JP2986018B1 - 平底タンク底板裏面防食方法及びその防食装置 - Google Patents

平底タンク底板裏面防食方法及びその防食装置

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Abstract

【要約】 【課題】 平底タンクの底板裏面を簡単な設備で簡単に
短い工期で経済的に防食することのできる防食技術、既
設タンクにも新設タンクにも適用可能な防食技術を提供
する。 【解決手段】貯油タンクの底板3の外周側部分から、ガ
ス供給源32に接続されたガス送給管31と複数のガス
排出管33とを底板裏面側へ挿入装着し、ガス供給源3
2とガス送給管31から底板裏面側へ不活性ガスを充填
して保持し底板3の裏面を防食する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、平底タンクの底
板裏面防食方法及びその防食装置に関し、特に不活性ガ
スを用いて防食する技術に関する。
【従来の技術】 石油類や水等の液体を貯蔵するタンク
として平底円筒タンクが広く適用されている。例えば、
石油類を貯蔵する平底円筒タンク(以下、石油タンクと
いう)は、底板と、この底板の外周部から立ち上がる円
筒状の側板と、フローティング式の屋根体などを主体と
して構成されている。
【0002】タンク基礎部は、コンクリート基礎部と、
このコンクリート基礎部の上に積み上げられたオイルサ
ンド層と、このオイルサンド層の表面を固めたアスファ
ルト層とを有し、このタンク基礎部のアスファルト層の
上に石油タンクが構築され、オイルサンド層とアスファ
ルト層とで石油タンクが支持される。石油タンクの底板
裏面(底板下面)側へ雨水等の侵入を防止する為のシー
ル材として、底板の一部であるアニュラープレートの外
周部とその外周側のアスファルト層部分の表面とに亙っ
てウレタン樹脂膜(又はシリコン樹脂膜)と補強繊維シ
ートとを積層してなるアニュラー防水部が形成される。
【0003】前記平底円筒タンクの底板は、予め防錆用
塗装を施した多数の底板素材を溶接接合して構築するこ
とになるが、底板素材同士を溶接接合する溶接線の付近
では、防錆用塗膜が焼損して腐食し易い状態になる。ま
た、底板裏面側には基礎部との間に空隙部もあるし、こ
の空隙部や基礎部に侵入する空気に含まれる水分も底板
裏面に結露して腐食原因になる。従来、石油タンクで
は、その容量との関連において5年とか10年とかの所
定期間毎に内部を空にして定期点検することが必要であ
る。この定期点検の際に、底板のうちの腐食の著しい部
分に対しては底板の部分的な交換等の修理を施すのが普
通である。
【0004】従来、新設の石油タンクの底板等に適用す
る防食技術として、底板裏面側に亜鉛板やアルミ板を接
合する電気防食法(流電陽極法)、底板裏面にタールエ
ポキシ樹脂等を塗装する塗膜防食法などが採用されてい
る。一方、既設の石油タンクの底板等の防食技術とし
て、基礎部に予め配設した配管を介して底板の裏面側に
樹脂系塗料を注入する塗料注入法、前記の電気防食法、
塗膜防食法などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 前記新設の石油タン
クの底板等に適用する防食技術のうち、電気防食法は陽
極としての亜鉛板やアルミ板に多額の費用がかかり、設
備コスト面で不利であるし、亜鉛板やアルミ板が消耗し
てしまうと防食機能が無くなってしまう。前記タールエ
ポキシ樹脂等を用いる塗膜防食法では、底板を構築する
際の溶接線の付近の塗膜は焼損して防食機能が低下する
うえ、塗料とその塗装工事のコストが高くなるし、防食
機能も経年的に低下していくという問題がある。
【0006】一方、既設の石油タンクの底板等の防食技
術のうち、底板の裏面側に樹脂系塗料を注入する塗料注
入法では、多量の樹脂系塗料が必要となるため高コスト
となる。また、前記の電気防食法を採用する場合、亜鉛
板やアルミ板に多額の費用がかかるうえ、タンクをジャ
ッキアップする必要があるので工期も長くなり工事費が
高価になる。また、塗膜防食法では、前記同様にタンク
をジャッキアップする必要があるので工期も長くなり工
事費が高価になる。
【0007】本発明の目的は、新設タンクにも既設タン
クにも適用可能な平底タンクの底板裏面防食技術、簡単
