JP2995481B2 - カテーテル - Google Patents

カテーテル

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Description

【発明の詳細な説明】 イ.産業上の利用分野 本発明は、カテーテルに関し、特に、血管や気管又は
気管支等の器官の狭窄(きょうさく)された部分を永続
的に拡張するために用いられる生体器官拡張器を具備す
るカテーテルに関する。
ロ.従来技術 従来、狭心症や心筋梗塞の治療などのため、例えば生
体心臓の冠状動脈の狭窄された部分にPTCA(経皮的冠状
動脈再建術)カテーテルと称されるカテーテルを挿入す
ることがある。即ち、冠状動脈の狭窄に伴う病変の処理
として、血栓溶解剤等による処置の他に、PTCAカテーテ
ルによって機械的に狭窄部を拡張する方法がある。
こうしたカテーテルは一般に、先端部にプラスチック
やゴム製バルーンを有し、狭窄部に挿入後にそのバルー
ンを膨らませ、このバルーンの膨張により、狭窄部分を
押圧拡張した後、カテーテルを抜去する外科的処置が行
われている。この方法の処置は比較的容易であるが、効
果に永続性がなく、時間の経過に伴って組織が元に戻っ
て再び狭窄を生じ易い欠点がある。
この欠点を改善する方法として、血管内に形状記憶合
金製筒状体を埋め込む(但し、この埋め込まれた筒状体
は、その後に生体組織で被覆される)装置が提案されて
いる。例えば、米国特許第3,868,956号及び特公昭61−6
655号がある。このうち前者は、予め拡張された状態を
記憶させ径を細くした形状記憶合金製筒状体をカテーテ
ルを介して挿入し、電気的方法により加熱し、原形状に
復帰させ、血管を拡張するものである。また後者は、形
状記憶合金板を正常な血管内径に円筒状に成形記憶させ
たものを細径に加工し、カテーテルを介して血管所望位
置に挿入後、レーザ光線或いは高周波誘導加熱の手法に
より加熱し、原形状に復帰させるものである。
しかしながら、前者の装置では、形状記憶合金筒状体
を別の発熱体によって、又は形状記憶合金の電気抵抗を
利用してそれ自体を電気的方法により加熱するため、漏
電のおそれや電気ショックを生ずる危険があり、また装
置も複雑となる。更に後者では、前者の電気加熱方法に
代えて用いられるレーザ光線或いは高周波誘導加熱の装
置は開示されてはいないが、複雑で高価なものとなる。
上述のような血管のほか、気管や気管支に対しても類
似の医療行為が施される。例えば、肺癌等によって気管
支が圧迫されてこれが狭窄した場合呼吸を確保するた
め、気管を声帯よりも肺側で切開してカテーテルを挿入
するか、或いは咽頭を経由して気管内カテーテルを挿入
する。即ち、気管支や気管の狭窄を伴う病変に対する処
置として、これらのカテーテルによって機械的に気道を
確保する方法が一般に採られている。
然し、前者のカテーテルは気管支を切開して挿入する
ため、挿入後には患者は声が出せず、意識のある患者に
とって好ましくない状況にあり、後者のカテーテルは上
記と同様に声が出せないのみならず、異物感が著しく、
患者が覚醒している場合はカテーテルを一週間留置する
のが限度であるという欠点がある。
ハ.発明に至る経過 そこで、本出願人は、前記方法によらず、操作が容易
でありかつ施術が非常に安全な狭窄部分の拡張方法を実
現できるカテーテルを特願昭62−97437号として既に提
案した。このカテーテルは、先端部に、生体外からの操
作により血管及び/又は体液の流動を任意に阻止する機
能を備えた阻止部(例えばバルーン)と、前記阻止部の
後所でカテーテルに外嵌されて転移温度以上で予め記憶
させた形状に復元する形状記憶合金製筒状体と、前記形
状記憶合金製筒状体部分でカテーテル外周部に加温液を
供給する供給手段とを有することを特徴とするものであ
る。即ち、予め所望の原形状を記憶させ、細径に加工し
た形状記憶合金筒状体を加温された液体により加熱し、
原形状に復帰させるものである。
ところが、上記先願に係るカテーテルについて本発明
