JP7299579B2 - 高純度シリコンパウダの製造方法、高純度シリコンパウダおよび高純度シリコンパウダ製造システム - Google Patents

高純度シリコンパウダの製造方法、高純度シリコンパウダおよび高純度シリコンパウダ製造システム Download PDF

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Description

本発明は、高純度シリコンパウダの製造方法、高純度シリコンパウダおよび高純度シリコンパウダ製造システムに関する。
上記技術分野において、特許文献1には、シリコン微粒子の製造方法に関する技術が開示されている。
特開2011-132105号公報
しかしながら、上記文献に記載の技術では、シリコン端材を原料として高純度のシリコンパウダを効率良く製造することができなかった。
上記目的を達成するため、本発明に係るシステムは、
シリコンウエハを製造する過程において派生品または廃棄材として発生するシリコン端材から取り出したシリコンブロックからエッジを除去して、粒径が30~150mmの高純度シリコン製の玉石を作るための玉石製造用ボールミルと、
前記シリコン端材に含まれる、前記シリコンウエハの破片及び前記シリコンブロックから除去された前記エッジを粗粉砕するジョークラッシャと、
前記粗粉砕後のシリコン端材を中粉砕して、被粉砕物とするロールクラッシャと、
前記玉石と前記被粉砕物とを3:1の重量比で投入し、微粉砕処理を行う前記玉石製造用ボールミルよりも大型のパウダ製造用ボールミルと、
を備えた高純度シリコンパウダの製造システムである。
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
シリコンウエハを製造する過程において派生品または廃棄材として発生するシリコン端材から取り出したシリコンブロックから、玉石製造用ボールミルを用いて粒径が30~150mmの高純度シリコン製の玉石を作る玉石製造工程と、
前記シリコン端材に含まれる前記シリコンウエハの破片及び前記玉石製造工程で前記シリコンブロックから除去されたエッジをジョークラッシャを用いて粗粉砕する粗粉砕工程と、
前記粗粉砕後のシリコン端材をロールクラッシャを用いて中粉砕して、被粉砕物とする中粉砕工程と、
前記玉石製造用ボールミルよりも大型のパウダ製造用ボールミル前記玉石と前記被粉砕物を3:1の重量比で投入して、微粉砕処理を行う微粉砕工程と、
を含む高純度シリコンパウダの製造方法である。
本発明によれば、シリコン端材を原料として高純度シリコンパウダを効率良く製造することができる。
第1実施形態に係る高純度シリコンパウダの製造方法において、シリコンブロックから玉石が作られるまでの概要図である。 第1実施形態に係る高純度シリコンパウダの製造方法において用いる玉石製造用ボールミル(バレル研磨機)の概要図である。 第1実施形態に係る高純度シリコンパウダの製造方法において用いる玉石製造用ボールミルのポット内部を示した概要図である。 シリコン端材を粗粉砕するために用いるジョークラッシャの概要図である。 シリコン端材を中粉砕するために用いるロールクラッシャの概要図である。 シリコン端材を中粉砕するために用いるロールクラッシャのロール部分の拡大図である。 第1実施形態に係る高純度シリコンパウダの製造方法において用いるパウダ製造用ボールミルの概要図である。 第1実施形態に係る高純度シリコンパウダの製造方法において、パウダ製造用ボールミルの容器内の状態を示した説明図である。 第5実施形態に係る高純度シリコンパウダ製造システムのブロック図である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[第1実施形態]
第1実施形態の高純度シリコンパウダの製造方法について説明する。本実施形態の高純度シリコンパウダの製造方法は、玉石製造用ボールミルを用いてシリコンブロックから高純度シリコン製の玉石を作る工程と、玉石製造用ボールミルよりも大型のパウダ製造用ボールミルの容器に玉石とシリコン製被粉砕物を投入して容器を回転させる工程と、を含む。以下、2つの工程について詳細に説明する。
