JP2989763B2 - 可倒式ヘッドレスト用インサートおよびその製造方法 - Google Patents

可倒式ヘッドレスト用インサートおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2989763B2
JP2989763B2 JP7201444A JP20144495A JP2989763B2 JP 2989763 B2 JP2989763 B2 JP 2989763B2 JP 7201444 A JP7201444 A JP 7201444A JP 20144495 A JP20144495 A JP 20144495A JP 2989763 B2 JP2989763 B2 JP 2989763B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
shaft
insert
connecting member
headrest
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7201444A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0928503A (ja
Inventor
泰志 北野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
INOATSUKU KOOHOREESHON KK
Original Assignee
INOATSUKU KOOHOREESHON KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by INOATSUKU KOOHOREESHON KK filed Critical INOATSUKU KOOHOREESHON KK
Priority to JP7201444A priority Critical patent/JP2989763B2/ja
Publication of JPH0928503A publication Critical patent/JPH0928503A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2989763B2 publication Critical patent/JP2989763B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等のシートバ
ック上部に装備され、特に、前後調整可能なヘッドレス
トに組込まれる可倒式ヘッドレスト用インサートおよび
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車などのシートバック上部に取付け
られる可倒式ヘッドレストは、ヘッドレスト本体から突
き出し、シートバックに取着するステーに対し、ヘッド
レスト本体を乗員の好みに応じて角度調節できる構造に
なっている。可倒式ヘッドレストに用いられる従来のイ
ンサートは、例えば、図8の形状になっていた。インサ
ートBは、コ字状形成したステー部71,連結部72か
らなる支持体7と、突片81を基部82に軸着した芯体
8とを別個に製作し、芯体8の突片81を後から連結部
72へ溶接固定するようにして造っていた。ステー部7
1は、乗員に見えるところでクロムメッキ処理等が必要
になる一方、芯体8は、製品段階でヘッドレスト本体内
部に隠れるためメッキ処理が不要である。こうしたこと
から、インサートBを造るうえでは、メッキ処理のいる
ものといらないものとを区別して製作し、後からドッキ
ングさせる方が造り易さと共に低コストでできるメリッ
トがあったのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記インサ
ートBをヘッドレスト本体に組込んで可倒式ヘッドレス
トとした場合、次のような問題があった。乗員が角度調
節しようとヘッドレスト本体5を傾動させると、ヘッド
レスト本体5と一体化した芯体8がリベット軸83を中
心に回転するが、この回転に対し連結部72が邪魔をし
た。ヘッドレスト本体5のパッド材51は、見栄え等も
あって、図10のごとく、連結部72より下の部分まで
覆っている。従って、ヘッドレスト本体5の回転に対
し、リベット軸83中心から外れて横架する連結部72
がヘッドレスト本体5の動きを止めてしまうのである。
そのため、干渉する連結部72周りにつきパッド材51
の肉抜きkを行なうことで、可倒式ヘッドレストとして
機能するようにしていた。ただ、この肉抜きkによっ
て、ヘッドレストの下から連結部72が丸見えになり
(図9)、外観上好ましい状態ではなかった。
【0004】更に、ヘッドレストの製造方法には、発
泡型内にインサートのみをセットし、発泡原料を注ぎ発
泡成形で出来たパッド材とインサートとの一体品に表皮
を後工程で被せる製法と、袋状表皮にインサートを挿