な設備で経済的に実施可能な平底タンクの底板裏面防食
技術、短い工期で簡単に実施可能な平底タンクの底板裏
面防食技術を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】 請求項1の平底タンク
底板裏面防食方法は、平底タンクの底板裏面の腐食を防
止する防食方法において、前記平底タンクの底板の裏面
側に、1又は複数のガス送給管と複数のガス排出管とを
装着し、ガス送給管から不活性ガスを充填しながらガス
排出管から空気を排出させ、平底タンクの底板を載置支
持する基礎部のうちの少なくとも底板裏面の近傍部分と
底板裏面に臨む空隙部に不活性ガスを充填して封入状態
に保持することを特徴とするものである。ここで、平底
タンクは、石油類や水やその他種々の液体や気体を貯蔵
する1重構造のタンクでもよいし、LNG等を貯蔵する
為の内槽タンク付きの2重構造のタンクでもよいし、水
等を貯蔵する角形タンクでもよい。前記不活性ガスとし
ては、窒素ガス、炭酸ガス、またはアルゴンガス、等を
適用できる。
【0009】前記平底タンクの底板を載置支持する基礎
部のうちの少なくとも底板裏面の近傍部分と底板裏面に
臨む空隙部に、不活性ガスを充填して封入状態に保持す
ると、平底タンクの底板裏面が空気に殆ど接触しなくな
るから、底板裏面を確実に防食することができる。ここ
で、平底タンクの底板の裏面側に、1又は複数のガス送
給管と複数のガス排出管とを装着し、ガス送給管から不
活性ガスを充填しながらガス排出管から空気を排出させ
て不活性ガスを充填するので、底板の裏面側にほぼ一様
に不活性ガスを充填することができる。新設の平底タン
クの場合には、タンクの構築の際に、不活性ガスを充填
する為のガス送給管や、空気を抜気する為のガス排出管
等を配設しておけば、タンクの完成時点、タンク使用開
始後の所定期間おきの時点に、不活性ガスの充填を簡単
に行うことができる。
【0010】また、既設の平底タンクの場合には、タン
クの点検修理の際に、不活性ガスを充填する為のガス送
給管や、空気を抜気する為のガス排出管等を一旦配設す
れば、タンクの点検修理完了時点、その後の所定期間お
きの時点に、不活性ガスの充填を簡単に行うことができ
る。
【0011】ここで、前記不活性ガスの充填を所定期間
おきに行ってもよい(請求項1に従属の請求項2)。平
底タンクを支持する基礎部は、完全に封止されている訳
ではないため、不活性ガスが徐々にリークするため、不
活性ガスの充填を所定期間おきに行なうことで、不活性
ガスの濃度を長期に亙って高く維持し、確実に防食する
ことができる。前記不活性ガスとして窒素ガスを用いて
もよい(請求項1又は2に従属の請求項3)。窒素ガス
は安価であるから、防食の為の材料費を安価にし、防食
のコストダウンを図ることができる。
【0012】前記平底タンクが既設のタンクであっても
よい(請求項1〜3の何れか1項に従属の請求項4)。
既設のタンクであっても、そのタンクの底板裏面側に比
較的簡単な設備により不活性ガスを充填することができ
るし、防食工事の為にタンクをジャッキアップする必要
もない。
【0013】前記平底タンクが新設のタンクであっても
よい(請求項1〜3の何れか1項に従属の請求項5)。
既設のタンクであっても、そのタンクの底板裏面側に比
較的簡単な設備により不活性ガスを充填することができ
る。この場合、タンクの構築の際に、不活性ガス充填の
為のガス送給管や空気を抜気する為のガス排出管等を恒
久的に装備することが望ましい。前記ガス排出管には開
閉弁を設けることが望ましい。
【0014】
【0015】請求項の平底タンクの底板裏面防食装置
は、平底タンクの底板裏面の腐食を防止する装置におい
て、前記平底タンクの底板を載置支持する基礎部のうち
の少なくとも底板裏面の近傍部分と底板裏面に臨む空隙
部に不活性ガスを充填する為のガス送給管と、このガス
送給管に不活性ガスを送給する不活性ガス供給源と、前
記基礎部のうちの少なくとも底板裏面の近傍部分と底板
裏面に臨む空隙部から空気を排出する為の複数のガス排
出管と、前記各ガス排出管に夫々装着された開閉弁とを
備えたことを特徴とするものである。尚、平底タンクと
しては、請求項1の欄に記載した種々のタンクが含まれ
る。
【0016】前記不活性ガス供給源からガス送給管に不
活性ガスを送給し、その不活性ガスを、平底タンクの底
