JP2996736B2 - 建材印刷用抽象柄製版システムにおける不所望パターンの確認方法 - Google Patents

建材印刷用抽象柄製版システムにおける不所望パターンの確認方法

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JP2996736B2
JP2996736B2 JP2400532A JP40053290A JP2996736B2 JP 2996736 B2 JP2996736 B2 JP 2996736B2 JP 2400532 A JP2400532 A JP 2400532A JP 40053290 A JP40053290 A JP 40053290A JP 2996736 B2 JP2996736 B2 JP 2996736B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建材印刷用製版システ
ムに係り、特に抽象柄を有する建材印刷のための製版シ
ステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、木材等の天然資材の不足が叫ば
れ、それに代わるものとして合板、石膏ボード等の種々
の建築素材が開発されており、その建築素材の表面を化
粧すると共に表面を保護するものとして建材印刷の果た
す役割が重要なものとなってきている。
【0003】建材印刷の柄には、木目あるいは石目等の
天然物の柄を模した木目柄と、幾何学模様、砂目模様、
地紋、花柄模様等の人間の創作に係る抽象柄とが知られ
ているが、本発明は後者の抽象柄に関するものであるの
で、以下抽象柄の製版について説明する。
【0004】従来の抽象柄の製版工程の概略を図18に
示す。
【0005】図18Aに示すように、まず、デザイン
画、写真等からなる抽象柄の素材サンプルが入稿される
と、当該素材サンプルを製版カメラで撮影して分版フィ
ルムを作成し、これを隣接する素材サンプルの段差を解
消するために適当なマスクを掛けながらフィルム合成に
より次々と殖版してリピートし、校正刷りのための版
(以下、この版をベビー版と称す)を作成する。素材サ
ンプルを撮影したフィルムは通常3〜5cm四方程度の大
きさであるが、図18Bに示すようにフィルム101を
縦横にそれぞれ9回リピートすることによって、1m四
方程度の大きさの版を作成することができる。これがベ
ビー版102である。
【0006】次に、ベビー版に基づいてグラビア彫刻を
行ってグラビア印刷のための刷版を作成して校正刷りを
行い、所望の抽象柄が得られた場合にはベビー版をリピ
ートして本版用の版を作成し、それに基づいて刷版を作
成して、再度校正刷りを行い、所望の抽象柄が得られた
場合には本機で印刷を行う。
【0007】以上はフィルム合成によってベビー版を作
成する場合の工程であり、その工程の全てが作業者の手
作業によって行われるが、近年ではレイアウトスキャナ
を用いることによって、例えば素材サンプルを撮影した
フィルムの読み込み、当該画像データをリピートしてフ
ィルム出力し、ベビー版を作成する工程までをレイアウ
トスキャナで行うことによって、上記工程の一部を電子
化する試みも行われている。しかし、この場合にもベビ
ー版をリピートして本版を作成する工程は手作業により
ベビー版を写真的に合成することにより行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように、従来では抽象柄の建材印刷の製版工程は手作
業で行われるのが殆どであり、非常にコストが高いとい
う問題があるばかりでなく、次のような問題もあった。
即ち、素材サンプルには濃度のむらが生じていたり、柄
が偏っている場合がある。これらの濃度むら、柄の偏り
は、素材サンプル自体では問題となることはないが、リ
ピートが行われてベビー版が作成されたときには、これ
らの濃度むらあるいは柄の偏り等が強調されて、創作者
あるいはデザイナーの意図しない繰り返しパターンとし
て現れ、当該繰り返しパターンの方が本来の抽象柄より
も目立ってしまい、大きな問題となっている(以下、こ
の創作者あるいはデザイナーの意図しない繰り返しパタ
ーンを柄くせと称す)。例えば、いま、図19Aに示す
ように、細かな模様(図示せず)からなる素材サンプル
103中に104で示すような濃度むらが生じていたと
し、同図Bに示すように横方向に7回、縦方向に4回リ
ピートしてベビー版105を作成したとすると、このベ
ビー版105に基づいて刷版を作成し、グラビア印刷を
行った場合には同図Cに示すように濃度むらの繰り返し
パターンが強調されて柄くせが発生することになる。こ
れに対して、同図Dに示すように目地を加えた場合に
は、目地の格子状パターンが目立つために柄くせは相対
的に目立たなくなるため、柄くせが発生していることに
は変わりはないが問題にはならない。
【0009】このように柄くせの発生は抽象柄建材にと
って致命的な欠陥となるので、本版の印刷に至る工程の
途中で柄くせの有無を確認する作業が行われるが、その
手段として、従来では校正刷りで確認する手段が採用さ
れていた。勿論、製版用フィルムで柄くせを確認するこ
とも考えられるが、柄くせは色によって発生の状況が変
化するので、白黒フィルムである製版用のフィルムで柄
くせの有無を確実に把握することは非常に困難であり、
結局、コストは高くなるもののベビー版を用いた校正刷
りで確認せざるを得ないものであった。
【0010】また、柄くせを除去する作業はレタッチ作
業と呼ばれ、マスクを作成し直し、柄の配置替えを行っ
たり、あるいは柄を回転させたりしてフィルム合成して
リピートを行い、ベビー版を作成し直す作業が行われる
が、レタッチ作業を行うには非常な熟練を要するばかり
でなく作業負荷が大きく、全て手作業で行われていたの
で時間もかかり、その結果納期まで長時間を要するもの
となり、製版コストが高いものとなっていた。
【0011】しかも、手作業によるレタッチ作業では除
去不可能な柄くせも少なくなく、このような場合には企
画自体が中止となり、製版が無駄に終ってしまう場合も
生じていた。