<玉石製造工程>
図1は、シリコンブロックから高純度シリコン製の玉石(以下「玉石」という。)が作られるまでの概要図である。図1に示されるように、玉石104は、150mm~500mm程度のシリコン製の円柱101、シリコンインゴット102(大型の角材)からハンマーで粗破砕して生成されるシリコンブロック103(150mm以下)を、玉石製造用ボールミルによりエッジ131~134を取り除くことにより生成される。シリコン製の円柱101、シリコンインゴット102は、シリコン端材100である。ここで、シリコン端材100とは、シリコンインゴットからシリコンウエハを製造する過程において、派生品または廃棄材として発生するシリコン材料を意味する。玉石を作る工程においては、シリコン端材の中からシリコンブロックの原料に適したシリコン材料を選択することができる。シリコンブロックの原料に適したシリコン端材としては、例えば、シリコンインゴットのトップおよびテール、結晶化に失敗したシリコンインゴットが挙げられる。
(シリコンブロック)
シリコン製の円柱101、シリコンインゴット102は、シリコン関連製品として要求される一定の品質を満たさない不良品であり、通常は廃棄材または派生品として扱われている。シリコン製の円柱101、シリコンインゴット102は、シリコンブロック103の原料である。シリコン製の円柱101、シリコンインゴット102は、シリコンブロック103を生成するために十分な大きさを有している。
シリコンブロック103は、シリコン製の円柱101、シリコンインゴット102をハンマー等を用いて粗破砕することにより生成される。シリコンブロック103は、150mm以下の粒径を有し、その端部にエッジ131~134を有している。シリコンブロック103のエッジ131~134が除去されると、シリコンブロック103は、玉石104となる。シリコンブロック103のエッジ131~134は、玉石製造用ボールミルを用いることによって除去される。
(玉石製造用ボールミル)
図2Aは、玉石を製造するために用いられるボールミル(バレル研磨機)の概要図である。ここではバレル研磨機を玉石製造用ボールミルとして用いている。図2Aに示されるように、バレル研磨機200は、バレル201内部に左右両端に位置する回転盤202と、回転盤202に取り付けられた4つのポット(研磨槽)を備えている。4つのポット203~206は、回転盤202の平面部分に等間隔に位置するように取り付けられている。バレル研磨機200のポット203~206は20~80Lの八角形状であり、4つのポットを備えている。ポット203~206の内容積は、20~80Lである。ポット203~206は、八角形状の断面を有している。ポット203~206にシリコンブロック103を投入することができる。
一つのポットに、5~6個のシリコンブロック103を投入して、バレル201の内部にシリコンブロック103が投入されたポット203~206をセットする。バレル研磨機200の回転盤202を回転させると、シリコンブロック103が投入されたポット203~206が公転する。ポット203~206が公転することにより、エッジ131~134は、ポット203~206の内壁と衝突が繰り返されることにより除去される。なお、バレル研磨機は、ポットの高速回転が可能であり、機械加工品のバリ除去に適した研磨機であるので、玉石製造用ボールミルとして好適に用いることができる。
図2Bは、バレル研磨処理前とバレル研磨処理後におけるポット203内部の状態を示した概要図である。図2Bに示されるように、バレル研磨処理前のシリコンブロック103は、複数のエッジ131~134を有している。ポット203が公転することにより、シリコンブロック103は、ポット203の内部でエッジ131~134が除去されて、粒径が30~150mmの玉石104となる。なお、玉石104を製造する際にシリコンブロック103から除去されたエッジ131~134は、シリコン製被粉砕物の原料となるシリコン端材として使用することができる。
