JP2987288B2 - 多層膜厚測定装置 - Google Patents
多層膜厚測定装置Info
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Description
(シートを含む)の厚みを測定するための膜厚測定装置
に関し、特に食品、薬品、工業用品等の各種物品を包装
する際に用いる多層フィルム(多層シートを含む)の各
層の厚さを測定するための膜厚測定装置に関する。
を図るため機能の異なるフィルムを多層に積層したもの
が多くなって来ている。このような多層フィルムおいて
は、各層間の接着強度やガス選択透過性、ガスバリア性
などのフィルムの機能は、各層の形成状態により大きく
左右される。このため、このような多層フィルムの製造
に際しては、フィルムの強度や全厚のみならず、各層の
厚み個々を正確に知り、適正な品質管理を行う必要があ
る。
ムの各層の厚さをフィルムを破壊することなく測定する
装置として、同一光源から分割した光線を再び重ね合わ
せたとき、両分割光線の光路長が同一であれば干渉が生
じるという光波の干渉現象を利用した装置が知られてい
る。 例えば、特公平4−23202公報に記載の装置は、
図8に示すように、白色光源1から出た白色光2をビー
ムスプリッタ7で2つの光線に分割し、その一方の光線
を単層または多層からなる被測定物10の各層の境界面
に反射させ、この光を測定光11とし、他方の光を可動
できる鏡面16に反射させ、この光を参照光17とし、
これらの光を再びビームスプリッタ7に導き重ね合わせ
て光線18として受光素子20に導き、受光素子20で
前記光線18が干渉した時の鏡面16の位置に基づいて
被測定物10の各層の厚さを算出できるように構成され
ている。
上記と同様であるが、上記装置のように可動する鏡面を
利用するのではなく、鏡面を固定する方式によっても膜
厚を測定することができる。この方式は、図9に示すよ
うに、鏡面16を固定し、ビームスプリッタ7と固定鏡
面16との間に被測定物10と同様な屈折率の第1楔ガ
ラス13と第2楔ガラス14を配置するとともに、ビー
ムスプリッタ7と被測定物10との間に楔ガラス13、
14と同様な材質でかつ前記両楔ガラスの最小合算厚み
と等しい補償ガラス9を配置し、被測定物10の分散と
同一の分散を与えるように第1または第2の何れかの楔
ガラスを可動させ、これにより2つの光線11、17の
光路長を同一として、前記可動した側の楔ガラスの位置
から膜厚を求めるものである。
置として、特公平4−53241公報には、被測定物を
レンズとしたときの、レンズ面の位置を測定する装置が
開示されている。この装置では白色光2を可干渉距離の
短い光源とするとともに、測定光11の被測定面上への
集光をピント調整する対物レンズと、対物レンズのピン
ト状態を確認するためのピント確認手段を備えることを
特徴としている。
の装置は何れもフィルムを破壊することなく、厚さを測
定できるものの、多層膜厚の測定するのには、次のよう
な問題がある。上記の装置では、被測定物10の各層
の膜厚を測定する場合、測定光11は被測定物10中で
分散するが、分散程度は波長により相違するので、測定
光11の光路長と参照光17の光路長は入射する光の波
長によって変動する。そして、この変動の程度は被測定
物10の膜厚が増すほど大きくなるので、被測定物10
の膜厚が大きくなると、干渉が不明瞭となり干渉ピーク
の検出が困難となる。よって、この装置は、膜厚が薄い
場合には比較的信頼度の高い測定がなし得るが、膜厚が
大きくなると測定精度が低下するという問題があった。
厚さdが与える分散を補償するためには、第1又は第2
の楔ガラスを可動させて、両楔ガラスで形成される光軸
方向の厚さの変動をdとすればよいのであるが、この場
合両楔ガラスの合計厚みを変動させると必然的に空間長
(17’)が変動することになる。そしてこの空間部分
には通常、空気が存在するため、空気の空間長に起因す
る光路長変化が加わることになる。これはdが大きくな
るとそれにつれて大きくなるから、膜厚dが小さい場合
には測定値の信頼度に対する影響は小さいものの、dが
大きくなると無視し得ないものとなる。つまり、往復の
光路長変化は、被測定物の屈折率をnとると2nd−2
d=2(n−1)dとなり、被測定物の厚さdによる光
