JP2989454B2 - 希土類イオン添加短波長レーザ光源装置 - Google Patents

希土類イオン添加短波長レーザ光源装置

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JP2989454B2 JP31182593A JP31182593A JP2989454B2 JP 2989454 B2 JP2989454 B2 JP 2989454B2 JP 31182593 A JP31182593 A JP 31182593A JP 31182593 A JP31182593 A JP 31182593A JP 2989454 B2 JP2989454 B2 JP 2989454B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光情報処理、光計測測
定、環境測定等の分野で利用される希土類イオン添加短
波長レーザ光源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光学材料に添加される希土類イオンに関
する研究開発は1960年代に活発に行われ、様々な構
成や発振波長を有する、希土類イオン添加固体レーザ素
子が提案されてきた。これらの固体レーザ素子や該固体
レーザ素子に添加される希土類イオンの特性全般に関し
ては、例えばAlexander A. Kaminskii著のLaser Crysta
ls, (Springer-Verlag, 1981) 等に示されている。一般
的には、これらの希土類イオンは高出力であるフラッシ
ュランプよりなる励起光源により励起されるが、フラッ
シュランプからは、高帯域の波長の光が放出され、希土
類イオンに吸収されない波長の光も放出されるので、固
体レーザの出力の効率が低下すると共に熱による悪影響
も避けられないという問題があった。
【0003】ところが、1980年代になると、希土類
イオン固有の吸収領域で発振する半導体レーザが励起光
源として用いられるようになってきた。そして、半導体
レーザの高出力化に伴なって、希土類イオンが添加され
た固体レーザの出力効率が向上すると共にそのサイズや
価格も低下してきた。
【0004】半導体レーザにより励起される希土類イオ
ン添加固体レーザは、1.064μmの光を出力するN
dイオン添加のYAG(Yittrium-Aluminum-Garnet)レ
ーザに代表される。半導体レーザの光により励起される
(レーザ励起)希土類イオン添加固体レーザは基本的に
は励起光の波長よりも長い波長でしか発振しなかった。
すなわち、固体レーザに添加された希土類イオンは、励
起光のエネルギーを吸収して或る高エネルギー準位に励
起され、この高エネルギー準位よりも低いエネルギー準
位から発光遷移するのが通常であった。
【0005】しかしながら、希土類イオンの種類によっ
ては、上位のエネルギー準位における蛍光寿命時間が長
く、高出力で励起される場合には上位のエネルギー準位
からさらに高いエネルギー準位にまで再励起される、い
わゆる励起準位吸収(ESA)が見られる。このさらに
高いエネルギー準位は各励起光よりもエネルギー準位が
高いため、励起光の波長よりも短い波長での発振が可能
となる。このような2光子吸収による高いエネルギー準
位への励起をアップコンバージョン励起と呼び、このよ
うにして得られた短波長レーザ素子はアップコンバージ
ョンレーザ素子と呼ばれる。
【0006】アップコンバージョンレーザ素子として
は、現在ではHoイオン又はErイオンが添加された固
体レーザ素子からなり530nm帯の緑色を発振するも
のや、Tmイオン又はPrイオンが添加された固体レー
ザ素子からなり青色を発振するものなどの報告例があ
る。これらについては、例えば敷田亜樹他著の「アップ
コンバージョンによる可視光発生」(レーザー研究、第
20巻第4号、1992年)等に示されている。
【0007】アップコンバージョンレーザ素子は、主と
して2つの吸収遷移を行なうので、2つの波長の光が励
起光として必要である。例えばTmイオンが添加された
固体レーザ素子は、Allain, et al 著の "Upconversion
Blue fiber laser, " Electronics Letters, vol26,
p. 261,1992, に報告されているように、Tmイオンが
680nmの光により基底準位吸収(GSA)遷移を行
なった後、650nmの光により励起準位吸収遷移を行
なうため、450nmないし480nmの波長を有する
青色の光を発振する。この場合、励起光源としてはKr
レーザを用いている。
【0008】また、Tmイオンを3つの波長の光で励起
させ、480nmの光を発振させるアップコンバージョ
ン素子も提案されている。これについては、Grubb, et
al著の"Upconversion blue fiber laser," Electronics
Letters,vol28, p. 1243,1992 に報告されている。こ
の場合には、半導体レーザにより励起されるNd:YA
G固体レーザを用い、該Nd:YAG固体レーザが発振
する1.112μm,1.116μm,1.123μm