【0012】このような事情はレイアウトスキャナを用
いた場合も同様であって、ベビー版のパターンの作成ま
では自動化されているが、レタッチ作業は依然として手
作業に頼っているので、上記の問題点は何等解決されて
いないものである。勿論、入力スキャナで読み取った素
材サンプルのパターンをモニタ画面上に表示して、回転
を行ったり、適当なマスクパターンを用いてリピートを
行うことはできるが、その作業は基本的に手作業による
レタッチ作業と同じであり、フィルムを用いた光学的な
作業に代えて、マウスあるいはスタイラスペン等のポイ
ンティングデバイスを用いてモニタ上で操作するように
したに過ぎず、その手間は全く同じであった。それに加
えて、上述したように1m四方程度のサイズを有するベ
ビー版のパターン全体を画面上に表示することはできな
いので、レタッチ作業を表示画面上で行ったとしても柄
くせを除去できたか否かを確認することはできないもの
であった。つまり、素材サンプルのパターンからだけで
は柄くせが発生するか否かを知ることはできず、素材サ
ンプルをリピートし、ベビー版を作成してはじめて柄く
せの発生を確認することができるのであり、従って、柄
くせの有無を確認できるためにはモニタ画面上にベビー
版のパターンの全体を表示できる必要があるが、従来の
レイアウトスキャナのモニタはそれを表示することがで
きなかったのである。
【0013】更に、もし仮にベビー版のパターン全体を
表示できたとしても、ベビー版では柄くせが確認できな
かったにも拘らず、ベビー版をリピートして本版を作成
したときに柄くせが発生することもあり、従来のレイア
ウトスキャナを用いた抽象柄製版システムではこのよう
な事態に対応することはできないものであった。
【0014】本発明は、上記の課題を解決するものであ
って、特に、抽象柄において柄くせの発生の有無を容易
に確認することができる建材印刷用抽象柄製版システム
における不所望パターンの確認方法を提供することを目
的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の建材印刷用抽象柄製版システムにおける
不所望パターンの確認方法は、入力スキャナで読み込ん
だ単位素材画像データを上下左右に所定回数透かし合成
して得た柄パターンの上端と下端及び左端と右端が同じ
データになるようにトリミングして第1の柄パターンを
作成し、前記第1の柄パターンの画素を間引いて第2の
柄パターンを作成し、前記第2の柄パターンを上下左右
に所定個数隙間なく並べて表示することを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明においては、まず入力スキャナで単位素
材を読み込み、次に、読み込んだ単位素材の画像データ
を上下左右に透かし合成を行い、当該合成した柄の上端
と下端及び左端と右端が同じデータになるようにトリミ
ングすることにより、下記の実施例のエンドレス柄に相
当する第1の柄パターンを作成する。そして、第1の柄
パターンの画素を所定の手法により間引いて第2の柄パ
ターンを作成する。その後、第2の柄パターンを隙間な
く上下左右に並べて配置し、このパターンを表示手段に
表示する。
【0017】なお、前記第2のパターンが並べられる個
数は表示手段のビデオRAMの容量の範囲内であること
は当然である。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照しつつ実施例を説明する。
【0019】図1は本発明に係る建材印刷用抽象柄製版
システムの一実施例の構成を示す図であり、図中、1は
入力スキャナ、2は出力スキャナ、3は制御手段、4は
入力手段、5は記憶手段、6はグラビア彫刻機、7はカ
ラーハードコピー、8は抽象柄製版処理手段、9はエン
ドレス化処理部、10は柄くせ確認処理部、11は柄く
せ除去処理部、12はリピート処理部、13は表示処理
手段、14はモニタを示す。
【0020】図1において、入力スキャナ1は素材サン
プルを撮影して得られるカラーフィルムをスキャンして
各画素をシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー
(Y)、ブラック(K)の4色に分解し、所定のビット
数、例えば1バイトのデジタル画像データとして出力す
るものであり、従来のレイアウトスキャナで用いられて
いる入力スキャナと同様の構成である。
【0021】出力スキャナ2は、C,M,Y,Kの分色版
をフィルム出力するものであり、従来のレイアウトスキ
ャナに用いられている出力スキャナと同様の構成であ
る。
【0022】制御手段3は、当該建材印刷用抽象柄製版
システムの動作を統括して管理するものであり、マイク
ロコンピュータ、ROM、RAM等で構成されている。
【0023】入力手段4はキーボード、ポインティング
デバイス等の入力装置で構成されている。
【0024】記憶手段5は、RAMおよび/またはハー
ドディスク等の記憶装置で構成されている。
【0025】グラビア彫刻機6は、ベビー版の彫刻及び
本版の彫刻を行うものである。
【0026】カラーハードコピー7は、昇華転写プリン
タ、インクジェットプリンタ等で構成され、少なくとも
ベビー版のサイズのカラーハードコピーを出力可能なも
のが使用され、より望ましくは本版サイズのカラーハー
ドコピーを出力可能なものがよい。
【0027】抽象柄製版処理手段8は、エンドレス化処
理部9、柄くせ確認処理部10、柄くせ除去処理部11
及びリピート処理部12を含む。これら各部の動作につ
いては後述する。
【0028】表示処理手段12はモニタ14の表示制御
を行うものであり、モニタ14の画素数に応じた所定の
容量のビデオRAMを備えている。
【0029】モニタ14は、カラーCRT等の表示装置
で構成されるが、高精細度に表示できるものが望まし
い。
【0030】次に、図1の構成の動作を図2を参照しつ
つ説明する。図2は図1に示す構成の建材印刷用抽象柄
製版システムを使用した場合の製版工程の例を示すフロ
ーチャートであり、抽象柄の繰り返しの最小単位となる
単位素材が入稿されると、当該単位素材を入力スキャナ
