JP2995562B2 - 凍結米飯及びその製造方法 - Google Patents
凍結米飯及びその製造方法Info
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Description
製造方法に関し、詳しくは、米飯とソースとが均一に混
合されたバラ状の凍結米飯であって、特に、雑炊やリゾ
ットのようなウエットタイプの食品にも適用できる凍結
米飯及びその製造方法に関する。
一般的な冷凍米飯の製法において米飯とソースとを混合
する場合は、ソースや具材を炊飯前に混合して一緒に炊
き込んだり、炊飯後にソースや具材を添加混合したりし
て得られたソース混合米飯を、各種凍結機によりバラ状
に凍結するようにしている。なお、米飯をバラ状に凍結
(バラ凍結)させるための凍結方法としては、液化ガス
等の冷媒を使用したドラム撹拌式や、冷凍機により発生
する冷気を利用した流動撹拌式等がある。
多い食品、例えば、水分含有量が65重量%以上で、解
凍したときに雑炊状、リゾット状となるウエットタイプ
の凍結米飯の需要が期待されていた。しかし、従来の凍
結方法では、凍結工程前に含水率の高いソース等を混合
しているため、ソースに含まれる水分が米飯中に移行し
て食感が損なわれるだけでなく、ソース自体の付着性
や、凍結前の温度帯域での撹拌による練りや捏ね等の作
用により、凍結機内部や撹拌機に米飯が付着し、次第に
成長して大きな塊等が形成されることがあり、凍結機等
が円滑に作動せずに過負荷となり、連続生産が不能に至
ることもあった。また、炊飯後の米飯にソースを混合し
てから凍結する方法でバラ状凍結米飯を得るためには、
米飯粒をバラ状化させるために、ソースの添加比率を1
0重量%未満に抑えなければならなかった。このよう
に、ウエットタイプの米飯は、従来法では凍結工程が障
害となり、有効な手段がなかった。
イプの凍結米飯は、米飯粒をバラ状に凍結させたもので
はなく、ブロック状に凍結させたブロック製品(ブロッ
ク凍結品)が主流となっている。しかし、この製品は、
解凍に長い時間を要し、簡便性に劣る欠点がある。
ースとを同梱して一緒に流通させ、消費者が各々を解凍
後に混ぜ合わせるタイプの製品(ソース別添品)もあ
る。しかし、この製品では、消費者の手間が増えるので
好ましくないし、業者においてもソースと米飯とを同数
揃えなければならないので、在庫管理に負担がかかって
いた。
小ブロック凍結品(約10mm角)を生産し、これをバ
ラ状に凍結した後の米飯に混在させた製品(小ブロック
凍結ソース混在品)がある。しかし、粘度の高いソース
の場合は、解凍の際に均一に米飯に混ざり合うことがな
いので、食味が損なわれて商品価値を低下させる上、製
造工程が増えるので、コスト高を招く欠点を有してい
る。
米飯は、流通消費において簡便性に欠け、消費者ニーズ
に合致する商品価値の高い製品がないのが実状であっ
た。
混合したバラ状凍結米飯を効率よく生産する方法を確立
することにより、消費者において通常のバラ状凍結米飯
と同様の簡便な手段で解凍することができ、かつ、個食
分けしても常に米飯とソースとが均等に配合されている
安定した品質、すなわち、ポーションコントロールを容
易に行える従来にないタイプの付加価値の高い凍結米飯
及びその製造方法を提供することを目的としている。
め、本発明の凍結米飯は、バラ状に凍結した米飯粒の表
面をソースで被覆したことを特徴とするものであって、
特に、前記ソースの混合割合が、全体重量に対して10
重量%以上であること、さらに、前記凍結米飯がウエッ
トタイプであることを特徴としている。
凍結米飯とソースとを混合して米飯粒の表面にソースを
アイスコーティングした後、所定の温度に凍結すること
を特徴としており、前記バラ状凍結米飯とソースとの混
合及び/又はアイスコーティング後の凍結を回転式混合
凍結機で行うことを特徴としている。
羽根及び/又は櫛歯状の羽根を備えていること、また、
回転する外筒と、回転する内筒又は中心軸とを備えてい
ること、さらに、前記バラ状凍結米飯とソースとを前記