者が更に検討した結果、上記の優れた効果を奏するもの
の、なお次のような改善すべき点があることを見出し
た。
第16図は、上記特願昭62−97437号に記載のカテーテ
ルを使用して冠状動脈の狭窄部に形状記憶合金の線を螺
旋状に巻いて筒状体とした螺旋筒状体(以下、コイルと
呼ぶ。)を挿入し、このコイルの原形復帰作用によって
上記狭窄部を原形状に復帰させようとする状態を示し、
同図(A)はコイルの原形復帰前を、同図(B)はコイ
ルが原形復帰した状態を示す。
カテーテルに設けられた細孔、その開口を経由して加
温液を冠状動脈20内に送り込み、形状記憶合金のコイル
58をその原形復帰温度(転移温度)以上に昇温させてコ
イル58を拡径し、その周囲の狭窄部21を押し拡げようと
するのであるが、コイル58の原形復帰後の外径が冠状動
脈20の内径よりも小さい場合には、狭窄部21の拡張が不
充分になる。また、第16図(C)に示すように、コイル
58が狭窄部21の位置から外れた場合は、狭窄部を拡張で
きないのみならず、一旦原形復帰したコイル58は、最早
冠状動脈20内で位置を修正する又は除去することは不可
能である。これらの後処理は切開手術によるほかはな
い。
ニ.発明の目的 本発明は、生体器官拡張器による生体器官の拡張を充
分かつ確実に行うことができ、更に、例えば上記拡張後
であっても生体器官内での生体器官拡張器の位置修正や
除去を可能にするといった性能の高められたカテーテル
を提供することを目的としている。
ホ.発明の構成 本発明は、形状記憶材料からなる生体器官拡張器を装
着したカテーテルにおいて、前記カテーテルは、 カテーテル本体の先端部に設けられた第一バルーン
と、 前記第一バルーンの手元側に設けられた第二バルーン
と、 前記カテーテル本体の長手方向に形成され、前記第二
バルーンの手元側に開口する温水供給ルーメンと を有し、前記生体器官拡張器は前記第二バルーンに外嵌
されることを特徴とするカテーテルに係る。
ヘ.実施例 以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1 第1図及び第2図はカテーテルを示し、第1図は正面
図、第2図は第1図のII−II線断面図である。但し、生
体器官拡張器(以下、補綴材と呼ぶ。)はカテーテル本
体から分離して示してあり、第2図では径方向を若干拡
大して描いてある。
カテーテル1は、ポリエチレン、塩化ビニル、シリコ
ーンゴムやポリウレタンエラストマー等からなるカテー
テル本体2を有し、カテーテル本体2の先端部には弾性
ゴムやプラスチック製の第一のバルーン3が設けられ、
第一のバルーン3の手元側に同様の第二のバルーン4が
設けられている。そして、第一のバルーン3に空気又は
生理食塩水等を送る(或いは排出する)ためのルーメン
6が、第二のバルーン4に同様のルーメン7が夫々カテ
ーテル本体2の長さ方向に沿って埋設して形成されてい
る。また、温水を血管又は気管内に供給する(或いは排
出する)ためのルーメン9が、カテーテル本体2の長さ
方向に沿って埋設、形成されていて、ルーメン9は第二
のバルーン4の直ぐ後に開口5によって本体外部に通じ
ている。ルーメン9は本体から分岐する導管12に接続
し、温水の供給又は排出が可能になっている。
補綴材8は、例えば形状記憶合金の薄板を筒状に成形
してからこの形状を熱処理によって記憶させ、次に小径
の筒状に再加工してなるものであって、第二のバルーン
4を囲むようにしてこれに外嵌させる。第一のバルーン
3はルーメン6を経由して導管10(本体から分岐してい
る)から空気又は生理食塩水等が送られ(或いは排出さ
れ)て膨張(或いは原形状に収縮)し、第二のバルーン
4はルーメン7を経由して導管11(本体から分岐してい
る)から空気又は生理食塩水等が送られ(或いは排出さ
れ)て膨張(或いは原形状に収縮)するようにしてあ
る。カテーテル本体2の長さ方向中心線上には、図示し
ないガイドワイヤを挿通するためのルーメン13及びこれ
に接続する挿入口14が設けられている。
上記のように構成されたカテーテル1は、第12図に示
