JP2984576B2 - 止め輪工具 - Google Patents

止め輪工具

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JP2984576B2
JP2984576B2 JP7087939A JP8793995A JP2984576B2 JP 2984576 B2 JP2984576 B2 JP 2984576B2 JP 7087939 A JP7087939 A JP 7087939A JP 8793995 A JP8793995 A JP 8793995A JP 2984576 B2 JP2984576 B2 JP 2984576B2
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shaft
fitting groove
press
shaped retaining
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正充 志藤
光夫 新井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軸体に回転可能部品を
挿入した時の回転可能部品の抜け防止や、または軸体自
体をフレーム等に穿設された取付け孔に挿入してから固
定する際に、軸体に予め加工形成された嵌合溝に対して
E型止め輪(通称、Eリング)を圧入固定する際に使用
される専用の止め輪工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、精密機器や事務機において、
金属あるいは樹脂で成形された軸体に対してギアやレバ
ーなどの回転可能な部品を挿入してからこれら部品の抜
け防止を図ったり、またはガイド軸体などのように長い
軸体の両端または一方の端部を板金フレームなどに固定
する手段としてE型止め輪が多用されている。
【0003】このE型止め輪は日本工業規格に規定され
ており、各種サイズの軸体に提供可能であって、特に軸
体に設けられた嵌合溝に対してラジアル方向に挿入され
た後に、その圧入弾性変形を利用して固定するのが一般
的な使用方法である。使用されるE型止め輪は、上記の
JISやDINなどの規格によって、内径、外形、厚
さ、および圧入される嵌合溝の径や幅などが厳密に定め
られており、完全共通化されている。
【0004】このようなE型止め輪を圧入するための専
用工具が使用されている。図21は従来からの専用工具
の平面図である。本図において、専用工具300は図示
の把持部から延設されるとともに所定の弾性力を有した
アーム部301、302からなり、この各アーム部の先
端部位において半円状の段差と、その段差がスリ割によ
って二つに分割された先端を有しており、アーム部の弾
性変形と段差を利用してE型止め輪1を挟み込んだ状態
で保持しておき、軸体の嵌合溝内に圧入する簡単な手動
式の専用工具である。
【0005】この専用工具は、E型止め輪の呼び径(サ
イズ)に合わせてサイズ毎に準備されており、また販売
価格も安いことから数多く普及している。さらに、この
専用工具にE型止め輪1を一枚づつ挟み込むための補助
工具として、E型止め輪の内側をガイドして複数枚整列
して積み重ねられたE型止め輪の最下部の一枚を容易に
取り出すことができる補助工具も知られている。この補
助工具によれば、最下部の一枚を取り出すと、これに続
き積み重ねられた状態になっているE型止め輪の次のも
のが重力によって下降して、順次一枚づつ取り出すこと
ができるようにするものである。
【0006】一方、E型止め輪の圧入作業を自動化する
場合には、図22の要部断面図に示すように、ベース2
33の案内孔に対して軸体129を挿入してから軸体1
29の先端縁部をセンサ230の接触子231またはレ
ーザ光等を利用した非接触式のセンサによって検出する
ことで、軸体129の挿入量を決定するようにして嵌合
溝129aがベース233の上面233aに一致するよ
うにしてから圧入治具232に把持されているE型止め
輪234を圧入する自動化装置が使用されることにな
る。このような自動化装置は、主に空圧シリンダの作用
によってE型止め輪の圧入を行なう自動化機器であっ
て、軸体を保持する部品またはユニットと、軸体に挿入
される部品を供給するユニットと、E型止め輪を圧入す
るユニットから構成されるものである。このような自動
化機器によれば双方の部品またはユニットが千差万別で
あるために、それぞれ専用の冶具や供給部を生産工程に
合わせて適宜設計製作されて使用されている。
【0007】また、他のE型止め輪を連続して圧入する
手動工具として実開昭63‐86980号公報に開示さ
れたものがある。この開示になる連続圧入式手動工具に
よれば、複数のE型止め輪の内側をガイドして、複数の
E型止め輪を整列して積み重ねた状態で握り部の内部に
収納できるようにして連続使用するものである。
【0008】この連続圧入式手動工具によれば、積み重
ねられた状態の最下部のE型止め輪に相対する位置にお
いて、E型止め輪が嵌合される軸体側の嵌合溝の幅寸法
より僅かに薄い支持部が設けられており、軸体の嵌合溝
に対して支持部を付き当てた状態を保持して握り部を握
ることによって、E型止め輪の厚さより僅かに薄い板が
最下部のE型止め輪を軸体の嵌合溝に移動する結果、先
頭の一枚だけが分離されると同時に支持部に支持された
軸体の嵌合溝に圧入されるように構成されているもので
ある。また、積み重ねられた状態のE型止め輪は、その
