JP2993990B2 - 帯状焼結体の製造方法及び製造設備 - Google Patents
帯状焼結体の製造方法及び製造設備Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、粉末圧延によって圧粉した成形体を焼結し
て帯状焼結体を製造する方法及び製造設備に関する。
て帯状焼結体を製造する方法及び製造設備に関する。
[従来の技術] 粉末原料から所定の形状をもった製品を得る方法とし
て、プレス成形を始めとして各種方法が従来から採用さ
れている。なかでも、粉末圧延は、帯状の成形体を連続
的に効率よく製造する方法として量産化に適したもので
ある。
て、プレス成形を始めとして各種方法が従来から採用さ
れている。なかでも、粉末圧延は、帯状の成形体を連続
的に効率よく製造する方法として量産化に適したもので
ある。
粉末圧延では、一般的に、互いに水平或いは斜めに設
けられた一対の圧延ロールの上方に粉末原料を収容する
ホッパーを配置し、このホッパーからロールギャップに
粉末原料を流し込み、圧延ロールで圧粉して帯状の成形
体としている。
けられた一対の圧延ロールの上方に粉末原料を収容する
ホッパーを配置し、このホッパーからロールギャップに
粉末原料を流し込み、圧延ロールで圧粉して帯状の成形
体としている。
このとき、ロールギャップに流し込まれた粉末原料
は、流動性があるため、圧延ロールの側方に流出しやす
い。そのため、ロールギャップのロール軸方向端部では
粉末原料の供給量が不足しがちな状態になり、製造され
た帯状成形体の両端部に密度低下や板厚低下が生じる原
因となる。また、ロールギャップからの粉末原料の流出
が著しい場合、成形自体が不可能になることもある。
は、流動性があるため、圧延ロールの側方に流出しやす
い。そのため、ロールギャップのロール軸方向端部では
粉末原料の供給量が不足しがちな状態になり、製造され
た帯状成形体の両端部に密度低下や板厚低下が生じる原
因となる。また、ロールギャップからの粉末原料の流出
が著しい場合、成形自体が不可能になることもある。
そこで、粉末原料の側方への流出を防止することが必
要であり、従来から種々の提案が行われている。たとえ
ば、一方の圧延ロールのバレル端部にフランジを設ける
方法,圧延ロールの両バレル端部に更に一対の押えロー
ルを配置する方法,圧延ロールを凹及び凸のカリバーロ
ールとする方法、サイド堰によって側方への粉末原料の
流出を阻止する方法等が知られている。
要であり、従来から種々の提案が行われている。たとえ
ば、一方の圧延ロールのバレル端部にフランジを設ける
方法,圧延ロールの両バレル端部に更に一対の押えロー
ルを配置する方法,圧延ロールを凹及び凸のカリバーロ
ールとする方法、サイド堰によって側方への粉末原料の
流出を阻止する方法等が知られている。
しかしながら、これらの方法によっても、側方への粉
末原料の流出を完全に防止することは、実際的には困難
である。その結果、粉末圧延機から送り出された帯状成
形体の両端部には、密度低下,板厚不足等の何等かの欠
陥が発生することが避けられない。また、帯状成形体の
両端部は、大なり小なり波打った形状になる。
末原料の流出を完全に防止することは、実際的には困難
である。その結果、粉末圧延機から送り出された帯状成
形体の両端部には、密度低下,板厚不足等の何等かの欠
陥が発生することが避けられない。また、帯状成形体の
両端部は、大なり小なり波打った形状になる。
このため、圧延された帯状成形体から幅方向に均一な
特性をもつ帯状焼結体を得るためには、欠陥のある両端
部を除去した後で製品とする必要がある。このようなこ
とから、帯状成形体を焼結した後で不均質な両端部を除
去し、製品とすることが従来から行われていた。
特性をもつ帯状焼結体を得るためには、欠陥のある両端
部を除去した後で製品とする必要がある。このようなこ
とから、帯状成形体を焼結した後で不均質な両端部を除
去し、製品とすることが従来から行われていた。
[発明が解決しようとする課題] 欠陥が含まれている両端部を焼結体から除去すると
き、次のような問題がある。
き、次のような問題がある。
密度の低い成形体の両端部は、圧延ロール間を通過す