1にセットして、読み込みを行う(ステップS1)。こ
の単位素材の読み込みは従来のレイアウトスキャナと同
様に行うことができる。なお、単位素材がフィルムであ
る場合にはそのまま入力スキャナ1にセットすることが
できるが、フィルム以外のデザイン画等の場合にはカラ
ーフィルムで撮影して読み込みを行ったり、必要に応じ
て製版カメラで撮影して分版フィルムを作成して読み込
みを行う。
【0031】ステップS1で読み込まれた単位素材の画
像データは記憶手段5に保存される。
【0032】次に、入力手段4からエンドレス化処理が
指示されると、制御手段3は、抽象柄製版処理手段8の
エンドレス化処理部9を起動し、エンドレス化処理を実
行させる(ステップS2)。
【0033】本発明でいうエンドレス化処理とは、単位
素材にマスク処理を施しながら上下に隣接する単位素材
を透かし合成して面積的に4倍あるいは9倍程度の大き
さの柄データ(以下、エンドレス化処理によって得られ
た柄をエンドレス柄と称す)を作成する処理をいい、ベ
ビー版のための画像データはエンドレス柄データを所定
回数単純に繰り返しリピートされて作成される。即ち、
エンドレス柄は単位素材とベビー版の中間段階に位置す
るものであり、これによってオペレータの作業負荷を大
幅に軽減することができる。つまり、従来は、単位素材
にマスク処理を施しながらリピートすることによって直
接ベビー版を作成していたのであるが、上述したよう
に、単位素材は3〜5cm四方程度、ベビー版は1m四方
程度の大きさであるからベビー版の作成には非常な手間
を要するのに対して、本発明におけるエンドレス柄は、
マスク処理は施すものの単位素材を高々9回程度合成す
るだけでよく、しかも合成は自動的に行われるのであ
り、ベビー版はこのようにして作成されたエンドレス柄
をマスク処理は施さずに単純にリピートするだけである
ので、その作業負荷は従来に比較して大幅に軽減される
のである。
【0034】以下、図3を参照してエンドレス化処理の
詳細について説明する。いま、単位素材を横方向、縦方
向共に3回合成してエンドレス柄を作成する指示がなさ
れたとすると、エンドレス化処理部9は、単位素材を横
方向に3回、縦方向にも3回合成するが、このとき図3
Aに示すように、横方向の合成を行う場合にはWYの幅
で重ね合わせを行い、縦方向の合成を行う場合にはWT
の幅で重ね合わせを行い、且つ2段目の列は横方向にW
Oだけずらすようにする。そして、横方向の重なり領域
及び縦方向の重なり領域では図3B中の領域R2で示す
割合で透かし合成を行う。例えば、単位素材151と単
位素材152の合成を例にとれば、図3Bの領域R1では
単位素材151の柄が100%であるが、領域R2では単
位素材151の柄は0%まで直線的に減少する一方、単
位素材152の柄は0%から100%に直線的に増加
し、領域R3では単位素材152の柄が100%になる。
縦方向の合成についても同様である。
【0035】以上のようにして自動的に単位素材の合成
を行うことができるが、単位素材の重なり部分に段差が
生じることが予測される場合、あるいは重なり部分に比
較的面積の大きい柄が存在して合成により当該柄が破壊
されることが予測される場合等には、上記の自動合成は
適当ではない。そこで、エンドレス化処理部9は、上記
の自動合成を行うモードの外に、合成のためのマスクを
任意に設定できるモードも備えており、当該モードで
は、例えば図3Cに示すように、横方向の重なり部分に
二つのマスクM1、M2を設定し、これらの二つのマスク
で挟まれた領域で、図3Bの領域R2で示す割合で透か
し合成を行うことができる。縦方向についても同様であ
る。但し、縦方向の合成の際には別個にマスクが設定さ
れることは当然である。
【0036】なお、横方向の重なり幅WY、縦方向の重
なり幅WT及び2段目のずらし量WOは、予めエンドレス
化処理部9に固定値として定められていてもよいし、オ
ペレータが入力手段4によりその都度設定できるように
してもよい。また、二つのマスクパターンの設定は、例
えば、横方向の重なり部分の柄、及び縦方向の重なり部
分の柄をモニタ14に表示し、その画面上でマウスある
いはスタイラスペンでマスクの線をトレースし、当該ト
レースされたパターンデータをマスクパターンデータと
して取り込むようにすればよい。そして、横方向の合成
のために設定されたマスクは、横方向の合成の際に共通
して使用され、縦方向の合成のために設定されたマスク
は、縦方向の合成の際に共通して使用される。
【0037】以上のようにして単位素材の合成が終了す
ると、エンドレス化処理部9は合成結果をモード14の
画面上に表示する。そこで、例えば左上隅に位置する単
位素材151上の任意の1点P1(図3A)が指示された
とすると、エンドレス化処理部9は、合成柄の右上隅に
位置する単位素材153、左下隅に位置する単位素材1
7、右下隅に位置する単位素材159について、それぞ
れの単位素材上で指示点P1と同一アドレスを有する点
2,P3,P4の合成柄上における座標値を求め、これら
4点P1,P2,P3,P4で定まる矩形を切り出して、エン
ドレス柄として登録する。このような切り出し方をする
理由はベビー版を作成したときに段差が生じないように
するためである。即ち、後述するようにベビー版はエン
ドレス柄を単純にリピートすることによって作成される
が、上記のような切り出しを行えば、図3Aの2点P1
とP2を結ぶ直線の両側の柄は、2点P3とP4を結ぶ直
線の両側の柄と全く同じであるから、エンドレス柄を縦
方向にリピートしても段差が生じることはないのであ
る。横方向についても同様である。
【0038】以上が図2のステップS2の処理であり、
このようにエンドレス柄という単位素材とベビー版の中
間段階に位置する柄を作成することによって、作業負荷
を従来に比較して大幅に軽減することができる。
【0039】エンドレス化処理が終了すると、次にはエ
ンドレス柄に柄くせが発生しているか否かを判断する
(ステップS3)。従来は上述したように、校正刷りを
行って柄くせの有無を確認していたのであるが、図1に
示す建材印刷用抽象柄製版システムにおいては、柄くせ