このように、シリコンブロックから高純度シリコン製の玉石を作る工程では、シリコンブロック103のエッジ131~134を取ることで玉石(図2B)が生成される。玉石104を製造する際の条件は、適宜設定することができる。例えば、回転盤202の回転数を100~200rpmとし、回転時間を0.5~1.0時間に設定することができる。
玉石104は、シリコンブロック103に存在するエッジ131~134を備えていない。このため、ボールミル粉砕用のボールとして玉石104を用いれば、エッジ131~134の存在がシリコン製被粉砕物をボールミル微粉砕する際に悪影響を与えることがない。その結果、本実施形態の高純度シリコンパウダの製造方法において、得られる高純度シリコンパウダの粒径を精度よく調整することができる。
<パウダ製造工程>
この工程は、パウダ製造用ボールミルを用いて、玉石とシリコン製被粉砕物(以下「被粉砕物」という。)とを衝突させて、被粉砕物から高純度シリコンパウダを製造するステップである。
(被粉砕物)
被粉砕物は、シリコン端材を粗粉砕した後、中粉砕して製造される。被粉砕物の原料に適したシリコン端材は、シリコンウエハの破片、シリコンブロックを粗粉砕する際に発生するシリコン材料、シリコンブロックから除去されたエッジが挙げられる。
(シリコン端材の粗粉砕)
図3は、シリコン端材を粗粉砕するために用いられるジョークラッシャ300の概要図である。ジョークラッシャ300は、シリコン端材304を粗粉砕し、粒径10~30mm程度のシリコン粗粉砕物305(以下「粗粉砕物」という。)を製造する。
ジョークラッシャ300は、設置面に垂直に取り付けられた固定歯301とクランク機構302により可動する動歯303とを備えている。動歯303は、小さい振幅で前後方向に往復運動する。固定歯301と動歯303との間に形成される隙間に投入されたシリコン端材304は、固定歯301と動歯303に挟み込まれ、粗粉砕される。粗粉砕されたシリコン端材304は、粗粉砕物305となる。なお、ジョークラッシャ300によるシリコン端材304の粗粉砕は、適宜条件を設定して複数回行なってもよい。
固定歯301と動歯303は、シリコン端材304と同程度であるか、またはシリコン端材304よりも硬度の高い材質であることが好ましい。固定歯301と動歯303の硬度が高いものであれば、固定歯301、動歯303の摩耗が起こりにくく、金属不純物が混入物としてシリコンパウダに混入することがないため好ましい。固定歯301と動歯303の材質としては、アルミナ、石英等を例示することができる。
(粗粉砕物の中粉砕)
図4Aは、粗粉砕物305を中粉砕するために用いられるロールクラッシャ400の概要図である。ロールクラッシャ400は、低速度の回転で粗粉砕物305を強力に中破砕することができる。ロールクラッシャ400は、互いに逆方向に回転する回転ロール401、402を備えている。投入口403から粗粉砕物305が投入されると、粗粉砕物305は、回転ロールによって中粉砕され、粒径が1.0mm程度の被粉砕物405となる。生成された被粉砕物405は、排出管404を通過してロールクラッシャ400の底部に集積する。なお、ロールクラッシャ400による粗粉砕物305の中粉砕は、適宜条件を設定して複数回行なってもよい。
図4Bは、粗粉砕物305が中粉砕され、被粉砕物405が生成された状態を示した拡大図である。図4Bに示されるように、粗粉砕物305は、回転ロール401と回転ロール402との間に形成されたロールギャップに挟み込まれ、逆方向に回転する2本の回転ロールによる圧縮によって、中破砕され被粉砕物405となる。粗粉砕物305は、中粉砕されることにより、被粉砕物405となる。なお、被粉砕物405の粒径は、2本の回転ロールの間に形成されたロールギャップを適宜設定することによって、調整することができる。
回転ロールは、シリコン端材と同程度、またはシリコン端材よりも高い硬度を有するものであることが好ましい。回転ロールの材質が高い硬度であれば、金属不純物によるシリコンパウダのコンタミネーションを抑制することができるため好ましい。例えば、回転ロールの材質としては、アルミナ、シリコンであることが好ましい。
