JP2991424B2 - 溶接部モニタリング装置 - Google Patents

溶接部モニタリング装置

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JP2991424B2
JP2991424B2 JP10098528A JP9852898A JP2991424B2 JP 2991424 B2 JP2991424 B2 JP 2991424B2 JP 10098528 A JP10098528 A JP 10098528A JP 9852898 A JP9852898 A JP 9852898A JP 2991424 B2 JP2991424 B2 JP 2991424B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接部を撮影し溶
接状況を画像表示して監視するための溶接部モニタリン
グ装置に関し、特に高輝度のアークを用いる場合にも鮮
明な画像により溶接状況を把握できる溶接部モニタリン
グ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】溶接作業を自動化したり遠隔操作を可能
とするため、溶接部モニタリング装置が必要となる。従
来から、カラー撮像装置により溶接部を撮影して表示す
る遠隔表示装置の画像を見ながら操作員が溶接トーチを
操作するようにした、自動溶接装置の遠隔操作システム
が提供されてきた。
【0003】しかし、例えばMAG溶接など高輝度のア
ークを用いる場合は、撮像装置の感度を如何に調整して
もアーク周辺の状態を明瞭化することができないため、
溶接作業の制御に必要なワイヤ突き出し長、ワイヤ先端
位置、溶融池、開先位置などを明確に表示させることが
困難であった。
【0004】このような困難を解消する方法として、本
願出願人により先に開示された特願平9−318937
号明細書に記載の発明がある。この開示発明は、例えば
CCDカメラなど2台の撮像装置と画像処理装置を備え
た溶接部モニタリング装置である。図6はこの開示発明
の溶接部モニタリング装置のシステム図、図7は使用す
るカメラを収納したカメラヘッドの透過平面図、図8は
映像処理工程における画像を示す図面である。
【0005】撮像装置は共に溶接トーチの先端付近に照
準が合わせられており、対象とする溶接部の同じ視野部
分の画像を取得するようになっている。このため、2台
のカメラは1基のカメラヘッドに並べて収納され、溶接
トーチに合わせて光軸調整できるように固定されてい
る。2台の撮像装置はそれぞれ透過率の異なる減光フィ
ルタを付けて感度が異なるようにセットされている。暗
い方の減光フィルタを付けた第1のカメラで図8(a)
に示すような高輝度トーチ部分だけが残る映像を取得
し、やや明るい減光フィルタを付けた第2のカメラで図
8(b)に示すようなトーチ周辺部の溶融池や開先形状
が見える同じ視野の映像を取得する。なお、カメラの感
度に差を付けるために絞りを使用することもでき、また
減光フィルタと絞りを併用することもできる。
【0006】画像処理装置は、第1カメラの映像出力信
号を処理して高輝度のトーチ部分に合わせたマスクを作
り、第2カメラの映像にそのマスクを重ねて黒化した上
に第1カメラの映像を写し込み、図8(c)に表すよう
な合成画像を作成する。実際には、上記の合成画像は、
第2カメラの画像中の閾値を越えた明度を有する部分を
第1カメラの画像で置き換える操作により作成できる。
この合成画像をモニター装置に表示することにより、ワ
イヤ先端部、溶融池の状態および開先の形状と相互の位
置関係がリアルタイムで鮮明に観察できるようになるの
で、現場工事において厚板の全姿勢溶接を行う場合でも
自動溶接装置を遠隔操作して的確に作業することができ
る。
【0007】しかし、上記開示方法では、異なる溶接方
法に適用するときや溶接条件が変化したときなど撮像対
象の明るさに変化がある場合や、映像を見やすくするた
めに画面の明度を調整する場合には、減光フィルタを交
換したり絞りを調節しなければならない。これらの操作
を遠隔で行える機構を付属させることはできるが、大変
高価な装置になってしまい実際的でない。また、減光フ
ィルタを通して撮影するため、予め調整する場合などア
ーク光がないときには画像を通して位置関係を確認する
ことができず、光軸やトーチに対する取付位置の調整が