内筒又は中心軸上に供給することを特徴としている。
結した米飯の一粒一粒の表面に、ソースを凍結状態で被
覆(アイスコーテイング)したソース被覆凍結米飯であ
る。原料(ベース)となるバラ状凍結米飯には、現在市
場に出回っている各種のバラ状凍結米飯のほとんど全て
を使用することができる。また、単粒化した米飯と複粒
化した米飯とが混合した複粒凍結品と呼ばれるものも使
用できるが、この場合、複粒化した米飯、即ち米飯が一
粒になっていないブロック状の米飯の量は、全体の約5
0重量%以下、好ましくは30重量%以下、特に、15
%重量以下であることが好ましい。
されている場合は具材も含めた全体)の水分含有率は、
最終的な製品の態様に応じて種々に設定することがで
き、厳密に水分量で分類することはできないが、水分含
有率を約65重量%以上にすると、前述のウエットタイ
プの商品、例えば、雑炊やリゾットのような、いわゆる
リゾットタイプ食品が得られる。
体品から各種具入り品まで幅広い範囲のものを使用する
ことができ、具体的には、ドミグラスソース,ホワイト
ソース,トマトソース,あんかけソース等を挙げること
ができる。これらのソースの混合割合(ソース÷(米飯
+ソース)×100)の上限は、任意に設定することが
可能であるが、解凍後の食品としての実用的観点から
は、ドリアタイプであれば10〜65重量%程度が好適
であり、リゾットタイプであれば10〜50重量%、特
に、15〜35重量%が好適である。
け混合してソース被覆凍結米飯を得る際の最も基本的な
操作では、通常、ソース混合割合が10〜40重量%の
ソース被覆凍結米飯が得られる。
とができるが、ソース混合割合が10重量%未満では十
分な効果が得られない。解凍後の食品としてソースを混
合被覆した効果を十分に発揮できるのは、10重量%以
上であり、特に、20重量%以上が効果的である。すな
わち、前述のウエットタイプの商品の場合におけるソー
スの配合比率を、10重量%以上にすることによって市
場性のある付加価値製品として認識され、特に、20重
量%以上にすると、極めて特徴のある製品として認識さ
れることとなる。
ソース被覆凍結米飯の一粒一粒におけるソースの付着量
が異なり、ソースが全く付着していない米飯粒が存在す
ることもあり得るが、その割合は、全米飯粒の10重量
%以下、好ましくは5重量%以下、特に、3重量%以下
であることが好ましい。ソースが付着していない米飯粒
の割合が10重量%を超えると、品質の均一さの点で好
ましくなく、解凍したときの食味食感が損なわれる。さ
らに、ソース被覆凍結米飯の一粒一粒に対するソースの
付着割合は、5〜65重量%、好ましくは10〜60重
量%、さらに好ましくは15〜50重量%である。5重
量%未満又は65重量%を超えるものがあると、解凍し
たときの品質の均一さの点で好ましくない。
飯)は、バラ状に凍結した米飯粒の表面がそれぞれソー
スで被覆した状態になっているので、従来のバラ状凍結
米飯と同様に短時間で解凍することができ、米飯全体に
ソースが分布しているため、余計な撹拌等を行うことな
く、解凍して加熱するだけで米飯とソースとがなじんだ
状態となるとともに、アイスコーティングによって米飯
にソースを被覆することにより、ソースの水分が米飯中
に移行することがないので、食味や食感に優れた食品が
得られる。
を混合して凍結しただけのものであってもよいが、前述
のように、具材や調味料を添加してバラ状に凍結した米
飯に各種ソースを混合したものであってもよい。また、
最終的な食品として、本発明の凍結米飯を加熱してその
まま食する形態としてもよいが、解凍前あるいは解凍後
に別の具材を加えて調理するようにしてもよい。
米飯を解凍すれば、リゾットタイプの食品が得られる。
また、ソース被覆凍結米飯に適宜な具材を乗せ、さらに
必要に応じて別のソースをかけてオーブンで焼けば、米
飯にソースが均一に混合された新しいタイプのドリアが
得られ、従来の上掛けソースタイプとは異なったものと
なる。この他にも、本発明の凍結米飯を素材とし、他の
具材を添加して加工すれば、新しいタイプの様々な食品
が得られる。