路長2ndと一致しない。したがって、の装置におい
ても、被測定物の膜厚が大きくなると測定精度が低下す
るという問題が生じる。
象とするものであり、レンズより薄い多層フィルムを測
定対象とする場合には、フィルムの表面や各層の境界面
に正確にピントを合わせることが困難となるので、多層
フィルムの各層の膜厚を測定するには不向きである。ま
た、仮に正確なピント合わせが可能であったとしても、
この装置はある程度可干渉性を持たせた光源を必要とす
るが、この可干渉距離に比べ、表面、境界面、裏面の間
隔は充分小さいので、裏面と境界面、表面と裏面、境界
面と裏面、或いは参照光と表面、境界面、裏面の各干渉
が同時に発生するという不都合が生じる。よって、多層
フィルムの各層の膜厚を測定することが難しい。 本発
明は、上記のような問題点に鑑み、膜厚が厚くなっても
測定精度が低下せず、且つ多層に薄膜形成された多層フ
ィルムにあっては各膜厚を精度良く測定することのでき
る多層膜厚測定装置を提供することを目的とする。
に、請求項1記載の発明は、インコーヒレントな同一光
源を同時に出た光波をビームスプリッタで第一の分岐光
線と第二の分岐光線に分割し、前記第一の分岐光線を可
動な基準鏡面に導き反射させた参照光と、前記第二の分
岐光線を光透過性の単層または屈折率の異なる複数の膜
が層状に形成された被測定物に導き反射させた測定光と
を、それぞれ前記ビームスプリッタに導いて干渉させ、
干渉発生時における前記可動鏡面の位置に基づいて前記
被測定物の各膜厚を求める多層膜厚測定装置において、
前記第一の分岐光線の入射する入射面が前記第一の分岐
光線に直交し、前記入射した光線の射出する射出面が前
記第一の分岐光線に対し傾斜する第1プリズムと、第一
の分岐光線の入射する入射面が前記第1プリズムの射出
面と平行でかつこの平行状態を維持したまま第1プリズ
ムの射出面に沿って可動でき、その射出面側が入射した
第一の分岐光線を反射する鏡面としてあり、この鏡面が
第一の分岐光線軸に直交するように位置されてある第2
プリズムとが、第一の分岐光線の光路上に配置された多
層膜厚測定装置であることを特徴とする。
1記載の多層膜厚測定装置において、更に前記第2プリ
ズムの入射面を前記第1プリズムの射出面に平行に往復
運動させる第2プリズム駆動手段と、前記第2プリズム
駆動手段により往復運動する第2プリズムの位置を求
め、この位置に基づいて膜厚を算出する膜厚測定手段と
を備えた多層膜厚測定装置であることを特徴とする。
載の多層膜厚測定装置において更に、屈折率及び分散が
第1プリズム及び第2プリズムの平均値に等しく且つ厚
みが光軸上における前記両プリズムの最小合算厚みと略
等しい、前記ビームスプリッタと反対側面を被測定物の
載置面とする被測定物載置部材が、第2の分岐光線の光
路上に配置された多層膜厚測定装置であることを特徴と
する。
3記載の多層膜厚測定装置において、第1プリズムと第
2プリズムとが、互いに屈折率及び分散が等しく、かつ
その形状が略相似形である多層膜厚測定装置であること
を特徴とする。更に請求項5記載の発明は、請求項1乃
至4記載の多層膜厚測定装置において、第2プリズム
が、その入射面と前記第1プリズムの射出面との間で、
平行状態を維持しつつ第1プリズムの射出面に沿って摺
動可能に構成された多層膜厚測定装置であることを特徴
とする。
する第1プリズムの入射面に入射した第1の分岐光線
は、第1プリズムに連続する第2プリズムに入射し、第
2プリズムの光軸に直交した射出面側の鏡面で反射され
て参照光となり再びビームスプリッタに戻るが、ここ
で、第2プリズムは、第1プリズムの射出面(斜面)に
沿って往復運動できるように構成してあり、この第2プ
リズムの光軸に対する斜め方向の往復運動は、その鏡面
を光軸方向へ前後移動することであるので、第2プリズ
ムの前記往復運動により参照光の光路長を増減すること
ができる。一方、ビームスプリッタから出た第二の分岐
光線は、被測定物に入射し、被測定物の各境界面で反射
されて測定光となり再びビームスプリッタに戻し、前記
参照光を重ね合わるように構成してある。
同時に出た2つの光線が重ね合わさると、両光路長が一
致したとき、光干渉により光強度が最大2倍に増大する
ので、この光強度変化を検出し、それぞれの測定光につ
いて該検出時における鏡面位置を特定し、各位置の差を
