JP2984971B2 - 滑動防止用マット取付け方法 - Google Patents

滑動防止用マット取付け方法

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JP2984971B2
JP2984971B2 JP6019764A JP1976494A JP2984971B2 JP 2984971 B2 JP2984971 B2 JP 2984971B2 JP 6019764 A JP6019764 A JP 6019764A JP 1976494 A JP1976494 A JP 1976494A JP 2984971 B2 JP2984971 B2 JP 2984971B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防波堤や埋め立て護岸
等に用いるコンクリートケーソンの底面に、摩擦部材と
してのゴムマットを一体に取付ける方法に関し、特に、
ゴムマットの表面にアンカー部材を接着手段を用いて取
付けておき、アンカー部材のフック部材をコンクリート
の中に埋設させることにより、ゴムマットの固定保持を
行うようにする滑動防止用マット取付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】防波堤や護岸等に使用するケーソンは、
一般に、鉄筋コンクリートにより箱状に構成したものを
用いており、施工海域の海底地盤を平らに均してから、
捨石基礎を構築し、その上にケーソンを設置するような
手段を用いて施工することが行われている。前記ケーソ
ンは、鉄筋コンクリートで本体を構成しているものであ
り、中詰材として砂や石、または海水を充填しているの
で、非常に重いものとされるが、荒天時の波浪の影響を
受けて支持基盤の上で滑りを生じる場合がある。そこ
で、従来のケーソンでは、例えば、特開平4−1769
13号公報等に示されるように、ケーソンの下面にアス
ファルトマットを一体に取付けることが行われており、
前記アスファルトマットの内部に配置した鉄筋等の補強
体を、ケーソン本体の鉄筋等に接続して設けることによ
り、ケーソンを取り扱う際に、アスファルトマットが離
れたりすることがないように強固に取り付けている。ま
た、現時点では、ケーソンの支持性能と耐久性等の点
で、アスファルトマットに勝るものはなく、特に、波浪
の影響を大きく受ける防波堤等では、アスファルトマッ
トによりケーソンを支持する方式が最も効果的であると
もいえる。
【0003】ところが、前記ケーソンの下面にアスファ
ルトマットを一体に取付けた場合には、アスファルトマ
ットの強度と摩擦係数が大きいことにより、ケーソンが
波浪の影響を受けて支持基盤の上で滑りを生じることを
防止できるが、アスファルトマット自体が非常に重いも
のであるために、アスファルトマットの取扱いが面倒で
あるという問題が生じる。また、アスファルトマットを
ケーソンに取付ける際には、例えば、ケーソン建設ヤー
ドで最初にアスファルトマットを施工し、その上に型枠
を組んで鉄筋等を配置し、型枠内にコンクリートを打設
する工程を経るために、ケーソンの工事期間が長くなる
という問題もある。さらに、アスファルトマットを厚さ
が10cm程度のものとして構成すると、その施工コスト
が比較的大きな問題となり、波浪の影響を大きく受けな
いような構造物では、よりコストの低いケーソン支持方
法を用いることが要求されている。
【0004】そこで、前記アスファルトマットに代わる
ケーソンの支持部材として、ゴムマットを用いることが
提案されており、前記ゴムマットを用いてケーソンを支
持するために、例えば、特開昭56−108417号公
報等に示されるように、ケーソンの下面にゴムブロック
を取付ける手段を用いることが考えられている。前記従
来例では、ゴムブロックの内部に取付け金具を埋設して
おき、前記金具の上に設けた突出部材を、ケーソンのコ
ンクリートの内部に配置する鉄筋に接続し、コンクリー
トを打設することにより、ゴムブロックとコンクリート
とを一体化して、取扱い性を向上させている。しかしな
がら、前記従来例に示されるように、ゴムブロックを用
いることは、ケーソンの製造に際してアスファルトマッ
トと同様な手間とコストを必要とするという問題があ
る。
【0005】前記ゴムブロックとは別に、特公平5−1
9617号公報等に示される例では、ゴムマットをケー
ソンの下面に一体に取り付けることが提案されている。
前記ゴムマットでは、厚さが5cm程度のゴムマットに対
して貫通孔を所定の間隔で設けておき、前記貫通孔に対
してボルト状のアンカー部材を取付け、前記アンカー部
材の上端部をケーソンのコンクリートの鉄筋等に接続し
て、コンクリートを打設することにより、ゴムマットを
一体に設けたケーソンを製造できる。また、前記ゴムマ
ットにアンカー部材を多数設けることにより、ケーソン
に対するゴムマットの支持性能を向上させ、ケーソンを
取り扱う際に、ゴムマットが脱落したりしないようにさ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記ケーソ
ンの下面にゴムマットを一体に取付ける際に、ボルト状
の部材を用いることは、前記ボルト状の部材のゴムマッ
トに対する固着性能に信頼性が低いという問題がある。
そこで、従来のゴムマットでは、非常に多数のボルト状
アンカー部材を取付けて、ゴムマットがケーソンから脱
落しないようにすることも考えられている。しかしなが
ら、前述したように、ゴムマットにボルト状のアンカー
部材を取付けるためには、ゴムマットを貫通する孔を多
数設ける必要があり、その作業に多くの手間とコストを
必要とするという大きな問題がある。さらに、ゴムマッ
トに設けた貫通孔に対して、ボルト状の部材を通したと
しても、ゴムマットに対するボルト状の部材の固着保持
性能は、非常に信頼性が低いものであり、ケーソンを構
築ヤードで移動させたりする際に、ゴムマットのナット
取り付け部の厚さが、他の部分の半分以下になっている
ために、ゴムマットのナット取り付け部が引き千切られ
たり、ゴムマットからボルト状の部材が抜け出したりす
るという問題が生じやすい。
【0007】前記問題を解消するためには、ゴムマット
を貫通するボルト状の部材に対して、ゴムマットの下面
に対応させて広い受圧面積を有する板部材を取り付ける
と、ケーソンの移動等に際しての脱落を防止できるとも
考えられる。ところが、前記従来のゴムマット固着保持
手段では、ボルト状の部材が直接海水等に接触するもの
であり、金属が海水により腐食したりすると、ゴムマッ
トの保持性能に問題が生じるために、例えば、防波堤の
ケーソンにゴムマットを適用した場合に、ケーソンの固
定保持性能に問題が生じることが懸念される。つまり、
従来のゴムマットを用いたケーソンでは、ゴムマットを
確実にケーソンに保持させるためには、非常に多数のボ
ルト状の部材を使用する必要があり、そのためには、ゴ
ムマットに対する加工の手間を多く必要とするという問
題がある。さらに、ゴムマットの下側に溝が形成されて
いても、その部分は薄く構成されているので、捨石マウ
ンド上にケーソンを設置した場合に、波浪によりケーソ
ンを横移動させるような水平荷重が加えられると、ゴム
マットの薄い部分が破断したりするという問題もある。
したがって、前記従来のゴムマット取付け手段を用いる
場合には、ゴムマットに多数設けたアンカー部材をケー
ソンの鉄筋等に接続するために、ケーソンの製造期間
と、コスト等に大きな影響が生じることは避けられない
ものとなっている。
【0008】
【発明の目的】本発明は、前述したように、ケーソンに
ゴムマットを取付ける際の欠点を解消するもので、ゴム
マットの表面に対して接着手段によりアンカー部材を取
付けることにより、アンカー部材の取付け作業を容易に
行い得るようにするとともに、ゴムマットをケーソンの
底面に一体に取り付ける工程を簡素化し、ケーソンの製
造期間を短縮し、アンカー部材が直接海水に接しないよ
うにして、ゴムマット支持部材の信頼性を向上させ得る
滑動防止用マット取付け方法を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、防波堤や護岸
等に使用する重力式構造物の下面に固定して取付け、支
持基盤との摩擦力を増大させるために、ケーソンの滑動
防止手段としてゴムマットを設けたものに関する。本発
明においては、前記ゴムマットの表面に多数のアンカー
部材を接着手段を用いて取付けるとともに、前記アンカ
ー部材のゴムマットの表面に対応するベースプレートを
面積の大きなものとし、前記ベースプレートから突出さ
せた柱部材の先端部に横向きのフック部材を配置して構
成し、前記フック部材をケーソンのコンクリートの中に
埋没させることにより、ゴムマットをケーソンの下面に
一体に取付ける手段を用いている。
【0010】また、本発明においては、ケーソンの投影
面積に対応させてゴムマットを配置する工程と、前記ゴ
ムマットの表面に所定の間隔をおいてアンカー部材を接
着する工程、前記アンカー部材のフック部材に対して、
ケーソンの下部に配置する鉄筋を取付ける工程、型枠を
組んでコンクリートを打設する工程を経てケーソンを製
造する際に、ゴムマットをケーソンの下面に一体に取付
けることができる。さらに、本発明においては、前記ゴ
ムマットに対してアンカー部材を接着するに際して、ゴ
ムマットの表面にアンカー部材のベースプレートを接着
手段により固定するとともに、前記ゴムマットに設けた
孔に拡開爪部材を挿入し、拡開爪部材による固定手段を
併せて用いることもできる。
【0011】
【作用】前述したように、ケーソンの下面にゴムマット
を一体に設けるに際して、ゴムマットの表面にアンカー
部材を所定の間隔で接着手段により取付ける方法を用い
るので、従来のアンカー部材の取付け方式のように、ゴ
ムマットに対して多数の貫通孔を設けたりすることがな
く、アンカー部材の取付け作業を容易に行うことができ
る。また、本発明のアンカー部材をゴムマットに取付け
るためには、任意の金属とゴムに対応する接着剤を使用
することができるので、アンカー部材のベースプレート
に接着剤を塗布しながら、ゴムマットに対して取付ける
ことが可能である。さらに、ゴムマットに取付けるアン
カー部材は、柱部材の上部にコンクリートの内部に埋没
するフック部材を配置しており、前記フック部材をケー
ソンの鉄筋等に固定することにより、ゴムマットをケー
ソンの下面に支持する作用を良好に発揮させることがで
きる。そして、ゴムマットを一体に設けたケーソンを作
成する場合には、ケーソンの底面積に対応する位置にゴ
ムマットを並べておき、ゴムマットの表面に任意の間隔
でアンカー部材を接着して固定した後で、ケーソンの下
部の鉄筋を組立てる。その後で、ケーソンの縦鉄筋等を
組み、型枠を組んでコンクリートを充填することによ
り、鉄筋とアンカー部材のフック部材を一体化した状態
で、ケーソンを構築することができる。
【0012】
【実施例】図示される例にしたがって、本発明のケーソ
ンの構成を説明する。図1に示される例は、ゴムマット
6をケーソン建設作業現場の床面に敷き並べた後で、ア
ンカー部材10を取付ける場合を示しており、前記アン
カー部材10は、図示されるように、平板状のベースプ
レート11と、前記ベースプレート11の上に突出する
柱部材12、および、ベースプレートと平行に配置する
フック部材13から構成される。前記実施例において、
柱部材12とフック部材13は、棒状の部材として構成
されたものを示しているが、ベースプレート11の上に
任意の長さの略T字状の柱部材とフック部材を、溶接等
の手段により一体に構成したものを配置することもでき
る。また、前記柱部材とフック部材は、板状の部材を略
