JP2985669B2 - サスペンション制御装置 - Google Patents

サスペンション制御装置

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JP2985669B2
JP2985669B2 JP6150045A JP15004594A JP2985669B2 JP 2985669 B2 JP2985669 B2 JP 2985669B2 JP 6150045 A JP6150045 A JP 6150045A JP 15004594 A JP15004594 A JP 15004594A JP 2985669 B2 JP2985669 B2 JP 2985669B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、減衰力可変ショックア
ブソーバの減衰力を制御して車両の乗り心地を向上させ
るようにしたサスペンション制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のセミ・アクティブ方式のサスペン
ション制御装置としては、例えば特開平3−42319
号公報に記載されているものがある。この従来例は、制
御信号の入力により、伸延する方向(以下,単に伸側と
記す)の伸側減衰力及び圧縮する方向(以下,単に圧側
と記す)の圧側減衰力を、夫々少なくとも小さな減衰力
(以下,単に低減衰力とも記す)と大きな減衰力(以
下,単に高減衰力とも記す)とに変更可能なショックア
ブソーバと、車体側に相当するバネ上速度を計測するバ
ネ上速度計測手段と、バネ上・車輪側に相当するバネ下
間の相対速度を計測する相対速度計測手段と、バネ上速
度の符号と相対速度の符号との一致,不一致を判定する
符号判定手段と、両符号が一致し、かつ、相対速度の符
号が正である時、伸側を高減衰力、圧側を低減衰力に
し、また、両符号が一致し、かつ、相対速度の符号が負
である時、伸側を低減衰力、圧側を高減衰力にする制御
信号を出力し、一方、両符号が不一致である時、伸側・
圧側を共に低減衰力とする制御信号を出力する制御信号
出力手段とを備えた構成を有する。
【0003】但し、この従来例は,各減衰力可変ショッ
クアブソーバで伸側及び圧側に設定される高減衰力及び
低減衰力は一定値にしか設定できない。即ち、このサス
ペンション制御装置に用いられる各減衰力可変ショック
アブソーバは、具体的に伸側及び圧側に設定される高減
衰力は一定値であり、伸側をこの一定の高減衰力に設定
すると圧側が一定の低減衰力に設定され、圧側を一定の
高減衰力に設定すると伸側が一定の低減衰力に設定され
るが、伸側及び圧側を同時に一定の低減衰力に設定する
こともできる。つまり、この減衰力可変ショックアブソ
ーバでは伸側及び圧側の各減衰力を,所謂3ポジション
にしか設定できない。
【0004】一方、車体の制振効果や姿勢制御の面から
所謂スカイフックの理論が着目されている。このスカイ
フックの理論を,所謂Karnopp則等に従って車両で達成
するためには、車体に発生する挙動量,具体的には例え
ば車体側バネ上上下速度等の揺動入力に対して,各ショ
ックアブソーバの減衰力を連続的に変更設定できなけれ
ばならない。そこで、本出願人は先に例えば特願平5−
328426等に記載される減衰力可変ショックアブソ
ーバを用いたサスペンション制御装置を提案している。
これらのサスペンション制御装置に用いられる減衰力可
変ショックアブソーバについて簡潔に説明すると、各シ
ョックアブソーバに内装されているピストン及び当該ピ
ストンに内装されている弁体との間に,ディスクバルブ
やリードバルブ等によって自動的に開閉される伸側流体
路と圧側流体路とを形成し、ピストンに対して弁体をア
クチュエータによって相対的に回転又は移動させると,
伸側流体路及び圧側流体路にオリフィスとして介在して
いる各流体路のピストン−弁体間開口面積が変化するよ
うにしているため、このアクチュエータへの制御量を変
更制御することで可変オリフィスの絞り(流動抵抗)が
変化して伸側及び圧側の減衰力を個別に連続的に変更制
御することができる。
【0005】なお、伸側の減衰力を相対的に高減衰力と
したときには圧側の減衰力は低減衰力となり、圧側の減
衰力を相対的に高減衰力としたときには伸側の減衰力は
低減衰力となること自体は前記従来例と同様又はほぼ同
様であり、高減衰側に設定された伸側又は圧側の減衰力
を連続的に増減変更設定できるようにしてある。また、
前記アクチュエータとしては具体的にステップモータが
使用されており、前記制御量にはこのステップモータの
回転角,即ちステップ数(更に厳密には制御信号のパル
ス数)が用いられている。つまり、少なくとも高減衰側
の減衰力は,ステップモータの回転角とリニアな関係に
ある弁体の相対回転角,即ち回転ポジションと一意な関
係にある。
【0006】このようにして、図8に示されるような減
衰特性を得ることができるが、この減衰特性の切り換え
は、例えば、前記ステップモータを4ステップ(1ステ
ップあたり約0.5°)毎に1ポジションと決め、伸側
制御範囲(H−S)で20ポジション、圧側制御範囲
(S−H)で15ポジションの切り換えを行えるように
設定している。そして演算装置により、検出したバネ上
上下速度に応じて所定サンプリング時間ΔT毎に必要な
減衰力を演算し、この減衰力を選択し得るポジションに
なるように前記ステップモータに駆動信号を出力するよ
うにしている。
【0007】このようなサスペンション制御装置にあっ
ては,できるだけ車両の揺動を抑制性能を高くするため
に、前記路面入力や車体揺動入力として検出されるバネ
上上下速度に対して,減衰力の制御応答性を高めること
が望ましく、具体的には前記したステップモータのサン
プリング時間を短く設定し、その各サンプリング時間に
設定される各ポジションの目標回転位置に対する実際の
回転位置の追従性を向上させるべく、各サンプリング時
間毎に,当該目標回転位置と実際の回転位置との偏差に
基づいた制御信号を前記ステップモータに出力すると共
に、該ステップモータ自体も高応答性のものを用いるこ
とにより制御性能を向上させている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来のサスペ
ンション制御装置にあっては、バネ上の揺動に応じて減
衰力を変化させるものであり、バネ上の揺動周期が1H
z(〜2Hz)であることから、前記ステップモータの
切り換えは1秒間に70ポジションであり、1ポジショ
ンあたりの切り換え指令は約14ミリ秒(=1秒/70
ポジション)毎に出力されることになる。しかしなが
ら、例えば前記ステップモータが1秒あたり1回転の応
答性であるとすると1ポジション(=4ステップ,2
°)駆動されるのに数ミリ秒程度であるため、連続した
ポジション指令に対して、ステップモータは14ミリ秒
毎に停止状態と駆動状態を繰り返すことになり、これが
振動や騒音を発生させてしまうという問題があった。該
ステップモータの作動に関してもその他のアクチュエー
タと同様振動や騒音が発生するが、その傾向は,後述す
るようにステップモータが回転駆動されている状態から
停止状態への移行期或いはその逆の移行期に顕著とな
る。特に低速ではロードノイズが小さく、当該ステップ
モータの駆動及び停止時の振動や騒音に伴うノイズが異
音として顕著に感じられてしまう虞れがある。ちなみに
サンプリング時間やステップモータの応答時間を長くす
ることにより、停止状態と駆動状態の繰り返し間隔を長
くしたり、消去したりすることもできるが、上述したよ
うに応答性そのものが悪化し、制御性能の向上が望めな
くなってしまうという問題がある。
【0009】本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発され
たものであり、車室内にまで伝達されるステップモータ
のノイズの影響を抑制可能とするサスペンション制御装
置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】而して、本発明のうち請
求項1に係るサスペンション制御装置は、図1の基本構
成図に示すように、車体側部材及び車輪側部材間に介装
されて,入力される制御信号に応じて駆動されるステッ
プモータの回転によって弁体の位置を制御することによ
り,伸側及び圧側の何れかの減衰力を大きく設定又は双
方の減衰力を小さく設定可能な減衰力可変ショックアブ
ソーバと、車体のバネ上上下速度に関係した車体挙動を
検出するバネ上上下速度検出手段と、少なくとも前記バ
ネ上上下速度検出手段で検出されたバネ上上下速度検出
値に基づいて車体の姿勢変化を抑制する減衰力を算出し
て,当該減衰力に対応する弁体の目標位置に当該弁体の
実際の位置が一致するように前記制御信号を前記ステッ
プモータに出力して制御する制御手段とを備えたサスペ
ンション制御装置において、車両の前後方向速度を検出
する車速検出手段を備え、前記制御手段は、前記車速検
出手段で検出された車速検出値が予め設定された所定車
速値以下であるときには,前記弁体の実際の位置が前記
弁体の目標位置に一致したときに,前記ステップモータ
が回転しない保持時間を長く調整する保持時間調整手段
を備えたことを特徴とするものである。
【0011】また、本発明のうち請求項2に係るサスペ
ンション制御装置は、図1の基本構成図に示すように、
前記ステップモータは前記制御信号に従って或る順方向
とその逆方向とに回転制御されるものであって、前記制
御手段は、前記車速検出手段で検出された車速検出値が
予め設定された所定車速値以下であるときには,前記弁
体の目標位置に当該弁体の実際の位置を一致するために
ステップモータの回転方向が切り替わるときに,前記ス
テップモータが回転しない非回転時間を長く調整する非
回転時間調整手段を備えたことを特徴とするものであ
る。
【0012】
【作用】本発明のうち請求項1に係るサスペンション制
御装置では、図1の基本構成図に示すように、前記車速
検出手段で検出された車速検出値が予め設定された所定
車速値以下であるときに,前記制御手段に備えられた保
持時間調整手段が,ステップモータの目標回転位置と実
際の回転位置とが一致したときの保持時間を長く調整す
る構成としたために、前記所定車速値を,通常考えられ
る当該車速でのロードノイズが前記ステップモータの作
動中に発生するノイズより大きくなる車速に設定すれ
ば、当該所定車速値以下の車速走行中に,前述のように
当該ステップモータの回転駆動から停止或いは停止状態
から回転駆動への移行期に発生する高い振動レベルのノ
イズの発生時間や発生回数が減少し、結果的に全体的な
ノイズエネルギが小さくなるからノイズ評価が向上す
る。勿論、こうした低速走行状態で,ステップモータの
目標回転位置への実際の回転位置の追従性,即ち目標減
衰力への実際の減衰力の追従性が低下しても、前記車体
姿勢保持のための制御対象として,路面入力として現れ
るバウンシング運動及び車体揺動入力として現れるロー
リング運動並びにピッチング運動を採り上げると、例え
ば同じ路面凹凸であっても車両の低速走行状態で車体に
発生する上下加速度は小さくなり、また当該路面凹凸を
乗り越える所要時間も長くなるから、前記バウンシング
運動量は小さくなると考えられ、同時に前記車体上下加
速度の積分値である前記バネ上上下速度も小さくなると
考えられるために、減衰力の目標値の変化量もその変化
率も小さくなると考えられ、従って目標減衰力に対する