求めると、この差がある境界面と他の境界面との距離
(膜厚)を示すものとなる。つまり、干渉発生時の可動
鏡面の位置に基づいて、膜厚が求まることになるが、上
記のように本発明では、参照光の光路長変更手段とし
て、光軸に対し傾斜した第1プリズムの射出面に沿っ
て、鏡面を有する第2プリズムを可動させる方式を採用
した。このような方式であると、極めて正確に鏡面位置
が求まるので膜厚測定精度が格段に向上する。なぜな
ら、光軸方向への鏡面の平行移動距離lは、斜面移動距
離Lに対しl=L sinα(但し、αは第1プリズムの頂
角)となり、ここでl<Lであるので、光軸方向への微
小移動距離lが、より大きな斜面方向への移動距離Lで
実現するからである。
ズムの駆動精度をRとした場合、鏡面の位置変動精度r
は、(1/ sinα)×Rとなり、αを小さく設定すれ
ば、理論上いくらでもrを高めることができるので、膜
厚測定精度が飛躍的に高まることになる。更に、本発明
方式では、第2プリズムは対向する第1プリズムの射出
面に沿って間隔を一定に保持したまま可動し、その際第
1プリズムは変動しない。したがって、第一の分岐光線
の通る空間部分(通常、空気)の変動を伴うことなく前
記鏡面が光軸方向に移動して参照光の光路長を変化させ
ることができる。つまり、本発明方式によれば、空間長
の変化に起因する本来無用な光路長変動がないので、被
測定物の膜厚dが、鏡面の光軸方向の移動距離lに基づ
いて一義的に決定できる。よって、上記の如く高精度に
制御可能な鏡面の位置に基づいて算出された被測定物の
膜厚は、極めて精度の高いものとなる。
多層膜厚測定装置に、更に第1プリズムの射出面に沿っ
て第2プリズムを可動させる駆動手段と、干渉発生時に
おける第2プリズムの位置から、前記可動鏡面の光軸方
向に対する移動距離を求め膜厚を測定する膜厚測定手段
が付加されているので、多層フィルムの各層の膜厚を自
動的かつ高精度に測定できる。
と可動する第2プリズムの光軸上の最小合算厚みと略等
しい厚みであり、前記両プリズムの屈折率及び分散の平
均値と略等しい屈折率及び分散を持つ光透過体からなる
被測定物載置部材を具備させてある。この載置部材は、
被測定物を載置する役割を担うと同時に、測定光路側に
あって、参照光側で発生する不要な光路長変動(第1プ
リズム及び第2プリズムにおける最小合算厚みによる光
路長変動)を相殺するように作用するので、膜厚測定精
度を一層高めることができる。
と第2プリズムの光透過部分とが、光学的性質を同一と
し、かつその形状も略同一としたので、プリズムの作製
や被測定物載置部材の作製が容易になる。よって、製造
技術的な面から多層膜厚測定装置の精度向上やコストダ
ウンが可能となるという作用効果がある。 請求項5記載の発明では、第2プリズムの入射面が、
第1プリズムの射出面との間で摺動可能に構成してある
ので、第1プリズムと第2プリズムとの間の空間を実質
的に排除できるとともに、第1プリズムの射出面に沿っ
て第2プリズムを摺動するものであるので、第2プリズ
ムの入射面と第1プリズムの射出面との平行状態が崩れ
ることがないので、その分第2プリズムの駆動手段を簡
易なものとできる。
図1に示し、この基本構造を適用した多層膜厚測定装置
の断面構造を図2に示す。なお、図1及び図2の符号は
統一的に使用してある。図1、2に基づいて、先ず本発
明の一実施例である多層膜厚測定装置の概要を説明す
る。
レンズ3、第2集光レンズ4、絞り5、第3集光レンズ
6を通って、平行光となり、ビームスプリッタ7で2つ
の平行光11と17に分割される。分割された一方の光
は、第1焦点レンズ8で集光され、サンプル台9を通
り、多層膜の形成された被測定物10に入射され、その
各境界面で反射されて測定光11’となる。また上記で
分割された他方の光は、第2焦点レンズ12で集光さ
れ、第1プリズム13に入射され、この第1プリズム1
3と相互に上下逆向きかつ背中合わせに配置された第2
プリズム14の光透過体部分を通った後、第2プリズム
14の鏡面15で反射されて参照光17’となる。前記
測定光11’と参照光17’は再びビームスプリッタ7
に戻り、ここで重ね合わせられて光18となり、受光レ
ンズ19を通り、受光素子20に集光される。この光は
受光素子20で光電変換され、更に受光回路21で包絡