ようにして製造することができる。まず、ベースとなる
バラ状凍結米飯は、前述のように、従来から市販されて
いる各種バラ状凍結米飯を使用することができるので、
これらの製法と同様にして製造すればよい。すなわち、
常法に従って炊飯した白飯や適当に味付けされた米飯、
あるいは適当な具材を混合した米飯を、周知の凍結機に
よりバラ状に凍結することにより、ベースとなるバラ状
凍結米飯が得られる。
通常よりやや低い約−30℃以下に設定することが好ま
しく、このような低温に設定することにより、ソース混
合時及び混合後の米飯の状態を確実にバラ状凍結状態に
保つことができるとともに、凍結装置内へのソースや米
飯の付着を防止でき、安定した生産が可能になる。
当量のソースを添加する。このソースも、通常の方法で
製造したものでよいが、添加する際には、適度な流動性
を失わない範囲で、予め冷却しておくことが有効であ
り、ソースの種類にもよるが、5〜30℃にしておくこ
とが好ましい。ソースの種類によっては、油が凝固する
ことがあるが、その場合には、油が凝固しない温度に設
定すればよい。ソースの添加方法は、適当な容器中に入
れたバラ状凍結米飯にソースを加えるなど、任意の方法
で行うことが可能であり、例えば、製造ラインを流れて
くる米飯の上に注ぐようにしたり、噴霧するようにした
りすれば、周辺機器に余分なソースを付着させることな
く米飯にソースを添加することができる。
米飯とソースとを十分に混合させる工程を行う。このソ
ース混合工程は、既にバラ状に凍結されている米飯に対
してソースが混合されるため、軽い撹拌混合作用を与え
るだけで、米飯自体のバラ化作用によって米飯粒とソー
スとが十分に接触し、米飯の一粒一粒の表面にソースを
均一に被覆することができる。ソースは、米飯が持って
いる凍結熱量によって凍結状態になり、すなわち、ソー
スが米飯粒の表面にアイスコーテイングされた状態にな
る。
類され、例えば、−2℃の氷結点から−30℃の凍結温
度までの熱量は、含水率が60重量%の場合、潜熱は、
80kcal/kg×0.6=48kcal/kgであ
り、顕熱は、凍結後の比熱が0.38kcal/(kg
・℃)であるから、0.38kcal/(kg・℃)×
(−2−(−35))℃=12.54kcal/kgと
なる。したがって、潜熱は、顕熱の約4倍の凍結熱量を
持っていることとなる。もちろん凍結顕熱も有効に利用
されるが、特に凍結潜熱の効果が大きい。
飯のマイナスの熱量をソースのプラスの熱量よりも大き
く設定し、混合後の品温が、米飯の凍結潜熱部で踏み止
まり、バラ状凍結状態を保持できるように、両者の温度
や混合量を設定することが好ましい。すなわち、混合後
の状態を、バラ状の凍結状態乃至半凍結状態とすること
により、混合機内や次の凍結工程における凍結機内への
付着等を防止することができる。例えば、バラ状凍結米
飯の温度が−30℃で、ソースの温度が20℃の場合、
ソースの混合割合は、およそ40重量%までが適当であ
る。ソースの混合量を多くする場合は、適当量のソース
を混合して得られたソース被覆凍結米飯をベースにして
再度ソースを添加する工程を行えばよく、これによって
任意の割合でソースを混合した凍結米飯を得ることがで
きる。
結した米飯にソースを混合するので、ソースの水分が米
飯中に移行することがなく、したがって、解凍した米飯
は、しっかりした食感を有する高品質なものとなる。
覆米飯は、遅滞なく2回目の凍結処理を行い、所定の温
度に冷却する。この2回目の凍結処理は、ソースを添加
したことにより昇温したソース被覆米飯を、所定の温度
まで再度凍結させるための操作であり、このまま袋詰め
して流通させる場合は通常の冷凍温度に、再度ソース混
合工程を行う場合は、前述のような低温に冷却する。こ
の2回目の凍結処理では、米飯が既にバラ化状態にある
ため、凍結機には積極的なほぐし機構を必要とせず、冷
媒と米飯とが効率良く熱交換するだけの機能があれば十
分である。なお、この2回目の凍結工程は、1回目の凍
結コストに比べて約半分のコストで行えるため、凍結工
程を複数回行うためのコスト上昇は僅かである。