板を載置支持する基礎部のうちの少なくとも底板裏面の
近傍部分と底板裏面に臨む空隙部に送給する一方、複
のガス排出管から前記基礎部のうちの少なくとも底板裏
面の近傍部分と底板裏面に臨む空隙部から空気を排出す
ることにより、前記基礎部のうちの少なくとも底板裏面
の近傍部分と底板裏面に臨む空隙部に不活性ガスを充填
することができる。尚、各ガス排出管に夫々装着された
開閉弁は、そのガス排出管から空気を排出する時だけ開
くものとする。開閉弁を開いたガス排出管からだけ空気
を排出できるうえ、不活性ガスの充填後にガス排出管か
ら空気が逆流するのを防止できる。それ故、請求項1と
同様に平底タンクの底板裏面を防食することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。本実施形態は、平底円筒タ
ンクである石油類貯蔵用の貯油タンクであって既設の貯
油タンクに本発明を適用する場合の一例である。図1に
示すように、貯油タンク1は、基礎部2の上に設置され
た底板3と、この底板3のうちのアニュラープレート3
aの外周付近部から立ち上がった円筒状の側板4と、貯
蔵された石油類の上面に浮く浮き屋根5等を主体にして
構成されている。
【0018】図1、図3に示すように、基礎部2は、基
礎コンクリート10の上にオイルサンド11を所定の厚
さに積み、そのオイルサンド11の表面部に厚さ約30
mm程度のアスファルト層12を形成したものである。
アニュラー防水13は、貯油タンク1の底板3の裏面側
へ雨水等が侵入しないように封止する為のもので、例え
ばウレタン樹脂層またはシリコン樹脂層の間に補強用繊
維シートを組み込んだ構造のものであり、このアニュラ
ー防水13は、アニュラープレート3aの外周部分とそ
の外側のアスファルト層12の部分を液密に覆ってい
る。
【0019】前記貯油タンク1には、タンクボトムヒー
ター20、回転止ポール21、ウェザーシールド22、
せき板5a、雨水排水管23、ルーフサポート24、回
転梯子25、廻り階段26、頂部デッキ27等も設けら
れている。図2は、アニュラープレート3aを含む底板
3と底板裏面防食装置30の概略平面図であり、底板3
は多数の底板素材を溶接線28の個所で溶接接合して構
成されている。
【0020】次に、貯油タンク1の底板2の裏面側に、
不活性ガス(本実施形態では、乾燥窒素ガス)を充填し
て防食する為の底板裏面防食装置30について説明す
る。図2〜図4に示すように、この底板裏面防食装置3
0は、貯油タンク1の底板3を載置支持する基礎部2の
うちの少なくとも底板3の裏面の近傍部分と底板3の裏
面に臨む空隙部に不活性ガスを充填する為のガス送給管
31と、このガス送給管31に不活性ガスを送給する不
活性ガス供給源32(これは、複数の窒素ガスボンベを
含む)と、基礎部2のうちの少なくとも底板3の裏面の
近傍部分と底板3の裏面に臨む空隙部から空気を排出す
る為の例えば13本の周方向適当間隔おきに配置したガ
ス排出管33(33a〜33g)と、ガス送給管31に
装着された開閉弁34と、各ガス排出管33に夫々装着
された微圧計35及び開閉弁36等を有する。
【0021】前記ガス送給管31及びガス排出管33
は、夫々例えば10mmφのステンレス細管からなる。
既設の貯油タンク1に、ガス送給管31及びガス排出管
33を設置する際、基礎部2のアスファルト層12とオ
イルサンド11とを部分的に除去した所に、ガス送給管
31やガス排出管33を夫々挿入し、ウレタン樹脂製ま
たはシリコン樹脂製のシール材13aにより封止する。
前記ガス送給管31はガスホース37にて不活性ガス供
給源32に接続する。前記不活性ガス供給源32には、
流量計38と、圧力調節用レギュレータ(図示略)と、
圧力計39aと、微圧計39b等が設けられている。そ
して、ガス送給管31やガス排出管33を設置しない位
置では、アニュラー防水13の劣化部分に対して補修を
施してアニュラー防水13による封止機能を完全にして
おく。
【0022】次に、以上の底板裏面防食装置30を用い
て底板3の裏面を防食する防食方法について説明する。
最初に、不活性ガス供給源32の圧力調節用レギュレー
タを所定の低圧(例えば、50mmAq)に調節して、
不活性ガスの圧力を供給する際には所定の低圧の不活性
ガスを供給可能にするとともに、13本のガス排出管3