すように、例えば大腿動脈22から生体心臓23の冠状動脈
20に対し、第一のバルーン3側から差し込まれる(但
し、図面は理解容易のために挿入状態を概略図示したに
すぎない)。この際、カテーテル1は所定部位まで案内
されるが、この案内は上記のガイドワイヤ15によって良
好になされる。また、この案内のモニタは、カテーテル
1及び補綴材8をX線撮影装置で観察して行える。カテ
ーテル1は、冠状動脈のほか、他の血管や気管等の生体
器官の狭窄部拡張にも上記と同様に使用できる。
第3図は血管又は気管の狭窄部を拡張する手順を示す
拡大部分断面図である。
先ず、第2図の挿入口14からルーメン13にガイドワイ
ヤ(第3図の15)を挿通しておいてから、例えば血管又
は気管(第3図の20)にその適当な箇所からカテーテル
1を挿入する。そして、第3図(A)に示すように、狭
窄部21に補綴材8を到達させる。位置はX線透視により
監視する。
次に、同図(B)に示すように、第一のバルーン3に
例えば空気又は生理食塩水16を供給して第一のバルーン
3を膨らませて狭窄部前方で血管又は気管20を閉塞する
と共に、カテーテル本体を血管又は気管20に固定させ
る。この閉塞は、次に述べる理由から行うものである。
即ち、次の同図(C)の工程で温水を血管又は気管20に
送り込むとき、温水が気管20内に流れ込むと、これが肺
に入って重大な事態をきたすことになるからである。但
し、血管の場合はこの閉塞を省略することができる。
次に、同図(C)に示すように、開口5から温水18を
血管又は気管20に送り込み、補綴材8を原形(記憶形
状)復帰温度(転移温度)以上に昇温させてこれを原形
復帰させて拡径し、これによって狭窄部21を拡張する。
この状態では、前述した理由から、狭窄部21の拡張は充
分ではない場合がある。
この場合、同図(D)に示すように、第二のバルーン
4に空気又は生理食塩水17を供給して第二のバルーン4
を膨らませ、これによって補綴材8を更に拡径して狭窄
部21を充分に拡張する。
次に、同図(E)に示すように、気管の場合は温水18
を排出してから空気又は生理食塩水16、17を排出し、第
一、第二のバルーン3、4を夫々収縮させる。
次に、同図(F)に示すように、カテーテル本体2を
抜き出すと、補綴材8は狭窄部21を充分に拡張させた儘
血管又は気管20内に留置される。
かくして、血管又は気管には縮径した部分がなくなっ
て患者は健康を回復する。
補綴材8の形状回復温度は、体温よりも高く、かつ火
傷を起こさぬ程度の温度とするのが良く、特に40〜60℃
が好ましい。
以上説明したように、この例にあっては、第二のバル
ーン4は、補綴材8の形状回復による拡径を機械的な方
法で補助するように機能する。
第一のバルーン3は管腔臓器(この例では血管又は気
管)の狭窄部前方でこれを直接閉塞して通路を遮断する
のに使用され、第二のバルーン4は補綴材8を拡径して
これを介して狭窄部を拡張するのに使用される。このよ
うに第一、第二のバルーンに夫々の役割を分担させるこ
とにより、これらバルーンにかかる負担が軽減され、カ
テーテル本体の設計が容易になる。また、上記2種類の
役割を単一のバルーンで兼用することは、上記の通路の
遮断が不確実になり易く、好ましくない。
補綴材8の周壁には多数の貫通孔8aが設けられてい
て、第3図(F)の状態で時間の経過によって血管又は
気管から内皮組織が生成し、やがて貫通孔8aの存在によ
って補綴材8は血管又は気管20内に埋め込まれるように
なり、長期間に亘って衛生的に狭窄部の拡張を持続させ
る効果をもたらす。
カテーテルを血管又は気管に挿通するとき、補綴材8
が第二のバルーン4の位置から外れないようにする手立
てを講ずるのが望ましい。第4図及び第5図はこのよう
にしたカテーテル本体の拡大部分正面図である。
第4図のカテーテル本体では、第二のバルーン4の前
端部及び後端部で、外周面の円周上に外方に突出する点
状の小突起4aを放射状に設けている。第5図のカテーテ
ル本体では、第4図の点状小突起4aに替えて、環状の突