の3波長を利用し、Tmイオンが基底準位吸収遷移と2
回の励起準位吸収遷移とを行なうことによりアップコン
バージョンを行なっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
場合には、励起光源としてKrレーザを用いており、こ
のKrレーザが高価で且つ大きい装置であるために、K
rレーザを励起光源とする短波長レーザ光源装置は、産
業上の利用用途が大きく制限されるという問題がある。
【0010】また、後者の場合には、励起光の波長が通
常のNd:YAG固体レーザの励起波長である1.06
4μmと異なっているために、前記3つの波長で発振さ
せるための工夫が必要であり、短波長レーザ光源装置と
しては複雑で且つ大掛かりなものになるという問題があ
る。さらに、後者の場合においては、基底準位吸収と2
つの励起準位吸収からなり吸収波長領域が重なる3つの
波長で励起する方法を用いているため、吸収波長が重な
る領域においてはそれぞれの吸収係数が低いため、吸収
効率が低下するという問題がある。
【0011】このように、従来の方法によると、アップ
コンバージョンを行なうためには、1つの基底準位吸収
用の励起光と少なくとも1つの励起準位吸収用の励起光
とからなる少なくとも2つの励起光が必要であり、そし
て、通常、これら2つの励起光は2つの励起光源により
供給される。このように2つの励起光源を用いる短波長
レーザ光源装置は、装置自体が大掛かりになると共に高
価になるので、産業上の利用用途が限られるという問題
がある。
【0012】また、少なくとも2つの波長の光を同時に
希土類イオン添加光学材料に入射するためには、共振器
に複数の波長で反射する多層反射膜ミラーを施したり、
励起光の波長が異なることに起因するレンズ系の色収差
を補正したり、複雑な光学系を施したりする必要がある
ので、短波長レーザ光源装置の部品点数が増えると共
に、該装置が高価なものになるという問題がある。
【0013】前記に鑑み、本発明は、1つの励起光源か
ら出射された1つの励起光によりアップコンバージョン
励起をすることができる安価で且つ簡単な構造のレーザ
光源装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1の発明は、第1の波長の励起光により吸収
遷移をして光を放出する第1の希土類イオンが添加され
た第1の光学材料と、前記励起光と第1の希土類イオン
が放出する光とによってアップコンバージョン励起され
る第2の希土類イオンが添加された第2の光学材料とを
用いるものである。
【0015】具体的に請求項1の発明が講じた解決手段
は、希土類イオン添加短波長レーザ光源装置を、第1の
波長の励起光を出射する励起光源と、第1の波長の励起
光により吸収遷移をして第2の波長の光を放出する第1
の希土類イオンが添加されており、前記励起光源から出
射される励起光が入射する第1の入射部と、該第1の入
射部から入射する励起光及び前記第1の希土類イオンが
放出する第2の波長の光をそれぞれ出射する第1の出射
部とを有する第1の光学材料と、第1の波長の励起光に
より基底準位吸収遷移をすると共に第2の波長の光によ
り励起準位吸収遷移を行ない、該励起準位吸収遷移の上
位遷移準位から発光遷移をして第3の波長の光を放出す
る第2の希土類イオンが添加されており、前記第1の光
学材料の第1の出射部から出射される励起光及び第2の
波長の光がそれぞれ入射する第2の入射部と、該第2の
入射部と共に前記第2の希土類イオンが放出する第3の
波長の光を共振する共振器を構成し該共振器により発振
されたレーザビームを出力する第2の出射部とを有する
第2の光学材料とを備えている構成とするものである。
【0016】請求項2の発明は、請求項1の構成に前記
第1の希土類イオンは3価Ybイオン又は3価Ndイオ
ンであり前記第2の希土類イオンは3価Tmイオンであ
るという構成を付加するものであり、請求項3の発明
は、請求項1の構成に前記第1の希土類イオンは3価T
mイオンであり前記第2の希土類イオンは3価Erイオ
ンであるという構成を付加するものであり、請求項4の
発明は、請求項1又は2の構成に前記第1の希土類イオ
ンは3価Ybイオンであり前記第2の希土類イオンは3
価Prイオンであるという構成を付加するものである。
【0017】また、前記の目的を達成するため、請求項
5又は6の発明は、励起光により吸収遷移をして光を放
出する第1の希土類イオンと、励起光と第1の希土類イ
オンが放出した放出光とによってアップコンバージョン
励起される第2の希土類イオンとが添加された光学材料
を用いると共に、第1の希土類イオン及び第2の希土類
イオンの種類をそれぞれ特定するものである。
【0018】具体的に請求項5の発明が講じた解決手段
は、希土類イオン添加短波長レーザ光源装置を、第1の
波長の励起光を出射する励起光源と、第1の波長の励起
光により吸収遷移をして第2の波長の光を放出する第1
の希土類イオンと、第1の波長の励起光により基底準位
吸収遷移をすると共に、前記第1の希土類イオンが放出
する第2の波長の光により励起準位吸収遷移を行なうか
又は吸収遷移した前記第1の希土類イオンとの間でエネ
