JP2995416B2 - ビタミン及びミネラル補給物 - Google Patents

ビタミン及びミネラル補給物

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ビタミンＣ（アスコルビン酸）、被覆β−
カロテン（ビタミンＡ）及びリボフラビン、鉄及びカル
シウム化合物を含有した栄養ビタミン及びミネラル補給
飲料における改良に関する。補給物は亜鉛及び銅のよう
な他のミネラル並びに他のビタミンＢを含有することが
できる。特に、高いミネラル生物学的利用能を有する安
定な栄養飲料の製造方法が提供される。
発明の背景 ヒト及び動物用のビタミン及びミネラル補給物は一般
的である。最近、ある人口群はある病状、例えば骨粗鬆
症を予防又は軽減するためカルシウムのようなミネラル
の高摂取を要することが認められるようになった。ある
貧血の医学的管理では、鉄の１日摂取量を増加させるこ
とでかなりうまく扱うことができる。一部のダイエッ
ト、即ち激しい身体運動では、他の状態にはバランスの
とれたダイエットとみなされるものから通常得られる場
合と異なり著しいミネラル量の摂取を要する。
ビタミン補給物は、成長中の子供を含め主に不適当な
ダイエットをしている者にとっても重要である。ミネラ
ル及びビタミンの食事摂取量が全人口で低い中央及び南
アメリカ諸国において、このような栄養補給物は大きな
価値を有するであろう。
市販ミネラル補給物は高ミネラル取込みが望まれる多
くの状況下で有用である。しかしながら、ビタミン及び
ミネラル補給物の別々の摂取を要する療法に固守すれ
ば、単にその療法がユーザーの正常な習性及び習慣に変
化を強要するという理由から最適とはいえない結果を招
くことがある。ビタミン及びミネラルがユーザーによる
余計な注意、計画及び実行を要しない好都合な形で一緒
に投与されるのであれば、一層都合よいであろう。
更に、一部の物質は鉄及びカルシウムの吸収を妨げ
る。カルシウム及び鉄の吸収を高める方式でのカルシウ
ム、鉄及びビタミンの投与が、特に望ましい。
ビタミン及びミネラル補給物の双方を食品及び飲料に
加えることに関連して周知の問題がある。例えば多くの
カルシウム補給物はかなり不溶性の傾向があり、したが
って飲料において非常に有用でないか、又は“石灰様”
の味もしくは口内感を有しがちである。鉄補給物は食品
を変色させたり又は官能的に不適切となる傾向がある。
しかも、鉄補給物及びカルシウム補給物の混合物を含有
した食品及び特に飲料を処方することは、これらの物質
が相互作用しやすいため特に困難である。この相互作用
は食品及び飲料の官能的及び美的性質に影響を与えるだ
けでなく、これらミネラル自体の栄養的な生物学的利用
能にも望ましくない影響を与える。
ビタミンは、飲料中で経時的に分解する傾向がある。
オレンジジュース及び他のシトラス飲料が経時的にそれ
らのビタミンＣ含有量を低下させることは周知である。
ビタミンＣ（アスコルビン酸）は酸化防止剤として作用
し、したがって飲料に加えられた場合にそれ自体が減少
又は変化せしめられる。ビタミンＡ及びその前駆体β−
カロテン並びにリボフラビンも経時的に分解されやす
い。
したがって、ミネラル及びビタミン双方の生物学的利
用能が最適化されるよう鉄及びカルシウム補給物と共に
ビタミンＣ、ビタミンＡ又はβ−カロテン及びリボフラ
ビンを存在させることが望ましい。官能的又は美的性質
に望ましくない影響を与えずに食品及び飲料組成物で使
用可能なかかる補給物を含有させることも有用であろ
う。
本発明の目的は、これらの合致しない要求を満たす混
合ビタミン及び鉄−カルシウムミネラル補給物を提供す
ることである。
本発明のもう１つの目的は、ビタミンＣ、β−カロテ
ン、リボフラビン、鉄及びカルシウムで補給された貯蔵
時に安定な飲料及び飲料濃縮物を提供することである。
本発明の更にもう１つの目的は、ビタミンの添加によ
る口にあったかつ安定な組成物としてシトラス飲料を含
めた特にフルーツフレーバー飲料からの鉄及びカルシウ
ムミネラルの生物学的取込みを高めるための手段を提供
することである。
これらの及び他の目的は、下記開示からわかるように
本発明で実現される。
背景技術 高レベルのカルシウムによる鉄吸収の抑制は1940年代
初期に確認された。その後、様々なグループがカルシウ
ムによる鉄吸収の著しい阻害について何度も確認してき
た。閉経後の女性の場合、カルシウム補給物、即ち炭酸
カルシウム及びカルシウムヒドロキシアパタイトは鉄吸
収を著しく減少させた。加えて、胎児用マルチビタミン
ミネラル補給物中の炭酸カルシウムは非妊娠女性におけ
る吸収阻害剤として確認された。このため、高カルシウ
ム及び限界量の鉄を同時に消費する個体は鉄欠乏性貧血
を招く。クレツァイン,S.W.（Kletzein,S.W.），“鉄代
謝",ジャーナル・オブ・ニュートリション（Journal of
Nutrition），第19巻，第187−97頁,1940年；チャップ
マン,D.G.（Chapman,D.G.）及びキャンベル,J.A.（Camp
bell,J.A.），“貧血ラットによる鉄の利用に関するカ
ルシウム及びリン塩の効果",ブリティッシュ・ジャーナ
ル・オブ・ニュートリション（British Journal of Nut
rition），第11巻，第127−133頁,1957年；バートン,J.
C.（Barton,J.C.），コンラッド,M.E.（Conrad,M.E.）
及びパームリー,R.T.（Parmley,R.T.），“ラットにお
ける無機鉄吸収のカルシウム阻害",ガストロエンテロロ
ジー（Gastroenterology），第84巻，第90−101頁,1983
年；セリグマン,P.A.（Seligman,P.A.），カスキー,J.
M.（Caskey,J.M.），フラジアー,J.L.（Frazier,J.
L.），ズッーカー,R.M.（Zucker,R.M.），ポデル,E.R.
（Podell,E.R.）及びアレン,R.M.（Allen,R.M.），“胎
児用マルチビタミン補給物からの鉄吸収率の測定",オブ
ステトリクス・アンド・ギネコロジー（Obstetrics and
Gynecology），第61巻，第356−362頁,1983年参照。
本発明で有用なカルシウム及び鉄ミネラル補給物は、
カルシウム−クエン酸−リンゴ酸物質及び鉄−糖錯体含
有ミネラル補給物について記載するネーケル（Nakel）
らに（1988年）発行された米国特許第4,786,510号明細
書で開示されている。鉄ミネラル補給物はネーケルらに
（1988年）発行された米国特許第4,786,518号明細書で
記載されている。カルシウム−クエン酸−リンゴ酸物質
はヘッカート（Heckert）に（1988年）発行された米国
特許第4,722,847号明細書で記載されている。ソルビト
ールの添加によるこれら鉄及びカルシウムミネラル補給
物からの鉄吸収率増加についても示されていた。
アスコルビン酸は食品からの鉄吸収率を高める物質で
ある。特に、オレンジジュースは長期間にわたり鉄吸収
に対するエンハンサー（enhancer）として認識されてき
た。典型的西洋型朝食で消費されるオレンジジュース
は、鉄の生物学的利用能を2.5倍高めることが報告され
た。インビトロ系において、朝食ミール及び調理された
ブチインゲンマメへのオレンジジュース追加は、鉄溶解
性に関して劇的な増加を引き起こすことが報告された。
ロッサンダー（Rossander）らによれば、ティーによる
鉄吸収率の低下はオレンジジュースで緩和された。リン
チ,S.R.（Lynch,S.R.），クック,J.D.（Cook,J.D），
“ビタミンＣ及び鉄の相互作用",アンルズ・ニューヨー
ク・アカデミー・オブ・サイエンシス（Annals New Yor
k Academy of Sciences,），第32−44頁,1980年；ロッ
サンダー,L.,ホールバーグ,L.（Hallberg,L.）及びビョ
ルン−ラスムッセン,E.（Bjorn−Rasmussen,E.），“朝
食ミールからの鉄の吸収",アメリカン・ジャーナル・オ
ブ・クリニカル・ニュートリション（American Journal
of Clinical Nutrition），第32巻，第2484−2489頁,1
979年；カールソン,B.L.（Carlson,B.L.）及びミラー,
D.D.（Miller,D.D.），“穀物含有朝食ミールからのイ
ンビトロ評価利用能に関する製品配合、加工及びミール
組成の効果",ジャーナル・オブ・フード・サイエンス
（Journal of Food Science），第48巻，第1211−1216
頁,1983年；コジマ,N.,ワレース,D.（Wallace,D.）及び
ベーテス,W.G.（Bates,W.G.），“調理されたブチイン
ゲンマメからの鉄のインビトロ溶解性に関する化学物
質、飲料及びホウレンソウの効果",アメリカン・ジャー
ナル・オブ・クリニカル・ニュートリション，第34巻，
第1392−1401頁,1981年参照。
更に、栄養学文献：チン,S.V.（Ting,S.V.），“シト
ラス系フルーツの栄養素及び栄養",シトラス系の栄養及
び量（編集ネイジー,S.（Nagy,S.）及びアタウェイ,J.