L字状に曲げたものを用いても良い。
【0013】そして、前記アンカー部材10のベースプ
レート11の下面に接着剤8を塗布し、ゴムマット6の
表面に貼り付けるようにして、ゴムマットの幅方向およ
び長さ方向に所定の間隔でアンカー部材10を順次取付
けるようにする。なお、前記接着剤8としては、金属と
ゴム等の2種類の特性の異なる材料に対して接着性能を
発揮できるような2液性の接着剤を使用することが可能
である。例えば、前記接着剤として2液性のエポキシ樹
脂を使用する場合には、施工現場で2種類の液を混合し
ながらアンカー部材のベースプレートの裏面に塗布し
て、ゴムマットの表面に押圧することが可能であり、前
記接着剤を早期に固化する性質のものとすることによ
り、ゴムマットに対してアンカー部材を取付けた後で、
早期にコンクリートの打設等の作業を行い得るようにす
ることが可能になる。また、前記接着剤としては、他の
任意のゴムと金属を接着可能な種類のものを使用するこ
とができる。
【0014】前述したようにして、多数のアンカー部材
をゴムマットに対して取付け、接着剤が固化した後で、
図2に示されるように、アンカー部材10のフック部材
13に対応させてケーソンの下部の鉄筋3、4を配置
し、結束針金5等を用いて一体に固着する。前記コンク
リートの鉄筋の組立に際しては、ケーソンの縦方向の鉄
筋等も組立てるが、図示される例では、ケーソンの下部
のゴムマットとの取付け構造のみを示しているが、前記
ゴムマットの表面に取付けるアンカー部材10の柱部材
12は、任意の高さのものとして構成することができ、
ケーソンの下部の鉄筋の組立の高さ等に対応させて柱部
材の突出高さを設定することが可能である。そして、前
述したようにしてゴムマットの上部に鉄筋を組み込み、
型枠を構築した後で、型枠の内部にコンクリート2を打
設して、コンクリート製のケーソン1を構築するように
する。
【0015】前述したように、ゴムマットを一体に設け
たケーソンを構築する際には、図3に示されるように、
ケーソンの底面の全体の広さ(投影面積)に対応させ
て、ゴムマット6、6a……を隙間なく敷き込み、図4
に示される状態で、ゴムマットの表面に多数のアンカー
部材10、10a……を縦横に所定の間隔で取付けるよ
うにする。前記アンカー部材をゴムマットの表面に取付
ける際には、図1に示されるように、金属とゴムの双方
に対して接着性能を発揮できるような接着剤を用いるこ
とができるもので、アンカー部材10のベースプレート
11の下面に接着剤を塗布し、ゴムマット6の表面にア
ンカー部材を押圧する等の手段により固着させるように
する。なお、前記アンカー部材をゴムマットに接着する
際には、2液性のエポキシ樹脂等を使用することができ
るが、その他に任意のゴムと金属を接着可能な樹脂材料
を使用することが可能である。
【0016】前述したようにして、ケーソンの構築場所
の下面にゴムマットを敷き込み、ゴムマットの表面にア
ンカー部材10……を突出させるように取付けた後で、
ケーソンの下部の縦横の鉄筋3、4を組み、前記鉄筋を
図2に示すようにして針金等を用いて結束する。そし
て、アンカー部材を鉄筋に接続することにより、アンカ
ー部材を介してゴムマットをケーソンの鉄筋に接続して
コンクリートを打設した際に、ケーソンの下面にゴムマ
ットを一体に保持させるようにする。また、前記ケーソ
ンの鉄筋を組み込む際には、図5に示されるように、ケ
ーソン本体の縦の鉄筋や、その他の縦の鉄筋を横に接続
する鉄筋等を所定の高さに組み込み、ケーソンの外側と
内側の空間部を規定する型枠等を組み込んで、コンクリ
ート2を打設する。前記ケーソンの下部のコンクリート
を打設した後で、通常のコンクリート製のケーソンを構
築する場合と同様にして、ケーソンの上部構造の型枠と
鉄筋を組みながらコンクリートを打設することにより、
ケーソン1を完成させるようにする。
【0017】したがって、本発明のケーソンでは、ゴム
マットを下面に一体に取付ける状態で、ゴムマットに対
して多数のアンカー部材を接着し、前記アンカー部材の
フック部材をコンクリートの内部に埋設させるととも
に、フック部材を鉄筋に対して接続することにより、ゴ
ムマットをケーソンの下面に対して保持させることがで
きる。なお、前記ケーソンの下面にゴムマットを取付け
る場合に、アンカー部材のフック部材を鉄筋に接続しな
くても、フック部材自体がコンクリートの内部に保持さ
れるので、特に鉄筋に対して結束したりすることなし
に、アンカー部材を介してゴムマットを保持させること
が可能である。さらに、前記ケーソンの下面に保持する
ゴムマットに対して、アンカー部材のベースプレートを
確実に保持させるためには、例えば、ベースプレート1
1の面積を大きなものとすることや、ベースプレートの
下面に対して接着剤の接着性能を向上させるように、ベ
ースプレートの下面を粗面として構成すること等の手段
を用いることもできる。
【0018】本発明においては、前記図1に示されるよ
うなアンカー部材を用いることの他に、図6、7にそれ
ぞれ示されるようなアンカー部材を用いることもでき
る。前記図6に示される例では、アンカー部材15を板
金を折り曲げたもので構成し、ベースプレート16の端
部から柱部材17を立ち上がらせるように突出させ、柱
部材17の上部にフック部材18を折り曲げて設けるこ
とにより、側面視で略コの字状のアンカー部材を構成す
ることができる。また、前記アンカー部材15では、ベ
ースプレート16の面積を任意に設定することが可能で
あり、アンカー部材を板金を折り曲げ加工を施すことに
より構成できるので、製造単価を引き下げることが可能
になる。
【0019】前記図6の例とは別に、本発明のアンカー
部材としては、図7に示されるように、略扇形の板金を
折り曲げてアンカー部材20を構成することも可能であ
る。前記図7に示すアンカー部材20では、板金の一方
の幅を広く、他方の端部を幅の狭いものとして切断し、
略三角形状に構成したものに対して折り曲げ加工を施し
て、側面視で略コの字状に構成する。そして、幅の広い
ベースプレート21の端部から柱部材22を立ち上がら
せ、前記柱部材の上部にベースプレートと平行にフック
部材23を折り曲げるようにする。したがって、前記ア
ンカー部材20を構成する場合には、鉄板等を切断する
際に、アンカー部材の切り出しを容易に行うことがで
き、余り屑の排出を少なくすることができ、折り曲げ加
工も容易に行うことができる。
【0020】前述したような各種の形状のアンカー部材
を構成することの他に、本発明においては、図8に示さ
れるように、略L字状に折り曲げたアンカー部材30を
用い、アンカー部材30の柱部材32を所定の長さで構
成し、柱部材の上部にフック部材33を直角に折り曲げ
た状態で設ける。そして、鉄板等で構成したベースプレ
ート31をゴムマット6の表面に接着するとともに、ゴ
ムマット6の本体に対して所定の深さで拡開爪部材36
を埋設し、拡開爪部材36とベースプレート31の2つ
を用いて略L字状のベースプレート30を固定保持させ
る手段を用いることができる。前記ベースプレート30
の固定手段においては、ゴムマット6の表面から所定の
深さで孔7を設けるが、前記ゴムマットに設ける孔7
は、ゴムマットの下面に達しない深さに設ける。
【0021】前記ベースプレート31は、柱部材32の
下部にネジ部34を設けておき、前記ネジ部34にスラ
イダー35を配置し、前記スライダー35の外形を下側
が拡開したテーパ状の部材として構成する。また、ゴム
マットに設けた孔7に挿入する拡開爪部材36は、下部
に爪部材を多数設けた部材として構成し、スライダー3
4を上昇させることにより、爪が拡開されるようにする
もので、前記拡開爪部材としては、金属で構成した部材
を用いることの他に、樹脂材料で構成した部材を用いる
こともできる。さらに、前記ゴムマットの表面に配置す
るベースプレート31は、所定の面積を有する鉄板等の
部材に対して、その中央部に拡開爪部材36の頭部とア
ンカー部材30の柱部材32を通す孔を設けて構成し、
接着剤8によりゴムマットの表面に固定させるようにす
る。
【0022】前記図8に示される例では、最初にゴムマ
ット6の表面からドリル等を用いて孔7を所定の間隔で
設け、前記孔に接着剤8aを充填して、拡開爪部材36
をアンカー部材30の下部に組み込んだものを孔に挿入
する。なお、前記アンカー部材30を孔に挿入する際
に、ベースプレート31をアンカー部材に一体に組み込
んでおき、ベースプレート31の下面に接着剤8を塗布
したものを取り付けると、ゴムマットに対してアンカー
部材を取付ける作業を一度で行うことができる。そし
て、その後にアンカー部材30本体を柱部材32を軸に
して回転させ、スライダー35を上昇させることによ
り、拡開爪部材36の爪部材を孔の側方に拡開し、ゴム
マット本体に爪を食い込ませることにより、拡開爪部材
が孔から抜け出さないように固定保持する。また、前述
したようにして拡開爪部材36をゴムマットの内部に固
着し、接着剤により保持させることにより、アンカー部
材30の基部をゴムマットに一体に固定する。さらに、
前記ゴムマット6の表面に接着剤により接着したベース
プレート31の孔に対しては、アンカー部材の柱部材の
下部に設けたスライダーが拡開爪部材の上部部材を介し
て係止されるので、前記アンカー部材30はゴムマット
の保持部から抜け出すことが防止される。
【0023】前述したようにして、図8に示すようなア
ンカー部材30をゴムマットに取付けたものでは、ゴム
マットの表面に接着剤を用いてアンカー部材を接着する
ものに比較して、アンカー部材の取付け作業が面倒にな
るが、そのような手段を用いても、従来のアンカー部材
の取付け手段よりは、アンカー部材の取付け工程を簡素
化することができる。また、本発明のアンカー部材の取
り付け手段を用いる場合には、特に、図8以外のアンカ
ー部材を用いた場合に、ゴムマットの表面にアンカー部
材を固定し、アンカー部材の上部の柱部材とフック部材
をコンクリートの内部に埋没させるようにするので、前
記アンカー部材が露出して海水に接触することがなく、
金属で構成したアンカー部材が腐食したりすることがな
い。したがって、本発明のゴムマットを一体に設けたケ
ーソンでは、ゴムマットの表面に接着剤を介して強固に
アンカー部材を取付け、その後で、アンカー部材の上部
部材をケーソンのコンクリートの内部に埋没させるの
で、アンカー部材が外部に露出することがないものとさ
れる。
【0024】前記本発明の実施例に示されるアンカー部
材では、ゴムマットに対応させて、金属製のアンカー部
材を特別に加工して構成したものを示しているが、本発
明においては、前記アンカー部材として、鋼材を所定の
長さに切断したものをそのまま用いることができる。図
9に示される例では、略コの字状の断面を有するチャン
ネル材を用いてアンカー部材を構成する場合を示してい
るもので、一般の構造材料として用いるチャンネル材を
所定の長さに切断してアンカー部材40を構成し、ゴム
マットの上に接着剤8を用いて一体に取付ける手段を構
成する。前記図9に示されるアンカー部材40では、ゴ
ムマット6に対応するベースプレート41と、コンクリ
ート中に埋設されるフック部材43は、同じ形状に構成
されるものであり、立上がり部の柱部材42の高さは、
選択するチャンネル材のサイズに応じて、任意に構成す
ることができる。
【0025】そして、前記図9のアンカー部材40を使
用する場合には、例えば、柱部材42の高さの高いもの
を選択し、ゴムマット6の表面に接着剤8を用いて所定
の間隔で取付けて固定し、アンカー部材に対して鉄筋を
組み込まずに、コンクリートを打設してケーソン下部構
造を構成することができる。もちろん、前記アンカー部
材を用いる場合に、ケーソン本体の下部の鉄筋をアンカ
ー40に対して接続して、鉄筋とアンカー部材とを一体
に固定した状態でケーソンの下部構造を構成することも
可能である。これに対して、本発明においては、前記図
9の場合の他に、前記図1および図6以降に示すアンカ
ー部材に対しては、その部材の柱部分を長く上方に突出
させて構成することにより、上部に配置するフック部材
をコンクリートの中に埋設させるのみで、ゴムマットを
ケーソン本体の下面に保持させる作用を発揮させること
が可能である。
【0026】したがって、前述したようにして、アンカ
ー部材のフック部材をコンクリート中に埋設させてゴム
マットを保持させる手段を用いる場合には、ゴムマット
に対応させてケーソンの型枠を組立てて、コンクリート
を打設する際に、下部構造に対する工事を容易に行い得
るものとすることができる。さらに、本発明において
は、図9のように、チャンネル材に代えて、任意のH型
鋼や、I型鋼等を所定の長さに切断したものをアンカー
部材として用いることもできる。そして、例えば、アン
カー部材をゴムマットの長さ全体に対応させて切断し
て、接着剤を用いて固定した場合には、ゴムマットとア
ンカー部材との接着面積を大きく設定することができ、
ケーソン下部に対するゴムマットの保持作用を良好に発
揮させることができる。
【0027】前記本発明の各実施例では、アンカー部材
を金属で構成した場合について説明したが、前記アンカ
ー部材はプラスチック材料を用いて構成することができ
るもので、例えば、硬質の樹脂材料を用いてベースプレ
ートと柱部材、およびフック部材を一体に構成すること
が可能である。そして、前記樹脂材料を用いて一体に構
成したアンカー部材のベースプレートを接着剤を用いて
ゴムマットの表面に接着するとともに、アンカー部材の
上部部材をコンクリートの内部に埋没させる手段を用い
て、ケーソンとゴムマットとを一体化させるようにす
る。また、前記アンカー部材を樹脂材料を用いて構成し
た場合には、プラスチックとゴムとの間で接着性能を良
好に発揮できるような特性を有する接着剤を用いること
により、ゴムマットの表面にアンカー部材を固定保持さ
せることができる。さらに、本発明に用いるゴムマット
としては、例えば、特開昭48−38383号公報等に
示されるように、屑のゴムを細かく砕いたものに接着成
分を混合し、シート状に固めたものを使用することがで
き、そのゴムマットの厚さ等を任意に設定することがで
きる。
【0028】
【発明の効果】本発明の滑動防止用マット取付け方法
は、前述したようにして、ゴムマットの表面に多数のア
ンカー部材を一体に配置し、アンカー部材の上部部材を
ケーソンのコンクリートの内部に埋没させて保持する手
段を用いるので、ゴムマットをケーソン本体の底面に保
持させる作用を良好に発揮させることができる。また、
本発明のゴムマットの表面にアンカー部材を取付ける際
に、接着剤を使用して固定保持させることができるの
で、アンカー部材をゴムマットに取付ける作業を容易に
行うことができ、ケーソンの製造工程を簡素化すること
ができる。また、本発明において、ケーソンの下面にゴ
ムマットを一体に設けるに際して、ゴムマットの表面に
アンカー部材を所定の間隔で接着手段により取付ける方
法を用いるので、従来のアンカー部材の取付け方式のよ
うに、ゴムマットに対して多数の貫通孔を設けたりする
ことがなく、アンカー部材の取付け作業を容易に行うこ
とができる。
【0029】本発明のアンカー部材をゴムマットに取付
けるためには、任意の金属とゴムに対応する接着剤を使
用することができるので、アンカー部材のベースプレー
トに接着剤を塗布しながら、ゴムマットに対して取付け
ることが可能である。さらに、ゴムマットに取付けるア
ンカー部材は、柱部材の上部にコンクリートの内部に埋
没するフック部材を配置しており、前記フック部材をケ