困難である。さらに、第1カメラと第2カメラの光軸は
独立しているため、溶接トーチにカメラヘッドをセット
する時や対象までの距離が変わった時などには、改めて
それぞれのカメラ光軸を調整する必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、常に的確で見やすい溶接部映像を
取得することができる溶接部モニタリング装置を提供す
ることであり、このため、撮像装置への光量をより容易
に調整できるようにし、また複数の撮像装置の光軸調整
を容易にすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の溶接部モニタリング装置は、それぞれ溶接
部を同じ方向から撮影するように設置され互いに感度が
異なる複数の撮像装置と、これら各撮像装置で同じ時に
撮影した画像情報を処理合成し撮影時のて溶接状況を表
示する合成画像を形成する画像処理部と、形成された合
成画像を表示する画像表示部とを備え、これら複数の撮
像装置のうち少なくとも1個に、撮像装置の結像光学系
の前に設けられ、制御信号により部分的に濃度を変えて
受光量を変更することができる液晶フィルタからなる
透過量調整部材を備えた溶接部モニタリング装置であっ
て、液晶フィルタ面に溶接部の映像を結像させた後に結
像光学系により画像を取り込むように配設し、画像処理
部が画像情報を処理して輝度が高い部分を抽出して出力
する制御信号に基づいて液晶フィルタの対応部分の濃度
を調整することを特徴とする。
【0010】本発明の溶接部モニタリング装置は、第1
の撮像装置に遮光性の高いフィルタをセットして溶接ト
ーチ部を撮影し、第2の撮像装置で比較的輝度の低い部
分まで感光させて溶融池や開先部分を写し取って、第2
撮像装置の画面中から溶接トーチ部を削除し、削除部分
に第1撮像装置で取得した溶接トーチ部をはめ込んで形
成した合成画像を観察できるようになっている。この合
成画面は、ワイヤ先端のアーク光部分、開先壁、溶融池
の状態が相互の位置関係がはっきり分かるようにリアル
タイムで表示するため、これを観察することにより溶接
状態を正確に把握して自動溶接装置の操縦を的確に行う
ことができる。
【0011】なお、溶接部周辺の明度分布は幅が広く、
溶接トーチ部と溶融池部と開先壁とでは明度が大きく異
なる。したがって、撮像装置は2基に限らず、明度水準
の異なる対象おのおのに適合する感度を持った撮像装置
を備えて、取得した画像を適当に合成するようにする
と、溶接状況をより的確に把握することができるように
なる。
【0012】さて、溶接条件が変わるときには、溶接ト
ーチの輝度は変化し溶接対象材料の状態によって溶接部
周辺の部分の明るさも変わる。したがって、条件が変わ
ったときにも溶接状態を正確に観察できる見易い画像を
得るためには、溶接条件に従って撮像装置に入射する光
量の調整を行う必要がある。
【0013】本発明の溶接部モニタリング装置は、撮像
装置に電気信号に基づいて受光量を変更することができ
る光透過量調整部材を備えるため、例えば第2撮像装置
で撮影した溶接部画像の明度分布に基づいて、第1撮像
装置に備えた光透過量調整部材の光透過率を適当に調整
すれば、第1撮像装置はいつでも溶接トーチの周辺に限
定した領域の画像を撮ることができる。
【0014】また逆に、第2撮像装置に設けた光透過量
調整部材の光透過率を適当に調整して、溶接部周辺の状
態がよく見えるような画像に調整することも可能であ
る。撮像装置それぞれが独立に映像信号処理の結果に従
って所定の明度分布になるように光透過量調整部材の光
透過率を調整するようにしてもよい。光透過率の調整
は、遠隔操作により手動で行っても良いが、情報処理装
置で制御信号を生成させて自動で行っても良い。
【0015】なお、溶接部モニタリング装置の設置調整
を行うときには照明にもなる溶接トーチの光がないた
め、濃いフィルタを通して取得した画像では何も見えな
いことになるが、本発明の溶接部モニタリング装置で
は、光透過量調整部材の光透過率を高めてやれば、溶接
トーチの光が無くても溶接トーチや開先の状態を見るこ
とができるため、モニタ画面を通して観察することによ
り取付調整や位置調整が容易に出来る。
【0016】光透過量調整部材は撮像装置の結像光学系
の前に設けられた液晶フィルタであることが好ましい
