはハロゲン原子であ
ってもよく、あるいは1個の基Yが水酸基でもう1個の
基Yがハロゲン原子であってもよい。基Yがハロゲン原
子の場合は、ヨウ素、塩素、臭素またはフッ素であるこ
とができる。
【0014】そして、化合物(IIa)における基Z1は、
ベンゼン核またはナフタレン核に直接結合したアルデヒ
ド基、カルボキシル基、カルボン酸ハライド基、エポキ
シ基、イソシアネート基、あるいはアルキレン基のよう
な2価の非反応性基を介してベンゼン核またはナフタレ
ン核に結合したアルデヒド基(例えば−CH2−CH
O)、カルボキシル基(例えば−C24−COOH)、
カルボン酸ハライド基、エポキシ基、イソシアネート基
等のアルコール性水酸基と反応し得る基であればいずれ
でもよい。この化合物(IIa)における基Z1の種類に応
じて、基(Ia)における有機残基R1の種類が決まって
くる。
【0015】また、基(Ib)および化合物(IIb)にお
いて、アルキレン基Bは通常炭素数が1〜10個のアル
キレン基がよい。ハロゲン原子Xは、ヨウ素、塩素、臭
素またはフッ素であることができる。そして、化合物
(IIb)における基Z2は、アルデヒド基、カルボキシル
基、カルボン酸ハライド基、エポキシ基、イソシアネー
ト基等のアルコール性水酸基と反応し得る基であればい
ずれでもよい。化合物(IIb)における基Z2の種類に応
じて、基(Ib)における有機残基R2の種類が決まって
くる。そして、基Z1および基Z2の種類に応じて、Et
/VA系共重合体のアルコール性水酸基との間に、アセ
タール結合、エステル結合、エーテル結合、ウレタン結
合等が形成されて、基(Ia)および/または基(Ib
がEt/VA系共重合体中に導入される。
【0016】基Z1および基Z2としては、上記した基の
うちで、ベンゼン核またはナフタレン核に直接結合した
またはアルキレン基を介して結合したアルデヒド基、ア
セタール基等が、アルコール性水酸基との反応のし易
さ、変性基導入後のEt/VA系共重合体の着色防止、
抗菌力の耐久性の点から好ましい。基(Ia)および/
または(Ib)をEt/VA系共重合体中に導入するた
めの化合物(IIa)および化合物(IIb)のうちで、化合
物(IIa)がより好ましく、また化合物(IIa)における
基Aがベンゼン核であるのが特に好ましい。
【0017】本発明において使用できる化合物(IIa
および(IIb)の好ましい具体例としては、4−ヒドロ
キシ−ベンズアルデヒド、3−メチル−4−ヒドロキシ
−ベンズアルデヒド、3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シ−ベンズアルデヒド、4,5−ジヒドロキシ−ベンズ
アルデヒド、3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズアル
デヒド、3,4−ジクロロ−ベンズアルデヒド、3,5
−ジクロロ−ベンズアルデヒド、2,4−ジクロロ−ベ
ンズアルデヒド、2,6−ジクロロ−ベンズアルデヒ
ド、4−ヒドロキシ−ベンジルアルデヒド、4−クロロ
−ベンジルアルデヒド、2−クロロ−1−ナフチルアル
デヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフチルアルデヒド、1
−ホルミル−2,2−ジクロロ−エタン、1−ホルミル
−2,3−ジクロロ−プロパン、4−ヒドロキシ−安息
香酸またはそのクロライド、3−メチル−4−ヒドロキ
シ−安息香酸またはそのクロライド、3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシ−安息香酸またはそのクロライド、
4,5−ジヒドロキシ−安息香酸またはそのクロライ
ド、3−クロロ−4−ヒドロキシ−安息香酸またはその
クロライド、3,4−ジクロロ−安息香酸またはそのク
ロライド、3,5−ジクロロ−安息香酸またはそのクロ
ライド等を挙げることができる。
【0018】 Et/VA系共重合体からなる繊維、複
合繊維、または繊維製品を、化合物(IIa)および/ま
たは化合物(IIb)で変性するに当たっては、アルコー
ル性水酸基を上記した基Z1および基Z2を有する化合物
で変性する際に通常使用されているのと同様の方法を採
用することができる。基Z2がアルデヒド基である化合
物(IIa)を使用する場合を例にとって、その変性処理
法を具体的に説明すると、濃度約0.05〜5規定程度
の硫酸、ギ酸、塩酸等の強酸の存在下に、Et/VA系
共重合体からなる繊維、複合繊維、糸またはその他の繊
維製品(布帛など)を、化合(IIa)の濃厚溶液(通常
約0.2〜200g/リットル程度)を使用して約15
〜135℃で反応させて変性処理を行うことができる。