るときに受ける力が充分に働かず、充分に圧粉された状
態になっていない。そのため、両端部は極めて脆い状態
にあり、焼結段階での固化が始まる前に欠け落ちたり粉
末の脱落が生じていた。このような欠け落ちや脱落があ
ると、帯状成形体の端部は、一層不規則な形状になる。
その結果、焼結後のトリミング代が大きくなり、歩留り
が大幅に低下する。また、欠け落ちた成形体の小片や脱
落した粉末が、焼結炉内のトレイやベルト上で焼結され
て焼き付き、トレイ,ベルト等の炉内部品を大きく損耗
させる原因となっていた。
るときに受ける力が充分に働かず、充分に圧粉された状
態になっていない。そのため、両端部は極めて脆い状態
にあり、焼結段階での固化が始まる前に欠け落ちたり粉
末の脱落が生じていた。このような欠け落ちや脱落があ
ると、帯状成形体の端部は、一層不規則な形状になる。
その結果、焼結後のトリミング代が大きくなり、歩留り
が大幅に低下する。また、欠け落ちた成形体の小片や脱
落した粉末が、焼結炉内のトレイやベルト上で焼結され
て焼き付き、トレイ,ベルト等の炉内部品を大きく損耗
させる原因となっていた。
また、焼結後に硬度が高くなる材料を製造する場合、
トリミング作業に使用される工具の損耗も大きなもので
あった。更に、トリミングによって製品から分離された
部分は、スクラップとして処理する以外に使用する途は
なく、粉末原料の有効使用率が低いものであった。とこ
ろが、この種の粉末原料は、通常の塊状原料に比較して
通常高価な原料であり、この有効利用が図られていない
ために、得られた焼結体のコストを上昇させることにな
る。
トリミング作業に使用される工具の損耗も大きなもので
あった。更に、トリミングによって製品から分離された
部分は、スクラップとして処理する以外に使用する途は
なく、粉末原料の有効使用率が低いものであった。とこ
ろが、この種の粉末原料は、通常の塊状原料に比較して
通常高価な原料であり、この有効利用が図られていない
ために、得られた焼結体のコストを上昇させることにな
る。
本発明は、このような焼結体製造上の問題を解消すべ
く案出されたものであり、焼結前の帯状成形体をトリミ
ングして幅方向両端部にある粉末原料の供給不足部を除
去することによって、トリミング工具の損耗や焼結炉内
の部品の損耗等を防止すると共に、幅方向に関して板厚
及び密度比が均一化された帯状焼結体の製造を可能と
し、効率的でコスト的にも優れた製造設備を提供するこ
とを目的とする。
く案出されたものであり、焼結前の帯状成形体をトリミ
ングして幅方向両端部にある粉末原料の供給不足部を除
去することによって、トリミング工具の損耗や焼結炉内
の部品の損耗等を防止すると共に、幅方向に関して板厚
及び密度比が均一化された帯状焼結体の製造を可能と
し、効率的でコスト的にも優れた製造設備を提供するこ
とを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の製造方法は、その目的を達成するため、粉末
圧延機によって粉末原料を帯状成形体に粉末圧延し、前
記粉末圧延機の出側に配置されたサイドトリマーによっ
て前記帯状成形体の幅方向両端部にある粉末原料の供給
不足部を連続的にトリミングし、次いで帯状成形体を焼
結することを特徴とする。
圧延機によって粉末原料を帯状成形体に粉末圧延し、前
記粉末圧延機の出側に配置されたサイドトリマーによっ
て前記帯状成形体の幅方向両端部にある粉末原料の供給
不足部を連続的にトリミングし、次いで帯状成形体を焼
結することを特徴とする。
ここで、帯状成形体の搬送方向に沿って配置したサイ
ドトリマーによって、前記帯状成形体の両端部から段階
的にトリミングすることができる。また、トリミングに
よって帯状成形体から切り落とされた除去物を回収し、
該除去物を解砕又は粒度調整して再生粉末を得、該再生
粉末を粉末原料の一部として粉末圧延機に供給すること
が好ましい。
ドトリマーによって、前記帯状成形体の両端部から段階
的にトリミングすることができる。また、トリミングに
よって帯状成形体から切り落とされた除去物を回収し、
該除去物を解砕又は粒度調整して再生粉末を得、該再生