結像光学系の後ろに設置することもできるが、結像系の
前に置くことにより結像光学系と撮像素子の相互調整が
容易になる利点がある。
【0017】なお、別の光学系により液晶フィルタ面に
溶接部の映像を結像させた後に撮像装置の結像光学系に
より画像を取り込むように配設してもよい。このとき、
液晶フィルタが制御信号により部分的に濃度を変えられ
ものであるから、画像中の輝度が高い部分を抽出し
て、液晶フィルタの対応部分の光遮蔽率を高めることに
より溶接トーチ部分を除去して残った周辺部の画像が得
られる。したがって、高度な画像処理によらずより直接
的に良好な溶接部画像を取得することが可能となる。
【0018】また、光透過量調整部材が撮像装置に設け
られ感光時間を調整する電子シャッタであってもよい。
特に、撮像装置にCCDなどの固体撮像素子を用いた場
合には電子シャッタによる露光時間制御で極めて広い範
囲に亘って容易にかつ正確に感度調整することができる
ので好ましい。電子シャッタは液晶フィルタと併用して
も良い。
【0019】電子シャッタや液晶フィルタなど光透過量
調整部材に加えて減光フィルタを備えるようにしてもよ
い。液晶フィルタ等を設けない撮像装置に減光フィルタ
を付属させて適当な映像を取得するようにすることは勿
論、液晶フィルタ等を設けた撮像装置にも減光フィルタ
を付属させることにより、溶接条件の変化に伴って調整
すべき比較的狭い輝度範囲についてのみ光透過量調整部
材を用いた調整を行うようにすれば、調整機構がより簡
便になる。
【0020】なお、撮像装置に赤色領域を透過する帯域
透過型フィルタを備えるようにしてもよい。特に、フラ
ックス入りワイヤ(FCW)を用いる場合はソリッドワ
イヤと比較してアーク周辺プラズマによる高輝度部が大
きく、溶接部周辺の観察がさらに困難になる。しかしな
がら、この高輝度部からの放射は600nm以下の波長
域の光が主体であることから、たとえば600〜700
nmの選択透過フィルタなど、赤色より長波長の領域を
選択的に透過するフィルタを用いて撮影すると、アーク
周辺プラズマの部分が相対的に抑制されて溶接部周辺の
様子をよりよく観察することができる。なお、選択透過
フィルタが赤外線も透過するものであれば、CCDカメ
ラなど赤外領域まで感度を有する撮像装置を用いたとき
に、溶融池など高温領域からの熱線を検出してより明瞭
な画像を得ることができる。
【0021】また、画像情報における色情報を変成して
赤色成分の強度を相対的に弱めた合成画像を形成するよ
うにすると、溶接部の表示画像の色が実際のものに近づ
き、監視する者により自然な感じを与える。特に赤色フ
ィルタを介して撮影したときにこの効果が著しい。
【0022】なお、溶接部の開先部分の照度を増強する
照明装置を備えることが好ましい。開先部分は溶融池等
と比較すると輝度が低いため、開先位置が映像中に明確
に現れるようにカメラへの透過光量を上げようとする
と、アーク周辺のハレーションが大きくなって良好な画
像を得ることができない。開先部分を明るく照明するこ
とにより開先位置を表示装置上に明確に表示することが
できるようになる。
【0023】さらに、撮像装置の入射光路中にハーフミ
ラーを設けて光を分岐し、一方の撮像装置はハーフミラ
ーの透過光を受光し、他の撮像装置はハーフミラーの反
射光を受光するように配設して、撮像装置の入射光軸を
合致させるようにすることができる。このような構成を
有するものは、撮像装置が光軸を共有するため常に同一
部分をほぼ同じ倍率で撮影するので、カメラヘッドと溶
接トーチを組み合わせる場合や、溶接部までの位置関係
が変化する場合にも、それぞれの撮像装置について改め
て位置や姿勢の調整を行う必要が無く、取り扱いが極め
て容易になる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明について実施例に基
づき図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の溶
接部モニタリング装置の態様を説明するブロック図、図
2は本発明に用いる照明装置の配置図、図3と図4は本
発明の溶接部モニタリング装置の他の態様を説明するブ
ロック図、図5は本発明に用いるフィルタの態様を示す
光学系説明図である。
【0025】図1は、本願出願人の出願に係る特願平9
−318937号明細書に記載されたような、互いに感