【0019】また、Et/VA系共重合体またはその上
記基(Ia)および/または基(Ib)による変性物の軟
化点、耐熱性、耐熱水性等を向上させるために、Et/
VA系共重合体を上記変性処理とは別に架橋してもよ
い。その際の架橋方法としては、ビニルアルコール単位
含有共重合体の架橋法として知られているいずれの方法
も採用でき、例えば、ジビニル化合物、ホルムアルデヒ
ドで代表されるモノアルデヒド、ジアルデヒド等のアル
デヒド化合物、ジイソシアネート等のポリイソシアネー
ト等の有機架橋剤による架橋、ホウ素化合物等の無機架
橋剤による架橋、γ線や電子線等の放射線や光による架
橋等を挙げることができる。例えばジアルデヒドで架橋
処理を行う場合は、硫酸や塩酸等の強酸を使用して行う
のがよい。架橋処理後に未反応のアルデヒドが残留する
と染色物の退色等を招くことがあるので、酸化剤により
酸化処理してカルボン酸やその塩にしておくのが望まし
い。
【0020】 上記したような架橋処理は、繊維、複合
繊維、または繊維製品を上記化合物(IIa)および/ま
たは化合物(IIb)で変性処理する前、変性処理と同時
に、または変性処理した後のいずれの段階で行ってもよ
い。変性処理後に行うのが工程性、加工性等の点から好
ましい。したがって、本発明において基(Ia)および
/または基(Ib)で変性したEt/VA系共重合体か
らなる繊維、複合繊維、および繊維製品(糸や布帛)
いう場合は、上記のような架橋処理を施していないも
の、および架橋処理を施したものの両方を包含する。
【0021】更に、上記のように、本発明は、基
(Ia)および/または基(Ib)で変性したEt/VA
系共重合体単独からなる繊維の他に、上記変性Et/V
A系共重合体と他の熱可塑性重合体からなる複合繊維を
包含する。複合繊維にする場合は、上記変性Et/VA
系共重合体と他の熱可塑性重合体の複合割合を、体積比
率で約10:90〜90:10にするのが望ましい。こ
の範囲外であると、複合比率がアンバランスになり紡糸
性が不良になり易い。複合繊維に使用する他の熱可塑性
重合体としては、耐熱性、寸法安定性の点から、融点が
150℃以上の結晶性の熱可塑性重合体を用いるのが好
ましく、その代表例として繊維形成性のポリエステル、
ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等を挙げ
ることができる。
【0022】上記ポリエステルとしては、テレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン
酸、フタル酸、α,β−(4−カルボキシフェノキシ)
エタン、4,4’−ジカルボキシジフェニ−ル、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、
アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、また
はこれらのエステル類と、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、1,4−ブタンジオ−ル、1,6−ヘ
キサンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、シクロヘキ
サン−1,4−ジメタノ−ル、ポリエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等のジオール化合物
とから合成される繊維形成性のポリエステルを使用する
ことができ、構成単位の80モル%以上、特に90モル
%以上がエチレンテレフタレート単位および/またはブ
チレンテレフタレート単位からなるポリエステルが好ま
しい。また、ポリアミドとしては、ナイロン4、ナイロ
ン6、ナイロン66、ナイロン12等を使用することが
でき、更にポリオレフィンとしてはポリプロピレン、エ
チレン/プロピレン共重合体等を使用することができ
る。
【0023】また、変性Et/VA系共重合体とポリエ
ステルとからなる複合繊維では、高温高圧下での染色処
理において、変性Et/VA系共重合体部分に収縮が発
生する場合があるので、そのようなときは染色液中に強
酸または強塩基の塩およびホウ酸の1種または2種以上
を存在させて染色を行うと、収縮を防止することができ
る。複合繊維における複合形態は、芯鞘型、海島型、貼
合型、それらの混在型等の任意の形態であることができ
る。芯鞘型の場合は2層芯鞘型および3層以上の多層芯
鞘型のいずれでもよい。また海島型の場合は、島の形
状、数、分散状態を任意に選ぶことができ、島の一部が
繊維表面に露出していてもよい。更に、貼合型の場合
は、繊維の長さ方向に直角な繊維断面において、貼合面
が直線状、円弧状、またはその他任意のランダムな曲線