3における開閉弁36を全て閉じる。また、ガス排出管
33から空気を抜気する際に酸素濃度を測定する為に少
なくとも2個の酸素濃度計(図示略)を準備しておく。
【0023】全部のガス排出管33の開閉弁36を閉に
した状態において、ガス送給管31から不活性ガスを徐
々に(例えば、30リットル/min の流量にて)充填し
ながら、全てのガス排出管33の微圧計35を監視する
とともに、貯油タンク1内部において底板3の隆起等が
発生しないか否か監視する。所定時間(例えば、2時
間)経過しても、底板3の裏面側の不活性ガスの圧力の
異常な上昇がなく、底板3の隆起等も生じない場合に
は、2つのガス排出管33aの開閉弁36のみを開放し
た状態で、不活性ガスの充填を続行し、2つのガス排出
管33aから空気を抜気していく。この抜気中に排出さ
れるガスの酸素濃度を計測し、酸素濃度が所定値に低下
するまでガス排出管33aからの抜気を継続する。この
間、不活性ガスの充填は継続する。
【0024】酸素濃度が所定値に低下したら、2つのガ
ス排出管33aの開閉弁36を閉じ、次に2つのガス排
出管33bの開閉弁36のみを開いて、前記同様に2つ
のガス排出管33bから空気を抜気していく。この抜気
中に排出されるガスの酸素濃度を計測し、酸素濃度が所
定値に低下するまでガス排出管33bからの抜気を続行
し、酸素濃度が所定値に低下したら、2つのガス排出管
33bの開閉弁36を閉じる。以上の操作をガス排出管
33c,33d,33e,33f,33gまで前記と同
様に実行する。
【0025】こうして、基礎部2のうちの少なくとも底
板3の裏面の近傍部分と底板3の裏面に臨む空隙部に、
不活性ガス(窒素ガス)を充填し、全部のガス排出管3
3の開閉弁36及びガス送給管31の開閉弁34を閉じ
て不活性ガスを封入状態に保持する。以上の不活性ガス
の充填を実行後には、ガス送給管31とガス排出管33
の地上露出部分を解体撤去し、図5に示すように、エル
ボー40に封止栓41を螺着し、その表面側をシール材
42にて封止する。
【0026】尚、基礎部2の表面のアスファルト層12
やアニュラー防水13は完全な気密構造ではなく、底板
3の裏面側に充填した不活性ガスが徐々にリークするた
め、以上の不活性ガスの充填を所定期間(例えば1ケ
月)おきに実行するものとするが、この所定期間は、貯
油タンクの容量、基礎部2の気密性の良否、アスファル
ト層12やアニュラー防水13の気密性の良否に応じて
適宜設定する。
【0027】こうして、貯油タンク1の底板3の裏面側
に常時不活性ガスを充填状態に保持し、底板3の裏面に
空気が接触しにくくして底板3の裏面の腐食を確実に防
止することができる。このような簡単な構造の底板裏面
防食装置30により、不活性ガスの充填を簡単に行うこ
とができるから、設備費が高価になることもなく、不活
性ガスは安価なものであるので材料費も安価で済むし、
不活性ガスの充填の工事も短期間で行うことができる。
【0028】新設の貯油タンクに対しても、既設の貯油
タンクに対してほぼ同様に、簡単に安価に短期間で防食
を行うことができるし、底板裏面防食装置30を一旦装
備すれば、その後繰り返し、不活性ガスの充填を簡単に
安価に短期間で行うことができる。不活性ガスの充填を
所定期間おきに行なうことで、不活性ガスの濃度を長期
に亙って高く維持し、確実に防食することができる。不
活性ガスとして安価な窒素ガスを用いるので、防食の為
の材料費を安価にし、防食のコストダウンを図ることが
できる。
【0029】ここで、前記実施形態を部分的に変更する
例について説明する。1〕新設の貯油タンク1或いはそ
の他の平底タンクに本発明を適用する場合には、基礎部
2や底板裏面防食装置30のガス送給管31及びガス排
出管33の配置に種々の変更を加えることができる。例
えば、基礎部2の表面の気密性を高める為に、基礎部2
の表面に気密層を形成する。この気密層は、従来のアス
ファルト層12と同様のより高密度のアスファルト層で
構成してもよく、アスファルト層12の底部や中層部や
表面部に耐候性に優れる1または複数の気密膜を固着し
て形成することもできる。
【0030】ガス送給管31の代わりに、例えば図6に
示すようにガス送給管を配置してもよい。即ち、底板3
の裏面側付近の中央部にガス吐出管51aをほぼ環状に
