JP2989148B2 - 農用車両 - Google Patents

農用車両

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JP2989148B2
JP2989148B2 JP8276101A JP27610196A JP2989148B2 JP 2989148 B2 JP2989148 B2 JP 2989148B2 JP 8276101 A JP8276101 A JP 8276101A JP 27610196 A JP27610196 A JP 27610196A JP 2989148 B2 JP2989148 B2 JP 2989148B2
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正太 冷牟田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作物に薬剤を供給
する薬剤散布装置、作物を搭載して運搬する荷台などの
各種装置を、車輪式自走機体に備えてある農用車両に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば特開昭59−15771
9号公報に示されるように、左右一対の前車輪と、左右
前輪を各別に駆動する一対の電動モータで成る前輪駆動
機構とを前輪支持部材に支持させるとともに、この前輪
支持部材を機体に機体上下方向の軸芯まわりで回動自在
に支持させ、左右一対の後車輪と、左右後輪を各別に駆
動する一対の電動モータで成る後輪駆動機構とを後輪支
持部材に支持させるとともに、この後輪支持部材を機体
に機体上下方向の軸芯まわりで回動自在に支持させた走
行装置があった。この種の走行装置にあっては、左右前
輪の駆動速度も、左右後輪の駆動速度も同一になるよう
に前輪駆動機構および後輪駆動機構を制御すると、前輪
支持部材も、後輪支持部材も左右車輪が直進向きになる
対機体取付け姿勢になり、機体が直進走行する。そし
て、たとえば左右車輪の一方の駆動速度が他方の駆動速
度よりも高速になるように前輪駆動機構や後輪駆動機構
を制御すると、左右車輪の回転速度差のために車輪支持
部材が機体に対して自ずと回動して左右車輪が直進向き
から右向きまたは左向きに操向し、機体の走行方向を右
向きに変更したり、左向きに変更したりできる。つま
り、左右車輪の駆動速度が同一になるとか、相違するよ
うに前輪駆動機構および後輪駆動機構を制御するだけで
構造簡単かつ制御簡単に機体を操向操作できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】たとえば薬剤散布装置
を備える農用車両の場合、一般に、図1に示すようにハ
ウス内の壁Kと畝Uとの間の枕地Mから畝Uに沿う作業
経路Rに入って薬剤を散布しながら走行し、この作業経
路Rでの薬剤散布を終えると、この作業経路Rから枕地
Mに出て次の作業経路Rに移動するという機体走行を行
わせる。つまり、互いに直交する方向の枕地走行と作業
経路走行とを交互に行わせる。このため、機体が枕地M
から作業経路Rに入ったり、作業経路Rから枕地Mに出
たりする際、前輪の軌跡と後輪の軌跡とが大きくずれる
と、いわゆる内輪差や外輪差が大きいと、車輪や機体が
畝Uの角部URや壁Kに当たりやすくなる。畝Uの角部
URを大きく削り取ったり、枕地Mの横幅Wを広したり
すると、車輪や機体が畝や壁に当たることを回避しやす
くなるが、作物の植え付けに使用できる面積が狭くなる
問題が発生する。本発明の目的は、構造および制御の面
のみならず、機体や車輪の走行軌跡の面でも有利に小回
り旋回できる農用車両を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構
成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0005】 〔構成〕 左右一対の前車輪と、左右前輪を駆動する前輪駆動機構
とを有する前輪支持部材を機体に機体上下方向の第1軸
芯まわりで回動自在に支持させ、左右一対の後車輪と、
左右後輪を駆動する後輪駆動機構とを支持する後輪支持
部材を機体に機体上下方向の第2軸芯まわりで回動自在
に支持させ、左右前輪の駆動速度を同一にしたり、相違
させたりするように前輪駆動機構を制御して前輪支持部
材を機体に対して前記第1軸芯まわりで回動調節して
右前輪の機体に対する取付け向きを変更し、かつ、左右
後輪の駆動速度を同一にしたり、相違させたりするよう
に後輪駆動機構を制御して後輪支持部材を機体に対して
前記第2軸芯まわりで回動調節して左右後輪の機体に対
する取付け向きを変更することにより、機体を操向操作
する操向制御手段を備えるとともに、この操向制御手段
は、左右前輪が機体に対して直進向きから一方に操向す
るとともに左右後輪が機体に対して直進向きから他方に
操向するように、かつ、左右後輪の直進向きからの操向
角度が左右前輪の直進向きからの操向角度よりも小にな
るように後輪駆動機構および前輪駆動機構を制御するこ
とにより、機体を直進向きから横向きに操向操作するよ
うに構成してある農用車両。
【0006】〔作用〕 操向制御手段により前輪駆動機構および後輪駆動機構を
制御して左右前輪および左右後輪の駆動速度を同一にし
たり、相違させたりすると、左右車輪の回転速度差の有
無によって前輪支持部材も後輪支持部材も機体に対して