粉末を粉末原料の一部として粉末圧延機に供給すること
が好ましい。
また、本発明の製造設備は、粉末原料を帯状成形体に
圧延する粉末圧延機と、該粉末圧延機で圧延された帯状
成形体を焼結する連続焼結炉と、前記粉末圧延機と前記
連続焼結炉とを結び帯状成形体を連続的に前記連続焼結
炉に搬送する搬送ラインと、該搬送ラインの途中に設け
られ、帯状成形体の幅方向端部にある粉末原料の供給不
足部を除去するサイドトリマーとを備えていることを特
徴とする。
圧延する粉末圧延機と、該粉末圧延機で圧延された帯状
成形体を焼結する連続焼結炉と、前記粉末圧延機と前記
連続焼結炉とを結び帯状成形体を連続的に前記連続焼結
炉に搬送する搬送ラインと、該搬送ラインの途中に設け
られ、帯状成形体の幅方向端部にある粉末原料の供給不
足部を除去するサイドトリマーとを備えていることを特
徴とする。
また、帯状成形体の両端部からトリミングを段階的に
行うように、搬送ラインに沿って複数個のサイドトリマ
ーを配置しても良い。
行うように、搬送ラインに沿って複数個のサイドトリマ
ーを配置しても良い。
[作用] 粉末圧延機から送り出された帯状成形体は、粉末原料
が圧粉された、いわゆるグリーンの状態にある。このグ
リーンの帯状成形体は、単に原料粒子相互が物理的な力
等によって集合しているものであるため、僅かな力で容
易に分離或いは切断できる。そこで、本発明において
は、グリーン状態の帯状成形体に対してトリミングを行
うことによって、トリミング作業を容易にすると共に、
成形体から分離・脱落し易くしかも製品の一部とならな
い欠陥を含む両端部が焼結炉に持ち込まれることがなく
なる。このトリミングは、粉末圧延機から焼結炉に帯状
成形体を連続的に搬送する場合、或いは帯状成形体を一
旦コイル状に巻き取った後で焼結する場合の何れにおい
ても行うことができる。すなわち、焼結前に両端部を除
去する限り、トリミングが容易に行われ、且つトラブル
を発生し易い両端部が焼結炉に持ち込まれることがなく
なる。また、焼結後の高硬度の焼結体を所定の最終形状
に仕上げるとき、作業負担が軽減される。
が圧粉された、いわゆるグリーンの状態にある。このグ
リーンの帯状成形体は、単に原料粒子相互が物理的な力
等によって集合しているものであるため、僅かな力で容
易に分離或いは切断できる。そこで、本発明において
は、グリーン状態の帯状成形体に対してトリミングを行
うことによって、トリミング作業を容易にすると共に、
成形体から分離・脱落し易くしかも製品の一部とならな
い欠陥を含む両端部が焼結炉に持ち込まれることがなく
なる。このトリミングは、粉末圧延機から焼結炉に帯状
成形体を連続的に搬送する場合、或いは帯状成形体を一
旦コイル状に巻き取った後で焼結する場合の何れにおい
ても行うことができる。すなわち、焼結前に両端部を除
去する限り、トリミングが容易に行われ、且つトラブル
を発生し易い両端部が焼結炉に持ち込まれることがなく
なる。また、焼結後の高硬度の焼結体を所定の最終形状
に仕上げるとき、作業負担が軽減される。
以下、図面を参照しながら、本発明を具体的に説明す
る。
る。
本発明に従った製造設備の一例を、第1図に概略的に
示す。この設備においては、粉末圧延機1と連続焼結炉
2が搬送ライン3で結ばれており、搬送ライン3の途中
にサイドトリマー4が配置されている。粉末圧延機1で
圧粉された帯状成形体5は、欠陥を含んだ両端部がサイ
ドトリマー4で切り落とされた後、連続焼結炉2に連続
的に送り込まれる。そして、連続焼結炉2で焼結された
後、帯状焼結体6として搬出される。
示す。この設備においては、粉末圧延機1と連続焼結炉
2が搬送ライン3で結ばれており、搬送ライン3の途中
にサイドトリマー4が配置されている。粉末圧延機1で
圧粉された帯状成形体5は、欠陥を含んだ両端部がサイ
ドトリマー4で切り落とされた後、連続焼結炉2に連続
的に送り込まれる。そして、連続焼結炉2で焼結された
後、帯状焼結体6として搬出される。
サイドトリマー4としては、従来の鋼板製造ラインに
組み込まれているスリッター式を始めとして各種のもの
が使用可能である。しかし、粉末原料が圧粉されただけ
の帯状成形体5は、元来強度が小さなものである。その