起4bを設けている。第二のバルーン4に外嵌した補綴材
(図示省略)は、対の小突起4a又は環状突起4bに係止し
て第二のバルーン4の周囲に安定に保持され、これから
外れるようなことがなくなる。
第一のバルーン3、第二のバルーン4(特に第二のバ
ルーン4)には筒状の網を外嵌させておくと、これらバ
ルーンが補強されると共に、膨張時の径を規制すること
ができて好都合である。
第6図は、テフロン、ポリエチレン、ナイロン、ポリ
エステル等の繊維を編んでなる筒状メッシュ19を第二の
バルーン4に外嵌(若しくは埋設)させ又は前記のメッ
シュをゴムにディッピングさせたカテーテル本体を示
す。同図(A)では、第二のバルーン4が収縮してい
て、筒状メッシュ19は不規則に畳まれるようにしてその
径が小さくなっている。第二のバルーン4が膨らむと、
同図(B)に示すように、筒状メッシュ19が拡径しきっ
て円筒状を呈するようになり、これ以上第二のバルーン
4が膨らむことがなくなる。従って、筒状メッシュ19が
第二のバルーン4を補強すると共に、筒状メッシュ19に
外嵌する補綴材(図示省略)は拡径時の径が所定の径に
迄しか拡大することがなく、血管や気管の狭窄部が必要
以上に拡張することが防止され、医療行為が安全に遂行
される。なお、第4図の小突起4aは、前述の効果に加え
て、カテーテル挿通時に筒状メッシュ19に喰い込んでこ
れが第二のバルーン4から外れることを防止できる。筒
状メッシュ19は第一のバルーン3に適用させても同様の
効果が奏せられる。従って、筒状メッシュ19は、第一の
バルーン3、第二のバルーン4のいずれか一方又は双方
に適用させて良いことは言う迄もない。第一のバルーン
3に筒状メッシュ19を外嵌させる場合は、第4図の小突
起4aを第一のバルーン3に同様に設けても良い。
実施例2 前記実施例1では、補綴材8は、拡径時の形状を記憶
させておいてこれを小径に再加工し、転移温度以上に昇
温して原形に拡径するようにしている。これとは逆に、
本例にあっては、補綴材は、カテーテル挿通時の径又は
これに近い径の形状を記憶させ、拡径を機械的な力によ
ってなさしめるようにしている。使用するカテーテル本
体は、前記実施例1で使用したカテーテル本体2がその
儘使用でき、補綴材の小径時の形状及び拡径時の形状は
前記実施例1におけるそれらと同様で良い。
本例における管腔臓器(この例では血管又は気管)の
狭窄部の拡張は、第7図に示す手順によって遂行され
る。
先ず、第7図(A)に示すように、前記第3図(A)
と同様にして第二のバルーン4に外嵌させた補綴材28を
血管又は気管20の狭窄部21に位置させる。
次に、第7図(B)に示すように、第二のバルーン4
に空気又は生理食塩水等17を送り込んで第二のバルーン
4を膨らませ、これによって補綴材28を内側から押し拡
げて拡径し、狭窄部21を拡張する。
次に、同図(C)に示すように、空気又は生理食塩水
17を排出して第二のバルーン4を元の形状に収縮させ
る。この状態で、補綴材28は塑性変形して狭窄部21を拡
張した儘でカテーテル本体2から離れる。
次に、同図(D)に示すように、カテーテル本体2を
抜き出すと、補綴材28は狭窄部21を拡張させた儘血管又
は気管20内に留置される。
かくして、血管又は気管には縮径した部分がなくなっ
て患者は健康を回復する。
補綴材28が狭窄部21に位置してこれを正しく拡張して
いれば、第一のバルーン3は省略可能である。何故な
ら、上記の過程では、第一のバルーン3を使用していな
いからである。然し、第8図で次に説明するように、例
えば補綴材28が狭窄部21から外れていて、狭窄部拡張の
目的が達せられていない場合は、第一のバルーン3を併
せ使用して補綴材28の位置修正又は除去を行う。
第8図は上記の作業の手順を示す。
第8図(A)は補綴材28が狭窄部21を外れて血管又は
気管20内に留置された状態を示している。
先ず、同図(B)に示すように、カテーテル本体2を
血管又は気管20に挿通し、第二のバルーン4を補綴材28
内に位置させる。