確認処理部10を備えており、これにより柄くせの有無
を早期に且つ容易に確認することができる。
【0040】柄くせ確認処理部10は、入力手段4で所
定のメニューが選択されたときに制御手段3によって起
動され、ステップS2で作成され、登録されたエンドレ
ス柄を呼び出して当該エンドレス柄の画像データの間引
きを行って所定の倍率、例えば元のサイズの 1/4 に縮
小する。例えば、いまエンドレス柄が図4Aのようであ
ったとすると、柄くせ確認処理部10は所定の間隔でエ
ンドレス柄16の画素を所定の間隔で間引き、図4Bに
おいて16′に示すように 1/4 に縮小する。次に柄く
せ確認処理部10は、縮小したエンドレス柄のパターン
を縦方向及び横方向に隙間なく配置するリピート処理を
行う。これにより、図4Cに示すようなエンドレス柄が
繰り返しされたパターンが得られるが、柄くせ確認処理
部10はこれを表示処理手段13に渡し、モニタ14の
画面上に表示する。
【0041】このようにエンドレス柄を縮小し、且つリ
ピートして表示する理由は次のようである。柄くせは上
述したようにベビー版の段階で発生することもあるが、
ベビー版の段階では確認できないにも拘らず本版の段階
で発生することもあるので、柄くせの確認はできるだけ
本版に近いパターンで行うのがよい。従って、上記のよ
うにエンドレス柄のみを表示するのではなく、エンドレ
ス柄を縮小し、リピートして表示することによって柄く
せの確認を容易に行わしめるのである。
【0042】エンドレス柄をどの程度縮小するか、縦方
向及び横方向に何回リピートするかは任意であるが、エ
ンドレス柄の間引き量を大きくした場合にはリピートの
回数は多くできるものの、画像データの間引きによって
柄くせの状態が変化することも考えられるので、図4C
に示すように縦方向、横方向に2回あるいは3回リピー
トする程度にとどめるのがよく、実際これで柄くせを確
認できることが確かめられている。
【0043】図4Cに示す画面により柄くせの発生が確
認されなかった場合には、ベビー版のデータの作成(ス
テップS5)を行うが、柄くせの発生が確認された場合
には柄くせの除去を行う。そのために本発明に係る建材
印刷用抽象柄製版システムは、所定のマスクパターンに
基づいて、エンドレス柄の所定のアドレスに位置するパ
ターンを他のアドレスに位置するパターンと置換するこ
とにより柄くせを除去する方式(以下、これをスクラン
ブル方式と称す)、所定の柄のパターンを他の所望の位
置に移動させたり、回転させたりすることにより柄くせ
を除去する方式(以下、これをピクセルコピー方式)、
及び単位素材の濃度むらを除去することによって柄くせ
を除去する方式(以下、これをフーリエ変換方式と称
す)の3通りの方式で柄くせを除去する柄くせ除去処理
部11を備えている。
【0044】まず、スクランブル方式による柄くせ除去
について説明する。スクランブル方式は、砂目、地紋等
の細かい柄を有する抽象柄の柄くせ除去に適した方式で
あり、図5に示す構成を備え、柄くせ除去をシミュレー
ションするディスプレイモードと、実際に柄くせの除去
を行うバッチモードとを有している。
【0045】さて、柄くせ除去処理部11は、入力手段
4により柄くせ除去処理が指示されたときに制御手段3
により起動されるが、スクランブル方式による柄くせ除
去が指示された場合にはまずスクランブル方式のディス
プレイモードが起動される。ディスプレイモードでは、
まず、シミュレーションを短時間で終了させるために、
エンドレス柄の画像データを画素数が2Kビット×2K
ビット程度以下になるように間引き、イメージメモリ2
0に展開すると共に、表示処理手段13に送り、モニタ
14に表示する。そして、画像データが間引かれたエン
ドレス柄の画素を所定のサイズ、例えば 200 画素× 20
0 画素程度のサイズのブロックに分割する。
【0046】ランダムアドレス発生部21には入力手段
4からオペレータが指示した画素置換の実行回数が指示
されており、乱数を発生させることにより、互いに異な
る二つの画素ブロックを指示するアドレス対を実行回数
分だけ発生させ、画素ブロック転送部22に送る。ま
た、マスクデータ部23には図7A〜Eに示すような種
々のマスクパターンが登録されており、その中から入力
手段4により指示された形状のマスクパターンが呼び出
されて画素ブロック転送部22に送られる。そして、画
素ブロック転送部22は、ランダムアドレス発生部21
で発生された画素ブロックのアドレス対AD1,AD2
位置するブロックの画素データを取り込み、これらのブ
ロック内の画素をマスクデータ部23で発生されたマス
ク形状に従って置換し、元のアドレス位置に書き込む。
これにより、アドレスAD1のブロックのマスクパター
ンの内部にはアドレスAD2のブロックのマスクパター
ンの内部の画素が書き込まれ、アドレスAD2のブロッ
クのマスクパターンの内部にはアドレスAD1のブロッ
クのマスクパターンの内部の画素が書き込まれる。以上
の動作を指示された実行回数だけ繰り返し行う。いま例
えば、図6に示すように、間引かれたエンドレス柄24
が9(横)×8(縦)のブロックに分けられ、図7Aに
示す形状のマスクパターンが選択されたとする。そし
て、ランダムアドレス発生部21が第1回目の置換とし
てBL1,BL2のアドレス対を発生したとすると、画素
ブロック転送部22はアドレスがBL1のブロックとB
2のブロックの画素を取り込み、円形マスクに含まれ
る画素を入れ換える。次に、第2回目の置換としてアド
レス対BL3,BL4が発生されたとすると、画素ブロッ
ク転送部22はアドレスがBL3のブロックとBL4のブ
ロックの画素を取り込み、円形マスクに含まれる画素を
入れ換える。以下、この動作が実行回数だけ行われる。
【0047】指示された実行回数だけブロック内の画素
の置換が行われるとイメージメモリ20上の画像データ
は表示処理手段13に送られ、モニタ14上に表示され
る。これによりオペレータはモニタ14上で柄くせが除
去されたか否かを確認することができ、柄くせが除去さ
れている場合にはディスプレイモードは終了となり、バ
ッチモードが実行されるが、除去されていない場合には