後方に備えられたバネによって順次送られる一方、圧入
される先頭のE型止め輪は、このバネの力によって保持
されている。さらにまた、この手動工具は、「てこ」の
原理を利用しているため小さな力で圧入することができ
るものである。
【0009】一方、E型止め輪を圧入する軸体の周辺に
手動工具をセットするためのスペース的な余裕がない場
合には、電気配線用工具のラジオペンチ等も適宜使用さ
れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
図22に示したような自動化機器類は、作業性、品質
(変形やキズを与えない圧入)、コスト等をすべて満足
できるものはなく、目的に応じて工具や機器を選択して
使用しなければならず、汎用性に乏しい。
【0011】また、図21に示した専用工具300は、
作業性も比較的に良く安価であることから広く普及して
いる。しかしながら、この専用工具300によればE型
止め輪1を圧入嵌合する際にE型止め輪1が開くように
弾性変形させる際に、軸体側に対してラジアルア方向の
外力が作用して軸体側に損傷を及ぼす虞がある。
【0012】即ち、軸体に余分な外力が加わり軸体が傾
いたり変形することがあるが、通常はE型止め輪が圧入
嵌合される軸体は、ギアやレバー等の機構部品を挿入す
るという機能上の制約から多くの場合、片支持状態で設
けられていることが多いことから強度的に弱く簡単に変
形する。このことから変形防止のための専用工具を別途
使用するなどして、軸体が傾いたり変形することを防止
する対策をとることが必要となるものであった。
【0013】さらに、上記の専用工具300の問題点と
して、E型止め輪1を工具に1つづつ挟持するようにセ
ットしてから、圧入する軸体の嵌合溝に対して挟持され
た状態のE型止め輪1を当てがってから圧入嵌合するの
で、作業性が悪くかつ作業者の習熟が要求されるもので
あった。また、E型止め輪が軸体の嵌合溝に確実に圧入
されない自体発生や、E型止め輪やその他の部品に変形
やキズを与えるトラブルもあるために、E型止め輪を圧
入嵌合した後の確認作業を必要としている。
【0014】一方、専用工具300は、工具でE型止め
輪1を保持した時に、その後部において弾性変形を生じ
させるアーム部301、302があり、その延長上に把
持部が設けられている構成であるので、軸体の周辺にお
いてE型止め輪を圧入する溝の位置よりも高い部品など
が設けられている場合には、嵌合溝に対して平行に圧入
することができない欠点があった。そこで、この対応策
として、周辺部品との干渉を避けるために専用工具のア
ーム部の一部を曲げるようにした専用工具も提案されて
いる。
【0015】しかしながら、この専用工具はバネの力を
確保するため、工具先端部から曲げ部までの長さはバネ
力の確保のためにE型止め輪軸体の外形の2倍程度が限
度であるので、その範囲に内側に干渉部品がある場合は
圧入できないという問題があった。
【0016】一方、前述の連続圧入式手動工具によれ
ば、一方の握り部の内部にE型止め輪を複数枚収納し
て、双方の握り部を握ることによってE型止め輪を圧入
でき、この後に、自動的に次のE型止め輪が圧入位置に
セットされて便利である。しかしながら、この連続圧入
式手動工具によれば、一つ以上の支点を介してテコの原
理を利用して圧入を行なっているために、E型止め輪を
後方から軸体側に押し出すための作動部(の薄い板)の
軌跡が円弧となることから、軸体の嵌合溝に対してE型
止め輪を平行に押出すことができないので、理想的な圧
入ができない問題点がある。
【0017】また、呼び径の小さな、例えば2ミリの軸
体用のE型止め輪においては、移動部の移動量が短いこ
とから円弧の軌跡であっても影響は少ないが、呼び径が
大きくて移動量を長く設定しなければならないときには
支点と移動部の距離を大きくしたり、あるいは複数の支
点を設けるなどの対策が必要となるが、基本的にテコの
原理を使用しており、握りのストロークを把持不能にな
るまで大きくせざるを得ず実現出来ないものであった。
【0018】また、この連続圧入式手動工具は前述した
ように、支持部を圧入する軸体の嵌合溝に付き当ててか
ら、軸体を支持して圧入位置を決めて、挟み込むことに
よって圧入を行うので、軸体の嵌合溝の幅より僅かに薄
く形成された支持部を嵌合溝に対して正確に当てがう際
の作業性が悪いものであった。
【0019】一方、軸体の傾きや変形が懸念される場合
や、軸体の周辺に嵌合溝の位置よりも高い干渉部品があ
る場合は、ラジオペンチは、極めて有効な工具であり、
ラジオペンチの一方でE型止め輪の後部を、また他方で
軸体を支持して挟むことによって、E型止め輪の圧入を
行なうことができ、さらにまた干渉部品を避けて圧入す
ることが出来る。
【0020】しかしながら、薄く円形状をしたE型止め
輪の円弧部をラジオペンチで挟むことは、掴む位置や力
の入れ加減などに気を使うためにベテランの作業者でも
難しく、かなりの熟練を要するものである。さらに、E
型止め輪が外れたり、力の入れ過ぎでE型止め輪やその
他の部品に変形やキズを与える虞もある。
【0021】したがって、本発明は上記各問題点に鑑み
てなされたものであり、軸体やE型止め輪やその他の部
品に変形やキズを与えることなく、E型止め輪を圧入す
る軸体の嵌合溝に対する相対的な位置決めを容易にする
ことで、作業性が良好で、かつ短時間で容易にしかも初
心者でもベテランと略同じ作業時間内にE型止め輪を確
実に圧入できるようにして、高い圧入品質が実現できる
止め輪工具の提供にある。
