JP2993380B2 - 4相ブラシレスモータ - Google Patents

4相ブラシレスモータ

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JP2993380B2 JP26191894A JP26191894A JP2993380B2 JP 2993380 B2 JP2993380 B2 JP 2993380B2 JP 26191894 A JP26191894 A JP 26191894A JP 26191894 A JP26191894 A JP 26191894A JP 2993380 B2 JP2993380 B2 JP 2993380B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、起動トルクの減少を防
止した4相ブラシレスモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク装置等の情報機器の
駆動モータとして電機子にコアを有する多相の直流モー
タが広く使用されている。
【0003】この種の多相コア有モータにおいては、ス
テータとなるコアのスロットとN極とS極が交互に着磁
されたロータとなるマグネットの界磁磁極の境界でコギ
ングが発生する。
【0004】例えば、4相ブラシシレスモータにあって
は、界磁磁極数Pと駆動用コイル数Q(コア有モータは
巻線数Qが突極数及びスロットに等しい)との組合わせ
は、P=2(2n±1),Q=4n(但し、nは3以上
の奇数)となるように構成してある。
【0005】そして、この4相ブラシシレスモータにお
けるコギングの発生回数は、<表1>に示す如く、ロー
タ1回転当たりのコギング発生回数がPとQの最小公倍
数で表され、同時に発生するコギング発生箇所数がPと
Qの最大公約数で表される。
【0006】
【表1】
【0007】具体的な構成を図1及び図2にそれぞれ示
す。図1はモータのロータマグネットとコア及び巻線の
平面展開図、図2は巻線の概略回路図である。即ち、図
1に示すように、14極、12巻線の4相ブラシシレス
モータは、コアCの突極C1 〜C12間の各スロットに巻
線(コイル)Lが巻回された電機子と、内周にN極とS
極が交互に14極着磁された環状のマグネットである磁
極Mで構成され、この磁極MはコアCと所定の間隔を保
って円筒状のヨークに固定され、固定である磁極Mをコ
アCに対して相対回転させると磁極MのN極とS極との
境界とスロット間でコギングが発生する。
【0008】例えば、磁極数Pが14、コイル数Qが1
2の場合は、表1に示すように1回転当たり84回のコ
ギングが発生し、このコギングが同時に発生する箇所数
は2箇所となり、モータ全体として上記した境界で発生
するコギングの約2倍となる。
【0009】また巻線方法は、図2に併せて示す如く、
コアCの突極C1 〜C12と磁極Mは互いに位相がずれて
いるため、隣接した3個の突極にコイルの巻方向を反転
させながら巻回して1つの相のコイルとしてある。即
ち、突極C1 にCW(時計回り)方向のコイルを巻回し
たならば、この突極C1 と隣接する突極C2 ,C12には
コイルをCCW(反時計回り)方向に巻回すれば良い。
このように、突極C12(CCW),C1 (CW),C2
(CCW)に順次コイルを連続して巻回してA相(第1
相)コイルを形成する。
【0010】また、突極C3 は突極C12に対して位相差
が270°(180°+90°)ずれていることから、
CW方向から巻回し始めることにより、C1 とC12とは
90°位相差となることから、上記したA相コイルと同
様に、突極C3 (CW),C4 (CCW),C5 (C
W)となるように3つの突極に連続して巻回してB相
(第2相)を形成する。
【0011】同様に突極C6 (CCW),C7 (C
W),C8 (CCW)として3つの突極に連続してコイ
ルを巻回してC相(第3相)を形成する。更に、突極C
9 (CW),C10(CCW),C11(CW)として3つ
の突極に連続してコイルを巻回してD相(第4相)を形
成する。
【0012】そして、上記各コイルにそれぞれ電気角で
90°の位相差を持つ片方向の4相の電流を流すことに
より電機子部と界磁部間に連続した回転トルクが発生す
る。
【0013】SW1 〜SW4 はホール素子等の位置検出
手段(HG1 ,HG2 )がマグネットMからの磁束密度
に比例した電圧を発生する出力により駆動コイルに対す
るマグネットの相対位置を知り、この出力信号を制御回
路に出力して制御回路からの駆動信号により各SWを開
閉して各コイルを順次駆動して正常回転を許容する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、4相ブラシ
レスモータにおいて、各突極に巻回したコイルの巻数の
関係はC12,C2 ,C3 ,C5 ,C6 ,C8 ,C9 ,C
11をそれぞれZ1 とした時、C1 ,C4 ,C7 ,C10
それぞれZ2 とすると、Z1 =Z2 (250ターン)な
る関係となっている。
【0015】通電している1相のそれぞれのコイルが発
生する磁界において、N極の強さとS極の強さが、<数
1>に示すようにアンバランスになり漏れ磁束が発生
し、この漏れ磁束がホール素子に飛び込んでコイルの通
電タイミングズレを引き起こし、起動トルクが減少し、
トルクリップルを悪化させる。
【0016】
【数1】
【0017】この従来のモータのトルク−回転数の関係
は図3中線図a(鎖線)に示すように、起動時等の回転
初期にはトルクが低下している。
【0018】このトルクの低下の現象は、このモータを
例えばVTRのドラムモータやキャプスタンモータとし
て使用した場合は、ジッターやワウフラッタに悪影響を
与えたり、ノイズ及び振動の発生の原因となる。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、等間隔にN,S極を交互に配し