線検波などの処理がなされ、図示しないコンピュータ等
の演算装置に導かれる。
明する。白色光源1は、インコーヒレントな光であれ
ば、特に波長が制限されるものではない。但し、白色光
源1を波長の長い赤外光線とした場合、被測定物10中
における分散が小さくなる利点があるものの、波長が長
いため可干渉距離が長くなるので、参照光と測定光の光
路長が一致する時点の検出精度が悪くなる。他方、白色
光源1をより短波長側の可視光源とした場合は、明瞭な
干渉が得られるものの、被測定物10中における分散が
大きくなるので、膜厚の大きいものを測定対象とすると
きには好ましくない。このようなことから、白色光源1
は被測定物中の分散が小さく、かつ干渉の検出精度を低
下させない程度の波長が好ましいが、このような波長を
与える光源としては、例えば、900nm付近の近赤外
光を中心波長に持つハロゲンランプや発光ダイオードな
どが挙げられる。
長と同様な波長域での分光感度にすぐれるものが好まし
い。よって、例えば、白色光源1を上記ハロゲンランプ
や発光ダイオードとした場合には、同じような波長領域
に分光感度特性のピークを持つシリコンフォトダイオー
ド、PINシリコンフォトダイオード等のフォトダイオ
ードが良い。
同じ屈折率及び分散を有する平行平面なガラスの一方の
平面を厚さが光軸に対して垂直方向に徐々に薄くなるよ
うな斜面に加工したものである。この第1プリズム13
は、その平面を光軸に対して垂直に固定してセットされ
ている。第2プリズム14は、上記第1プリズム13と
光学的性質の同一の材料で同一形状に形成されたもので
あって、その平面側にはアルミニウム、白金、金等を蒸
着することにより鏡面15が形成されている。この第2
プリズム14は、前記第1プリズム13と、互いの平面
同志が平行となり、かつ第2プリズム14の斜面と第1
プリズム13の斜面の間隔が数十μm程度になるように
調整されて、光軸上(図2の13、14の位置)に配置
されている。そして、このように配置された第2プリズ
ム14は、第2プリズム駆動手段101により、第1プ
リズム13の斜面との間隔が変動しないようにして、第
1プリズム13の斜面に沿って上下に駆動せられる。な
お、上記において、第2プリズム14の斜面と第1プリ
ズム13の斜面を接触させてもよく、このようにした場
合は、第2プリズムは第1プリズムの斜面に沿って摺動
することになる。また摺動させる場合には、第1プリズ
ムと第2プリズムとの間に両プリズムと屈折率が近似し
たオイル等の光透過性の潤滑物質を介在させてもよい。
タ23、この駆動モータ23に連結した第2プリズム把
持部材102、前記第2プリズム把持部材102の上下
移動を案内する精密クロスローラガイドからなる案内部
材22等からなる。そして、前記第2プリズム把持部材
102には、その入射面が前記往復運動方向に対し平行
となり、かつその鏡面15が光軸に対し直交するように
して第2プリズム14を把持させてあり、駆動モータ2
3が駆動すると、第2プリズム14を把持した第2プリ
ズム把持部材102が案内部材22の案内に従って往復
運動するように構成されている。よって、第2プリズム
14は、図1矢印に示すように第1プリズム13の斜面
に平行に往復運動することになるが、第2プリズム14
の鏡面15はこの往復運動よって光軸方向に前後移動し
て参照光の光路長を可変する。
光との干渉を検出する干渉検出部(受光回路21も含
む)と、鏡面15の位置を検出する鏡面位置検出部と、
干渉検出部が干渉を検出した時点における前記鏡面位置
情報に基づいて膜厚を算出する膜厚算出部からなる。前
記干渉検出部は、受光素子20に入光した光強度変化か
ら干渉発生時点を検出するものである。また、前記鏡面
位置検出部は、ポテンンショメータ、マイクロメータ、
PSD等、または駆動モータ23がパルスモータ(ステ
ッピングモータ、サーボモータ等)の場合はその発振パ
ルス数か或いはパルスエンコーダ等で代用できる位置検
出素子24を有しており、この位置検出素子24は案内
部材22に配置(図2の24)してあり、案内部材22
に案内されて往復運動する第2プリズム把持部材102
の基準点からの移動距離を検出し、これを元に鏡面15
の光軸方向への移動量を算出する。そして、この算出し
た鏡面移動量に関する情報を膜厚算出部に送る。膜厚算