配置し、その外側にガス吐出管51bをほぼ環状に配置
し、その外側にガス吐出管51cをほぼ環状に配置し、
これらガス吐出管51a〜51cの各々には不活性ガス
を吐出する多数の吐出孔を適当間隔おきに形成する。ガ
ス吐出管51aは開閉弁52付きのガス送給管53aを
介してガス供給源32に接続し、ガス吐出管51bは開
閉弁52付きのガス送給管53bを介してガス供給源3
2に接続し、ガス吐出管51cは開閉弁52付きのガス
送給管53cを介してガス供給源32に接続する。尚、
ガス排出管33については前記実施形態のものと同様で
ある。
【0031】不活性ガスの充填の際、全部のガス排出管
33の開閉弁36を開いた状態にしておき、最初にガス
吐出管51aから所定時間の間不活性ガスを吐出させ、
次にガス吐出管51a,51bから所定時間の間不活性
ガスを吐出させ、次にガス吐出管51a,51b,51
cから所定時間の間不活性ガスを吐出させる。その後、
全ての開閉弁36,52を閉じ、底板3の裏面側に不活
性ガスを充填状態に保持する。このように、ガス吐出管
51a〜51cを底板3の裏面側の全域に一様に配置
し、前記のように不活性ガスを充填するため、底板3の
裏面側に一様に不活性ガスを充填することができる。
尚、ガス吐出管の配置は前記の配置に限定される訳では
ないが、底板3の裏面側に一様に不活性ガスを充填でき
る配置とすることが望ましい。
【0032】2〕前記ガス供給源は、ボンベに限るもの
ではなく、不活性ガス貯蔵タンクとこのタンクに接続さ
れた配管系を適用してもよく、或いは、不活性ガス貯蔵
タンクや不活性ガス発生源から延びる常設配管系を適用
してもよい。前記不活性ガスとして、窒素ガス以外に、
炭酸ガス、アルゴンガス等を適用可能である。また、本
発明は、貯油タンク以外に種々の用途の種々の構造の平
底タンクにも適用可能であることは言うまでもない。そ
の他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において前記実施
形態に種々の変更を付加した形態で実施できることは勿
論である。
【0033】
【発明の効果】 請求項1の発明によれば、平底タンク
の底板を載置支持する基礎部のうちの少なくとも底板裏
面の近傍部分と底板裏面に臨む空隙部に、不活性ガスを
充填して封入状態に保持するので、平底タンクの底板裏
面が空気に殆ど接触しなくなるから、底板裏面を確実に
防食することができる。そして、平底タンクの底板の裏
面側に、1又は複数のガス送給管と複数のガス排出管と
を装着し、ガス送給管から不活性ガスを充填しながらガ
ス排出管から空気を排出させて不活性ガスを充填するの
で、底板の裏面側にほぼ一様に不活性ガスを充填するこ
とができる。しかも、不活性ガスの充填は、1又は複数
のガス送給管と複数のガス排出管などの簡単な設備にて
簡単に行うことができるから、設備費が高価になること
もない。また、不活性ガスは安価なものであるので材料
費も安価で済むし、不活性ガスの充填の工事も短期間で
行うことができる。
【0034】新設の平底タンクに対しても、既設の平底
タンクに対してほぼ同様に、簡単に安価に短期間で防食
を行うことができるし、不活性ガス充填の為の配管類を
一旦装備すれば、その後繰り返し、不活性ガスの充填を
簡単に安価に短期間で行うことができる。
【0035】請求項2の発明によれば、不活性ガスの充
填を所定期間おきに行なうことで、不活性ガスの濃度を
長期に亙って高く維持し、確実に防食することができ
る。その他請求項1と同様の効果を奏する。
【0036】請求項3の発明によれば、不活性ガスとし
て安価な窒素ガスを用いるので、防食の為の材料費を安
価にし、防食のコストダウンを図ることができる。その
他請求項1又は2と同様の効果を奏する。
【0037】請求項4の発明によれば、前記平底タンク
が既設のタンクであっても、そのタンクの底板裏面側に
比較的簡単な設備により不活性ガスを充填することがで
きるし、防食工事の為にタンクをジャッキアップする必
要もない。その他請求項1〜3の何れか1項と同様の効
果を奏する。
【0038】請求項5の発明によれば、前記平底タンク
が新設のタンクであっても、そのタンクの底板裏面側に
比較的簡単な設備により不活性ガスを充填することがで
きる。特に、このタンクの構築の際に、不活性ガス充填
の為のガス送給管や空気を抜気する為のガス排出管等を