（Attaway,J.）），第３−24頁（アメリカン・ケミカル
・ソサエティ（American Chemical Society）,1980
年）；ギローリー,M.（Gillooly,M.），ボスウェル,T.
M.（Bothwell,T.M.），トレンス,J.D.（Torrance,J.
D.），マクフェイル,A.P.（MacPhail,A.P.），ダーマ
ン,D.P.（Derman,D.P.），ベズウォダ,W.R.（Bezwoda,
W.R.），ミルズ,W.（Mills,W.）及びチャールトン,R.W.
（Charlton,R.W.），“野菜からの鉄吸収に関する有機
酸、フィチン酸及びポリフェノールの効果",ブリティッ
シュ・ジャーナール・オブ・ニュートリション，第49
巻，第331−342頁,1983年；ホールバーグ,L.及びロッサ
ンダー,L.,“開発途上国における鉄栄養性の改善：簡単
なラテンアメリカ型食事の鉄吸収性に関する追加肉、大
豆タンパク質、アスコルビン酸、クエン酸及び硫酸第一
鉄の比較",アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル
・ニュートリション，第39巻，第577−583頁,1984年参
照。
前記に加えて、鉄補給物及びカルシウム補給物を含め
た様々なミネラル補給物が下記参考文献で記載されてい
る。
ある形のカルシウム−クエン酸−リンゴ酸は飲料を含
めたミネラル補給物用に開示されている：日本特許出願
第昭54−173172号明細書，出願日1979年12月28日，公開
昭56−97248号,1981年８月５日参照；更にフランス特許
第2,219,778号（出願第73,08643号）明細書参照。
ある形の鉄−スクロースが子供に投与され、ヘモグロ
ビンに関する効果が報告された：ロシア語参考文献メト
レブリー,E.G.（Metrevely,E.G.），ペジアトリヤック
（PEDIATRIYC）（モスクワ），第12巻，第17−19頁,197
7年；ケミカル・アブストラクツ（Chemical Abstract
s），第89巻，第637頁参照。
ピーターズ（Peters）及びデリック（Derick）の1986
年４月15日付米国特許第4,582,709号明細書は、咀嚼性
ミネラル補給物等、特に様々なカルシウム及び鉄化合物
に関する。ビタミンＤは吸収エンハンサーとして記載さ
れている。
ブッデマイヤー（Buddemeyer）らの1982年９月28日付
米国特許第4,351,735号明細書は、あるリン酸部分を含
んだミネラル補給物に関する。組成物の分散性は、糖の
ような“ヒドロキシル源”によって高められると述べら
れている。ビタミン含有合成ミルクも記載されている
〔更にブッデマイヤーらの1980年７月29日付米国特許第
4,214,996号明細書参照：全般的に′735号特許明細書と
同じ主題に関する〕。
食事源からの鉄取込みに関するオレンジジュースの有
益な効果は、カールソン及びミラー，ジャーナル・オブ
・フード・サイエンス，第48巻，第1211頁,1983年で記
載されている。
スパーチ（Sperti）らに1963年12月17日付で発行され
た米国特許第3,114,641号明細書は、シングルストレン
グス（single−strength）オレンジジュース又は濃縮オ
レンジジュースを希釈することにより得られるエクステ
ンディド（extended）オレンジジュース製品について開
示している。希釈オレンジジュース製品のフレーバーを
維持するため、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ク
エン酸ナトリウム又はカリウム、酒石酸及びリンゴ酸
（又はそれらの塩）のような物質が含有されている。ア
スコルビン酸もこれらの組成物に加えられる。
1983年３月30日付で公開された欧州特許出願第75,114
号明細書はビタミン及びミネラルに富むタンパク質含有
フルーツジュースドリンクについて開示している。これ
らのドリンクはフルーツジュース（アップルジュース20
〜70％、ホワイトグレープジュース４〜40％、パッショ
ンフルーツジュース１〜10％及びレモンジュース５〜25
％の混合物）30〜90％、乳清タンパク質濃縮物２〜20％
並びにカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウ
ム及びリン酸のミネラル塩混合物を含有している。カル
シウムはこれらのドリンク中0.01〜0.3％、好ましくは
0.02〜0.03％で存在する。
1987年11月19日付で公開された欧州特許出願第246,17
7号明細書はカルシウム、マグネシウム、カリウム、甘
味料及び安定剤と共に栄養補給物を含有した飲料に関す
る。カルシウム化合物はアスパラギン酸カルシウム、オ
ロチン酸カルシウム及びそれらの混合物の群から選択さ
れる。安息香酸は溶液のpHを低下させるために用いられ
る。この物質は胃不調及び胃膨張を引き起こさず体内に
カルシウムを急速に供給すると述べられ、しかも血圧を
低下させかつ体内の血中アルコール低下を促進すると述
べられている。
モース（Morse）らに発行された（1973年５月22日
付）米国特許第3,734,742号明細書は、pH2〜3.4で少な
くとも水80％、アスコルビン酸及び第一鉄イオンを含有
した缶詰め又は瓶詰め飲料水に関する。第一鉄イオン源
は、硫酸第一鉄、フマル酸第一鉄、クエン酸第一鉄及び
乳酸第一鉄である。
ハンセン（Hansen）らに発行された（1972年３月28日
付）米国特許第3,652,290号明細書は、ヒスチジン、グ
リシン又はメチオニンの添加によるビタミンＣ安定化に
関する。鉄塩も飲料製品に加えることができる。
モースらに発行された（1976年５月付）米国特許第3,
958,017号明細書も上記特許に関連する。この特許は、
味の逆効果なしに制御量のシステイン添加で安定化され
たビタミンＣ、天然フルーツ及び野菜フレーバーのドリ
ンクに関する。代謝上利用可能な鉄もシステインで安定
化される。
発明の要旨 本発明のビタミン及びミネラル補給物では、最も好ま
しくは鉄源として鉄化合物、例えばグルコン酸第一鉄、
アスコルビン酸第一鉄及び更に鉄−糖錯体を用いる。以
下で更に詳細に記載されたタイプの鉄−糖錯体は、リン
ゴ酸、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸イオン又はそ
れらの混合物から選択される対イオンを含んでいる。最
も好ましい鉄源は、鉄が第一鉄（＋II）状態で存在する
場合であるが、第二（＋III）鉄も許容される。
このような組成物において、カルシウム補給物は好ま
しくはカルシウム−クエン酸−リンゴ酸であり、鉄源は
好ましくは第一鉄−グルコン酸／アスコルビン酸、鉄−
スクロース−リンゴ酸、鉄−フルクトース−リンゴ酸、
鉄−スクロース−クエン酸、鉄−フルクトース−クエン
酸、鉄−スクロース−アスコルビン酸、鉄−フルクトー
ス−アスコルビン酸又はそれらの混合物から選択され
る。（鉄は、第一鉄状態であることが好ましい。） ビタミン補給物は、被覆β−カロテン又は安定ビタミ
ンＡ、アスコルビン酸（ビタミンＣ）及びリボフラビン
である。
本発明による典型的飲料又は飲料濃縮組成物は： ａ）少なくとも約0.05重量％のフルーツもしくはコーラ
フレーバー又は少なくとも３重量％のフルーツジュー
ス； ｂ）栄養補給量のカルシウム源、好ましくはカルシウム
−クエン酸−リンゴ酸； ｃ）栄養補給量の鉄−糖錯体又は第一鉄−グルコン酸／
アスコルビン酸； ｄ）栄養補給量のビタミンＣ、ビタミンＡ又は被覆β−
カロテン及びリボフラビン； ｅ）水及び場合により甘味料； を含んでいる。
例えば、本発明で用いられるフルーツジュース及びフ
ルーツフレーバーとしてはグレープ、ナシ、パッション
フルーツ、パイナップル、バナナ又はバナナピューレ、
アプリコット、オレジン、レモン、グレープフルーツ、
アップル、クランベリー、トマト、マンゴ、パパイヤ及