追従性はさほど高いものである必要はない。また、旋回
時に発生するローリング運動の量は,車両に発生する横
加速度がタイヤのコーナリングフォースを越えない次元
で,当該横加速度の大きさに比例し、その横加速度は車
速の2乗に比例する。従って、このような低速走行状態
における旋回では,車体揺動入力であるローリング運動
量も小さいと考えられ、これに対する減衰力の目標値の
変化量もその変化率も小さくなるであろうから,目標減
衰力に対する追従性はさほど高いものである必要はな
く、同時にこの小さなロール量を高応答に抑制しなくて
も車両の操縦安定性が著しく低下することはない。この
ため、少なくともバウンシング運動やロール運動に対し
て操縦安定性や乗り心地が低下することはないし、また
テールスカットやノーズダイブなどのピッチング運動に
対しても操縦安定性や乗り心地が著しく低下することは
ない。
【0013】また、本発明のうち請求項2に係るサスペ
ンション制御装置では、図1の基本構成図に示すよう
に、前記車速検出手段で検出された車速検出値が予め設
定された所定車速値以下であるときに,前記制御手段に
備えられた非回転時間調整手段が,ステップモータの回
転方向が切り替わるときの非回転時間を長く調整する構
成としたために、前記所定車速値を,通常考えられる当
該車速でのロードノイズが前記ステップモータの作動中
に発生するノイズより大きくなる車速に設定すれば、ス
テップモータの目標回転位置と実際の回転位置とが一致
せず,前記保持時間調整手段によるノイズ評価向上効果
が発揮されない状態でも、当該所定車速値以下の車速走
行中に,当該ステップモータの回転駆動中に発生する高
い振動レベルのノイズや,前述のように当該ステップモ
ータの回転駆動から停止或いは停止状態から回転駆動へ
の移行期に発生する高い振動レベルのノイズの発生時間
や発生回数が減少し、結果的に全体的なノイズエネルギ
が小さくなるからノイズ評価が向上する。
【0014】
【実施例】以下、本発明のサスペンション制御装置の一
実施例を図面に基づいて説明する。図2は、本発明の実
施例を示す概略構成図であって、各車輪1FL〜1RRと車
体2との間に夫々サスペンション装置を構成する減衰力
可変ショックアブソーバ3FL〜3RRが配設され、これら
減衰力可変ショックアブソーバ3FL〜3RRの減衰力を切
換えるステップモータ41FL〜41RRが後述するコント
ローラ4からの制御信号によって制御される。
【0015】これらの各減衰力可変ショックアブソーバ
3FL〜3RRは、図3〜図7に示すように、外筒5と内筒
6とで構成されるシリンダチューブ7を有するツインチ
ューブ式ガス入りストラット型に構成され、内筒6内が
これに摺接するピストン8によって上下圧力室9U,9
Lに画成されている。また、前記ピストン8は、図4〜
図7で特に明らかなように、外周面に内筒6と摺接する
シール部材9がモールドされ且つ内周面に中心開孔10
を有する円筒状の下部半体11と、この下部半体11に
内嵌された上部半体12とで構成されている。
【0016】そして、前記下部半体11には、上下に貫
通して穿設された伸側油流路13と、上面側から下方に
シール部材9の下側まで延長して穿設された前記伸側油
流路13より大径の孔部14a及び円筒体11の外周面
から孔部14aの底部に連通して穿設された孔部14b
で構成される圧側油流路14と、中心開孔10の上下開
口端に形成された円環状溝15U,15Lと、上面側に
形成され円環状溝15Uと前記伸側油流路13とに夫々
連通する長溝16と、下面側に形成され円環状溝15L
と連通する長溝17とが形成され、伸側油流路13の下
端側及び長溝17が伸側ディスクバルブ18によって閉
塞され、圧側油流路14の上端側が圧側ディスクバルブ
19によって閉塞されている。
【0017】また、上部半体12は、下部半体11の中
心開孔10内に嵌挿された小径軸部21と、この軸部2
1の上端に一体に形成された内筒6の内径より小径の大
径軸部22とで構成され、これら小径軸部21及び大径
軸部22の中心位置に、小径軸部21の下端面側から大
径軸部22の中間部まで達する孔部23aと、この孔部
23aの上端側に連通してこれより小径の孔部23b
と、この孔部23bの上端側に連通するこれより大径の
孔部23cとで構成される貫通孔23が形成され、小径
軸部21の円環状溝15U及び15Lに対向する位置に
夫々半径方向に内周面側に貫通する一対の貫通孔24
a,24b及び25a,25bが穿設され、且つ大径軸
部22の孔部23aの上端側にこれと連通する弧状溝2
6が形成されていると共に、この弧状溝26と下端面と
を連通するL字状の圧側油流路27が形成され、この圧
側油流路27の下端面開口部が圧側ディスクバルブ28
によって閉塞されている。
【0018】そして、下部半体11と上部半体12と
が、下部半体11の中心開孔10内に小径軸部21を嵌
挿した状態で、小径軸部21の下部半体11より下方に
突出した下端部にナット29を螺合させてナット締めす
ることにより、一体に連結されている。さらに、上部半
体12の孔部23a内に可変絞りを構成する上端部が閉
塞された円筒状の弁体31が回転自在に配設されてい
る。この弁体31には、図4に示すように、上部半体1
2における大径軸部22の弧状溝26に対向する位置に
半径方向に内周面に達する貫通孔32が形成されている
と共に、図5〜図7に示すように上部半体12の小径軸
部21の貫通孔24a及び24b間に対応する外周面に
これらを連通する連通溝33が形成され、さらに図6に
示すように上部半体12の小径軸部21の貫通孔25a
及び25b間に対応する外周面にこれらを内周面側に連
通させる軸方向に延長する長孔34が形成されている。
そして、貫通孔32、連通溝33及び長孔34の位置関
係が、図8に示す弁体31の回転角即ち後述するステッ
プモータ41FL〜41RRのステップ角に対する減衰力特
性が得られるように選定されている。
【0019】すなわち、例えば時計方向の最大回転角位
置である図8のA位置では、図4に示すように、貫通孔
32のみが弧状溝26に連通しており、したがって、ピ
ストン8が下降する圧側移動に対しては、下圧力室9L
から圧側油流路14を通り、その開口端と圧側ディスク
バルブ19とで形成されるオリフィスを通って上圧力室
9Uに向かう破線図示の圧側流路C1と、下圧力室9L
から弁体31の内周面を通り、貫通孔32、弧状溝2
6、圧側油流路27を通り、その開口端と圧側ディスク
バルブ28とで形成されるオリフィスを通って上圧力室
9Uに向かう破線図示の圧側流路C2とが形成され、且
つピストン8が上昇する伸側移動に対しては、上圧力室
9Uから長溝16、伸側流路13を通り、その開口端と
伸側ディスクバルブ18とで形成されるオリフィスを通
って下圧力室9Lに向かう破線図示の伸側流路T1のみ
が形成され、伸側に対してはピストン速度の増加に応じ
て急増する高減衰力を発生させて、圧側に対してはピス
トン速度の増加に応じて微増する低減衰力を発生させ
る。
【0020】このA位置から弁体31を反時計方向に回
転させることにより、図5に示すように、弁体31の連
通溝33と小径軸部21の貫通孔24a,25aとが連
通状態となり、回転角の増加に応じて連通溝33と貫通
孔24a,25aとの開口面積が徐々に増加する。この
ため、ピストン8の伸側移動に対しては、図5aに示す
ように、流路T1と並列に長溝16、円環状溝15U、
貫通孔24a、連通溝33、貫通孔24b、円環状溝1
5L、長溝17を通り、長溝17と圧側ディスクバルブ
18とで形成されるオリフィスを通って下圧力室9Lに
向かう流路T2が形成されことになり、減衰力の最大値
が図8に示すように、連通溝33と小径軸部21の貫通
孔24a,25aとの開口面積の増加に応じて徐々に減
少し、伸側移動に対しては、図5bに示すように、流路
C1及びC2が形成されている状態を維持するため、最
小減衰力状態を維持する。
【0021】さらに、弁体31を反時計方向に回転させ
て位置B近傍となると、図6に示すように、弁体31の
貫通孔25a,25b間が長孔34によって連通される
状態となる。このため、ピストン8の伸側移動に対して
は、図6aに示すように、流路T1及びT2と並列に長
溝16、円環状溝15U、貫通孔25a、長孔34、孔
部23aを通って下圧力室9Lに向かう流路T3が形成
されることになり、伸側減衰力が最小減衰力状態となる
と共に、ピストン8の圧側移動に対しては、流路C1及
びC2に加えて孔部23a、長孔34、貫通孔25a、
円環状溝15Uを通って長溝16に達する流路C3及び
孔部23a、長孔34、貫通孔25b、円環状溝15
L、貫通孔24b、連通溝33、貫通孔24a、円環状
溝15Uを通って長溝16に達する流路C4が形成され
るが、図8に示すように、最小減衰力状態を維持する。
【0022】さらに、弁体31を反時計方向に回転させ
ると、長孔34と貫通孔24b及び25bとの間の開口
面積が小さくなり、回転角θB2で長孔34と貫通孔24
b及び25bとの間が図7に示すように遮断状態となる
が、貫通孔32と弧状溝26との間の開口面積は回転角
θB2から徐々に小さくなる。このため、回転角θB2から
反時計方向の最大回転角θC 迄の間では、ピストン8の
伸側移動に対しては、流路T1及びT2が併存すること
から最小減衰力状態を維持し、逆にピストン8の圧側移
動に対しては、貫通孔32と弧状溝26との間の開口面
積が徐々に減少することにより、最大減衰力が徐々に増
加し、弁体31が位置Cに到達したときに図7に示すよ
うに、貫通孔32と弧状溝26との間が遮断状態となる
ことにより、ピストンの圧側移動に対して、下圧力室9
Lから上圧力室9Uに達する流路が流路C1のみとな
り、圧側高減衰力状態となる。
【0023】従って、このステップモータの回転角をポ
ジションPとすると、伸側の減衰力が最大減衰力となる
ポジションPが伸側最大ポジションPTMAXとなり、圧側
の減衰力が最大減衰力となるポジションPが圧側最大ポ
ジションPCMAXとなるが、ここでは便宜上,前記伸側減
衰力も圧側減衰力も低減衰力に設定される範囲の中間値
に相当するポジションPを“0”とし、伸側減衰力が高
くなる方向へのポジション変化を正とし且つ圧側減衰力
が高くなる方向へのポジション変化を負とすると、前記
伸側最大ポジションPTMAXは正符号で単にPMAX と表さ
れ、圧側最大ポジションPCMAXは負符号で単に(−P
MAX )と表される。但し、これら各最大ポジションの絶
対値|PMAX |は必ずしも同じ値である必要はない。そ
して、前記負値となる圧側最大ポジション(−PMAx
から正値となる伸側最大ポジションPMAX までの全減衰
力制御範囲のうち,ポジションPが“0”を挟む正の閾
値P T1から負の閾値PC1までの範囲が,伸側低減衰力D
/FT0及び圧側低減衰力D/FC0となって,後述する演
算処理で特に低速走行状態の滑らかさを達成するsoft範
囲(以下,単にS−S範囲とも記す)となり、これより
ポジションPが正方向に大きい範囲,即ちポジションP
が前記正の閾値PT1から正値の伸側最大ポジションP
MAx までの範囲が,伸側減衰力が高く設定される伸側制
御範囲(以下,単にH−S範囲とも記す)となり、これ
よりポジションPが負方向に小さい範囲,即ちポジショ
ンPが前記負の閾値PC1から負値の圧側最大ポジション
(−PMAx)までの範囲が,圧側減衰力が高く設定され
る圧側制御範囲(以下,単にS−H範囲とも記す)とな