ため、応力が発生する方法でトリミングすると、帯状成
形体5にクラックや破断等が生じる。そこで、この点を
考慮して、帯状成形体5に対する荷重負荷が小さい研削
に類似したトリミング方法が適している。
組み込まれているスリッター式を始めとして各種のもの
が使用可能である。しかし、粉末原料が圧粉されただけ
の帯状成形体5は、元来強度が小さなものである。その
ため、応力が発生する方法でトリミングすると、帯状成
形体5にクラックや破断等が生じる。そこで、この点を
考慮して、帯状成形体5に対する荷重負荷が小さい研削
に類似したトリミング方法が適している。
たとえば、帯状成形体5の両側に所定の間隔をもって
1組の円柱状の回転工具を配置し、この回転工具を帯状
成形体5の両端部に当ててトリミングする方法を採用す
ることができる。このとき、回転工具は、帯状成形体5
の円滑に連続焼結炉2に搬送する上から、粉末圧延機1
から帯状成形体5を押し出すような方向に回転させるこ
とが好ましい。
1組の円柱状の回転工具を配置し、この回転工具を帯状
成形体5の両端部に当ててトリミングする方法を採用す
ることができる。このとき、回転工具は、帯状成形体5
の円滑に連続焼結炉2に搬送する上から、粉末圧延機1
から帯状成形体5を押し出すような方向に回転させるこ
とが好ましい。
また、帯状成形体5の端部からトリミングする量が大
きな場合には、2組以上の複数のサイドトリマー4を搬
送ライン3に沿って直列的に配置し、最終的にトリミン
グする量を複数回に分割して、それぞれのサイドトリマ
ー4で段階的にトリミングすることが好ましい。これに
よって、1回にトリミングする量が小さくなり、帯状成
形体5に加わる荷重の増加が抑えられる。これに反し、
1回で過大なトリミングを行うと、研削荷重が大きくな
り、帯状成形体5に不要な応力が加わって、破断,亀裂
等の欠陥が発生し易くなる。
きな場合には、2組以上の複数のサイドトリマー4を搬
送ライン3に沿って直列的に配置し、最終的にトリミン
グする量を複数回に分割して、それぞれのサイドトリマ
ー4で段階的にトリミングすることが好ましい。これに
よって、1回にトリミングする量が小さくなり、帯状成
形体5に加わる荷重の増加が抑えられる。これに反し、
1回で過大なトリミングを行うと、研削荷重が大きくな
り、帯状成形体5に不要な応力が加わって、破断,亀裂
等の欠陥が発生し易くなる。
更に、1回のトリミングする帯状成形体5の端部から
の幅に比較して、回転工具の半径を大きくすることが好
ましい。この半径が過小であると、工具に対する帯状成
形体5の噛込みが悪くなり、粉末圧延機1から帯状成形
体5を搬送するときの阻害要因となる。その結果、良好
なトリミングが行われないことは勿論として、帯状成形
体5の破断を引き起こすことにもなる。
の幅に比較して、回転工具の半径を大きくすることが好
ましい。この半径が過小であると、工具に対する帯状成
形体5の噛込みが悪くなり、粉末圧延機1から帯状成形
体5を搬送するときの阻害要因となる。その結果、良好
なトリミングが行われないことは勿論として、帯状成形
体5の破断を引き起こすことにもなる。
回転工具としては、砥石を使用することができる。し
かし、帯状成形体5は粉末原料を機械的に圧粉したもの
に過ぎないので、研削は元来極めて容易であり、ハイス
等の金属工具や超硬工具等を使用することが充分可能で
ある。これら金属工具や超硬工具は、砥石のように砥粒
が発生し、トリミングによって帯状成形体5から分離さ
れた除去物に混入することが極めて少ない。この点で、
除去物を回収し粉末圧延の材料として再利用する場合に
は、砥石よりも好ましい工具といえる。
かし、帯状成形体5は粉末原料を機械的に圧粉したもの
に過ぎないので、研削は元来極めて容易であり、ハイス
等の金属工具や超硬工具等を使用することが充分可能で
ある。これら金属工具や超硬工具は、砥石のように砥粒
が発生し、トリミングによって帯状成形体5から分離さ
れた除去物に混入することが極めて少ない。この点で、
除去物を回収し粉末圧延の材料として再利用する場合に
は、砥石よりも好ましい工具といえる。
トリミングによって帯状成形体5から分離した除去物
は、小片状又は粉末状になる。なお、回転工具を使用し