びそれらの混合物がある。
人工フレーバー、例えばコーラ又はこれらのジュース
から得られる天然フレーバーのいずれかが飲料で用いる
ことができる。チョコレートフレーバー及び他の非フル
ーツフレーバーもビタミン及びミネラル補給物含有飲料
を製造する上で使用可能である。
本発明は飲料、特にソフトドリンクとして炭酸飽和さ
れたジュース及びコーラ飲料並びに“スチル”（stil
l）飲料に関する。本発明は少なくとも約45重量％のジ
ュースを含有したネクター及びフルストレンクス（full
−strength）飲料又は飲料濃縮物にも関する。
本明細書におけるすべての比率、割合及びパーセンテ
ージは、他に指摘のないかぎり重量による。
発明の具体的な説明 本発明は、安定なビタミン及びミネラル補給飲料に関
する。これらの飲料は炭酸飲料、例えばフレーバーセル
ツァ（seltzer）水、ソフトドリンク又はミネラルドリ
ンク並びに非炭酸フルーツジュース、フルーツパンチ及
びこれら飲料の濃縮形である。
本明細書で用いられる“フルーツジュース製品”とい
う用語は、少なくとも約45重量％のフルーツジュースを
含有したフルーツジュース飲料及びフルーツジュース濃
縮物の双方に関する。
本明細書で用いられる“フルーツジュース飲料”とい
う用語は、シングルストレングスの、即ち調整済で飲用
可能な形態にあるフルーツジュース製品に関する。本発
明のフルーツジュース飲料は、典型的には少なくとも約
95％のフルーツジュースを含有した“フルストレング
ス”タイプでありうる。
本発明の範囲内に属するフルーツジュース飲料は“ネ
クター”と称されるエクステンディドジュース製品も含
んでいる。これらのエクステンディドジュース製品は典
型的には約50〜約90％のフルーツジュースを含有してい
る。好ましいエクステンディドジュース製品は約50〜約
70％のフルーツジュースを含有している。ネクターには
通常糖、人工甘味料又は炭水化物代替物が添加されてい
る。
本明細書で用いられる“フルーツジュース濃縮物”と
いう用語は、適量の水で希釈された場合に飲用フルーツ
ジュース飲料を形成するフルーツジュース製品に関す
る。本発明の範囲内に属するフルーツジュース濃縮物は
典型的には３〜５重量部の水で希釈された場合に飲用飲
料を形成するよう配合される。
本明細書で用いられる“飲料濃縮物”又は“飲料シロ
ップ”という用語は、フレーバー、水及び約10〜約60％
の糖もしくは炭水化物代替物（即ちスクロース、デキス
トロース、コーンシロップ固体、フルクトース、デキス
トリン、ポリデキストロース及びそれらの混合物）の混
合物に関する。
本明細書で用いられる“フルーツジュース物質”とい
う用語は、濃縮フルーツジュースプラス他のフルーツジ
ュース物質、例えばフルーツジュースアロマ及びフレー
バー揮発性物質、果皮油及び果肉又はしぼりかすに関す
る。
本明細書で用いられる“シトラスジュース”という用
語は、オレンジジュース、レモンジュース、ライムジュ
ース、グレープフレーツジュース、タンジェリンジュー
ス及びそれらの混合物から選択されるフルーツジュース
に関する。
本明細書で用いられる“含む（含有する）”という用
語は、様々な成分が本発明のフルーツジュース飲料及び
ジュース濃縮物で一緒に用いうることを意味する。した
がって、“から本質的になる”及び“からなる”という
用語は、“含む（含有する）”という用語に包含され
る。
ミネラル及びビタミン成分 本発明は、ヒト及びより下等の動物において栄養補給
量の鉄化合物、又は鉄及びカルシウム化合物の混合物の
体内取込みを高めるための糖含有飲料中におけるビタミ
ンＣの使用に関する。これらの飲料はβ−カロテンの形
のビタミンＡ、ビタミンＣ及びリボフラビンの安定組成
物も含有している。
本明細書における“栄養”又は“栄養補給量”とは、
本発明の実施に際して用いられるビタミン及びミネラル
源が滋養量の上記ミネラル及びビタミンを供給すること
を意味する。この補給量は上記ミネラルの１日摂取量に
関する推奨１日許容量（Recommended Daily Allowance,
RDA）の少なくとも10％であり、ビタミンの場合この補
給量は推奨１日許容量（RDA）の少なくとも25％、好ま
しくは少なくとも50％である。ビタミン及びミネラルに
関するRDAは米国で定義されている〔リコメンデッド・
デイリー・ダイエタリー・アロワンス−フード・アンド
・ニュートリション・ボード，ナショナル・アカデミー
・オブ・サイエンシス−ナショナル・リサーチ・カウン
シル（Recommended Daily Dietary Allowance−Food an
d Nutrition Board,National Academy of Sciences−Na
tional Research Council）参照〕。更に一般的には、
ミネラル補給物は補給物の単位用量当たりRDAの少なく
とも10％、更に典型的には50〜300％を含有している。
本明細書で開示されたタイプの飲料製品において、栄養
補給量は通常ミネラルの場合食品又は飲料製品単位部分
当たりRDAの３％以上、好ましくは10〜100％RDA、最も
好ましくはRDAの10〜30％である。ビタミンの場合、栄
養補給量は10％以上、好ましくは約20〜約100％、最も
好ましくは約50〜約150％RDAである。勿論、いかなるミ
ネラル又はビタミンの好ましい１日摂取量はユーザー毎
に異なることが認められる。例えば、妊娠、授乳又は閉
経女性及び17歳以下の子供は常用RDAを超える高いカル
シウム摂取量を要する。貧血にかかったヒトは高い鉄摂
取量を要する。ビタミン欠乏にかかった又は貧弱な食事
をしているヒト、特に南及び中央アメリカの発育中の子
供は更に多量のビタミンＡ、Ｃ及びリボフラビンを要す
る。このような事項は医者及び栄養学エキスパートにと
ってありふれたことであり、本発明の組成物の使用量は
それに応じて調整される。
一般に、ビタミンＣのRDAは60mgである。ビタミンＡ
としてのRDAは1mgで、β−カロテンとしてのRDAは6mgで
ある。リボフラビンのRDAは1.7mgである。
一般に、RDA（鉄）は10mg/6kg〜18mg/54−58kg女性の
範囲内であって、年齢にやや依存している。典型的に
は、食品及び飲料は他の食事源（妥当なバランス食と仮
定）から得られる鉄分を補うため約10〜25％RDAの鉄
（１回分当たり）で補給される。一般に、RDA（カルシ
ウム）は360mg/6kg幼児〜1200mg/54−58kg女性の範囲内
であって、年齢にやや依存している。なお、沈澱及び／
又は官能的問題に出会うことなく約20〜30％RDA以上の
カルシウム（１回分当たり）を飲料に補給することは困
難である。しかしながら、このレベルの補給物はカルシ
ウム価に関して牛乳に匹敵し、したがって許容される。
勿論、鉄毒性及び官能性が個々の状況下において重要な
考慮事項と考えられない場合には、更に多くの補給量で
用いることができる。
被覆β−カロテンはそれが前駆体又はプロビタミンＡ
であることから選択されるビタミンＡ補給物であり、し
たがってビタミンＡの場合と同様にこの物質の過剰量に
よるリスクはない。ビタミンＡが過剰量で消費された場
合、それは体内脂肪組織中に蓄積することがある。同様
の問題はβ−カロテンの場合に生じない。
本発明用に好ましいビタミンＡ補給物は飲料系中で安
定性を示す補給物である。ビタミンＡ源としては被覆又
は安定化β−カロテン粉末が好ましく、これは飲料にお
けるpH条件下で、通常pH2〜約７で安定である。この安
定性を示す１つの被覆物質はデキストリンである。同様
の被覆物質も使用可能である〔ニュージャージー州ナッ
トレーのロシュ・ビタミンズ・アンド・ファイン・ケミ
カルズ（Roche Vitamins and Fine Chemicals）が被覆
β−カロテン（１％粉末）の市販元である〕。デキスト
リン及びアラビアガム被覆β−カロテンは、飲料が後述
のように調製されかつパッケージ化された場合２か月以
