JP2993760B2 - 貼り合せプリント配線板の製造法およびその製造法に使用する積層構造の当て板 - Google Patents

貼り合せプリント配線板の製造法およびその製造法に使用する積層構造の当て板

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JP2993760B2
JP2993760B2 JP3108982A JP10898291A JP2993760B2 JP 2993760 B2 JP2993760 B2 JP 2993760B2 JP 3108982 A JP3108982 A JP 3108982A JP 10898291 A JP10898291 A JP 10898291A JP 2993760 B2 JP2993760 B2 JP 2993760B2
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和則 竹口
厚志 安食
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は貼り合せプリント配線
板の製造法およびその製造法に用いる積層構造の当て板
に関するものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】貼り合せプリント配線板
は、一般に、図4Aに示すように絶縁板1の上面にプリ
プレグシート2を介してプリント配線板3を積み重ね、
上下より加熱加圧して貼り合せ一体化する方法により製
造されている。このような貼り合せプリント配線板の製
造法に使用されるプリント配線板3として両面プリント
配線板、内に回路層を有する3層以上のプリント配線
板、等を用いることができる。プリント配線板3には配
線技術上スルーホールメッキ4や加工用の予備孔等の貫
通孔5が形成してあり、加熱加圧の際にこの貫通孔5を
通じてプリプレグ樹脂が表面に流出すると云う問題があ
る。 このような問題を解決する手段として、スルーホ
ールメッキ4を有するプリント配線板側にゴム弾性体6
を重ねて用いることにより、スルーホールメッキの貫通
孔よりプリプレグ樹脂が外表面に流出することを防止す
る(特開平1−316988号公報参照)ことができる
が、ゴム弾性体が貫通孔に入り込んで凹み7が生じ、こ
の凹みは後のメッキ工程においてメッキ膜の厚みむらの
原因になったり、メッキ後の外観不良の原因になると云
った問題点がある。発明者はこのようなゴム弾性体6が
入り込むことによる凹み7を可及的に少なくすることを
目的に鋭意検討を重ね本発明をするに至った。
【0003】
【問題点を解決するための手段】この発明は、上記問題
点を解決するために、スルーホールメッキを有するプリ
ント配線板を少なくとも片面または両面に重ね合せ、全
体を加熱加圧して貼り合せ一体化する貼り合せプリント
配線板の製造法において、片面または両面に重ね合せら
れるスルーホールメッキを有するプリント配線板の表面
に、0.03mm乃至0.3mmの厚みを有するゴム弾
性体の層が貼り合せ固着一体化された積層構造の当て板
をゴム弾性体の層側と合せて積み重ね、その上下より加
圧加熱して一体に貼り合せた後、前記積層構造の当て板
を取り除くことを特徴とする貼り合せプリント配線板の
製造法に構成したのである。また、片面または両面に
0.03mm乃至0.3mmの厚みを有するゴム弾性体
の層を貼り合せ固着一体化した積層構造の当て板に構成
したのである。そしてゴム弾性体がシリコーンゴムで構
成されることを特徴とするものである。上記積層構造の
当て板はそのゴム弾性体層の弾性率が芯材の層の弾性率
に較べて小であり、ゴム弾性を有するものである。加熱
加圧の際にゴム弾性変形しスルーホールメッキの貫通
孔開口部表面の表面粗さによる凹凸の凹部に張り出す程
度のゴム弾性と0.03mm乃至0.3mmの厚みを有
し、且つ加熱温度に耐えるものであって、貼り合せ後に
当て板を取り除くことからゴム弾性体の層は離型性を有
すことが好ましく、0.03mm乃至0.3mmの厚み
