JP7299579B2 - 高純度シリコンパウダの製造方法、高純度シリコンパウダおよび高純度シリコンパウダ製造システム - Google Patents
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Description
シリコンウエハを製造する過程において派生品または廃棄材として発生するシリコン端材から取り出したシリコンブロックからエッジを除去して、粒径が30~150mmの高純度シリコン製の玉石を作るための玉石製造用ボールミルと、
前記シリコン端材に含まれる、前記シリコンウエハの破片及び前記シリコンブロックから除去された前記エッジを粗粉砕するジョークラッシャと、
前記粗粉砕後のシリコン端材を中粉砕して、被粉砕物とするロールクラッシャと、
前記玉石と前記被粉砕物とを3:1の重量比で投入し、微粉砕処理を行う前記玉石製造用ボールミルよりも大型のパウダ製造用ボールミルと、
を備えた高純度シリコンパウダの製造システムである。
シリコンウエハを製造する過程において派生品または廃棄材として発生するシリコン端材から取り出したシリコンブロックから、玉石製造用ボールミルを用いて粒径が30~150mmの高純度シリコン製の玉石を作る玉石製造工程と、
前記シリコン端材に含まれる前記シリコンウエハの破片及び前記玉石製造工程で前記シリコンブロックから除去されたエッジをジョークラッシャを用いて粗粉砕する粗粉砕工程と、
前記粗粉砕後のシリコン端材をロールクラッシャを用いて中粉砕して、被粉砕物とする中粉砕工程と、
前記玉石製造用ボールミルよりも大型のパウダ製造用ボールミルに前記玉石と前記被粉砕物を3:1の重量比で投入して、微粉砕処理を行う微粉砕工程と、
を含む高純度シリコンパウダの製造方法である。
第1実施形態の高純度シリコンパウダの製造方法について説明する。本実施形態の高純度シリコンパウダの製造方法は、玉石製造用ボールミルを用いてシリコンブロックから高純度シリコン製の玉石を作る工程と、玉石製造用ボールミルよりも大型のパウダ製造用ボールミルの容器に玉石とシリコン製被粉砕物を投入して容器を回転させる工程と、を含む。以下、2つの工程について詳細に説明する。
図1は、シリコンブロックから高純度シリコン製の玉石(以下「玉石」という。)が作られるまでの概要図である。図1に示されるように、玉石104は、150mm~500mm程度のシリコン製の円柱101、シリコンインゴット102(大型の角材)からハンマーで粗破砕して生成されるシリコンブロック103(150mm以下)を、玉石製造用ボールミルによりエッジ131~134を取り除くことにより生成される。シリコン製の円柱101、シリコンインゴット102は、シリコン端材100である。ここで、シリコン端材100とは、シリコンインゴットからシリコンウエハを製造する過程において、派生品または廃棄材として発生するシリコン材料を意味する。玉石を作る工程においては、シリコン端材の中からシリコンブロックの原料に適したシリコン材料を選択することができる。シリコンブロックの原料に適したシリコン端材としては、例えば、シリコンインゴットのトップおよびテール、結晶化に失敗したシリコンインゴットが挙げられる。
シリコン製の円柱101、シリコンインゴット102は、シリコン関連製品として要求される一定の品質を満たさない不良品であり、通常は廃棄材または派生品として扱われている。シリコン製の円柱101、シリコンインゴット102は、シリコンブロック103の原料である。シリコン製の円柱101、シリコンインゴット102は、シリコンブロック103を生成するために十分な大きさを有している。
図2Aは、玉石を製造するために用いられるボールミル(バレル研磨機)の概要図である。ここではバレル研磨機を玉石製造用ボールミルとして用いている。図2Aに示されるように、バレル研磨機200は、バレル201内部に左右両端に位置する回転盤202と、回転盤202に取り付けられた4つのポット(研磨槽)を備えている。4つのポット203~206は、回転盤202の平面部分に等間隔に位置するように取り付けられている。バレル研磨機200のポット203~206は20~80Lの八角形状であり、4つのポットを備えている。ポット203~206の内容積は、20~80Lである。ポット203~206は、八角形状の断面を有している。ポット203~206にシリコンブロック103を投入することができる。