次に、同図(C)に示すように、第一のバルーン3に
空気又は生理食塩水を送り込み、第一のバルーン3を膨
らませて血管又は気管20を閉塞する。
次に、温水18を開口5から血管又は気管20内に供給
し、補綴材28を転移温度以上に昇温させる。すると、同
図(D)に示すように、補綴材28は、形状回復して縮径
し、第二のバルーン4に係合する。
次に、同図(E)に示すように、空気又は生理食塩水
16を排出して第一のバルーン3を元の形状に収縮させ
る。
補綴材28を除去するときは、この儘カテーテル本体2
を補綴材28と共に血管又は気管20から抜き出す。
補綴材28の位置を修正するときは、第8図(E)の状
態から、前述した第7図(A)〜(D)の手順に従って
補綴材28によって狭窄部21を拡張し、補綴材28を血管又
は気管20内に留置する。
かくして、補綴材はその位置が正しく修正され、血管
又は気管には縮径した部分がなくなってこの医療行為が
終了する。
前述の第4図〜第6図の例も、本例に適用して前記と
同様の効果が奏せられることは言う迄もない。
次に、前記実施例1、実施例2に共通に適用できる事
項について説明する。
補綴材8、28には、可撓性を有しかつ生体との適合性
に優れる材料で被覆しても良い。このような被覆材料と
しては、ポリエステルの織布又は編布;多孔性ポリテト
ラフルオロエチレンの膜;シリコーン、ポリウレタン又
はポリ(メタ)アクリル酸エステルの膜が使用できる。
上記の膜の材料からなる薄い布を積層するのも良い。ま
た、被覆材料をペパリンのような抗血栓性を有する材料
としても良い。これらの被覆により、前述した内皮組織
の生成による補綴材の埋設が促進させるようになり、或
いは更に血栓防止にも役立つ。
第9図はこのような被覆を施した補綴材の拡大部分断
面図である。形状記憶材料の補綴材8(28)の表面に
は、貫通孔8a(28a)の内周面をも含めて上記の被覆材
の層8c(28c)が被着している。
また、第10図に拡大図示するように、形状記憶材料の
補綴材8(28)の表面に凹凸8d(28d)を形成すると、
或いは第11図に拡大図示するように、第9図の被覆材8c
(28c)に加えて、又は替えて前記材料の繊維8e(28e)
を植毛すると、血管又は気管への固定が一層良好にな
る。
補綴材は、前記の補綴材8、28の形状のほか、次のよ
うな形状のものが採用できる。
第13A図の補綴材38Aは、板状の形状記憶材料の板を筒
状に成形したもので、数個のスリット38Aaを設けてお
り、第13B図の補綴材38Bは、同じく肋骨状の筒状に成形
したもので、数個のスリット38Baを設けてある。第13C
図の補綴材38Cは、形状記憶材料の板を円錐台形に成形
したもので、血管や気管等の管腔臓器の径が変化する部
位の拡張に使用される。第13A図、第13B図、第13C図
共、拡径した状態を示している。第13D図の補綴材38D
は、貫通孔を設けていない形状記憶材料の板を筒状に成
形したもの、第13E図の補綴材38Eは、形状記憶材料の管
を径方向に折り畳むようにして小径に加工したもので、
いずれも縮径した状態を示しており、拡径時にはこれよ
りも径大の円筒状を呈するようになる。第13C図の補綴
材38C、第13D図の補綴材38D、第13E図の補綴材38E共、
前記と同様の貫通孔8a、第13A図のスリット38Aa又は第1
3B図のスリット38Baと同様の貫通孔又はスリットを設け
て良いことは言う迄もない。
第13A図〜第13E図の例は、形状記憶材料の板又は管を
成形してなる補綴材の例であるが、素材は帯材又は線材
としても良い。
第13F図は、形状記憶材料の帯を螺旋状に巻いてなる
補綴材38Fを示し、第13G図は、形状記憶材料の線を螺旋
状に巻いてなる補綴材38Gを示す。第14A図は補綴材38F
の断面を示す。補綴材38Gの線材断面は、第14C図のよう
な円形であっても、第14E図のような楕円形であっても
良い。また、これらのように密着して成形するほか、第
14B図、第14D図、第14F図に示すように、間隔をおいて