で別々の二つの工程として行うこともでき、一つの装置
で混合工程と凍結工程とを連続した工程として行うこと
もできる。
程で使用する装置の一例として、回転式混合凍結機の一
つである内羽根付きドラム式混合機の例を示すものであ
って、図1は断面正面図、図2は図1のII−II線断面図
である。
開口した有底円筒状のドラム1の内周面に複数の内羽根
2,2を設け、このドラム1を回転軸3により所定の傾
斜角度に保持しながら回転させることにより、ドラム1
内に投入した米飯等の撹拌混合を行うもので、ドラム1
の開口部近傍に設けた寒剤供給部4から適宜な寒剤、例
えばドライアイスをドラム1内に投入することにより、
撹拌混合とバラ状凍結とを行えるように形成されてい
る。すなわち、ドラム1内に投入された米飯5等は、内
羽根2により持ち上げられて落下することにより、塊状
のものはほぐされながら撹拌混合され、寒剤供給部4か
ら供給される寒剤により冷却されてバラ状に凍結する。
混合(凍結)後の製品の取出しは、ドラム1の開口側を
下に向けることにより行うことができる。
能に形成しておくことにより、撹拌混合のみを行う際に
は、寒剤供給部4を開口部近傍から退避させておくこと
ができる。また、若干の付着に対する予防策として、ド
ラム1の内壁を掃除するスクレーパー(図示せず)を設
けると、より安定した生産が可能となる。このような内
羽根付きドラム式混合機は、試験生産乃至小規模生産の
ための装置であって、商業生産では、大量生産及びコス
トダウンに適した構造と性能とを有する装置が使用され
る。
や凍結工程で使用することができる回転式混合凍結機の
他の一つである回転式連続混合凍結機(ロータリーフリ
ーザー)の一例を示すものである。この回転式連続混合
凍結機は、軸線を水平方向に対して僅かに傾斜(通常は
5〜15度程度)させて配置した円筒体(ドラム)11
の内周面に複数の羽根12を適当な間隔で設けるととも
に、その軸線部分に内筒13を回転可能に配置し、この
内筒13の外周面にも複数の羽根14を適当な間隔で設
けたものである。
には、米飯やソースを投入する投入口15とドライアイ
ス等の寒剤を投入する寒剤供給口16とが設けられ、下
部側開口端には、混合後あるいは凍結後の米飯を回収す
るための回収部17が設けられている。なお、ソース混
合工程のみを行う場合は、寒剤供給口16を省略するこ
とができる。
り回転可能に支持されてモーター19により回転駆動さ
れ、内筒13は、その両端が軸受部20により回転可能
に支持されてモーター21により回転駆動される。ドラ
ム11の回転方向と内筒13の回転方向とは、同一でも
よく逆方向でもよいし、回転数が同一であっても異なっ
ていてもよいが、通常は、内筒13を比較的高速で回転
させることが好ましい。
径に応じて適宜に設定することができ、筒状ではなく軸
(棒)状に形成してドラム11の中心軸のようにしても
よい。なお、この内筒13は、主としてバラ化を促進す
るためのものであり、ドラム11だけで十分にバラ化を
行える場合は、内筒13を省略することもできる。
はなく櫛歯状にすることもでき、これらを適当に混在さ
せることも可能である。特に投入口15側の羽根形状を
櫛歯状としておくことにより、米飯のバラ化を更に効果
的に行うことができる。また、羽根の配置や長さは任意
であり、図3に示すように適当な長さのものを適当な配
置間隔で設けてもよく、軸線方向全長にわたる長さのも
のを平行に設けてもよい。さらに、突起状のものを用い
ることもできる。
ラム11の内部に米飯やソース、寒剤を投入できれば、
特に限定されるものではないが、内筒13を高速で回転
させるとともに、米飯やソースを内筒13部分に投入す
ることにより、これらが内筒13の羽根14に叩きつけ
られ、ドラム11の内壁に向かって跳ね飛ばされる状態
になるので、バラ化を一層促進することができる。
は、ドラム11の回転に伴って羽根12により上方に持
ち上げられ、そこから内筒13部分に落下し、羽根14
に衝突して跳ね飛ばされる。このとき、米飯やソースの
ブロック体は、米飯部分よりソース部分の方が強度が弱