着した後、これを発泡型にセットし、表皮に設けたスリ
ットから発泡原料を注いで発泡成形し、表皮,インサー
トと一体のパッド材を形成するようにした製法とがある
が、上記インサートではの製法を採用できなかった。
の製法は、表皮に皺等がよらず、また、表皮を被せる
後工程なしに表皮,インサート一体のパッド材ができる
ことから好都合なのであるが、ヘッドレスト本体の動き
を阻害しないよう、連結部周りの不要なパッド材を前も
って或いは後から取除くのが不可能であった。の製法
をあえて採用し、表皮,インサート一体化成形したパッ
ド材を形成した後、ステーが可動する部分のみ切り込み
を入れた可倒式ヘッドレストがあるにはあるが、この方
式では、乗員がヘッドレスト本体を好みの角度に調節し
ても、連結部周りの不必要なパッド材をきちんと取除い
ていないために支障をきたしていた。すなわち、角度調
節時には、連結部に押され圧縮していたパッド材も、時
間経過とともに元に戻ろうとするその復元力で初期の状
態へ近づき、折角の角度調節も無駄骨になっていた。
【0005】本発明は上記問題点を解決するもので、ス
テー周りのパッド材だけ少し肉抜きするか或いは発泡成
形後にステーの可動範囲に切り込みをするだけで足り、
連結部が見えないようにするのみならず、単純な構造且
つ簡単な製法にして、表皮,インサートと一体成形がで
きる可倒式ヘッドレストを造り得る可倒式ヘッドレスト
用インサートおよびその製造方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本第一発明の要旨は、パッド材に埋設されるコ字状の芯
体と、該芯体の両基部に先端部が配設される一対の棒状
ステーと、前記芯体の各基部と各ステーの先端部にそれ
ぞれ挿通し芯体を回動可能に取着する二つの連結部材
と、両連結部材同士を一体化固定する軸体と、を具備す
ることを特徴とする可倒式ヘッドレスト用インサートに
ある。ここで、「一体化固定」は、連結部材と軸体との
結合で、これらが外力で捩れ現象を起こさなければ充足
するものとする。具体的には、溶接,嵌合,螺着等が該
当する。本第二発明の可倒式ヘッドレスト用インサート
は、第一発明の連結部材が短軸材と該短軸材のほぼ軸中
央に固着されたフランジとからなり、該短軸材の外方側
を断面非円形の異形部で形成すると共に、両ステーの先
端部に該異形部が嵌合する軸孔を設けたことを特徴とす
る。本第三発明の可倒式ヘッドレスト用インサートは、
第一発明または第三発明で、連結部材が、芯体の各基部
と各ステーの先端部とを挿通し、板ばねを介在させて芯
体を回動可能に取着することを特徴とする。ここで、
「板ばね」にはスプリングワッシャを含む。
【0007】本第四発明の可倒式ヘッドレスト用インサ
ートの製造方法は、コ字状の芯体の両基部に形成された
透孔に、一対の棒状体からなるステーの各先端部に設け
た軸孔をそれぞれ合わせ、二つの連結部材を各々の透
孔,軸孔に挿通して芯体を回動可能に取着し、その後、
前記二つの連結部材を軸体でつなぎ一体化軸になるよう
固定することを特徴とする。本第五発明の可倒式ヘッド
レスト用インサートの製造方法は、第四発明の短軸材の
ほぼ軸中央にフランジを固着した連結部材を用い、芯体
の両基部の外側に各ステーの先端部を配設し、芯体の内
側より前記連結部材を透孔,軸孔と挿通した後、連結部
材の内端部に裏当てして該連結部材の外端部をカシメる
ことにより芯体を回動可能に取着することを特徴とす
る。
【0008】第一発明の可倒式ヘッドレスト用インサー
トのごとく、連結部材同士を軸体でつなぎ一体化固定す
ると、芯体が軸体を軸中心にして回転するので、芯体と
一体にヘッドレスト本体が傾動しても、軸体がヘッドレ
スト本体の傾動の邪魔になることはない。第二発明の可
倒式ヘッドレスト用インサートのような連結部材と芯体
とステーとで構成されると、連結部材と両ステーが嵌合
し、更に、軸体とで剛体のコ字状枠体が出来上がるの
で、両ステーは捩れることがなく、無理な外力が加わっ
てもヘッドレストは安定した状態を保ってシートバック
に取り付けられる。そして、芯体のみが連結部材を軸に
回動可能となるので、可倒式ヘッドレスト用インサート
としての機能を効果的に果たす。また、第三発明のごと
く、板ばねを介在させて、芯体の基部を連結部材に取着
すると、適度の節度をもってヘッドレスト本体がステー
に取付けられる状態になり、角度調節後にヘッドレスト
本体が弛んで角度が狂うといった虞れはない。第四発明
の可倒式ヘッドレスト用インサートによれば、その組付
け作業が簡単になり、更に、第五発明の可倒式ヘッドレ
スト用インサートによれば、連結部の外端部をカシメる
際、連結部の内端部に裏当てが行ない易くなるので、確
実且つ容易に芯体とステーとを回動可能に取着できるよ
うになる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳述する。図1〜図7は、本発明に係る可倒式ヘッド