を有するシリコーンゴムが好適な材料であると云える。
図3A〜図3Cは積層構造の当て板を説明する断面図
で、図3Aは芯材としてゴム弾性体より高弾性率の金属
で或る程度の厚みをもたせたもの(金属板17a)にゴ
ム弾性体層としてシリコーンゴム弾性体シート16を
り合せ固着一体化した2層構造の当て板18aであり、
図3Bは図3Aの金属板と同様の金属板17aの両側に
シリコーンゴム弾性体シート16,16を貼り合せ固着
一体化した3層構造の当て板18bであることを示す。
図3Cは芯材として厚みが0.1mm程度の薄いPET
フイルム17bを用い、その両側にシリコーンゴム弾性
体シート16,16を貼り合せ固着一体化した3層構造
の当て板18cであることを示す。芯材として、高強度
・高熱伝導性のものを使用すると、図2に示すように、
貼り合せプリント配線板を一度に多数枚貼り合せること
ができる。
【0004】
【作用】スルーホールを有するプリント配線板が配置さ
れる側の表面に、ゴム弾性を有する積層構造の当て板
をゴム弾性体層の側と合せて重ね合せて全体を加熱加圧
すると、加圧力により当て板のゴム弾性体の層がスルー
ホールメッキの貫通孔開口部を覆い張り出していくが、
その張り出し量は当て板のゴム弾性体層の0.03mm
乃至0.3mmの薄い厚みとゴム弾性体に固着されて
体化している芯材の高弾性率による面方向のずれの抑制
により、貫通孔開口部表面の表面粗度に基づく凹凸面
の凹面に入り込む程度に張り出して、プリプレグ樹脂の
流出を防止できると共に、スルーホールメッキ等の貫通
孔への張り出しを極めて小さくなり、貼り合せ積層一体
化後のスルホールを有するプリント配線板表面に凹部は
殆ど生じなくなる。
【0005】
【実施例1】0.3mm厚の両面銅張積層板に0.3m
mφの孔を明けこの孔にスルーホールメッキ14を施し
た後、片面にプリント配線を形成した2種類のプリント
配線板13a,13bを準備し、硬度50°厚み0.2
mmのシリコーンゴム弾性体シート16を金属板17a
の片面に貼り合せ固着した図3Aに示ような2層構造の
当て板18aを2枚準備する。図1Aに示すように、2
種類の片面プリント配線板13a,13bのプリント配
線側を内側にして間に0.1mm厚の接着用プリプレグ
12を2枚を挟んで積み重ね、両側に2層構造の当て板
18aをシリコーンゴム弾性体16側を合わせた状態に
載置し、全体を加熱加圧して一体に貼り合せし、その後
2層構造の当て板18aを取り外して4層銅張積層板を
得た。この4層銅張積層板の外層に必要なプリント配線
を施し、必要により後加工等を施すことにより、所望の
プリント配線板を得ることができるが、4層銅張積層板
を得た段階において、スルーホールメッキ14の貫通孔
15からの外層の銅箔表面へのプリプレグ樹脂の流出は
皆無であり、スルーホールメッキ14の貫通孔15開口
部の凹みも極めて小さいものであった。
【0006】
【実施例2】内側にプリント配線の層を形成した0.5
mm厚の3層銅張積層板に、0.25mmφの孔を明け
この孔にスルーホールメッキ14を施した後、片面にプ
リント配線を形成した3層プリント配線板13cを準備
し、厚みが0.1mmのPETフィルム17bの両側に
厚み0.2mmで硬度が50°のシリコーンゴム弾性体
シート16を貼り合せ固着した0.5mm厚みの図3C
に示すような3層構造の当て板18bを準備する。図1
Bに示すように、3層プリント配線板のプリント配線側
に0.1mm厚みの接着用プリプレグシート12を介し
て18μmの銅箔11を積み重ね、更に3層プリント配
線板の銅箔面側に3層構造の当て板18cを載置し、全
体を加熱加圧して一体に貼り合せし、その後3層構造の
当て板18cを取り外して厚さ0.6mmの4層銅張積
層板を得た。この4層銅張積層板の外層に必要なプリン
ト配線を施し、必要により後加工等を施すことにより、
所望のプリント配線板を得ることができるが、4層銅張
積層板を得た段階において、スルーホールメッキ14の
貫通孔15から外層の銅箔表面へのプリプレグ樹脂の流