(パウダ製造用ボールミル)
図5は、被粉砕物を微粉砕するために用いられるパウダ製造用ボールミルの概要図である。ボールミル500は、円筒形状の容器501を備えている。ボールミル500は、容器501の両端に支柱502、503を備えている。容器501は、両端を支柱502、503により支持されている。容器501は、左端部に取り付けられた回転ベルト504が回転することにより所定方向に回転する。回転ベルト504は、駆動部505から発生する動力により回転する。容器501の側面に取り付けられたドアスコープ506から容器501の内部の状態を観察することができる。
ドアスコープ506には、網507およびカバー508を取り付けることができる。カバー508は、ドアスコープ506を覆うことができ、容器501の蓋となる。所定時間経過後、被粉砕物の微粉砕が完了した際は、カバー508を取り外し、ドアスコープ506から容器501内を観察することができる。カバー508のみを取り外し、網507をドアスコープ506に取り付けた状態とすれば、網507が篩いとなって、所定の粒径を有する高純度パウダのみを容器501から取り出すことができる。また、網507およびカバー508を取り外すことにより、容器501から玉石および製造された高純度シリコンパウダを取り出すことができる。
ボールミル500は、玉石製造用ボールミルよりも大型のボールミルである。ボールミル500を玉石製造用ボールミルよりも大型とすることにより、大量の被粉砕物を微粉砕して、高純度シリコンパウダを効率よく製造することができる。容器501の容量は、600リットル以上であることが好ましい。容器501の容量が600リットル以上であれば、1回(回転数45rpm、粉砕時間1.0時間)の粉砕処理で大量の被粉砕物を微粉砕することができるため好ましい。
容器501内に所定量の玉石104および被粉砕物405を投入し、所定の条件下においてボールミル微粉砕処理を行なうことにより高純度シリコンパウダを製造する。
(パウダ製造用ボールミルの容器内の状態)
図6は、パウダ製造用ボールミルの容器600の内部の状態を示した説明図である。容器600は、容器内張601を備えている。容器内張601は、例えばアルミナでもよい。容器内張601は、シリコン端材と同程度、またはシリコン端材よりも高い硬度を有するシリコンなどであることが好ましい。また、容器内張601を高純度シリコン製としてもよい。容器内張601を高純度シリコン製とすれば、金属不純物によるシリコンパウダのコンタミネーションを抑制することができるため好ましい。
容器600に玉石104(玉石602、603、604、605)と被粉砕物405が所定の割合で投入される。玉石104は、一定の粒径分布を有している。玉石602、603、604、605は、それぞれ異なる粒径を有している。玉石104(玉石602、603、604、605)および被粉砕物405は、共に高純度シリコンから構成されている。本実施形態の高純度シリコンパウダの製造方法は、シリコンの共摺りを利用した高純度シリコンパウダの製造方法ということができる。
容器600は、矢印602の方向に回転する。容器600が回転することにより、玉石104(玉石602、603、604、605)と被粉砕物405は、互いに衝突をする。さらに、玉石104(玉石602、603、604、605)および被粉砕物405は、容器内張601にも衝突し、摩耗する。
玉石104(玉石602、603、604、605)は、被粉砕物405および容器内張601に衝突することにより摩耗する。玉石104の粒径は、容器600の回転と共に徐々に小さくなる。摩耗した玉石104は、高純度シリコンパウダ606となる。また、被粉砕物405は、玉石104(玉石602、603、604、605)および容器内張601に衝突することにより、微粉砕されて高純度シリコンパウダ606となる。高純度シリコンパウダは、玉石104、被粉砕物405から発生する。容器内張601がシリコン製である場合には、高純度シリコンパウダは、容器内張601からも発生する。