ルギー伝達をして励起準位吸収遷移を行ない、前記2つ
の励起準位吸収遷移のいずれか一方の上位遷移準位から
発光遷移をして第3の波長の光を放出する第2の希土類
イオンとが添加されており、前記励起光源から出射され
る励起光が入射する入射部と、該入射部と共に前記第2
の希土類イオンが放出する第3の波長の光を共振する共
振器を構成し該共振器により発振されたレーザビームを
出力する出射部とを有する光学材料とを備えており、前
記第1の希土類イオンは3価Ybイオン又は3価Ndイ
オンであり、前記第2の希土類イオンは3価Tmイオン
である構成とするものである。
【0019】具体的に請求項6の発明が講じた解決手段
は、希土類イオン添加短波長レーザ光源装置を、第1の
波長の励起光を出射する励起光源と、第1の波長の励起
光により吸収遷移をして第2の波長の光を放出する第1
の希土類イオンと、第1の波長の励起光により基底準位
吸収遷移をすると共に、前記第1の希土類イオンが放出
する第2の波長の光により励起準位吸収遷移を行なうか
又は吸収遷移した前記第1の希土類イオンとの間でエネ
ルギー伝達をして励起準位吸収遷移を行ない、前記2つ
の励起準位吸収遷移のいずれか一方の上位遷移準位から
発光遷移をして第3の波長の光を放出する第2の希土類
イオンとが添加されており、前記励起光源から出射され
る励起光が入射する入射部と、該入射部と共に前記第2
の希土類イオンが放出する第3の波長の光を共振する共
振器を構成し該共振器により発振されたレーザビームを
出力する出射部とを有する光学材料とを備えており、前
記第1の希土類イオンは3価Ybイオンであり、前記第
2の希土類イオンは3価Prイオンである構成とするも
のである。
【0020】
【作用】請求項1の構成により、第1の希土類イオン
は、励起光源から出射された第1の波長の励起光により
励起されて第2の波長の光を出射し、第2の希土類イオ
ンは、励起光源から出射された第1の波長の励起光と第
1の希土類イオンから出射された第2の波長の光とによ
りアップコンバージョン励起され、アップコンバージョ
ン励起された上位遷移準位から遷移発光することによっ
て短波長の第3の波長の光を放出する。そして、第2の
希土類イオンから放出された短波長の光は第2の光学材
料の入射部及び出射部からなる共振器によりレーザ発振
されて出射部から出力される。この場合、励起光源から
出射された第1の波長の励起光は第1の希土類イオンに
基底準位吸収の励起をさせるが、第1の希土類イオンの
基底準位吸収の度合いにもよるが、例えば励起光のうち
の約半分の光量は第1の希土類イオンに吸収されずに第
1の光学材料から第2の光学材料に入射される。すなわ
ち、第1の光学材料からは第1の希土類イオンに吸収さ
れなかった第1の波長の励起光と第1の希土類イオンが
放出する第2の波長の光とからなる2種類の波長の光が
放出され、該2種類の波長の光が第2の光学材料に入射
される。これにより、第2の希土類イオンは、第1の波
長の励起光による基底準位吸収と第1の希土類イオンが
放出する第2の波長の光による励起準位吸収とをするこ
とができるのである。
【0021】請求項5又は6の構成により、第1の希土
類イオンは、励起光源から出射された第1の波長の励起
光により励起されて第2の波長の光を出射する。第2の
希土類イオンは、励起光源から出射された第1の波長の
励起光と第1の希土類イオンから出射された第2の波長
の光とによりアップコンバージョン励起をされるか、又
は励起光源から出射された励起光の吸収と基底準位吸収
遷移の上位遷移準位に達した第1の希土類イオンとの間
のエネルギー伝達とによってアップコンバージョン励起
をされる。そして、第2の希土類イオンから放出された
短波長の第3の波長の光は光学材料の入射部及び出射部
からなる共振器によりレーザ発振されて出射部から出力
される。この場合、励起光源から出射された第1の波長
の励起光は第1の希土類イオンに基底準位吸収の励起を
させると共に第2の希土類イオンに基底準位吸収の励起
をさせる。そして、第2の希土類イオンは、第1の希土
類イオンから出射された第1の波長の光により励起準位
吸収遷移をするか、又は基底準位吸収により上位遷移準
位に達した第1の希土類イオンとの間でイオンとイオン
との相互作用によるエネルギー伝達を行ない励起準位吸
収遷移をする。
【0022】ところで、請求項5の構成においては、第
1の希土類イオンは3価Ybイオン又は3価Ndイオン
であり、第2の希土類イオンは3価Tmイオンであると
特定しており、請求項6の構成においては、第1の希土
類イオンは3価Ybイオンであり、第2の希土類イオン
は3価Prイオンであると特定しているので、第2の希
土類イオンは、第1の希土類イオンから出射された第2
の波長の光により励起準位吸収遷移をするか又は上位遷
移準位の第1の希土類イオンとの間でエネルギー伝達を
行なう。
【0023】
【実施例】以下、本発明の第1実施例に係る希土類イオ
ン添加短波長レーザ光源装置の構成について説明する。
【0024】図1は第1実施例に係る希土類イオン添加
短波長レーザ光源装置の全体構成図である。図1におい
て、101は励起光源、102は励起光源101から出