度が異なる複数の撮像装置で溶接部を撮影した画像情報
から溶接状況を表示する合成画像を形成して表示する溶
接部モニタリング装置における複数の撮像装置に関する
ブロック図であって、図6に示されたようなカメラヘッ
ドにおける撮像装置について例示したものである。
【0026】カメラヘッド1の中には構成を殆ど同じく
する2基の撮像装置が収納されている。第1の撮像装置
2は、CCDカメラ21にレンズ系22が取り付けられ
ていて、レンズ系の前方に液晶フィルタ23と減光フィ
ルタ24が光軸に垂直に設けられている。
【0027】また、CCDカメラ21はCCDカラー画
素が2次元に配置された固体撮像装置で、レンズ系22
の焦点位置に画素面が位置するように調整されており、
所定周期で2次元走査して画素に蓄積した電荷を順次掃
き出し2次元画像情報信号に変換して画像処理装置4に
伝送する。CCDカメラ21には、図示しない電子シャ
ッタが設けられていて、CCD素子に光が照射する時間
を伸縮して電荷蓄積時間を調整することによりカメラの
感度を調整するようになっている。電子シャッタの露光
時間はシャッタコントローラ25により制御することが
できる。
【0028】液晶フィルタ23は印加電界の強弱に従っ
て光透過率が変化する液晶シャッタで、液晶コントロー
ラ26により制御される。なお、減光フィルタ24は光
学的条件に従って手動で差し替えできるフィルタで、そ
れぞれ一定の光透過率を有する。
【0029】第2の撮像装置3も同じく、CCDカメラ
31、レンズ系32、液晶フィルタ33、減光フィルタ
34、図外の電子シャッタ、シャッタコントローラ2
5、液晶コントローラ36からなり、それぞれの機能は
同じである。第1撮像装置と第2撮像装置は並列して配
設され、光学軸が近寄って同じ対象物を同じ範囲で撮像
するようになっている。
【0030】第1撮像装置2は溶接部における極めて高
輝度な溶接トーチの像がちゃんと見えるように撮影する
ため、これに付属する減光フィルタ24、液晶フィルタ
23、および電子シャッタを透過した後の光量が十分小
さくなっていなければならない。したがって、減光フィ
ルタ等の光透過率は低いものが選ばれ、また低くなるよ
うに制御される。一方、第2撮像装置3は溶接トーチよ
り輝度が落ちる溶融池や開先部を人の目に見える形で示
すために用いられるもので、減光フィルタ24、液晶フ
ィルタ23、および電子シャッタの光透過率は第1撮像
装置の場合より大きいものが選ばれる。
【0031】図1の実施例では、画像処理装置4がCC
Dカメラからの映像信号に基づいてそれぞれの撮像装置
に適当な受光量を決めて液晶フィルタと電子シャッタの
光透過率を制御する構成になっている。たとえば、ま
ず、第2撮像装置3のCCDカメラ31の感度を開先部
分が写し込まれると共に溶融池における明暗部分が判定
できる程度に調節する。このためには、予め仕込まれる
減光フィルタ34の遮光率とCCDカメラ31の絞りを
適当に選択すると共に、液晶フィルタ33の光透過率を
調整し、電子シャッタの露光時間率を調整する。次に、
第1撮像装置2のCCDカメラ21の感度を溶接トーク
周辺の高輝度部分のみが見える程度に調節する。このた
めには、減光フィルタ24の遮光率とCCDカメラ21
の絞りを適当に選択すると共に、液晶フィルタ23の光
透過率と電子シャッタの露光時間率を調整して、所定の
光量以下の光線が遮断される程度に暗くする。
【0032】このようにして調整された撮像装置を用い
ると、第2撮像装置3の画像では、明るすぎる溶接トー
チ部分は映像出力信号が飽和状態になり、はっきりした
像になっていない。そこで、画像処理装置4において、
第2撮像装置3の映像出力信号を処理して高輝度部分に
マスクし、これに第1撮像装置2の映像出力信号を重ね
た合成画像を生成する。この合成画像は、溶接部の溶融
池の状態や開先の位置と共に溶接トーチの位置や繰り出
し長、アーク周辺プラズマの広がり具合などを同じ画面
に表示したものになる。このため、モニタ画面を観察す
る操作員は両者の関係を明瞭に把握しながら自動溶接装
置を遠隔操作することができる。
【0033】なお、溶融池は熱のため発光し、開先部分
は溶接アークの光を反射して可視化するので、光量に差
がある。このため両者をより明瞭に撮影しようとすれば
それぞれに適した感度を有する独立した撮像装置を用い
ることが好ましい。また、溶接対象部材の形状について