いため、米粒は崩れにくく、ソースの決着のみが壊れて
バラ化が促進される。したがって、ドラム11のみの装
置よりも効果的なバラ化を行うことができるので、ブロ
ック化しやすい高粘度のソースや高濃度、大量のソース
を使用する場合でも安定して連続的にバラ化凍結を行う
ことができる。
結米飯とを混合したり、凍結させたりする場合に特に好
適である。粘性の高いソースとは、ホワイトソースやケ
チャップ、あるいはこれらと同等以上の粘度を持つもの
をいう。
ライスに更にケチャップをコーティングして凍結させる
場合、すなわち、ケチャップライスのように表面に粘り
けを持ち易い米飯に粘性の高いケチャップソースを絡め
る場合、ドラムのみを備えた混合凍結機を使用すると、
次のようなことが起き易い。
結米飯と10℃のソースとをドラム内に投入すると、ソ
ースは米飯に絡まることはできるが、その粘性が高いの
でブロックを形成し、さらに米飯のもつ冷熱によりソー
スの温度が低下してソースの粘度が上がり、ソース自体
を固化させつつ米飯同士を結着し、ブロックを成長させ
ていく。このようにしてソースを絡められた米飯は、小
ブロック状になったり、米飯同士がソースで結着した状
態になったりする。
米飯(ケチャップライス)は、次に凍結機に投入されて
凍結されるが、通常のバッチ式タンブラー凍結機では、
十分なバラ化を行えないときがある。すなわち、バッチ
式タンブラー凍結機では、ソースと米飯とを凍結機のタ
ンブラーに投入して撹拌し、その後冷媒を投入して凍結
を行うようにしている。この方式では、投入された米飯
がソースによって絡まった状態で凍結され、ほとんどバ
ラ化されることがないので、得られる米飯はバラ化凍結
米飯とはほど遠いものとなる。また、ソースの絡まり方
が悪く、むらのあるものとなる。したがって、米飯をバ
ラ化するのは困難であり、ほとんどはブロック状のまま
凍結されることになる。特に、ソース添加量が多い場合
には冷媒も多く必要となり、その結果、米飯とソースと
が絡まる以前にブロックを形成したまま固化・凍結して
しまい、ソースの混合が不十分で、かつ、大きさが10
mm位から40mm位のブロックの多いものとなる。こ
れを凍結したあとに無理にバラ化すると、米粒自身が砕
けて、品質が悪くなる。
混合凍結機では、前段の混合工程でソースと米飯とを混
合するときにブロックが形成されても、そのブロック体
を含む米飯をドラム内に投入するときに高速で回転する
内筒の羽根に衝突させることにより、さらに、回転する
ドラムが繰り返し米飯を上部に持ち上げて落下させ、繰
り返し内筒の羽根に当てるようにすることにより、これ
らの衝撃でブロックを崩すことができ、バラ化を促進す
ることができる。
ク体のできやすい米飯の場合は、図3の装置に内筒を設
けない形式のドラム型混合機でソースとの混合を行い、
次に図3のような羽根付き内筒(中心軸)を設けたドラ
ム内で凍結及びブロック崩しを行うようにすることもで
きる。
結米飯は、米飯粒に略均一にソースがアイスコーテイン
グされたバラ状凍結品となる。得られた凍結米飯は、現
在市場に流通している各種凍結米飯と同じように、電子
レンジ等により簡単に解凍でき、解凍されたものは、均
一にソースがまぶされた状態の米飯となるので、水分量
を多めに設定したウエットタイプとすることにより、リ
ゾットタイプの食品も得ることができる。このソース被
覆凍結米飯は、米飯全体にソースが均一に分散している
状態であるから、小分けして使用しても安定した品位
(外観,食感,味等)が得られることになり、ポーショ
ンコントロール性が高いという特徴がある。また、米飯
にはソースからの水分が移行していないので、しっかり
とした食感を保ち、従来の市場にはない高品質の製品が
得られる。
等を合計で約10重量%添加した米飯を定法により−3
0℃に凍結し、米飯中に具材が混在したバラ状凍結米飯
を製造した。このバラ状凍結米飯5kgを、図1及び図
2に示す内羽根付きドラム式混合機に投入した。この混
合機は、ドラム直径が600mm、ドラム長が700m
mであり、ドラム内壁に高さ50mmの4枚の内羽根を