【0022】
【0023】
【0024】また、軸体やE型止め輪やその他の部品に
変形やキズを与えることなく、E型止め輪を圧入する軸
体の嵌合溝が軸体の縁部から夫々異なった位置に形成さ
れている場合であっても、調整や交換なしで相対的な位
置決めを容易にでき、かつE型止め輪を確実に圧入でき
るようにして、高い圧入品質が実現できる止め輪工具の
提供にある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し
て、目的を達成するために、本発明は以下の構成を備え
る。即ち、E型止め輪を嵌合する嵌合溝を加工形成した
軸体に対して所望の被挿入部品を挿入してからE型止め
輪を前記嵌合溝に圧入して前記所望部品の抜け防止を図
るために使用される止め輪工具において、本体と、該本
体の長手方向に沿うように積み重ねられた状態で、複数
のE型止め輪を着脱可能に収納する収納手段と、該収納
手段の開口端部から先頭の唯一枚のE型止め輪を分離し
てから前記嵌合溝に向けて移動して圧入する作動手段
と、該作動手段を前記軸体の軸芯に対して略直交するよ
うに案内する案内手段と、前記軸体と前記被挿入部品に
止め輪工具上に設けられた基準部位を当接することで、
前記嵌合溝に対するE型止め輪の位置を定め、前記嵌合
溝にE型止め輪を圧入する支持面を有する軸体保持手段
とを具備することを特徴としている。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】また、E型止め輪を嵌合する嵌合溝を加工
形成した軸体に対して所望の被挿入部品を挿入してから
一方の握り部と他方の握り部を握ることによりE型止め
輪を前記嵌合溝に圧入して前記所望部品の抜け防止を図
るために使用される止め輪工具において、本体と、該本
体の長手方向に沿うように積み重ねられた状態で、複数
のE型止め輪を着脱可能に収納する収納手段と、該収納
手段の開口端部から先頭の唯一枚のE型止め輪を分離し
てから前記嵌合溝に向けて移動して圧入する作動手段
と、該作動手段を前記軸体の軸芯に対して略直交するよ
うに案内する案内手段と、前記軸体を案内挿入しかつ前
記軸体の外周面を受ける軸体案内手段と、前記軸体案内
手段を前記軸体に対して挿入案内する際に、前記嵌合溝
に対して所定の付勢力により弾性的に係合してそれ以上
の移動を規制すると共に、前記積み重ねられたE型止め
輪の一枚と前記嵌合溝との間の相対的な位置決めを行う
位置決め手段とを具備することを特徴としている。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】そして、E型止め輪を嵌合する嵌合溝を加
工形成した軸体に対して所望の被挿入部品を挿入してか
ら一方の握り部と他方の握り部を握ることによりE型止
め輪を前記嵌合溝に圧入して前記所望部品の抜け防止を
図るために使用される止め輪工具において、本体と、該
本体の長手方向に沿うように積み重ねられた状態で、複
数のE型止め輪を着脱可能に収納する収納手段と、該収
納手段の開口端部から先頭の唯一枚のE型止め輪を分離
してから前記嵌合溝に向けて移動して圧入する作動手段
と、該作動手段を前記軸体の軸芯に対して略直交するよ
うに案内する案内手段と、前記軸体を案内挿入しかつ前
記軸体の外周面を受ける軸体案内手段と、前記軸体案内
手段を前記軸体に対して挿入案内する際に、前記嵌合溝
に対して係合してそれ以上の移動を規制すると共に、前
記積み重ねられたE型止め輪の一枚と前記嵌合溝との間
の相対的な位置決めを行う位置決め手段と、前記相対的
な位置決めを行うために前記位置決め手段を前記嵌合溝
に向けて常時付勢するための第1の付勢部材の付勢力
が、前記握り部を初期状態に移動付勢するための第2の
付勢部材の付勢力よりも僅かに大きく設定された第1、
第2の付勢部材とを具備し、前記E型止め輪の圧入動作
に連動して、前記E型止め輪で押圧されて前記嵌合溝か
ら外れ、位置決めを解除し、かつ前記一方の握り部を握
る方向とは逆方向に操作するための操作部を操作するこ
とによって、前記位置決め手段による前記相対的な位置
決めの状態を任意に解除するように構成することを特徴
としている。
【0042】
【作用】上記の構成により、本発明による止め輪工具に
よれば、軸体保持手段の内側に形成された案内部に軸体
を案内し、握り部を握ることによって、積み重ねられた
複数のE型止め輪の先頭の唯一枚を分離圧入する作動手
段が、直進するように案内する案内手段によって前記軸
体に対してほぼ直角に移動されることで、軸体に設けら
れた嵌合溝に対して無理のない圧入を行うことができ
る。
【0043】
【0044】また、前記作動手段と相対して設けられた
軸体の外周面を受ける軸体保持手段とによって挟み込む
ことは、前記案内手段と合わせて、軸体やE型止め輪、
その他の部品にキズや変形を与えることなく、E型止め
輪を確実に圧入することができるようになる。
【0045】また、前記軸体保持手段の案内部は平面で
も良いが、軸体を確実に支持し作動部から与えられる力
を逃がさず伝えるために、その断面形状は円形または多
角形の一部であることが望ましい。
【0046】また、前記第1、第2基準面は、軸体に挿
入されたギアやレバーなどの被挿入部材に対して直接当
接することによって、前記積み重ねられた先頭のE型止
め輪と、軸体の嵌合溝の位置を合わせることが容易にで
きるので作業性を良好にするようにする。
【0047】また、前記軸体保持手段の案内部は、軸体
の嵌合溝の上端部を案内する。