状のいずれでもよく、更に複数の貼合部分が互いに平行
になっていても、放射状になっていても、その他任意の
形状であってもよい。
【0024】また、本発明の複合繊維では、変性Et/
VA系共重合体と複合させる他の熱可塑性重合体は、1
種類であってもまたは2種以上であってもよい。いずれ
の場合も、本発明の複合繊維に良好な抗菌性および抗カ
ビ性を付与するためには、繊維表面の一部または全部に
基(Ia)および/または基(Ib)で変性されたEt/VA
系共重合体が露出して存在するのがよく、繊維表面の全
部が上記した他の繊維で覆われている場合は、抗菌性や
抗カビ性が付与されにくくなる。
【0025】 そして、本発明の繊維および複合繊維
は、いずれもその断面形状はどのようなものであっても
よく、円形または異形形状とすることができる。異形断
面の場合は、例えば偏平形、三角形〜八角形等の角形、
T字形、多葉形、楕円形等の任意の形状とすることがで
きる。更に、本発明の繊維および複合繊維は、繊維形成
性重合体において通常使用されている蛍光増白剤、安定
剤、難燃剤、着色剤等の任意の添加剤を必要に応じて含
有することができる。また、本発明の繊維および糸は、
モノフィラメント等の長繊維、ステープル等の短繊維、
フィラメント糸、紡績糸、本発明の繊維と天然繊維、半
合成繊維、他の合成繊維との混繊糸や混紡糸、合撚糸等
のいずれでもよい。更に本発明の布帛は、それらの繊維
や糸からなる編織物、不織布等のいずれでもよい。
【0026】
【実施例】以下に、実施例等により本発明を具体的に説
明する。以下の実施例中、化合物(IIa)(3,5−ジメチ
ル−4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド)によるアルコ
ール性水酸基の変性割合(モル%)の測定、抗菌性(菌
数増減値)の測定、染色処理および洗濯耐久性試験は、
次の方法により行った。アルコール性水酸基の変性割合の測定 Et/VA共重合体からエチレン単位の重合割合(モル
%)を差し引いた値をビニルアルコール単位と見なし、
そのビニルアルコール単位のうちで上記化合物(IIa
によって変性された割合[ビニルアルコール100モル
%に対する変性割合(モル%)]を、変性処理後のEt
/VA共重合体の重量増加分から算出した。
【0027】抗菌性試験(菌数増減値差測定) “抗菌防臭加工製品の加工効果評価試験マニュアル・菌
数測定法”(繊維製品衛生加工協議会、昭和63年)に
従って、下記の方法により測定した。滅菌した液体ブイ
ヨンに黄色ブドウ状球菌[Staphylococcus aureus ATCC
6538P (IFO12732)]を懸濁させた菌液を試験片(0.2
g)上に0.2ml接種し(菌数約34万個)、温度3
7℃で18時間培養する。培養後、試験片上の菌をリン
酸緩衝液で抽出し、試験片上の生菌数を測定し、下記の
計算式により菌数の増減値差を算出した。 菌数増減値 = log10(C/D) 菌数増減値差 = 無加工試料の菌数増減値 − 加工
試料の菌数増減値 但し、C:18時間培養後の試験片上の生菌数 D:培養直前の試験片上の生菌数(試験片への植付け菌
数=34万個)
【0028】上記式により得られる菌数増減値差が目安
として1.6以上であれば、抗菌性能としては充分機能
する。一方、菌数増減値差が1.6未満となると抗菌性
能が不充分となってくるため、微生物が繁殖して腐敗現
象を起こし、汗くさい臭いが繊維に生じて、防臭効果が
認められないという結果になる。
【0029】染 色 処 理 染料 Resoline Blue FBL(バイエル社製)3%ow
f、ニッカサンソルト#7000(分散剤:日華化学社
製)0.5g/リットル、硫酸アンモニウム(pH調節
剤)1g/リットル、そして酢酸(48%)(pH調節
剤)1cc/リットルの割合で含有する浴比50:1の
染色浴中に、化合物(IIa)で変性処理したまたは変性処
理しない下記の実施例における織物を90℃で60分間
浸漬処理して染色を行い、染色後の織物の菌数増減値差
を上記方法により測定した。
【0030】洗濯耐久性試験 JIS L 0217−103法に従って、次のようにし
て実施した。化合物(IIa)で変性処理した布および当
該化合物で変性処理しない布の各々を肌に接して8時間
連続着用したものの各々を、被洗濯試料とする。液温4
0℃の水1リットル当たり2gの割合で衣料用合成洗剤
を添加溶解して洗濯液とする。この洗濯液に浴比が1:
30になるように、上記被洗濯試料および必要に応じて
負荷布を投入して洗濯を開始する。5分間洗濯した後、
運転を止め、被洗濯試料および負荷布を脱水機で脱水す
る。次に、洗濯液を常温の新しい水に替えて、同一の浴
比で2分間すすぎ洗いをした後脱水し、再び2分間すす