自ずと回動し、左右前輪も左右後輪も直進向きになって
機体が直進したり、左右前輪も左右後輪も横向きになっ
て機体走行方向が変化したりする。すなわち、前輪支持
部材および後輪支持部材を回動操作するとか、車輪を揺
動操作するとかの特別なステアリング用アクチュエータ
を装備したり、複雑なステアリング構造を装備したりし
なくとも、左右車輪の回転速度を制御する簡単な制御を
行うだけで機体の操向操作ができる。機体を直進向きか
ら横向きに操向操作する際、操向制御手段は左右後輪を
左右前輪とは逆の操向方向に操向操作し、かつ、後輪の
操向角を前輪の操向角よりも小にして操向操作するもの
だから、前車軸芯と後車軸芯との間隔が650mmの場
合には後輪の操向角が前輪の操向角の約1/2になるよ
うに操向角差を設定すれば、機体がハウス内の枕地から
畝間に進入したり、畝間から枕地に出たりする際、枕地
の横幅が比較的狭くても、前輪軌跡と後輪軌跡とのずれ
が少なくて車輪や機体が畝や壁に当たらないで走行する
ように、機体を前後輪の内輪差も外輪差も少ない状態で
直角やそれに近い方向に小回り旋回させられる。
【0007】 〔効果〕 特別なステアリング用アクチュエータや複雑なステアリ
ング構造が不要で、左右車輪の回転速度を制御する簡単
な制御を行うだけで機体の操向操作ができることによ
り、作業機全体が軽量、構造簡単、安価に得られる。そ
の上、直角やそれに近い方向に内輪差も外輪差も少ない
状態で小回り旋回させられることにより、枕地の横幅を
比較的狭くするとともに畝の角部の削り込みを少なくし
ハウス内面積をできるだけ多く作物の植付けに使用しな
がら機械作業できるなど、有利に使用できるものになっ
た。
【0008】請求項2による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0009】 〔構成〕 請求項1による発明の構成において、前記操向制御手段
によって機体を直進向きから横向きに操向操作する際の
左右後輪の前記操向角度が左右前輪の前記操向角度の約
1/2である。
【0010】〔作用〕 操向制御手段は左右後輪の前記操向角度を左右前輪の前
記操向角度の約1/2にして機体を直進向きから横向き
に操向操作するから、機体の操向時におけるスリップを
考慮した実際の内輪差および外輪差が最小になるように
しながら機体向きを直角やそれに近い方向に小旋回半径
で変更できる。
【0011】 〔効果〕 たとえば機体が枕地から畝間に移動したり、畝間から枕
地に移動したりする際に機体や車輪が壁に当たるとか畝
の角部に当たるとかのトラブルを効果的に回避できるな
ど、狭くて小半径で曲がるコースでも衝突トラブルを効
果的に回避しながら作業できる。
【0012】請求項3による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0013】 〔構成〕 請求項1又は2による発明の構成において、前記前輪駆
動機構が左右前輪を各別に駆動する一対の電動モータで
成り、前記後輪駆動機構が左右後輪を各別に駆動する一
対の電動モータで成る。
【0014】〔作用〕 左車輪用電動モータの回転数制御と、右車輪用電動モー
タの回転数制御とを行うことにより、左右車輪に回転数
差を持たせ、車輪向きを変更して機体操向ができる。
【0015】 〔効果〕 電動モータの回転数制御を行うだけで機体操向ができる
ことにより、一層制御簡単かつ構造簡単に得られるとと
もに、左右車輪に差がわずかであるものから大きいもの
まで種々の回転数差を制御精度のよい状態で持たせて機
体操向が精度よく行える。
【0016】請求項4による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0017】 〔構成〕 請求項1〜3のうちのいずれか1項による本発明の構成
において、走行地盤に存在する誘導体に対する機体の横
偏位を検出する誘導センサーを備えるとともに、機体が
前記誘導体に沿って自動的に走行するように、前記操向
制御手段が前記誘導センサーからの情報に基づいて前記
前輪駆動機構および前記後輪駆動機構を自動的に制御す
るように構成してある。
【0018】〔作用〕 操向制御手段が誘導センサーからの情報に基づいて前輪
駆動機構および後輪駆動機構を自動的に操作し、機体を
誘導体に沿わせて自動的に走行させる。操向制御手段は
左右後輪を左右前輪とは逆方向に後輪よりも小の操向角
で操向操作し、内輪差も外輪差も少なくなる状態で機体
向きを直角やそれに近い方向に小旋回半径で変更させる
ことにより、車輪が誘導体の上を通りにくいようにしな
がら自動走行させられる。
【0019】 〔効果〕 地盤に埋設したり、地面上に敷設する誘導体の上を車輪
が通って誘導体が地面上に露出するとか、地面上でずれ
動くとかのトラブルを回避しながら自動走行させて楽に
作業できる。
【0020】
【発明の実施の形態】図2に示すように、左右一対の前
車輪1,1と左右一対の後車輪2,2とによって自走す
るように構成するとともにハンドル3によって手押し移
動できるように構成し、かつ、機体の前後重量がバラン
スするようにしながら電源用バッテリーBを搭載できる
ように前後輪間に配置したバッテリ搭載部4、機体後端
部に位置する操作パネル5を備える自走機体に、複数個
のノズル6aから薬液を噴出する噴出具6、この噴出具
6に薬液を供給するホース、このホースを繰出したり、
巻取り収納したりするホースリール装置7を有する薬剤
散布装置8、ホースリール装置7などを覆うカバー9を