【0048】また、前記案内部は、案内深さを調整でき
る調整部材を備えており、案内する深さと溝から軸体の
上端までの長さを同一に調整することによって、前記積
み重ねられた先頭のE型止め輪と、軸体の嵌合溝の位置
を容易に行わせることが可能となるので、E型止め輪の
目的が軸体に挿入されるギアやレバー等の下面を支持す
るような、圧入時に被挿入部品がない場合に特に有効と
なる。
【0049】また、前記保持手段の案内部と前記第1、
第2基準面、前記案内部の上方に備えられた位置決め部
材の下面のうち少なくとも一つの面の2点で前記軸体及
び前記被挿入部材を支持することによって、前記積み重
ねられた先頭のE型止め輪と軸体の溝との位置を合わせ
る作業を容易に行ない、軸体やE型止め輪、その他の部
品にキズや変形を与えない圧入品質の高い圧入が可能と
なるように働く。
【0050】また、軸体案内手段の内側に形成された案
内部に軸体を案内挿入することにより、圧縮コイルバネ
等の付勢手段により常時押圧されている位置決め手段が
軸体の嵌合溝に当接して、積み重ねられた状態の複数の
E型止め輪の先頭の一枚を嵌合溝の相対的な位置決めが
可能となるように働く。
【0051】また、前記圧入動作に連動して、握り部を
初期状態に移動付勢するための第2の付勢部材の付勢力
よりも僅かに大きく設定された第1、第2の付勢部材に
より前記位置決め手段の位置決め状態を自動的に解除す
る。
【0052】また、一方の握り部を握る方向とは逆方向
に操作するための操作部を操作することによって、位置
決め手段による相対的な位置決めの状態を任意に解除す
るようにして、E型止め輪を圧入する軸体の嵌合溝が軸
体の縁部から夫々異なった位置に形成されている場合で
あっても、調整や交換なしで相対的な位置決めを容易に
できるようにする。
【0053】
【実施例】本発明の好適な各実施例について添付図面を
参照して説明すると、図1は第1実施例になるE型止め
輪の圧入工具を、圧入方向に対して右側から見た平面図
である。また、図2は圧入方向の左側から見た平面図で
ある。
【0054】両図において、圧入工具の基部となるフレ
ーム17には、複数枚が積層された状態になっているE
型止め輪1を長手方向に支持するためのマガジン17a
と、後述するスライドガイド18を固定するための基部
となるベース17bとが形成されている。
【0055】このマガジン17aの断面形状は、図10
のシュート15とほぼ同一の断面形状であり、積層され
たE型止め輪1は、図5、図6に示されるように略T字
状の断面形状の棒部材において、3個の嵌合端部が案内
されるように支持されて落下防止された状態で収納され
ている。
【0056】さらに、このフレーム17には溝部が長手
方向に沿うように形成されており、グリップ35が固定
されたカバー34がこの溝部に沿って挿入されること
で、一方の握り部を構成している。
【0057】このようにして積層された状態で収納され
たE型止め輪1は、カバー34内部に固定された下フッ
ク26と上述のカバー34内において上下移動可能に支
持されたプッシャー28に設けられた上フック25との
間にバネ27が掛けられた状態のプッシャー28のバネ
力の作用により図中の下方向にE型止め輪1を常時押し
ている。
【0058】一方、レバー30は上述のカバー34に対
応する他方の握り部であり、フレーム17に設けられた
レバー軸体29を支点として図中の矢印D方向に回動さ
れることにより、アーム19をXY方向に移動するよう
に構成されている。このために、レバー30にはガイド
ピン21が固定されており、このガイドピン21がアー
ム19に設けられた溝40に嵌合して、レバー30の動
きをガイドピン21を介してアーム19に伝達可能にし
ている。
【0059】一方、レバー30にはバネ軸31に支持さ
れた戻しバネ32が設けられており、この戻しバネ32
の端部がそれぞれレバー30とフレーム17に対して当
接した状態になっており、図示の状態に戻るようにして
いる。
【0060】また、フレーム17に対して相対的にXY
方向に直進移動するための案内手段であるスライドガイ
ド18は、そのハウジング18aがフレーム17のベー
ス17bに、またレール18bがアーム19側に固定さ
れており、フレーム17に固定されたベース17bに対
してアーム19が左右YX方向に移動可能になるように
構成されている。
【0061】さらに、このアーム19にはヘッド7が固
定されており、このヘッド7は、図3に図示される軸体
3に対してほぼ直角に移動可能に構成されている。また
ホルダ8は、上述のヘッド7と正対してフレーム17に
固定されており、軸体3を挿通して案内する案内機能お
よび工具自体を軸体に対して位置決めするための位置決
め機能を有している。
【0062】さらにまた、上述のレバー30の解放位置
であるヘッド7の初期位置を制限及び調整する解放側の
ストッパ24がアーム19に固定したストッパガイド2
3に設けられており、このストッパ24に形成されたネ
ジ部をストッパガイド23に形成された雌ネジ部に対し
て螺合して、ストッパ24の回転によりストッパ24の
端部をアーム19に対して当接させてアーム19の初期
位置を調整するように構成されている。
【0063】一方、図2に示すようにレバー30の圧入
位置となるヘッド7の圧入端の位置を制限及び調整する
圧入側のストッパ33がフレーム17に螺合されてお
り、ストッパ33の突出量を調整することにより、ヘッ
ド7の圧入ストロークを調整することができるように構
成されている。
【0064】図3は、工具の先端の一部分と、ギア4を