も画面に表示して、操作員がより正確に状況把握できる
ようにしようとすれば、さらに感度を上げた撮像装置を
備えることが好ましい。このように、複数の撮像装置を
用いてこれらの映像から合成画面を作成する場合には、
感度の高い撮像装置で得られた映像中の明度が高い部分
をマスクしてそこに感度の低い撮像装置の映像を重ね、
その映像中の明度が高い部分をマスクしてさらに感度が
低い撮像装置の映像を重ねるという入れ子操作を繰り返
すことにより、幾重でも必要なだけ映像の重畳をするこ
とができる。
【0034】なお、強力な照明装置を備えて、たとえば
開先部分など明度が不足する部分を照射し第2撮像装置
でも明瞭な映像が得られるようにすることもできる。照
明装置を追加する方が撮像装置を増やすより簡便で経済
的である。なお、照明装置は赤外線を発生するものであ
ってもよい。図2は本実施例に用いる照明装置の配置図
である。照明装置6は溶接トーチ7の進行方向、先端部
の若干先を照射している。なお、カメラヘッドをトーチ
の裏側に据えて溶接部分を後ろ側から観察するように構
成してもよく、この場合などには開先方向後方から照明
するようにした方がよいこともある。このように照明装
置6を付加することにより溶融池に感度を合わせた撮像
装置3が開先部分8の状態も同じ画面に取り込むように
することができる。
【0035】また、溶接部の高輝度部分は高温のため6
00nm以下の波長域が主体となった熱放射をする。そ
こで、第2撮像装置3の減光フィルタ34に600〜7
00nmの選択透過フィルタを用いて撮影すると、アー
ク周辺プラズマの部分が抑制されて溶接部周辺の様子を
よりよく観察することができる。減光フィルタ34に色
特性を付与する代わりに、赤色領域を選択的に透過する
帯域透過フィルタを別に加えて撮影しても良い。また、
第1撮像装置2にも帯域透過フィルタを適用して撮影し
ても良い。なお、赤色フィルタを通して撮影した画像を
そのまま合成して表示すると、画面全体が赤くなって違
和感を与えるので、画像処理装置4あるいはモニター装
置で赤色部分を抑制したり、緑色や青色を強調した色調
に変換して自然な色彩に近づけて表示することもでき
る。
【0036】なお、図1に示した装置は、CCDカメラ
の出力を処理した結果に基づき液晶フィルタと電子シャ
ッタの2種類の調光装置を自動的に制御して入射光量調
整を行うようにしたが、液晶フィルタと電子シャッタの
いずれかのみを使用するようにしても良い。この場合は
光量の調整範囲が狭くなるが、調整論理が単純になるた
め装置が簡単になる。また、入射光量の調整は、操作員
がモニター表示画面を観察しながら手動で行うようにし
ても良い。
【0037】なお、光透過量調整部材として、2枚の偏
光板の偏向角が機械的手段により変更できるようにした
ものを使用することもできる。また減光率の異なるフィ
ルタを遠隔操作で切り替えるようにした装置を使用して
も良い。また、光透過率が変わらない減光フィルタと、
電気的に光透過率を調整できる光透過量調整部材を併用
したが、後者の調光範囲が適当であれば減光フィルタを
使用しないこともできる。また、複数の撮像装置のうち
のいくつかには減光フィルタだけを用いて調整機構の簡
易化を図ることも可能である。なお、上記装置は撮像装
置としてCCDカラーカメラを用いたが、白黒のCCD
カメラであってもよく、また他の固体撮像装置や撮像管
式の撮像装置も使用できることはいうまでもない。
【0038】本発明の溶接部モニタリング装置は、カメ
ラへの入射光量を調整する手段として液晶フィルタや電
子シャッタのような電気的に制御できるものを用いるの
で、対象の明るさが変化した場合にも、従来のような減
光フィルタ交換の必要がなく、遠隔操作で画面の明るさ
を変えることができ調整作業が容易になる。また調整作
業も容易に自動化することができる。さらに、アーク光
が出ていない時にも、光透過量調整部材の光透過率を大
きくすることによりトーチや周辺部分の映像が見えるよ
うにすることができ、溶接装置のセッティングやカメラ
の位置調整などが容易になる。
【0039】図3は、2基のカメラが確実に同じ部分を
撮影するようにした溶接部モニタリング装置のカメラヘ
ッド部を表すブロック図である。図1に示したカメラヘ
ッド部にハーフミラーと全反射ミラーを付与した点が特
徴であり他の点は全く同じであるので、以下の説明は図