たトリミングにあっては、大半が粉末状の除去物とな
る。この除去物は、サイドトリマー4の近傍に配置した
適宜の吸引装置等の集塵機によって容易に回収すること
ができる。このとき、回転工具を使用したトリミングで
帯状成形体5から分離された除去物は、そのほとんどが
元の粉末状態に戻るので、篩等を使用して粉度調整する
ことによって、粉末圧延の原料として再利用できるもの
となる。また、小片状の除去物であっても、粒子相互が
単に物理的に集合したグリーンの状態にあるため、軽度
の解砕処理によって元の粉末状態に戻すことができる。
は、小片状又は粉末状になる。なお、回転工具を使用し
たトリミングにあっては、大半が粉末状の除去物とな
る。この除去物は、サイドトリマー4の近傍に配置した
適宜の吸引装置等の集塵機によって容易に回収すること
ができる。このとき、回転工具を使用したトリミングで
帯状成形体5から分離された除去物は、そのほとんどが
元の粉末状態に戻るので、篩等を使用して粉度調整する
ことによって、粉末圧延の原料として再利用できるもの
となる。また、小片状の除去物であっても、粒子相互が
単に物理的に集合したグリーンの状態にあるため、軽度
の解砕処理によって元の粉末状態に戻すことができる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1 本実施例で採用した製造設備は、第2図及び第3図に
示すように、粉末圧延機1と連続焼結炉2とを結ぶ搬送
ライン3の途中にサイドトリマー4が配置されている。
粉末圧延機1で成形された帯状成形体5は、ピンチロー
ル7を通過した後、両端部の所定量がサイドトリマー4
で除去される。トリミングされた帯状成形体5は、この
ままの状態で連続焼結炉2に搬入され、連続的に焼結さ
れる。得られた帯状焼結体6は、巻取り機8でコイル9
に巻き取られる。
示すように、粉末圧延機1と連続焼結炉2とを結ぶ搬送
ライン3の途中にサイドトリマー4が配置されている。
粉末圧延機1で成形された帯状成形体5は、ピンチロー
ル7を通過した後、両端部の所定量がサイドトリマー4
で除去される。トリミングされた帯状成形体5は、この
ままの状態で連続焼結炉2に搬入され、連続的に焼結さ
れる。得られた帯状焼結体6は、巻取り機8でコイル9
に巻き取られる。
サイドトリマー4は、帯状成形体5の両端部が通過す
る位置に配置された円柱状の超硬工具10,11を備えてい
る。これら超硬工具10,11は、それぞれ駆動装置12,13に
連結されている。また超硬工具10,11の下方に集塵ヘッ
ド14が配置されており、超硬工具10,11で帯状成形体5
から分離された除去物を集塵装置15に導いている。
る位置に配置された円柱状の超硬工具10,11を備えてい
る。これら超硬工具10,11は、それぞれ駆動装置12,13に
連結されている。また超硬工具10,11の下方に集塵ヘッ
ド14が配置されており、超硬工具10,11で帯状成形体5
から分離された除去物を集塵装置15に導いている。
符番16は、連続焼結炉2の内部から外部にかけての周
回軌跡をとるスチールベルト16である。連続焼結炉2の
内部で、帯状成形体5は、このスチールベルト16の上面
に載置された状態で搬送される。
回軌跡をとるスチールベルト16である。連続焼結炉2の
内部で、帯状成形体5は、このスチールベルト16の上面
に載置された状態で搬送される。
粉末原料として、最大粒径150μm,平均粒径60μmの
鉄粉を使用した。また、板厚2mm,板幅200mm,密度比85%
の帯状成形体5が得られるように、粉末圧延機1の操業
条件を設定した。
鉄粉を使用した。また、板厚2mm,板幅200mm,密度比85%
の帯状成形体5が得られるように、粉末圧延機1の操業
条件を設定した。
粉末圧延機1から送り出された帯状成形体5を、3通
りの条件下で処理した後、連続焼結炉2に搬入した。
りの条件下で処理した後、連続焼結炉2に搬入した。
(A)粉末圧延機1からの帯状成形体5を、トリミング
せずに、そのまま連続焼結炉2に搬入 (B)半径16mmの超硬工具10,11を毎分3000回転の速度
で回転させて、端面から20mmの範囲にある帯状成形体5