ぎ洗いを行い風乾させる。上記の8時間連続着用・洗濯
−風乾処理を20回繰り返して洗濯耐久性試験用の測定
サンプルとし、その抗菌増減値差を上記方法により測定
した。
【0031】《実施例 1》重合溶媒としてメタノール
を使用し、重合開始剤としてアゾビス−4−メチロキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリルを使用して、60
℃、加圧下でエチレンと酢酸ビニルをラジカル重合させ
て、エチレン含量が44モル%のエチレン/酢酸ビニル
ランダム共重合体(数平均重合度約350)を製造し
た。次に、このEt/酢酸ビニル共重合体を苛性ソーダ
含有メタノール液中でケン化処理して、共重合体中の酢
酸ビニル単位の99モル%以上がケン化した湿潤状態の
Et/VA共重合体を製造した。脱水機により共重合体
から水を分離した後、100℃以下の温度で真空乾燥に
より充分乾燥して、Et/VA共重合体(85%含水フ
ェノール溶剤中、30℃で測定したときの固有粘度
[η]=1.05dl/g)を得た。
【0032】上記で得たEt/VA共重合体を、口金温
度260℃で溶融紡糸し、紡糸速度1000m/分で巻
き取り、50デニール/24フィラメントのEt/VA
共重合体マルチフィラメントを得た。上記における繊維
化工程は良好でトラブルが発生しなかった。上記で得た
マルチフィラメントを経糸および緯糸として用いてタフ
タ織物を製造した。上記の生機タフタ織物を、水酸化ナ
トリウムを1g/リットル、そしてアクチノールR−1
00(界面活性剤:松本油脂社製)を0.5g/リット
ルの割合で含有する水溶液で80℃で30分間処理した
糊抜した後、化合物(IIa)の1種である3,5−ジメ
チル−4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒドを7g/リッ
トルの濃度で含有する0.4規定硫酸反応液中に入れて
浴比50:1で90℃において下記の表1に示した時間
各々変性処理を行った。次いで、タフタ織物を取り出し
て、炭酸ナトリウムを1g/リットルの割合で含む水溶
液中に入れて中和処理し、充分に水洗し乾燥した後、E
t/VA共重合体のアルコール水酸基の3,5−ジメチ
ル−4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒドによる変性割合
(モル%)を上記の方法により測定した。
【0033】その結果得られた各変性タフタ織物および
変性処理しないタフタ織物の菌数増減値差を上記方法に
より測定した。また、上記の各タフタ織物を、上記した
方法により染色して、染色後の菌数増減値差を上記方法
により測定した。更に、上記の各タフタ織物を上記方法
により20回の洗濯耐久性試験し、その菌数増減値差を
測定した。その結果を、上記のベンズアルデヒド処理直
後の織物の風合と併せて、下記の表1に示す。なお、表
1において、織物の風合は、下記の基準により評価し
た。 ○・・・ソフトで嵩高感があり、天然繊維(絹)に極め
て類似した風合 △・・・硬く嵩高感に欠ける風合
【0034】
【表1】
【0035】上記表1の結果から、3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒドで変性処理しないE
t/VA共重合体製の織物は、菌の増加が大きく抗菌性
がないのに対して、上記ベンズアルデヒドで変性処理し
た本発明のEt/VA共重合体製の各織物は、抗菌性に
優れ、しかもその抗菌性能は染色処理や洗濯により失わ
れず耐久性があることがわかる。また、表1の結果は、
上記ベンズアルデヒドによる変性割合が高くなり過ぎる
と、抗菌性は付与されるものの、織物の風合が損なわれ
がちであることを示している。
【0036】《実施例 2》エチレンの共重合割合が下
記の表2に示した値であり、且つ酢酸ビニル単位のケン
化度が99%であるEt/VA共重合体の各々を使用し
て、口金温度260℃で溶融紡糸し、紡糸速度1000
m/分で巻き取り、75デニール/36フィラメントの
各Et/VA共重合体マルチフィラメントを得た。上記
で得た各マルチフィラメントを使用してトリコット編地
を各々作成し、この編地に対して、実施例1におけるの
と同様にして、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−ベ
ンズアルデヒドによる変性処理、染色処理および洗濯試
験を行い、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−ベンズ
アルデヒドによる変性割合、菌数増減値差の測定を行っ
た。その結果を、表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】表2の結果から、Et/VA共重合体にお