引き続いて実行回数を入力して上記の動作を繰り返す。
【0048】以上がディスプレイモード時の動作であ
り、ディスプレイモード終了時における実行回数及びマ
スク形状データは所定のファイルに保存される。
【0049】次にバッチモード時の動作について説明す
る。ディスプレイモードにより柄くせの除去が確認され
た場合にはバッチモードが指示される。バッチモード時
にはイメージメモリ20にはオリジナルのエンドレス柄
の画像データが書き込まれ、ランダムアドレス発生部2
1及びマスクデータ部23には、それぞれ、ディスプレ
イモード時における実行回数及びマスク形状がロードさ
れ、上述したブロック内の画素の置換が行われる。
【0050】このようにして柄くせが除去されたエンド
レス柄の画像データは記憶手段5の所定のファイルに登
録される。なお、イメージメモリ20の容量は、エンド
レス柄の画像データがY,M,C,Kの4色に色分けされ
ている場合には、1色のデータの1画素が8ビットであ
るから、全ての色について上記のスクランブル処理を行
うためには、8K×8K×8×4(ビット)程度は必要
である。
【0051】なお、以上の説明では一つのマスクパター
ンのみを使用する場合について説明したが、乱数を発生
させる等して使用するマスクパターンを1回の置換毎に
変更するようにしてもよい。また、上記のようにブロッ
ク化せずに置換する二つのマスクパターンのアドレスを
発生させるようにしてもよいものである。更には上記実
施例では画素の置換は指示された実行回数行われた後に
モニタ14に表示されるものとしたが、実行回数は指示
せずに例えば画素の置換を100回行う毎に画像を表示
し、オペレータが柄くせが除去されたと判断した時点で
強制的に置換の動作を停止させるようにすることもでき
る。
【0052】以上のようにして、従来手作業で行われて
いた柄くせ除去の作業を自動的に行うことができる。
【0053】以上がスクランブル方式による柄くせ除去
であり、次にピクセルコピー方式による柄くせ除去につ
いて説明する。ピクセルコピー方式は、石目等の比較的
サイズの大きい特徴的なパターンを有する抽象柄の柄く
せ除去に適用される。即ち、図8に示すように単位素材
25の中に、比較的サイズの大きいパターン261〜2
4が列島状に並んでいる場合には、このような列島状
パターンが柄くせの発生原因になることがあるが、これ
による生ずる柄くせをスクランブル方式で除去する場合
には、スクランブル方式はエンドレス柄の画像をブロッ
ク化するので、これら特徴的なパターンを破壊してしま
う可能性がある。そこで、このような特徴的なパターン
を有する抽象柄の柄くせ除去のためにピクセルコピー方
式による柄くせ除去が用意されているのである。
【0054】ピクセルコピー方式は図9に示す構成で行
われ、モニタ14の画面上で対話式でピクセルコピーの
シミュレーションを行う対話型モードと、対話型モード
で行ったと同じ処理を自動的に行うバッチモードとがあ
る。
【0055】さて、ピクセルコピー方式による柄くせ除
去が指示されると対話型モードが起動される。これによ
りエンドレス柄の画像データは画素数が2Kビット×2
Kビット程度以下になるように間引かれ、イメージメモ
リ30に展開される。イメージメモリ30上の画像デー
タは表示処理手段13にも送られ、モニタ14に表示さ
れる。
【0056】オペレータはモード14の画面を観察して
移動すべきパターン(以下、このパターンをソースパタ
ーンと称する)を指定する。ソースパターンの指定はマ
ウス等によりソースパターンを取り囲む領域の対角の頂
点を指示することで行うが、このときのマウスの動きは
コマンド制御部35に送られ、カーソル発生部36でカ
ーソルのパターンが発生されてイメージメモリ30上の
マウスの位置に書き込まれ、その結果モニタ14の画面
上には図10に示すようなカーソル381〜384が表示
されると共に、カーソルのアドレスはコマンド記録部3
7に記録される。なお、図10中39はソースパターン
を示す。
【0057】このようにして矩形領域が指示されると、
画素ブロック転送部31は当該矩形領域内の画素データ
をソースバッファ部32に転送する。ソースバッファ部
32の内容は更にマスク自動生成部34に転送され、下
記の処理によりソースパターンのマスクが生成される。
即ち、まずマスク自動生成部34は、ソースバッファ部
32から転送されてくるR,G,Bの3原色の画像データ
に 0.3R+0.59G+0.11Bの演算を施し、画像をモノク
ロ化する。次いでモノクロ化した画像データに平滑フィ
ルタ処理を所定回数、例えば20回程度施す。これによ
り細かいパターンは消去され、面積的に大きなパターン
だけが残ることになる。なお、平滑フィルタ処理は近傍
の9画素の平均値を採るなど周知の方法を採用すること
ができる。
【0058】平滑フィルタ処理の後、マスク自動生成部
34は画素の濃度値のヒストグラムを算出し、その濃度
0からの累計頻度が50%程度で頻度が極小となる濃度
値を閾値として算出し、矩形領域の周辺部と中心部の代
表値から2値化方向を決定して2値化処理を行い、ソー
スパターンのマスクを生成する。具体的には、例えばい
ま各画素のレベル値の頻度及び累計頻度がそれぞれ図1
1の40、41で示すようであるとすると、累計頻度が
50%程度で頻度が極小となる濃度値としてND0が算
出され、これが閾値として決定される。そして、当該閾
値により図12の42で示す輪郭が得られたとすると、
輪郭42の内部を「1」、周辺部を「0」として2値化
してソースパターンのマスクを生成する。これにより輪
郭42の周辺が常にマスクされることになる。なお、閾
値は入力手段4により任意に設定できるようにしてもよ
いものである。
【0059】以上のようにして生成されたマスクを用い
て柄くせの除去を行うのであるが、その操作は、基本的
にはソースパターンを他の位置にコピーすることによっ
て行われ、そのために少なくとも次のようなコマンドが
用意されている。
【0060】 ドラッギングコマンド ピクセルコピー方式ではソースパターンを他の位置に移
動してコピーする方式であるが、その際に当該ソースパ