1と異なる部分についてのみ行う。なお、図1と同じ機
能を有する要素には同じ参照番号を付すことで説明を省
略する。図3に示すように、第2撮像装置3の光軸上に
光軸に対して45度の傾斜を持って設置されたハーフミ
ラー11を備え、透過光を第2撮像装置3に入射させる
と共に、反射光をハーフミラー11と平行に備えた全反
射ミラー12で直角に偏向させて第1撮像装置2に入射
させる。
【0040】このように構成された撮像装置は、カメラ
の光軸が一致するので、対象までの距離が変化しても二
つのカメラが同じ視野を撮影し、個々のカメラの光軸調
整をする必要がない。また、視野の大きさを変更するた
めにレンズを交換するような場合にも、光軸調整を行う
必要がなく、取り扱いが簡単になる。なお、カメラが3
個以上ある場合でもハーフミラーを用いて透過光と反射
光に分岐することにより同じ光軸上の光線を分配するこ
とができる。
【0041】図4は、図3がハーフミラー等の後ろにレ
ンズがあったのに対して、ハーフミラーの前に集光レン
ズを置いた場合を表すブロック図である。ここでも、図
1と同じ機能を有する要素には同じ参照番号を付すこと
で説明を省略する。第2撮像装置3のCCDカメラ31
の光軸上に集光レンズ13を配設し、集光レンズ13で
入射光を収束して減光フィルタ34および液晶フィルタ
33を介してCCDカメラ31の撮像面上に結像させ
る。ハーフミラー11が集光レンズ13と減光フィルタ
34の間に配置されていて、集光レンズ13で収束され
た光の一部を偏向させ、さらに全反射ミラー12で偏向
して第1撮像装置2の減光フィルタ24および液晶フィ
ルタ23を介してCCDカメラ21の撮像面上に結像さ
せる。このように構成された撮像装置は、カメラの光軸
が一致するばかりでなく収束光学系を共有するので、視
野の大きさを変更するためにレンズを交換するような場
合にも、配置調整を行う必要がなく、取り扱いが簡単に
なる。
【0042】また、光軸上に設けた集光レンズで対象領
域の映像を透過型液晶フィルタ上に結像させて、この映
像をCCDカメラで撮像するように構成することができ
る。この溶接部モニタリング装置でも液晶フィルタの光
透過率を制御することによりCCDカメラへの入射光量
を調整して、輝度の異なる領域を複数の撮像装置で撮影
して的確な合成画像を得ることができる。なお、このよ
うな液晶フィルタ上の投影像を撮影する方式では、液晶
フィルタが制御信号により部分的に濃度を変えられるも
のを選ぶことができる。こうした構成を有する溶接部モ
ニタリング装置は、溶接アーク部分を撮影するための撮
像装置で得られた画像中の高輝度部分の位置を求めて、
他方の撮像装置に設けられた液晶フィルタの対応部分の
光遮蔽率を高めることにより、溶接アーク部分にマスク
して残った周辺部の画像を直接的に得ることができる。
【0043】図5はこのような液晶フィルタの作用を説
明する図面である。溶接トーチ先端の高輝度領域がレン
ズ14により液晶フィルタ37上に結像される。液晶フ
ィルタ37上の像のうち高輝度領域部分の光透過率が小
さくなるように制御され、この部分を通る光が減少する
ので、集光レンズ32を介してCCDカメラ31の撮像
面に結像する溶接トーチ部分の画像には最高輝度部分が
欠如したものとなる。こうして高輝度領域にマスクをか
けた画像を得ることができる。透過度が低いフィルタを
通して撮影した溶接トーチ部分の映像とこうして得た画
像とを合成すれば、高度な画像処理によらずより直接的
に良好な溶接部画像を合成することが可能となる。
【0044】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の溶接部モニ
タリング装置を用いることにより、複数備えた撮像装置
への入射光量を容易に調整して得た映像を合成し、溶接
状況を的確に判断できる見やすい溶接部映像を常時取得
することができるので、自動溶接装置を正確に遠隔操作
することができる。また、光軸を共通にするものでは溶
接部モニタリング装置の調整も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶接部モニタリング装置の1実施例を
表すブロック図である。
【図2】本実施例に用いる照明装置の配置図である。
【図3】本実施例の別の態様を示すブロック図である。
【図4】本実施例のさらに別の態様を示すブロック図で
ある。