射された励起光、103は入射レンズ、104は希土類
イオン添加フッ化物からなる第1の光ファイバ、105
は第1の光ファイバ104の入射部、106は第1の光
ファイバ104の出射部、107は第1の光ファイバ1
04の入射端面ミラー、108は第1の光ファイバ10
4の出射端面ミラー、109は希土類イオン添加フッ化
物からなる第2の光ファイバ、110は第2の光ファイ
バ109の入射部、111は第2の光ファイバ109の
出射部、112は第2の光ファイバ109の入射端面ミ
ラー、113は第2の光ファイバ109の出射端面ミラ
ー、114は出射レンズ、115は出射レンズ114か
ら出射された出力光である。
【0025】第1実施例においては、励起光源101は
波長800nm帯で発振する半導体レーザ装置であり、
励起光102は波長800nm帯のレーザ光である。第
1の光ファイバ104は、Ndイオンが濃度100〜1
0000p.p.m.(1p.p.m.は重量あたり1000000
分の1)で添加されたフッ化物ファイバであり、コア径
が3μm、クラッド径が125μm、長さが2mであ
る。入射端面ミラー107は波長800nm帯の光に対
して非反射で且つ波長1.1μmの光に対しては60%
から90%の反射率の膜からなり、出射端面ミラー10
8は波長800nm帯の光に対して非反射で且つ波長
1.1μmの光に対しては60%から90%の反射率の
膜からなる。第2の光ファイバ109は、Tmイオンが
濃度100〜10000p.p.m.で添加されたフッ化物フ
ァイバであり、コア径が3μm、クラッド径が125μ
m、長さが2mである。入射端面ミラー112は波長8
00nm帯の光に対して非反射で、波長1.1μmの光
に対しても非反射で且つ波長480nmの光に対しては
高反射の膜からなり、出射端面ミラー113は波長48
0nmの光に対して90%の反射率の膜からなる。
【0026】以下、第1実施例に係る希土類イオン添加
短波長レーザ光源装置の動作について説明する。励起光
源101から出射された励起光102は、入射レンズ1
03によって集光された後、第1の光ファイバ104の
入射部105から第1の光ファイバ104に入射され
る。励起光102の一部は第1の光ファイバ104の内
部においてNdイオンに吸収される。Ndイオンは励起
光102によって基底準位の 49/2 準位から 43/2
準位に励起される。Ndイオンが発光遷移により4
3/2 準位から 411/2準位に遷移する際に波長1.06
μmから1.12μmの光が放出される。この放出光は
第1の光ファイバ104内を伝搬し、入射端面ミラー1
07と出射端面ミラー108との間で共振することによ
りレーザ光となり、第1の光ファイバ104の出射部1
06から取り出される。第1の光ファイバ104の出射
部106からは励起光102の残部も同時に取り出され
る。第1の光ファイバ104の出射部106から出射さ
れた2つの波長の光は第2の光ファイバ109に入射さ
れる。第2の光ファイバ109の内部において、両方の
光がTmイオンに吸収され、波長800nm帯の励起光
102を基底準位吸収することによりTmイオンは基底
準位の 36 準位から 34 準位に励起され、波長1.
1μmの放出光を励起準位吸収することによりTmイオ
ンは 34 準位から 14 準位に励起される。そして、
Tmイオンの 14 準位から基底準位の 36 準位への
発光遷移により波長480nmの光が放出される。この
放出光は、入射端面ミラー112と出射端面ミラー11
3との間で共振することによりレーザ光となり、第2の
光ファイバ109の出射部111から出力光115とし
て出射された後、出射レンズ114により平行光とさ
れ、取り出される。
【0027】図2は前記各希土類イオンのエネルギー準
位図を示す。図2において、縦軸は希土類イオンの各準
位のエネルギーを波数(カイザー,単位:cm-1)で示
し、151はNdイオンの各準位であり、152はTm
イオンの各準位である。また、図2において、153は
Ndイオンにおいて励起波長800nm帯によって起き
る基底準位吸収遷移を示し、154はNdイオンにおい
て起きる1.1μmの発光遷移を示し、155はTmイ
オンにおいて励起波長800nm帯によって起きる基底
準位吸収遷移を示し、156はTmイオンにおいて波長
1.1μmによって起きる励起準位吸収遷移を示し、1
57はTmイオンにおいて起きる 1G4準位から基底準
位の 3H6 準位への480nmの発光遷移を示す。図2
の準位遷移153及び155に示されるように、800
nm帯の波長の光はNdイオンとTmイオンの両方の基
底準位吸収に適している。また、図2から明らかなよう
に、Ndイオンの1.1μmの発光遷移154とTmイ
オンの励起準位吸収遷移156とはエネルギー的に非常
に近い。
【0028】図3は、第1実施例の希土類イオン添加短
波長レーザ光源装置における励起光102のパワーと波
長480nmの青色の出力光115のパワーとの関係を
示しており、図3において、横軸は励起光102のパワ
ーを示し、縦軸は出力光115のパワーを示している。
図3に示されるように、50mWの励起光102が第1