ターンを引きずりながら所望の位置へ移動させる操作を
行うのがドラッギングコマンドである。ドラッギングコ
マンドが指示され、カーソルでソースパターンの移動先
が指示されると、画素ブロック転送部31は、指示され
た位置をターゲット位置として、該ターゲット位置の画
素ブロックをターゲットバッファ部33に転送し、ソー
スバッファ部32の内容をマスク自動生成部34で作成
したマスクパターンを参照しながらターゲット位置にコ
ピーする動作を行う。なお、ターゲットバッファ部33
に転送される画素ブロックは、次のカーソル指示でター
ゲット位置が変わったときに、旧ターゲット位置を元の
状態に戻すのに用いられる。
【0061】具体的には、いま、例えば図13におい
て、ソースパターンSをターゲット位置T1に移動する
ものとすると、オペレータはマウスによりソースパター
ンSをピックし、その状態でT1の位置までソースパタ
ーンを移動する。このことにより画素ブロック転送部3
1はターゲットT1の位置において、ソースパターンS
が指定されたときの矩形領域と同じサイズの矩形領域で
画素を取り込み、ターゲットバッファ部33に書き込
む。次ぎに、画素ブロック転送部31は、マスク自動生
成部34で生成されたマスクパターンを参照して、ソー
スバッファ部32の内容のうち、マスクパターンが
「1」である領域の画素をターゲット位置T1に書き込
む。これにより図13においてSで示す位置にあったソ
ースパターンはターゲット位置T1にコピーされたこと
になり、この結果は表示処理手段13に送られ、モニタ
14に表示される。
【0062】次に、ターゲット位置がT1よりT2に変わ
った場合、ターゲットバッファ部33の内容をT1に戻
し、T2を新たなターゲット位置として上記と同様の処
理をする。
【0063】 回転コマンド ピクセルコピー方式においては、ソースパターンをその
ままの角度で移動することは勿論、ソースパターンを所
定の単位角度、例えば90°ずつ時計方向あるいは反時
計方向に360°まで回転してコピーすることができる
ようになされている。この操作を行うのが回転コマンド
であり、回転コマンドで回転角度が指示されると、画素
ブロック転送部31は、ターゲットバッファ部33の内
容をマスクデータを参照しながらターゲットパターンの
元の位置にコピーし、次いでソースバッファ部32の内
容と、マスク自動生成部34で作成されたマスクデータ
を指示された角度だけ回転処理し、回転がかかった状態
でターゲット位置内容をターゲットバッファ部33へコ
ピーし、ソースバッファ部32の内容をマスクデータを
参照しながらターゲット位置にコピーする。
【0064】例えばいま、図13のターゲット位置T2
にある点線で示すパターンを時計方向に90°回転する
ものとすると、画素ブロック転送部31はまずターゲッ
ト位置T2において、ソースパターンSが指定されたと
きの矩形領域と同じサイズの矩形領域で画素をターゲッ
トバッファ部33より書き込む。次ぎに、ソースバッフ
ァ部32の内容、及びマスク自動生成部34内部のマス
クデータを時計方向に90°回転し、回転された状態で
ターゲット位置T2の内容をターゲットバッファ部33
に取り込み、ソースバッファ部32の内容のうち、マス
クデータが「1」である領域の画素をターゲット位置T
2に書き込む。これにより図13においてT2の位置で点
線で示す位置にあったパターンは、同位置に実線で示す
位置に回転されたことになり、この結果は表示処理手段
13に送られ、モニタ14に表示される。
【0065】 ソースパターン消去コマンド ピクセルコピー方式において柄くせを除去するに際して
は、ソースパターンを別の位置に移動するにあたり、元
の位置のパターンを消去する必要がある。その操作を行
うのがソースパターン消去コマンドであり、このコマン
ドが指示され、ターゲット位置が指示されると、画素ブ
ロック転送部31は、ターゲットバッファ部32の内容
をマスクデータを参照しながらソースパターンの位置に
コピーする。
【0066】例えばいま、図13のソースパターンSを
消去して、その位置にターゲット位置T3にあるパター
ンをコピーするものとすると、画素ブロック転送部31
はターゲット位置T3において、T3までのドラッギング
操作によりソースパターンSが指定されたときの矩形領
域と同じサイズの矩形領域で画素を取り込んでターゲッ
トバッファ部33に書き込まれている内容のうち、マス
クデータが「1」である領域の画素をソースパターンS
の位置に書き込む。これにより図13においてソースパ
ターンSは消去され、その位置にはターゲット位置T3
にあるパターンがコピーされることになり、この結果は
モニタ14に表示される。
【0067】 パターン入れ替えコマンド このコマンドは、ソースパターンのマスクデータを使用
して、ある第1のターゲット位置の画素を他の第2のタ
ーゲット位置にコピーするためのコマンドであり、第1
ターゲット及び当該コマンドが指示されると、画素ブロ
ック転送部31は、ターゲットバッファ部33の内容を
第1ターゲット位置に戻し、コピーする画素を含む第1
のターゲット位置の画素ブロックをソースバッファ部3
2にコピーする。次に第2ターゲット位置が指示される
と、コピーされるべき第2のターゲット位置の画素ブロ
ックをターゲットバッファ部33に転送して、ソースバ
ッファ部32の内容をマスクデータを参照して第2のタ
ーゲット位置にコピーする。
【0068】例えばいま、図13においてターゲットT
1位置にある画素を拾い、ターゲットT3の位置にコピー
することが指示されたとすると、画素ブロック転送部3
1は、ターゲットバッファ部33の内容をターゲット位
置T1に戻し、ターゲット位置T1にある画素ブロックを
ソースバッファ部32に、またターゲット位置T3にあ
る画素ブロックをターゲットバッファ部33にそれぞれ
書き込み、次にソースバッファ部32の内容のうち、マ
スクデータが「1」である領域の画素をターゲットT3
の位置に書き込む。これにより図13においてターゲッ
トT1の画素がターゲットT3の位置にコピーされること
になり、この結果はモニタ14に表示される。なお、コ
