JP2992771B2 - 内燃機関用スパークプラグ - Google Patents
内燃機関用スパークプラグInfo
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関に使用され
るスパークプラグの中心電極に関するものである。
るスパークプラグの中心電極に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、内燃機関の発達に伴って内燃機関
に使用するスパークプラグにおいては、火花放電による
中心電極の消耗を防止するために、貴金属よりなる細径
の中心電極を用いることが行なわれているが、貴金属よ
りなる中心電極を細径として放電電圧の低下を図ること
で、内燃機関の燃焼室内における混合気への着火性を高
めている。しかし、中心電極の放電面の放電位置が火花
放電に伴って絶えず異なる位置に移動することから放電
電圧のバラツキが大きく、十分な混合気への着火性を確
保することができず、この中心電極における放電電圧の
バラツキを解消するために中心電極の放電面において微
少な凹凸を設けること（特開昭５７−１４５２８８号
等）が提案されている。
に使用するスパークプラグにおいては、火花放電による
中心電極の消耗を防止するために、貴金属よりなる細径
の中心電極を用いることが行なわれているが、貴金属よ
りなる中心電極を細径として放電電圧の低下を図ること
で、内燃機関の燃焼室内における混合気への着火性を高
めている。しかし、中心電極の放電面の放電位置が火花
放電に伴って絶えず異なる位置に移動することから放電
電圧のバラツキが大きく、十分な混合気への着火性を確
保することができず、この中心電極における放電電圧の
バラツキを解消するために中心電極の放電面において微
少な凹凸を設けること（特開昭５７−１４５２８８号
等）が提案されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭５７−１４５２８８号等のように、外側電極の対向
する位置に放電面を有する中心電極において、この中心
電極の放電面に微少な凹凸を設けてなるものにおいて
は、この放電面において設けられた微少な凹凸により放
電電圧の低減効果が得られることを確認した。けれど
も、その中心電極の放電面の微少な凹凸を一定に設ける
ことが容易ではないことから、放電電圧の低減効果を要
求通りに得ることができない。更に中心電極に貴金属を
用いることで火花放電による貴金属電極の消耗を抑制す
ることは可能となるが、１０万キロメートルというよう
な長期間に亘っての使用においては貴金属電極放電面に
設けられた微少な凹凸の平滑化を完全に防止することは
できず、放電電圧の低減効果を十分に維持することがで
きないという問題がある。
開昭５７−１４５２８８号等のように、外側電極の対向
する位置に放電面を有する中心電極において、この中心
電極の放電面に微少な凹凸を設けてなるものにおいて
は、この放電面において設けられた微少な凹凸により放
電電圧の低減効果が得られることを確認した。けれど
も、その中心電極の放電面の微少な凹凸を一定に設ける
ことが容易ではないことから、放電電圧の低減効果を要
求通りに得ることができない。更に中心電極に貴金属を
用いることで火花放電による貴金属電極の消耗を抑制す
ることは可能となるが、１０万キロメートルというよう
な長期間に亘っての使用においては貴金属電極放電面に
設けられた微少な凹凸の平滑化を完全に防止することは
できず、放電電圧の低減効果を十分に維持することがで
きないという問題がある。
【０００４】そこで、この発明は上記従来のものの持つ
問題を改善するものであり、放電電圧のバラツキを少な
くすると共に、この放電電圧の低減効果を長期間に亘っ
て得られるようにしてなるものである。
問題を改善するものであり、放電電圧のバラツキを少な
くすると共に、この放電電圧の低減効果を長期間に亘っ
て得られるようにしてなるものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】そのために、貴金属電極
