JP2005026475A - 光ファイバレーザ - Google Patents

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Takuya Aizawa
卓也 相沢
Tetsuya Sakai
哲弥 酒井
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Fujikura Ltd
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Abstract

【課題】長波長側における発振を抑制した光ファイバレーザを提供する。
【解決手段】励起光源10と、希土類元素添加ファイバ14とを少なくとも備え、レーザ光を発振する光ファイバレーザにおいて、励起光源10から出射された励起光を希土類元素添加ファイバ14に入射し、希土類元素添加ファイバ14の曲げ半径Rを調節して、長波長側における不要な光の発生を抑制する。励起光を波長0.97μm帯、発振光を波長0.55μm帯とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、希土類元素添加ファイバを用いた光ファイバレーザに関し、特に、発振効率を向上した光ファイバレーザに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、エルビウム添加フッ化物ファイバが用いられた光ファイバレーザを、波長0.97μm帯の励起光を用いて、波長0.54μm帯で発振させる方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。この方法は、エルビウムイオンのアップコンバージョン効果を利用したものである。
【0003】
【非特許文献1】
J.Y.Allain、“Tunable green upconversion”、Electron Lett.、vol.28.pp.111−113、1992
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法では、本来必要とされている波長0.54μm帯における発振(3/2準位から15/2準位への遷移に対応)と同時に、波長1.55μm帯(13/2準位から15/2準位への遷移に対応)における発振が起こるため、発振効率が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、長波長側における発振を抑制した光ファイバレーザを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、励起光源と、希土類元素添加ファイバとを少なくとも備え、レーザ光を発振する光ファイバレーザにおいて、前記励起光源から出射された励起光を前記希土類元素添加ファイバに入射し、該希土類元素添加ファイバの曲げ半径を調節して、長波長側における不要な光の発生を抑制する光ファイバレーザを提供する。
【0007】
上記構成の光ファイバレーザにおいて、前記励起光は波長0.97μm帯、前記発振光は波長0.55μm帯であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の光ファイバレーザの一例を示す模式図である。
図1中、符号10は励起光源、11は第一のレンズ、12は入力共振器ミラー、13は第二のレンズ、14は希土類元素添加ファイバ、15は第三のレンズ、16は出力共振器ミラーを示している。
【0009】
励起光源10としては、半導体レーザ(LD)、ファイバレーザなどが用いられ、この励起光源10は波長0.5μm帯〜0.97μm帯の励起光を出射することができる。
【0010】
第一のレンズ11、第二のレンズ13、第三のレンズ15としては、コリメータレンズが用いられる。
【0011】
入力共振器ミラー12、出力共振器ミラー16としては、例えば、誘電体多層膜が用いられる。
【0012】
希土類元素添加ファイバ14は、コア、あるいは、コアおよびクラッドに希土類元素が添加された光ファイバである。
希土類元素としては、エルビウム、イッテルビウム、プラセオジウム、ホルミウム、ネオジミウムなどが用いられ、これらが目的に応じて適宜選択される。−
【0013】
また、希土類元素添加ファイバ14は、曲げ半径Rで巻き回されて配置されており、その曲げ半径Rは、1cm〜10cmが望ましい。
曲げ半径Rが1cm未満では、希土類元素添加ファイバ14に歪みが掛かり、機械的信頼性が低下し、結果として折れるおそれがある。一方、曲げ半径Rが10cmを超えると、希土類元素添加ファイバ14の占有面積が大きくなる。また、希土類元素添加ファイバ14を真直ぐに配置した場合と比較しても、曲げ損失による効果が少なくなる。
【0014】
この例の光ファイバレーザでは、励起光源10から出射した励起光が第一のレンズ11でコリメート光とされ、入力共振器ミラー12を透過した励起光が第二のレンズ13で集光されて、希土類元素添加ファイバ14の入力端14aに入射し、入力共振器ミラー12と出力共振器ミラー16との間でレーザ発振する。このように発振した発振光は、この光ファイバレーザに設けられたシャッタ(図示略)などを介して、出射される。
【0015】
この例の光ファイバレーザでは、希土類元素添加ファイバ14の曲げ半径Rを調節し、希土類元素添加ファイバ14に選択的に曲げ損失を発生させることにより、所望の波長のレーザ光よりも長波長側に副次的に発生する光(発振光、自然放出光)を抑制し、所望の波長帯の発振光を発振させることができる。
【0016】
光ファイバの曲げ損失は、波長が長い方が大きく、波長が短い方が小さい。また、波長が長い場合は、曲げ半径が小さくても曲げ損失は大きく、波長が短い場合は、曲げ半径が小さいと曲げ損失も小さい。そのため、例えば、波長0.54μmにおいては曲げ損失を無視できる程度に小さくしながら、同時に波長1.55μmにおいて曲げ損失を十分に大きくし、波長1.55μmにおける光の発振を抑制することができる。これにより、例えば、波長0.97μmの励起光を用いて、波長0.55μm帯の発振光を効率よく発振させることができる。このように、この例の光ファイバレーザにあっては、希土類元素添加光ファイバの曲げ損失により、発振効率を向上させることができる。
【0017】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
希土類元素添加ファイバ14として、エルビウムを添加したZBLAN光ファイバを使用いて、図1に示したような0.55μm帯の光ファイバレーザを作製した。
希土類元素添加ファイバ14のコア径を6μm、コアとクラッドの比屈折率差Δを0.5%とし、曲げ半径Rを10cmとした。
励起光源10としては、EDFA励起用980nm半導体レーザを用いた。
このような構成の光ファイバレーザにおいて、励起光源10から励起光パワーを500W投入した。その結果、スロープ効率14%を得た。
また、比較のために、希土類元素添加光ファイバ14を曲げずに、直線状に配置した場合のスロープ効率は11%であった。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光ファイバレーザによれば、希土類元素添加ファイバの曲げ半径を調節して、希土類元素添加ファイバに選択的に曲げ損失を発生させることにより、所望の波長のレーザ光よりも長波長側に副次的に発生する不要な光を抑制し、所望の波長帯の発振光を発振させることができる。これにより、希土類元素添加光ファイバの曲げ損失により、発振効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバレーザの一例を示す模式図である。
【符号の説明】
10・・・励起光源、11・・・第一のレンズ、12・・・入力共振器ミラー、13・・・第二のレンズ、14・・・希土類元素添加ファイバ、15・・・第三のレンズ、16・・・出力共振器ミラー。

Claims (2)

  1. 励起光源と、希土類元素添加ファイバとを少なくとも備え、レーザ光を発振する光ファイバレーザにおいて、
    前記励起光源から出射された励起光を前記希土類元素添加ファイバに入射し、該希土類元素添加ファイバの曲げ半径を調節して、長波長側における不要な光の発生を抑制することを特徴とする光ファイバレーザ。
  2. 前記励起光は波長0.97μm帯、前記発振光は波長0.55μm帯であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバレーザ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007100034A1 (ja) 2006-03-02 2007-09-07 Central Glass Company, Limited 多波長光源
WO2007119807A1 (ja) * 2006-04-18 2007-10-25 Central Glass Company, Limited Ase光源
CN106148824A (zh) * 2016-08-30 2016-11-23 山东钢铁股份有限公司 一种c级运钞车用防弹钢板及其制备方法

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