出部は、コンピュータ等の演算装置からなり、干渉検出
部及び鏡面位置検出部の情報から、干渉発生時点におけ
る鏡面位置を特定し、この情報に基づいて被測定物10
の膜厚を算出する。このようにして算出された膜厚は、
他の必要情報とともにデイスプレイ等の表示手段に表示
される。
測定手段は、コンピュータ制御により一体的に制御する
ことも可能であり、例えば、図7に示すブロック図のよ
うに構成することもできる。図7に示す方法を説明する
と、入光した光は受光素子20で光電変換した後、増幅
器201で電流電圧変換し、(図中a参照)、バンドパ
スフィルタ202でノイズ成分の除去を行った後、整流
器203でbのように半波整流し、ローパスフィルタ2
04でcで示すような包絡線信号を得る。この包絡線信
号をA/D変換器205によりデジタル信号に変換し、
クロック信号と関連付けてメモリ206に記憶するとと
もに、記憶したデジタル信号を微分曲線算出部207で
微分処理してその微分信号のゼロクロス点をピーク値算
出部208にて求めて、元の包絡線信号におけるピーク
値を算出する。そして、前記クロック信号に基づいてピ
ーク値検出時点を特定し、このピーク検出信号をピーク
間距離算出部209に向けて発するようにしてある。一
方、ピーク間距離算出部209には第2プリズム駆動手
段101の駆動モータ23の回転に同期するパルスエン
コーダ210からのパルス信号が加えられていて、ある
ピーク検出信号と次のピーク検出信号が発せられるまで
の間に発生した前記パルス信号の数をカウントしてい
る。そして、このカウント値から駆動モータ23により
移動させられた鏡面15の距離を算出するようになって
いる。
プリズム14で作る光軸方向の最小の厚さを補償する厚
さを有し、屈折率及び分散が第1プリズム13及び第2
プリズム14と同じものが使用してある。なお、第2プ
リズム駆動手段101や膜厚測定手段は上記構成に限ら
れるものではない。要は、第2プリズム駆動手段は第2
プリズムの鏡面の移動を精度高く制御できればよく、ま
た膜厚測定手段は干渉発生時点における鏡面位置に基づ
いて膜厚が算出できるものであればよい次にこのように
構成された本発明多層膜厚測定装置を膜厚測定の具体例
に基づいて、更に詳細に説明する。
705μmの3種5層の多層フィルムの一例であり、こ
の多層フィルムは第1層(25)と第5層(29)がナ
イロンフィルム、第2層(26)と第4層(28)が接
着剤、第3層(27)がEVOHフィルムで構成されて
いる。このような多層フィルムが第1層25側をサンプ
ル台9に接して載置され、第二の分岐光線が入射される
と、該光線は多層フィルム(被測定物10)の各境界面
30、31、32、33、34、35でそれぞれ反射さ
れ測定光となりビームスプリッタ7に戻ることになる
が、この際、各層で分散を受け、分散に起因する光路長
変化をも伴って測定光11となる。そしてこの分散によ
る光路長への影響は、入射深度が大きくなる境界面3
0、31、32、33、34、35の順に大きくなる。
14に入射した第一の分岐光線は、第2プリズム14の
鏡面15で反射されて参照光17となりビームスプリッ
タ7に戻るが、この場合は、可動する鏡面15により光
路長が積極的に変えられるとともに、第1プリズム13
と第2プリズム14で作る光軸方向のガラス中での分散
によっても光路長が変動することになる。そしてこの場
合の分散による光路長への影響は、第1プリズム13と
第2プリズム14で作る光軸方向の厚さが大きくなれば
なるほど大きくなる。
果に及ぼす悪影響を除去するには、第1プリズム13と
第2プリズム14で作る光軸方向の厚さ変化を被測定物
10の境界面30から境界面31、32、33、34、
35に至る厚さ変化と同じようにすれば良い。本発明装
置では、参照光を作る鏡面15が、光軸に直交する第2
プリズム14の射出面に設けてあり、かつこの第2プリ
ズム14は鏡面15に対向する傾斜面(入射面)で第1
プリズム13の傾斜面(射出面)に沿って平行に可動す
るように構成したので、測定光の分散に起因した光路長
変動要素と参照光の分散に起因した光路長変動要素とを
互いに相殺させることができる。なぜなら、多層フィル
ムの各境界面30、31、32、33、34、35に対
応し、それぞれの境界面までの深度(各膜厚)分だけ、
第2プリズム14の鏡面15が参照光の光路長を大きく