上飲料中で安定であって、しかもβ−カロテンは生物学
的にも利用可能である。
約0.0005％、即ち約0.75mg/372g飲料のレベルで、RDA
の少なくとも25％のビタミンＡ又はβ−カロテンを供給
する。好ましくは約0.00025〜約0.003％（25〜約300％R
DA）、最も好ましくは約0.00050〜約0.0015％（75〜約1
50％RDA）のβ−カロテンが本ビタミン及びミネラル補
給物中で用いられる。
いかなる市販元のビタミンＣも本発明で使用可能であ
る。好ましくは、RDAの約25〜約300％（0.15g/372g飲料
又は0.008％〜約0.09g/372g飲料又は0.024％）が飲料中
で用いられる。最も好ましくは、用いられるビタミンＣ
の量はRDAの約25〜約150％である。
いかなる市販元のリボフラビンであっても使用可能で
ある。好ましくは、飲料中において約20〜約200％（0.3
4mg/372g〜6.8mg/372g）である。
飲料に添加可能な他のビタミンとしては、ビタミン
B6、ナイアシン及びビタミンB12がある。他のビタミン
も使用可能である。
添加可能な他のミネラルとしては亜鉛及び銅がある。
これらミネラルのあらゆる可溶性塩、例えば塩化亜鉛、
硫酸亜鉛及び硫酸銅が使用可能である。これらミネラル
の栄養補給量が用いられる。しかしながら、用いられる
具体的な塩及びレベルは鉄−糖及びカルシウム−糖錯体
とそれらとの相互作用に依存している。
本発明の実施に際して使用上好ましい“鉄−糖”錯体
は、ネーケル（Nakel）らに発行された米国特許第4,78
6,510号（1988年）及びネーケルらに発行された米国特
許第4,786,518号（1988年）の各明細書に記載された方
法で製造される。それらの製造法は、以下で簡単に記載
されている。（これらの物質は本明細書で“錯体”と称
されているが、但しそれらは複合化された高度水和保護
コロイドとして溶液中に事実上存在しているのであろ
う。しかしなが、“錯体”という用語が本明細書では簡
略化のために用いられている。）これら錯体中の鉄は第
二鉄（鉄III）状態であってもよいが、それは第一鉄
（鉄II）状態であることが更に好ましい。第一鉄は第二
鉄よりも体内でよく耐えられかつ利用される。重要なこ
とに、第二鉄及び一般的な第一鉄塩は貯蔵後一部の飲料
で異臭を生じ、更に第二鉄は飲料中でアスコルビン酸
（ビタミンＣ）を酸化して分解する。本発明で用いられ
る好ましい錯体は鉄−糖−カルボン酸錯体として考える
ことが都合よく、その場合にカルボン酸は第一鉄（好ま
しい）又は第二鉄の対イオンを与える。理論に拘束され
るつもりはないが、これら鉄錯体の許容される味は比較
的大サイズの糖部分及びカルボン酸対イオンに起因して
いると考えられ、一部鉄補給物の通常の“井戸水”及び
／又は不快なフレーバーを遮蔽している。この同一メカ
ニズムは、第一鉄−グルコン酸／アスコルビン酸が用い
られた場合にみられる低い異臭の原因であると考えられ
る。
本発明の実施に際して用いられる好ましい鉄−糖−カ
ルボン酸錯体の全合成では： ａ）例えば水酸化カルシウムを糖と反応させることによ
り、水性媒体中でカルシウム−糖部分を形成し； ｂ）鉄−糖部分を得るため水性媒体中で硫酸第一鉄アン
モニウムのような鉄源をカルシウム−糖部分と反応さ
せ；及び ｃ）所望の鉄−糖錯体を得るため反応系を例えばリンゴ
酸のようなカルボン酸で中和する。
この方法で製造される好ましい鉄II−スクロース−リ
ンゴ酸錯体は、鉄生物学的利用能（０〜9ppm Feの範囲
内における試験動物のヘマトクリットに関する変化率％
として測定される）に関して硫酸第一鉄に本質的に匹敵
し、しかも最も重要なことに飲料、特にシトラス飲料に
おいて官能的に許容される。
本発明の実施において使用上好ましい鉄化合物の製造
に際し使用可能な“糖”は、料理業界で周知のいかなる
摂取可能な糖物質及びその混合物であってもよい。例え
ばグルコース、スクロース及びフルクトースが都合よく
用いられ、スクロース及びフルクトースが更に好まし
い。しかしながら、例えばマンノース、ガラクトース、
ラクトース、マルトース等のような他の糖物質も使用可
能である。
本発明で好ましい鉄−糖錯体の製造に際して用いられ
る“カルボン酸対イオン”は、いかなる摂取可能なカル
ボン酸種であってもよい。しかしながら、フレーバー寄
与に関して何らかの判断が行われねばならない。例えば
クエン酸、リンゴ酸及びアスコルビン酸は、フレーバー
が特にフルーツジュース飲料において完全に許容される
と判断される摂取可能な錯体を生じる。酒石酸も特にグ
レープジュース飲料において乳酸と同様に許容される。
本質的にすべての目的にとってリンゴ酸、クエン酸及び
アスコルビン酸部分で十分であるが、配合者の希望に従
い他も選択してよい。
好ましいほどではない態様において、鉄−糖錯体の対
イオンはリン酸、クロリド、硫酸等のような非カルボン
酸部分である。しかしながら、このような対イオンは特
に飲料中において望ましくないことにカルシウムイオン
と相互作用することがある。高濃度の場合、これらの対
イオンは望ましくないフレーバーを呈する。したがっ
て、前記カルボン酸対イオンが本発明では好ましい。
本発明で用いられる好ましいカルシウム源“カルシウ
ム−クエン酸−リンゴ酸”の製造法はネーケルらに発行
された米国特許第4,786,510号、米国特許第4,786,518号
（1988年）及びヘッカートに発行された米国特許第4,72
2,847号（1988年）明細書で記載されている。
前記のように、鉄の生物学的利用能はカルシウムの同
時投与で通常やや損われるが、この損失は本発明のビタ
ミン及びミネナル補給飲料中における有機酸（クエン酸
及びリンゴ酸）及びビタミンＣの使用によって解決され
る。
フレーバー成分 本発明の飲料及び飲料濃縮物のフレーバー成分はフル
ーツフレーバー、植物性フレーバー及びそれらの混合物
から選択されるフレーバーを含有している。本明細書で
用いられる“フルーツフレーバー”という用語は、種子
植物の食用生殖部分、特に種子と共に甘味果肉を有する
部分から得られるフレーバーに関する。“フルーツフレ
ーバー”という用語には、天然源から得られるフルーツ
フレーバーを模倣するために合成されたフレーバーも含
まれる。特に好ましいフルーツフレーバーはオレンジ、
レモン、ライム及びグレープフルーツフレーバーを含め
たシトラスフレーバーである。シトラスフレーバーとは
別に、アップル、グレープ、チェリー、パイナップル、
マンゴ及びパパイヤフレーバー等のような様々な他のフ
ルーツフレーバーも使用可能である。これらのフルーツ
フレーバーはフルーツジュース及び香油のような天然源
から得ても、又は合成してもよい。
本明細書で用いられる“植物性フレーバー”という用
語は、フルーツ以外の植物の一部から得られる、即ちナ
ッツ、樹皮、根及び葉から得られるフレーバーに関す
る。“植物性フレーバー”という用語には、天然源から
得られる植物性フレーバーを模倣するために合成された
フレーバーも含まれる。このようなフレーバーの例とし
てはコーラ、ティー等がある。植物性フレーバーは精油
及びエキスのような天然源から得ても又は合成してもよ
い。
フレーバー成分は様々なフレーバーのブレンド、例え
ばレモン及びライムフレーバー、コーラフレーバーを呈
するコーラフレーバー及びシトラスフレーバー等であっ
てもよい。所望であれば、オレンジ、レモン、ライム、
アップル、グレープ等のジュースのようなフルーツジュ
ースもフレーバー成分中で用いることができる。フレー
バー成分中のフレーバーは時々エマルジョン小滴に形成
され、しかる後飲料濃縮物中に分散される。これらの小
滴は通常水の場合より小さな比重を有し、このため分離
相を形成することから、増量剤（懸濁化剤としても作用
しうる）が飲料中にエマルジョン小滴を分散させるため
典型的に用いられる。このような増量剤の例は臭素化植
物油（BVO）及びロジンエステル、特にエステルガムで