容器600の回転数は、40~50rpmであることが好ましい。容器600の回転数を上記範囲に設定すれば、被粉砕物405の粉砕処理時間を0.5~2.0時間とすることができる。
このように、容器600内に存在する被粉砕物405は、玉石104(玉石602、603、604、605)および容器内張601との衝突を繰り返すことにより、微粉砕され、平均粒径が30~40μmの高純度シリコンパウダ606となる。
(高純度シリコンパウダの分級)
製造された高純度シリコンパウダ606は、定法に従って、篩にかけられることにより分級される。高純度シリコンパウダ606の分級は、例えば、円形篩いを用い、篩い目が50~120μmの範囲内の適切な篩いを選定することにより行なうことができる。
このように、本実施形態の高純度シリコンパウダの製造方法によれば、シリコン端材を原料として、高純度シリコンパウダを効率良く製造することができる。
[第2実施形態]
本実施形態に係る高純度シリコンパウダの製造方法は、上記実施形態と比べると、パウダ製造用ボールミルに投入される玉石の重量と、被粉砕物の重量との比率を設定している点で異なる。その他の構成および工程は、上記実施形態と同様であるためその詳しい説明を省略する。
本実施形態の高純度シリコンパウダの製造方法は、被粉砕物の重量と、玉石の重量との比率を1:3に設定している点に技術的特徴を有する。被粉砕物の重量1に対して、玉石の重量が3未満であると、被粉砕物の微粉砕が進行しないため好ましくない。一方、被粉砕物の重量1に対して、玉石の重量が3を超えると、パウダ製造用ボールミルの容器内において相対的に被粉砕物の重量が少なくなり、高純度シリコンパウダの生産効率が低下するため好ましくない。
このように、本実施形態の高純度シリコンパウダの製造方法によれば、被粉砕物の総重量と玉石の総重量との比率を調整することにより、高純度であり、かつ品質の安定したシリコンパウダを効率よく製造することができる。
被粉砕物の重量と、玉石のとの比率が1:3に設定することが好ましい。玉石の重量1に対して、被粉砕物の重量が3を超えると、被粉砕物の粉砕に時間がかかり好ましくない。
[第3実施形態]
本実施形態に係る高純度シリコンパウダの製造方法は、上記実施形態と比べると、パウダ製造用ボールミルの容器を回転させる工程において、容器内に存在している玉石の重量を一定範囲に設定している点で異なる。その他の構成および工程は、上記実施形態と同様であるためその詳しい説明を省略する。
本実施形態の高純度シリコンパウダの製造方法の容器を回転させる工程では、容器内に存在している被粉砕物の重量と玉石の重量とを合わせた総重量に対する、玉石の重量を1/4~3/4の範囲に設定している。すなわち、本実施形態の高純度シリコンパウダの製造方法は、容器内に存在している玉石の重量を一定の範囲に設定することにより、被粉砕物と衝突する玉石の重量を制御して、得られる高純度シリコンパウダの品質を安定化させることができる。
パウダ製造用ボールミルの容器を一定条件下で回転させると、容器内に存在する玉石は、容器の回転に伴い、徐々に摩耗していく。摩耗した玉石の粒径は、パウダ製造用ボールミルの容器に投入された直後の玉石の粒径よりも小さくなっている。例えば、パウダ製造用ボールミルの容器内に存在する150mm程度の粒径を有する玉石(大)は、摩耗によって、80mm程度の粒径を有する玉石(中)となる。さらに、80mm程度の粒径を有する玉石(中)は、摩耗によって、40mm程度の粒径を有する玉石(小)となり、最終的に高純度シリコンパウダとなる。
ここで、所定の条件下において製造された高純度シリコンパウダの重量は、被粉砕物と摩耗した玉石の重量の和にほぼ等しい。そこで、製造された高純度シリコンパウダの重量を測定する。そして、製造された高純度シリコンパウダの重量から投入した被粉砕物の重量を差し引いたものに相当する量を新たに補充する玉石の重量とする。新たに高純度シリコンパウダを製造する際には、パウダ製造用ボールミルに所定量の玉石を新たに補充する。このように、本実施形態の高純度シリコンパウダの製造方法は、製造された高純度シリコンパウダの排出と玉石の補充を繰り返すことによって、パウダ製造用ボールミルの容器内に存在する玉石の重量を一定に保つことができる。