の両端部をトリミング (C)半径25mmの超硬工具10,11を毎分2000回転の速度
で回転させて、端面から20mmの範囲にある帯状成形体5
の両端部をトリミング なお、何れの条件(A)〜(C)の下で処理された或
いは処理されなかった帯状成形体5も、連続焼結炉2で
1100℃で焼結した後で、単重約200kgのコイル9に巻き
取った。
せずに、そのまま連続焼結炉2に搬入 (B)半径16mmの超硬工具10,11を毎分3000回転の速度
で回転させて、端面から20mmの範囲にある帯状成形体5
の両端部をトリミング (C)半径25mmの超硬工具10,11を毎分2000回転の速度
で回転させて、端面から20mmの範囲にある帯状成形体5
の両端部をトリミング なお、何れの条件(A)〜(C)の下で処理された或
いは処理されなかった帯状成形体5も、連続焼結炉2で
1100℃で焼結した後で、単重約200kgのコイル9に巻き
取った。
条件(A)を採用した場合、スチールベルト16を交換
した直後にも拘らず、200kgの焼結体を製造した後のス
チールベルト16の表面には、帯状成形体5の端部から脱
落した粉末が硬く焼き付いていた。この焼付きのため、
スチールベルト16は、これ以上の使用に耐えられない状
態にあった。
した直後にも拘らず、200kgの焼結体を製造した後のス
チールベルト16の表面には、帯状成形体5の端部から脱
落した粉末が硬く焼き付いていた。この焼付きのため、
スチールベルト16は、これ以上の使用に耐えられない状
態にあった。
得られた帯状成形体5の板幅方向に関する密度比分布
及び板厚分布を、第4図に示す。第4図から明らかなよ
うに、帯状焼結体6の両端面から約20mmの領域で、密度
比及び板厚共に低下している。そのため、このままで製
品とすることができず、この20mmの領域を以後の工程で
トリミングする必要があった。
及び板厚分布を、第4図に示す。第4図から明らかなよ
うに、帯状焼結体6の両端面から約20mmの領域で、密度
比及び板厚共に低下している。そのため、このままで製
品とすることができず、この20mmの領域を以後の工程で
トリミングする必要があった。
条件(B)を採用した場合、得られた帯状焼結体6
は、板幅方向に均一な密度比分布及び板厚分布をもって
いた。しかし、製造開始後しばらくして、サイドトリマ
ー4近傍で帯状成形体5の円滑な送りができず、粉末圧
延機1の出側で帯状成形体5が破断し、製造ラインを止
めざるをえない状態となった。
は、板幅方向に均一な密度比分布及び板厚分布をもって
いた。しかし、製造開始後しばらくして、サイドトリマ
ー4近傍で帯状成形体5の円滑な送りができず、粉末圧
延機1の出側で帯状成形体5が破断し、製造ラインを止
めざるをえない状態となった。
条件(C)を採用した場合、問題なく焼結を行うこと
ができ、約200kgのコイル9を製造することができた。
また、製造後のスチールベルト16を観察したところ、ベ
ルト表面に対する粉末の焼付きをほとんど検出すること
ができず、スチールベルト16を含めて製造設備はそのま
まの状態で再稼働することができた。
ができ、約200kgのコイル9を製造することができた。
また、製造後のスチールベルト16を観察したところ、ベ
ルト表面に対する粉末の焼付きをほとんど検出すること
ができず、スチールベルト16を含めて製造設備はそのま
まの状態で再稼働することができた。
この条件(C)の下で製造された帯状焼結体の板幅方
向に関する密度比分布及び板厚分布を、第5図に示す。
第5図から明らかなように、帯状焼結体の板幅方向全域
にわたり、密度比及び板厚共に均一であった。そのた
め、得られた帯状焼結体は、トリミングを施す必要な
く、このままで製品とすることができた。
向に関する密度比分布及び板厚分布を、第5図に示す。
第5図から明らかなように、帯状焼結体の板幅方向全域
にわたり、密度比及び板厚共に均一であった。そのた
め、得られた帯状焼結体は、トリミングを施す必要な
く、このままで製品とすることができた。
また、集塵装置15に回収されたトリミングの除去物を
150μmの篩で分級したところ、回収物の約90%は、150
μm以下の粉末状であった。この回収粉末を、このまま