る。そこで、前記正の閾値PT1を正の低減衰閾値と表
し、負の閾値PC1を負の低減衰閾値と表すことにする。
【0024】一方、上部半体12の孔部23cには、円
筒状のピストンロッド35が嵌着され、このピストンロ
ッド35の上端が、図3に示すように、シリンダチュー
ブ7より上方に突出され、その上端側が車体側部材36
に取付けられたブラケット37にゴムブッシュ38U及
び38Lを介してナット39によって固定されていると
共に、ピストンロッド35の上端にブラケット40を介
してステップモータ41FL〜41RRがその回転軸41a
を下方に突出した関係で固定され、この回転軸41aと
前述した弁体31とがピストンロッド35内に緩挿され
た連結杆42によって連結されている。なお、43はバ
ンパーラバーである。また、シリンダチューブ7の下端
は車輪側部材(図示せず)に連結されている。
【0025】コントローラ4には、その入力側に、図9
に示すように、各車輪位置に対応する車体側に設けられ
た上下加速度に応じて、上向きで正となり下向きで負と
なるアナログ電圧でなる上下加速度検出値X2FL ″〜X
2RR ″を出力する上下加速度検出手段としての上下加速
度センサ51FL〜51RRと、車速に応じた正アナログ電
圧でなる車速検出値Vを出力する車速センサ52とが接
続され、出力側に各減衰力可変ショックアブソーバ3FL
〜3RRの減衰力を制御するステップモータ41FL〜41
RRが接続されている。
【0026】そして、コントローラ4は、入力インタフ
ェース回路56a、出力インタフェース回路56b、演
算処理装置56c及び記憶装置56dを少なくとも有す
るマイクロコンピュータ56と、上下加速度センサ51
FL〜51RRの上下加速度検出値X2FL ″〜X2RR ″をデ
ィジタル値に変換して入力インタフェース回路56aに
供給するA/D変換器57FL〜57RRと、車速センサ5
2の車速検出値Vをディジタル値に変換して入力インタ
フェース回路56aに供給するA/D変換器58と、出
力インタフェース回路56bから出力される各ステップ
モータ41FL〜41RRに対するステップ制御信号が入力
され、これをステップパルスに変換して各ステップモー
タ41FL〜41RRを駆動するモータ駆動回路59FL〜5
9RRとを備えている。
【0027】ここで、マイクロコンピュータ56の演算
処理装置56cは、後述する演算処理によって前記各上
下加速度検出値X2FL ″〜X2RR ″を積分して車体上下
速度X2FL ' 〜X2RR ' を算出し、各車体上下速度X
2FL ' 〜X2RR ' に応じたステップモータの目標回転
角,即ち弁体の目標ポジションPD を算出設定し、この
目標ポジションPD と現在ポジションPA との差値を算
出して、これに応じたステップ制御量をモータ駆動回路
59FL〜59RRに出力し、前記ステップモータの回転
角,即ち弁体のポジションに応じた各減衰力可変ショッ
クアブソーバ3FL〜3RRの減衰力をオープンループ制御
するのだが、前記車速検出値Vが予め設定された所定車
速値V0 以下のときには、例えば前記現在ポジションP
A が目標ポジションPD に一致したときに,前記ステッ
プモータを保持状態とする保持時間を所定時間T1 まで
長くするホールド制御を実行し、また例えば前記目標ポ
ジションPD を達成するためにステップモータが或る順
方向(ここでは前記ステップモータを時計回りに回転す
る方向とし、これを前述のように単に正方向とも記す)
からその逆方向(ここでは前記ステップモータを反時計
回りに回転する方向とし、これを前述のように単に逆方
向とも記す)に或いは逆方向から順方向に切り替えると
き,即ち目標ポジションPD が増加傾向から減少傾向に
或いは減少傾向から増加傾向に移行するときに,前記ス
テップモータを非回転状態とする非回転時間を所定時間
2 まで長くするセトリング制御を実行する。
【0028】また、記憶装置56dは、前記演算処理装
置56cの演算処理に必要なプログラムを予め記憶して
いると共に、演算処理過程での必要な値及び演算結果を
逐次記憶する。次に、本実施例で実行される前記各減衰
力可変ショックアブソーバの減衰力制御の基本原理につ
いて説明する。
【0029】まず、前記図8に示すような減衰力特性の
減衰力可変ショックアブソーバを用いたとき,車体に作
用しようとする揺動入力に対して実際に車体が揺動する
出力のゲイン特性は図10のように現れる。このうち、
比較的ゆっくりとした車体揺動,即ち低周波数帯域の車
体揺動は,乗員に車両の不安定感を与えるものであるた
め、積極的に減衰する必要がある。ところが、比較的速
いバネ下の振動入力は,減衰力を大きくするとごつごつ
感となり,乗員の乗り心地を損なうために減衰を小さく
したい。そこで、前記減衰力可変ショックアブソーバを
介装した車体揺動入出力系,又はその制御系の共振周波
数を前記揺動入力周波数の低周波数帯域に設定し、この
共振周波数のゲインを図10の二点鎖線のような状態か
ら実線のような状態まで小さくすることで,積極的に減
衰したい揺動入力周波数のゲインを負方向に更に小さく
なるように減衰力を高める。従って、このゲイン特性を
達成する減衰力制御を実行すれば、高周波の振動入力に
対しては滑らかさを与えることができ,車体の大きな揺
動に対しては高い減衰力による制振効果を達成すること
ができる。
【0030】このように設定された車体揺動入出力系,
又はその制御系では、前記Karnopp則を端的に達成する
ために,図11に二点鎖線で示すように当該揺動入力で
ある前記バネ上上下速度X2i' (i=FL〜RR)に対して
前記目標ポジションを例えば比例係数αでリニアに設定
すればよいことになる。しかしながら、車両が良好な平
坦路面を走行しているときなど,即ち減衰力を変更制御
する必要がないと考えられる走行状態などに発生する微
小な揺動入力に対してまで、例えそれが前記soft範囲
(S−S範囲)内で実質的に減衰力が変化しないとして
も,前記ステップモータを回転させる,即ち弁体のポジ
ションを変化させることはエネルギの浪費であろうし、
また実質的にステップモータの回転に伴って発生するノ
イズの問題もある。そこで、揺動入力であるバネ上上下
速度X2i' に対して正の不感帯閾値X2i0'から負の不感
帯閾値(−X2i0')までを不感帯とし、この不感帯にバ
ネ上上下速度X2i' があるときには前記目標ポジション
D を“0”とし、バネ上上下速度X2i' がこの範囲に
ないときに,当該バネ上上下速度X2i' の増加に伴って
目標ポジションPD が比例係数αでリニアに増加するも
のとする。
【0031】ここで、前記図11のバネ上上下速度−目
標ポジション相関特性を制御マップと仮定すれば、前記
目標ポジションPD が伸側最大ポジションPMAX となる
とき,この目標ポジションPD に相当するバネ上上下速
度X2i' を伸側最大バネ上上下速度X2i' MAX とする
と、バネ上上下速度X2i' がこの伸側最大バネ上上下速
度X2i' MAX 以上の領域で目標ポジションPD は伸側最
大ポジションPMAX に固定される。また、目標ポジショ
ンPD が圧側最大ポジション(−PMAX )となるとき,
この目標ポジションPD に相当するバネ上上下速度
2i' を圧側最大バネ上上下速度(−X2i' MAX )とす
ると、バネ上上下速度X2i' がこの圧側最大バネ上上下
速度(−X2i' MAX )以下の領域で目標ポジションPD
は圧側最大ポジション(−PMAX )に固定される。ま
た、目標ポジションPD が前記正の低減衰閾値PT1とな
るときのバネ上上下速度X2i' を正の低減衰バネ上上下
速度閾値X 2i01' とし、負の低減衰閾値PC1となるとき
のバネ上上下速度X2i' を負の低減衰バネ上上下速度閾
値(−X2i01' )とする。
【0032】さて、このように前記不感帯を除くバネ上
上下速度X2i' に対してポジションPがリニアに設定さ
れるとすると、前記図8に示す減衰力特性はバネ上上下
速度X2i' に対して図12cに示すように現れる。つま
り、図8に示すポジション−減衰力特性の縮尺と図12
cに示すバネ上上下速度−減衰力特性の縮尺とが同等で
あるとすると、図12cに示すバネ上上下速度−減衰力
特性のsoft範囲(S−S範囲)はポジションPが“0”
に維持される前記バネ上上下速度不感帯分だけ広げら
れ、前記伸側制御範囲(H−S範囲)や圧側制御範囲
(S−H範囲)はその外側に位置すると考えればよい。
このバネ上上下速度−減衰力特性に対して図12aのよ
うなバネ上上下速度X2i' が一過性振動入力として入力
された場合の作用について考察してみる。まず初期入力
として正の領域で増加するバネ上上下速度X2i' は時刻
1 で前記正の低減衰バネ上上下速度閾値X2i01' を上
回り、更に増加し続けるが、やがて振動入力としての特
性や後述する伸側減衰力増加作用によって次第にその増
加傾きが小さくなり、或る時刻で極大点を越えて正の領
域で減少し始め、やがて時刻t2 で前記正の低減衰バネ
上上下速度閾値X2i01'を下回った。これに対して、前
記S−S範囲における伸側及び圧側の減衰力を仮に
“0”とし、更に前記減衰力可変ショックアブソーバで
達成される減衰力D/FがポジションP,即ち前記不感
帯を除くバネ上上下速度X2i' とリニアな関係にあると
すると、前記時刻t1 から時刻t2 までの時間t1 〜t
2 にバネ上上下速度X2i' の増減と同期した特に伸側減
衰力D/Fが図12bに示すように発生する。逆に言え
ば、バネ上上下速度X2i' は,自己の増減に応じた減衰
力D/Fで効果的に減衰される。このとき、路面の凹凸
等により車輪が上方向へ移動した場合、圧側の減衰力は
最小となっているため、車体であるバネ上への影響を小
さくすることができる。また、このとき路面の凹凸等に
より車輪が下方向へ移動しても、伸側の減衰力は小さく
なっているため、車体であるバネ上への影響を小さくす
ることができる。
【0033】更に減少を続けるバネ上上下速度X2i' は
やがて負の領域で減少し始め、時刻t3 で前記負の低減
衰バネ上上下速度閾値(−X2i01' )を下回って更に減
少し続けるが、やがて振動入力としての特性や後述する
圧側減衰力増加作用によって次第にその減少傾きが小さ
くなり、或る時刻で極小点を越えて負の領域で増加し始
め、やがて時刻t4 で前記負の低減衰バネ上上下速度閾
値(−X2i01' )を上回った。この時刻t3 から時刻t
4 までの時間t3 〜t4 に,バネ上上下速度X 2i' の増
減と同期した特に圧側減衰力D/Fが図12bに示すよ
うに発生するため、このバネ上上下速度X2i' は,自己
の増減に応じた減衰力D/Fで効果的に減衰される。な
お、前記極小点におけるバネ上上下速度の絶対値|
2i' |は,前記極大点におけるバネ上上下速度の絶対
値|X2i' |よりも小さくなる。
【0034】そして、時間t5 〜t11, 上記の繰り返
しによりバネ上の揺動は減衰される。このように前記不
感帯を含む絶対値の小さなバネ上上下速度X2i' が発生
すると,ポジションPも小さく変化するだけで,それが
前記正の低減衰閾値PT1から負の低減衰閾値PC1までの
範囲である場合には、伸側にも圧側にも減衰力は低く保
持される。このことは、前述のように質量の大きな車両
で感じられる重厚感などに対応する滑らかな乗り心地を
達成する効果があり、達成される減衰力可変ショックア
ブソーバの減衰力は,伸側にも圧側にもできるだけ低く
するように設定している。