の放電状態を視覚化することによって、放電電圧と放電
位置についての関係を詳細に観察したところ、鏡面状と
した放電面においては放電位置が絶えず変化し、そのと
きの放電電圧が高くばらつくことを確認した。そこで、
軸状の中心電極の先端に放電面を有する貴金属電極が設
けられたスパークプラグにおいて、前記貴金属電極の直
径をＤ、前記貴金属電極における前記中心電極軸方向の
最大の長さをＬとした時に、Ｄ≦１．２ｍｍ，１．０ｍ
ｍ≦Ｌ≦１．５ｍｍを満たすものとする。Ｌ＜１．０ｍ
ｍとすると貴金属電極が接合されるニッケル合金電極の
電界の影響が受け易い。またＬ＞１．５ｍｍとすると火
花放電を行なう貴金属電極が混合気の燃焼に伴って発生
する熱を多量に受け、ニッケル合金電極と貴金属電極と
の接合部における受熱温度が高まり、接合部の強度が低
下してしまうので好ましくない。そのため１．０ｍｍ≦
Ｌ≦１．５ｍｍとして、電界強度の集中と接合部の強度
を維持し、Ｄ＞１．２ｍｍとすると放電電圧が高まると
共に、貴金属使用量の増加からコストの上昇を招いてし
まうので、Ｄ≦１．２ｍｍとするものである。
の放電状態を視覚化することによって、放電電圧と放電
位置についての関係を詳細に観察したところ、鏡面状と
した放電面においては放電位置が絶えず変化し、そのと
きの放電電圧が高くばらつくことを確認した。そこで、
軸状の中心電極の先端に放電面を有する貴金属電極が設
けられたスパークプラグにおいて、前記貴金属電極の直
径をＤ、前記貴金属電極における前記中心電極軸方向の
最大の長さをＬとした時に、Ｄ≦１．２ｍｍ，１．０ｍ
ｍ≦Ｌ≦１．５ｍｍを満たすものとする。Ｌ＜１．０ｍ
ｍとすると貴金属電極が接合されるニッケル合金電極の
電界の影響が受け易い。またＬ＞１．５ｍｍとすると火
花放電を行なう貴金属電極が混合気の燃焼に伴って発生
する熱を多量に受け、ニッケル合金電極と貴金属電極と
の接合部における受熱温度が高まり、接合部の強度が低
下してしまうので好ましくない。そのため１．０ｍｍ≦
Ｌ≦１．５ｍｍとして、電界強度の集中と接合部の強度
を維持し、Ｄ＞１．２ｍｍとすると放電電圧が高まると
共に、貴金属使用量の増加からコストの上昇を招いてし
まうので、Ｄ≦１．２ｍｍとするものである。
【０００６】そして、その貴金属電極の放電面に深さ
Ａ、最大溝幅Ｗのスリットを少なくとも２本以上設けら
れ、そのスリットが、０．２ｍｍ≦Ａ≦０．５ｍｍ、
０．０５ｍｍ≦Ｗ≦０．１５ｍｍを満足するものとす
る。スリットの深さが０．２ｍｍ以下であると長期間の
走行によって消耗が生じ平滑化してしまう。また０．５
ｍｍ以下であるとするのは、１０万キロメートル走行後
でもスリットは存在するが、火花放電による貴金属電極
自体の消耗が進行し、十分に耐久性が維持できなくなる
ためであり、スリットの溝幅Ｗを０．０５ｍｍ以下とし
ないのは製作上困難であると共に、０．１５ｍｍ以上と
しないのは貴金属電極の放電面の面積が減少してしまい
耐久性に問題がでてしまうからである。
Ａ、最大溝幅Ｗのスリットを少なくとも２本以上設けら
れ、そのスリットが、０．２ｍｍ≦Ａ≦０．５ｍｍ、
０．０５ｍｍ≦Ｗ≦０．１５ｍｍを満足するものとす
る。スリットの深さが０．２ｍｍ以下であると長期間の
走行によって消耗が生じ平滑化してしまう。また０．５
ｍｍ以下であるとするのは、１０万キロメートル走行後
でもスリットは存在するが、火花放電による貴金属電極
自体の消耗が進行し、十分に耐久性が維持できなくなる
ためであり、スリットの溝幅Ｗを０．０５ｍｍ以下とし
ないのは製作上困難であると共に、０．１５ｍｍ以上と
しないのは貴金属電極の放電面の面積が減少してしまい
耐久性に問題がでてしまうからである。
【０００７】また、放電面を有する貴金属電極側周の前
記中心電極軸方向の部分においては、微少な凹凸に対応
するエッジ部を設けることにより、放電の起こり易い確
率を増すと共に放電位置を固定化し、放電電圧のばらつ
きを抑制することができることが判明した。そこで、貴
金属電極の直径をＤ、貴金属電極における前記中心電極
軸方向の最大長さをＬとした時に、Ｄ≦１．２ｍｍ，
１．０ｍｍ≦Ｌ≦１．５ｍｍを満たす貴金属電極の側周