の光ファイバ104に入射するときに、第2の光ファイ
バ109から出力される青色の出力光115はレーザ発
振のしきい値に達する。また、励起光102のパワーに
対する出力光115のパワーの割合である出力光効率は
35%に達しており、最高パワー100mWの出力光1
15が得られた。この出力は以前Grubbらから報告され
ている60mWに比べて60%以上も向上している。出
力光115のパワーが100mWのときの励起光102
のパワーが400mWであり、第1の光ファイバ104
への入力結合効率が30%であることを考慮すると、励
起光源101からは1.2Wの光が出力されている。こ
の値はAlGaAsの半導体レーザにより容易に達成で
きるので、励起光源101として大型の固体レーザを用
いる必要がなく、短波長レーザ光源装置としてのサイズ
は極めて小型のものになる。
【0029】なお、前記第1実施例においては、Tmイ
オンのアップコンバージョン励起を行なうために、Nd
イオン添加の第1の光ファイバ104を用いたが、Yb
イオン添加の光ファイバも波長800nm帯の光により
励起され波長1.1μm帯の光を発振するので、Ndイ
オン添加の第1の光ファイバ104に代えてYbイオン
添加の第1の光ファイバを用いてもよい。
【0030】以下、本発明の第2実施例に係る希土類イ
オン添加短波長レーザ光源装置について説明する。
【0031】図4は第2実施例に係る希土類イオン添加
短波長レーザ光源装置の全体構成図である。図4におい
て、201は励起光源、202は励起光源201から出
射された励起光、203は入射レンズ、204は希土類
イオン添加フッ化物からなる第1の光ファイバ、205
は第1の光ファイバ204の入射部、206は第1の光
ファイバ204の出射部、207は第1の光ファイバ2
04の入射端面ミラー、208は第1の光ファイバ20
4の出射端面ミラー、209は希土類イオン添加フッ化
物からなる第2の光ファイバ、210は第2の光ファイ
バ209の入射部、211は第2の光ファイバ209の
出射部、212は第2の光ファイバ209の入射端面ミ
ラー、213は第2の光ファイバ209の出射端面ミラ
ー、214は出射レンズ、215は出射レンズ214か
ら出射された出力光である。
【0032】第2実施例においては、励起光源201は
波長800nm帯で発振する半導体レーザ装置であり、
励起光202は波長800nm帯のレーザ光である。第
1の光ファイバ204は、Tmイオンが濃度100〜1
0000p.p.m.(1p.p.m.は重量あたり1000000
分の1)で添加されたフッ化物ファイバであり、コア径
が3μm、クラッド径が125μm、長さが2mであ
る。入射端面ミラー207は波長800nm帯の光に対
して非反射で且つ波長1.47μmの光に対しては60
%から90%の反射率の膜からなり、出射端面ミラー2
08は波長800nm帯の光に対して非反射で且つ波長
1.47μmの光に対しては60%から90%の反射率
の膜からなる。第2の光ファイバ209はErイオンが
濃度100〜10000p.p.m.で添加されたフッ化物フ
ァイバであり、コア径が3μm、クラッド径が125μ
m、長さが2mである。入射端面ミラー212は波長8
00nm帯に対して非反射で、波長1.47μmに対し
ても非反射で且つ波長550nmの光に対しては高反射
の膜からなり、出射端面ミラー213は波長550nm
の光に対して90%の反射率の膜からなる。
【0033】以下、第2実施例に係る希土類イオン添加
短波長レーザ光源装置の動作について説明する。
【0034】励起光源201から出射された励起光20
2は、入射レンズ203によって集光された後、第1の
光ファイバ204の入射部205から第1の光ファイバ
204に入射される。励起光202の一部は第1の光フ
ァイバ204の内部においてTmイオンに吸収される。
Tmイオンは励起光202によって基底準位の 36
位から 34 準位に励起される。Tmイオンが発光遷移
により 34 準位から34 準位に遷移する際に波長
1.45μmから1.48μmの光が放出される。この
放出光は第1の光ファイバ204内を伝搬し、入射端面
ミラー207と出射部端面ミラー208との間で共振す
ることによりレーザ光となり、第1の光ファイバ204
の出射部206から取り出される。第1の光ファイバ2
04の出射部206からは励起光202の残部も取り出
される。第1の光ファイバ204の出射部206から出
射された2つの波長の光は第2の光ファイバ209に入
射される。第2の光ファイバ209の内部において、両
方の光がErイオンに吸収され、波長800nm帯の励
起光202を基底準位吸収することによりErイオンは
基底準位の 415/2準位から 413/2準位に励起され、
波長1.47μmの放出光を励起準位吸収することによ
りErイオンは 413/2準位から 43/2 準位に励起さ
れる。Erイオンの 43/2 準位から基底準位の 4
15/2準位への発光遷移により波長550nmの光が放出
される。この放出光は、入射端面ミラー212と出射端
面ミラー213との間で共振することによりレーザ光と
なり、第2の光ファイバ209の出射部211から出力