具体的には、パウダ製造用ボールミルの容器に玉石300kgと被粉砕物100kgを投入して、回転数45rpm、粉砕時間1.0時間の条件下において、1回目のボールミル微粉砕を実行する。1回目のボールミル微粉砕が完了すると、パウダ製造用ボールミルの容器内に存在する玉石の重量は、1.0~2.0重量%減少する。そこで、パウダ製造用ボールミルの容器内に存在する玉石の重量を一定に保つために、パウダ製造用ボールミルの容器に減少した玉石の重量を相当する玉石3.0~6.0kgを新たに補充する。
次に、パウダ製造用ボールミルの容器を回転数45rpm、粉砕時間1.0時間の条件下において、2回目のボールミル微粉砕を実行する。2回目のボールミル微粉砕を実行すると、パウダ製造用ボールミルの容器内に存在する玉石の重量は、減少する。減少した玉石の重量を相当する玉石を新たに補充する。さらに、同一条件下において、3回目のボールミル微粉砕を実行する。3回目のボールミル微粉砕後においても、パウダ製造用ボールミルの容器内に減少した玉石の重量を相当する玉石を新たに補充する。
このように、本実施形態によれば、製造された高純度シリコンパウダの重量から投入された被粉砕物の重量を差し引いた量を新たに投入する玉石の重量とすることにより、玉石の重量を一定に保ち、製造される高純度シリコンパウダの品質を安定化できる。
容器401を回転させる工程では、容器401内に存在している被粉砕物306の重量と玉石104の重量とを合わせた総重量に対する、玉石の重量が1/4~3/4に設定することができる。
容器401内に存在している被粉砕物306の重量と玉石104の重量とを合わせた総重量に対する、玉石の重量を一定の範囲に設定することにより、被粉砕物と接触する玉石の量を制御して、シリコンパウダの品質を安定化させることができる。
[第4実施形態]
<高純度シリコンパウダ>
本実施形態は、上記実施形態の高純度シリコンパウダの製造方法により製造された高純度シリコンパウダである。製造された高純度シリコンパウダに含まれる鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)等の金属不純物の量を誘導プラズマ質量分析法により測定した。
<実施例>
本実施形態の高純度シリコンパウダを以下の条件により製造した。
(玉石の製造)
高純度シリコンインゴットを手粉砕して粒径が150mm以下のシリコンブロックを製造した。玉石用製造用ボールミルとしてバレル研磨機を用いた。バレル研磨機が備えている4つのポットにシリコンブロックを5~8個投入し、回転数150rpm、30分間の条件にてポットを公転させ、シリコンブロックをバレル研磨した。シリコンブロックは、バレル研磨により、エッジが除去された玉石となった。
(被粉砕物の製造)
高純度シリコンインゴットを手粉砕して粒径が100mm以下のシリコン端材を製造した。ジョークラッシャを用いて、シリコン端材を粗粉砕した。得られた粗粉砕物をロールクラッシャを用いて中粉砕した。中粉砕した後のシリコン端材を被粉砕物とした。ロールクラッシャのロールギャップは、1.0mmに設定した。
(高純度シリコンパウダの製造)
シリコンパウダ製造用ボールミルとして、内容積600Lのボールミルを用いた。シリコン製造用ボールミルに上記玉石300kgと、上記被粉砕物100kgを投入した。ボールミルの粉砕条件は、ボールミルの回転数45rpm、粉砕処理時間を60分間とした。上記条件にてボールミル微粉砕した後、高純度シリコンパウダを得た。
(分級条件)
ボールミル微粉砕後に得られた高純度シリコンパウダを100μmの篩い目を有する円形篩いを用いて分級した。分級後、篩下の高純度シリコンパウダを製品とした。
(高純度シリコンパウダの評価)
本実施形態の高純度シリコンパウダの平均粒径を測定した。高純度シリコンパウダの平均粒径は、D50=35μmであった。また、高純度シリコンパウダの不純物分析を高周波誘導結合プラズマ(ICP)分析法により行なった。分析結果を表1に示す。