装備して、防除機を構成してある。
【0021】この防除機は、主として図1に示す如くハ
ウス内の壁Kと畝Uとの間の枕地M、および、畝Uに沿
う作業経路Rに電線Lを埋設し、この電線Lを誘導線と
してこれに沿わせて自動的に走行させながら作物に薬剤
散布する作業を行うものであり、詳しくは次の如く構成
してある。
【0022】図3および図4に示すように、左前輪1の
車軸1aを回動自在に支持する前輪伝動ケース10a
と、右前輪1の車軸1aを回動自在に支持する前輪伝動
ケース10aと、左前輪用の前輪伝動ケース10aを左
横側壁の外面側に、右前輪用の前輪伝動ケース10aを
右横側壁の外面側にそれぞれボルト連結してある箱型の
前輪モータフレーム10bとにより、左右前輪1,1を
同一の車軸芯まわりで相対回動自在に支持する前輪支持
部材10を構成してある。前輪モータフレーム10bの
上面側に固定している連結部材11を、自走機体の機体
フレーム12の前端側部分が機体上下方向の第1軸芯1
3aまわりで回動自在に支持する前支軸13の下端側に
前支軸13と共に自走機体に対して回動するように連結
することにより、前記前輪支持部材10が自走機体に前
第1軸芯13aまわりで回動自在に支持されるように
構成し、前輪支持部材10が自走機体に対して回動する
ことにより、左右前輪1,1が自走機体に対して直進向
きになったり、直進向きから左向きや右向きの横向きに
操向したりするように構成してある。前記前輪モータフ
レーム10bの内部に一対の電動モータM1,M2を前
輪支持部材10の前後重量がバランスするように前車軸
芯の前後側に振り分けるとともに前記バッテリーBから
電力供給されて回転するように構成して設け、両電動モ
ータM1,M2により、左右前輪1,1を駆動する前輪
駆動機構15を構成してある。両電動モータM1,M2
は、正回転方向と逆回転方向とのいずれにも駆動可能な
正逆転モータに構成するとともに、両電動モータM1,
M2のうちの前車軸芯よりもモータフレーム後方側に位
置する第1電動モータM1の出力軸は、前輪伝動ケース
10aの内部に位置するチェーン伝動機構14により、
左前輪1と一体回転する前記車軸1aに連動させ、両電
動モータM1,M2のうちの前車軸芯よりもモータフレ
ーム前方側に位置する第2電動モータM2の出力軸は、
前輪伝動ケース10aの内部に位置するチェーン伝動機
構14により、右前輪1と一体回転する前記車軸1aに
連動させてあり、両電動モータM1,M2は、左右前輪
1,1を同じ回転方向に同一回転速度で駆動できる他、
左右前輪1,1の一方が前進側で他方が後進側に回転す
るとか、一方が停止して他方が回転するように、さらに
は、一方の回転速度と他方の回転速度とが異なるように
左右前輪1,1を各別に駆動できる。
【0023】これにより、第1電動モータM1と第2電
動モータM2とが共に正回転方向または逆回転方向に同
一の駆動速度で回転するように両モータM1,M2を制
御すると、前輪駆動機構15を前進側または後進側の直
進操向状態に制御でき、左右前輪1,1を前進側または
後進側の直進向きに操向操作できる。すなわち、前輪駆
動機構15は、左右前輪1,1のいずれもの回動方向を
前進側または後進側にするとともに左右前輪1,1の駆
動速度を同一にする。すると、左右前輪1,1が機体を
同一方向に等しい力で推進させる作用を発揮するため、
前輪支持部材10は、左右前輪1,1を前進側または後
進側の直進向きにする対機体取付け姿勢になる。そし
て、第1電動モータM1と第2電動モータM2とが同一
の回転方向に異なる駆動速度で回転するように、あるい
は、第1電動モータM1と第2電動モータM2のうちの
一方M1またはM2が停止して他方M2またはM1が正
回転方向または逆回転方向に回転するように両モータM
1,M2を制御すると、前輪駆動機構15を前進側また
は後進側の横向き操向状態に制御でき、左右前輪1,1
を前進側または後進側で直進向きから左側または右側に
向き変化した横向きに操向操作できる。すなわち、前輪
駆動機構15は、左右前輪1,1のいずれもの回動方向
を前進側または後進側にするとともに左右前輪1,1の
駆動速度が相違するか、あるいは、左右前輪1,1の一
方が停止して他方が前進側または後進側に駆動するよう
に左右前輪1,1の駆動速度を相違させる。すると、左
右前輪1,1が機体を同一方向に異なる力で推進させる
作用を発揮するか、あるいは、左右前輪1,1の一方は
推進作用を発揮しないで他方が機体を前進側または後進
側に推進させる作用を発揮する。これにより、前輪支持
部材10は第1軸芯13aまわりで自走機体に対して回
動し、左右前輪1,1を前進側または後進側の右向きと
か左向きとかの横向きにする対機体取付け姿勢になる。
そして、左右前輪1,1の駆動速度差の大きさを調節す
ることにより、前輪支持部材10の回動角度を調節で
き、左右車輪1,1の横向きへの操向角度の大きさを調
節できる。
【0024】図3および図4に示すように、左後輪2の
車軸2aを回動自在に支持する後輪伝動ケース16a
と、右後輪2の車軸2aを回動自在に支持する後輪伝動
ケース16aと、左後輪用の後輪伝動ケース16aを左
横側壁の外面側に、右後輪用の後輪伝動ケース16aを
右横側壁の外面側にそれぞれボルト連結してある箱型の
後輪モータフレーム16bとにより、左右後輪2,2を
同一の車軸芯まわりで相対回動自在に支持する後輪支持
部材16を構成してある。後輪モータフレーム16bの