光215として出射された後、出射レンズ214により
平行光とされ、取り出される。
【0035】図5は前記各希土類イオンのエネルギー準
位図を示す。図5において、縦軸は希土類イオンの各準
位のエネルギーを波数(cm-1)で示し、251はTm
イオンの各準位であり、252はErイオンの各準位で
ある。また、図5において、253はTmイオンにおい
て励起波長800nm帯によって起きる基底準位吸収遷
移を示し、254はTmイオンにおいて起きる1.47
μmの発光遷移を示し、255はErイオンにおいて起
きる基底準位吸収遷移を示し、256はErイオンにお
いて起きる励起準位吸収遷移を示し、257はErイオ
ンにおいて起きる 43/2 から基底準位への525nm
の発光遷移を示す。図5から明らかなように、Tmイオ
ンの発光遷移254とErイオンの基底準位吸収255
とはエネルギー的に非常に近い。また、図5から明らか
なように、Tmイオンの基底準位吸収遷移253とEr
イオンの励起準位吸収遷移256とはエネルギー的に非
常に近い。
【0036】図6は、第2実施例の希土類イオン添加短
波長レーザ光源装置における励起光202のパワーと波
長550nmの緑色の出力光215のパワーとの関係を
示しており、図6において、横軸は励起光202のパワ
ーを示し、縦軸は出力光215のパワーを示している。
【0037】図6に示されるように、50mWの励起光
202が第1の光ファイバ204に入射するときに、第
2の光ファイバ209から出力される緑色の出力光21
5はレーザ発振のしきい値に達する。また、励起光20
2のパワーに対する出力光215のパワーの割合である
出力光効率は35%にまで達しており、最高パワー10
0mWの出力光215が得られた。出力光215のパワ
ーが100mWのときの励起光202のパワーが400
mWであり、第1の光ファイバ204への入力結合効率
が30%であることを考慮すると、励起光源201から
は1.2Wの光が出力されている。この値はAlGaA
sの半導体レーザにより容易に達成できるので、励起光
源201として大型固体レーザを用いる必要がなく、短
波長レーザ光源装置としてのサイズは極めて小型のもの
になる。
【0038】なお、第1実施例ではTmイオンのアップ
コンバージョンについて、第2実施例ではErイオンの
アップコンバージョンについてそれぞれ説明したが、P
rイオンのアップコンバージョンによる波長490nm
の青色光の発生も可能である。すなわち、励起光源とし
て800nm帯から980nmの半導体レーザを用いて
Ybイオンを励起し、その励起光とYbイオンの1μm
帯の放出光とを利用し、Prイオンのアップコンバージ
ョン励起も可能である。
【0039】また、前記第1及び第2の実施例において
は、フッ化物系の光ファイバを用いたが、アップコンバ
ージョンが可能な光ファイバ材料であればよく、バルク
材料、例えば単結晶とかガラス材料でもよい。
【0040】以下、本発明の第3実施例に係る希土類イ
オン添加短波長レーザ光源装置の構成について説明す
る。
【0041】図7は第3実施例に係る希土類イオン添加
短波長レーザ光源装置の全体構成図である。図7におい
て、301は励起光源、302は励起光源301から出
射された励起光、303は入射レンズ、304は希土類
イオン添加フッ化物からなる光ファイバ、305は光フ
ァイバ304の入射部、306は光ファイバ304の出
射部、307は光ファイバ304の入射端面ミラー、3
08は光ファイバ304の出射端面ミラー、309は出
射レンズ、310は出射レンズ309から出射された出
力光である。
【0042】第3実施例においては、励起光源301は
波長800nm帯で発振する半導体レーザ装置であり、
励起光302は波長800nm帯のレーザ光である。
【0043】前記の第1及び第2の実施例においては、
第1の希土類イオンと第2の希土類イオンとは2つの異
なる光ファイバにそれぞれ添加されており、第1の光フ
ァイバの出力光を第2の光ファイバに入力する構成であ
ったが、第3の実施例においては、光ファイバは1つで
あり、第1の希土類イオンであるNdイオンと第2の希
土類オンであるTmイオンとが共に1つの光ファイバ3
04に添加されている。
【0044】以下、第3実施例に係る希土類イオン添加
短波長レーザ光源装置の動作について説明する。
【0045】800nm帯の励起光は光ファイバ304
に添加されたNdイオン及びTmイオンに同時に吸収さ
れる。また、Ndイオンから放出された1.1μm帯の
光はそのままTmイオンに吸収されるか又はNdイオン
とTmイオンとの間のイオン−イオン間のエネルギー伝
達により1.1μmに相当するエネルギーがNdイオン
からTmイオンに伝達される。
【0046】この第3の実施例においては、Tmイオン
からNdイオンへバックトランスファー現象、すなわ
ち、TmイオンからNdイオンへエネルギー伝達するイ
オンもあるので、NdイオンからTmイオンへの波長
1.1μmの光の全体的な吸収効率は第1の実施例に比
べると多少低下する。しかしながら、本発明の目的の1
つである励起光の単一波長化に対する効果は発揮され
る。また、この構造の利点としては、1つの光ファイバ