螺旋状に成形して良い。上記間隔を設けることにより、
前述した内皮組織による血管又は気管等の管腔臓器への
埋設が促進されて好都合である。第13H図の補綴材38H
は、形状記憶材料のコイルを更に螺旋状に成形したもの
である。第13I図の補綴材38I、第13J図の補綴材38Jは、
形状記憶材料の線材を部分的に異なる径の螺旋状に成形
したものであって、いずれも血管又は気管等の径が変化
する部位の拡張に使用される。第13F図〜第13J図の補綴
材38F〜38Jは、いずれも拡径した状態を示している。
第13A図〜第13J図の補綴材には、前記と同様の表面処
理を施しても良い。
補綴材の材料には、形状記憶合金のほか、形状記憶樹
脂を使用することができる。形状記憶樹脂は、形状記憶
合金と同様の原形復帰機能を備える樹脂であって、ノル
ボルネン樹脂(例えば商品名ノーソレックス)がその一
例である。そのほか、トランス−1,4−ポリイソプレ
ン、スチレン・ブタジエン共重合体やポリウレタン等が
ある。形状記憶樹脂は、次のような樹脂である。熱成形
(一次成形)時の形状を室温で記憶しており、ガラス転
移温度(Tg)より高く、一次成形温度より低い温度で他
の形状に二次成形しておいて、これを室温に戻す。これ
をガラス転移温度以上で一次成形温度より低い温度に再
び加熱すると、記憶していた一次成形時の形状に復帰す
る。
ガラス転移温度を火傷しない程度の体温以上の温度
(40〜60℃が好適)とした形状記憶樹脂で第13A図〜第1
3J図(特に第13A図〜第13F図が好適)の補綴材38A〜38J
(特に38A〜38F)を製作することができる。そのほか、
第15A図のような円筒体の補綴材48Aや第15B図のような
網状円筒体の補綴材48Bとしても良い。形状記憶合金製
の補綴材にあっても同様である。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明の技術的
思想に基いて上記の例に種々の変形を加えることができ
る。例えば、カテーテル本体は、第2のルーメン9に替
えてカテーテル本体に外嵌するシース(第16図の円筒体
59)を設け、このシースとカテーテル本体との間から温
水を補綴材に供給するようにして良い。第一のバルー
ン、第二のバルーンに供給する流体は、空気又は生理食
塩水のほか、温水、輸液、造影剤等の液体が使用でき
る。ルーメン13(第2図参照)にはガイドワイヤのほか
に造影剤を注入しても良い。第一のバルーン、第二のバ
ルーンや補綴材は、外周を円形とするほか、楕円その他
の適宜の外周形状として良く、長さ方向に真直のほか、
目的に応じて彎曲した形状として良い。形状記憶合金又
は樹脂の形状については、上述の例の如く原形状へ転移
後は元へは戻らぬもの(不可逆転移)がよいが、その転
移形状は種々選択できる。また、使用目的によっては転
移が可逆的なものであってもよい(冷却すると縮小す
る)。また、形状記憶材料の取付け位置やそのパターン
も上述のものに限定されることはない。補綴材の拡径
も、第二のバルーンの膨張によるほか、例えば転移が可
逆的な形状記憶合金又は樹脂の形状回復時の膨張による
など、他の機械的な補綴材拡径の方法であっても良い。
なお、カテーテルは、上述した血管や気管又は気管支等
の管腔臓器の狭窄部だけでなく、動静脈瘤のようにこれ
ら器官が薄くなって破れそうになっている部位に挿入
(即ち補綴)してもよく、その他の部位に挿入してもよ
い。
ト.発明の効果 本発明によるカテーテルは、カテーテル本体の先端部
に設けられた第一バルーンと、前記第一バルーンの手元
側に設けられた第二バルーンと、前記カテーテル本体の
長手方向に形成され、前記第二バルーンの手元側に開口
する温水供給ルーメンとを有し、形状記憶材料からなる
生体器官拡張器が前記第二バルーンに外嵌されるので、
前記第二バルーンの拡張によって前記生体器官拡張器を
所望の方向(例えば、血管狭窄部に対し拡張方向:原形
としての記憶形状への方向又はその逆の方向)へと機械
的に変形させ、この変形によって例えば血管狭窄部の拡