たP極の界磁磁極を有する界磁部と、Q個の突極間の巻
線用スロットにQ個の巻線を巻回した電機子部とからな
り、前記界磁部と電機子部のうちいずれか一方が他方に
対して回転自在となされた4相ブラシレスモータにおい
て、前記界磁磁極数Pと前記電機子の巻線用スロット数
Qとの組み合わせは、 P=2(2n±1) Q=4n (但し、nは3以上の奇数) となるよう構成し、前記一つの相をなす巻線は隣接した
n個で、互いに巻き方向が逆になるように巻回され、か
つ他の相と隣接する巻線の巻数をZ1 とし、前記他の相
と隣接しない巻線の巻数をZ2 とした時、 1.1<Z2 /Z1 <(n+1/n−1)×1.5 なる関係とした4相ブラシレスモータ。
【0020】また、前記1相をなす複数個の巻線うち、
一方の巻き方向の巻線の巻数とこれとは異なる他方の巻
き方向の巻線の巻数を略等しくした4相ブラシレスモー
タを提供するものである。
【0021】
【実施例】以下に本発明に係る4相ブラシレスモータの
一実施例を従来の図1及び図2を利用して詳細に説明す
る。
【0022】尚、説明の便宜上、先に示した構成部材と
同一構成部材に対しては同一の符号を付して説明する。
【0023】即ち、本発明者は上記課題に対してコアに
巻回するコイルの巻数に着目して研究した結果、4相ブ
ラシレスモータにおいて、界磁磁極数Pと前記電機子の
巻線用スロット数(巻線数)Qとの組み合わせは、 P=2(2n±1) Q=4n (但し、nは3以上の奇数) となるよう構成し、一つの相をなす巻線数は隣接したn
個で、互いに巻き方向が逆になるように巻回され、かつ
他の相と隣接する巻線の巻数をZ1 (各突極に巻回した
コイルの巻数をC12,C2 ,C3 ,C5 ,C6 ,C8
9 ,C11)とし、他の相と隣接しない巻線の巻数をZ
2 (突極C1 ,C4 ,C7 ,C10)とした時、 1.
1<Z2 /Z1 <(n+1/n−1)×1.5 とすることで解決した。ホール素子HG1 ,HG2 は、
突極C8 ,C9 間及びC11,C12間にそれぞれ配置して
ある。
【0024】ここでは、14極、12コイルのモータと
して、 P=2(2n+1)=2(2×3+1)=14(極) Q=4n=4×3=12(コイル) 1相のコイル数nは3であるから、 1.1<Z2 /Z1 <3 即ち、本一実施例ではZ1 を220ターンとし、Z2 を
440ターンとして、1相分のコイルの直列抵抗及びモ
ータの構成は従来と同様にして、トルク−回転数の特性
は図3中線図bに示すように従来のものに比べて低い回
転数領域で高いトルクを得ることができた。このことは
1つのそれぞれのコイルが発生する磁極性がN,S両極
に存在してバランスがとれていることになる。
【0025】図4はZ2 /Z1 を変化させたときの起動
トルクの特性であり、図から上記した範囲において高ト
ルクを得ることが確認される。
【0025】従って、ホー6素子に近接した駆動コイル
の巻数が従来のコイルの巻数に比べて少なくできるの
で、コイルに通電することにより発生する磁界の影響を
少なくし得、コイルからの漏れ磁束がホール素子に飛び
込むことなく、安定した通電タイミングによつて起動ト
ルクの減少を防止すると共に、トルクリップルの悪化を
防止し得る。
【0027】更に、ホール素子をコイルの通電タイミン
グの情報だけでなく、回転数検出器(FG)及びPG
(回転位置検出器)として併用する場合、FGやPGの
精度の悪化や誤差を防止できるものとなる。
【0028】
【発明の効果】以上詳述した本発明に係る4相ブラシレ
スモータによると、ホール素子に近接した駆動コイルの
巻数が従来のコイルの巻数に比べて少なくできるので、
コイルに通電することにより発生する磁界の影響を少な
くし得るので、コイルからの漏れ磁束がホール素子に飛
び込むことなく、安定した通電タイミングによつて起動
トルクの減少を防止すると共に、トルクリップルの悪化
を防止し得、更に、ホール素子をコイルの通電タイミン
グの情報だけでなく、回転数検出器(FG)及びPG
(回転位置検出器)として併用する場合、FGやPGの
精度の悪化や誤差を防止できるものとなるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明及び従来の4相ブラシレスモータを説明
するロータマグネットとコア及び巻線の平面展開図であ
る。
【図2】図2は巻線の概略回路図である。
【図3】回転数−トルク線図である。
【図4】Z2 /Z1 と起動トルクとの関係を示す特性図
である。
【符号の説明】
C…コア、L…巻線(コイル)、M…マグネット磁極。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】等間隔にN,S極を交互に配したP極の界
    磁磁極を有する界磁部と、Q個の突極間の巻線用スロッ
    トにQ個の巻線を巻回した電機子部とからなり、前記界
    磁部と電機子部のうちいずれか一方が他方に対して回転
    自在となされた4相ブラシレスモータにおいて、前記界
    磁磁極数Pと前記電機子の巻線用スロット数Qとの組み
    合わせは、 P=2(2n±1) Q=4n (但し、nは3以上の奇数) となるよう構成し、前記一つの相をなす巻線は隣接した
    n個で、互いに巻き方向が逆になるように巻回され、か
    つ他の相と隣接する巻線の巻数をZ1 とし、前記他の相
    と隣接しない巻線の巻数をZ2 とした時、 1.1<Z2 /Z1 <(n+1/n−1)×1.5 なる関係としたことを特徴とする4相ブラシレスモー
    タ。
  2. 【請求項2】前記1相をなす複数個の巻線のうち、一方
    の巻き方向の巻線の巻数とこれとは異なる他方の巻き方
    向の巻線の巻数とを略等しくしてなる請求項1記載の4
    相ブラシレスモータ。
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