304により短波長発振が可能であるため、短波長レー
ザ光源装置の構造が簡単であり、短波長レーザ光源装置
を低価格で提供できるメリットがある。
【0047】なお、第3の実施例におけるNdイオン及
びTmイオンに代えて、1つの光ファイバに第2の実施
例に示したTmイオン及びErイオンを添加してもよい
のは当然である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
係る希土類イオン添加短波長レーザ光源装置によると、
第1の希土類イオンは励起光源から出射された第1の波
長の励起光により励起されて第2の波長の光を出射し、
第2の希土類イオンは励起光源から出射された第1の励
起光と第1の希土類イオンから出射された第2の波長の
光とによりアップコンバージョン励起をされアップコン
バージョン励起された上位遷移準位から遷移発光するこ
とにより短波長の第3の波長の光を放出するため、すな
わち第2の希土類イオンは1つの励起光源から出射され
た励起光によりアップコンバージョン励起されて短波長
の光を放出するので、請求項1の発明によると、安価で
且つ簡単な構造の1つの励起光源から出射された1つの
励起光によりアップコンバージョン励起をすることが可
能になる。
【0049】また、請求項5又は6の発明に係る希土類
イオン添加短波長レーザ光源装置によると、第1の希土
類イオンは励起光源から出射された第1の波長の励起光
により励起されて第2の波長の光を出射し、第2の希土
類イオンは励起光源から出射された第1の波長の励起光
と第1の希土類イオンから出射された第2の波長の光と
によりアップコンバージョン励起をされるか又は励起光
源から出射された励起光と基底準位吸収遷移の上位遷移
準位に達した第1の希土類イオンとの間のエネルギー伝
達とによりアップコンバージョン励起をされるため、す
なわち、第2の希土類イオンは1つの励起光源から出射
された励起光によりアップコンバージョン励起されて短
波長の第3の波長の光を放出するので、請求項5又は6
の発明によると、安価で且つ簡単な構造の1つの励起光
源から出射された1つの励起光によりアップコンバージ
ョン励起をすることが可能になる。特に、請求項5又は
6の発明によると、第1及び第2の希土類イオンは1つ
の光学材料に添加されているため、第2の希土類イオン
から第1の希土類イオンへのバックトランスファー現象
により若干効率は低下するが1つの光学材料で済むとい
う利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る希土類イオン添加短
波長レーザ光源装置の全体構成図である。
【図2】前記第1実施例に係る希土類イオン添加短波長
レーザ光源装置における希土類イオンのエネルギー準位
図である。
【図3】前記第1実施例に係る希土類イオン添加短波長
レーザ光源装置における励起光のパワーと出力光のパワ
ーとの関係を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る希土類イオン添加短
波長レーザ光源装置の全体構成図である。
【図5】前記第2実施例に係る希土類イオン添加短波長
レーザ光源装置における希土類イオンのエネルギー準位
図である。
【図6】前記第2実施例に係る希土類イオン添加短波長
レーザ光源装置における励起光のパワーと出力光のパワ
ーとの関係を示す図である。
【図7】本発明の第3実施例に係る希土類イオン添加短
波長レーザ光源装置の全体構成図である。
【符号の説明】
101 励起光源 102 励起光 103 入射レンズ 104 第1の光ファイバ 105 第1の光ファイバの入射部 106 第1の光ファイバの出射部 107 第1の光ファイバの入射端面ミラー 108 第1の光ファイバの出射端面ミラー 109 第2の光ファイバ 110 第2の光ファイバの入射部 111 第2の光ファイバの出射部 112 第2の光ファイバの入射端面ミラー 113 第2の光ファイバの出射端面ミラー 114 出射レンズ 115 出力光 151 Ndイオンの各準位 152 Tmイオンの各準位 153 基底準位吸収遷移 154 発光遷移 155 基底準位吸収遷移 156 励起準位吸収遷移 157 発光遷移 201 励起光源 202 励起光 203 入射レンズ 204 第1の光ファイバ 205 第1の光ファイバの入射部 206 第1の光ファイバの出射部 207 第1の光ファイバの入射端面ミラー 208 第1の光ファイバの出射端面ミラー 209 第2の光ファイバ 210 第2の光ファイバの入射部 211 第2の光ファイバの出射部 212 第2の光ファイバの入射端面ミラー 213 第2の光ファイバの出射端面ミラー 214 出射レンズ 215 出力光 251 Tmイオンの各準位 252 Erイオンの各準位 253 基底準位吸収遷移 254 発光遷移 255 基底準位吸収遷移 256 励起準位吸収遷移 257 発光遷移 201 励起光源 302 励起光 303 入射レンズ 304 光ファイバ 305 光ファイバの入射部 306 光ファイバの出射部 307 光ファイバの入射端面ミラー 308 光ファイバの出射端面ミラー 309 出射レンズ 310 出力光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−251807(JP,A) 米国特許5245623(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/16 - 3/17 H01S 3/0941