レスト用インサート(以下、単に「インサート」とい
う。)およびその製造方法の一形態を示す。乗用車の可
倒式ヘッドレストに適用したものである。図1はインサ
ートの分解斜視図、図2は図1の連結部材の拡大斜視
図、図3は図2のA矢視図、図4は図1の連結部材を芯
体の透孔,ステーの軸孔に挿通し、板ばねを取着した斜
視図、図5は図1のインサートを組立てた正面図、図6
は図1のインサートを組込んだ可倒式ヘッドレスト用イ
ンサートの底面図、図7は図6の縦断面図である。
【0010】インサートは、芯体1と一対のステー2,
2と二つの連結部材3,3と軸体4と二個の板バネ9,
9とからなる。ステー2だけがメッキ処理(例えば、ク
ロムメッキ処理)されている。
【0011】芯体1は、図1のごとく、コ字状に屈曲し
た棒状体(ここでは、パイプを用いている。)で、製品
時にパッド材51に埋設される部分である。芯体1は、
その基部11を扁平にし、扁平部分13に連結部材3の
円柱部311が挿通する断面円形の透孔12を設けてい
る。芯体1の幅Wは、シートバック6に取着される両ス
テー2,2間距離にほぼ等しく、この芯体1の基部11
に外側からステー2の先端部21が当接するように配設
される。
【0012】ステー2は、パイプを加工した一対の棒状
体で、プレス成形によって先端部21を押し潰して扁平
にし、且つ、少し「く」の字状に屈曲させている。
「く」の字状に屈曲するのは、インサートが挿着される
ヘッドレスト本体がうまく乗員の頭部をあてがい快適さ
を提供できるようにするためである。ステー2の扁平部
分22には、連結部材3が挿通,嵌合するための異形の
軸孔23が設けられる。
【0013】連結部材3は、棒鋼を加工した短軸材31
と、該短軸材31のほぼ軸中央に固着されたフランジ3
2とからなる(図2)。短軸材31の直径は前記透孔1
2より僅かに小さくしている。連結部材3は、二つ必要
で、コ字状の芯体1の両基部11,11に形成した透孔
12に各ステー2の軸孔23を合わせてそれぞれ挿通,
取着される(図1)。両連結部材3,3が芯体1,ステ
ー2を取着するにあたって、フランジ32は芯体1の内
側に当接するが、外方に突き出す短軸材31のフランジ
寄りには円柱部311が形成され、この円柱部311よ
り先の部分は棒鋼の両側面をカットした図3のような断
面非円形の異形部312が形成される(図3)。一方、
フランジ32より内方に位置する短軸材31は、フラン
ジ寄りに円柱部313を確保して、その先端部分には断
面半円形の軸体4との接合部314が設けられる。ここ
で、上記円柱部311の長さL1 は、芯体1の基部厚み
1 にほぼ等しく設定し(但し、L1 ≦T1 )、この円
柱部311に挿着した芯体1が連結部材3に対し回動可
能に取着される(図2,図5)。そして、上記異形部3
12の長さL2 は、ステー2の先端部厚みT2 よりある
程度長く設定し、この異形部312に嵌合される先端部
21のみならず、板バネ9の挿着,カシメのための余裕
代ろが確保できるようにしている。異形部312の断面
形状は前記軸孔23に嵌合一致させ、連結部材3,3と
ステー2,2を一体化固定させることで、連結部材3に
対し芯体1を傾動させるとき、一対のステーがバラバラ
になり勝手な動きをする不具合を防止している。フラン
ジ32は円板状体で、予め短軸材31の所定位置に溶接
固定され、連結部材3による芯体1,ステー2の取着の
際、内側から芯体1の基部11に当てがい、芯体1,ス
テー2の位置決め及び組付けを行ない易くしている。
尚、芯体1,ステー2の位置決めを行ない易くできれ
ば、フランジ32の形状は特に限定されず、短軸材31
の所定位置に部分突起を設けたものでも足りる。
【0014】軸体4は、連結部材3と同じ棒鋼を加工し
たもので、芯体1,ステー2,板バネ9を組み付けた後
の両連結部材3,3の接合部314,314に固着する
切欠部41,41が両端に形成されている(図1)。軸
体4の長さは、前記芯体1の幅Wより若干短い。接合部
34と切欠部41とを溶接固定すると、両連結部材3,
3と軸体4が断面円形にして一直線上に並ぶ。そして、
これらと一対のステー2,2が異形部312と軸孔23
との嵌合により剛体の枠状フレームをつくり、ステー2
が捩られることのない構造となる。両連結部材3,3と
軸体4は軸が屈曲したり湾曲したりしてはならず、ほぼ
ストレートな状態を保たねばならない。軸が屈曲等する
と、ヘッドレスト本体5の回動でその屈曲部分がヘッド
レスト本体と干渉するようになるからである。
【0015】板ばね9は、リング環の一部を切り欠いた
もので、透孔12,軸孔23に連結部材3を挿通し芯体
1,ステー2を組みつけ、連結部材3の先端部315を
カシメるにあたって、ステー2の外側に挿着されるもの
である(図4)。板ばね9を介在させて、連結部材3に
芯体1が取付けられることによって、芯体1が一定の節
度をもって連結部材3に対し回動可能なるようにしてい