挿入する軸体3の断面図を示したものである。また、図
5は図3の底面図である。両図において、ヘッド7は略
U字状の溝が形成されると共に、その底面にはU字状溝
を跨った略馬蹄形状であり、かつ横断面形状が図3に示
されるように略L字状のE型止め輪保持部7aが形成さ
れている。一方、E型止め輪1の最下部に位置するE型
止め輪2は、図8の断面図に示すごとく、保持部7aの
E型止め輪載置面7bにその底面の一部が保持された状
態で載置されるとともに、その後端はE型止め輪1を一
枚ずつに分離して、押圧する役目を持つ押圧面7cに接
している。更に、この保持部7aの底部7dは図3に示
すごとく被加工物であるギヤ4の側面となる上面部位と
直接当接させてヘッド7の高さ位置を決めるための基準
面ともなっている。
【0065】また、図8に示すごとく、最下部のE型止
め輪2をその上の止め輪1から分離し、かつ軸体3に圧
入するために保持部7の押圧面7cの高さt1は使用す
るE型止め輪の厚さよりも僅かに低く形成されている。
使用するE型止め輪の厚さによって異なるが、0.1〜
0.3mm低くするのが望ましい。
【0066】またヘッド7の寸法t2はあまり薄いと強
度的に弱く、かと言ってあまりにも厚いとE型止め輪と
相手軸体の嵌合溝が相対することができなくなる。一
方、製品設計上、圧入されたE型止め輪と挿入された被
挿入部品の上面部位との隙間は、0.1〜1.0mmの
範囲であることが多く、また軸体3の嵌合溝はE型止め
輪自体の厚さよりも0.2mm程度広く設定さてれい
る。従って、ヘッド7の寸法t2は0.2〜0.8mm
であることが望ましい。
【0067】次に、ホルダ8には、図3に示すごとく被
加工物であるギヤ4の側面となる上面部位と当接させて
ヘッド7の高さ位置を決めるための基準面となる基準面
8aがその底部に形成されている。また、このホルダ8
には、圧入する時に軸体3の外周面を挿通するための支
持面8bが設けられるとともに、このように挿入される
軸体3と当接してヘッド7の高さ位置を決めるための移
動可能なコマ9を調節、固定するネジ10を案内する長
穴8cが形成されている。
【0068】次に、操作例について、説明すると、図3
と図4の圧入直後の要部断面図において、予めギア4が
挿入された状態の軸体3は、工具が矢印方向に下降し
て、ホルダ8に形成された軸体ガイド6に案内されて、
軸体3の外周面が支持面8bに当接して、ギア4の上側
面が基準面7d、8aの少なくとも一方と当接する状態
になる。この状態から、カバー34とグリップ35から
なる一方の握り部と、レバー30である他方の握り部の
双方を握ることによって、レバー軸体29を支点として
レバー30が回動される。この結果、レバー30の先端
のガイドピン21は、嵌合したアーム19にその力が伝
達される。このためにヘッド7は、ハウジング18aを
ベース17bに固定されたスライドガイド18によっ
て、レール18bを固定したアーム19を介して軸体4
に対しほぼ直角に移動するので、最下部のE型止め輪2
は、支持面8bで側面を支持された軸体4の溝に圧入さ
れることになる。
【0069】以上の結果、圧入が終了して戻しバネ32
の力によってヘッド7が後退すると、上フック25と下
フック26に掛けられたバネ27がプッシャ28が積層
されたE型止め輪1の上端を押して、最下部の唯1枚が
ヘッド7に保持される。
【0070】ここで、ヘッド7はスライドガイド18に
よって直線的に案内され、ホルダ8の支持面8bと挟み
込むように圧入するために本実施例ではその直線案内手
段としてスライドガイドを用いているが、この直進案内
手段としては転がり、またはすべり軸体受けを利用した
リニアシャフト、リニアブッシュ、カムフォロア、コ
ロ、メタルブッシュ、長穴とピンのうちの少なくとも一
つを含む直線案内であることが望ましい。以上のように
レバー30を握ることでヘッド7が移動して、積層され
た状態で収納されているE型止め輪1の最下部のE型止
め輪2は、ヘッド7の保持部7aによりその底面の一部
を保持され、軸体3の嵌合溝3aに相対して圧入される
ことになる。
【0071】一方、解放側のストッパ24の突き出し量
を調整して、ヘッド7が最下部のE型止め輪2を確実に
保持するようにする。即ち、E型止め輪2を圧入し、次
に初期位置に戻り、次のE型止め輪1を確実に保持する
ように所定の初期位置に待機するようにして、且つ、図
6に示すように圧入する際の最下部のE型止め輪2の下
位後部と軸体4の溝の径とが最小の距離となるよう中心
間の距離を調整、決定する。この調整によって、ヘッド
7は最小限の移動量で圧入が可能となり、図3と図4の
ようにギア4の周囲部分が軸体4の嵌合溝より高い場合
でも圧入することができる。
【0072】以上のように操作及び調整することによ
り、軸体ガイド6の一部としてホルダ8に形成されてい
る支持面8bが軸体4の外周面を支持でき、しかもヘッ
ド7の押圧部7cとで挟み込むようにしてE型止め輪2
を圧入するために、軸体3に無理な力が加わることがな
い。更に、圧入側ストッパ33の突き出し量を調整し、
ヘッド保持部7aに保持されて前進した最下部のE型止
め輪2の中心と軸体ガイド6の中心をほぼ一致させるこ
とによって、最下部のE型止め輪2と軸体3に必要以上
の力が加わることを防ぐことが出来ることから、相手側
の軸体3に無理な外力が作用しないので、軸体3の傾き
や変形を与えずに品質の高い圧入が可能となる。
【0073】次に、図7は、上述したようなギヤ等の被