【0035】それでは次に、前述のようにステップモー
タを作動させたときのノイズの問題について考察する。
まず、ステップモータを所定の駆動トルクで回転駆動し
ているときと,外力によって回転されない程度の駆動ト
ルクを与えて保持しているときのノイズエネルギを、車
体側に伝達される振動レベルとして図13に示す。同図
から明らかなように、このステップモータの駆動状態の
振動レベルは大きく,保持状態の振動レベルは小さい。
また、同図からは認識しにくいが,保持状態から駆動状
態への移行期や駆動状態から保持状態への移行期,即ち
ステップモータの回転角加速度が急激に変動するときに
も大きな振動レベルが現れることが判明している。この
原因については未だ完全に明確なわけではないが、前述
したように例えばステップモータのロータが停止したり
回転したりする,その力の変動が振動入力としてステッ
プモータのハウジングに伝達され、更に車体側に伝達さ
れるのではないかと考えられる。
【0036】ところで、前述のようなサスペンション制
御装置にあって,できるだけ車体の揺動を抑制するため
には、前記路面入力や車体揺動入力として検出されるバ
ネ上上下速度に対して,減衰力の制御応答性を高める必
要がある。前記サスペンション制御装置においても具体
的には、前記したステップモータのチョッピング制御の
サンプリング時間を短く設定し、その各サンプリング時
間に設定されるステップモータの目標回転位置に対する
実際の回転位置の追従性を向上させるべく、各サンプリ
ング時間毎に,当該目標回転位置と実際の回転位置との
偏差に基づいた制御信号を前記ステップモータに出力し
ており、当該ステップモータは前記追従性を達成可能な
ように,前記比較的短時間に設定されたサンプリング時
間内で目標回転位置まで確実に回転し且つその位置で確
実に停止できる高応答性のものが採用されている。
【0037】この減衰力追従性向上の制御態様及び前記
ノイズエネルギ特性を,前記減衰力制御の基本原理にあ
てはめて考察してみる。ここで、前記減衰力制御の演算
処理がタイマ割込などによって,所定の比較的短時間に
設定されたサンプリング時間ΔT毎に実行され、その結
果,目標ポジションPD が図14aに示すように時刻t
01から時刻t18まで伸側領域,即ち正の領域で且つ傾き
一様で増加し、その後,時刻t18から時刻t30まで同じ
く伸側領域,即ち正の領域で且つ傾き一様で減少したと
する(実際の目標ポジションPDは前記サンプリング時
間ΔT毎に段階的に算出設定される)。これに対して、
前記時刻t01では目標ポジションPD と現在ポジション
A とが一致していたために、そのサンプリング時間Δ
T後の時刻t02以後,当該サンプリング時間ΔT毎に時
刻t04,t06,t08,……,t28,t30で目標ポジショ
ンPD と現在ポジションPA との偏差が“0”になるよ
うにステップモータの回転角追従制御が実行され、各サ
ンプリング時間ΔT中は,その直前に達成された目標ポ
ジションPDが現在ポジションPA として維持されたも
のとする。この一例では、予め設定されている前記ステ
ップモータの最大回転駆動速度の範囲内で,前記各サン
プリング時刻t02,t04,……,t30では現在ポジショ
ンPA が目標ポジションPD に追従している。
【0038】従って、ここではポジションが増加する時
計回り方向の回転を正方向の回転,ポジションが減少す
る反時計回り方向の回転を負方向の回転と定義したため
に、例えば当該正方向の回転に必要なステップモータの
駆動力Tが正値,負方向の回転に必要なステップモータ
の駆動力Tが負値として現れるとしても、各サンプリン
グ時間ΔTにおけるステップモータの駆動力の絶対値|
T|は図14bのように現れる。即ち、例えば前記最初
のサンプリング時刻t02から所定時間後の時刻t03まで
ステップモータは回転駆動状態となり、その後,時刻t
03から前記時刻t04までが保持状態となるために、この
最初のサンプリング時間ΔT中のステップモータの駆動
力の絶対値|T|は矩形波状になる。ここで、実際のス
テップモータの回転駆動・保持制御は前述のようにチョ
ッピング制御されているために,単純に以下のようには
ならないのだが、微視的な考え方としてはステップモー
タの現在ポジションPA は図14aに破線で示すように
追従する。しかし、ここでは理解を容易化するために,
前記各サンプリング時刻t02,t04,……,t30で現在
ポジションPA がリアルタイムに目標ポジションPD
追従したものとする。そして、各サンプリング時刻
02,t04,……,t30で現在ポジションPA がリアル
タイムに目標ポジションPD に追従したのであるから、
その後もステップモータの駆動力の絶対値|T|は矩形
波状に増減する。そして、このステップモータの駆動力
に前記振動レベルを重合すると、少なくともステップモ
ータの保持状態を除く全ての回転駆動状態で振動レベル
が大きく現れ、更に前述のように駆動から保持或いは保
持から駆動への移行期に振動レベルが増幅され且つそれ
に対する積極的な減衰効果がないことを考え合わせる
と、この一連の制御時間t02〜t30のノイズエネルギは
相当に大きな値となる。
【0039】更に、前述したように前記ステップモータ
を備えた減衰力可変ショックアブソーバを車室に接近さ
せる必要が発生している昨今では、このように大きなノ
イズエネルギが車室内に伝達されて,特に低速走行状態
のように車室内に伝達されるロードノイズ等の振動レベ
ルが小さいときには,それが異音としてとられてしまう
虞れがある。一般に、このようなノイズ評価を向上する
手法としては大きく二つ考えられるが、ステップモータ
の駆動・保持における振動レベルそのものを低減するこ
とは,当該駆動力及び保持力を確保できなくなるといっ
た意味合いからも,現実的に達成困難であるから、ここ
では振動レベルの小さな保持状態を長くし相対的に振動
レベルの大きな回転駆動状態を短く或いはその発生回数
を少なくして,全体的なノイズエネルギを低減する。具
体的には、車室内に伝達されるロードノイズ等の振動レ
ベルが車速の増加と共に一意に増加するとして、車室内
に伝達されるステップモータ作動ノイズの振動レベル
が,同じく車室内に伝達されるロードノイズ等の振動レ
ベルでマスキング可能な車速を前記所定車速値V0
し、前記車速センサ52で検出された車速検出値Vがこ
の所定車速値V0 以下であるときには,前記保持状態を
所定時間T1 まで長くする。即ち、前記条件が満足され
たときにホールド制御用タイマカウンタ(以下,単にホ
ールドタイマカウンタとも記す)CNT1 のインクリメ
ントを開始し、このタイマカウンタCNT 1 が,前記所
定時間T1 を前記サンプリング時間ΔTで除した所定カ
ウント値CNT10になるまで、ステップモータへの制御
信号である目標ポジションPD と現在ポジションPA
の偏差からなる回転角と等価なステップ数(ステップ
量)Sを強制的に“0”とする。なお、前記所定車速値
0 は比較的低速走行状態に相当する車速範囲内に設定
する。
【0040】ちなみに、このようにステップモータの保
持時間を長くするホールド制御が実行されると,目標ポ
ジションPD に対する現在ポジションPA の追従性,換
言すれば目標とする減衰力に対する実際の減衰力の追従
性は低下する。しかしながら前述したように、このホー
ルド制御が実行されるのが比較的低速走行状態であるた
めに、中・高速走行状態と比較すると,同等の路面凹凸
でもバウンシング運動量やその速度が小さく、また横加
速度が小さいためにローリング運動量やその速度も小さ
く、従って目標とする減衰力の変化量やその変化率も小
さくなるから、殊更に目標減衰力に対する追従性を高く
維持しなくとも,操縦安定性や乗り心地が低下すること
はない。また、ノーズダイブやテールスカットといった
ピッチング運動量も小さいから、目標減衰力に対する追
従性を高く維持しなくとも,この運動量が最大になるま
での間に急速に減衰力を変化させて目標減衰力が達成さ
れれば,少なくとも操縦安定性が損なわれることはな
い。
【0041】さて、このように低速走行状態でホールド
制御を実行する,即ちステップモータの保持時間を長く
することは、当該保持状態の意義から言っても,前記目
標ポジションPD に現在ポジションPA が一致すること
を前提とするのであるが(後述する演算処理では,所謂
オープンループ制御で両者の一致を認識することが困難
であるために,ステップモータの回転駆動速度が前記最
大回転駆動速度以下で現在ポジションPA が目標ポジシ
ョンPD に到達すると考えられる,そのサンプリング時
刻からホールド制御を開始する)、例えば細かな路面凹
凸が連続して目標ポジションPD が非常に速く増減変動
しているような場合には,ステップモータの応答時間に
よって現在ポジションPA が目標ポジションPD に一致
しない状態が長く継続する可能性があり、このような状
態では前述のような保持時間を長くするホールド制御が
実行されないから、ノイズ評価が低下してしまう虞れが
ある。
【0042】そこで、このようにステップモータの目標
ポジションPD が増減変動する,即ちステップモータを
正方向から逆方向に或いは逆方向から正方向に回転方向
を切り替えるときには、前記脱調を抑制防止するための
セトリング制御,即ちステップモータの非回転状態制御
時間を長くしてしまえばよい。具体的に、あくまでもこ
のセトリング制御は,前記ホールド制御に移行できない
場合の対応策であるから、前記車速センサ52で検出さ
れた車速検出値Vが前記所定車速値V0 以下であるとき
であって、目標ポジションの前々回値PD(n-2)から前回
値PD(n-1)を減じた値と,前回値PD(n-1)から今回値P
D(n)を減じた値との積が負である場合には目標ポジショ
ンPD が増加傾向から減少傾向に或いは減少傾向から増
加傾向に転じてステップモータの回転方向が切り替えら
れるときであると判定して、セトリング制御用タイマカ
ウンタ(以下,単にセトリングタイマカウンタとも記
す)CNT2 のインクリメントを開始し、このタイマカ
ウンタCNT2 が,予め設定された比較的長い所定時間
2 を前記サンプリング時間ΔTで除した所定カウント
値CNT20になるまで、ステップモータへの制御信号で
ある前記ステップ量Sを強制的に“0”とする。
【0043】このセトリング制御では、ステップモータ
の現在ポジションPA が,何れかのサンプリング時刻に
算出設定された目標ポジションPD に一致していない状
態が維持される可能性があるのだが、連続する細かな路
面凹凸に応じて設定される目標ポジションPD の増減変
動量も小さいはずであるから、このような低速走行状態
で最適とされる減衰力に対して実際の減衰力が若干ずれ
ていたとしても操縦安定性は勿論,乗り心地も著しく低
下することはない。
【0044】なお、本実施例では,前記ホールド制御並
びにセトリング制御の本来的な目的から、例えばホール
ド制御中にセトリング制御に移行したり、セトリング制
御中にホールド制御に移行したり、双方の保持時間や非
回転時間が継続して実行されたりすることのないように
する。それでは次に、前記バネ上上下速度−目標ポジシ
ョン−減衰力相関特性を達成すると共に、前記基本原理
に従って低速走行状態でのノイズ評価を向上するため
に,前記マイクロコンピュータ56の演算処理装置56
cで実行される減衰力制御の演算処理を図15に示す。
なお、本実施例では前記基本的に設定される目標ポジシ