る。板ばね9の内径は短軸材31の軸径より僅かに大き
い。本実施例では、板ばね9を採用したが、これに代え
スプリングワッシャ,座金等を用いることができる。ま
た、板ばね9に突片を一体形成し、これを芯体1の基部
11に係合させる構造にして、芯体を一定の回動範囲内
に制限することもできる。
【0016】透孔12,軸孔23を挿通した連結部材
3,3は、上記板ばね9を介在させ、先端部315が手
槌またはリベット打ち機で打ってカシメられる(図
5)。そして、軸体4を連結部材3,3に固着すること
で可倒式ヘッドレスト用インサートが出来上る。尚、上
記連結部材3とステー2は嵌合固定によって一体化を図
っているが、溶接,螺着等によってステー2が捩られる
のを防止できれば、それらの構成であっても一体化固定
の要件は満たすものとする。また、短軸材31を異形部
312のみで構成し、両ステー2の先端部には該異形部
312に嵌合する軸孔23を設け、芯体1の基部には該
異形部312に遊挿する透孔12を設けてもよい。
【0017】次に、可倒式ヘッドレスト用インサートの
製造方法について説明する。まず、構成部品たる前述の
芯体1と一対のステー2,2と二つの連結部材3,3と
軸体4と二個の板バネ9,9が準備される。そして、芯
体1の一の基部11の外側に一のステー先端部21が重
なり合うように配し、透孔12,軸孔23同士を合わせ
る。
【0018】続いて、この外側に板ばね9を配設して、
芯体1の内側から連結部材3の異形部312を先頭にし
透孔12,軸孔23,板ばね9と挿通していく(図
4)。板ばね9は連結部材3の挿通後にこれに挿着して
もよい。この段階で、ステー2の軸孔23に、連結部材
3の異形部312が嵌合状態にある。
【0019】その後、短軸材31の内端部(接合部31
2,円柱部313,フランジ32のいずれか又は複数箇
所)に裏当てして連結部材3の先端部315をカシメる
ことにより芯体1をステー2,連結部材3に対し回動可
能に取着する。すなわち、板ばね9を介在させ、適度の
締め付け力を帯有させながら先端部315を手槌等で打
って丸める(図4)。次いで、他方の連結部材3につい
ても、上記手順にしたがって芯体1をステー2,連結部
材3に対し回動可能に取着する。そうして、最後に、二
つの接合部314に軸体の両切欠部41をそれぞれ溶接
し、二つの連結材3,3を軸体4でつなぎ、一体化軸に
なるよう固定することによりインサートを仕上げるので
ある。
【0020】このように構成したインサートは、芯体1
をパッド材51内に埋設して可倒式ヘッドレストを製造
すると、図7のごとく、必要に応じて乗員がヘッドレス
ト本体5を傾動しても、芯体1と一体化したヘッドレス
ト本体5は連結部材3,軸体4を中心に回動するので、
ヘッドレスト本体サイドから見ても軸体4は定位置を保
っている。従って、軸体4がヘッドレスト本体5の回動
を阻止しないようパッド材51の肉抜き部分を設ける必
要はなくなり、軸体4は製品の裏からもはや見えなくな
る。肉抜き部分kは、ステー2の動く部分だけで十分で
且つ小さくなるので、見栄えも格段に良くなる(図
6)。
【0021】また、インサートの製造は、既述のごとく
カシメによるので、ピン打ち等と異なり、簡単な加工で
充足される。そして、その製造段階では、連結部材3の
先端部315に加えられるカシメ力Fが無理な姿勢をと
ることなく安定して加えられるので、精度向上,生産性
向上に貢献する。連結部材3は、短軸材31とフランジ
32で構成され、芯体1,ステー2,板ばね9を挿通し
た後、内端部たる接合部314に治具Zを裏当てするこ
とができるので(図4)、先端部315の迅速且つ確実
なカシメる作業をなし得、所望の回動節度感を有した芯
体1をステー2にたやすく取着できる。カシメ作業にあ
たっては、連結部3の根元を治具Zが直かに支えるの
で、極めて効果的である。尚、本来邪魔になる軸体4の
部分は後付けで連結部材3に取着されるので、上記カシ
メ作業段階では何ら不都合がない。また、本実施例のよ
うな円板状のフランジ32にあっては、芯体1,ステー
2の位置決めだけでなく、このフランジ32に治具Zを
直接あてがうことによってカシメ作業を一層効率よく行
なうことが可能になる。
【0022】そして、前述のインサート形状が単純なの
で、組立てが容易になるばかりか、軽量化が進んで自動
車の燃費向上にも役立つ。従来は、ヘッドレスト本体5
との一体化を確実になすべく芯体1を図8のような複雑
形状にしていた。とりわけ、安全対策面から内突規制を
受け、板材は全て内向きにしなければならず、そのプレ
ス加工は大変だった。本実施例では、棒状体を単にコ字
状に屈曲した芯体1でも、パッド材51に埋設されれ
ば、芯体1がヘッドレスト本体5と一体化して可倒する
ことが確かめられている。故に、インサート構成の簡素
化,軽量化が図られる。更に、板ばね9を介在させるだ
けの単純構造によって、芯体1に一定の節度をもたせて
回動することができるので、低コスト化指向の可倒式ヘ