ピーされるべきターゲットの位置にある画素ブロックを
一旦ターゲットバッファ部33に転送するのは、コピー
の結果が望ましくない場合に即座に元の状態に戻せるよ
うにするためである。
【0069】以上4種類のコマンドについて詳細に説明
したが、この外に、旧ターゲット位置データ及びターゲ
ットバッファ部33の内容をクリアし、初期状態に戻
し、ピクセルコピーを実行するためのコマンド、及びタ
ーゲットバッファ部33の内容をマスクデータを参照し
ながら元のターゲット位置にコピーして画像を元に戻
し、ピクセルコピーから抜け出るエグジットコマンド等
が用意されており、これらのコマンドを種々に組み合わ
せて使用することにより、柄くせを除去することができ
る。
【0070】以上が対話型モードにおける動作であり、
対話型モードで指示されたコマンド及びカーソルの座標
等は、入力手段4で操作された順番にコマンド記録部3
7に記録される。
【0071】対話型モードが終了すると、次にバッチモ
ードが起動される。バッチモード時にはイメージメモリ
30にはオリジナルのエンドレス柄の画像データが書き
込まれると共に、コマンド記録部37に記録されている
コマンドあるいはカーソルの座標値等が順番に読み出さ
れ、コマンド制御部35に入力され、実行される。その
結果、オペレータが対話型モードで行ったと同じ処理が
オリジナルのエンドレス柄データに対して行われ、柄く
せが除去される。
【0072】以上のようにピクセルコピー方式において
は、比較的大きな柄を有する抽象柄において発生してい
る柄くせをも簡単な操作で容易に除去することができ
る。
【0073】次に、第3の柄くせ除去方式としてフーリ
エ変換方式について説明する。
【0074】上述したように、柄くせは単位素材中に濃
度のむらがある場合にも発生する。フーリエ変換方式に
よる柄くせ除去は、このように柄くせの原因となる単位
素材中に存在する濃度むらをエンドレス柄の段階で除去
しようとするものであり、通常は前述したスクランブル
方式、ピクセルコピー方式による柄くせ除去に先立って
行われる。
【0075】フーリエ変換方式による柄くせ除去を行う
ために柄くせ除去処理部11は図14の構成を備えてい
る。そして、フーリエ変換方式による柄くせ除去が指示
されると、エンドレス柄の画像データは正規化部44に
転送され、エンドレス柄の縦横の各画素数を越えて、最
も近い2の累乗の値をソース画素の画素数とし、図15
に示すように超過分をリピートして埋める。これは2の
累乗の画素数を有する画像に対しては、高速にフーリエ
変換を実行する、いわゆるFFT(高速フーリエ変換)
アルゴリズムが適用できるからである。
【0076】正規化処理部44で2の累乗の画素数を有
する画像データとなされたソース画像は、そのままソー
ス画像メモリ45に書き込まれる一方、所定の画素間引
きが行われてフレームメモリ46に書き込まれる。これ
は、フーリエ変換が画素数に比例して処理時間がかかる
ため、少ない画素数でテストするのに用いられる。そし
て、フレームメモリ46の内容は表示処理手段13に送
られてモニタ14に表示される。なお、ソース画像メモ
リ45のメモリ容量は、Y,M,C,Kの各色について1
バイト/画素であるから、8K×8K×4(バイト)程
度は必要であり、フレームメモリ46はR,G,Bの各色
成分について1K×1K(バイト)程度でよい。
【0077】ソース画像メモリ45及びフレームメモリ
46の内容はそれぞれウォルシュ(Walsh)変換部47
により2次元フーリエ変換が行われ、フーリエ変換メモ
リ48に書き込まれる。そして、図16に示すように、
フーリエ変換メモリ48に書き込まれた内容のうち、直
流成分DCを除いて水平周波数Fh及び垂直周波数Fv
所定の波数W以下の成分、例えば10波数以下の成分が
低周波成分消去部49により消去され、ウォルシュ逆変
換部50により2次元逆フーリエ変換が行われ、ソース
画像メモリ45に関する画像データは逆変換ソース画像
メモリ51に、フレームメモリ46に関する間引きされ
た画像データはフレームメモリ52にそれぞれ書き込ま
れる。フレームメモリ52に書き込まれた画像データは
表示処理手段13を介してモニタ14に表示され、オペ
レータはモニタ14の画面を観察することによって濃度
むらを除去できたか否かを確認することができる。
【0078】通常、フレームメモリ46からフレームメ
モリ52に出力する処理を先に行い、モニタ14で確認
した後、ソース画像メモリ45の画像について処理す
る。
【0079】出願人の実験によれば、上述したように水
平、垂直共に10波数以下を消去することにより濃度む
らを殆ど除去できることが確認されており、そのために
低周波成分消去部49は当該波数成分を除去するものと
したが、入力手段4により消去したい波数成分を指定で
きるようにしてもよいことは明らかである。
【0080】従来においては単位素材あるいはベビー版
に濃度むらがある場合には、単位素材の撮影をやり直し
ていたが、本発明によれば画像データ上で容易に濃度む
らを除去することができるので、コストを低減できると
共に、作業負荷を低減することができる。
【0081】以上の3種類の柄くせ除去方式について説
明したが、これらの方式を適宜組み合わせることによっ
て殆どの柄くせを除去することができる。
【0082】以上が図2のステップS4の工程であり、
エンドレス柄の段階で柄くせが除去されたらベビー版デ
ータの作成を行う(ステップS5)。ベビー版は図17
に示すようにエンドレス柄を単純に縦横に繰り返すこと
により作成されるが、そのためにリピート処理部12が
用意されている。即ち、入力手段4によりベビー版の作
成が指示された場合にはリピート処理部12が起動さ
れ、エンドレス柄の画像データを縦方向及び横方向に所
定回数並べる。
【0083】このようにして作成されたベビー版データ
は記憶手段5に登録される。
【0084】ベビー版の作成が終了すると、再度ベビー
版の段階で柄くせが発生しているか否かを確認する(ス
テップS6)。この場合の柄くせの有無の確認は、ベビ
ー版データを間引きしてモニタ14上に表示して確認す