ョンPD をマップ検索ではなく演算式に従って算出す
る。また、この演算処理中,ホールド制御フラグF1
“1”のセット状態でホールド制御中であることを示
し、“0”のリセット状態でそうではないことを示す。
また、この演算処理中,前記ホールドタイマカウンタC
NT1 は,所定カウント値CNT10で前記所定時間T1
が経過したことを示す。また、この演算処理中,セトリ
ング制御フラグF1 は“1”のセット状態でセトリング
制御中であることを示し、“0”のリセット状態でそう
ではないことを示す。また、この演算処理中,前記セト
リングタイマカウンタCNT2 は,所定カウント値CN
20で前記所定時間T2 が経過したことを示す。
【0045】即ち、図15の処理は所定時間ΔT(例え
ば3.3msec)毎にタイマ割込処理として実行され、先
ずステップS1で前記各上下加速度センサ51FL〜51
RRで検出された各バネ上下加速度検出値X2i″(i=FL
〜RR)を読込む。次にステップS2に移行して、例えば
プログラムによって構築されたディジタルハイパスフィ
ルタ等によって,前記ステップS1で読込まれた各バネ
上上下加速度検出値X2i″に対してハイパスフィルタ処
理を施して、各バネ上上下加速度検出値X2i″のドリフ
ト重畳成分を除去する。なお、このディジタルハイパス
フィルタのカットオフ周波数は,既知のように当該フィ
ルタを構築するプログラムの一時変数を適宜に選定して
設定することができる。
【0046】次にステップS3に移行して、例えばプロ
グラムによって構築されたディジタルローパスフィルタ
等によって,前記ステップS2でドリフト重畳成分の除
去された各バネ上上下加速度検出値X2i″に対してロー
パスフィルタ処理を施して、その積分値として位相合わ
せされた各バネ上上下速度検出値X2i' を算出する。な
お、このディジタルローパスフィルタのカットオフ周波
数は,既知のように当該フィルタを構築するプログラム
の一時変数を適宜に選定して設定することができる。ま
た、各バネ上上下速度検出値X2i' の算出はローパスフ
ィルタ処理でなく,既存の積分演算処理によって算出す
ることもできる。
【0047】次にステップS4に移行して、前記ステッ
プS3で算出設定された各バネ上上下速度検出値X2i'
が“0”より小さい,即ち負であるか否かを判定し、当
該バネ上上下速度検出値X2i' が負である場合にはステ
ップS5に移行し、そうでない場合にはステップS6に
移行する。前記ステップS5では、前記圧側最大バネ上
上下速度(−X2i' MAX )及び前記ステップS3で算出
設定された各バネ上上下速度検出値X2i' 及び前記負の
不感帯閾値(−X2i0')を用いて下記1式に従って圧側
目標ポジション比例係数α 1 を算出してから,ステップ
S7に移行する。なお、前記負の不感帯閾値の絶対値|
(−X2i0')|が,前記正の不感帯閾値の絶対値|X
2i0'|と同等である場合には1式中の二重括弧をほどい
てもよい。
【0048】 α1 =(X2i' −(−X2i0'))/(−X2i' MAX ) ……… (1) 前記ステップS7では、前記ステップS5で算出された
圧側目標ポジション比例係数α1 が“1”より大きいか
否かを判定し、当該圧側目標ポジション比例係数α1
“1”より大きい場合にはステップS8に移行し、そう
でない場合にはステップS9に移行する。
【0049】前記ステップS8では、前記圧側目標ポジ
ション比例係数α1 を“1”に設定してから前記ステッ
プS9に移行する。前記ステップS9では、前記ステッ
プS5又はステップS8で設定された圧側目標ポジショ
ン比例係数α1 及び前記圧側最大ポジション(−
MAX )を用いて下記2式に従って圧側,即ち負方向の
目標ポジションの今回値PD(n)を算出してからステップ
S10に移行する。
【0050】 PD(n)=α1 ・(−PMAX ) ……… (2) 一方、前記ステップS6では、前記伸側最大バネ上上下
速度X2i' MAX 及び前記ステップS3で算出設定された
各バネ上上下速度検出値X2i' 及び前記正の不感帯閾値
2i0'を用いて下記3式に従って伸側目標ポジション比
例係数α2 を算出してから,ステップS11に移行す
る。
【0051】 α2 =(X2i' +X2i0')/X2i' MAX ……… (3) 前記ステップS11では、前記ステップS6で算出され
た伸側目標ポジション比例係数α2 が“1”より大きい
か否かを判定し、当該伸側目標ポジション比例係数α2
が“1”より大きい場合にはステップS12に移行し、
そうでない場合にはステップS13に移行する。
【0052】前記ステップS12では、前記伸側目標ポ
ジション比例係数α2 を“1”に設定してから前記ステ
ップS13に移行する。前記ステップS13では、前記
ステップS6又はステップS12で設定された伸側目標
ポジション比例係数α2 及び前記伸側最大ポジションP
MAX を用いて下記4式に従って伸側,即ち正方向の目標
ポジションの今回値PD(n)を算出してから前記ステップ
S10に移行する。
【0053】 PD(n)=α2 ・PMAX ……… (4) 前記ステップS10では、前記車速センサ52で検出さ
れた車速検出値Vを読込む。次にステップS14に移行
して、前記ステップS10で読込まれた車速検出値Vが
前記所定車速値V0 よりも小さいか否かを判定し、当該
車速検出値Vが所定車速値V0 よりも小さい場合にはス
テップS15に移行し、そうでない場合にはステップS
16に移行する。
【0054】前記ステップS15では、前記ホールド制
御フラグF1 を“0”にリセットすると共に前記セトリ
ング制御フラグF2 を“0”にリセットしてからステッ
プS17に移行する。前記ステップS17では、前記ホ
ールドタイマカウンタCNT1 をクリアすると共に前記
セトリングタイマカウンタCNT2 をクリアしてからス
テップS18に移行する。
【0055】前記ステップS18では、前記ステップS
9又はステップS13で算出設定された目標ポジション
の今回値PD(n)から,予め前記記憶装置56dに更新記
憶されている現在ポジションPA を減じてステップモー
タの回転角をステップ量Sとして算出してから、ステッ
プS19に移行する。前記ステップS19では、前記ス
テップS18で算出設定されたステップ量の絶対値|S
|が,予め設定された一回の演算処理で達成される最大
ステップ量S MAX 以下であるか否かを判定し、当該ステ
ップ量の絶対値|S|が最大ステップ量SMAX 以下であ
る場合にはステップS20に移行し、そうでない場合に
はステップS21に移行する。
【0056】前記ステップS20では、前記ステップS
18で算出設定されたステップ量Sをそのままステップ
モータへの制御信号であるステップ量Sに設定してから
ステップS22に移行する。前記ステップS21では、
前記ステップS18で算出設定されたステップ量Sが
“0”より大きいか否か,即ち正であるか否かを判定
し、当該ステップ量Sが正である場合にはステップS2
3に移行し、そうでない場合にはステップS24に移行
する。
【0057】前記ステップS23では、ステップモータ
への制御信号であるステップ量Sを前記最大ステップ量
の正値SMAX に設定してから前記ステップS22に移行
する。前記ステップS24では、ステップモータへの制
御信号であるステップ量Sを前記最大ステップ量の負値
(−SMAX )に設定してから前記ステップS22に移行
する。
【0058】一方、前記ステップS16では、前記セト
リング制御フラグF2 が“0”のリセット状態であるか
否かを判定し、当該セトリング制御フラグF2 が“0”
のリセット状態である場合にはステップS25に移行
し、そうでない場合にはステップS26に移行する。前
記ステップS25では、前記ホールド制御フラグF1
“0”のリセット状態であるか否かを判定し、当該ホー
ルド制御フラグF1 が“0”のリセット状態である場合
にはステップS27に移行し、そうでない場合にはステ
ップS28に移行する。
【0059】前記ステップS27では、前記記憶装置5
6dに更新記憶されている目標ポジションの前々回値P
D(n-2)から目標ポジションの前回値PF(n-1)を減じた値
と,同じく目標ポジションの前回値PD(n-1)から前記ス
テップS9又はステップS13で算出された目標ポジシ
ョンの今回値PD(n)を減じた値との積が“0”以上であ
るか否か,換言すればその積値が負でないか否かを判定
し、当該積値が負でない場合にはステップS29に移行
し、そうでない場合には前記ステップS26に移行す
る。
【0060】前記ステップS29では、前記ステップモ
ータの現在ポジションPA が目標ポジションの前回値P
D(n-1)に一致しているか否かを判定し、現在ポジション
Aが目標ポジションの前回値PD(n-1)に一致している
場合には前記ステップS28に移行し、そうでない場合
には前記ステップS15に移行する。前記ステップS2
8では、前記セトリング制御フラグF2 を“0”にリセ
ットすると共にセトリングタイマカウンタCNT2 をク
リアしてからステップS30に移行する。
【0061】前記ステップS30では、前記ホールド制
御フラグF1 を“1”にセットしてからステップS31
に移行する。前記ステップS31では、前記ホールドタ
イマカウンタCNT1 をインクリメントしてからステッ
プS32に移行する。前記ステップS32では、前記ホ
ールドタイマカウンタCNT1 が前記所定時間T1 に相
当する所定カウント値CNT10より小さいか否かを判定
し、当該ホールドタイマカウンタCNT1 が所定カウン
ト値CNT10より小さい場合にはステップS33に移行
し、そうでない場合には前記ステップS15に移行す
る。
【0062】一方、前記ステップS26では、前記ホー
ルド制御フラグF1 を“0”にリセットすると共にホー
ルドタイマカウンタCNT1 をクリアしてからステップ
S34に移行する。前記ステップS34では、前記セト
リング制御フラグF2 を“1”にセットしてからステッ
プS35に移行する。
【0063】前記ステップS35では、前記セトリング
タイマカウンタCNT2 をインクリメントしてからステ
ップS36に移行する。前記ステップS36では、前記
セトリングタイマカウンタCNT2 が前記所定時間T2
に相当する所定カウント値CNT20より小さいか否かを
判定し、当該セトリングタイマカウンタCNT2 が所定
カウント値CNT20より小さい場合には前記ステップS
33に移行し、そうでない場合には前記ステップS15
に移行する。
【0064】前記ステップS33では、ステップモータ
への制御信号であるステップ量Sを“0”に設定してか
ら前記ステップS22に移行する。前記ステップS22
では、前記ステップS20,S23,S24,S33の
何れかで設定されたステップ量Sをステップモータへの
制御信号として前記各モータ駆動回路59FL〜RRに向け
て出力してからステップS37に移行する。
【0065】前記ステップS37では、前記ステップS
9又はステップS13で算出された目標ポジションの今
回値PD(n)を前回値PD(n-1)として,また前回値P
D(n-1)を前々回値PD(n-2)として夫々,前記記憶装置5
6dの所定記憶領域に更新記憶してからメインプログラ
ムに復帰する。次に前記図15の演算処理による本実施
例のサスペンション制御装置の作用について簡潔に説明
する。
【0066】前記図15の演算処理で達成されるポジシ
ョン−減衰力特性は前記図8に示すものと同等となり、
従って前記図15の演算処理が実行されるサンプリング
時間毎にステップS1〜S4を経てステップS5〜S9
又はステップS6〜S13で目標ポジションの今回値P
D(n)を算出し、次いでステップS15〜S24及びステ
ップS22で現在ポジションPA を,この目標ポジショ
ンの今回値PD(n)に追従させれば、前記不感帯を除くバ
ネ上上下速度X2i' と減衰力D/Fとの相関特性は前記
図12cに示すものと同様となる。従って、特に車両の
低速走行状態では,小さなバネ上上下速度X2i' に対し
て伸側及び圧側の減衰力D/Fが共に低減衰力D/
T0,D/FC0に維持されるsoft範囲(S−S範囲)が
存在するために、小さな車体揺動入力領域では車体挙動
に滑らかさが与えられ、勿論,これよりも大きな車体揺
動入力領域ではその大きさに応じた減衰力によって当該
揺動入力が効果的に減衰収束される。
【0067】一方、今、ホールド制御フラグF1 もセト
リング制御フラグF2 も“0”のリセット状態であると
して,且つ図15の演算処理のステップS10で読込ま
れた車速検出値Vが所定車速値V0 以下であるとする
と、同演算処理のステップS14からステップS16,
S25を経てステップS27に移行する。そして、この
演算処理が実行されるまでに算出される目標ポジション
D が一定であるか或いは一定方向に増減しているとし
且つ目標ポジションの前回値PD(n-1)に現在ポジション
A が追従して一致しているとすると、ステップS2
7,S29を経てステップS28に移行する。ここで改
めてセトリング制御フラグF2 が“0”にリセットされ
且つセトリングタイマカウンタCNT2 がクリアされ、
次いでステップS30でホールド制御フラグF1 がセッ
トされる。次いでステップS31で前記ホールドタイマ
カウンタCNT1 のインクリメントが開始され、未だこ
のホールドタイマカウンタCNT1 が所定カウント値C
NT10未満であるとするとステップS33でステップ量
Sが強制的に“0”になり、この“0”のステップ量か
らなる制御信号を入力したステップモータは強制的に保
持状態になって同時にホールド制御が開始される。その
後、前記車速検出値Vが所定車速値V0 を越えない限
り,前記ステップS14からステップS16を経てステ
ップS25でホールド制御フラグF1 が“1”にセット
されているためにステップS28に移行し、更にステッ
プS30〜ステップS33,S22のフローが,前記ホ
ールドタイマカウンタCNT1 が所定カウント値CNT
10となるまで所定時間T1 繰り返され、この所定時間T
1 ,ステップモータの保持状態が継続されてホールド制
御が実行される。従って、この所定時間T1 が,図15
の演算処理のサンプリング時間ΔTよりも十分長いとす
れば、各サンプリング時間ΔT毎にステップモータを追
従制御した場合に前記所定カウント値CNT10と同等回
数だけ発生するステップモータの駆動・保持回数が,当
該所定時間T1 で1回だけとなり、従ってこの所定時間
1 のノイズ評価が向上する。そして、このような低速
走行状態で減衰力に追従性が低下したとしても前述のよ
うに操縦安定性や乗り心地が低下することはない。また
勿論、前記車速検出値Vが所定車速値V0 を越えると,
直ぐに前記ステップS15からステップS24のフロー
によって各サンプリング時間ΔT毎に減衰力の追従制
御,即ちステップモータの追従制御が実行されるため、
中・高速走行状態における操縦安定性や乗り心地が向上
し、同時に,このような中・高速走行状態では車室内に
伝達されるロードノイズ等の振動レベルが大きいため
に、これによって各サンプリング時間ΔT毎のステップ
モータの駆動・保持の繰り返しによる振動レベルがマス
キングされ、乗員が当該ステップモータの作動ノイズを
異音としてとらえることが回避される。
【0068】また、今、ホールド制御フラグF1 もセト
リング制御フラグF2 も“0”のリセット状態であると
して,且つ図15の演算処理のステップS10で読込ま
れた車速検出値Vが所定車速値V0 以下であるとする
と、同演算処理のステップS14からステップS16,
S25を経てステップS27に移行する。ここで、目標
ポジションの前々回値PD(n-2)から前回値PD(n-1)まで
が増加傾向にあり且つ目標ポジションの前回値PD(n-1)
から今回値PD(n)までが減少傾向に変化したような場合
や、或いはその逆に目標ポジションの前々回値PD(n-2)
から前回値PD(n- 1)までが減少傾向にあり且つ目標ポジ
ションの前回値PD(n-1)から今回値PD(n)までが増加傾
向に変化したような場合には、何れの場合もステップモ
ータの回転方向を切り替える必要があり、同ステップS
27では,何れの場合にも目標ポジションの前々回値P
D(n-2)から前回値PD(n-1)を減じた値と,目標ポジショ
ンの前回値PD(n-1)から今回値PD(n)を減じた値との積
値が負になるために、当該ステップS27からステップ
S26に移行する。ここで改めてホールド制御フラグF
1 が“0”にリセットされ且つホールドタイマカウンタ
CNT1 がクリアされ、次いでステップS34でセトリ
ング制御フラグF2 がセットされる。次いでステップS
35で前記セトリングタイマカウンタCNT2 のインク
リメントが開始され、未だこのセトリングタイマカウン
タCNT2 が所定カウント値CNT20未満であるとする
とステップS33でステップ量Sが強制的に“0”にな
り、この“0”のステップ量からなる制御信号を入力し
たステップモータは強制的に非回転状態になって同時に
セトリング制御が開始される。その後、前記車速検出値
Vが所定車速値V0 を越えない限り,前記ステップS1
4からステップS16に移行してセトリング制御フラグ
2 が“1”にセットされているためにステップS26
に移行し、更にステップS34〜ステップS33,S2
2のフローが,前記セトリングタイマカウンタCNT2
が所定カウント値CNT20となるまで所定時間T2 繰り
返され、この所定時間T2 ,ステップモータの非回転状
態が継続されてセトリング制御が実行される。従って、
この所定時間T2 が,図15の演算処理のサンプリング
時間ΔTよりも十分長いとすれば、各サンプリング時間
ΔT毎にステップモータを追従制御した場合に前記所定
カウント値CNT20と同等回数だけ発生するステップモ
ータの駆動・保持回数が,当該所定時間T2 で1回だけ
となり、従ってこの所定時間T2 のノイズ評価が向上す
る。そして、このような低速走行状態で減衰力に追従性
が低下したとしても,或いは何れかの演算処理で設定さ
れた目標減衰力と現在の減衰力とが一致していなくて
も、前述のように操縦安定性や乗り心地が低下すること
はない。また勿論、前記車速検出値Vが所定車速値V0
を越えると,直ぐに前記ステップS15からステップS
24のフローによって各サンプリング時間ΔT毎に減衰
力の追従制御,即ちステップモータの追従制御が実行さ
れるため、中・高速走行状態における操縦安定性や乗り
心地が向上し、同時に,このような中・高速走行状態で
は車室内に伝達されるロードノイズ等の振動レベルが大
きいために、これによって各サンプリング時間ΔT毎の
ステップモータの駆動・保持の繰り返しによる振動レベ
ルがマスキングされ、乗員が当該ステップモータの作動
ノイズを異音としてとらえるのを回避することができ
る。
【0069】以上より本実施例は本発明のうち請求項1
及び2に係るサスペンション制御装置を実施化したもの
であると考えられ、前記各上下加速度センサ51FL〜5
1RR及び図15の演算処理のステップS1〜S3が本発
明のサスペンション制御装置のバネ上上下速度検出手段
に相当し、以下同様に前記コントローラ4及び図13の
演算処理全体が制御手段に相当し、前記車速センサ52
及び図15の演算処理のステップS10が車速検出手段
に相当し、前記図15の演算処理のステップS14,S
25,S28〜S33が保持時間調整手段に相当し、前
記図15の演算処理のステップS14,S16,S2
6,S33〜S36が非回転時間調整手段に相当する。
【0070】それでは次に、前記図15の演算処理によ
る減衰力可変ショックアブソーバの減衰力制御の作用
を,図16のタイミングチャートに基づいて説明する。
ここでは、図16aに目標ポジションPD と現在ポジシ
ョンPA との経時変化を,同図bにホールド制御フラグ
1 の経時変化を,同図cにホールドタイマカウンタC
NT1 の経時変化を,同図dにセトリング制御フラグF
2 の経時変化を,同図eにセトリングタイマカウンタC
NT2 の経時変化を,同図fにステップモータ駆動力の
絶対値|T|の経時変化を,同図gにステップモータの
作動による振動レベルの経時変化を表す。
【0071】このタイミングチャートは、車両が前記所
定車速値V0 よりも小さな車速で走行していることを前
提としている。そして、路面入力や車体揺動入力として
検出或いは算出されたバネ上上下速度X2i' に従って,
前記図15の演算処理のステップS4からステップS1
3までに算出された目標ポジションPD は、時刻t50
で伸側領域,即ち正の領域で或る一定値に維持され、そ
の後,時刻t50から時刻t62まで同じく伸側領域,即ち
正の領域で且つ傾き一様で増加し、その後,時刻t62
ら時刻t70まで同じく伸側領域,即ち正の領域で且つ傾
き一様で減少し、更に時刻t70から時刻t79まで同じく
伸側領域,即ち正の領域で且つ傾き一様で増加したとす
る(実際の目標ポジションPD は前記サンプリング時間
ΔT毎に段階的に算出設定される)。これに対して、前
記時刻t50では目標ポジションP D と現在ポジションP
A とが一致し且つ前記ホールド制御もセトリング制御も
解除されていたために、そのサンプリング時間ΔT後の
時刻t51以後,実質的な減衰力制御のためのステップモ
ータ駆動制御が実行された。従って、この時刻t51まで
の時間,ステップモータの駆動力は保持状態に維持され
る。
【0072】この時刻t51では,未だホールド制御フラ
グF1 もセトリング制御フラグF2も“0”のリセット
状態であり、且つ当該サンプリング時刻t51で算出され
た目標ポジションPD と現在ポジションPA との偏差が
“0”になるようにステップ量Sは,前記最大ステップ
量SMAX より小さいために、この時刻t51から次のサプ
リング時刻t53までの時間に,当該時刻t51から前記ス
テップ量Sに応じた駆動時間後の時刻t52までステップ
モータを回転駆動し、これに対して現在ポジションPA
は目標ポジションPD に,当該時刻t51でリアルタイム
に追従したとして、少なくとも前記時刻t52から前記時
刻t53までの時間には,ステップモータの駆動力は保持
状態に維持された。
【0073】そして、次の前記サンプリング時刻t53
も前記と同様に目標ポジションの今回値PD(n)は算出さ
れるが、前記時刻t51で現在ポジションPA は目標ポジ
ションの前回値PD(n-1)に一致し且つ前回から今回にか
けて目標ポジションPD が同方向に増加しているために
ホールド制御フラグF1 が“1”にセットされ、同時に
ホールドタイマカウンタCNT1 が“0”から“1”だ
けインクリメントされる。また、前記図15の演算処理
によればステップモータへの制御信号であるステップ量
Sは強制的に“0”となるために、少なくともこの時刻
53から次のサンプリング時刻t54までのサンプリング