上面側を、自走機体の前記機体フレーム12の後端側部
分が機体上下方向の第2軸芯17aまわりで回動自在に
支持する後支軸17の下端側に後支軸17と共に自走機
体に対して回動するように連結することにより、前記後
輪支持部材16が自走機体に前記第2軸芯17aまわり
で回動自在に支持されるように構成し、後輪支持部材1
6が自走機体に対して回動することにより、左右後輪
2,2が自走機体に対して直進向きになったり、直進向
きから右向きや左向きの横向きに操向したりするように
構成してある。前記後輪モータフレーム16bの内部に
一対の電動モータM3,M4を後輪支持部材16の前後
重量がバランスするように後車軸芯の前後側に振り分け
るとともに前記バッテリーBから電力供給されて回転す
るように構成して内装し、両電動モータM3,M4によ
り、左右後輪2,2を駆動する後輪駆動機構18を構成
してある。両電動モータM3,M4は、正回転方向と逆
回転方向とのいずれにも駆動可能な正逆転モータに構成
するとともに、両電動モータM3,M4のうちの後車軸
芯よりもモータフレーム後方側に位置する第3電動モー
タM3の出力軸は、後輪伝動ケース16aの内部に位置
するチェーン伝動機構19により、左後輪2と一体回転
する前記車軸2aに連動させ、両電動モータM3,M4
のうちの後車軸芯よりもモータフレーム前方側に位置す
る第4電動モータM4の出力軸は、後輪伝動ケース16
aの内部に位置するチェーン伝動機構19により、右後
輪2と一体回転する前記車軸2aに連動させてあり、両
電動モータM3,M4は、左右後輪2,2を同じ回転方
向に同一回転速度で駆動できる他、左右後輪2,2の一
方が前進側で他方が後進側に回転するとか、一方が停止
して他方が回転するように、さらには、一方の回転速度
と他方の回転速度とが異なるように左右前輪2,2を各
別に駆動できる。
【0025】これにより、第3電動モータM3と第4電
動モータM4とが共に正回転方向または逆回転方向に同
一の駆動速度で回転するように両モータM3,M4を制
御すると、後輪駆動機構18を前進側または後進側の直
進操向状態に制御でき、左右後輪2,2を前進側または
後進側の直進向きに操向操作できる。すなわち、後輪駆
動機構18は、左右後輪2,2のいずれもの回動方向を
前進側または後進側にするとともに左右後輪2,2の駆
動速度を同一にする。すると、左右後輪2,2が機体を
同一方向に等しい力で推進させる作用を発揮するため、
後輪支持部材16は、左右後輪2,2を前進側または後
進側の直進向きにする対機体取付け姿勢になる。そし
て、第3電動モータM3と第4電動モータM4とが同一
の回転方向に異なる駆動速度で回転するように、あるい
は、第3電動モータM3と第4電動モータM4のうちの
一方M3またはM4が停止して他方M4またはM3が正
回転方向または逆回転方向に回転するように両モータM
3,M4を制御すると、後輪駆動機構18を前進側また
は後進側の横向き操向状態に制御でき、左右後輪2,2
を前進側または後進側で直進向きから左側または右側に
向き変化した横向きに操向操作できる。すなわち、後輪
駆動機構18は、左右後輪2,2のいずれもの回動方向
を前進側または後進側にするとともに左右後輪2,2の
駆動速度が相違するか、あるいは、左右後輪2,2の一
方が停止して他方が前進側または後進側に駆動するよう
に左右後輪2,2の駆動速度を相違させる。すると、左
右後輪2,2が機体を同一方向に異なる力で推進させる
作用を発揮するか、あるいは、左右後輪2,2の一方は
推進作用を発揮しないで他方が機体を前進側または後進
側に推進させる作用を発揮する。これにより、後輪支持
部材16は第2軸芯17aまわりで自走機体に対して回
動し、左右後輪2,2を前進側または後進側の右向きと
か左向きとかの横向きにする対機体取付け姿勢になる。
そして、左右後輪2,2の駆動速度差の大きさを調節す
ることにより、後輪支持部材16の回動角度を調節で
き、左右後輪2,2の横向きへの操向角度の大きさを調
節できる。
【0026】図6に示す如く一対の前誘導センサー21
a,21bに第1増幅ユニット22を介し、一対の後誘
導センサー23a,23bに第2増幅ユニット24を介
してそれぞれ連係させるとともに前舵角センサー25、
後舵角センサー26、前後進切換えセンサー27のそれ
ぞれにも連係させた操向制御手段28を、自走機体の前
後輪間に備えるとともに前記第1〜第4電動モータM
1,M2,M3,M4に連係させてある。
【0027】一対の前誘導センサー21a,21bは、
図3および図4に示す如く前記前輪支持部材10から前
方向きに延出して第1軸芯13aまわりで前輪支持部材
10と共に自走機体に対して回動する前センサー支持体
29の延出端側に前記電線Lに対して両横側に別れて位
置するように配置して支持させた左右一対のピックアッ
プコイルで成り、機体前端側の電線Lに対する横偏位を
検出するとともに検出結果を電気信号として操向制御手
段28に出力する。一対の後誘導センサー23a,23
bは、前記後輪支持部材16から後方向きに延出して
軸芯17aまわりで後輪支持部材16と共に自走機体
に対して回動する後センサー支持体30の延出端側に電
線Lに対して両横側に別れて位置するように配置して支
持させた左右一対のピックアップコイルで成り、機体後
端側の前記電線Lに対する横偏位を検出するとともに検
出結果を電気信号として操向制御手段28に出力する。