ーソンの鉄筋等に固定することにより、ゴムマットをケ
ーソンの下面に支持する作用を良好に発揮させることが
できる。そして、ゴムマットを一体に設けたケーソンを
作成する場合には、ケーソンの底面積に対応する位置に
ゴムマットを並べておき、ゴムマットの表面に任意の間
隔でアンカー部材を接着して固定した後で、ケーソンの
下部の鉄筋を組立てる。その後で、ケーソンの縦鉄筋等
を組み、型枠を組んでコンクリートを充填することによ
り、鉄筋とアンカー部材のフック部材を一体化した状態
で、ケーソンを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のアンカー部材の構成を示す斜視図で
ある。
【図2】 ゴムマットの表面にアンカー部材とケーソン
の下部の鉄筋を取付けた状態の説明図である。
【図3】 ケーソンの構築部に対応させてゴムマットを
敷き込んだ状態の説明図である。
【図4】 ゴムマットの表面に多数のアンカー部材を配
置する状態の説明図である。
【図5】 ゴムマットの上面にケーソンの本体を構築す
る状態の説明図である。
【図6】 本発明のアンカー部材の第2の実施例の斜視
図である。
【図7】 本発明のアンカー部材の第3の実施例の斜視
図である。
【図8】 アンカー部材の基部をゴムマットの内部に挿
入して固着する例の説明図である。
【図9】 本発明のアンカー部材の別の実施例の斜視図
である。
【符号の説明】 1 ケーソン、 2 コンクリート、 6 ゴム
マット、8 接着剤、 10・15・20・30
アンカー部材、11・16・21・31 ベースプレ
ート、13・18・23・33 フック部材、 34
ネジ部、35 スライダー、 36 拡開爪部
材、 40 アンカー部材。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02B 3/12 E02D 23/02 E02D 23/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防波堤や護岸等に使用する重力式構造物
    の下面に固定して取付け、支持基盤との摩擦力を増大さ
    せるために、ケーソンの滑動防止手段としてゴムマット
    を設けたものにおいて、 前記ゴムマットの表面に多数のアンカー部材を接着手段
    を用いて取付けるとともに、 前記アンカー部材のゴムマットの表面に接するベースプ
    レートを面積の大きなものとし、前記ベースプレートか
    ら突出させた柱部材の先端部に横向きのフック部材を配
    置して構成し、 前記フック部材をケーソンのコンクリートの中に埋没さ
    せることにより、ゴムマットをケーソンの下面に一体に
    取付けることを特徴とする滑動防止用マット取付け方
    法。
  2. 【請求項2】 ケーソンの投影面積に対応させてゴムマ
    ットを配置する工程と、 前記ゴムマットの表面に所定の間隔をおいてアンカー部
    材を接着する工程、 前記アンカー部材のフック部材に対して、ケーソンの下
    部に配置する鉄筋を取付ける工程、 型枠を組んでコンクリートを打設する工程を経てケーソ
    ンを製造する際に、ゴムマットをケーソンの下面に一体
    に取付けることを特徴とする滑動防止用マット取付け方
    法。
  3. 【請求項3】 前記ゴムマットに対してアンカー部材を
    接着するに際して、 ゴムマットの表面にアンカー部材に対応するベースプレ
    ートを接着手段により固定するとともに、前記ゴムマッ
    トに設けた孔に拡開爪部材を挿入し、拡開爪部材による
    固定手段を併せて用いることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の滑動防止用マット取付け方法。
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