JP2989471B2 - 中空射出成形法による熱可塑性樹脂製機構部品 - Google Patents

中空射出成形法による熱可塑性樹脂製機構部品

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1704Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles

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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂による機構
部品に関するものであり、さらに詳しくは中空射出成形
法を用いた、外観を悪くすることなく寸法精度が良好な
熱可塑性樹脂製の機構部品に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂製の機構部品は、生産性が
良く、軽量で、しかも錆ないという理由から自動車、O
A機器、一般機械、精密機械、家電機器等の各分野に幅
広く用いられている。また、中空射出成形法はヒケ、ソ
リの少ない成形法として最近、自動車、電気製品等の構
造部品で広く用いられるようになった。(中空射出成形
法の代表的な方法は特公昭57ー14968号公報に開
示されている。) しかしながら、機構部品に中空射出成形法を応用しよう
とした場合、製品設計によっては寸法精度に対する中空
射出成形法の十分な効果が得られなかったり、表面外観
を悪くする場合があるという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、中空
射出成形法を応用した、外観が良く、良好な寸法精度を
もつ熱可塑性樹脂製の機構部品を提供しようとすること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明者ら等が鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達
した。すなわち、本発明は、中空射出成形法により成形
された熱可塑性樹脂製の機構部品において、該機構部品
が軸を中心として回転する部品であって、該機構部品の
中空部の中空率が5〜45%であり、かつ中空部の形成
領域の肉厚が1.8〜6mmであることを特徴とする中
空射出成形法による熱可塑性樹脂製機構部品、である。
【0005】本発明の中空射出成形法による熱可塑性樹
脂製機構部品は、中空部の中空率が5〜45%である。
さらに好ましくは10〜40%である。中空率が高いと
本発明の目的の一つである表面外観に対する効果が得ら
れ難かったり、低いともう一つの目的である寸法精度へ
の効果が得られない場合がある。なお、中空率とは次式
で定義される。 中空率(%)={(V×ρ−M)/(V×ρ)}×100 ただし、上式においてVは中空部を同じ樹脂で埋めたと
きの体積、ρは用いた樹脂の比重、Mは中空成形品の質
量である。本発明の中空射出成形法による熱可塑性樹脂
製機構部品は、中空部には巣(ボイド)や発砲剤による
中空部は含まれない。
【0006】本発明では中空率をアップする目的で、金
型内に補助キャビティー(補助室あるいは捨てキャビテ
ィーとも称する)を設けると効果的である。この補助キ
ャビティーは、特開平3ー121820号公報に開示さ
れているように、ガス体注入時に製品キャビティー中の
樹脂を逃がすためのキャビティーである。本発明におけ
る機構部品とは、中心軸を中心に回転することによって
力や動作を伝え、これにより機能を果たす部品をいい、
代表例としてはディスク、ギヤ、カム、プーリー、及び
これらの複合部品が挙げられる。
【0007】本発明での中空射出成形法は、射出成形に
おいて熱可塑性樹脂を金型キャビティー中に射出後、ガ
ス体を樹脂中に注入することにより中空成形品を得る成
形法である。本発明で中空射出成形法は、通常の射出成
形機とガス注入装置の組み合わせにによって行われる。
ガス注入装置は、樹脂の射出後に配管を通して樹脂中に
ガス体を注入し、この注入したガス圧を設定時間保持す
る装置である。これには注入するガス体を予め高圧に圧
縮し、アキュームレーターに蓄え、ガス注入時に配管を
通して高圧ガスを導入する方式や一定量のガス体を計量
しポンプにより連続で送り込み、加圧していく方式等が
考えられるが、射出後の樹脂中にガス体を送り込めれば
如何なる方式も適応が可能である。
【0008】ガスの注入口の設置部分は、成形機シリン
ダーのノズル、金型のスプルー、ランナー、製品部に直
接等の部分が考えられるが、高圧のガス体を樹脂中に注
入できればいずれの方法でも実施可能である。中空射出
成形法の代表的な方法は特公昭57ー14968号公報
に開示されている。本発明の中空射出成形法による熱可
塑性樹脂製機構部品は、内部に中空部を有するが、本発
明での肉厚とは、機構部品の外表面での、外観の肉厚を
言う。例えば、図5の歯車におけるHH′間の肉厚は点
gと点hとの間の距離(gh間)で定義され、また、図
7の様な歯車形状の時のEE’間、FF’間、GG′間
での肉厚はそれぞれab間(点aは歯底)、cd間、e
f間の距離で定義されるものをいう。
【0009】本発明の機構部品は、中空部の形成領域の
肉厚は、1.8〜6mmである。好ましくは2〜5mm
である。 肉厚は、薄いほど寸法精度が得られ難く、肉
厚は厚いほど機構部品(成形品)の表面外観が悪化す
る。本発明で中空部の形成領域とは、内部の中空形状を
肉厚の定義される方向へ投影したとき、機構部品表面上