で粉末圧延機1に装入される粉末原料として再利用する
ことができた。
150μmの篩で分級したところ、回収物の約90%は、150
μm以下の粉末状であった。この回収粉末を、このまま
で粉末圧延機1に装入される粉末原料として再利用する
ことができた。
実施例2 実施例1と同様にして、粉末圧延によって帯状成形体
を製造し、端面から20mmの領域にある帯状成形体の両端
部をトリミングした。
を製造し、端面から20mmの領域にある帯状成形体の両端
部をトリミングした。
使用したサイドトリマーとしては、実施例1と同じ半
径16mmの超硬工具を装着したものを搬送ラインに沿って
2組直列に配置した。そして、1組目の超硬工具で12m
m、2組目の超硬工具で8mm、合計20mmのトリミングを段
階的に行った。その結果、1組目だけの超硬工具を配置
した場合[前掲の条件(A)に相当]には帯状成形体の
送りを円滑に行うことができなかったものが、超硬工具
の2段配置によって帯状成形体を円滑に連続焼結炉に送
り込むことができた。また、得られた帯状成形体も、第
5図の場合と同様に均一な密度分布及び板厚分布をもつ
ものであった。
径16mmの超硬工具を装着したものを搬送ラインに沿って
2組直列に配置した。そして、1組目の超硬工具で12m
m、2組目の超硬工具で8mm、合計20mmのトリミングを段
階的に行った。その結果、1組目だけの超硬工具を配置
した場合[前掲の条件(A)に相当]には帯状成形体の
送りを円滑に行うことができなかったものが、超硬工具
の2段配置によって帯状成形体を円滑に連続焼結炉に送
り込むことができた。また、得られた帯状成形体も、第
5図の場合と同様に均一な密度分布及び板厚分布をもつ
ものであった。
[発明の効果] 以上に説明したように、本発明においては、焼結前の
グリーンな状態にある帯状成形体をトリミングして幅方
向両端部にある粉末原料の供給不足部を除去しているの
で、トリミングが容易なことは勿論、粉末原料の供給不
足に起因した低密度,板厚不良等の欠陥がなく、幅方向
に関して密度比及び板厚が均一化した帯状焼結体が製造
される。そのため、この帯状焼結体を、そのままで製品
として出荷することも可能となる。しかも、帯状成形体
から剥離して連続焼結炉の内部に落下する小片や粉末等
もないため、これらの焼付きによって炉内部品が損耗す
ることもなくなる。このように、本発明は、粉末焼結を
実用化する上で多大な効果を発揮するものである。
グリーンな状態にある帯状成形体をトリミングして幅方
向両端部にある粉末原料の供給不足部を除去しているの
で、トリミングが容易なことは勿論、粉末原料の供給不
足に起因した低密度,板厚不良等の欠陥がなく、幅方向
に関して密度比及び板厚が均一化した帯状焼結体が製造
される。そのため、この帯状焼結体を、そのままで製品
として出荷することも可能となる。しかも、帯状成形体
から剥離して連続焼結炉の内部に落下する小片や粉末等
もないため、これらの焼付きによって炉内部品が損耗す
ることもなくなる。このように、本発明は、粉末焼結を
実用化する上で多大な効果を発揮するものである。
第1図は本発明に従った設備構成の一例を示し、第2図
は本発明の第1実施例で使用した製造設備を示し、第3
図は第2図の設備を側面からみた図、第4図はトリミン
グをせずに焼結した場合の焼結体の板幅方向に関する密
度比分布及び板厚分布を表したグラフ、第5図はトリミ
ングした帯状成形体を焼結して得られた帯状焼結体の板
幅方向に関する密度比分布及び板厚分布を表したグラフ
である。 1……粉末圧延機、2……連続焼結炉 3……搬送ライン、4……サイドトリマー 5……帯状成形体、6……帯状焼結体 7……ピンチロール、8……巻取り機 9……コイル、10,11……超硬工具 12,13……駆動装置、14……集塵ヘッド 15……集塵装置、16……スチールベルト
は本発明の第1実施例で使用した製造設備を示し、第3
図は第2図の設備を側面からみた図、第4図はトリミン
グをせずに焼結した場合の焼結体の板幅方向に関する密
度比分布及び板厚分布を表したグラフ、第5図はトリミ
ングした帯状成形体を焼結して得られた帯状焼結体の板
幅方向に関する密度比分布及び板厚分布を表したグラフ