るようにしてもよいが、ベビー版のサイズは大きく、し
かもユーザに対してプレゼンテーションを行うものであ
るから、記憶手段5からベビー版データをカラーハード
コピー7に供給してハードコピーすることにより行うよ
うにする。
【0085】ステップS6で柄くせの発生が確認された
場合には、再度ステップS4に戻って上述した柄くせ除
去を行うが、柄くせの発生が認められない場合にはベビ
ー版データを出力する(ステップS7)。このベビー版
の出力には二つの方法がある。一つはベビー版データを
ダイレクトにグラビア彫刻機6に供給して直接刷版を作
成する方法であり、もう一つはベビー版データを出力ス
キャナ2でフィルム出力して、フィルムを介して刷版を
作成する方法である。いずれの方法を採用するかは任意
である。
【0086】以上のようにしてベビー版の刷版を作成し
たら、次に当該版を使用して校正刷りを行い、そこで再
度柄くせが発生しているか否かを確認する(ステップS
8)。柄くせが発生している場合には、ステップS1に
戻って新たな単位素材の読み込みからやり直すか、ある
いはステップS4に戻ってエンドレス柄の段階での柄く
せ除去を行う。ステップS1に戻る場合には、それまで
の工程が全く無駄にはなるが、従来に比較すると工程が
自動化されているだけコストが安価で且つ作業負荷も軽
減されているので、無駄を最小限に留めることができ
る。
【0087】ベビー版を用いた校正刷りで柄くせの発生
がない場合には本版データの出力を行う(ステップS
9)。これはベビー版データをリピート処理部12によ
り縦横に所定回数だけ並べて配置することにより行わ
れ、作成された本版データは記憶手段5に登録されると
共に、出力される。本版データの出力は、ベビー版デー
タの出力と同様に、グラビア彫刻機6に供給して直接本
版を作成してもよいし、出力スキャナ2でフィルム出力
して、フィルムを介して刷版を作成してもよい。
【0088】以上のようにして本版データを出力した後
は、再度校正刷り(ステップS10)を行い、最終チェ
ックを受けてそれでよろしければ、本版を用いて本機刷
りを行い(ステップS11)、工程は終了となる。な
お、本版校正刷りの結果柄くせの発生が確認された場合
にはステップS1またはステップS4に戻ってやり直
す。
【0089】以上本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものでなく、種々
の変形が可能であることは当業者に明らかであろう。
【0090】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、エンドレス柄の段階で、しかも表示手段の画
面上で柄くせの有無を確認できるので、エンドレス柄で
柄くせが発生したとしても早期に改善の対策を施すこと
ができ、その結果、コストの無駄を最小限にとどめるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建材印刷用抽象柄製版システムの
一実施例の構成を示す図である。
【図2】本発明に係る建材印刷用抽象柄製版システムを
用いた場合の製版工程の例を示す図である。
【図3】エンドレス柄を作成する際の透かし合成を説明
するための図である。
【図4】柄くせ確認処理部の動作を説明するための図で
ある。
【図5】スクランブル方式による柄くせ除去を行うため
の構成例を示す図である。
【図6】スクランブル方式におけるブロック内の画素の
置換を説明するための図である。
【図7】ブロック内の画素の置換に使用されるマスク形
状の例を示す図である。
【図8】ピクセルコピー方式の有効性を説明するための
図である。
【図9】ピクセルコピー方式により柄くせ除去を行うた
めの構成例を示す図である。
【図10】ソースパターンを選択する際の表示画面の例
を示す図である。
【図11】ピクセルコピー方式におけるマスクデータを
作成するための閾値の求め方を説明するための図であ
る。
【図12】マスクデータを作成するための2値化処理を
説明するための図である。
【図13】ピクセルコピー方式の動作を説明するための
図である。
【図14】フーリエ変換方式により柄くせ除去を行うた
めの構成例を示す図である。
【図15】正規化処理部の動作を説明するための図であ
る。
【図16】低周波成分消去部の動作を説明するための図
である。
【図17】ベビー版の作成を説明するための図である。
【図18】従来の建材印刷用抽象柄の製版工程の例を示
す図である。
【図19】柄くせを説明するための図である。
【符号の説明】
1 入力スキャナ 2 出力スキャナ 3 制御手段 4 入力手段 5 記憶手段 6 グラビア彫刻機 7 カラーハードコピー 8 抽象柄製版処理手段 9 エンドレス化処理部 10 柄くせ確認処理部 11 柄くせ除去処理部 12 リピート処理部 13 表示処理手段 14 モニタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 榮助 埼玉県入間郡三芳町竹間沢311 (56)参考文献 特開 昭59−95536(JP,A) 特開 平3−210559(JP,A) 特公 昭62−45978(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41C 1/00 - 1/18 B41M 3/06 G03F 3/08 G06T 1/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力スキャナで読み込んだ単位素材画像
    データを上下左右に所定回数透かし合成して得た柄パタ
    ーンの上端と下端及び左端と右端が同じデータになるよ
    うにトリミングして第1の柄パターンを作成し、前記第
    1の柄パターンの画素を間引いて第2の柄パターンを作
    成し、前記第2の柄パターンを上下左右に所定個数隙間
    なく並べて表示することを特徴とする建材印刷用抽象柄
    製版システムにおける不所望パターンの確認方法。
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