ある。液体飲料における増量剤及び懸濁化剤の使用の記
載に関するL.F.グリーン（L.F.Green），デベロップメ
ンツ・イン・ソフト・ドリンクス・テクノロジー（Deve
lopments in Soft Drinks Technology），第１巻（アプ
ライド・サイエンス出版社（Applied Science Publishe
rs Ltd.）,1978年），第87−93頁参照。増量剤とは別
に、乳化剤及び乳化安定剤もエマルジョン小滴を安定化
させるため用いることができる。このような乳化剤及び
乳化安定剤の例としてはガム、ペクチン、セルロース、
ポリソルベート、ソルビタンエステル及びプロピレング
リコールアルギネートがある、L.F.グリーン，前掲，第
92頁参照。
本発明の飲料及び飲料濃縮物にフレーバー特性を付与
する（“フレーバー増強”）ために有効なフレーバー成
分の具体量は、選択されるフレーバー、望まれるフレー
バー効果及びフレーバー成分の形に依存している。フレ
ーバー成分は飲料組成物中で少なくとも0.05重量％、典
型的には炭酸飲料の場合0.1〜２重量％である。フルー
ツジュースがフレーバーとして用いられる場合、フレー
バー成分はシングルストレングスベースで飲料中フルー
ツジュース25重量％以内、好ましくは炭酸飲料の場合フ
ルーツジュース５〜15重量％である。
炭酸成分 二酸化炭素は炭酸飽和させるため飲料シロップとミッ
クスされた水に又は希釈後飲用飲料に導入される。炭酸
飲料はボトル又は缶のような容器に入れられ、しかる後
密封される。いかなる慣用的炭酸飽和方法論も本発明の
炭酸飲料を製造するため適用することができる。
飲料中に導入される二酸化炭素の量は、用いられる具
体的フレーバー系及び望まれる炭酸飽和量に依存してい
る。通常、本発明の炭酸飲料は1.0〜4.5倍容量の二酸化
炭素を含有している。好ましい炭酸飲料は２〜約3.5倍
容量の二酸化炭素を含有している。
フルーツジュース成分 本発明は、シトラスジュースを含めた飲料及び飲料濃
縮物の製造用として特に適している。飲料は３〜100％
のジュース又は約0.05〜約10％の人工もしくは天然フレ
ーバー、特にオレンジジュースを含有している。本発明
の方法で用いられる濃縮オレンジジュース、オレンジジ
ュースアロマ及びフレーバー揮発性物質、果肉及び果皮
油は、標準的オレンジジュース加工で得ることができ
る。好ましいシトラスジュースはオレンジジュースであ
る。オレンジ、グレープフルーツ及びタンジェリンの標
準加工に関するネイジーら，シトラス・サイエンス・ア
ンド・テクノロジー（Citrus Science and Technolog
y），第２巻（AVI出版社（AVI Publishing Co.）,1977
年），第177−252頁参照〔更に、ビタミンミネラル補給
非シトラスジュース製品用のジュース及びジュース物質
源を得るためのアップル、グレープ、パイナップル等の
ような非シトラスジュースの標準加工に関するネルソン
（Nelson）ら，フルーツ・アンド・ベジタブル・ジュー
ス・プロセッシング・テクノロジー（Fruit and Vegeta
ble Juice Processing Technology）（第３版,AVI出版,
1980年），第180−505頁参照〕。
異なる供給源からのジュースはジュースの糖対酸比を
調整するためしばしばブレンドされる。異なる種類のオ
レンジがブレンドでき、又は異なるフルーツジュースは
望ましいフレーバー及び糖対酸比にするためブレンドで
きる。約8:1〜約20:1の糖対酸比がフルーツジュースの
場合に許容しうると考えられる。しかしながら、好まし
い糖対酸比は、特にシトラスジュースの場合典型的には
約11:1〜約15:1である。
甘味料成分 甘味料としては、フルーツジュース製品中に通常存在
する糖類、例えばグルコース、スクロース、及びフルク
トースがある。糖類には高フルクトースコーンシロッ
プ、転化シロップ、ソルビトールを含めた糖アルコー
ル、精製シロップ及びそれらの混合物も含む。
糖に加えて、本発明のエクステンデッドフルーツジュ
ース飲料は他の甘味料も含有することができる。他の適
切な甘味料としては、サッカリン、シクラメート類、ア
セトスルファム、Ｌ−アスパルチル−Ｌ−フェニルアラ
ニン低級アルキルエステル甘味料（例えば、アスパルテ
ーム）、ブレナン（Brennan）らの1983年10月23日付発
行米国特許第4,411,925号明細書で開示されたＬ−アス
パルチル−Ｄ−アラニンアミド類、ブレナンらの1983年
８月16日付発行米国特許第4,399,163号明細書で開示さ
れたＬ−アスパルチル−Ｄ−セリンアミド類、ブランド
（Brand）の1982年12月21日付発行米国特許第4,338,346
号明細書で開示されたＬ−アスパルチル−Ｌ−１−ヒド
ロキシメチルアルカンアミド甘味料、リッジー（Rizz
i）の1983年12月27日付発行米国特許第4,423,029号明細
書で開示されたＬ−アスパルチル−１−ヒドロキシエチ
ルアルカンアミド甘味料、J.M.ジャヌス（J.M.Janusz）
の1986年１月15日付公開欧州特許出願第168,112号明細
書で開示されたＬ−アスパルチル−Ｄ−フェニルグリシ
ンエステル及びアミド甘味料等がある。このようなエク
ステンデッドジュース製品での使用にとって特に好まし
い甘味料はアスパルテームである。
シングルストレングスフルーツジュース飲料の場合、
糖含有率は約２〜約16ブリックス度（゜Brix）の範囲内
である。典型的には、このような飲料の糖含有率はそこ
に含有されるフルーツジュースの量に依存している。少
なくとも約95％のフルーツジュースを含有したフルスト
レングス飲料の場合、糖含有率は典型的には約５〜約14
ブリックス度である。約50〜約90％のフルーツジュース
を含有したエクステンデッドジュース飲料の場合、糖含
有率は典型的には約５〜約13ブリックス度（他の甘味料
なし）又は約２〜約８ブリックス度（他の甘味料含有）
である。
本発明のフルーツジュース濃縮物の場合、糖含有率は
約６〜約75ブリックス度の範囲内である。典型的には、
これらジュース濃縮物の糖含有率は約20〜約50ブリック
ス度である。オレンジジュース濃縮物の場合、糖含有率
は約35〜約50ブリックス度であることが好ましい。
本発明の飲料で有効な甘味料の量は、用いられる具体
的甘味料及び望まれる甘味度に依存している。無カロリ
ー甘味料の場合、この量は具体的甘味料の甘味度に応じ
て変動する。糖の場合、この量は炭酸飲料について１〜
14（典型的には、６〜14）重量％である。好ましい飲料
は９〜13重量％の糖を含有している。本発明の飲料に関
して糖の量を測定する場合には、フルーツジュースの場
合のようにフレーバー成分中に存在するいかなる糖又は
他の甘味料も含まれる。アスパルテームのような無カロ
リー甘味料及び高フルクトースコーンシロップのような
糖を含有した低カロリー甘味料の組合せも飲料で使用可
能である。飲料シロップの場合、飲料シロップ中におけ
る糖の量は約10〜約60％、好ましくは約40〜約60％であ
る。
ビタミン及び鉄／カルシウムで補給された飲料水及び飲
料濃縮物の製造方法 本発明の液体組成物にとって好ましい全製造方法で
は、鉄及びカルシウム錯体（前記参照）のプレミックス
溶液を調製し、液体組成物中にプレミックスをミックス
させる。糖又は糖アルコールは、固体物として又は濃縮
溶液（例えば、70％水性ソルビトール、高フルクトース
コーンシロップ、スクロース、コーンシロップ又は精製
シロップ）としていずれかで所望量が加えられる。この
方法は鉄及びカルシウム補給飲料及び濃縮物、特にオレ
ンジ及びグレープフルーツジュースのようなシトラスジ
ュース、アップルジュースのような非シトラスジュース
並びに炭酸飽和しうるジュースの混合物に基づくものを
製造する上で適用することができる。最も好ましい飲料
はフレーバー化炭酸飲料である。加えて、この方法はフ
ルーツジュース飲料（10〜60％希釈“ネクター”を含