すなわち、各誘導センサー21a,21b,23a,2
3bは、電線Lに流れる高周波電流のために電圧を誘起
し、誘起電圧を増幅ユニット22,24により増幅させ
て操向制御手段28に出力する。各誘導センサー21
a,21b,23a,23bの誘起電圧は、センサー2
1a,21b,23a,23bと電線Lとの間隔が大に
なるほど減少し、その間隔が小になるほど増大する。つ
まり、電線Lが機体の左右方向での中心上に位置する
と、左側の誘導センサー21a,23aの誘起電圧と、
右側の誘導センサー21b,23bの誘起電圧とが等し
くなる。そして、たとえば電線Lが機体の前記中心より
右側に偏位すると、中心上に位置する場合に比べ、右側
の誘導センサー21b,23bの誘起電圧が増加し、左
側の誘導センサー21a,23aの誘起電圧が減少す
る。したがって、左側の誘導センサー21a,23aの
誘起電圧と右側の誘導センサー21b,23bの誘起電
圧とに差が有るか無いかを知ることによって機体が電線
Lに対して偏位しているか否かを検出でき、誘起電圧が
大である誘導センサーは右側と左側のいずれの誘導セン
サーであるかを知ることによって機体が電線Lに対して
偏位している方向が左側と右側のいずれであるかを検出
でき、誘起電圧差の大きさを知ることによって機体の電
線Lに対する偏位量を検出できる。
【0028】前舵角センサー25は、図4に示す如く回
転検出部を前記前支軸13に連動させるとともにメータ
本体を機体フレーム12に支持させた回転式ポテンショ
メータで成り、前支軸13の機体フレーム12に対する
回転位置に基づいて左右前輪1,1の自走機体に対する
操向位置を検出するとともにこの検出結果を電気信号と
して操向制御手段28に出力する。後舵角センサー26
は、図4に示す如く回転検出部を前記後支軸17に連動
させるとともにメータ本体を機体フレーム12に支持さ
せた回転式ポテンショメータで成り、後支軸17の機体
フレーム12に対する回転位置に基づいて左右後輪2,
2の自走機体に対する操向位置を検出するとともにこの
検出結果を電気信号として操向制御手段28に出力す
る。
【0029】前後進切換えセンサー27は、バッテリー
搭載部4の下面に付設してある磁界型近接センサーで成
り、機体が枕地Mから作業経路Rに進入して折り返し箇
所に到達すると、図1の如くこの箇所に設置されている
鉄板製の検出対象体31を検出し、機体を作業経路Rか
ら枕地Mに戻るように後進させるべき電気信号を操向制
御手段28に出力する。また、機体が作業経路Rから枕
地Mに後進走行して折り返し箇所に到達すると、この箇
所に設置されている鉄板製の検出対象体31を検出し、
機体を枕地Mから次に作業するべき作業経路Rに進入す
るように前進させるべき電気信号を操向制御手段28に
出力する。
【0030】操向制御手段28は、マイクロコンピュー
タで成り、前後進切換えセンサー27から前進信号を入
力した場合には、機体左側に位置する前輪1を制御上で
の左前輪とし、機体右側に位置する前輪1を制御上での
右前輪とし、機体左側に位置する後輪2を制御上での左
後輪とし、機体右側に位置する後輪2を制御上での右後
輪とする。前舵角センサー25と後舵角センサー26の
うちの前舵角センサー25を制御上での前舵角センサー
とし、後舵角センサー26を制御上での後舵角センサー
とする。そして、機体左側に位置する前誘導センサー2
1aと後誘導センサー23aのうちの前誘導センサー2
1aを制御用情報を入力する左誘導センサーとし、機体
右側に位置する前誘導センサー21bと後誘導センサー
23bのうちの前誘導センサー21bを制御用情報を入
力する右誘導センサーとし、左右の誘導センサーおよび
前後の舵角センサーからの情報と、図7および図8に示
す制御フローとに基いて第1〜第4電動モータM1,M
2,M3,M4を制御し、機体が電線Lに沿って走行す
るように左右前輪および左右後輪を操向操作する。これ
に対し、前後進切換えセンサー27から後進信号を入力
した場合には、機体右側に位置する後輪2を制御上での
左前輪とし、機体左側に位置する後輪2を制御上での右
前輪とし、機体右側に位置する前輪1を制御上での左後
輪とし、機体左側に位置する前輪1を制御上での右後輪
とする。前舵角センサー25と後舵角センサー26のう
ちの後舵角センサー26を制御上での前舵角センサーと
し、前舵角センサー25を制御上での後舵角センサーと
する。そして、機体右側に位置する前誘導センサー21
bと後誘導センサー23bのうちの後誘導センサー23
bを制御用情報を入力する左誘導センサーとし、機体左
側に位置する前誘導センサー21aと後誘導センサー2
3aのうちの後誘導センサー23aを制御用情報を入力
する右誘導センサーとし、左右の誘導センサーおよび前
後の舵角センサーからの情報と、図7および図8に示す
制御フローとに基いて第1〜第4電動モータM1,M
2,M3,M4を制御し、機体が電線Lに沿って走行す
るように左右前輪および左右後輪を操向操作する。
【0031】すなわち、図7に示すように、前輪側で
は、左誘導センサーの誘起電圧VLと、右誘導センサー
の誘起電圧VRとを読み込む。誘起電圧VLとVRとの
差を算出し、この差に基づいて前輪に備えるべき舵角目
標値θFを設定してステップ#1に進む。このステップ
#1では、設定前輪舵角目標値θFが直進向き用、左向
き用、右向き用のいずれであるかを判定し、左向き用で
あると判定した場合にはステップ#2に進み、右向き用
であると判定した場合にはステップ#3に進み、直進向