する方向に移動する必要があるが、この移動は第2プリ
ズム14の光軸方向のガラス厚みを増加させる移動でも
ある。したがって、第1プリズム13と可動する第2プ
リズム14が与える分散が、多層フィルムの平均的な屈
折率及び分散と略同一になるように、第1プリズム13
と第2プリズム14の材質又は厚みを適当に選べば、各
膜厚に対応して変動する鏡面15の移動に伴い増減する
第2プリズム14の光軸上の厚みにより相殺されるこに
なる。なお、本実施例では両プリズムをガラスで構成し
たが、プリズムはガラスに限られるものではなく、要は
使用する光波長域における光透過性が優れた材料の中か
ら、前記屈折率及び分散を考慮して適当に選択すればよ
い。
m)を被測定物10としたときにおける、図7のブロッ
ク線図のローパスフィルタ204を通過させた包絡線信
号による干渉ピークを各境界面との関連で示す。図3の
横軸は第2プリズム14の鏡面15の位置、縦軸は各鏡
面位置における干渉の大きさを表す。ここで、各ピーク
36、37、38、39、40、41を示す第2プリズ
ム14の鏡面15の位置をL1 ,L2 ,L3 ,L4 、L
5 ,L6 とし、第1層25と第5層29の屈折率を
n1 、第2層26と第4層28の屈折率をn2 、第3層
27の屈折率をn3 とし、第1プリズム13及び第2プ
リズム14の屈折率をnとすれば、第1層25の厚さd
1 、第2層26の厚さd2 、第3層27の厚さd3 、第
4層28の厚さd4 、第5層29の厚さd5 は、理論的
には各式に従い求めることができる。 また図4に、図6の多層フィルム705μmよりも薄い
3種3層の多層フィルム65μmの包絡線信号による測
定結果を示したが、勿論この65μmの多層フィルムに
おいても、前記705μmの多層フィルムと同じ様に各
層の膜厚が算出できる。
散に起因する光路長変動要素が膜厚測定値に及ぼす影響
を確認するため、本発明原理の装置及び図8に示す原理
の従来装置を用い、被測定物として厚さの異なる5種類
のスライドグラスを用い、各被測定物の表面干渉値と裏
面干渉値を測定したので、それらの結果を図5に示す。
但し、スライドグラスの膜厚は、それぞれ20μm、6
9μm、169μm、550μm、950μmである。
また、図5は、被測定物の厚さの常用対数値を横軸と
し、表面干渉値に対する裏面干渉値の割合(%)を縦軸
として表したものである。
置では、被測定物の厚みが増加しても裏面干渉値/表面
干渉値比の低下が少ない。つまり、被測定物中における
分散の影響が少ない。これに対し、従来装置では被測定
物の厚みが増加すると急激に裏面干渉値/表面干渉値比
が低下しており、被測定物の厚みが増加すると被測定物
中における分散の影響が顕著になることが判る。
置は、図8に示す原理の従来装置に比べ、格段に精度の
高い膜厚測定を行い得ることが確認された。
光路長の変更が、可動する第2プリズムの射出面側鏡面
により行なわれるように構成したので、可動鏡面の位置
が極めて正確に特定できるとともに、この可動鏡面の移
動が空間長を変動させることがないので不要な光路長変
動を排除できる。さらに、光路長変更のための鏡面の移
動は、第2プリズムの光透過体部分の厚みを被測定物の
分散を補償するように変更する働きをも有しているの
で、被測定物が厚くなっても前記分散に起因する光路長
の変動を参照光側で相殺できる。
なっても精度よくその膜厚を測定できるとともに、多層
フィルムの各膜厚を高精度に測定できる多層膜厚測定装
置を提供できるといった顕著な効果を得ることができ
る。
測定波形である。
定波形である。
を比較するためのグラフである。
る。
である。
Claims (5)
- 【請求項1】 インコヒーレントな同一光源を同時に出
た光波をビームスプリッタで第一の分岐光線と第二の分
岐光線に分割し、前記第一の分岐光線を可動できる鏡面
に導き反射させた参照光と、前記第二の分岐光線を光透
過性の単層または屈折率の異なる複数の膜が層状に形成
された被測定物に導き反射させた測定光とを、それぞれ
前記ビームスプリッタに導いて干渉させ、干渉発生時に
おける前記可動鏡面の位置に基づいて前記被測定物の各
膜厚を求める多層膜厚測定装置において、 前記第一の分岐光線の入射する入射面が前記第一の分岐
光線軸に直交し、前記入射した光線の射出する射出面が