ッドレストに有益となる。
【0023】加えて、本発明のインサートは、袋状表皮
52に挿着した後、これを発泡型にセットし、表皮に設
けたスリットから発泡原料を注いで発泡成形し、表皮,
インサートと一体のパッド材を形成するようにした製法
を採用できる。かくのごとくして得られた製品に、後工
程でステー2の可動範囲に切り込みを入れただけでも、
軸体4がヘッドレスト本体の傾動を邪魔しないので、可
倒式ヘッドレストとして存分に機能を発揮する。もちろ
ん、上記切り込みに代え、パッド材の発泡成形段階で、
ステー2周りのパッド材51の肉抜きk処理を行なって
表皮52,インサートと一体のパッド材51を形成する
こともでき、同様に可倒式ヘッドレストの機能を発揮し
得る。また、従来のインサートBは支持体7を芯体8と
区別してメッキ処理を施すことで低コストを図っていた
が(図8)、本発明のインサートでは、連結部72に相
当する軸体4もメッキ処理を省き、本来必要とされるス
テー2のみをメッキ処理にかけることができるので、よ
り効率的に低コスト化を達成できる。
【0024】尚、本発明においては前記実施例に示すも
のに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々
変更できる。芯体1,ステー2,連結部材3,軸体4,
板ばね9等の形状,大きさ等は適宜選択できる。実施例
では、連結部材3に対し芯体1が回動可能に取着されて
いるが、芯体1と連結部材3′を固着し、且つ、この連
結部材3′に一対のステー2,2を回動可能に取着して
もよい。また、芯体1は効果は低下するが、複雑形状の
ものを採用してもよい。
【0025】
【発明の効果】以上のごとく、本発明の可倒式ヘッドレ
スト用インサートは、軸体の見えない可倒式ヘッドレス
トとするだけでなく、表皮,インサートとの一体成形で
パッド材を形成できるなど、ヘッドレストの品質向上を
成し遂げ、更に、製造が容易で、簡単な構造にして軽量
化,低コスト化を実現でき優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の一形態を示す可倒式ヘッドレスト用イン
サートの分解斜視図である。
【図2】図1の連結部材の拡大斜視図である。
【図3】図2のA矢視図で、連結部材の側面図である。
【図4】図1の連結部材を芯体の透孔,ステーの軸孔に
挿通し、板ばねを取着した斜視図である。
【図5】図1の可倒式ヘッドレスト用インサートを組立
てた正面図である。
【図6】図1のインサートを組み込んだ可倒式ヘッドレ
ストの底面図である。
【図7】図6の縦断面図である。
【図8】従来の可倒式可倒式ヘッドレスト用インサート
の斜視図である。
【図9】図8のインサートを組み込んだ可倒式ヘッドレ
ストの底面図である。
【図10】図9の縦断面図である。
【符号の説明】
1 芯体 11 基部 12 透孔 2 ステー 21 先端部 23 軸孔 3 連結部材 31 短軸材 311 円柱部 312 異形部 315 先端部(外端部) 32 フランジ 4 軸体 9 板ばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47C 7/38 B60N 2/48 B60R 21/055

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パッド材に埋設されるコ字状の芯体
    (1)と、該芯体の両基部に先端部が配設される一対の
    棒状ステー(2,2)と、前記芯体の各基部と各ステー
    の先端部にそれぞれ挿通し芯体を回動可能に取着する二
    つの連結部材(3,3)と、両連結部材同士を一体化固
    定する軸体(4)と、を具備することを特徴とする可倒
    式ヘッドレスト用インサート。
  2. 【請求項2】 前記連結部材(3)は短軸材(31)と
    該短軸材のほぼ軸中央に固着されたフランジ(32)と
    からなり、該短軸材の外方側を断面非円形の異形部で形
    成すると共に、両ステーの先端部に該異形部が嵌合する
    軸孔を設けた請求項1記載の可倒式ヘッドレスト用イン
    サート。
  3. 【請求項3】 連結部材が、前記芯体の各基部と各ステ
    ーの先端部とを挿通し、板ばねを介在させて芯体を回動
    可能に取着する請求項1または2に記載の可倒式ヘッド
    レスト用インサート。
  4. 【請求項4】 コ字状の芯体の両基部に形成された透孔
    に、一対の棒状体からなるステーの各先端部に設けた軸
    孔をそれぞれ合わせ、二つの連結部材を各々の透孔,軸
    孔に挿通して芯体を回動可能に取着し、その後、前記二
    つの連結部材を軸体でつなぎ一体化軸になるよう固定す
    る可倒式ヘッドレスト用インサートの製造方法。
  5. 【請求項5】 短軸材のほぼ軸中央にフランジを固着し