き用である判定した場合にはこのステップ#1より後の
各ステップの制御を行わないでリターンに進む。ステッ
プ#2では、設定前輪舵角目標値θFと、前舵角センサ
ーによる検出舵角θ1とを比較し、前輪が図9の如く向
き足りないか図10の如く向き過ぎているかを判定し、
向き過ぎであると判定した場合にはステップ#4に進
み、向き足りないと判定した場合にはステップ#5に進
む。ステップ#3では、設定前輪舵角目標値θFと、前
舵角センサーによる検出舵角θ1とを比較し、前輪が向
き過ぎているか向き足りないかを判定し、向き足りない
と判定した場合にはステップ#6に進み、向き過ぎであ
ると判定した場合にはステップ#7に進む。ステップ#
4とステップ#5とでは、右前輪(旋回外側輪)の減速
目標値FRと、左前輪(旋回内側輪)の減速目標値FL
とを設定してステップ#8に進む。ステップ#6とステ
ップ#7とでは、左前輪(旋回外側輪)の減速目標値F
Lと、右前輪(旋回内側輪)の減速目標値FRとを設定
してステップ#8に進む。このステップ#8では、第1
電動モータM1および第2電動モータM2に減速制御に
起因して発生する逆起電力に基づいて両電動モータM
1,M2の回転数を検出し、この検出回転数と、右前輪
減速目標値FRおよび左前輪減速目標値FLとに基づい
て左右前輪の駆動速度が制御目標速度になるように両電
動モータM1,M2の回転速度をフィードバック制御す
る。
【0032】図8に示すように、後輪側では、前舵角セ
ンサーによる検出舵角θ1を読み込む。この検出舵角θ
1に後輪舵角係数αを乗算し、後輪に備えるべき舵角目
標値θRを設定する。すなわち、設定後輪舵角目標値θ
R=α・θ1を設定する。このとき、前輪側を右向きに
操向操作する際には後輪側を左向きに操向操作し、前輪
側を左向きに操向操作する際には後輪側を右向きに操向
操作するように、方向については前輪側とは逆方向に設
定してステップ#11に進む。このステップ#11で
は、設定後輪舵角目標値θRが直進向き用、左向き用、
右向き用のいずれであるかを判定し、左向き用であると
判定した場合にはステップ#12に進み、右向き用であ
ると判定した場合にはステップ#13に進み、直進向き
用であると判定した場合にはこのステップ#11より後
の各ステップの制御を行わないでリターンに進む。ステ
ップ#12では、設定後輪舵角目標値θRと、後舵角セ
ンサーによる検出舵角θ2とを比較し、後輪が図9の如
く向き足りないか図10の如く向き過ぎているかを判定
し、向き過ぎであると判定した場合にはステップ#14
に進み、向き足りないと判定した場合にはステップ#1
5に進む。ステップ#13では、設定後輪舵角目標値θ
Rと、後舵角センサーによる検出舵角θ2とを比較し、
後輪が向き過ぎているか向き足りないかを判定し、向き
足りないと判定した場合にはステップ#16に進み、向
き過ぎであると判定した場合にはステップ#17に進
む。ステップ#14とステップ#15とでは右後輪(旋
回外側輪)の減速目標値RRと、左後輪(旋回内側輪)
の減速目標値RLとを設定してステップ#18に進む。
ステップ#16とステップ#17とでは左後輪(旋回外
側輪)の減速目標値RLと、右後輪(旋回外側輪)の減
速目標値RRとを設定してステップ#18に進む。この
ステップ#18では、第3電動モータM3および第4電
動モータM4に減速制御に起因して発生する逆起電力に
基づいて両電動モータM3,M4の回転数を検出し、こ
の検出回転数と、右後輪減速目標値RRおよび左後輪減
速目標値RLとに基づいて左右後輪の駆動速度が制御目
標速度になるように両電動モータM3,M4の回転速度
をフィードバック制御する。
【0033】尚、ステップ#4では、右前輪は向き過ぎ
分の角度の大きさに比例する大きさの速度分を直進時の
駆動速度から減速した駆動速度で駆動するように、右前
輪減速目標値FR=設定前輪舵角目標値θF−検出舵角
θ1に設定し、左前輪は設定前輪舵角目標値θFに相当
する速度分を直進時の駆動速度から減速した駆動速度で
駆動するように、左前輪減速目標値FL=設定前輪舵角
目標値θFに設定する。ステップ#5では、右前輪は直
進時の駆動速度で駆動するように、右前輪減速目標値F
R=0に設定し、左前輪は設定前輪舵角目標値θFに相
当する速度分よりもさらに多い速度分を直進時の駆動速
度から減速した駆動速度で駆動するように、左前輪減速
目標値FL=設定前輪舵角目標値θF+(設定前輪舵角
目標値θF−検出舵角θ1)に設定する。ステップ#6
では、左前輪は直進時の駆動速度で駆動するように、左
前輪減速目標値FL=0に設定し、右前輪は設定前輪舵
角目標値θFに相当する速度分よりもさらに多い速度分
を直進時の駆動速度から減速した駆動速度で駆動するよ
うに、右前輪減速目標値FR=設定前輪舵角目標値θF
+(設定前輪舵角目標値θF−検出舵角θ1)に設定す
る。ステップ#7では、左前輪は向き過ぎ分の角度の大
きさに比例する大きさの速度分を直進時の駆動速度から
減速した駆動速度で駆動するように、左前輪減速目標値
FL=設定前輪舵角目標値θF−検出舵角θ1に設定
し、右前輪は設定前輪舵角目標値θFに相当する速度分
を直進時の駆動速度から減速した駆動速度で駆動するよ
うに、右前輪減速目標値FR=設定前輪舵角目標値θF
に設定する。ステップ#14では、右後輪は向き過ぎ分
の角度の大きさに比例する大きさの速度分を直進時の駆
動速度から減速した駆動速度で駆動するように、右後輪