恒久的に装備しておけば、タンク完成時点や、タンク使
用開始後の所定期間おきに、不活性ガスの充填を簡単に
安価に行うことができる。その他請求項1〜3の何れか
1項と同様の効果を奏する。
【0039】
【0040】請求項の発明によれば、不活性ガスを充
填する為のガス送給管と、不活性ガス供給源と、複数の
ガス排出管と、前記各ガス排出管に夫々装着された開閉
弁とを備えた簡単な構成の装置により、平底タンクの底
板を載置支持する基礎部のうちの少なくとも底板裏面の
近傍部分と底板裏面に臨む空隙部に不活性ガスを充填す
ることができるから、請求項1と同様の防食効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る貯油タンクの図(左半
は正面図、右半は縦断面図)である。
【図2】前記貯油タンクの底板と底板裏面防食装置の概
略平面図である。
【図3】貯油タンクの要部とガス送給管の正面図であ
る。
【図4】貯油タンクの要部とガス排出管の正面図であ
る。
【図5】ガス充填後にガス送給管やガス排出管の封止状
態を示す図である。
【図6】変更例に係る図2相当図である。
【符号の説明】
1 貯油タンク 2 基礎部 3 底板 30 底板裏面防食装置 31 ガス送給管 32 不活性ガス供給源 33 ガス排出管 36 開閉弁 51a〜51c ガス吐出管 53a〜53c ガス送給管
フロントページの続き (72)発明者 板谷 宏志 兵庫県加古郡播磨町新島8番地 川崎重 工業株式会社 播磨工場内 (72)発明者 宮崎 充弘 兵庫県加古郡播磨町新島8番地 川崎重 工業株式会社 播磨工場内 (56)参考文献 特開 昭53−71316(JP,A) 特開 昭58−157979(JP,A) 特開 平5−214568(JP,A) 実開 昭58−145891(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23F 15/00 B65D 90/22 F17C 3/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平底タンクの底板裏面の腐食を防止する
    防食方法において、 前記平底タンクの底板の裏面側に、1又は複数のガス送
    給管と複数のガス排出管とを装着し、ガス送給管から不
    活性ガスを充填しながらガス排出管から空気を排出さ
    せ、 平底タンクの底板を載置支持する基礎部のうちの少
    なくとも底板裏面の近傍部分と底板裏面に臨む空隙部に
    不活性ガスを充填して封入状態に保持することを特徴と
    する平底タンク底板裏面防食方法。
  2. 【請求項2】 前記不活性ガスの充填を所定期間おきに
    行うことを特徴とする請求項1に記載の平底タンク底板
    裏面防食方法。
  3. 【請求項3】 前記不活性ガスとして窒素ガスを用いる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の平底タンク底
    板裏面防食方法。
  4. 【請求項4】 前記平底タンクが既設のタンクであるこ
    とを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の平底
    タンク底板裏面防食方法。
  5. 【請求項5】 前記平底タンクが新設のタンクであるこ
    とを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の平底
    タンク底板裏面防食方法
  6. 【請求項6】 底タンクの底板裏面の腐食を防止する
    装置において、 前記平底タンクの底板を載置支持する基礎部のうちの少
    なくとも底板裏面の近傍部分と底板裏面に臨む空隙部に
    不活性ガスを充填する為のガス送給管と、 このガス送給管に不活性ガスを送給する不活性ガス供給
    源と、 前記基礎部のうちの少なくとも底板裏面の近傍部分と底
    板裏面に臨む空隙部から空気を排出する為の複数のガス
    排出管と、 前記各ガス排出管に夫々装着された開閉弁と、 を備えたことを特徴とする平底タンクの底板裏面防食装
    置。
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