へ投影される領域を言う。本発明の中空射出成形法によ
る熱可塑性樹脂製機構部品は、3次元的に複雑な形状を
とりうるため、ある位置での肉厚として2方向以上の距
離が考えられる場合があるが、このような場合は最低の
距離(薄い方向)をもって肉厚と定義する。
【0010】本発明に用いられる熱可塑性樹脂として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、A
BS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアセター
ル、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、
ポリエチレンテレフテレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリア
ミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポ
リサルフォン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエ
ーテルケトン、液晶ポリマー、ポリテトラフルオロエチ
レン、熱可塑性エラストマー等が挙げられるが、通常の
射出成形が可能であれば、いかなる熱可塑性樹脂も用い
ることができる。特に、ポリアセタール樹脂、及びポリ
アミド樹脂は耐熱性が高く、機械的物性にも優れ、さら
には摺動特性にも優れるため機構部品として多く用いら
れており、本発明においても好適に用いられる。
【0011】本発明の機構部品は、内部に中空部を有す
るので、耐熱性、機械的強度等をアップする目的で、必
要に応じて無機及び、または有機の充填材を熱可塑性樹
脂に配合することが出来る。好適な充填材としては、ガ
ラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、チタン
酸カリウム、アスベスト、炭化ケイ素、セラミック、窒
化ケイ素、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、
クレー、パイロフィライト、ベントナイト、セリサイ
ト、ゼオライト、マイカ、雲母、ネフェリンシナイト、
タルク、アタルパルジャイト、ウオラストナイト、PM
F、フェライト、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、ドロマイト、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、酸化マグネシウム、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒
鉛、石こう、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラスバ
ルーン、石英、石英ガラスなどの強化充填材を挙げるこ
とが出来き、これらは中空であってもよい。
【0012】また、これらの強化充填材は2種以上を併
用することが可能であり、必要によりシラン系、チタン
系などのカップリング剤で予備処理して使用する事がで
きる。本発明で用いるガス体としては、窒素やヘリウ
ム、ネオン、アルゴンなどの不活性ガス、水蒸気などが
挙げられるが、樹脂に対して不活性であればいかなるガ
ス体も用いることができる。また、これらのガス体を用
いるときは通常不純物が含まれるが、あまり不純物成分
が多いと成形時に樹脂の分解やヤケを生じる場合がある
ので好ましくない。経済性を考慮すると工業的には窒素
ガスがより好適に使用される。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、これは本発明を限定するものではない。な
お、物性の測定方法は次のとおり。 (1)歯すじ方向誤差 JIS歯車精度規格(JIS B 1702)の、歯す
じ方向誤差を用いた。この誤差は理想的な形状の歯車か
らの寸法のずれである。誤差の値が小さいほど正確に作
動する歯車と言える。 (2)最大直径と最小直径との差 円形の直径を全周で測定し、最大直径と最小直径との差
を算出した。この直径差が小さいほど真円度が良く、寸
法精度に優れる機構部品と言える。 (3)表面外観 高さ120cmの台上に機構部品を固定して置き、その
2m上の天井にある蛍光灯を機構部品の表面に反射さ
せ、その映りの状態を肉眼判定により次の4段階に評価
した。 ◎ 蛍光灯がはっきり映る。 ○ 蛍光灯が多少ぼやけて映る。 △ 蛍光灯がぼやけて映る。 × 蛍光灯が映らない。
【0014】
【実施例1〜9】熱可塑性樹脂としてポリアセタール樹
脂コポリマーを用い、中空射出成形を行って、直径約4
0mmで均一な肉厚のディスクを各実施例の肉厚で得
た。そして、樹脂の計量値を変えて各実施例の中空率を
得た。図1、図2にディスクの断面図の例を示す。
【0015】樹脂中に注入するガス体には窒素ガスを用
い、ガス注入口は成形機のシリンダーのノズル部に設け
た。このときシリンダーへのガスの侵入(金型と反対方
向への侵入)を防止する目的でガス注入口のスクリュー
側(ホッパー側)にシャットオフ弁を設けた。ガス注入
装置に窒素ガスを導入し、100kg/cm2に昇圧し
てアキュームレーターに蓄え、樹脂射出後に配管を通し
て樹脂中に注入した。ガス体は、ノズルからスプルー、
ランナー、ゲート部を通って製品キャビティー中に導入
された。
【0016】ゲート部は、図2に示すように製品の片面
の中心に1点で設けた。このときの条件はガス圧入遅延
時間(樹脂の射出後ガスを注入するまでの時間)を1.