挿入部品がない場合において、軸体5にE型止め輪2を
圧入した状態を示した要部断面図である。本図におい
て、被挿入部品が無く、上述のように基準面7d、8a
を利用することができない時には、軸体ガイド6の上部
に備えられたコマ9を利用することになる。このコマ9
は軸体5の上面5aとコマ9の下面9aが当接した状態
で、最下部のE型止め輪2が軸体5の嵌合溝と一致する
ようにコマ9の位置を調整してからコマ9の固定用のネ
ジ10によってホルダ8に固定する。以上のようにコマ
9を固定するようにして、嵌合溝に対して止め輪を固定
できるようになる。
【0074】さらに、図9はコマ9に加わる力が大きい
場合の対策を示した要部断面図である。図7に於いて説
明した場合には、加わる力をネジ10で受け、コマ9の
位置を連続的に無段階で調整できる構造となっている
が、図9に示す例では図示のように段差を形成したコマ
12をホルダ11側で直接受ける構造としており、相手
軸体の嵌合溝の位置によってコマ12を差し替えるよう
にして、大きな外力が軸体に作用しても移動しないよう
にして、正確な嵌合が出来るように構成されている。
【0075】最後に、図10は、図7におけるホルダ8
を軸体の支持部の断面形状が矩形をしたフレーム14
と、積層されてE型止め輪を保持するシュート15に二
体化した例である。コマ16(あるいは軸体ガイド)の
断面形状は上述のように必ずしも円形である必要はな
く、本図のような4角形または多角形でも構わない。
【0076】さらにまた省力化、合理化を目的として自
動機器を導入する場合には、スライドガイド18または
アーム19を外部動力で駆動することによって容易に対
応できる。この外部動力は、コストや簡便性から空圧シ
リンダが一般的であるが、油圧シリンダ、モータ、ソレ
ノイド等であっても良い。
【0077】以上説明したとおり、本実施例の止め輪工
具によれば、E型止め輪を軸体とほぼ直角に移動するこ
と、軸体の側面を支持して挟み込むように圧入するこ
と、移動端の位置を調整することによって、相手軸体や
E型止め輪、その他の部品に変形やキズを与えない確実
なE型止め輪の圧入を提供することが出来る。
【0078】また、軸体の側面と、三つの基準面のうち
少なくとも一つの面の2点以上で加工物を支持すること
によって、E型止め輪と軸体の溝の位置合せが容易とな
り、短時間で容易に、しかも初心者でもベテランと同じ
作業時間でE型止め輪の圧入を行なうことを提供するこ
とができる。さらに、圧入する際、E型止め輪と軸体と
の間隔を最小に調整することによって、被挿入部材の周
囲が軸体の溝より高いような狭い場所での圧入にも対応
することができる。
【0079】次に、本発明の好適な第2実施例について
添付図面を参照して説明すると、図11はE型止め輪の
圧入工具を、圧入方向に対して右側から見た平面図であ
る。また、そして図12は圧入方向の左側から見た平面
図である。
【0080】先ず、図11と図12において、圧入工具
の基部となるフレーム113には、複数枚が積層された
状態のE型止め輪1を長手方向に支持するための図中の
破線図示のマガジン113aと、後述するピン114を
固定するための基部となるベース部113cと、ベース
部113dが形成されている。
【0081】このマガジン113aは、図16に示され
るホルダ105の一部とほぼ同一の断面形状であり、積
層されたE型止め輪1はその略T字状の棒部材におい
て、3箇所の嵌合端部が案内されるように支持されて落
下防止された状態で収納されている。
【0082】さらに、フレーム113には溝部が長手方
向に沿うように形成されており、グリップ128が固定
されたカバー127がこの溝部に沿って挿入されること
で、一方の握り部を構成している。
【0083】このようにして積層された状態で収納され
たE型止め輪1は、カバー127の内部に固定された下
フック124と上述のカバー127内において上下移動
可能に支持されたプッシャー126に設けられた上フッ
ク123との間にバネ125が掛けられた状態のプッシ
ャー126のバネ力の作用により、図中の下方向にE型
止め輪1を常時押している。
【0084】一方、レバー118は上述のカバー127
に対応する他方の握り部であり、フレーム113のベー
ス部113bに設けられたレバー軸体117を支点とし
て図中のR1とR2方向に回動されることにより、ヘッ
ド107を図中の矢印X1とX2方向に移動するように
構成されている。また、フレーム113のべース部11
3cには、図示の一対のピン114が固定されており、
これらのピン114により平行移動可能に案内される横
長溝109aが形成されたアーム109を横方向のX1
とX2方向に移動可能に支持している。
【0085】また、レバー118の他端にはガイドピン
111が固定されており、このガイドピン111がアー
ム109に設けられた長溝112に嵌合して、レバー1
18の動きをガイドピン111を介してアーム109に
伝達可能にしている。
【0086】一方、レバー118にはバネ軸120に支
持された戻しバネ119が設けられており、戻しバネ1
19の端部がそれぞれレバー118とフレーム113に
対して当接した状態になっており、図示の初期状態に戻
るようにしている。
【0087】また、上述のレバー118の開放位置であ
るヘッド107の初期位置を制限及び調整する解放側の
ストッパ116がベース部113cに設けられており、
雌ネジ部に対して螺合して、ストッパ116の回転によ
りストッパ116の端部をアーム109に対して当接さ