減速目標値RR=設定後輪舵角目標値θR−検出舵角θ
2に設定し、左後輪は設定後輪舵角目標値θRに相当す
る速度分を直進時の駆動速度から減速した駆動速度で駆
動するように、左後輪減速目標値RL=設定後輪舵角目
標値θRに設定する。ステップ#15では、右後輪は直
進時の駆動速度で駆動するように、右後輪減速目標値R
R=0に設定し、左後輪は設定後輪舵角目標値θRに相
当する速度分よりもさらに多い速度分を直進時の駆動速
度から減速した駆動速度で駆動するように、左後輪減速
目標値RL=設定後輪舵角目標値θR+(設定後輪舵角
目標値θR−検出舵角θ2)に設定する。ステップ#1
6では、左後輪は直進時の駆動速度で駆動するように、
左後輪減速目標値RL=0に設定し、右後輪は設定後輪
舵角目標値θRに相当する速度分よりもさらに多い速度
分を直進時の駆動速度から減速した駆動速度で駆動する
ように、右後輪減速目標値RR=設定後輪舵角目標値θ
R+(設定後輪舵角目標値θR−検出舵角θ2)に設定
する。ステップ#17では、左後輪は向き過ぎ分の角度
の大きさに比例する大きさの速度分を直進時の駆動速度
から減速した駆動速度で駆動するように、左後輪減速目
標値RL=設定後輪舵角目標値θR−検出舵角θ2に設
定し、右後輪は設定後輪舵角目標値θRに相当する速度
分を直進時の駆動速度から減速した駆動速度で駆動する
ように、右後輪減速目標値RR=設定後輪舵角目標値θ
Rに設定する。
【0034】前記後輪舵角係数αとして、1より小で0
より大きい値を採用する。たとえば前輪1と後輪2との
車軸芯間隔が約650mmの場合、約0.5を採用す
る。
【0035】すなわち、前後輪の車軸芯間隔を650m
mに設定した機体が誘導線に沿って走行する際、後輪舵
角係数αが異なると、前後輪の軌跡がどのようになるか
をコンピュータによって検討したところ、図11に示す
結果が得られた。一点鎖線で示す曲線Lは、誘導線であ
り、機体進行方向Fの上手側の直線部分と下手側の直線
部分とが半径R=500mmの屈曲部分を介して互いに
直交する方向に連続するように設定してある。点線で示
す曲線T1は前輪軌跡で、実線で示す曲線T2は後輪軌
跡である。(イ)に示す軌跡T1,T2は、後輪舵角係
数α=0の場合のもので、後輪を操向しないで直進向き
に固定するものである。(ロ)に示す軌跡T1,T2
は、後輪舵角係数α=0.25の場合のものである。
(ハ)に示す軌跡T1,T2は、後輪舵角係数α=0.
5の場合のものである。(ニ)に示す軌跡T1,T2
は、後輪舵角係数α=0.75の場合のものである。
(ホ)に示す軌跡T1,T2は、後輪舵角係数α=1.
0の場合のもので、後輪が前輪とは逆の操向方向に前輪
と同じ操向角度で操向するものである。結局、後輪が操
向しないよりも操向する方が、前輪軌跡T1と後輪軌跡
T2のずれが少なくなっている。後輪舵角係数αが0.
5の場合よりも0.75の場合の方が、前輪軌跡T1と
後輪軌跡T2のずれが全体として少なくなっているが、
これらの検討結果は車輪の対地スリップを考慮しないも
のである。実際の操向時には、後輪が旋回外側にスリッ
プし、後輪舵角係数αが0.75の場合よりも0.5の
場合の方が、前輪軌跡T1と後輪軌跡T2のずれが全体
として少なくなる。これにより、本実施形態では、前車
軸芯と後車軸芯との間隔として650mmを採用し、後
輪舵角係数αとして約0.5を採用している。
【0036】つまり、操向制御手段28は、前後進切換
えセンサー27からの情報により、前輪1を本来の前輪
として、後輪2を本来の後輪として前誘導センサー21
a,21bからの情報に基づいて操向制御する前進用制
御形態と、後輪2を前輪として、前輪1を後輪として後
誘導センサー23a,23bからの情報に基づいて操向
制御する後進用制御形態とに自動的に切り換わる。そし
て、いずれの制御形態の場合でも、左右の誘導センサー
21a,21b,23a,23bからの情報に基づいて
前輪駆動機構15および後輪駆動機構18を直進操向状
態に制御して左右前輪1,1の駆動速度も左右後輪2,
2の駆動速度も同一にするとか、前輪駆動機構15およ
び後輪駆動機構18を横向き操向状態に制御して左右前
輪1,1の駆動速度も左右後輪2,2の駆動速度も相違
させるとかにより、前輪支持部材10を左右前輪1,1
の推進作用によって、後輪支持部材16を左右後輪の推
進作用によってそれぞれ自走機体に対して回動調節する
ことで、左右の誘導センサー21a,21b,23a,
23bの誘起電圧が等しくなるように前輪1および後輪
2を直進向きや横向きに操向操作する。また、機体を直
進向きから横向きに操向操作する際には、前輪を直進向
きから左向きまたは右向きの横向きに操向操作するとと
もに後輪を直進向きから前輪とは逆向きの横向きに操向
操作し、かつ、後輪舵角係数αの乗算により、後輪の直
進向きからの操向角度を前輪の直進向きからの操向角度
の約1/2にし、左前輪と左後輪の軌跡のずれも、右前
輪と右後輪の軌跡のずれも少なくして車輪や機体を畝U
や壁Kに当たりにくくしながら機体の走行方向を変更す
る。
【0037】図4および図5に示すように、前輪支持部
材10の連結部材11と、前支軸13とを両者11,1
3を貫通する連結ピン32により、前記第1軸芯13a
に直交する方向の連結ピン32の軸芯32aまわりで相
対回動するように連結し、左右前輪1,1が軸芯32a
のまわりで自走機体に対してローリングすることを可能