張を充分かつ確実に行える。その結果、生体器官拡張器
としての性能を高めることができる。
しかも、前記開口から温水を供給して前記生体器官拡
張器を原形に復元させる際に、前記第一バルーンを拡張
させ、血管などを閉塞した状態で前記温水を供給するた
め、この温水の流れを確実に制御することができると共
に、前記温水を前記第二バルーンの手元側に供給してそ
こに外嵌された前記生体器官拡張器に直接的に接触させ
ることができるため、その原形への復元を迅速かつ確実
に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第15図は本発明の実施例を示すものであって、 第1図は生体器官拡張器(補綴材)をカテーテル本体か
ら分離して示すカテーテルの正面図、 第2図は第1図のII−II線断面図、 第3図(A)、同図(B)、同図(C)、同図(D)、
同図(E)及び同図(F)は夫々血管又は気管等の管腔
臓器の狭窄部を拡張する手順を示す拡大部分断面図、 第4図及び第5図は夫々他の例によるカテーテル本体の
拡大部分正面図、 第6図は更に他の例によるカテーテル本体を示し、同図
(A)は拡径前の拡大部分正面図、同図(B)は拡径時
の拡大部分正面図、 第7図(A)、同図(B)、同図(C)及び同図(D)
は夫々他の例による血管又は気管等の狭窄部を拡張する
手順を示す拡大部分断面図(一部斜視図)、 第8図(A)、同図(B)、同図(C)、同図(D)及
び同図(E)は夫々拡径して血管又は気管等内に留置さ
れた補綴材を縮径して位置修正又は除去可能とする手順
を示す拡大部分断面図(一部斜視図)、 第9図は補綴材の拡大部分断面図、 第10図及び第11図は夫々他の例による補綴材の拡大部分
正面図、 第12図は冠状動脈へのカテーテル挿入時の概略図、 第13A図、第13B図、第13C図、第13D図、第13E図、第13F
図、第13G図、第13H図、第13I図及び第13J図は夫々他の
例による補綴材の拡大斜視図、 第14A図、第14B図、第14C図、第14D図、第14E図及び第1
4F図は夫々螺旋状補綴材の拡大部分断面図、 第15A図及び第15B図は更に他の例による補綴材の拡大斜
視図 である。 第16図は従来のカテーテルを使用しての血管内での形状
記憶合金製コイルの転移状況を示し、同図(A)は転移
前の拡大断面図、同図(B)及び(C)は転移後の拡大
断面図である。 なお、図面に示された符号において、 1……カテーテル 2……カテーテル本体 3……第一のバルーン 4……第二のバルーン 5……温水注入用開口 6、7、9、13……ルーメン 8、28、38A、38B、38C、38D、38E、38F、38G、38H、38
I、38J、48A、48B……生体器官拡張器(補綴材) 15……ガイドワイヤ 16……空気 17……空気又は生理食塩水 18……温水 19……メッシュ 20……血管又は気管 21……血管又は気管の狭窄部 である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−21262(JP,A) 特開 昭63−160644(JP,A) 特開 昭64−17658(JP,A) 国際公開90/1969(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61M 29/00 A61M 25/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】形状記憶材料からなる生体器官拡張器を装
    着したカテーテルにおいて、 前記カテーテルは、 カテーテル本体の先端部に設けられた第一バルーンと、 前記第一バルーンの手元側に設けられた第二バルーン
    と、 前記カテーテル本体の長手方向に形成され、前記第二バ
    ルーンの手元側に開口する温水供給ルーメンと を有し、前記生体器官拡張器は前記第二バルーンに外嵌
    されることを特徴とするカテーテル。
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