備えたものである。撹拌混合時のドラムには、その開口
側に向かって約10度の昇り勾配を与え、回転数は約2
0rpmとした。
に冷却したトマトソース1.5kgをドラムに接触しな
いように注いだ。混合機中で米飯自体のバラ化作用によ
って米飯がほぐされるとともに、ソースと米飯とが均一
に混合され、凍結米飯が保持していた凍結熱量によっ
て、約−2℃のソース被覆凍結米飯が得られた。混合に
要した時間は約1分間であった。
で、寒剤供給部からドライアイススノーをドラム内に投
入し、ソース被覆凍結米飯の冷却・凍結処理を行った。
この処理を約1.5分間行い、最終的な品温を−30℃
とした。その結果、米飯粒の表面に略均一にソースがア
イスコーテイングされたバラ状の凍結米飯が6.5kg
得られた。凍結に要した熱量はドライアイス換算で約2
kgであった。
ソース含有率は約23重量%であった(1.5kg÷
(1.5kg+5kg)×100=23重量%)。ま
た、米飯一粒毎のソース付着率は、約23重量%である
ものが最も多く、23重量%を中心とし、約5〜32重
量%の範囲の正規分布に近い分布となった。
で解凍すると、良好なウエットタイプの米飯になった。
市販されているソース別添タイプと比較すると、ソース
の解凍作業・袋出し・米飯への混合作業がなくなり、解
凍から喫食迄の時間は、300gタイプで従来の約1/
2の約5分に短縮することができた。また、均一に混合
されたソースが、しっかりとした食感の米飯に絡み、外
観,食味,食感ともに良好で、高品質な製品が得られ
た。
%添加した米飯を定法により炊飯し、その後、通常のド
ラム式混合機にて、いわゆるトマトケッチャップを約1
0重量%添加して混合・撹拌し、その後同様の形式のド
ラム式凍結機にて−30℃に急速凍結した。これによ
り、従来からよく知られている米飯中に具材が混在して
ケッチャップがまぶされたバラ状凍結状態の冷凍ケチャ
ップライスが得られた。従来の冷凍ケッチャップライス
は、この状態ができ上がりであり、ソース添加量も、こ
の程度(10重量%)が限界だった。
が2500mmで、ドラム内壁に高さ50mm×径5m
mのピン5本(ピン同士の間隔5mm)を一組とした櫛
羽根を90度ずつずらして4箇所(4組)設置したもの
を1セットとして、入口から250mmのところから3
セット、それぞれのセットを30度ずつずらして設置し
たドラム式混合機(図3の装置で内筒の無い形式)を使
用して前記ケチャップライスに更にケチャップをコーテ
ィングした。なお、混合攪拌時のドラムには、その出口
側に向かって約10度の下り勾配を与え、ドラムの回転
数は約20rpmとした。
チャップライス、−30℃)を投入速度20.5kg/
分で投入するとともに、約20℃に冷却したケッチャッ
プソースを投入速度4.1kg/分で投入した。混合機
中における米飯自体のバラ化作用によって米飯がほぐさ
れるとともに、ソースと米飯とが均一に混合され、凍結
米飯が保持していた凍結熱量によって約−2℃のソース
被覆凍結米飯が得られた。混合に要した時間(米飯のド
ラム中の滞留時間)は約1分間であった。
ーザー(ドラム直径:600mm,ドラム長:2500
mm,ドラム回転数:20rpm)を使用して凍結処理
を行った。ドラムの中心に設けた羽根付き回転内筒(内
筒径:100mm,羽根:高さ50mm×長さ1600
mmの板を90度間隔で4枚据付けたもの,回転数:1
50rpm)上に、上記混合後のケチャップライスを連
続投入して落下させるとともに、寒剤供給口からドライ
アイススノーをドラム内に投入し、冷却・凍結処理を行
った。
ソースによってなされており、ソースによる結着は緩い
結着であるため、ドラム内のケチャップライス自身を傷
付けることなくバラ化凍結することができた。この処理
には約1分間を要し、最終的な品温は−35℃前後とな
った。
ャップソースがアイスコーテイングされたバラ凍結米飯
が24.6kg/分の速さで得られた。このとき、凍結
に要した熱量はドライアイス換算で約17kg/分であ
った。
ソース含有率を計算すると、(4.1+20.5×0.