せてアーム109の初期位置を調整するように構成され
ている。
【0088】更に、フレーム113に固定された圧入側
ストッパ121(図12に示す)は同様にその突起量を
調整することにより、レバー118と当接したときのヘ
ッド107の圧入端である図17に図示される最下部の
E型止め輪2の位置を制御及び調整できるよう構成され
ている。
【0089】また、レバー118に固定されたガイドピ
ン111と同軸上に形成または固定されたドグ110
(図12に示した)は、図11の解放状態においては図
14のように略L字状の断面積形状をしたピンチ103
の上方に当接している。ピンチ103は後述するホルダ
105において支持されたピンチ軸104を支点とし
て、軸体の挿入開始状態を示す図15のZ1とZ2方向
に回動可能な構成となっており、解放状態では図14に
示されるようにホルダ105の回動可能な構成となって
おり、解放状態では図14に示されるようにホルダ10
5の一部に形成された保持部105bに保持されている
ピンチバネ106と、ピンチストッパー105cによっ
て支持されている。
【0090】このピンチ103の先端103aは図16
に示すようにホルダ105に形成されている案内部10
8の半径、即ち軸体の半径よりもやや小さい円弧状をし
ており、その厚さはE型止め輪2の厚さとほぼ等しい。
また、その両側にはE型止め輪を圧入したときにE型止
め輪2の先端部2aが当接する受面103bが形成され
ている。
【0091】ここで、ピンチ103を図15のZ2方向
に解放するための上述のピンチバネ106のバネ力は、
レバー118の解放時にドグ110がピンチ103を押
す力よりも僅かに大きくなっている。また、本実施例で
はドグ110をガイドピン111と同軸上に形成してい
るが、レバー117の一部に形成または固定されていれ
ばガイドピン111と同軸でなくても良い。一方、ピン
チバネ106は圧縮コイルバネ、板バネ、プランジャ、
ゴム、形状記憶材料などの弾性部材が使用可能である。
【0092】次に、アーム109にはヘッド107が固
定されており、このヘッド107は、図14に図示され
る軸体29に対してほぼ直角方向に移動可能に構成され
ている。図14は、工具の先端の一部分の断面図と、E
型止め輪を嵌合する軸体を示したものである。また、図
16は図14の底面図である。両図において、ヘッド1
07は略U字状の溝が形成されると共に、その底面には
U字状溝をまたがった略馬蹄形状であり、かつ横断面形
状が図14に示されるように略L字状のE型止め輪保持
部107aが形成されている。
【0093】一方、E型止め輪1の最下部に位置するE
型止め輪2は図14に示すごとく、保持部107aのE
型止め輪載置面107bにその底面の一部が保持された
状態で載置されるとともに、その後端はE型止め輪1を
一枚ずつに分離して、押圧する役目を持つ押圧面107
cに接している。
【0094】また、ホルダ105はフレーム113に固
定されており、E型止め輪1を圧入する溝部129aが
形成された軸体129の外周面129bを挿通して案内
する軸体ガイド108を有すると共に、圧入時に外周部
129bと当接して軸体129を支持する支持面105
aが設けられている。
【0095】さらに、ホルダ105の一部は上述のマガ
ジン113aとほぼ同じ略T字状の断面形状をしてお
り、マガジン113aから連続してE型止め輪1を保持
している。
【0096】次に、操作例について説明すると、図14
に示す挿入直前の状態において図12のカバー127と
グリップ128からなる一方の握り部と、レバー118
である他方の握り部の双方を把持した状態でレバーフッ
ク122を押してレバー118をR2方向に回動する
と、ドグ110はレバー軸117を支点として図15の
Y2方向に回動する。すると、ドグ110によってピン
チ103は軸104を支点として、Z1方向に回動して
軸体129の挿入が可能な状態となる。
【0097】この状態で本工具を下方に移動して、軸体
129の外周部129bをホルダ105の支持面105
aに案内して軸体129をホルダ105に形成された軸
体ガイド108に挿入する。
【0098】一方、軸体129の挿入が開始された時
に、レバー118を解放状態にすると、ピンチ先端10
3aはピンチバネ106のバネ力によって軸体外周部1
29bに当接する。軸体129は外周部129bとピン
チ103の先端103aを摺動しながら挿入されて溝部
129aがピンチ先端103aの位置まで挿入される
と、ピンチ先端103aはピンチバネ106のバネ力に
よって溝部129aの外周部に当接して挿入が停止さ
れ、最下部のE型止め輪2は溝部129aに正対する状
態になる。
【0099】この状態から、上述の双方の握り部を握る
ことによって、レバー軸117を支点としてレバー11
8はR1方向に回動する。この結果、レバー118の先
端のガイドピン111は、嵌合したアーム109にその
力が伝達される。このためにヘッド107は、アーム1
09を介して軸体129に対してほぼ直角に移動するの
で、最下部のE型止め輪2は、支持面105aによって
側面を支持された溝部129aに対して圧入嵌合される
こととなる。
【0100】この結果、図17に示されるようにレバー
118のドグ110は、Y1方向に回動してピンチ10
3から離れるが、溝部129aに圧入されたE型止め輪
2の先端部2aは図18に示すようにピンチ103の先
端103bと当接し、ピンチ103はピンチ軸104を
支点としてZ1方向に回動されて溝部129aから解放
される。