けるエチレンの共重合割合が低すぎると繊維化工程性が
劣ったものになり、一方エチレンの共重合割合が多すぎ
ると3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−ベンズアルデ
ヒドによる変性割合が少なくなって抗菌性が付与されに
くくなることがわかる。
【0039】《実施例 3》下記の表3に示したエチレ
ンの共重合割合を有する各Et/VA共重合体と、ポリ
エチレンテレフタレート(フェノールとテトラクロロエ
タンの等量混合溶媒中で30℃において測定したときの
[η]0.62dl/g)とを、表3に示した体積比率
で複合紡糸延伸して、その断面形状が真円形で且つEt
/VA共重合体とポリエチレンテレフタレートが左右に
並列した貼合構造となっている複合繊維からなる50デ
ニール/24フィラメントの複合糸の各々を製造した。
各複合糸を経糸および緯糸として用いて平織物を各々作
成した。実施例1におけるのと同様にして糊抜を行った
後、各平織物をグルタルアルデヒド(50%)5g/リ
ットル、硫酸0.4規定、硫酸ナトリウム29g/リッ
トル、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.2g/
リットルを含む反応液中に浸漬して浴比50:1、温度
90℃で約25分間架橋アセタール処理を行い、ついで
過酸化水素(30%)5cc/リットルの水溶液で80
℃で30分間酸化処理を行った。
【0040】上記で得た各織物を、3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒドを7g/リットルの
濃度で含有する0.6規定硫酸反応液中で浴比50:1
で温度90℃で2時間変性処理を行った。織物を取り出
して、炭酸ナトリウム水溶液で中和処理し、充分に水洗
し乾燥した後、Et/VA共重合体のアルコール水酸基
の3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒ
ドによる変性割合(モル%)を上記の方法により測定し
た。 また、上記で得られた各変性織物の菌数増減値を
上記方法により測定すると共に、上記した方法により1
10℃の高温染色および洗濯耐久性試験を行って、染色
後および洗濯後の各織物の菌数増減値差を上記方法によ
り測定した。その結果を、下記の表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】表3の結果から、3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシ−ベンズアルデヒドで変性処理した複合繊維
からなる本発明の織物は抗菌性が優れていることがわか
る。また、表3の結果から、繊維化工程性を良好にする
ためには、Et/VA共重合体におけるエチレンの共重
合割合および複合繊維におけるEt/VA共重合体とポ
リエステルの割合の調節が必要であることがわかる。
【0043】《実施例 4》実施例1で用いたのと同じ
生機タフタ織物を実施例1におけるのと同様にして糊抜
した後、化合物(IIa)の1種であるハロゲン元素を含
有する3,5−ジクロロ−ベンズアルデヒドまたは3−
クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒドを表4に示
した濃度で含有する2.0規定硫酸反応液中に入れて、
浴比50:1で90℃において表4に示した時間、各々
の変性処理を行った。次いで、タフタ織物を取り出し
て、炭酸ナトリウムを1g/リットルの割合で含む水溶
液中に入れて中和処理し、充分に水洗し乾燥した後、E
t/VA共重合体のアルコール性水酸基の3,5−ジク
ロロ−ベンズアルデヒドまたは3−クロロ−4−ヒドロ
キシ−ベンズアルデヒドによる変性割合(モル%)を上
記の方法により測定した。上記により変性された各タフ
タ織物の菌数増減値差を上記方法により測定するととも
に、上記した方法により染色および洗濯耐久性試験を行
って、染色後および洗濯後の各織物の菌数増減値差を上
記方法により測定した。その結果を、下記の表4に示
す。
【0044】
【表4】
【0045】表4の結果から、3,5−ジクロロ−ベン
ズアルデヒドまたは3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベン
ズアルデヒドで適度に変性処理した本発明の織物は抗菌
性が優れていることがわかる。
【0046】
【発明の効果】本発明の繊維、および糸、織編物、不織
布などの繊維製品は、染色処理や洗濯によっても失われ
ない耐久性のある抗菌性および抗カビ性を有しており、