の中心電極軸方向において、放電面を有する貴金属先端
面から長さＨの歯車状エッジ部を設ける。それと共に、
上記エッジ部の個数をＮ、エッジ部の貴金属電極径方向
の最大長さをＺとした時に、長期間の走行による消耗を
防止するために、０．２ｍｍ≦Ｈとし、エッジ部への放
電の集中効果を高めるために６≦Ｎ，０．０５ｍｍ≦Ｚ
を満足するものとしてなるものである。
記中心電極軸方向の部分においては、微少な凹凸に対応
するエッジ部を設けることにより、放電の起こり易い確
率を増すと共に放電位置を固定化し、放電電圧のばらつ
きを抑制することができることが判明した。そこで、貴
金属電極の直径をＤ、貴金属電極における前記中心電極
軸方向の最大長さをＬとした時に、Ｄ≦１．２ｍｍ，
１．０ｍｍ≦Ｌ≦１．５ｍｍを満たす貴金属電極の側周
の中心電極軸方向において、放電面を有する貴金属先端
面から長さＨの歯車状エッジ部を設ける。それと共に、
上記エッジ部の個数をＮ、エッジ部の貴金属電極径方向
の最大長さをＺとした時に、長期間の走行による消耗を
防止するために、０．２ｍｍ≦Ｈとし、エッジ部への放
電の集中効果を高めるために６≦Ｎ，０．０５ｍｍ≦Ｚ
を満足するものとしてなるものである。
【０００８】
【作用】以上の構成を具えるので、先端径を細径化して
放電電圧を低下でき、更に貴金属電極の放電面に一定条
件の下で、１０万キロメートルといった長期間走行によ
り消失することがない複数のスリットを設けて微少の凹
凸を生じさせ、貴金属電極の側周に複数の歯車状エッジ
部を配設して、放電の起こり易い確率を増し放電位置を
固定化させるのと同様の効果が得られ、放電電圧のバラ
ツキを解消できる。
放電電圧を低下でき、更に貴金属電極の放電面に一定条
件の下で、１０万キロメートルといった長期間走行によ
り消失することがない複数のスリットを設けて微少の凹
凸を生じさせ、貴金属電極の側周に複数の歯車状エッジ
部を配設して、放電の起こり易い確率を増し放電位置を
固定化させるのと同様の効果が得られ、放電電圧のバラ
ツキを解消できる。
【０００９】
【実施例】この発明を図に示す実施例により更に説明す
る。（１）は、この発明の実施例である内燃機関用スパ
ークプラグであり、この内燃機関用スパークプラグ
（１）は、軸孔（３）の先端にニッケル合金電極（５）
に貴金属電極（６）を接合してなる中心電極（４）を保
持する。これと共に、導電性ガラスシール（７）によっ
て挟持される抵抗体（８）及び端子電極（９）の一端を
前記軸孔（３）内に封着する絶縁体（２）と、この絶縁
体（２）の軸孔（３）先端に保持される中心電極（４）
の先端の対向する位置に外側電極（１１）を具え、その
側周に内燃機関に装着する時に螺合させるネジ部（１
２）を有する主体金具（１０）から構成されるものであ
る。
る。（１）は、この発明の実施例である内燃機関用スパ
ークプラグであり、この内燃機関用スパークプラグ
（１）は、軸孔（３）の先端にニッケル合金電極（５）
に貴金属電極（６）を接合してなる中心電極（４）を保
持する。これと共に、導電性ガラスシール（７）によっ
て挟持される抵抗体（８）及び端子電極（９）の一端を
前記軸孔（３）内に封着する絶縁体（２）と、この絶縁
体（２）の軸孔（３）先端に保持される中心電極（４）
の先端の対向する位置に外側電極（１１）を具え、その
側周に内燃機関に装着する時に螺合させるネジ部（１
２）を有する主体金具（１０）から構成されるものであ
る。
【００１０】そして、図２〜図５に示すように、この絶
縁体（２）の軸孔（３）先端に保持され、外被をニッケ
ル合金で芯部を銅とした複合電極からなるニッケル合金
電極（５）の先端に先細の円錐台形（５ａ）と貴金属電
極（６）からなる軸状の中心電極（４）において、上記
貴金属電極（６）は、イリジウム又は白金−イリジウム
合金などの貴金属からなる。その軸状貴金属電極（６）
の直径をＤ、貴金属電極（６）の側周（１３）における
中心電極軸方向の最大長さをＬとした時に、Ｄ≦１．２
ｍｍ，１．０ｍｍ≦Ｌ≦１．５ｍｍを満たすと共に、貴
金属電極（６）の放電面（１４）に深さＡ、最大幅Ｗの