    た連結部材を用い、芯体の両基部の外側に各ステーの先
    端部を配設し、芯体の内側より前記連結部材を透孔,軸
    孔と挿通した後、連結部材の内端部に裏当てして該連結
    部材の外端部をカシメることにより芯体を回動可能に取
    着する請求項4記載の可倒式ヘッドレスト用インサート
    の製造方法。
JP7201444A 1995-07-14 1995-07-14 可倒式ヘッドレスト用インサートおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP2989763B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7201444A JP2989763B2 (ja) 1995-07-14 1995-07-14 可倒式ヘッドレスト用インサートおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7201444A JP2989763B2 (ja) 1995-07-14 1995-07-14 可倒式ヘッドレスト用インサートおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0928503A JPH0928503A (ja) 1997-02-04
JP2989763B2 true JP2989763B2 (ja) 1999-12-13

Family

ID=16441197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7201444A Expired - Fee Related JP2989763B2 (ja) 1995-07-14 1995-07-14 可倒式ヘッドレスト用インサートおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2989763B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112218781A (zh) * 2018-04-16 2021-01-12 松本工业株式会社 头枕支杆、头枕及其制造方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1938253A1 (de) 1969-07-28 1971-02-11 Keiper Recaro Gmbh Co Gelenk

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1938253A1 (de) 1969-07-28 1971-02-11 Keiper Recaro Gmbh Co Gelenk

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0928503A (ja) 1997-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7273252B2 (en) Vehicle seat
US5087098A (en) Lumbar support device
US5642918A (en) Moveable headrest
US20010026091A1 (en) Headrest apparatus for vehicle seat
CN109421571A (zh) 头枕
JP2989763B2 (ja) 可倒式ヘッドレスト用インサートおよびその製造方法
JP4075452B2 (ja) ヘッドレスト装置
CN111907388A (zh) 座椅开口部的隐藏结构
JP2000225036A (ja) 可動式ヘッドレスト装置
JP2000270958A (ja) 可動式ヘッドレスト装置
JPH0937888A (ja) 可倒式ヘッドレスト用インサート
JP2000270946A (ja) シートリクライニング装置
JP2541077B2 (ja) シ―トのランバ―サポ―ト装置
JPH08308673A (ja) 可倒式ヘッドレスト用インサート
JP2000229018A (ja) 可動式ヘッドレスト装置
JP3322982B2 (ja) ヘッドレストの前後調整装置
JPH05162574A (ja) 子供用シートを備えた車両用シート
JPH09224776A (ja) 後部座席のヘッドレスト
JP6474371B2 (ja) 車両用シート
JP3130277B2 (ja) ロッキング装置
JPS6116172Y2 (ja)
JP2000225038A (ja) 可動式ヘッドレスト装置
JP2759162B2 (ja) シートバックの組付方法
JP3531158B2 (ja) 可動式ヘッドレスト装置
JP2000287781A (ja) 可倒式ヘッドレスト

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees