JPH0818129A - 希土類イオン添加短波長レーザ光源装置及び希土類イオン添加光増幅器 - Google Patents

希土類イオン添加短波長レーザ光源装置及び希土類イオン添加光増幅器

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JPH0818129A
JPH0818129A JP6148085A JP14808594A JPH0818129A JP H0818129 A JPH0818129 A JP H0818129A JP 6148085 A JP6148085 A JP 6148085A JP 14808594 A JP14808594 A JP 14808594A JP H0818129 A JPH0818129 A JP H0818129A
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JP
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ions
light
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light source
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JP6148085A
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Motoji Toumon
元二 東門
Jiyun Odani
順 雄谷
Tomoaki Uno
智昭 宇野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 希土類イオン添加短波長レーザ光源装置にお
いて、低出力の励起光源を用いるにも拘らず、460〜
500nmの短波長の光を発振することができるように
する。 【構成】 レーザ光源装置は、波長が1000nm〜1
250nmである第1の励起光102を出射する第1の
励起光源101と、波長が640nm〜820nmであ
る第2の励起光105を出射する第2の励起光源104
と、入射部108及び出射部109を有しコア部にTm
イオンが0.001%〜10%添加された光ファイバ1
07とを備えている。一部のTmイオンのエネルギー準
位は第1の励起光102により2回の吸収遷移を行な
い、他の一部のTmイオンのエネルギー準位は第2の励
起光105により基底準位吸収遷移を行なう。前記一部
及び他の一部のTmイオンのエネルギー準位は第1の励
起光105により上位準位に励起準位吸収遷移を行な
い、Tmイオンの上位準位と基底準位との間で反転分布
状態が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光情報処理、光計測測
定、環境測定等の分野に利用される希土類イオン添加短
波長レーザ光源装置及び希土類イオン添加光増幅器に関
する。
【0002】
【従来の技術】光学材料に添加される希土類イオンに関
する研究開発は1960年代から活発に行われており、
光学材料に種々の希土類イオンが添加された種々の構成
及び発振波長を有する固体レーザが提案されている。こ
れらの固体レーザや希土類イオンの特性全般に関して
は、例えばAlexander A. Kaminskii著のLaser Crystal
s,(Springer-Verlag, 1981) 等に報告されている。光学
材料に添加された希土類イオンを高出力のフラッシュラ
ンプにより励起する最も一般的な方法は、フラッシュラ
ンプが、高帯域に及ぶ波長の光を放出し、希土類イオン
に吸収されない波長の光をも放出するため、固体レーザ
の出力の効率が低下すると共に、熱による悪影響もある
と言う問題がある。
【0003】そこで、1980年代には希土類イオン固
有の吸収領域で発振する光を放出する固体レーザが励起
光源として用いられるようになり、さらに最近では半導
体レーザの高出力化に伴って、希土類添加固体レーザの
出力効率が向上すると共にサイズが小形化し且つ価格も
低下してきた。
【0004】半導体レーザにより励起される希土類イオ
ン添加レーザ光源装置は、Ndイオンが添加されたYA
G(Yittrium-Aluminum-Garnet)レーザよりなる波長
1.064μmの光源装置に代表される。半導体レーザ
により励起された希土類イオン添加レーザ光源装置は基
本的には励起光の波長よりも長い波長でしか発振しなか
った。すなわち、従来の希土類イオン添加レーザ光源装
置は、励起エネルギーが希土類イオンに吸収されて、希
土類イオンが或る準位に励起され、この励起準位よりも
エネルギー準位の低い上位準位から発光遷移してレーザ
光を発振するのが通常であった。
【0005】しかしながら、希土類イオンの種類によっ
ては、上位準位における蛍光寿命の時間が長い場合に
は、高出力で希土類イオンを励起したときに、上位準位
からさらに高いエネルギー準位まで再び励起されるいわ
ゆる励起準位吸収(ESA)が見られる。この高エネル
ギー準位は励起光よりもエネルギー準位が高いため、短
波長の光を発振するための波長変換が可能となる。この
ように、2光子吸収により高エネルギー準位への励起が
行われる短波長固体レーザはアップコンバージョンレー
ザと呼ばれる。
【0006】アップコンバージョンレーザとして、現在
ではHoイオン又はErイオンが添加された固体レーザ
よりなる530nm帯の緑色光源、Tmイオン又はPr
イオンが添加された固体レーザよりなる青色光源などの
報告例がある。これらに関する解説として、例えば、敷
田亜樹他著の「アップコンバージョンによる可視光発
生」(レーザー研究、第20巻第4号、1992年)等
が知られている。アップコンバージョンレーザは、主と
して2回の吸収遷移を行なうので、励起光としては2つ
の波長の光が必要である。例えば、Tmイオンが添加さ
れた固体レーザの場合、Allain, et al.著の“Upconver
sion Blue fiber laser ”(ElectronicsLetters, vol2
6, p.261,1992, )において報告されているように、6
80nmの励起光により基底準位吸収(GSA)を行な
った後、さらに650nmの励起光により励起準位吸収
(ESA)を行なうと、450nm又は480nmの青
色光が発振する。
【0007】しかしながら、この場合、励起光源として
はKrレーザが用いられており、このKrレーザが高価
で大きい装置であるため、産業上の利用用途が限られて
くると言う問題があった。
【0008】そこで、Tmイオンが添加された固体レー
ザにおける波長480nmの光の発振を3つの波長の励
起光により行なう試みもなされており、Grubb, et al.
著の“Upconversion blue fiber laser ”(Electronic
s Letters,vol28, p. 1243,1992 )に報告されてい
る。この場合、半導体レーザにより励起されるNd:Y
AG固体レーザから発振される1.112μm,1.1
16μm及び1.123μmの3つの波長の光を利用し
て、TmイオンのGSA及び2回のESAによりアップ
コンバージョンを行なっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記の3つ
の波長の光を利用してGSA及び2回のESAによって
アップコンバージョンを行なう方法においては、励起光
が通常のNd:YAG固体レーザから発振される波長
1.064μmの光とは異なっているため、3つの波長
の光を発振させるための工夫が必要であり、励起光源が
複雑で且つ大掛かりな装置になると言う問題がある。
【0010】また、GSA及び2回のESAを行なうた
め、吸収波長領域が重なる3つの波長の光によって励起
する手法を用いているが、吸収波長領域が重なる領域に
おいてはそれぞれの吸収係数が低いため、発振しきい値
に達するためは高い励起パワーが必要であり、入力され
る励起光に対するレーザ発振の効率は低い。波長1.1
μm帯の励起光によってTmイオンを効率良くアップコ
ンバージョンさせるために必要な入力光パワーは従来の
半導体レーザでは得られないので、産業用に用いるため
の小型且つ低価格の短波長レーザ光源装置は実現できな
かった。
【0011】また、光ファイバは励起光が単一モードで
伝搬するように設計されるが、光ファイバを用いたアッ
プコンバージョン固体レーザの場合、レーザ光が励起光
よりも波長が短いため、レーザ光は光ファイバ中をマル
チモードで伝搬するので、高次モードにおいては伝搬ロ
スが非常に高い。
【0012】さらに、光ファイバ内の励起光のパワー密
度を向上させるために、光ファイバとして開口数(N
A)の高いものを利用する手法も考えられるが、励起光
と信号光のモード形状が著しく異なる場合には励起光は
有効にアップコンバージョン励起に使われないので、ア
ップコンバージョンレーザにおいては、開口数(NA)
の高い光ファイバを利用することはできない。
【0013】前述したように、アップコンバージョンレ
ーザ素子を室温において連続励起するためには、波長
1.1μm帯の光を高出力で発振する励起光源が必要で
ある。すなわち、1つの励起光源によりアップコンバー
ジョンレーザ素子を励起するには、基底準位吸収用の1
つの励起光と励起準位吸収用の2つの励起光とからな
り、吸収遷移領域が重なる3つの波長領域で発振する励
起光を発振する励起光源が必要である。
【0014】しかしながら、従来の励起光源において
は、各吸収遷移における吸収効率は低かった。例えば、
基底準位吸収のピーク波長が1.21μm近傍にあるの
に対して、2回目の励起準位吸収( 34 準位から 1
4 準位への吸収遷移)のピーク波長は1.15μm近傍
である。両者のピーク波長に60nm以上の差があるた
め、1つの励起光源では全体の効率が低下する。また、
波長1.1μm帯の高出力の励起光源は装置としては大
掛かりなものであり、産業上の利用用途が限られると共
に高価になる。
【0015】また、励起光源としては、大掛かりな装置
ではなく、小型、軽量、低価格且つ長寿命の半導体レー
ザを用いることが望ましいが、従来においては、現状の
波長1.1μm帯の半導体レーザでは出力が不足するた
め、半導体レーザを使用することはできなかった。この
ため、波長1.1μm帯に対する負担を小さくする、即
ち発振しきい値を下げることが課題となっていた。
【0016】前記に鑑み、本発明は、低出力の励起光源
を用いるにも拘らず、460〜500nmの短波長の光
を発振することができる短波長レーザ光源装置及び46
0〜500nmの短波長の信号光を増幅することができ
る光増幅器を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は、光学材料に添加されたTmイオンを、波
長1000〜1250nmの第1の励起光と波長640
〜820の第2の励起光とによって励起するものであ
る。
【0018】具体的に請求項1の発明が講じた解決手段
は、希土類イオン添加短波長レーザ光源装置を、波長が
1000nm〜1250nmである第1の励起光を出射
する第1の励起光源と、波長が640nm〜820nm
である第2の励起光を出射する第2の励起光源と、入射
部及び出射部を有しTmイオンが0.001%〜10%
添加された光学材料とを備えており、前記入射部及び出
射部はそれぞれ前記光学材料内に入射した光を反射する
反射膜を有し、前記第1の励起光は前記光学材料の入射
部及び出射部のうちのいずれか一方から前記光学材料内
に入射し、前記第2の励起光は前記光学材料の入射部及
び出射部のうちのいずれか一方から前記光学材料内に入
射し、一部のTmイオンのエネルギー準位は、該一部の
Tmイオンが前記第1の励起光を吸収することにより 3
6 準位から 35 準位に基底準位吸収遷移した後、 3
5 準位から 34 準位に非発光遷移し、その後、該一
部のTmイオンが前記第1の励起光を吸収することによ
34 準位から 33 準位に励起準位吸収遷移した
後、 33 準位から 34 準位に非発光遷移し、他の一
部のTmイオンのエネルギー準位は、該他の一部のTm
イオンが前記第2の励起光を吸収することにより 36
準位から 33 準位若しくは 32 準位に基底準位吸収
遷移した後、 33 準位若しくは 32 準位から 34
準位に非発光遷移するか、又は該他の一部のTmイオン
が前記第2の励起光を吸収することにより 36 準位か
34 準位に基底準位吸収遷移し、前記一部及び他の
一部のTmイオンのエネルギー準位は、該一部及び他の
一部のTmイオンが前記第1の励起光を吸収することに
より 34 準位から 14 準位に励起準位吸収遷移し、
Tmイオンの 14 準位と 36 準位との間で反転分布
状態が形成され、Tmイオンの 14 準位から 36
位への発光遷移により放出される波長460nm〜50
0nmの光を前記入射部及び出射部の各反射膜によって
共振し該共振により利得を得た波長460nm〜500
nmの光を前記出射部からレーザ光として出射する構成
とするものである。
【0019】請求項2の発明は、請求項1の構成に、前
記光学材料は、中心から半径1μm〜5μmの領域に高
屈折率領域であるコア部を有すると共に該コア部の外側
に低屈折率領域であるクラッド部を有し、前記Tmイオ
ンが前記コア部の中心部にのみ添加された光ファイバで
あるという構成を付加するものである。
【0020】請求項3の発明は、請求項1の構成に、前
記光学材料はフッ化物系の光ファイバであるという構成
を付加するものである。
【0021】請求項4の発明は、請求項1の構成に、前
記第1の励起光源は、半導体レーザ、半導体レーザによ
り励起されるNd:YAGレーザ、又は半導体レーザに
より励起されるYbイオン若しくはNdイオンが添加さ
れたファイバレーザであるという構成を付加するもので
ある。
【0022】請求項5の発明は、請求項1の構成に、前
記第2の励起光源は半導体レーザであるという構成を付
加するものである。
【0023】具体的に請求項6の発明が講じた解決手段
は、希土類イオン添加光増幅器を、波長が1000nm
〜1250nmである第1の励起光を出射する第1の励
起光源と、波長が640nm〜820nmである第2の
励起光を出射する第2の励起光源と、入射部及び出射部
を有しTmイオンが0.001%〜10%添加された光
学材料とを備えており、前記入射部及び出射部はそれぞ
れ前記光学材料内に入射した光を反射する反射膜を有
し、前記第1の励起光は前記光学材料の入射部及び出射
部のうちのいずれか一方から前記光学材料に入射し、前
記第2の励起光は前記光学材料の入射部及び出射部のう
ちのいずれか一方から前記光学材料に入射し、波長46
0〜500の信号光が前記入射部から前記光学材料内に
入射し、一部のTmイオンのエネルギー準位は、該一部
のTmイオンが前記第1の励起光を吸収することにより
36 準位から 35 準位に基底準位吸収遷移した後、
35 準位から 34 準位に非発光遷移し、その後、該
一部のTmイオンが前記第1の励起光を吸収することに
より 34 準位から 33 準位に励起準位吸収遷移した
後、 33 準位から 34 準位に非発光遷移し、他の一
部のTmイオンのエネルギー準位は、該他の一部のTm
イオンが前記第2の励起光を吸収することにより 36
準位から 33 準位若しくは 32 準位に基底準位吸収
遷移した後、 33 準位若しくは 32 準位から 34
準位に非発光遷移するか、又は該他の一部のTmイオン
が前記第2の励起光を吸収することにより 36 準位か
34準位に基底準位吸収遷移し、前記一部及び他の
一部のTmイオンのエネルギー準位は、該一部及び他の
一部のTmイオンが前記第1の励起光を吸収することに
より 34 準位から 14 準位に励起準位吸収遷移し、
Tmイオンの 14 準位と36 準位との間で反転分布
状態が形成され、Tmイオンは 14 準位から 36
位へ発光遷移する際に前記入射部から入射した波長46
0〜500nmの信号光を増幅し、増幅された波長46
0〜500nmの信号光を前記出射部から出射する構成
とするものである。
【0024】請求項7の発明は、請求項6の構成に、前
記光学材料は、中心から半径1μm〜5μmの領域に高
屈折率領域であるコア部を有すると共に該コア部の外側
に低屈折率領域であるクラッド部を有し、前記Tmイオ
ンが前記コア部の中心部にのみ添加された光ファイバで
あるという構成を付加するものである。
【0025】請求項8の発明は、請求項6の構成に、前
記光学材料はフッ化物系の光ファイバであるという構成
を付加するものである。
【0026】請求項9の発明は、請求項6の構成に、前
記第1の励起光源は、半導体レーザ、半導体レーザによ
り励起されるNd:YAGレーザ、又は半導体レーザに
より励起されるYbイオン若しくはNdイオンが添加さ
れたファイバレーザであるという構成を付加するもので
ある。
【0027】請求項10の発明は、請求項6の構成に、
前記第2の励起光源は半導体レーザであるという構成を
付加するものである。
【0028】
【作用】請求項1の構成により、Tmイオンの一部は第
1の励起光を2回に吸収することにより、そのエネルギ
ー準位は基底準位の 36 準位から 33 準位を経て中
間準位の 34 準位に遷移し、Tmイオンの他の一部は
第2の励起光を吸収することにより、そのエネルギー準
位は基底準位の 36 準位から中間準位の 34準位に
遷移する。この場合、Tmイオンは、基底準位の 36
準位から中間準位の 34 準位までは、波長1000n
m〜1250nmの第1の励起光と波長640nm〜8
20nmの第2の励起光とによって励起されるので、基
底準位の 36 準位から中間準位の 34 準位まで効率
良く励起される。中間準位の 34準位に励起されたT
mイオンは第1の励起光を吸収することにより、そのエ
ネルギー準位は上位準位の 14 準位に遷移する。そし
て、上位準位の 14 準位と基底準位の 36 準位との
間で反転分布状態が形成されるので、Tmイオンの 1
4 準位から 36 準位への発光遷移によって放出された
波長460nm〜500nmの光が共振により利得を得
てレーザ光として出射される。
【0029】また、請求項6の構成により、請求項1と
同様、Tmイオンは、基底準位の 36 準位から中間準
位の 34 準位までは、波長1000nm〜1250n
mの第1の励起光と波長640nm〜820nmの第2
の励起光とによって励起されるので、基底準位の 36
準位から中間準位の 34 準位まで効率良く励起され
る。そして、上位準位の 14 準位と基底準位の 36
準位との間で反転分布状態が形成されるので、Tmイオ
ンは 14 準位から 36 準位へ発光遷移する際に波長
460nm〜500nmの信号光を増幅する。
【0030】請求項2又は7の構成により、コア部の直
径が従来よりも大きいため、励起光の結合効率が向上す
ると共に励起光に対する伝播ロスは低減する。また、T
mイオンがコア部の中心部つまり励起光の強度の強いと
ころにのみ添加されているため、Tmイオンは励起光に
より効率良く励起される。
【0031】請求項3又は8の構成により、光学材料は
フッ化物系の光ファイバであるため、Tmイオンは効率
良く添加される。
【0032】請求項4又は9の構成により、第1の励起
光源は、半導体レーザ、半導体レーザにより励起される
Nd:YAGレーザ、又は半導体レーザにより励起され
るYbイオン若しくはNdイオンが添加されたファイバ
レーザであるため、波長1000nm〜1250の第1
の励起光を出射する第1の励起光源を簡易且つ確実に実
現できる。
【0033】請求項5又は10の構成により、第2の励
起光源は半導体レーザであるため、波長640〜820
の第2の励起光を出射する第2の励起光源を簡易且つ確
実に実現できる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の第1実施例に係る希土類イオ
ン添加短波長レーザ光源装置について詳しく説明する。
【0035】図1は前記希土類イオン添加短波長レーザ
光源装置の構成図であって、図1において、101は波
長1100nm帯の第1の励起光102を発振する半導
体レーザよりなる第1の励起光源、103A,103B
は集光レンズ、104は波長680nm帯の第2の励起
光105を発振する半導体レーザよりなる第2の励起光
源、106A,106B,106Cは集光レンズ、10
7はTmイオンが添加されたフッ化物よりなる光学材料
としての光ファイバ、108は光ファイバ107の入射
部、109は光ファイバ107の出射部、110は入射
部108に設けられた入射端面ミラー、111は出射部
109に設けられた出射端面ミラー、112は波長多重
カプラー、113は出力光である。
【0036】光ファイバ107にはTmイオンが濃度1
00〜10000p.p.m.(1p.p.m.は重量あたり100
0000分の1)に添加されており、該光ファイバ10
7においては、コア径が3μm、クラッド径が125μ
m、長さが2mに設定されている。入射端面ミラー11
0は波長1100nm帯の光に対して非反射で且つ波長
480nm帯の光に対して高反射率を有する膜からな
り、出射端面ミラー111は波長1100nm帯の光に
対して非反射で且つ波長480nm帯の光に対して30
%〜95%の反射率を有する膜からなる。
【0037】第1の励起光源101から出射された第1
の励起光102は、集光レンズ103A,103Bによ
って集光された後、入射部108より光ファイバ107
に入射される。また、第2の励起光源104から出射さ
れた第2の励起光105は集光レンズ106Aによって
集光された後、波長多重カプラー112及び集光レンズ
106Bを経て出射部109より光ファイバ107に入
射される。
【0038】1100nm帯の第1の励起光102と6
80nm帯の第2の励起光105とは、光ファイバ10
7内を伝搬しつつ、光ファイバ107に添加されたTm
イオンに吸収される。
【0039】図2はTmイオンのエネルギー準位図及び
吸収遷移を示しており、図2において、縦軸はTmイオ
ンの各準位のエネルギーを波数(cm-1)で示してい
る。図2に示すように、Tmイオンの一部は、1100
nm帯の第1の励起光102を吸収することによって基
底準位の 36 準位から 35 準位に基底準位吸収遷移
205をした後、非発光遷移により 34 準位に遷移
し、その後、1100nm帯の第1の励起光102を再
度吸収することによって 33 準位に励起準位吸収遷移
206をした後、非発光遷移により 34 準位に遷移す
る。Tmイオンの他の一部は、680nm帯の第2の励
起光105を吸収することによって基底準位の 36
位から 33 準位に基底準位吸収遷移202をした後、
非発光遷移により 34 準位に遷移する。非発光遷移に
より 34 準位に遷移したTmイオンの一部及び他の一
部は、1100nm帯の第1の励起光102を吸収する
ことによって 34 準位から 14 準位に励起準位吸収
遷移203をした後、上位準位の 14 準位から基底準
位の 36 準位に発光遷移204をすることによって4
80nmの光を放出する。発光遷移204によって放出
された480nmの光は、入射端面ミラー110と出射
部端面ミラー111との間で共振することによりレーザ
光となって、出射部109から出射した後、集光レンズ
105B、波長多重カプラー112及び集光レンズ10
5Cを経て出力光113として取り出される。
【0040】従来の技術においては、480nmの光を
放出する発光遷移204をするためには、1100nm
帯の励起光のみにより基底準位吸収遷移205と2回の
励起準位吸収遷移206,203を行なっていた。とこ
ろが、図2から明らかなように、1100nm帯の励起
光では基底準位吸収遷移205が非共鳴である。このた
め、共鳴である1210nm帯の励起光を使う基底準位
吸収遷移に比べて吸収効率が著しく低下する。
【0041】各エネルギー準位の基底準位吸収断面積を
比較すると、次の通りとなる。
【0042】 35 (1210nm帯の励起光の場合)…7×10-24 -2 35 (1100nm帯の励起光の場合)…3×10-26 -2 33 (680nm帯の励起光の場合)……5×10-25 -2 この比較から明らかなように、 14 準位にアップコン
バージョンされる前の33 準位のTmイオンに励起す
るには、680nm帯の励起光を使用するのが最も効率
的である。
【0043】図3は、前記希土類イオン添加短波長レー
ザ光源装置における励起入力光と480nmの出力光と
の関係を示す。同図において、縦軸は光ファイバ107
から取り出された青色光の出力を示し、横軸は1100
nm帯の第1の励起光の入力励起パワーを示している。
また、同図において、303は従来のレーザ光源装置つ
まり1100nm帯の励起光のみ使用した場合の青色光
の出力特性を示し、304は本実施例に係るレーザ光源
装置つまり1100nm帯の第1の励起光と680nm
帯の第2の励起光とを用いた場合の青色光の出力特性を
示している。この場合の680nm帯の第2の励起光の
入力パワーは20mWである。
【0044】従来のレーザ光源装置においては、110
0nm帯の励起光の入力パワーが約50mWのときにレ
ーザは発振しきい値に達して発振し、発振の効率は約3
%である。これに対して、1100nm帯の第1の励起
光と680nm帯の第2の励起光との両方を入射する
と、1100nm帯の励起光の入力パワーが約20mW
のときにレーザは発振しきい値に達して発振し、発振の
効率は約9%である。
【0045】以下、本実施例に係る希土類イオン添加短
波長レーザ光源装置の特性についてさらに詳しく説明す
る。図4において、縦軸は480nmのレーザ光の発振
に必要な1100nm帯の光の発振しきい値を示し、横
軸は680nm帯の光の入力パワーを示し、401は発
振しきい値の特性を示している。同図から明らかなよう
に、680nm帯の光の入力パワーが0の場合、発振し
きい値は従来と同様に50mWであるが、680nm帯
の光の入力パワーが20mWのときに発振しきい値は最
低になり、その後、680nm帯の光の入力パワーを向
上させると、480nmのレーザ光の出力効率は向上す
るが発振しきい値も向上する。この結果から明らかなよ
うに、少量の680nm帯の励起光を入射することによ
り発振しきい値は大きく低下する。
【0046】図5は、本実施例に係る希土類イオン添加
短波長レーザ光源装置における波長依存性を示してい
る。同図において、縦軸は480nm帯のレーザ光の出
力パワーを示し、横軸は第2の励起光源104から出射
される第2の励起光105の波長である。この場合、第
1の励起光源101から出射される1100nm帯の第
1の励起光102の入力パワーは100mWで一定であ
った。図5から明らかなように、短波長レーザ光源装置
の出力は、第2の励起光105の波長が680nmのと
きに最大であるが、第2の励起光105の波長は600
nm〜850nmの幅広い範囲において効果がある。こ
れは、基底準位吸収遷移202を行なった際のTmイオ
ンのエネルギー準位が 34 33 32 とエネル
ギー準位の幅が広いためである。第2の励起光105の
波長が680nmのときにはTmイオンのエネルギー準
位は 33 に達するが、第2の励起光105の波長が6
80nmよりも長いときにはTmイオンのエネルギー準
位は 34 に達し、第2の励起光の波長が680nmよ
りも短いときにはTmイオンのエネルギー準位は 32
に達する。
【0047】以下、本発明の第2実施例に係る希土類イ
オン添加光増幅器について詳しく説明する。
【0048】図6は前記希土類イオン添加増幅器の構成
図であって、図6において、601は波長1100nm
帯の第1の励起光602を発振する半導体レーザよりな
る第1の励起光源、603A,603Bは集光レンズ、
604は波長680nm帯の第2の励起光605を発振
する半導体レーザよりなる第2の励起光源、606A,
606B,606Cは集光レンズ、607はTmイオン
が添加されたフッ化物よりなる光学材料としての光ファ
イバ、608は光ファイバ607の入射部、609は光
ファイバ607の出射部、610は第1の波長多重カプ
ラー、611は第2の波長多重カプラー、612は半導
体レーザより出力された波長480nm帯の入力信号
光、613は出力信号光である。
【0049】光ファイバ607にはTmイオンが濃度1
00〜10000p.p.m.(1p.p.m.は重量あたり100
0000分の1)に添加されており、該光ファイバ60
7においては、コア径が3μm、クラッド径が125μ
m、長さが2mに設定されている。
【0050】また、第1の波長多重カプラー610は波
長480nmの信号光612と波長1100nmの第1
の励起光602とを合波させ、第2の波長多重カプラー
611は増幅後の波長480nmの信号光と波長680
nm帯の第2の励起光605とを合波させるものであ
る。
【0051】第1の励起光源601から出射された第1
の励起光602は、集光レンズ603Aによって集光さ
れた後、第1の波長多重カプラー610によって入力信
号光612と合波され、その後、入射部608より光フ
ァイバ607に入射される。また、第2の励起光源60
4から出射された第2の励起光605は集光レンズ60
6Aによって集光された後、第2の波長多重カプラー6
11及び集光レンズ606Bを経て出射部609より光
ファイバ607に入射される。
【0052】480nm帯の入力信号光612と110
0nm帯の第1の励起光602とは、光ファイバ607
内を伝搬しつつ、光ファイバ607に添加されたTmイ
オンに吸収される。この場合、Tmイオンの一部は、1
100nm帯の第1の励起光602を吸収することによ
って基底準位の 36 準位から 35 準位に基底準位吸
収遷移をした後、非発光遷移により 34 準位に遷移
し、その後、1100nm帯の第1の励起光602を再
度吸収することによって 33 準位に励起準位吸収遷移
をした後、非発光遷移により 34 準位に遷移する。T
mイオンの他の一部は、680nm帯の第2の励起光6
05を吸収することによって基底準位の 36 準位から
33 準位に基底準位吸収遷移をした後、非発光遷移に
より 34準位に遷移する。非発光遷移により 34
位に遷移したTmイオンの一部及び他の一部は、110
0nm帯の第1の励起光602を吸収することによって
34 準位から 14 準位に励起準位吸収遷移をする。
上位準位の 14 準位と基底準位の 36 準位との間に
おいて反転分布状態が形成され、誘導放出により増幅さ
れた480nmの入力信号光612は、出射部609か
ら出射された後、集光レンズ606B、第2の波長多重
カプラー611及び集光レンズ606Cを経て出力信号
光613として取り出される。
【0053】以下、前記希土類イオン添加増幅器の詳し
い特性について説明する。図7は前記希土類イオン添加
増幅器の増幅特性を示しており、同図において、縦軸は
信号利得を示し、横軸は励起光の入力パワーを示してい
る。同図から明らかなように、本実施例に係る増幅器に
おいては、1100nm帯の第1の励起光602と68
0nm帯の第2の励起光605との2波長の光により励
起した場合の信号利得(図中において701で示す)
は、1100nm帯の励起光のみを使用した場合の信号
利得(図中において702で示す)に比べて、利得が約
5dB向上し、飽和出力は約4dB向上した。
【0054】以下、図8に基づき、第1実施例に係る希
土類イオン添加短波長光源装置及び第2実施例に係る希
土類イオン添加光増幅器を構成する光ファイバ107,
607の断面構造及び屈折率分布について説明する。同
図において、801は光ファイバ107,607の被覆
部、802は屈折率n1 を有するクラッド部、803は
屈折率n2 を有するコア部、804はTmイオン添加領
域、805は屈折率分布、806は光ファイバ607内
の励起光の電磁界分布、807は光ファイバ107,6
07内のレーザ光の電磁界分布を示す。屈折率n1 と屈
折率n2 との差は0.001%〜10%である。前記各
実施例に使用した光ファイバ107,607のコア径は
10μm、クラッド径は125μmであった。
【0055】以下、前記各実施例に使用した光ファイバ
107,607の特性について説明する。従来のアップ
コンバージョンレーザ用希土類イオン添加光ファイバに
比べてコア径が大きいため、励起光の結合効率は従来の
40%から60%に向上し、また、励起光に対する伝搬
ロスも従来の0.1dB/mの値の半分以下である0.
04dB/mにまで向上した。また、レーザ光の発振効
率についても、前記各実施例の光ファイバ107,60
7を用いた場合には15%以上であり、従来の光ファイ
バを用いた場合の3%に比べて大きく向上した。
【0056】Tmイオンはコア部803の中心部にのみ
添加されており励起光の強度の高いところにしか存在し
ないため、Tmイオンが添加されていない部分ではTm
イオンによる励起光の吸収はない。また、入力信号光は
Tmイオンの存在する部分でのみ利得を得るため、単一
モードで伝搬し、伝搬ロスは従来の10分の1であっ
た。
【0057】
【発明の効果】請求項1の発明に係る希土類イオン添加
短波長レーザ光源装置によると、Tmイオンは、基底準
位の 36 準位から中間準位の 34 準位まで、波長1
000nm〜1250nmの第1の励起光と波長640
nm〜820nmの第2の励起光とによって励起される
ため、基底準位の 36 準位から中間準位の 34 準位
まで効率良く励起されるので、レーザ発振に必要な励起
パワー(しきい値パワー)が著しく大きくなり従来に比
べて半分以下に低減できると共に、レーザ出力の効率も
大きく向上し従来の3倍以上にまで向上させることがで
きる。
【0058】請求項2の発明に係る希土類イオン添加短
波長レーザ光源装置によると、コア部の直径が従来より
も大きいため励起光の結合効率が向上すると共に励起光
に対する伝播ロスは低減し、またTmイオンが励起光の
強度の強いコア部の中心部のみ添加されているため効率
良く励起されるので、しきい値パワーが低下すると共に
レーザ出力が向上する。
【0059】請求項3の発明に係る希土類イオン添加短
波長レーザ光源装置によると、光学材料はフッ化物系の
光ファイバであるためTmイオンが効率良く光ファイバ
に添加されるので、しきい値パワーが低下すると共にレ
ーザ出力が向上する。
【0060】請求項4の発明に係る希土類イオン添加レ
ーザ光源装置によると、第1の励起光源は、半導体レー
ザ、半導体レーザにより励起されるNd:YAGレー
ザ、又は半導体レーザにより励起されるYbイオン若し
くはNdイオンが添加されたファイバレーザであるた
め、波長1000nm〜1250の第1の励起光を出射
する第1の励起光源を簡易且つ確実に実現できる。
【0061】請求項5の発明に係る希土類イオン添加レ
ーザ光源装置によると、第2の励起光源は半導体レーザ
であるため、波長640〜820の第2の励起光を出射
する第2の励起光源を簡易且つ確実に実現できる。
【0062】請求項6の発明に係る希土類イオン添加光
増幅器によると、請求項1の発明と同様、Tmイオンが
基底準位の 36 準位から中間準位の 34 準位まで効
率良く励起されるので、波長460nm〜500nmの
信号光の利得及び飽和出力が大きく向上する。
【0063】請求項7の発明に係る希土類イオン添加光
増幅器によると、請求項2の発明と同様にして、しきい
値パワーが低下すると共に信号光の利得が向上する。
【0064】請求項8の発明に係る希土類イオン添加光
増幅器によると、請求項3の発明と同様にして、しきい
値パワーが低下すると共に信号光の利得が向上する。
【0065】請求項9の発明に係る希土類イオン添加光
増幅器によると、請求項4の発明と同様、波長1000
nm〜1250の第1の励起光を出射する第1の励起光
源を簡易且つ確実に実現できる。
【0066】請求項10の発明に係る希土類イオン添加
光増幅器によると、請求項5の発明と同様、波長640
〜820の第2の励起光を出射する第2の励起光源を簡
易且つ確実に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る希土類イオン添加短
波長レーザ光源装置の構成図である。
【図2】前記希土類イオン添加短波長レーザ光源装置の
光ファイバに添加されたTmイオンのエネルギー準位図
である。
【図3】前記希土類イオン添加短波長レーザ光源装置に
おける励起光のパワーと出力光のパワーとの関係を示す
特性図である。
【図4】前記希土類イオン添加短波長レーザ光源装置に
おける発振しきい値の特性図である。
【図5】前記希土類イオン添加短波長レーザ光源装置に
おける波長依存性を示す特性図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る希土類イオン添加光
増幅器の構成図である。
【図7】前記希土類イオン添加光増幅器における増幅特
性図である。
【図8】前記希土類イオン添加短波長レーザ光源装置及
び前記希土類イオン添加光増幅器における光ファイバの
断面構造を示す図である。
【符号の説明】
101 第1の励起光源 102 第1の励起光 103A,103B 集光レンズ 104 第2の励起光源 105 第2の励起光 106A,106B,106C 集光レンズ 107 光ファイバ 108 光ファイバの入射部 109 光ファイバの出射部 110 入射端面ミラー 111 出射端面ミラー 112 波長多重カプラー 113 出力光 202 基底準位吸収遷移 203 励起準位吸収遷移 204 発光遷移 205 基底準位吸収遷移 206 励起準位吸収遷移 601 第1の励起光源 602 第1の励起光 603A,603B 集光レンズ 604 第2の励起光源 605 第2の励起光 606A,606B,606C 集光レンズ 607 光ファイバ 608 光ファイバの入射部 609 光ファイバの出射部 610 第1の波長多重カプラー 611 第2の波長多重カプラー 612 入力信号光 613 出力信号光

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長が1000nm〜1250nmであ
    る第1の励起光を出射する第1の励起光源と、波長が6
    40nm〜820nmである第2の励起光を出射する第
    2の励起光源と、入射部及び出射部を有しTmイオンが
    0.001%〜10%添加された光学材料とを備え、 前記入射部及び出射部はそれぞれ前記光学材料内に入射
    した光を反射する反射膜を有し、 前記第1の励起光は前記光学材料の入射部及び出射部の
    うちのいずれか一方から前記光学材料内に入射し、 前記第2の励起光は前記光学材料の入射部及び出射部の
    うちのいずれか一方から前記光学材料内に入射し、 一部のTmイオンのエネルギー準位は、該一部のTmイ
    オンが前記第1の励起光を吸収することにより 36
    位から 35 準位に基底準位吸収遷移した後、35
    位から 34 準位に非発光遷移し、その後、該一部のT
    mイオンが前記第1の励起光を吸収することにより 3
    4 準位から 33 準位に励起準位吸収遷移した後、 3
    3 準位から 34 準位に非発光遷移し、 他の一部のTmイオンのエネルギー準位は、該他の一部
    のTmイオンが前記第2の励起光を吸収することにより
    36 準位から 33 準位若しくは 32 準位に基底準
    位吸収遷移した後、 33 準位若しくは 32 準位から
    34 準位に非発光遷移するか、又は該他の一部のTm
    イオンが前記第2の励起光を吸収することにより 36
    準位から 34 準位に基底準位吸収遷移し、 前記一部及び他の一部のTmイオンのエネルギー準位
    は、該一部及び他の一部のTmイオンが前記第1の励起
    光を吸収することにより 34 準位から 14 準位に励
    起準位吸収遷移し、 Tmイオンの 14 準位と 36 準位との間で反転分布
    状態が形成され、 Tmイオンの 14 準位から 36 準位への発光遷移に
    より放出される波長460nm〜500nmの光を前記
    入射部及び出射部の各反射膜によって共振し、該共振に
    より利得を得た波長460nm〜500nmの光を前記
    出射部からレーザ光として出射することを特徴とする希
    土類イオン添加短波長レーザ光源装置。
  2. 【請求項2】 前記光学材料は、中心から半径1μm〜
    5μmの領域に高屈折率領域であるコア部を有すると共
    に該コア部の外側に低屈折率領域であるクラッド部を有
    し、前記Tmイオンが前記コア部の中心部にのみ添加さ
    れた光ファイバであることを特徴とする請求項1に記載
    の希土類イオン添加短波長レーザ光源装置。
  3. 【請求項3】 前記光学材料はフッ化物系の光ファイバ
    であることを特徴とする請求項1に記載の希土類イオン
    添加短波長レーザ光源装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の励起光源は、半導体レーザ、
    半導体レーザにより励起されるNd:YAGレーザ、又
    は半導体レーザにより励起されるYbイオン若しくはN
    dイオンが添加されたファイバレーザであることを特徴
    とする請求項1に記載の希土類イオン添加短波長レーザ
    光源装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の励起光源は半導体レーザであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の希土類イオン添加
    短波長レーザ光源装置。
  6. 【請求項6】 波長が1000nm〜1250nmであ
    る第1の励起光を出射する第1の励起光源と、波長が6
    40nm〜820nmである第2の励起光を出射する第
    2の励起光源と、入射部及び出射部を有しTmイオンが
    0.001%〜10%添加された光学材料とを備え、 前記入射部及び出射部はそれぞれ前記光学材料内に入射
    した光を反射する反射膜を有し、 前記第1の励起光は前記光学材料の入射部及び出射部の
    うちのいずれか一方から前記光学材料に入射し、 前記第2の励起光は前記光学材料の入射部及び出射部の
    うちのいずれか一方から前記光学材料に入射し、 波長460〜500の信号光が前記入射部から前記光学
    材料内に入射し、 一部のTmイオンのエネルギー準位は、該一部のTmイ
    オンが前記第1の励起光を吸収することにより 36
    位から 35 準位に基底準位吸収遷移した後、35
    位から 34 準位に非発光遷移し、その後、該一部のT
    mイオンが前記第1の励起光を吸収することにより 3
    4 準位から 33 準位に励起準位吸収遷移した後、 3
    3 準位から 34 準位に非発光遷移し、 他の一部のTmイオンのエネルギー準位は、該他の一部
    のTmイオンが前記第2の励起光を吸収することにより
    36 準位から 33 準位若しくは 32 準位に基底準
    位吸収遷移した後、 33 準位若しくは 32 準位から
    34 準位に非発光遷移するか、又は該他の一部のTm
    イオンが前記第2の励起光を吸収することにより 36
    準位から 34 準位に基底準位吸収遷移し、 前記一部及び他の一部のTmイオンのエネルギー準位
    は、該一部及び他の一部のTmイオンが前記第1の励起
    光を吸収することにより 34 準位から 14 準位に励
    起準位吸収遷移し、 Tmイオンの 14 準位と 36 準位との間で反転分布
    状態が形成され、 Tmイオンは 14 準位から 36 準位へ発光遷移する
    際に前記入射部から入射した波長460〜500nmの
    信号光を増幅し、 増幅された波長460〜500nmの信号光を前記出射
    部から出射することを特徴とする希土類イオン添加光増
    幅器。
  7. 【請求項7】 前記光学材料は、中心から半径1μm〜
    5μmの領域に高屈折率領域であるコア部を有すると共
    に該コア部の外側に低屈折率領域であるクラッド部を有
    し、前記Tmイオンが前記コア部の中心部にのみ添加さ
    れた光ファイバであることを特徴とする請求項6に記載
    の希土類イオン添加光増幅器。
  8. 【請求項8】 前記光学材料はフッ化物系の光ファイバ
    であることを特徴とする請求項6に記載の希土類イオン
    添加光増幅器。
  9. 【請求項9】 前記第1の励起光源は、半導体レーザ、
    半導体レーザにより励起されるNd:YAGレーザ、又
    は半導体レーザにより励起されるYbイオン若しくはN
    dイオンが添加されたファイバレーザであることを特徴
    とする請求項6に記載の希土類イオン添加光増幅器。
  10. 【請求項10】 前記第2の励起光源は半導体レーザで
    あることを特徴とする請求項6に記載の希土類イオン添
    加光増幅器。
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