前記第一の分岐光線軸に対し傾斜する第1プリズムと、 第一の分岐光線の入射する入射面が前記第1プリズムの
射出面と平行でかつこの平行状態を維持したまま第1プ
リズムの射出面に沿って可動でき、その射出面側が入射
した第一の分岐光線を反射する鏡面としてあり、この鏡
面が第一の分岐光線軸に直交するように位置されてある
第2プリズムとが、 第一の分岐光線の光路上に配置されたことを特徴とする
多層膜厚測定装置。 - 【請求項2】 前記請求項1記載の多層膜厚測定装置に
おいて、更に前記第2プリズムの入射面を前記第1プリ
ズムの射出面に平行に往復運動させる第2プリズム駆動
手段と、 前記第2プリズム駆動手段により往復運動する第2プリ
ズムの位置を求め、この位置に基づいて膜厚を算出する
膜厚測定手段とを備えることを特徴とする多層膜厚測定
装置。 - 【請求項3】 前記請求項1又は請求項2記載の多層膜
厚測定装置において更に、屈折率及び分散が第1プリズ
ム及び第2プリズムの平均値に等しく且つ厚みが光軸上
における前記両プリズムの最小合算厚みと略等しい、前
記ビームスプリッタと反対側面を被測定物の載置面とす
る被測定物載置部材が、第二の分岐光線の光路上に配置
されたことを特徴とする多層膜厚測定装置。 - 【請求項4】 第1プリズムと第2プリズムとが、互い
に屈折率及び分散が等しく、かつその形状が略相似形で
あることを特徴とする請求項1から3の何れか に記載の
多層膜厚測定装置。 - 【請求項5】 請求項1から請求項4の何れかに記載の
多層薄膜測定装置において、第2プリズムが、その入射
面と前記第1プリズムの射出面との間で、平行状態を維
持しつつ第1プリズムの射出面に沿って摺動可能に構成
されたことを特徴とする多層膜厚測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6035738A JP2987288B2 (ja) | 1994-03-07 | 1994-03-07 | 多層膜厚測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6035738A JP2987288B2 (ja) | 1994-03-07 | 1994-03-07 | 多層膜厚測定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07243818A JPH07243818A (ja) | 1995-09-19 |
JP2987288B2 true JP2987288B2 (ja) | 1999-12-06 |
Family
ID=12450177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6035738A Expired - Lifetime JP2987288B2 (ja) | 1994-03-07 | 1994-03-07 | 多層膜厚測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2987288B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4665290B2 (ja) * | 2000-05-15 | 2011-04-06 | 株式会社ニコン | 間隔測定装置及び面形状測定装置 |
JP5397817B2 (ja) | 2010-02-05 | 2014-01-22 | 国立大学法人名古屋大学 | 干渉測定装置および測定方法 |
EP2908088B1 (en) * | 2012-12-13 | 2017-03-01 | Toyo Seikan Group Holdings, Ltd. | Method and device for measuring polishing amount of optical fiber component |
-
1994
- 1994-03-07 JP JP6035738A patent/JP2987288B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07243818A (ja) | 1995-09-19 |
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