0秒、ガス圧入時間(ガス注入を行う時間)を3秒、圧
力保持時間(ガス注入をとめガス系を閉じた状態に保持
する時間とガス圧入時間をたした時間)を30秒とし
た。型開きは圧力保持時間終了から5秒後に行い、成形
品を取り出した。
【0017】上記方法により何れも中空構造をもつ成形
品が得られた。図1、図2に中空部の状態の例を示し
た。得られたディスクの最大直径と最小直径の差を測定
した。また、表面外観はディスクのゲートのある面で評
価した。得られた結果を表1に示した。
【0018】
【比較例1〜3】肉厚を、本発明の範囲2〜6mmを外
れるものとした他は、実施例1〜9と同様の方法でディ
スクを得、評価した。図3に中空部の例を示した。得ら
れた結果を表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】
【実施例10〜19】ポリアセタール樹脂コポリマー以
外の熱可塑性樹脂を用いた他は、実施例1〜9と同様の
方法でディスクを得、評価した。得られた結果を表2、
表3に示した。
【0021】
【比較例4〜13】肉厚を、本発明の範囲2〜6mmを
外れるものとした他は、実施例10〜19と同様の方法
でディスクを得、評価した。得られた結果を表2、表3
に示した。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【実施例20〜28】以下に示す歯車諸元で歯幅方向に
均一な肉厚の平歯歯車(インボリュート歯車)を作製し
た。図4、図5に断面図の例を示す。 モジュール : 1.0 歯 数 : 40 ピッチ円直径 : 40mm 歯先円直径 : 42mm 標準圧力角 : 20゜ 歯幅 : 2〜6 軸穴直径 : 8mm 熱可塑性樹脂としてはポリアセタール樹脂コポリマーを
用いて、実施例1〜9と同様な条件で歯車を得た。ただ
し、ゲート部は製品の片側に1点で設けた。得られた歯
車の精度を測定し、また、表面外観は歯面で評価した。
得られた結果を表4に示した。
【0025】
【比較例14〜16】実施例20〜28と同様な歯車を
同様な方法で、各肉厚の歯車を得、評価した。図6に断
面図の例を示す。得られた結果を表4に示した。
【0026】
【表4】
【0027】
【発明の効果】本発明の中空射出成形法による熱可塑性
樹脂製機構部品は、軽量で、しかも錆ない点に加え、さ
らに、従来の熱可塑性樹脂製機構部品に比べて、良好な
寸法精度をもち、かつ、外観が良く、機構部品として優
れる。このため、自動車、一般機械、精密機械、電気・
電子等の各分野の機構部品として有用であり、産業上非
常に有用である。特にファクシミリ、コピー機等の歯車
部品に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例5のディスクの厚みの中央を平行に切断
した断面図(図2のBB’面での切断)。
【図2】実施例5のディスクのディスク面と直角に切断
した断面図(図1のAA’面での切断)。
【図3】比較例1のディスクのディスク面と平行に切断
した断面図。
【図4】実施例24の歯車の断面図(図5のDD’面で
の切断)、インボリュート歯形は1部省略。
【図5】実施例24の歯車の断面図(図4のCC’面で
の切断)。
【図6】比較例14の歯車の断面図。インボリュート歯
形は1部省略。
【図7】3次元的に複雑な形状の、中空射出成形法によ
る熱可塑性樹脂製機構部品の1例として、歯車を示す、
平面図と断面図。
【符号の説明】
1 ゲート部 2 中空部 3 歯先円 4 歯 5 軸穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−131484(JP,A) 特開 平4−299113(JP,A) 特開 平4−238008(JP,A) 特開 平6−312429(JP,A) 特開 平6−312430(JP,A) 特開 平7−71564(JP,A) 特開 平7−91522(JP,A) 特開 平7−100961(JP,A) 特開 平7−124987(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/00 - 45/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空射出成形法により成形された熱可塑
    性樹脂製の機構部品において、該機構部品が軸を中心と
    して回転する部品であって、該機構部品の中空部の中空
    率が5〜45%であり、かつ中空部の形成領域の肉厚が
    1.8〜6mmであることを特徴とする中空射出成形法
    による熱可塑性樹脂製機構部品。
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