1)÷(4.1+(20.5×0.1)+(20.5×
0.9))=0.25から、約25重量%となった。
イスは、凍結後、解凍後とも、実施例1と同様の良好な
状態であり、ケチャップライスとして好適なウェット感
のある食感が得られた。
は、米飯粒の表面がソースで被覆された新規な形態の凍
結米飯であり、ソースに含まれる水分が米飯に移行しな
いから、食感に富む良好な品質のものが得られるととも
に、ソースを含む水分量を多めに設定することにより、
今までにないウエットタイプのものを得ることができ
る。また、米飯にソースが均一に被覆されているため、
製品を小分けしても品質が安定しており、電子レンジに
よる簡易な解凍方法によっても、商品価値の高い米飯食
品が得られる。
定法により生産されるバラ状凍結米飯が有する凍結熱量
を利用して米飯表面にソースをアイスコーテイングする
ので、生産工程が簡単であり、簡易な生産機器で製造で
きる利点がある。
正面図である。
図である。
部、5…米飯、11…ドラム、12…羽根、13…内
筒、14…羽根、15…投入口、16…寒剤投入口、1
7…回収部、18…支持ローラー、19…モーター、2
0…軸受部、21…モーター
Claims (8)
- 【請求項1】 バラ状に凍結した米飯粒の表面をソース
で被覆したことを特徴とする凍結米飯。 - 【請求項2】 前記ソースの混合割合が、全体重量に対
して10重量%以上であることを特徴とする請求項1記
載の凍結米飯。 - 【請求項3】 前記凍結米飯がウエットタイプであるこ
とを特徴とする請求項1記載の凍結米飯。 - 【請求項4】 米飯粒をバラ状に凍結させたバラ状凍結
米飯とソースとを混合して米飯粒の表面にソースをアイ
スコーティングした後、所定の温度に凍結することを特
徴とする凍結米飯の製造方法。 - 【請求項5】 前記バラ状凍結米飯とソースとの混合及
び/又はアイスコーティング後の凍結を回転式混合凍結
機で行うことを特徴とする請求項4記載の凍結米飯の製
造方法。 - 【請求項6】 前記回転式混合凍結機が、板状の羽根及
び/又は櫛歯状の羽根を備えていることを特徴とする請
求項5記載の凍結米飯の製造方法。 - 【請求項7】 前記回転式混合凍結機が、回転する外筒
と、回転する内筒又は中心軸とを備えていることを特徴
とする請求項5記載の凍結米飯の製造方法。 - 【請求項8】 前記バラ状凍結米飯とソースとを、前記
内筒又は中心軸上に供給することを特徴とする請求項7
記載の凍結米飯の製造方法。
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JP11018685A JP2995562B2 (ja) | 1998-02-03 | 1999-01-27 | 凍結米飯及びその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-21833 | 1998-02-03 | ||
JP2183398 | 1998-02-03 | ||
JP11018685A JP2995562B2 (ja) | 1998-02-03 | 1999-01-27 | 凍結米飯及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11285352A JPH11285352A (ja) | 1999-10-19 |
JP2995562B2 true JP2995562B2 (ja) | 1999-12-27 |
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ID=26355400
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JP4730315B2 (ja) * | 2007-01-30 | 2011-07-20 | 味の素株式会社 | 米飯の成型方法及び成型米飯 |
JP5921515B2 (ja) | 2013-10-24 | 2016-05-24 | 日清食品ホールディングス株式会社 | 加工米飯の製造方法 |
JP2023073059A (ja) * | 2021-11-15 | 2023-05-25 | 株式会社前川製作所 | 粒状物冷凍用の冷却ドラム、及び回転式冷凍装置 |
-
1999
- 1999-01-27 JP JP11018685A patent/JP2995562B2/ja not_active Expired - Fee Related
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