JP2994009B2 - 絶縁膜の形成方法 - Google Patents

絶縁膜の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [概 要] 異種の絶縁膜を任意のパターンに、かつ表面を同一平
面に形成することができるようにする絶縁膜の形成方法
と、そのような形成方法を用いた光学フィルタ及びSOI
基板に関し、 基板上にシリコン酸化膜とシリコン窒化膜とを相互に
隣接した任意のパターンに形成する複合絶縁膜の形成方
法であって、基板上にNH基を含むシリコン窒化膜を形成
する工程と、シリコン窒化膜を遮水性膜で被覆し、遮水
性膜を所定のパターンにパターニングする工程と、パタ
ーニングされた遮水性膜で被覆されたシリコン窒化膜を
H2Oを含む雰囲気中に曝し、遮水性膜で被覆されていな
い部分のシリコン窒化膜の表面がH2Oを含む雰囲気に直
に接するようにして、シリコン窒化膜を酸化することに
よりシリコン酸化膜を形成する工程と、を含むことを特
徴とする。
[産業上の利用分野] 本発明は、絶縁膜の形成方法に関する。
近年、基板上にシリコン酸化膜とシリコン窒化膜とを
相互に隣接した任意のパターンに形成した複合絶縁膜に
対する需要が増している。例えば、 部分的に光の透過量を変化させるための光学フィル
タ、 SOI(Silicon On Insulator)基板の下地絶縁膜、 などに用いられる。
[従来の技術] 第4図は、従来例の各工程を示す図である。
以下、工程順に説明する。
(1)工程1、同図(a)参照 基板41上にシリコン酸化膜を形成する。
(2)工程2、同図(b)参照 全面に、レジスト43を塗布した後、パターニングす
る。
パターニングされたレジスト43a,43bをマスクとして
シリコン酸化膜42をエッチングし、開口部44を形成す
る。
(3)工程3、同図(b),(c)参照 レジスト43a,43bを剥離する。
全面に、シリコン窒化膜を形成する。
全面に、レジスト46を塗布した後、開口部44上のみに
残るようにパターニングする。
(4)工程4、同図(c),(d)参照 レジスト46をマスクとしてシリコン窒化膜45をエッチ
ングし、開口部44以外の部分のシリコン窒化膜を除去す
る。
レジスト46を剥離する。
以上の各工程を経て、基板41上にシリコン酸化膜42a,
42bとシリコン窒化膜45とが相互に隣接した複合絶縁膜
が完成する。
[発明が解決しようとする課題] 従来の方法で形成した複合絶縁膜は、第4図(d)に
示すように、シリコン酸化膜42とシリコン窒化膜45との
境界に段差(凹凸)部A,Bが不可避的に生じる。
この結果、次のような問題点が生じていた。
複合絶縁膜を光学フィルタとして用いる場合、段差
(凹凸)部で散乱が生じるため、微細領域用フィルタと
して、任意の場所に所定の波長を持った光を照射する用
途には、不向きであった。
複合絶縁膜をSOI基板の下地絶縁膜として用いた場
合、結晶成長させたシリコン層の表面は段差がそのまま
反映している。したがって、結晶成長後のままでは、素
子形成に使用することができず、シリコン層の表面を平
坦化する工程が必要であった。
本発明は、上述の問題点を解決して、異種の絶縁膜を
任意のパターンに、かつ表面を同一平面に形成すること
ができるようにした絶縁膜の形成方法を提供することを
目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、 (1)本発明に係る絶縁膜の形成方法は、基板上にシリ
コン酸化膜とシリコン窒化膜とを相互に隣接した任意の
パターンに形成する複合絶縁膜の形成方法であって、 基板上にNH基を含むシリコン窒化膜を形成する工程
と、 シリコン窒化膜を遮水性膜で被覆し、遮水性膜を所定
のパターンにパターニングする工程と、 パターニングされた遮水性膜で被覆されたシリコン窒
化膜をH2Oを含む雰囲気中に曝し、遮水性膜で被覆され
ていない部分のシリコン窒化膜の表面がH2Oを含む雰囲
気に直に接するようにして、シリコン窒化膜を酸化する
ことによりシリコン酸化膜を形成する工程とを含むこと
を特徴とする。
(2)また本発明に係る光学フィルタは、前項(1)の
絶縁膜の形成方法を用いて形成された、シリコン酸化膜
とシリコン窒化膜とから成り、シリコン酸化膜とシリコ
ン窒化膜との屈折率の違いおよび光学的バンドギャップ
の違いを利用したことを特徴とする。
(3)また本発明に係るSOI基板は、前項(1)の絶縁
膜の形成方法を用いて形成された、シリコン酸化膜とシ
リコン窒化膜とから成る複合絶縁膜上にシリコンを結晶
成長させたことを特徴とする。
[作用] 本発明の原理を、本発明の一実施例を示す第1図を藉
りて説明する。
(1)工程1、同図(a)参照 基板1上にNH基を含むシリコン窒化膜2を形成する。
シリコン窒化膜2を遮水性膜3で被覆し、遮水性膜3
を所定のパターンにパターニングする。
(2)工程2、同図(b)、(c)参照 H2Oを含む雰囲気中に曝す。
遮水性膜3で被覆されていない部分のシリコン窒化膜
2の表面は、H2Oを含む雰囲気と直に接する。この結
果、シリコン窒化膜2中のNH基と雰囲気中のOH基とが置
換し、遮水性膜3で被覆されていない部分のシリコン窒
化膜2がOH基を含むシリコン酸化膜4a,4bに変容する。
(3)工程3、同図(b),(c)参照 上述の雰囲気から取り出し、遮水性膜3を剥離する。
以上の各工程を経て、本発明による複合絶縁膜が完成
する。
本発明は、従来のような2層形成膜とは異なり、本質
的に1層膜から複合絶縁膜を形成している。したがっ
て、第1図(c)に示すようにシリコン酸化膜4a,4bと
シリコン窒化膜2との境界に段差(凹凸)が生じること
がなく、表面が同一平面に形成される。
[実施例] 第1図は、本発明の一実施例の各工程を示す図であ
る。
以下、工程順に説明する。
(1)工程1、同図(a)参照 基板1上にNH基を含むシリコン窒化膜(SiN:H)2を
形成する。成膜温度は、200℃以下とする。
SiN:H膜2の形成条件の1例を次に示す。
堆積方法 : プラズマCVD法 ガス : SiH4=200sccm NH3=120sccm 基板温度 : 180℃ RFパワー: 50W シリコン窒化膜2を、例えばレジストなどから成る遮
水性膜3で被覆し、遮水性膜3を所定のパターンにパタ
ーニングする。
(2)工程2、同図(b)、(c)参照 H2Oを含む雰囲気中に曝す。
遮水性膜3で被覆されていない部分のシリコン窒化膜
2の表面は、H2Oを含む雰囲気と直に接する。この結
果、シリコン窒化膜2中のNH基と雰囲気のOH基とが置換
し、遮水性膜3で被覆されていない部分のシリコン窒化
膜2がOH基を含むシリコン酸化膜(SiO2:H)4a,4bに変
容する。
このメカニズムを実測値に基づいて説明する。
第2図は、赤外線吸収スペクトルを示す図である。実
線はSiN:H膜の特性であり、破線はシリコン酸化膜SiO:H
膜の特性である。
同図から、SiN:H膜は、H2Oを含む雰囲気中に曝される
と、ω=840cm-1付近にあるSiNの吸収とω=3400cm-1
近に現れるNHに基づく吸収がなくなり、代わりにω=11
00cm-1付近にSiOに基づく吸収とω=3400cm-1付近にOH
に基づく吸収が現れている。
これは、NH基を含むSiN:H膜をH2Oを含む雰囲気中に曝
すと、SiN:H膜中からNが出て行き、代わりにOが膜中
に入って来て、SiN:H膜がSiO2:H膜に変容することを示
している。
(3)工程3、同図(b),(c)参照 上述の雰囲気中から取り出し、遮水性膜3を剥離す
る。
基板1上にシリコン酸化膜(SiO2:H)4a、シリコン窒
化膜(SiN:H)2,およびシリコン酸化膜(SiO2:H)4bが
隣接して形成された複合絶縁膜が完成する。
シリコン酸化膜(SiO2:H)4a、4bとシリコン窒化膜
(SiN:H)2との境界に段差(凸凹)がなく、表面が同
一平面に形成されていることがわかる。
この複合絶縁膜は、このまま光学フィルタとして使用
することができるが、膜形成後に300℃以上の温度で熱
処理を行ってOH基を除去することにより、絶縁性をさら
に高めることができる。
複合絶縁膜をSOIの下地絶縁膜として使用する場合、
シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とから成るパターンを
適当に形成することにより、結晶成長の核形成サイトの
位置を人工的に制御することが可能となるので、結晶粒
界の位置を所定の場所に形成することが可能になる。
本発明による複合絶縁膜は、シリコン酸化膜およびシ
リコン窒化膜から成る任意のパターンを形成することが
できるが、1例として、パッチワーク状に形成した例を
第3図に示す。同図において、31は基板、32はSiO2:H
膜、33はSiN:H膜である。
[発明の効果] 本発明によれば、異種の絶縁膜を任意のパターンに、
かつ表面を同一平面に形成することができる。
したがって、光学フィルタとして用いる場合、微細領
域用フィルタとして、任意の場所に所定の波長を持った
光を照射することが可能になる。また、SOI基板の下地
絶縁膜として用いた場合、結晶成長させたシリコン層の
表面の平坦性が極めて良好であるので、結晶成長後のま
まで素子形成に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す図、 第2図は赤外線吸収スペクトルを示す図、 第3図はパッチワーク状に形成した例を示す図、 第4図は従来例を示す図 である。 第1図において 1:基板 2:SiN:H膜 3:遮水性膜 4:SiO2:H膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−53960(JP,A) 特開 平3−68141(JP,A) 特開 昭59−8341(JP,A) 特開 昭59−177935(JP,A) 特開 昭57−152162(JP,A) 特開 平4−35081(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/316 H01L 21/318 G02B 5/20 H01L 27/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上にシリコン酸化膜とシリコン窒化膜
    とを相互に隣接した任意のパターンに形成する複合絶縁
    膜の形成方法であって、 基板上にNH基を含むシリコン窒化膜を形成する工程と、 シリコン窒化膜を遮水性膜で被覆し、遮水性膜を所定の
    パターンにパターニングする工程と、 パターニングされた遮水性膜で被覆されたシリコン窒化
    膜をH2Oを含む雰囲気中に曝し、遮水性膜で被覆されて
    いない部分のシリコン窒化膜の表面がH2Oを含む雰囲気
    に直に接するようにして、シリコン窒化膜を酸化するこ
    とによりシリコン酸化膜を形成する工程と、 を含むことを特徴とする絶縁膜の形成方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の絶縁膜の形成方法を用いて
    形成された、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とから成
    り、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との屈折率の違い
    および光学的バンドギャップの違いを利用した ことを特徴とする光学フィルタ。
  3. 【請求項3】請求項1記載の絶縁膜の形成方法を用いて
    形成された、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とから成
    る複合絶縁膜上にシリコンを結晶成長させた ことを特徴とするSOI基板。
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