時間ΔTは,ステップモータの駆動力が保持状態に維持
される。ここで、前記ホールド制御所定時間T1 に相当
する所定カウント値CNT10が“4”であるとすると、
次のサンプリング時刻t54でホールドタイマカウンタC
NT1 は“2”となり、その次のサンプリング時刻t55
で“3”となるだけで未だ所定カウント値CNT10(=
4)とならず、従ってホールド制御フラグF1 は“1”
のセット状態に維持され、各サンプリング時間ΔTにお
けるステップモータの駆動力は保持状態に維持される。
【0074】ところが、次のサンプリング時刻t56で前
記ホールドタイマカウンタCNT1がインクリメントさ
れると前記所定カウント値CNT10と同等の“4”とな
るために,目標ポジションPD の追従制御に移行し、従
ってホールド制御フラグF1が“0”にリセットされる
と共にホールドタイマカウンタCNT1 もクリアされ
る。従って、ここでは前記時刻t51からこの時刻t56
での時間が,前記所定時間T1 に相当する。このときの
目標ポジションの今回値PD(n)と現在ポジションPA
の偏差から算出されたステップ量Sは,前記最大ステッ
プ量の正値SMAXよりも大きかったために、この時刻t
56では現在ポジションPA を目標ポジションPD に追従
することができなかった。従って、この時刻t56から次
のサプリング時刻t58までの時間に,当該時刻t56から
前記最大ステップ量の正値SMAX に応じた駆動時間後の
時刻t57までステップモータを回転駆動し、これに対し
て少なくとも前記時刻t57から前記時刻t58までの時間
には,ステップモータの駆動力は保持状態に維持され
た。
【0075】そして、次のサンプリング時刻t58では,
前述のように前記時刻t56で現在ポジションPA を目標
ポジションの前回値PD(n-1)に追従することができなか
ったので、目標ポジションの今回値PD(n)に対する追従
制御が継続され、このときの目標ポジションの今回値P
D(n)と現在ポジションPA との偏差から算出されたステ
ップ量Sは,前記最大ステップ量の正値SMAX よりも小
さかったために、この時刻t58では現在ポジションPA
を目標ポジションPD に追従することができた。従っ
て、この時刻t58から次のサプリング時刻t60までの時
間に,当該時刻t 58から前記ステップ量Sに応じた駆動
時間後の時刻t59までステップモータを回転駆動し、こ
れに対して少なくとも前記時刻t59から前記時刻t60
での時間には,ステップモータの駆動力は保持状態に維
持された。
【0076】次の前記サンプリング時刻t60でも前記と
同様に目標ポジションの今回値PD( n)は算出されるが、
前記時刻t58で現在ポジションPA は目標ポジションの
前回値PD(n-1)に一致し且つ前回から今回にかけて目標
ポジションPD が同方向に増加しているためにホールド
制御フラグF1 が“1”にセットされ、同時にホールド
タイマカウンタCNT1 が“0”から“1”だけインク
リメントされる。また、前記図15の演算処理によれば
ステップモータへの制御信号であるステップ量Sは強制
的に“0”となるために、少なくともこの時刻t60から
次のサンプリング時刻t61までのサンプリング時間ΔT
は,ステップモータの駆動力が保持状態に維持される。
更に、次のサンプリング時刻t61でホールドタイマカウ
ンタCNT1 は“2”となり、その次のサンプリング時
刻t62で“3”となるだけで未だ前記所定カウント値C
NT10(=4)とならず、従ってホールド制御フラグF
1は“1”のセット状態に維持され、各サンプリング時
間ΔTにおけるステップモータの駆動力は保持状態に維
持される。
【0077】ところが、次のサンプリング時刻t63で前
記ホールドタイマカウンタCNT1がインクリメントさ
れると前記所定カウント値CNT10と同等の“4”とな
るために,目標ポジションPD の追従制御に移行し、従
ってホールド制御フラグF1が“0”にリセットされる
と共にホールドタイマカウンタCNT1 もクリアされ
る。従って、ここでは前記時刻t58からこの時刻t63
での時間が,前記所定時間T1 に相当する。このときの
目標ポジションの今回値PD(n)は,それ以前の時刻t62
から減少し始めており、未だ減少を続ける目標ポジショ
ンの今回値PD(n)と現在ポジションPA との偏差から算
出されたステップ量Sは,前記最大ステップ量の正値S
MAX よりも小さかったために、この時刻t63では現在ポ
ジションP A を目標ポジションPD に追従することがで
きた。従って、この時刻t63から次のサプリング時刻t
65までの時間に,当該時刻t63から前記ステップ量Sに
応じた駆動時間後の時刻t64までステップモータを回転
駆動し、これに対して少なくとも前記時刻t64から前記
時刻t65までの時間には,ステップモータの駆動力は保
持状態に維持された。
【0078】次の前記サンプリング時刻t65でも前記と
同様に目標ポジションの今回値PD( n)は算出されるが、
前記時刻t63で現在ポジションPA は目標ポジションの
前回値PD(n-1)に一致し且つ前々回のサンプリング時刻
62から減少し始めた目標ポジションPD は前回から今
回にかけても同方向に減少し続けているためにホールド
制御フラグF1 が“1”にセットされ、同時にホールド
タイマカウンタCNT 1 が“0”から“1”だけインク
リメントされる。また、前記図15の演算処理によれば
ステップモータへの制御信号であるステップ量Sは強制
的に“0”となるために、この時刻t65から次のサンプ
リング時刻t66までのサンプリング時間ΔTは,ステッ
プモータの駆動力が保持状態に維持され、更に次のサン
プリング時刻t66でホールドタイマカウンタCNT1
“2”となり、その次のサンプリング時刻t67で“3”
となるだけで未だ前記所定カウント値CNT10(=4)
とならないから、従ってホールド制御フラグF1
“1”のセット状態に維持され、各サンプリング時間Δ
Tにおけるステップモータの駆動力は保持状態に維持さ
れる。
【0079】ところが、次のサンプリング時刻t68で前
記ホールドタイマカウンタCNT1がインクリメントさ
れると前記所定カウント値CNT10と同等の“4”とな
るために,目標ポジションPD の追従制御に移行し、従
ってホールド制御フラグF1が“0”にリセットされる
と共にホールドタイマカウンタCNT1 もクリアされ
る。従って、ここでは前記時刻t63以後,目標ポジショ
ンPD の追従制御の時間にも相当するが、当該時刻t63
からこの時刻t68までの時間が,前記所定時間T 1 に相
当する。そして、未だ同方向に減少し続けるこの時刻t
68の目標ポジションの今回値PD(n)と現在ポジションP
A との偏差から算出されたステップ量Sは,前記最大ス
テップ量の負値(−SMAX )よりも小さかったために、
この時刻t 68では現在ポジションPA を目標ポジション
D に追従することができなかった。従って、この時刻
68から次のサプリング時刻t70までの時間に,当該時
刻t 68から前記最大ステップ量の負値(−SMAX )に応
じた駆動時間後の時刻t69までステップモータを回転駆
動し、これに対して少なくとも前記時刻t69から前記時
刻t70までの時間には,ステップモータの駆動力は保持
状態に維持された。
【0080】そして、次のサンプリング時刻t70では,
前述のように前記時刻t68で現在ポジションPA を目標
ポジションの前回値PD(n-1)に追従することができなか
ったので、目標ポジションの今回値PD(n)に対する追従
制御が継続され、このときの目標ポジションの今回値P
D(n)と現在ポジションPA との偏差から算出されたステ
ップ量Sは,前記最大ステップ量の正値SMAX よりも小
さかったために、この時刻t70では現在ポジションPA
を目標ポジションPD に追従することができた。従っ
て、この時刻t70から次のサプリング時刻t72までの時
間に,当該時刻t 70から前記ステップ量Sに応じた駆動
時間後の時刻t71までステップモータを回転駆動し、こ
れに対して少なくとも前記時刻t71から前記時刻t70
での時間には,ステップモータの駆動力は保持状態に維
持された。
【0081】ところで、前記時刻t70での目標ポジショ
ンPD 追従制御において、前述のように目標ポジション
D は,同じ正の領域ではあるが,減少から増加に転じ
た。このような場合,即ちステップモータの回転方向が
切り替えられる場合、実際のステップモータの現在ポジ
ションPA は前記チョッピング制御の影響から必ずしも
以下の通りではないが、ロータの回転慣性等の影響で,
そのまま瞬時に回転方向を切り替えると、前述のように
累積によって算出されている現在ポジションP A と真の
現在ポジションとにずれが生じて,所謂脱調状態となる
可能性がある。そこで、本来的に脱調を防止するため
に,一旦,ステップモータが停止してから回転方向が切
り替わるセトリング時間を設定している。このセトリン
グ時間,つまりステップモータが回転しない非回転時間
を,前記低速走行状態で強制的に長くしてしまうのが本
実施例のセトリング制御である。従って、前述の時刻t
70では現在ポジションPA が目標ポジションPD に一致
したが、例え現在ポジションPA が目標ポジションPD
に一致しなくとも,次の前記サンプリング時刻t72
は、前々回のサンプリング時刻t68における目標ポジシ
ョンPD(n-2)から前回のサンプリング時刻t70における
目標ポジションPD(n-1)を減じた値と,同じく前回のサ
ンプリング時刻t70における目標ポジションPD(n-1)
ら当該時刻t72における目標ポジションPD(n)を減じた
値との積値が負となるために、前記図15の演算処理で
はセトリング制御フラグF2 が“1”にセットされ、同
時にセトリングタイマカウンタCNT2 が“0”から
“1”だけインクリメントされる。また、前記図15の
演算処理によればステップモータへの制御信号であるス
テップ量Sは強制的に“0”となるために、この時刻t
72から次のサンプリング時刻t 73までのサンプリング時
間ΔTは,ステップモータの駆動力が保持状態に維持さ
れる。ここで、前記セトリング所定時間T2 に相当する
所定カウント値CNT20が“4”であるとすると、次の
サンプリング時刻t73でセトリングタイマカウンタCN
2 は“2”となり、その次のサンプリング時刻t74
“3”となるだけで未だ前記所定カウント値CNT
20(=4)とならないから、従ってセトリング制御フラ
グF2 は“1”のセット状態に維持され、各サンプリン
グ時間ΔTにおけるステップモータの駆動力は保持状態
に維持される。
【0082】ところが、次のサンプリング時刻t75で前
記セトリングタイマカウンタCNT 2 がインクリメント
されると前記所定カウント値CNT20と同等の“4”と
なるために,目標ポジションPD の追従制御に移行し、
従ってセトリング制御フラグF2 が“0”にリセットさ
れると共にセトリングタイマカウンタCNT2 もクリア
される。従って、ここでは前記時刻t70からこの時刻t
75までの時間が,前記所定時間T2 に相当する。そし
て、未だ同方向に増加し続けるこの時刻t75の目標ポジ
ションの今回値PD(n)と現在ポジションPA との偏差か
ら算出されたステップ量Sは,前記最大ステップ量の正
値SMAX よりも大きかったために、この時刻t75では現
在ポジションPA を目標ポジションPD に追従すること