にしてある。これにより、図5に示す如く前輪1が地面
の凸部に乗り上がったり、地面の凹部に入り込んだりし
ても、左右前輪1,1がローリングし、4個の車輪1,
1,2,2が接地して推進力を確実に発揮したり、機体
が極力水平姿勢を維持するように配慮してある。
【0038】図6に示すラジコン受信ユニット33は、
コントローラ(図示せず)から送信される無線信号によ
る指令を受信し、受信結果に基づく信号を操向制御手段
28に出力して機体を運転させ、コントローラによる機
体の遠隔操縦を可能にするものである。超音波センサー
34は、前記後センサー支持部材30に付設してあり、
機体が障害物に接近した際にそれを検出して機体走行を
自動停止させるものである。速度切換えスイッチ35
は、前後輪1,2の駆動速度を高速と低速とに切換える
ものである。追従切換えスイッチ36は、前記超音波セ
ンサー34の作用形態を前進用と後進用とに切り換える
ものである。後進ランプ37は、機体が自動運転時に後
進すると、点灯して表示するものである。停止ランプ3
8は、機体が自動運転時に走行停止すると、点灯して表
示するものである。前進ランプ39は、機体が自動運転
によって前進している際に点灯して表示するものであ
る。手動前後進スイッチ40は、前進信号を入力して前
進走行させたり、後進信号を入力して後進走行させたり
するものである。手動左右スイッチ41は、左向き信号
を入力して左向きに操向したり、右向き信号を入力して
右向きに操向操作したりするものである。
【0039】〔別実施形態〕 前記電線Lに替え、磁気テープや光学テープなどを採用
し、これらに追従して自動走行するように構成する場合
にも本発明は適用できる。したがって、これら電線L、
磁気テープや光学テープなどを総称して誘導体と呼称す
る。
【0040】防除機の他、荷台を有する車など各種の農
業用に使用する車両にも本発明は適用できる。したがっ
て、これらの車両を総称して農用車両と呼称する。
【図面の簡単な説明】
【図1】防除機走行コースの説明図
【図2】防除機全体の側面図
【図3】走行装置の平面図
【図4】走行装置の側面図
【図5】前輪取付け構造の正面図
【図6】操向制御のブロック図
【図7】前輪側の操向制御フロー図
【図8】後輪側の操向制御フロー図
【図9】車輪操向制御の説明図
【図10】車輪操向制御の説明図
【図11】前後輪軌跡のコンピュータによる検討図
【符号の説明】
1 前輪 2 後輪 10 前輪支持部材 13a 第1軸芯 17a 第2軸芯 15 前輪駆動機構 16 後輪支持部材 18 後輪駆動機構 21a,21b,23a,23b 誘導センサー 28 操向制御手段 L 誘導体 M1,M2,M3,M4 電動モータ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 11/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対の前車輪と、左右前輪を駆動す
    る前輪駆動機構とを有する前輪支持部材を機体に機体上
    下方向の第1軸芯まわりで回動自在に支持させ、左右一
    対の後車輪と、左右後輪を駆動する後輪駆動機構とを支
    持する後輪支持部材を機体に機体上下方向の第2軸芯ま
    わりで回動自在に支持させ、 左右前輪の駆動速度を同一にしたり、相違させたりする
    ように前輪駆動機構を制御して前輪支持部材を機体に対
    して前記第1軸芯まわりで回動調節して左右前輪の機体
    に対する取付け向きを変更し、かつ、左右後輪の駆動速
    度を同一にしたり、相違させたりするように後輪駆動機
    構を制御して後輪支持部材を機体に対して前記第2軸芯
    まわりで回動調節して左右後輪の機体に対する取付け向
    きを変更することにより、機体を操向操作する操向制御
    手段を備えるとともに、この操向制御手段は、左右前輪
    が機体に対して直進向きから一方に操向するとともに左
    右後輪が機体に対して直進向きから他方に操向するよう
    に、かつ、左右後輪の直進向きからの操向角度が左右前
    輪の直進向きからの操向角度よりも小になるように後輪
    駆動機構および前輪駆動機構を制御することにより、機
    体を直進向きから横向きに操向操作するように構成して
    ある農用車両。
  2. 【請求項2】 前記操向制御手段によって機体を直進向
    きから横向きに操向操作する際の左右後輪の前記操向角
    度が左右前輪の前記操向角度の約1/2である請求項1
    記載の農用車両。
  3. 【請求項3】 前記前輪駆動機構が左右前輪を各別に駆
    動する一対の電動モータで成り、前記後輪駆動機構が左
    右後輪を各別に駆動する一対の電動モータで成る請求項
    1又は2記載の農用車両。
  4. 【請求項4】 走行地盤に存在する誘導体に対する機体
    の横偏位を検出する誘導センサーを備えるとともに、機
    体が前記誘導体に沿って自動的に走行するように、前記
    操向制御手段が前記誘導センサーからの情報に基づいて
    前記前輪駆動機構および前記後輪駆動機構を自動的に制
    御するように構成してある請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の農用車両。
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