出は皆無であり、スルーホールメッキ貫通孔開口部の凹
みも極めて小さいものであった。
【0007】
【実施例3】公称厚み0.1mmのガラスクロスの両側
に硬度70°厚み0.1mmのシリコーンゴム弾性体シ
ートを貼り合せ固着した0.3mm厚みの3層構造の当
て板を用いるほかは実施例2と同じ方法により、プリン
ト配線板を得た。この場合も4層銅張積層板を得た段階
において、スルーホールメッキ貫通孔からの外層の銅箔
表面へのプリプレグ樹脂の流出は皆無であり、スルーホ
ールメッキ貫通孔開口部の凹みも極めて小さいものであ
った。
【0008】
【発明の効果】このように、この発明の貼り合せプリン
ト配線板の製造法は、貫通孔を通じてプリプレグ樹脂の
表面への流出を防止できると共に、貫通孔部のゴム弾性
体層による凹みを極めて少なくできる製造法を提供で
き、又、当て板の片面または両面に0.03mm乃至
0.3mmの厚みを有するゴム弾性体の層を貼り合せ固
着一体化した積層構造の当て板に形成することにより、
更に好ましくはゴム弾性体としてシリコーンゴムを用い
た層を貼り合せ固着一体化された積層構造に形成するこ
とにより、貫通孔部のゴム弾性体層による凹みを極めて
少なくすることができる積層構造の当て板を提供できる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1A】実施例1の貼り合せプリント配線板の製造法
を説明する端面図である。
【図1B】実施例2の貼り合せプリント配線板の製造法
を説明する端面図である。
【図2】この発明を説明し、一度に多数枚を貼り合せる
貼り合せプリント配線板の製造法を説明する端面図であ
る。
【図3A】この発明の積層構造の当て板を示し、2層構
造をした当て板を説明する断面図である。
【図3B】この発明の積層構造の当て板を示し、3層構
造をした当て板を説明する断面図である。
【図3C】この発明の積層構造の当て板を示し、3層構
造をした他の当て板を説明する断面図である。
【図4A】従来技術を説明する端面図である。
【図4B】図4Aにおける符号D部の拡大説明図であ
る。
【符号の説明】
1 … 絶縁板。 2,12 …プリプレグシート。 3,13a,13b,13c …プリント配線板。 4,14 …スルーホールメッキ。 5,15 …貫通孔。 6 …ゴム弾性体。 7 …凹み。 8 …鏡面板。 9,10 …熱盤。 11 …銅箔。 16 …シリコーンゴム弾性体シート。 17a …金属板。 17b … PETフィルム。 18a … 2層構造の当て板。 18b,18c …3層構造の当て板。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルーホールメッキを有するプリント配
    線板を少なくとも片面または両面に重ね合せ、全体を加
    熱加圧して貼り合せ一体化する貼り合せプリント配線板
    の製造法において、片面または両面に重ね合せられるス
    ルーホールメッキを有するプリント配線板の表面に、
    0.03mm乃至0.3mmの厚みを有するゴム弾性体
    の層が貼り合せ固着一体化された積層構造の当て板をゴ
    ム弾性体の層側と合せて積み重ね、その上下より加圧加
    熱して一体に貼り合せた後、前記積層構造の当て板を取
    り除くことを特徴とする貼り合せプリント配線板の製造
    法。
  2. 【請求項2】 芯材の片面または両面に0.03mm乃
    至0.3mmの厚みのゴム弾性体が固着一体化された積
    層構造を有し、スルーホールメッキを有するプリント配
    線板を加熱加圧して貼り合せて一体化する際に、上記プ
    リント配線板の片面または両面に、上記ゴム弾性体の層
    が重ね合わされるプリント配線板用の当て板。
  3. 【請求項3】 上記ゴム弾性体がシリコーンゴムで構成
    されていることを特徴とする請求項2記載のプリント配
    線板用の当て板。
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