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の波長の励起光を出射する励起光源
    と、 第1の波長の励起光により吸収遷移をして第2の波長の
    光を放出する第1の希土類イオンが添加されており、前
    記励起光源から出射される励起光が入射する第1の入射
    部と、該第1の入射部から入射する励起光及び前記第1
    の希土類イオンが放出する第2の波長の光をそれぞれ出
    射する第1の出射部とを有する第1の光学材料と、 第1の波長の励起光により基底準位吸収遷移をすると共
    に第2の波長の光により励起準位吸収遷移を行ない、該
    励起準位吸収遷移の上位遷移準位から発光遷移をして第
    3の波長の光を放出する第2の希土類イオンが添加され
    ており、前記第1の光学材料の第1の出射部から出射さ
    れる励起光及び第2の波長の光がそれぞれ入射する第2
    の入射部と、該第2の入射部と共に前記第2の希土類イ
    オンが放出する第3の波長の光を共振する共振器を構成
    し該共振器により発振されたレーザビームを出力する第
    2の出射部とを有する第2の光学材料とを備えているこ
    とを特徴とする希土類イオン添加短波長レーザ光源装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第1の希土類イオンは3価Ybイオ
    ン又は3価Ndイオンであり、前記第2の希土類イオン
    は3価Tmイオンであることを特徴とする請求項1に
    載の希土類イオン添加短波長レーザ光源装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の希土類イオンは3価Tmイオ
    ンであり、前記第2の希土類イオンは3価Erイオンで
    あることを特徴とする請求項1に記載の希土類イオン添
    加短波長レーザ光源装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の希土類イオンは3価Ybイオ
    ンであり、前記第2の希土類イオンは3価Prイオンで
    あることを特徴とする請求項1に記載の希土類イオン添
    加短波長レーザ光源装置。
  5. 【請求項5】 第1の波長の励起光を出射する励起光源
    と、 第1の波長の励起光により吸収遷移をして第2の波長の
    光を放出する第1の希土類イオンと、第1の波長の励起
    光により基底準位吸収遷移をすると共に、前記第1の希
    土類イオンが放出する第2の波長の光により励起準位吸
    収遷移を行なうか又は吸収遷移した前記第1の希土類イ
    オンとの間でエネルギー伝達をして励起準位吸収遷移を
    行ない、前記2つの励起準位吸収遷移のいずれか一方の
    上位遷移準位から発光遷移をして第3の波長の光を放出
    する第2の希土類イオンとが添加されており、前記励起
    光源から出射される励起光が入射する入射部と、該入射
    部と共に前記第2の希土類イオンが放出する第3の波長
    の光を共振する共振器を構成し該共振器により発振され
    たレーザビームを出力する出射部とを有する光学材料と
    備えており、 前記第1の希土類イオンは3価Ybイオン又は3価Nd
    イオンであり、 前記第2の希土類イオンは3価Tmイオンであることを
    特徴とする 希土類イオン添加短波長レーザ光源装置。
  6. 【請求項6】 第1の波長の励起光を出射する励起光源
    と、 第1の波長の励起光により吸収遷移をして第2の波長の
    光を放出する第1の希土類イオンと、第1の波長の励起
    光により基底準位吸収遷移をすると共に、前記第1の希
    土類イオンが放出する第2の波長の光により励起準位吸
    収遷移を行なうか又は吸収遷移した前記第1の希土類イ
    オンとの間でエネルギー伝達をして励起準位吸収遷移を
    行ない、前記2つの励起準位吸収遷移のいずれか一方の
    上位遷移準位から発光遷移をして第3の波長の光を放出
    する第2の希土類イオンとが添加されており、前記励起
    光源から出射される励起光が入射する入射部と、該入射
    部と共に前記第2の希土類イオンが放出する第3の波長
    の光を共振する共振器を構成し該共振器により発振され
    たレーザビームを出力する出射部とを有する光学材料と
    を備えており、 前記第1の希土類イオンは3価Ybイオンであり、 前記第2の希土類イオンは3価Prイオンであることを
    特徴とする希土類イオン添加短波長レーザ光源装置。
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