Figure 0007299579000001

その結果、表1からも明らかなように上記実施形態で製造された高純度シリコンパウダに含まれる金属不純物の量は、約50ppmであることが判明した。すなわち、上記実施形態で製造された高純度シリコンパウダは、製造工程で発生する金属不純物を混入物として含むことがほとんどなく、シリコンウエハとほぼ同等の高品質(>99.99%の高純度)を有していることが明らかとなった。
このように本実施形態の高純度シリコンパウダは、高品質であるので、リチウム二次電池、太陽電池用溶解原料、多結晶シリコン薄膜、合金剤等の製造に好適に用いることができる。
[第5実施形態]
<高純度シリコンパウダ製造システム>
図7は、本実施形態の高純度シリコンパウダ製造システム700のブロック図である。図7に示されるように、高純度シリコンパウダ製造システム700は、玉石製造用ボールミル701と被粉砕物を製造するためのクラッシャ704と、玉石と製被粉砕物を投入するための容器を備えたパウダ製造用ボールミル702と、容器を回転させる回転部とを備えている。
シリコンブロックは、玉石製造用ボールミル701に投入され、エッジが除去されて玉石となる。玉石は、パウダ製造用ボールミル702に投入される。シリコン端材は、ジョークラッシャ741により粗粉砕物となる。粗粉砕物は、ロールクラッシャ742により中粉砕され、被粉砕物となる。被粉砕物は、パウダ製造用ボールミル702に投入される。パウダ製造用ボールミル702の容器が所定の条件下において回転することにより、高純度シリコンパウダが製造される。
このように、本実施形態の高純度シリコンパウダ製造システムによれば、シリコンブロックおよびシリコン端材を原料として、高純度シリコンパウダを製造することができる。
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の技術的範囲に含まれる。

Claims (5)

  1. シリコンウエハを製造する過程において派生品または廃棄材として発生するシリコン端材から取り出したシリコンブロックからエッジを除去して、粒径が30~150mmの高純度シリコン製の玉石を作るための玉石製造用ボールミルと、
    前記シリコン端材に含まれる、前記シリコンウエハの破片及び前記シリコンブロックから除去された前記エッジを粗粉砕するジョークラッシャと、
    前記粗粉砕後のシリコン端材を中粉砕して、被粉砕物とするロールクラッシャと、
    前記玉石と前記被粉砕物とを3:1の重量比で投入し、微粉砕処理を行う前記玉石製造用ボールミルよりも大型のパウダ製造用ボールミルと、
    を備えた高純度シリコンパウダの製造システム。
  2. シリコンウエハを製造する過程において派生品または廃棄材として発生するシリコン端材から取り出したシリコンブロックから、玉石製造用ボールミルを用いて粒径が30~150mmの高純度シリコン製の玉石を作る玉石製造工程と、
    前記シリコン端材に含まれる前記シリコンウエハの破片及び前記玉石製造工程で前記シリコンブロックから除去されたエッジをジョークラッシャを用いて粗粉砕する粗粉砕工程と、
    前記粗粉砕後のシリコン端材をロールクラッシャを用いて中粉砕して、被粉砕物とする中粉砕工程と、
    前記玉石製造用ボールミルよりも大型のパウダ製造用ボールミル前記玉石と前記被粉砕物を3:1の重量比で投入して、微粉砕処理を行う微粉砕工程と、
    を含む高純度シリコンパウダの製造方法。
  3. 前記玉石は、シリコン純度が99.99%以上である、請求項に記載の高純度シリコンパウダの製造方法。
  4. 前記玉石製造用ボールミルの容器内張が高純度シリコン製である、請求項1に記載の高純度シリコンパウダの製造システム。
  5. 前記パウダ製造用ボールミルの容器内張が高純度シリコン製である、請求項1に記載の高純度シリコンパウダの製造システム。
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