【図5】本実施例に用いる液晶フィルタの作用原理図で
ある。
【図6】本発明を適用する溶接部モニタリング装置の例
を示すシステム図である。
【図7】図6の装置に使用するカメラヘッドの透過平面
図である。
【図8】図6の装置の映像処理工程における画像合成状
況を示す図面である。
【符号の説明】
1 カメラヘッド 11 ハーフミラー 12 全反射ミラー 13 集光レンズ 2 第1撮像装置 21 CCDカメラ 22 レンズ系 23 液晶フィルタ 24 減光フィルタ 25 シャッタコントローラ 26 液晶コントローラ 3 第2撮像装置 31 CCDカメラ 32 レンズ系 33 液晶フィルタ 34 減光フィルタ 35 シャッタコントローラ 36 液晶コントローラ 37 液晶フィルタ 4 画像処理装置 6 照明装置 7 溶接トーチ 8 開先部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 繁 千葉県野田市二ツ塚118番地 川崎重工 業株式会社 野田工場内 (72)発明者 河原 秀夫 千葉県野田市二ツ塚118番地 川崎重工 業株式会社 野田工場内 (56)参考文献 特開 昭63−33977(JP,A) 特開 平9−308969(JP,A) 特開 平7−51869(JP,A) 特開 平8−150475(JP,A) 特開 平9−141432(JP,A) 特開 平9−192836(JP,A) 特開 平7−71931(JP,A) 特開 昭60−103777(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 9/095 B23K 31/00 H04N 7/18

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ溶接部を同じ方向から撮影する
    ように設置され互いに感度が異なる複数の撮像装置と、
    これら各撮像装置で同じ時に撮影した画像情報を処理合
    成して撮影時の溶接状況を表示する合成画像を形成する
    画像処理部と、該合成画像を表示する画像表示部とを備
    える溶接部モニタリング装置において、前記撮像装置の
    少なくとも1個に、該撮像装置の結像光学系の前に設け
    られ、制御信号により部分的に濃度を変えて受光量を変
    更することができる液晶フィルタからなる光透過量調整
    部材を備えた溶接部モニタリング装置であって、前記液
    晶フィルタ面に前記溶接部の映像を結像させた後に前記
    結像光学系により画像を取り込むように配設し、前記画
    像処理部が画像情報を処理して輝度が高い部分を抽出し
    て出力する制御信号に基づいて前記液晶フィルタの対応
    部分の濃度を調整することを特徴とする溶接部モニタリ
    ング装置。
  2. 【請求項2】 さらに電子シャッタが前記撮像装置に設
    けられ感光時間を調整することを特徴とする請求項1記
    載の溶接部モニタリング装置。
  3. 【請求項3】 前記撮像装置の受光量を減少させる光学
    フィルタを備えることを特徴とする請求項1または2
    載の溶接部モニタリング装置。
  4. 【請求項4】 前記撮像装置に赤色より短波長の領域を
    抑制する選択透過型フィルタを備えることを特徴とする
    請求項1からのいずれかに記載の溶接部モニタリング
    装置。
  5. 【請求項5】 前記画像情報における色情報を変成して
    赤色成分の強度を相対的に弱めた合成画像を形成するこ
    とを特徴とする請求項記載の溶接部モニタリング装
    置。
  6. 【請求項6】 さらに前記溶接部の開先部分の照度を増
    強する照明装置を備えることを特徴とする請求項1から
    のいずれかに記載の溶接部モニタリング装置。
  7. 【請求項7】 前記撮像装置の入射光路中にハーフミラ
    ーを設けて1個の撮像装置は該ハーフミラーの透過光を
    受光し、他の撮像装置は該ハーフミラーの反射光を受光
    するように配設して、前記撮像装置の入射光軸を合致さ
    せて同一部分を撮影するようにしたことを特徴とする請
    求項1からのいずれかに記載の溶接部モニタリング装
    置。
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