スリット（１５）を少なくとも２本以上設け、そのスリ
ット（１５）が、０．２ｍｍ≦Ａ≦０．５ｍｍ，０．０
５ｍｍ≦Ｗ≦０．１５ｍｍを満足してなるものである。
縁体（２）の軸孔（３）先端に保持され、外被をニッケ
ル合金で芯部を銅とした複合電極からなるニッケル合金
電極（５）の先端に先細の円錐台形（５ａ）と貴金属電
極（６）からなる軸状の中心電極（４）において、上記
貴金属電極（６）は、イリジウム又は白金−イリジウム
合金などの貴金属からなる。その軸状貴金属電極（６）
の直径をＤ、貴金属電極（６）の側周（１３）における
中心電極軸方向の最大長さをＬとした時に、Ｄ≦１．２
ｍｍ，１．０ｍｍ≦Ｌ≦１．５ｍｍを満たすと共に、貴
金属電極（６）の放電面（１４）に深さＡ、最大幅Ｗの
スリット（１５）を少なくとも２本以上設け、そのスリ
ット（１５）が、０．２ｍｍ≦Ａ≦０．５ｍｍ，０．０
５ｍｍ≦Ｗ≦０．１５ｍｍを満足してなるものである。
【００１１】一方、図６〜図７に示すように、貴金属電
極（６）の直径をＤ、貴金属電極（６）におけるその中
心電極軸方向の最大長さをＬとした時に、Ｄ≦１．２ｍ
ｍ，１．０ｍｍ≦Ｌ≦１．５ｍｍを満たす貴金属電極
(6) の側周（１３）において、貴金属先端面から長さＨ
の歯車状エッジ部（１６）を設けると共に、上記エッジ
部（１６）の個数をＮ、エッジ部（１６）の貴金属電極
（６）の径方向の最大長さをＺとした時に，０．２ｍｍ
≦Ｈ，６≦Ｎ、０．０５ｍｍ≦Ｚを満足してなるもので
ある。
極（６）の直径をＤ、貴金属電極（６）におけるその中
心電極軸方向の最大長さをＬとした時に、Ｄ≦１．２ｍ
ｍ，１．０ｍｍ≦Ｌ≦１．５ｍｍを満たす貴金属電極
(6) の側周（１３）において、貴金属先端面から長さＨ
の歯車状エッジ部（１６）を設けると共に、上記エッジ
部（１６）の個数をＮ、エッジ部（１６）の貴金属電極
（６）の径方向の最大長さをＺとした時に，０．２ｍｍ
≦Ｈ，６≦Ｎ、０．０５ｍｍ≦Ｚを満足してなるもので
ある。
【００１２】この発明が以上の構成を具えるので、絶縁
体（２）の軸孔（３）先端に保持され、ニッケル合金電
極（５）と放電面（１４）を有する貴金属電極（６）を
先端にもつ中心電極（４）の上記貴金属電極（６）にお
いては、貴金属電極（６）の直径をＤ、前記貴金属電極
（６）の側周（１３）の中心電極軸方向の最大長さをＬ
とした時に、放電面（１４）の面積を十分に確保するた
めにＤ≦１．２ｍｍとし、ニッケル合金電極（５）から
の電界の影響を防止する。そして、ニッケル合金電極と
貴金属電極（６）との接合面の接合強度を確保するため
に、貴金属電極（６）における中心電極軸方向の最大長
さＬを１．０ｍｍ≦Ｌ≦１．５ｍｍを満たすものとし
て、さらに貴金属電極（６）の放電面（１４）に深さ
Ａ、最大幅Ｗのスリット（１５）を少なくとも２本以上
設ける。そのスリット（１５）が、１０万キロメートル
といった長期間走行による消耗と長期間走行により不必
要な残存を防止するために０．２ｍｍ≦Ａ≦０．５ｍｍ
とし、更に製作上の容易性及び貴金属電極（６）の放電
面（１４）を十分に確保するために０．０５ｍｍ≦Ｗ≦
０．１５ｍｍを満足してなるものとするので、貴金属電
極（６）の先端径を細径化することにより放電電圧を低
下させることができる。更に貴金属電極（６）の放電面
（１４）において一定条件の下で、１０万キロメートル
といった長期間走行により消失することがない複数のス
リット（１５）を設けることで凹凸を生じさせ、放電の
起こり易い確率を増し放電位置を固定化させるのと同様
の効果が得られるので、貴金属電極にスリットのないス
パークプラグに比べて図９に示すように、放電電圧のバ
ラツキを大幅に解消することができるものである。
体（２）の軸孔（３）先端に保持され、ニッケル合金電
極（５）と放電面（１４）を有する貴金属電極（６）を
先端にもつ中心電極（４）の上記貴金属電極（６）にお
いては、貴金属電極（６）の直径をＤ、前記貴金属電極
（６）の側周（１３）の中心電極軸方向の最大長さをＬ
とした時に、放電面（１４）の面積を十分に確保するた
めにＤ≦１．２ｍｍとし、ニッケル合金電極（５）から