この工程は、パウダ製造用ボールミルを用いて、玉石とシリコン製被粉砕物(以下「被粉砕物」という。)とを衝突させて、被粉砕物から高純度シリコンパウダを製造するステップである。
被粉砕物は、シリコン端材を粗粉砕した後、中粉砕して製造される。被粉砕物の原料に適したシリコン端材は、シリコンウエハの破片、シリコンブロックを粗粉砕する際に発生するシリコン材料、シリコンブロックから除去されたエッジが挙げられる。
図3は、シリコン端材を粗粉砕するために用いられるジョークラッシャ300の概要図である。ジョークラッシャ300は、シリコン端材304を粗粉砕し、粒径10~30mm程度のシリコン粗粉砕物305(以下「粗粉砕物」という。)を製造する。
図4Aは、粗粉砕物305を中粉砕するために用いられるロールクラッシャ400の概要図である。ロールクラッシャ400は、低速度の回転で粗粉砕物305を強力に中破砕することができる。ロールクラッシャ400は、互いに逆方向に回転する回転ロール401、402を備えている。投入口403から粗粉砕物305が投入されると、粗粉砕物305は、回転ロールによって中粉砕され、粒径が1.0mm程度の被粉砕物405となる。生成された被粉砕物405は、排出管404を通過してロールクラッシャ400の底部に集積する。なお、ロールクラッシャ400による粗粉砕物305の中粉砕は、適宜条件を設定して複数回行なってもよい。
図5は、被粉砕物を微粉砕するために用いられるパウダ製造用ボールミルの概要図である。ボールミル500は、円筒形状の容器501を備えている。ボールミル500は、容器501の両端に支柱502、503を備えている。容器501は、両端を支柱502、503により支持されている。容器501は、左端部に取り付けられた回転ベルト504が回転することにより所定方向に回転する。回転ベルト504は、駆動部505から発生する動力により回転する。容器501の側面に取り付けられたドアスコープ506から容器501の内部の状態を観察することができる。
図6は、パウダ製造用ボールミルの容器600の内部の状態を示した説明図である。容器600は、容器内張601を備えている。容器内張601は、例えばアルミナでもよい。容器内張601は、シリコン端材と同程度、またはシリコン端材よりも高い硬度を有するシリコンなどであることが好ましい。また、容器内張601を高純度シリコン製としてもよい。容器内張601を高純度シリコン製とすれば、金属不純物によるシリコンパウダのコンタミネーションを抑制することができるため好ましい。
製造された高純度シリコンパウダ606は、定法に従って、篩にかけられることにより分級される。高純度シリコンパウダ606の分級は、例えば、円形篩いを用い、篩い目が50~120μmの範囲内の適切な篩いを選定することにより行なうことができる。
本実施形態に係る高純度シリコンパウダの製造方法は、上記実施形態と比べると、パウダ製造用ボールミルに投入される玉石の重量と、被粉砕物の重量との比率を設定している点で異なる。その他の構成および工程は、上記実施形態と同様であるためその詳しい説明を省略する。
このように、本実施形態の高純度シリコンパウダの製造方法によれば、被粉砕物の総重量と玉石の総重量との比率を調整することにより、高純度であり、かつ品質の安定したシリコンパウダを効率よく製造することができる。
被粉砕物の重量と、玉石のとの比率が1:3に設定することが好ましい。玉石の重量1に対して、被粉砕物の重量が3を超えると、被粉砕物の粉砕に時間がかかり好ましくない。
本実施形態に係る高純度シリコンパウダの製造方法は、上記実施形態と比べると、パウダ製造用ボールミルの容器を回転させる工程において、容器内に存在している玉石の重量を一定範囲に設定している点で異なる。その他の構成および工程は、上記実施形態と同様であるためその詳しい説明を省略する。
容器401を回転させる工程では、容器401内に存在している被粉砕物306の重量と玉石104の重量とを合わせた総重量に対する、玉石の重量が1/4~3/4に設定することができる。
容器401内に存在している被粉砕物306の重量と玉石104の重量とを合わせた総重量に対する、玉石の重量を一定の範囲に設定することにより、被粉砕物と接触する玉石の量を制御して、シリコンパウダの品質を安定化させることができる。
<高純度シリコンパウダ>