む）及びジュース濃縮物を製造するためにも通常適用さ
れる。オレンジジュース飲料も本発明の非常に好ましい
フルーツジュース製品である。
ビタミン、鉄及びカルシウム補給物含有飲料組成物は
糖及び鉄のみを含有した組成物よりも製造が複雑である
ため、前者の組成物の製法が詳細に記載されている。
一般に、クエン酸及びリンゴ酸を含めた酸成分が典型
的には適量の水に溶解される（所望であれば、レモンジ
ュースのようなフルーツジュース又は濃縮フルーツジュ
ースを酸の一部を供給するため用いてもよい）。通常、
この酸成分は０〜約90重量％のクエン酸及び約10〜100
重量％のリンゴ酸を含有している。オレンジジュースの
場合、この酸成分は典型的には約20〜約90重量％のクエ
ン酸及び約10〜約80重量％のリンゴ酸を含有している。
好ましくは、この酸成分は約５〜約60重量％のクエン酸
及び約40〜約95重量％のリンゴ酸を含有している（アッ
プルジュースのような非シトラスジュースの場合、この
酸成分は典型的には約５〜約80重量％のクエン酸及び約
20〜約95重量％のリンゴ酸を含有し、好ましくは約20〜
約50重量％のクエン酸及び約50〜約80重量％のリンゴ酸
を含有している）。規定に従い、これら酸の比率はジュ
ースの最適フレーバー特性を示すように選択される。
溶解した酸を含有する溶液が形成されたならば、カル
シウム源が加えられる。炭酸カルシウム（CaCO3）が好
ましいカルシウム源である。このカルシウム源はカルシ
ウムの最大かつ最速の初期溶解性を示し、最少量の異臭
発生しか起こさない。水酸化カルシウム〔Ca（OH）２〕
及び酸化カルシウム（CaO）も許容されるカルシウム源
であるが、但し炭酸カルシウムよりも多く異臭発生を起
こす。溶液に加えられる総酸対カルシウムの重量比は典
型的には約0.5〜約12である。好ましくは、この重量比
は約１〜約６である。
酸の水溶液への炭酸カルシウム、酸化カルシウム又は
水酸化カルシウムの添加で可溶性かつ可溶化性カルシウ
ム含有プレミックスを得る。これはCa（Ｈクエン酸）、
Ca（H2クエン酸）２及びCa（Ｈリンゴ酸）のような高可
溶性クエン酸及びリンゴ酸カルシウム種がカルシウム源
と酸との反応に基づき溶液中で形成されるという事実に
起因している。安定剤の添加がなくとも、高可溶性クエ
ン酸カルシウム種はわずか約数時間以内の時間において
プレミックス溶液中で安定である。この短時間経過後、
高可溶性クエン酸種は対応酸及びCa3（クエン酸）２の
ような更に熱力学的に安定な不溶性クエン酸カルシウム
塩に不均化を起こし易い。
プレミックス溶液中におけるより安定なリンゴ酸カル
シウム及び特にクエン酸カルシウム種の安定性を改善す
るため、本発明の方法ではプレミックス安定剤を含有さ
せることが好ましい。カルシウムと錯体形成し及び／又
は結晶阻害剤として作用しうる物質はプレミックス安定
剤として有用である。これらの物質としては、糖類、例
えばスクロース、グルコース、フルクトース、高フルク
トースコーンシロップ、転化糖、糖アルコール類、例え
ばソルビトール、多糖類、例えばペクチン、アルギン、
加水分解デンプン、キサンタンゴム及び他の食用ゴムが
ある。天然で糖類及び多糖類の双方を含有した濃縮ジュ
ースが特に適切なプレミックス安定剤である。好ましい
プレミックス安定剤は、スクロース、高フルクトースコ
ーンシロップ（特に、エクステンデッドジュース製品）
及び供給源が後述されている約35〜約80ブリックス度の
糖含有率を有した濃縮オレンジジュースである。
プレミックス安定剤は、カルシウム源が酸含有水溶液
に加えられた直後に加えることができる（炭酸カルシウ
ムがカルシウム源である場合、二酸化炭素発生はプレミ
ックス安定剤が加えられる前に実質上止んでいることが
好ましい）。しかしながら、所望であればプレミックス
安定剤（特に、糖及び濃縮ジュースの場合）はカルシウ
ム源の添加前に酸の水溶液に加えてもよい。プレミック
ス溶液中に含まれるプレミックス安定剤の量は、典型的
には用いられる安定剤に依存している。糖がプレミック
ス安定剤として用いられる場合、それらは典型的には約
２〜約40ブリックス度の糖含有率とする上で十分な量で
加えられる。多糖類が用いられる場合その量は広く変動
するが、但し典型的には重量／容量ベースで約0.01〜約
0.5％である。濃縮ジュースがプレミックス安定剤とし
て用いられる場合、それは典型的には約２〜約40ブリッ
クス度（好ましくは、約２〜約24ブリックス度）の糖含
有率とする上で十分な量で加えられる。
溶解及び可溶性カルシウムのプレミックス溶液は、典
型的には前記のように室温でバッチタイプ方式で調製さ
れる。しかしながら、このプレミックス溶液は連続方式
で調製してもよい。この連続法の場合、諸成分（水、
酸、カルシウム源及び任意のプレミックス安定剤）はプ
レミックス溶液を形成するため常に一緒に計量される。
諸成分が計量されるレベルは、プレミックス溶液中にお
けるカルシウムの適度の溶解を保障しかつ適切な酸性度
とするため必要に応じて調節される。
別に、鉄−糖錯体のプレミックス溶液が調製される。
一般に、この溶液は沈澱が主問題でないため前記カルシ
ウム−クエン酸−リンゴ酸溶液よりも調製がやや容易で
ある。このためカルシウム−糖反応産物は鉄（好ましく
は、鉄II）源で処理され、反応酸物は前記方法によりカ
ルボン酸で中和される。第一鉄−グルコン酸／アスコル
ビン酸が用いられる場合、それはこの段階で又はビタミ
ンＣ添加前における他のいずれかのプロセス部分でカル
シウムプレミックスに加えることができる。
溶解カルシウムのプレミックス溶液は、典型的には前
記のように室温でバッチタイプ方式で調製される。しか
しながら、このプレミックスは連続方式で調製してもよ
い。この連続法の場合、諸成分（水、酸、カルシウム源
及び任意のプレミックス安定剤）はプレミックス溶液を
形成するため常に一緒に計量される。諸成分が計量され
るレベルは、プレミックス溶液中におけるカルシウムの
適度の溶解を保障しかつ適切な酸性度とするため必要に
応じて調節される。
鉄−糖錯体又は第一鉄−グルコン酸／アスコルビン酸
がこの溶液に加えられる場合、それも一緒に計量され
る。
フルーツフレーバー飲料又はフレーバー飲料を製造す
るため、プレミックスが濃縮飲料シロップ又は濃縮物に
加えられる。飲料濃縮シロップは糖を含有している。
β−カロテン及びリボフラビンは、カルシウムプレミ
ックスの添加前但し好ましくはその後のいずれかで濃縮
シロップに加えることができる。フレーバー及びフレー
バー濃縮物が濃縮シロップに加えられる。シロップは好
ましくは脱気された水に糖を加えることで調製すること
ができる。保存剤、例えば安息香酸ナトリウム又はブチ
ル化ヒドロキシアニソールも加えてよい。リボフラビン
及びβ−カロテンは他のビタミンと共にシロップに加え
られる。
カルシウムを加える代わりの方法は、炭酸カルシウ
ム、クエン酸及びリンゴ酸の乾燥混合物としてである。
これは発泡を避けるため少量ずつ糖／水溶液に加えられ
る。
グルコン酸第一鉄が用いられる場合、それは第一鉄と
して鉄を安定化させるため少量のビタミンＣとミックス
することができる。グルコン酸第一鉄において約2:1の
ビタミンＣ対活性鉄成分比が溶液中で用いられる（大半
のグルコン酸第一鉄は鉄約11％である）。この溶液は好
ましい鉄源である第一鉄−グルコン酸／アスコルビン酸
を含有している。
フレーバー及び着色剤はこの時点で飲料に加えること
ができる。通常約0.05〜約１％の香味剤が加えられる。
人工着色剤、天然着色剤も飲料の望ましい色及びフレー
バーを発揮させるため加えることができる。カフェイン
も飲料又はシロップに加えてよい。
シロップが調製された後、シロップタンクは二酸化炭
素又は窒素で覆われる。次いでビタミンＣが加えられ
る。シロップはシングルストレンクス飲料を調製するた
め後の希釈用に貯蔵されるか又は直ちに用いられる。ビ
タミンＣを保存するため、シロップ及び最終飲料は製造
時及び最終パッケージ中の双方において窒素又は二酸化
炭素で覆われていることが好ましい。
最終シングルストレングス飲料を製造するため、シロ
ップは水、好ましくは脱気水とシロップ１部につき水約
３〜４部でブレンドされる。次いで製品は脱気シングル
ストレングス“スチル”飲料として直ちにパッケージ化
されるか、又は最初に炭酸飽和されしかる後シングルス
トレングス炭酸飲料としてパッケージ化される。水に溶
解された酸素がビタミンＣを分解してしまうことから脱
気水が好ましい。
100％ジュース製品を製造するため、溶解カルシウム
含有プレミックス溶液及び溶解鉄含有プレミックスはミ
ックスタンク中で約35〜約80ブリックス度（好ましく
は、約60〜約70ブリックス度）の糖含有率を有する冷
（例えば、約4.4℃以下）濃縮フルーツ又はシトラスジ
ュース、アロマ及びフレーバー揮発性物質並びに果肉及
び果皮油のような他のジュース物質と混合され、β−カ
ロテン、ビタミンＣ及びリボフラビンを加えると鉄、カ
ルシウム及びビタミン補給ジュース製品が得られる。用
いられるプレミックス溶液、濃縮ジュース、アロマ及び
フレーバー揮発性物質並びに果肉、果皮油及びビタミン
の具体的な割合は、必要なジュース製品（シングルスト
レングスジュース飲料又はジュース濃縮物）のタイプを
含めたいくつかの異なるファクターに依存している。例
えば、ビタミン、鉄及びカルシウム補給42ブリックス度
オレンジジュース濃縮物は濃縮オレンジジュース（65ブ
リックス度）65部、果肉５部、アロマ／フレーバー濃縮
物15部、果皮油0.4部をFe/Caプレミックス15部と混合し
て製造することができる。次いでビタミンはこの濃縮物
に加えられる。同様のシングルストレングスジュース飲
料は、水の含有量ばかりでなく濃縮ジュース、果肉、ア
ロマ／フレーバー濃縮物、香油及びプレミックス溶液の
量の適切な変更によって製造することができる。
ジュース組成物及び他の飲料は、微生物安定性の理由
から約4.3以下、通常約3.7〜4.0のpHで配合されること
が好ましい。
ビタミン、鉄及びカルシウム補給ジュース製品が得ら
れた後、それは缶、カートン、ボトル又は他の適切なパ
ッケージング中に充填される。シトラスジュース濃縮物
の場合、これらの製品は典型的には缶に充填された後凍
結される。
pH及び他の飲料成分 本発明の飲料及び飲料濃縮物のpHは、酸成分の具体的
組成、用いられる酸の総量及び望まれる酸味の程度に依
存している。典型的には、pHは2.5〜5.0の範囲内であ
る。好ましい炭酸飲料は3.0〜4.5のpHを有する。
他の副飲料成分も飲料及び濃縮物中にしばしば含有さ
れる。このような成分としては、安息香酸及びその塩、
二酸化イオウ、ブチル化ヒドロキシアニソール等のよう
な保存剤がある。更に典型的には天然源から得られた又
は合成されたいずれかの着色剤も含有される。飲料中で
用いられる保存剤及び着色剤に関するL.F.グリーン，デ
ベロップメンツ・イン・ソフト・ドリンクス・テクノロ
ジー，第１巻（アプライド・サイエンス出版社,1978
年），第185−186頁参照。カフェインも含有させてよ
い。
パッケージ化 飲料、飲料濃縮物及びネクターは溶液から酸素を除去
するため脱気される。この脱気は溶液に二酸化炭素又は
窒素を吹込むか、真空下で溶液を滅菌するか又は真空下
で溶液を単に加熱して溶解酸素を除去することにより行
われる。脱気は飲料が炭酸飽和される場合には炭酸水の
添加前に行われるべきである。
鉄塩の安定性を維持しかつビタミンＣを酸化から守る
ため、飲料は窒素、二酸化炭素又は他の不活性な一般的
非酸化性ガス混合物下でパッケージ化されるべきであ
る。これは、この方法で飲料をパッケージ化する上で当
業者の技術的範囲内に属する。好ましくは、飲料は日光
からそれを守るため不透明ボトルに詰められるか、又は
酸素除去剤もしくは他のフリーラジカル除去剤が紫外線
により起きる酸化を防止するため加えられる。
下記例は本発明の実施により得られるタイプの飲料組
成物について説明しているが、但しそれらに限定される
わけではない。
例１ 炭酸ソフトドリンクは下記のようにして製造される： 成 分 量（ｇ） 顆粒状スクロース 13.39 クエン酸 0.17 安息香酸ナトリウム 0.05 デンプン 0.02 香油 0.008 エステルガム 0.0065 着色剤 0.006 ブチル化ヒドロキシアニソール（BHA） 0.00004 リボフラビン 0.0003 アスコルビン酸 0.007 β−カロテン＊ 0.06 グルコン酸第一鉄（11.6％） 0.008 塩化カルシウム 0.11 水 36.9 炭酸水 49.02 ＊ ニュージャージー州ナットレーのホフマン・ラ・ロシ
ュ製１％CWS粉末 水（10g）を用いて安息香酸ナトリウム、リボフラビ
ン、β−カロテン及び糖を溶解させる。この溶液に塩化
カルシウムを加える。別に、グルコン酸第一鉄及び一部
のビタミンＣ（アスコルビン酸0.008g）の溶液を残りの
水の一部で調製する。これで第一鉄−グルコン酸／アス
コルビン酸混合物を得て、しかる後濃縮物に加える。次
いで香油、ガム、着色剤、デンプン及びBHA含有フレー
バー濃縮物をこの濃縮物に加える。
最後に、シロップを窒素で覆った後残りのビタミンＣ
をシロップに加える。この最後シロップを炭酸水で希釈
する。
この炭酸ドリンク（180ml）は、推奨１日許容量の21
％ビタミンＣ、11〜12％カルシウム、10％鉄、32％リボ
フラビン及び18％ビタミンＡ相当を含有している。
例２ 成 分 量（ｇ） 顆粒状スクロース 12.63 安息香酸ナトリウム 0.05 デンプン 0.02 香油 0.008 エステルガム 0.0065 着色剤 0.006 ブチル化ヒドロキシアニソール（BHA） 0.00004 リボフラビン 0.0003 アスコルビン酸 0.007 β−カロテン＊ 0.06 グルコン酸第一鉄（11.6％） 0.008 クエン酸 0.025 リンゴ酸 0.14 炭酸カルシウム 0.16 水 10.9 炭酸水 75.8 ＊ ニュージャージー州ナットレーのホフマン・ラ・ロシ
ュ製１％CWS粉末 この飲料を例１のように製造してパッケージ化する
が、但し炭酸カルシウム、クエン酸及びリンゴ酸を乾燥
プレミックスし、しかる後少量ずつ加えて過度の発泡を
防ぐ。リボフラビン及びβ−カロテンの量は２カ月間の
貯蔵後それらの初期レベルのほぼ100％のままである。
アスコルビン酸は許容される安定性を示す。
例１及び２に従い製造された飲料を他の試験サンプル
と共に放射性カルシウム〔47Ca〕又は鉄〔59Fe〕のいず
れかで標識する。次いでこれらのサンプルを各動物にサ
ンプル約5ml投与することにより試験ラットに与える。
放射能は全身ガンマカウンターを用いてゼロ（０）時
間、カルシウム標識物質に関して３日後及び鉄標識物質
に関して６日後に測定する。この時間経過後全動物に留
まる放射性カルシウム又は鉄のパーセントがミネラルの
生物学的利用能の指標である。カルシウムの生物学的利
用能は鉄の生物学的利用能とは別に測定する。
ラットにおいて全身アイソトープ保持率により調べられ
るカルシウムの生物学的利用能 各動物にCa3mg（例２）又はCa2mg（例１）のいずれか
を投与した。Caは47Ca（47CaCl21μCi）として投与し
た。
例１（CaCl2が47Ca源として用いられた場合）処 置 〔47Ca〕保持率 （％SEM）＊ 1.炭酸飲料（12％RDA Ca）（例１） 82.7±2.9 2.H2O中CaCl2（12％RDA Ca） 41.2±3.2 3.希釈ミルク（12％RDA Ca） 39.2±3.9 例１の炭酸飲料は希釈ミルク又は水中塩化カルシウム
の２倍のカルシウム保持率を有する。＊ SEM−標準実験平均値 例２（カルシウム−クエン酸−リンゴ酸が47Ca源である
場合）処 置 〔47Ca〕保持率 （％±SEM）＊ 1.炭酸飲料（例２） 75.4±4.0 2.CaCO3＋クエン酸−リンゴ酸 35.0±2.4 3.希釈ミルク 32.6±2.0 例２の炭酸飲料は希釈ミルク及び水中カルシウム−ク