の電界の影響を防止する。そして、ニッケル合金電極と
貴金属電極（６）との接合面の接合強度を確保するため
に、貴金属電極（６）における中心電極軸方向の最大長
さＬを１．０ｍｍ≦Ｌ≦１．５ｍｍを満たすものとし
て、さらに貴金属電極（６）の放電面（１４）に深さ
Ａ、最大幅Ｗのスリット（１５）を少なくとも２本以上
設ける。そのスリット（１５）が、１０万キロメートル
といった長期間走行による消耗と長期間走行により不必
要な残存を防止するために０．２ｍｍ≦Ａ≦０．５ｍｍ
とし、更に製作上の容易性及び貴金属電極（６）の放電
面（１４）を十分に確保するために０．０５ｍｍ≦Ｗ≦
０．１５ｍｍを満足してなるものとするので、貴金属電
極（６）の先端径を細径化することにより放電電圧を低
下させることができる。更に貴金属電極（６）の放電面
（１４）において一定条件の下で、１０万キロメートル
といった長期間走行により消失することがない複数のス
リット（１５）を設けることで凹凸を生じさせ、放電の
起こり易い確率を増し放電位置を固定化させるのと同様
の効果が得られるので、貴金属電極にスリットのないス
パークプラグに比べて図９に示すように、放電電圧のバ
ラツキを大幅に解消することができるものである。
【００１３】なお、貴金属電極（６）の放電面（１４）
において設けられるスリット（１５）の深さＡは０．３
ｍｍ程度、幅Ｗは、０．１ｍｍ程度が最適である。
において設けられるスリット（１５）の深さＡは０．３
ｍｍ程度、幅Ｗは、０．１ｍｍ程度が最適である。
【００１４】又、貴金属電極（６）の直径をＤ、貴金属
電極（６）における中心電極軸方向の最大長さをＬとし
た時に、Ｄ≦１．２ｍｍ，１．０ｍｍ≦Ｌ≦１．５ｍｍ
を満たす貴金属電極（６）の側周（１３）において、貴
金属先端面から長さＨの歯車状エッジ部（１６）を設
け、上記エッジ部（１６）の個数をＮ、エッジ部（１
６）の貴金属電極（６）の径方向の最大長さをＺとし、
放電電圧の低減効果を確保するために０．２ｍｍ≦Ｈと
し、エッジ部（１６）への放電の集中を促すために、６
≦Ｎ、０．０５ｍｍ≦Ｚを満足してなるものとする。こ
の貴金属電極（６）の側周（１３）に配設されたエッジ
部（１６）において放電電圧を低減化させることがで
き、放電の集中を促進することが可能となるので、放電
の起こり易い確率を増し放電位置を固定化させ、同様に
図１０に示すように、エッジ部のないスパークプラグに
比べて放電電圧のばらつきを大幅に解消することができ
るものである。
電極（６）における中心電極軸方向の最大長さをＬとし
た時に、Ｄ≦１．２ｍｍ，１．０ｍｍ≦Ｌ≦１．５ｍｍ
を満たす貴金属電極（６）の側周（１３）において、貴
金属先端面から長さＨの歯車状エッジ部（１６）を設
け、上記エッジ部（１６）の個数をＮ、エッジ部（１
６）の貴金属電極（６）の径方向の最大長さをＺとし、
放電電圧の低減効果を確保するために０．２ｍｍ≦Ｈと
し、エッジ部（１６）への放電の集中を促すために、６
≦Ｎ、０．０５ｍｍ≦Ｚを満足してなるものとする。こ
の貴金属電極（６）の側周（１３）に配設されたエッジ
部（１６）において放電電圧を低減化させることがで
き、放電の集中を促進することが可能となるので、放電
の起こり易い確率を増し放電位置を固定化させ、同様に
図１０に示すように、エッジ部のないスパークプラグに
比べて放電電圧のばらつきを大幅に解消することができ
るものである。
【００１５】なお、放電電圧の測定は空気雰囲気下でゲ
ージ圧を、一平方センチメート当り６ｋｇｆ、電源にフ
ルトランジスタ電源、周波数１０Ｈｚ、試料としては火
花ギャップ１．０５ｍｍ、Ｐｔ−２０Ｉｒ合金の先端に
十字スリット（Ｄ＝１．０ｍｍ、Ｌ＝１．５ｍｍ、Ａ＝
０．２ｍｍ、Ｗ＝０．１ｍｍ）及び歯車形状（Ｈ＝０．
３ｍｍ、Ｎ＝１０、Ｚ＝０．１ｍｍ）を設けたものを用
い、１０００発の放電を行い、そのデータをヒストグラ
ムにして示したものである。
ージ圧を、一平方センチメート当り６ｋｇｆ、電源にフ
ルトランジスタ電源、周波数１０Ｈｚ、試料としては火
花ギャップ１．０５ｍｍ、Ｐｔ−２０Ｉｒ合金の先端に
十字スリット（Ｄ＝１．０ｍｍ、Ｌ＝１．５ｍｍ、Ａ＝