本実施形態は、上記実施形態の高純度シリコンパウダの製造方法により製造された高純度シリコンパウダである。製造された高純度シリコンパウダに含まれる鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)等の金属不純物の量を誘導プラズマ質量分析法により測定した。
本実施形態の高純度シリコンパウダを以下の条件により製造した。
(玉石の製造)
高純度シリコンインゴットを手粉砕して粒径が150mm以下のシリコンブロックを製造した。玉石用製造用ボールミルとしてバレル研磨機を用いた。バレル研磨機が備えている4つのポットにシリコンブロックを5~8個投入し、回転数150rpm、30分間の条件にてポットを公転させ、シリコンブロックをバレル研磨した。シリコンブロックは、バレル研磨により、エッジが除去された玉石となった。
高純度シリコンインゴットを手粉砕して粒径が100mm以下のシリコン端材を製造した。ジョークラッシャを用いて、シリコン端材を粗粉砕した。得られた粗粉砕物をロールクラッシャを用いて中粉砕した。中粉砕した後のシリコン端材を被粉砕物とした。ロールクラッシャのロールギャップは、1.0mmに設定した。
シリコンパウダ製造用ボールミルとして、内容積600Lのボールミルを用いた。シリコン製造用ボールミルに上記玉石300kgと、上記被粉砕物100kgを投入した。ボールミルの粉砕条件は、ボールミルの回転数45rpm、粉砕処理時間を60分間とした。上記条件にてボールミル微粉砕した後、高純度シリコンパウダを得た。
ボールミル微粉砕後に得られた高純度シリコンパウダを100μmの篩い目を有する円形篩いを用いて分級した。分級後、篩下の高純度シリコンパウダを製品とした。
本実施形態の高純度シリコンパウダの平均粒径を測定した。高純度シリコンパウダの平均粒径は、D50=35μmであった。また、高純度シリコンパウダの不純物分析を高周波誘導結合プラズマ(ICP)分析法により行なった。分析結果を表1に示す。
<高純度シリコンパウダ製造システム>
図7は、本実施形態の高純度シリコンパウダ製造システム700のブロック図である。図7に示されるように、高純度シリコンパウダ製造システム700は、玉石製造用ボールミル701と被粉砕物を製造するためのクラッシャ704と、玉石と製被粉砕物を投入するための容器を備えたパウダ製造用ボールミル702と、容器を回転させる回転部とを備えている。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の技術的範囲に含まれる。
Claims (5)
- シリコンウエハを製造する過程において派生品または廃棄材として発生するシリコン端材から取り出したシリコンブロックからエッジを除去して、粒径が30~150mmの高純度シリコン製の玉石を作るための玉石製造用ボールミルと、
前記シリコン端材に含まれる、前記シリコンウエハの破片及び前記シリコンブロックから除去された前記エッジを粗粉砕するジョークラッシャと、
前記粗粉砕後のシリコン端材を中粉砕して、被粉砕物とするロールクラッシャと、
前記玉石と前記被粉砕物とを3:1の重量比で投入し、微粉砕処理を行う前記玉石製造用ボールミルよりも大型のパウダ製造用ボールミルと、
を備えた高純度シリコンパウダの製造システム。 - シリコンウエハを製造する過程において派生品または廃棄材として発生するシリコン端材から取り出したシリコンブロックから、玉石製造用ボールミルを用いて粒径が30~150mmの高純度シリコン製の玉石を作る玉石製造工程と、
前記シリコン端材に含まれる前記シリコンウエハの破片及び前記玉石製造工程で前記シリコンブロックから除去されたエッジをジョークラッシャを用いて粗粉砕する粗粉砕工程と、
前記粗粉砕後のシリコン端材をロールクラッシャを用いて中粉砕して、被粉砕物とする中粉砕工程と、
前記玉石製造用ボールミルよりも大型のパウダ製造用ボールミルに前記玉石と前記被粉砕物を3:1の重量比で投入して、微粉砕処理を行う微粉砕工程と、
を含む高純度シリコンパウダの製造方法。 - 前記玉石は、シリコン純度が99.99%以上である、請求項2に記載の高純度シリコンパウダの製造方法。
- 前記玉石製造用ボールミルの容器内張が高純度シリコン製である、請求項1に記載の高純度シリコンパウダの製造システム。
- 前記パウダ製造用ボールミルの容器内張が高純度シリコン製である、請求項1に記載の高純度シリコンパウダの製造システム。
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