である。 1……粉末圧延機、2……連続焼結炉 3……搬送ライン、4……サイドトリマー 5……帯状成形体、6……帯状焼結体 7……ピンチロール、8……巻取り機 9……コイル、10,11……超硬工具 12,13……駆動装置、14……集塵ヘッド 15……集塵装置、16……スチールベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 面迫 浩次 広島県呉市昭和町11番1号 日新製鋼株 式会社鉄鋼研究所内 (56)参考文献 特開 平1−312005(JP,A) 特開 昭55−122804(JP,A) 特開 昭55−62104(JP,A) 特公 昭38−8953(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22F 3/18
Claims (5)
- 【請求項1】粉末圧延機によって粉末原料を帯状成形体
に粉末圧延し、前記粉末圧延機の出側に配置されたサイ
ドトリマーによって前記帯状成形体の幅方向両端部にあ
る粉末原料の供給不足部を連続的にトリミングし、次い
で帯状成形体を焼結することを特徴とする帯状焼結体の
製造方法。 - 【請求項2】請求項1記載のトリミングが、帯状成形体
の搬送方向に沿って配置したサイドトリマーによって、
前記帯状成形体の両端部から段階的に行われることを特
徴とする帯状焼結体の製造方法。 - 【請求項3】請求項1記載のトリミングによって帯状成
形体から切り落とされた除去物を回収し、該除去物を解
砕又は粒度調整して再生粉末を得、該再生物を粉末原料
の一部として粉末圧延機に供給することを特徴とする帯
状焼結体の製造方法。 - 【請求項4】粉末原料を帯状成形体に圧延する粉末圧延
機と、該粉末圧延機で圧延された帯状成形体を焼結する
連続焼結炉と、前記粉末圧延機と前記連続焼結炉とを結
び帯状成形体を連続的に前記連続焼結炉に搬送する搬送
ラインと、該搬送ラインの途中に設けられ、帯状成形体
の幅方向端部にある粉末原料の供給不足部を除去するサ
イドトリマーとを備えていることを特徴とする帯状焼結
体の製造設備。 - 【請求項5】請求項4記載のサイドトリマーが、帯状成
形体の両端部からトリミングを段階的に行うように、搬
送ラインに沿って複数個配置されていることを特徴とす
る帯状焼結体の製造設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2043681A JP2993990B2 (ja) | 1990-02-22 | 1990-02-22 | 帯状焼結体の製造方法及び製造設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2043681A JP2993990B2 (ja) | 1990-02-22 | 1990-02-22 | 帯状焼結体の製造方法及び製造設備 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03247705A JPH03247705A (ja) | 1991-11-05 |
JP2993990B2 true JP2993990B2 (ja) | 1999-12-27 |
Family
ID=12670583
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2043681A Expired - Lifetime JP2993990B2 (ja) | 1990-02-22 | 1990-02-22 | 帯状焼結体の製造方法及び製造設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2993990B2 (ja) |
-
1990
- 1990-02-22 JP JP2043681A patent/JP2993990B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03247705A (ja) | 1991-11-05 |
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