０．２ｍｍ、Ｗ＝０．１ｍｍ）及び歯車形状（Ｈ＝０．
３ｍｍ、Ｎ＝１０、Ｚ＝０．１ｍｍ）を設けたものを用
い、１０００発の放電を行い、そのデータをヒストグラ
ムにして示したものである。
【００１６】更に、この発明の実施例である内燃機関用
スパークプラグ（１）の変形例として図８に示すよう
に、インコネル等によるニッケル合金電極（５）の先端
の円錐台形（５ａ）に直径Ｄの円柱径小部（５ｂ）を形
成し、その径小部に凹部（１７）を穿設し、その凹部
（１７）より突出する。例えばＰｔ−２０％Ｉｒ合金か
らなる貴金属電極（６）を接合すると共に、円柱径小部
（５ｂ）と貴金属電極（６）の突出量を請求項記載の貴
金属電極（６）の直径Ｄ≦１．２ｍｍ及びその貴金属電
極（６）における中心電極軸方向の最大長さ１．０ｍｍ
≦Ｌ≦１．５ｍｍを確保した上で、貴金属電極（６）の
放電面（１４）に複数のスリット（１５）或はその貴金
属電極（６）の側周にエッジ部（１６）を設けることに
より、同様の放電電圧低減効果を得ることができるもの
である。
スパークプラグ（１）の変形例として図８に示すよう
に、インコネル等によるニッケル合金電極（５）の先端
の円錐台形（５ａ）に直径Ｄの円柱径小部（５ｂ）を形
成し、その径小部に凹部（１７）を穿設し、その凹部
（１７）より突出する。例えばＰｔ−２０％Ｉｒ合金か
らなる貴金属電極（６）を接合すると共に、円柱径小部
（５ｂ）と貴金属電極（６）の突出量を請求項記載の貴
金属電極（６）の直径Ｄ≦１．２ｍｍ及びその貴金属電
極（６）における中心電極軸方向の最大長さ１．０ｍｍ
≦Ｌ≦１．５ｍｍを確保した上で、貴金属電極（６）の
放電面（１４）に複数のスリット（１５）或はその貴金
属電極（６）の側周にエッジ部（１６）を設けることに
より、同様の放電電圧低減効果を得ることができるもの
である。
【００１７】
【発明の効果】以上のとおり、細径化した貴金属電極の
放電面或はその側周に対して１０万キロメートルといっ
た長期間の走行によっても消失しない微少な凹凸や、エ
ッジ部を設けることにより、放電の起こり易い確率を増
し放電位置の固定化と同様の効果が得られるので放電電
圧のばらつきを防止することができると共に放電電圧を
低減化し、更に長期間に亘たる耐久性を向上させること
ができる優れた効果を有するものである。
放電面或はその側周に対して１０万キロメートルといっ
た長期間の走行によっても消失しない微少な凹凸や、エ
ッジ部を設けることにより、放電の起こり易い確率を増
し放電位置の固定化と同様の効果が得られるので放電電
圧のばらつきを防止することができると共に放電電圧を
低減化し、更に長期間に亘たる耐久性を向上させること
ができる優れた効果を有するものである。
【図１】この発明の実施例である内燃機関用スパークプ
ラグの部分断面図である。
ラグの部分断面図である。
【図２】その放電面にスリットを溝設した貴金属電極の
拡大正面図である。
拡大正面図である。
【図３】上記貴金属電極の拡大側面図である。
【図４】放電面にスリットを溝設するその他の実施例の
貴金属電極の拡大正面図である。
貴金属電極の拡大正面図である。
【図５】上記貴金属電極の拡大側面図である。
【図６】貴金属電極の側周にエッジ部を設ける貴金属電
極の正面図である。
極の正面図である。
【図７】上記貴金属電極の拡大側面図である。
【図８】ニッケル合金電極に他の方法によりスリット等
を有する貴金属電極の拡大断面図である。
を有する貴金属電極の拡大断面図である。
【図９】スリットを設けた電極の放電電圧特性図であ
る。
る。
【図１０】歯車を設けた電極の放電電圧特性図である。
１ 内燃機関用スパークプラグ ２ 絶縁体 ３ 軸孔 ４ 中心電極 ５ ニッケル合金電極 ６ 貴金属電極 ７ 導電性ガラスシール ８ 抵抗体 ９ 端子電極 １０ 主体金具 １１ 外側電極 １２ ネジ部 １３ 貴金属電極の側周 １４ 放電面 １５ スリット １６ エッジ部 １７ 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) H01T 13/00 - 13/56
Claims (2)