エン酸−リンゴ酸の２倍のカルシウム保持率を有する。
ラットにおいて全身アイソトープ保持率により調べられ
る鉄の生物学的利用能処 置 〔59Fe〕保持率 （％SEM） 1.炭酸飲料（例２） 42.1±2.6 2.H2O中Fe−グルコン酸／アルコルビン酸 38.6±4.6 3.Fe−グルコン酸／アスコルビン酸 ＋H2O中CCM＊ 33.6±2.0 4.Fe−グルコン酸＋H2O中CCM＊ 28.3±1.7 5.H2O中FeSO4 48.9±2.9 6.H2O中FeSO4＋CCM＊ 27.9±3.5＊ CCMはカルシウム、クエン酸及びリンゴ酸の混合物で
ある。
この試験では、カルシウムがたとえ存在しても鉄は水
中で硫酸第一鉄として炭酸飲料中で生物学的に利用可能
であることを示している。
例３ 以下は本発明の実施上使用される好ましいカルシウム
及び鉄化合物の製造法について説明しているが、但しそ
れらに限定されるわけではない。
鉄II−スクロース−リンゴ酸の製造 スクロース（85.5g）の水（299.8g）に溶解し、完全
に溶解させる。次いで水酸化カルシウム（18.5g）を加
え、混合物を５分間攪拌する。何らかの濁りが観察され
たならば、得られた溶液をガラスフィルターで濾過す
る。
得られたカルシウム−スクロース溶液に硫酸第一鉄ア
ンモニム（24.5g）を加え、溶液を（例えば、サランラ
ップで）気密にカバーする。緑色は、鉄が望ましいII酸
化状態であることを示す。
上記溶液にリンゴ酸（33.5g）を３回に分けpH3〜４ま
で加える。沈澱物を標準濾紙で濾過するが、但し硫酸カ
ルシウム含有濾過ケークは洗浄しない。得られた溶液
は、本発明の実施に際して用いられる鉄−スクロース−
リンゴ酸を含有している。溶液はそのまま使用しても又
は粉末形で鉄−スクロース−リンゴ酸を得るため凍結乾
燥してもよい。
代わりの態様においては、KOHを第一ステップでCa（O
H）２に代用してもよいが、但し硫酸イオンが最終製品
中に残る。
代わりの糖及び対イオン並びに鉄−糖錯体の製造方法
に関するバリエーションも下記例で示されている。
カルシウム−クエン酸−リンゴ酸の製造 カルシウム−クエン酸−リンゴ酸溶液は、水28.19部
中にスクロース２部しかる後クエン酸0.1部及びリンゴ
酸0.28部を溶解することにより得られる。水酸化カルシ
ウム（0.22部）を加え、混合物を攪拌する。この溶液は
飲料を製造するため直接使用しても又は固体形として用
いるため凍結乾燥してもよい。
例４ 飲料組成物 下記飲料組成物（ａ−ｉ）を１回分180mlにつき10％R
DAの鉄及び100％RDAのカルシウムを与えるよう下記で製
造されるような鉄（II）−スクロース−リンゴ酸及びカ
ルシウム−クエン酸−リンゴ酸で強化する。デキストリ
ンで被覆されたβ−カロテン（18％）、リボフラボン
（32％）及びアスコルビン酸（25％）を各組成物に加え
て鉄／カルシウム生物学的利用能を高め、ビタミン補給
物を得る。
ａ）オレンジジュース55％及び炭酸水45％を含有した
“スパークリング”オレンジジュース； ｂ）ナシジュース25％、グレープフルーツジュース20％
を含有し残部が10％スクロース−水であるナシ−グレー
プフルーツネクター； ｃ）キーウィフルーツジュース20％、グレープフルーツ
ジュース15％を含有し残部が水であるキーウィ−グレー
プフルーツドリンク； ｄ）各ジュース10％でパッションフルーツ、マンゴ、グ
ァバ、パイナップル、パパイヤ、バナナ、アプリコッ
ト、マンダリンオレンジ、ナシ及びライムジュースを含
有した混合フルーツ“カクテル"; ｅ）ミルク製品20％、ペクチン１％、パイナップルジュ
ース20％、シュレッドされたパイナップルフルーツ果肉
10％、コーンシロップ16％を含有し残部が水であるヨー
グルト／フルーツ飲料； ｆ）コーラフレーバーエマルジョン0.35％、糖11％、リ
ン酸0.1％、クエン酸及びリンゴ酸0.1％、カラメル着色
剤を含有し残部が炭酸水であるコーラ飲料； ｇ）フルストレングスオレンジジュース； ｈ）フルストレングスアップルジュース； ｉ）フルストレングスフレーバー牛乳。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グンター、マリー、ナケル アメリカ合衆国インディアナ州、オーロ ラ、アール、アール、１、ボックス、 398707 (72)発明者 ディビッド、クリントン、ヘッカート アメリカ合衆国オハイオ州、オックスフ ォード、ケーア、ロード、3561 (56)参考文献 特開 昭64−80261（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−66672（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) A23L 2/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】１）10〜300％RDAの被覆β−カロテン、10
    〜300％RDAのビタミンＣ及び10〜300％RDAのリボフラビ
    ン； ２）10〜100％RDAの鉄−糖錯体又は鉄−グルコン酸／ア
    スコルビン酸； ３）10〜100％RDAのカルシウム源； ４）少なくとも0.05重量％のフレーバー又は少なくとも
    ３重量％のフルーツジュース；及び ５）水； の混合物を含む、安定な栄養ビタミン及びミネラル補給
    飲料又は飲料濃縮物。
  2. 【請求項２】カルシウム源が、塩化カルシウム、炭酸カ
    ルシウム、カルシウム−クエン酸−リンゴ酸及びそれら
    の混合物からなる群より選択される、請求項１に記載の
    飲料。
  3. 【請求項３】水が脱気されている、請求項１又は２に記
    載の飲料。
  4. 【請求項４】鉄源が、第一鉄−グルコン酸／アスコルビ
    ン酸又は鉄−糖錯体の群から選択され；但し、対イオン
    はリンゴ酸、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸イオン
    又はそれらの混合物から選択され、好ましくは鉄−糖錯
    体は、鉄−スクロース−リンゴ酸、鉄−フルクトース−
    リンゴ酸、鉄−グルコン酸／アスコルビン酸又はそれら
    の混合物である、請求項１、２又は３に記載の飲料。
  5. 【請求項５】β−カロテンがデキストリン、アラビアガ
    ム又はそれらの混合物で被覆されている、請求項１、
    ２、３又は４に記載の飲料。
  6. 【請求項６】５〜70％の甘味料を含み；好ましくは、甘
    味料は、スクロース、フルクトース、グルコース、高フ
    ルクトースコーンシロップ、コーンシロップ及びそれら
    の混合物からなる群より選択される、請求項１、２、
    ３、４又は５に記載の飲料又は飲料濃縮物。
  7. 【請求項７】フルーツジュースが、グレープ、ナシ、パ
    ッションフルーツ、チェリー、パイナップル、バナナ又
    はバナナピューレ、アプリコット、オレンジ、レモン、
    グレープフルーツ、アップル、クランベリー、トマト、
    マンゴ、パパイヤジュース及びそれらの混合物から選択
    される、請求項１、２、３、４、５又は６に記載の組成
    物。
  8. 【請求項８】混合物が、ソルビトール、マンニトール及
    びそれらの混合物から選択される糖アルコールを更に含
    む、請求項１、２、３、４、５、６又は７に記載の飲
    料。
  9. 【請求項９】人工甘味料を更に含む、請求項１、２、
    ３、４又は５に記載の飲料濃縮物。
  10. 【請求項１０】カフェイン及び炭酸水を含む、請求項
    １、２、３、４、５、６、７、８又は９に記載の飲料。
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