ができなかった。従って、この時刻t75から次のサプリ
ング時刻t77までの時間に,当該時刻t75から前記最大
ステップ量の正値SMAX に応じた駆動時間後の時刻t76
までステップモータを回転駆動し、これに対して少なく
とも前記時刻t76から前記時刻t77までの時間には,ス
テップモータの駆動力は保持状態に維持された。
【0083】そして、次のサンプリング時刻t77では,
前述のように前記時刻t75で現在ポジションPA を目標
ポジションの前回値PD(n-1)に追従することができなか
ったので、目標ポジションの今回値PD(n)に対する追従
制御が継続され、このときの目標ポジションの今回値P
D(n)と現在ポジションPA との偏差から算出されたステ
ップ量Sは,前記最大ステップ量の正値SMAX よりも小
さかったために、この時刻t77では現在ポジションPA
を目標ポジションPD に追従することができた。従っ
て、この時刻t77から次のサプリング時刻t79までの時
間に,当該時刻t 77から前記ステップ量Sに応じた駆動
時間後の時刻t78までステップモータを回転駆動し、こ
れに対して少なくとも前記時刻t78から前記時刻t79
での時間には,ステップモータの駆動力は保持状態に維
持された。
【0084】次の前記サンプリング時刻t79でも前記と
同様に目標ポジションの今回値PD( n)は算出されるが、
前記時刻t77で現在ポジションPA は目標ポジションの
前回値PD(n-1)に一致し且つ目標ポジションPD は前回
から今回にかけても同方向に増加し続けているためにホ
ールド制御フラグF1 が“1”にセットされ、同時にホ
ールドタイマカウンタCNT1 が“0”から“1”だけ
インクリメントされ、これと共にステップモータへの制
御信号であるステップ量Sは強制的に“0”となってホ
ールド制御が開始される。
【0085】従って本実施例のサスペンション制御装置
によれば、ここではポジションが増加する時計回り方向
の回転を正方向の回転,ポジションが減少する反時計回
り方向の回転を負方向の回転と定義したために、例えば
当該正方向の回転に必要なステップモータの駆動力Tが
正値,負方向の回転に必要なステップモータの駆動力T
が負値として現れるとしても、各サンプリング時間ΔT
におけるステップモータの駆動力の絶対値|T|は図1
6fのように現れる。即ち、前記ステップモータの駆動
力の絶対値|T|が,駆動状態となって矩形波状に現れ
るのは、前記ホールド制御及びセトリング制御が実行さ
れていない目標ポジション追従制御時間のうち,時刻t
51から時刻t52,時刻t56から時刻t57,時刻t58から
時刻t59,時刻t63から時刻t64,時刻t68から時刻t
69,時刻t70から時刻t71,時刻t75から時刻t76,及
び時刻t77から時刻t78の計8回であり、しかもそれら
の各駆動時間は互いに分散されているために,その間の
保持状態時間での振動レベルは十分に小さな値となり、
前記時刻t50から時刻t79までのノイズエネルギの平均
値は,各サンプリング時刻毎に常時目標ポジション追従
制御を行った場合よりも小さくなってノイズ評価が向上
する。
【0086】なお、上記実施例においては、理解を容易
化するために目標ポジションが急激に変化する場合につ
いてのみ詳述したが、実際の車両で減衰力を達成するた
めの目標ポジションがこのように急激に変化することは
少なく、しかしながら本発明のサスペンション制御装置
では,前記とほぼ同様にして目標ポジション追従制御が
達成されることは言うまでもない。
【0087】また、上記実施例においては、減衰力を制
御する弁体31をロータリ形に構成した場合について説
明したが、これに限定されるものではなく、スプール形
に構成して、圧側と伸側とで異なる流路を形成するよう
にしてもよく、この場合にはステップモータ41FL〜4
1RRの回転軸41aにピニオンを連結し、このピニオン
に噛合するラックを連結杆42に取り付けるか又は電磁
ソレノイドを適用して弁体31の摺動位置を制御すれば
よい。
【0088】また、上記実施例においては、車体の上下
加速度を検出して、これに基づいて減衰力を制御するよ
うにしたスカイフック近似制御を行う場合について説明
したが、これに限定されるものではなく、車体と車輪と
の間の相対変位を検出するストロークセンサを別設し、
このストロークセンサの相対変位検出値XDiを微分した
相対速度XDi′と前述した車体上下速度X2i′とに基づ
いて下記7式の演算を行って減衰係数Cを算出し、この
減衰係数Cに基づいて例えば図8に対応するマップを参
照して目標ポジションを算出して、スカイフック制御を
行うようにしてもよい。
【0089】 C=CS ・X2i′/XDi′ ……… (7) ただし、CS は予め設定されたダンパ減衰係数である。
また、上記実施例においては、路面からの振動入力によ
る車体の姿勢変化を抑制する場合について説明したが、
これに限らず車両の制動状態等の走行状態を検出して、
これによる車体の姿勢変化を抑制する制御を併せて行う
ようにしてもよい。
【0090】また、上記実施例においては、マイクロコ
ンピュータ56を適用して制御する場合について説明し
たが、これに限定されるものではなく、演算回路等の電
子回路を組み合わせて構成することもできる。また、上
記実施例においては、車体2の各車輪1FL〜1RR位置に
上下加速度センサ51FL〜51RRを設けた場合について
説明したが、何れか1つの上下加速度センサを省略し
て、省略した位置の上下加速度を他の上下加速度センサ
の値から推定するようにしてもよい。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るサス
ペンション制御装置によれば、車室内に伝達されるロー
ドノイズ等のレベルが小さい低速走行状態で,ステップ
モータの目標回転位置と現在回転位置とが一致したとき
の,当該ステップモータの保持時間を長くすることによ
り、相対的にステップモータの駆動時間を短く或いは駆
動回数を少なくして,高い振動レベルのノイズの発生時
間や発生回数を減少することができるため、結果的に全
体的なノイズエネルギを小さくしてノイズ評価が向上す
る。また、ステップモータの目標回転位置が細かく増減
して当該ステップモータの目標回転位置と現在回転位置
とが一致しなくとも、ステップモータの回転方向が切り
替わるときの非回転時間を長くすることにより、相対的
にステップモータの駆動時間を短く或いは駆動回数を少
なくして,高い振動レベルのノイズの発生時間や発生回
数を減少することができるため、結果的に全体的なノイ
ズエネルギを小さくしてノイズ評価が向上することがで
きる。勿論、このような低速走行状態で目標減衰力に対
する追従性が若干低下しても操縦安定性や乗り心地が著
しく低下することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサスペンション制御装置の基本構成を
示す概略構成図である。
【図2】本発明のサスペンション制御装置の一例を示す
概略構成図である。
【図3】図2のサスペンション制御装置に採用された減
衰力可変ショックアブソーバの一例を示す一部を断面と
した正面図である。
【図4】車体上昇時の最大減衰力状態での減衰力調整機
構を示す拡大断面図である。
【図5】車体上昇時の中間減衰力状態での減衰力調整機
構を示す拡大断面図であり、(a)は伸側、(b)は圧
側の作動油経路を夫々示している。
【図6】車体無変動時の減衰力調整機構を示す拡大断面
図であり、(a)は伸側、(b)は圧側の作動油経路を
夫々示している。
【図7】車体下降時の最大減衰力状態での減衰力調整機
構を示す拡大断面図であり、(a)は伸側、(b)は圧
側の作動油経路を夫々示している。
【図8】減衰力可変ショックアブソーバの弁本体のポジ
ションに対する減衰力特性を示す説明図である。
【図9】コントローラの一例を示すブロック図である。
【図10】減衰力可変ショックアブソーバで達成される
振動入出力のゲイン特性を示す説明図である。
【図11】減衰力可変ショクアブソーバの弁本体のポジ
ションをバネ上上下速度で設定する制御マップの説明図
である。
【図12】基本的なバネ上上下速度−減衰力特性による
減衰効果の説明図である。
【図13】ステップモータの作動ノイズの説明図であ
る。
【図14】ステップモータを目標回転位置に高応答に追
従させた場合の作動ノイズを説明するタイミングチャー
トである。
【図15】本発明のサスペンション制御装置の一実施例
としてコントローラで実行される減衰力制御の演算処理
を示すフローチャートである。
【図16】図15の演算処理によりステップモータの目
標回転位置への追従性を低下させた場合の作動ノイズを
説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1FL〜1RR 車輪 2 車体 3FL〜3RR 減衰力可変ショックアブソーバ 4 コントローラ 8 ピストン 11 下部半体 12 上部半体 13 伸側油流路 14 圧側油流路 31 弁体 35 ピストンロッド T1〜T3 伸側流路 C1〜C4 圧側流路 41FL〜41RR ステップモータ 51FL〜51RR 上下加速度センサ 52 車速センサ 56 マイクロコンピュータ 59FL〜59RR モータ駆動回路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側部材及び車輪側部材間に介装され
    て,入力される制御信号に応じて駆動されるステップモ
    ータの回転によって弁体の位置を制御することにより,
    伸側及び圧側の何れかの減衰力を大きく設定又は双方の
    減衰力を小さく設定可能な減衰力可変ショックアブソー
    バと、車体のバネ上上下速度に関係した車体挙動を検出
    するバネ上上下速度検出手段と、少なくとも前記バネ上
    上下速度検出手段で検出されたバネ上上下速度検出値に
    基づいて車体の姿勢変化を抑制する減衰力を算出して,
    当該減衰力に対応する弁体の目標位置に当該弁体の実際
    の位置が一致するように前記制御信号を前記ステップモ
    ータに出力して制御する制御手段とを備えたサスペンシ
    ョン制御装置において、車両の前後方向速度を検出する
    車速検出手段を備え、前記制御手段は、前記車速検出手
    段で検出された車速検出値が予め設定された所定車速値
    以下であるときには,前記弁体の実際の位置が前記弁体
    の目標位置に一致したときに,前記ステップモータが回
    転しない保持時間を長く調整する保持時間調整手段を備
    えたことを特徴とするサスペンション制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ステップモータは前記制御信号に従
    って或る順方向とその逆方向とに回転制御されるもので
    あって、前記制御手段は、前記車速検出手段で検出され
    た車速検出値が予め設定された所定車速値以下であると
    きには,前記弁体の目標位置に当該弁体の実際の位置を
    一致するためにステップモータの回転方向が切り替わる
    ときに,前記ステップモータが回転しない非回転時間を
    長く調整する非回転時間調整手段を備えたことを特徴と
    する請求項1に記載のサスペンション制御装置。
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