- 【請求項１】軸状の中心電極の先端に放電面を有する貴
金属電極が設けられたスパークプラグにおいて、前記貴
金属電極の直径をＤ，前記貴金属電極における前記中心
電極軸方向の最大長さをＬとした時に、Ｄ≦１．２ｍ
ｍ，１．０ｍｍ≦Ｌ≦１．５ｍｍを満たすと共に、前記
貴金属電極の放電面に深さＡ、最大幅Ｗのスリットが少
なくとも２本以上設けられ、そのスリットが、０．２ｍ
ｍ≦Ａ≦０．５ｍｍ，０．０５ｍｍ≦Ｗ≦０．１５ｍｍ
を満足する内燃機関用スパークプラグ。 - 【請求項２】軸状の中心電極の先端に放電面を有する貴
金属電極が設けられたスパークプラグにおいて、前記電
極の直径をＤ、前記貴金属電極における前記中心電極軸
方向の最大長さをＬとした時に、Ｄ≦１．２ｍｍ，１．
０ｍｍ≦Ｌ≦１．５ｍｍを満たすと共に、前記貴金属電
極の側周に放電面からの前記中心電極軸方向の長さＨと
した歯車状エッジ部を設け、かつ前記エッジ部の個数を
Ｎ、前記エッジ部の前記貴金属電極径方向の最大長さを
Ｚとした時に、０．２ｍｍ≦Ｈ，６≦Ｎ，０．０５ｍｍ
≦Ｚを満足する内燃機関用スパークプラグ。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2412803A JP2992771B2 (ja) | 1990-12-21 | 1990-12-21 | 内燃機関用スパークプラグ |
| BR919105586A BR9105586A (pt) | 1990-12-21 | 1991-12-19 | Vela de ignicao para motores de combustao interna |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2412803A JP2992771B2 (ja) | 1990-12-21 | 1990-12-21 | 内燃機関用スパークプラグ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04220982A JPH04220982A (ja) | 1992-08-11 |
| JP2992771B2 true JP2992771B2 (ja) | 1999-12-20 |
Family
ID=18521571
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2412803A Expired - Fee Related JP2992771B2 (ja) | 1990-12-21 | 1990-12-21 | 内燃機関用スパークプラグ |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2992771B2 (ja) |
| BR (1) | BR9105586A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102004032723B4 (de) * | 2004-07-07 | 2017-11-02 | Robert Bosch Gmbh | Zündkerze |
-
1990
- 1990-12-21 JP JP2412803A patent/JP2992771B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1991
- 1991-12-19 BR BR919105586A patent/BR9105586A/pt not_active Application Discontinuation
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| BR9105586A (pt) | 1992-09-01 |
| JPH04220982A (ja) | 1992-08-11 |
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|---|---|---|---|
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