しかも安全性が高い。上記により基(Ia)および/ま
たは基(Ib)で変性されたEt/VA系共重合体をベ
ースとする本発明の繊維、および糸、織編物、不織布な
どの繊維製品は、ソフトで嵩高性に富み、天然の絹に類
似した良好な風合を有している。また、本発明の繊維が
上記変性Et/VA系共重合体とその他の熱可塑性重合
体との複合繊維である場合は、当該その他の熱可塑性重
合体の種類や複合割合を選択することによって、抗菌性
および抗カビ性を備え、しかも強度やその他の種々の優
れた特性を備えた繊維を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河本 正夫 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社ク ラレ内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 13/00 - 13/535

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基本骨格がエチレン−ビニルアルコール
    系共重合体からなり、共重合体中のアルコール性水酸基
    が、 式: (Y)m−A−R1− (式中、Aはアルキル基で置換された又は置換されてい
    ないベンゼン核又はナフタレン核、Yはベンゼン核また
    はナフタレン核に結合したハロゲン原子又は水酸基、R
    1は有機残基、mは1または2を示す)で表される基お
    よび/または 式: (X)n−B−R2− (式中、Bはアルキレン基、Xはハロゲン原子、R2
    有機残基、nは1または2を示す)で表される基で変性
    されている変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体
    からなる繊維。
  2. 【請求項2】 基本骨格がエチレン−ビニルアルコール
    系共重合体からなり、共重合体中のアルコール性水酸基
    が、 式: (Y)m−A−R1− (式中、Aはアルキル基で置換された又は置換されてい
    ないベンゼン核又はナフタレル核、Yはベンゼン核また
    はナフタレン核に結合したハロゲン原子又は水酸基、R
    1は有機残基、mは1または2を示す)で表される基お
    よび/または 式: (X)n−B−R2− (式中、Bはアルキレン基、Xはハロゲン原子、R2
    有機残基、nは1または2を示す)で表される基で変性
    されている変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体
    と他の熱可塑性重合体からなる複合繊維。
  3. 【請求項3】 請求項1および2の繊維の少なくとも一
    方を構成成分とする繊維製品。
  4. 【請求項4】 エチレン−ビニルアルコール系共重合体
    からなる繊維、またはエチレン−ビニルアルコール系共
    重合体と他の熱可塑性重合体からなる複合繊維を、 式: (Y)m−A−Z1 (式中、Aはアルキル基で置換されたまたは置換されて
    いないベンゼン核またはナフタレン核、Yはベンゼン核
    またはナフタレン核に結合したハロゲン原子または水酸
    基、Z1はアルコール性水酸基と反応性の基、mは1ま
    たは2を示す)で表される化合物および/または 式: (X)n−B−Z2 (式中、Bはアルキレン基、Xはハロゲン原子、Z2
    アルコール性水酸基と反応性の基、nは1または2を示
    す)で表される化合物を用いて変性処理することを特徴
    とする請求項1または2の繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 エチレン−ビニルアルコール系共重合体
    からなる繊維およびエチレン−ビニルアルコール系共重
    合体と他の熱可塑性重合体からなる複合繊維の少なくと
    も一方を構成成分とする繊維製品を、 式: (Y)m−A−Z1 (式中、Aはアルキル基で置換されたまたは置換されて
    いないベンゼン核またはナフタレン核、Yはベンゼン核
    またはナフタレン核に結合したハロゲン原子または水酸
    基、Z1はアルコール性水酸基と反応性の基、mは1ま
    たは2を示す)で表される化合物および/または 式: (X)n−B−Z2 (式中、Bはアルキレン基、Xはハロゲン原子、Z2
    アルコール性水酸基と反応性の基、nは1または2を示
    す)で表される化合物を用いて変性処理することを特徴
    とする請求項3の繊維製品の製造方法。
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