【0101】以上のようにして圧入が終了して、戻しバ
ネ119の力によってヘッド107がX2方向に後退す
ると、上フック123と下フック124に掛けられたプ
ッシャバネ125がプッシャ126が積層されたE型止
め輪1の上端を押して、最下部の唯一枚がヘッド107
に保持される。
【0102】以上の様に操作することによって、図15
の様に軸体129の上部がホルダ105に形成された軸
体ガイド108に一度挿入してからレバー118を解放
状態にすれば、E型止め輪2は溝部129aに対して容
易に位置決めされると共に、確実な圧入ができる。従っ
て、従来の手動工具のように圧入すべき嵌合溝を狙う必
要がないことから作業性が向上し、かつE型止め輪にキ
ズや変形を与えることのない品質の高い圧入が可能とな
る。
【0103】さらに、本工具を使用することによって一
人の作業者が図19(a)、(b)のように、軸体端部
の縁部から距離L分夫々離れた場所に形成された嵌合溝
129aを有する複数の軸体129に対してE型止め輪
を圧入する場合において、非常に便利なものとなる。ま
た図18(c)のように複数の嵌合溝129a、129
bを備える場合でも、工具の調整や交換を必要とするこ
となく柔軟に対応することができる。
【0104】また、図13はフレーム113の構成の要
部を示した外観斜視図であって、フレーム113をベー
ス113d,113c,113bと一体形成した様子を
示したものである。以上説明した通り、本実施例の止め
輪工具によれば、軸体に設けられた溝と圧入するE型止
め輪の位置決めを容易に行うことができ、作業者の経験
に左右されることなく初心者でも経験者と同じ作業時
間、かつE型止め輪にキズや変形のない高品質な圧入を
提供することができる。また、軸体の溝から上の長さが
異なった場合でも、工具の調整や交換を必要とせずに対
応することができる。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
軸体やE型止め輪やその他の部品に変形やキズを与える
ことなく、E型止め輪を圧入する軸体の嵌合溝に対する
相対的な位置決めを容易にすることで、作業性が良好
で、かつ短時間で容易にしかも初心者でもベテランと略
同じ作業時間内にE型止め輪を確実に圧入できるように
して、高い圧入品質が実現できる止め輪工具を提供でき
る。
【0106】
【0107】また、軸体の溝から上の長さが異なった場
合でも、工具の調整や交換を必要とせずに圧入できる止
め輪工具を提供することができる。
【0108】また、軸体やE型止め輪やその他の部品に
変形やキズを与えることなく、E型止め輪を圧入する軸
体の嵌合溝に対する相対的な位置決めを容易にでき、か
つE型止め輪を確実に圧入できるようにして、高い圧入
品質が実現できる止め輪工具を提供することができる。
【0109】また、軸体やE型止め輪やその他の部品に
変形やキズを与えることなく、E型止め輪を圧入する軸
体の嵌合溝が軸体の縁部から夫々異なった位置に形成さ
れている場合であっても、調整や交換なしで相対的な位
置決めを容易にでき、かつE型止め輪を確実に圧入でき
るようにして、高い圧入品質が実現できる止め輪工具を
提供することができる。
【0110】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の止め輪工具の平面図であ
る。
【図2】本発明の第1実施例の止め輪工具の平面図であ
る。
【図3】軸体と専用工具が待機位置にある様子を破断し
て示した要部断面図である。
【図4】軸体と専用工具が動作位置にある様子を破断し
て示した要部断面図である。
【図5】工具先端部位の底面図である。
【図6】工具先端部位の底面図である。
【図7】工具の要部の模式断面図である。
【図8】ヘッド7とE型止め輪2の寸法関係を示した要
部の模式断面図である。
【図9】他の実施例を示す専用工具の要部の断面図であ
る。
【図10】他の実施例を示す専用工具の要部の底面図で
ある。
【図11】本発明の第2実施例の止め輪工具の正面図で
ある。
【図12】本発明の第2実施例の止め輪工具の正面図で
ある。
【図13】フレーム113の外観斜視図である。
【図14】軸体と専用工具が待機位置にある様子を破断
して示した要部断面図である。
【図15】専用工具が軸体への挿入を開始した直後の様
子を破断して示した要部断面図である。
【図16】工具先端部位の底面図である。
【図17】E型止め輪の圧入を終了した様子を破断して
示した要部断面図である。
【図18】工具の要部の模式断面図である。
【図19】軸体の先端部寸法を示した外観図である。
【図20】2段の嵌合溝に対して嵌合する様子を示した
要部断面図である。
【図21】従来の専用工具の正面図である。
【図22】従来の位置決め方法を示した模式断面図であ
る。
【符号の説明】
1 E型止め輪 2 E型止め輪(唯一枚分) 4 ギア(被挿入部品) 7 ヘッド(作動手段) 7d 基準面 8 ホルダ(軸体保持手段) 8a 基準面 17 本体 103 ピンチ 107 ヘッド 109 アーム 110 ドグ 113 フレーム 114 ピン 118 レバー 129 軸体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B25B 27/20

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 E型止め輪を嵌合する嵌合溝を加工形成
    した軸体に対して所望の被挿入部品を挿入してからE型
    止め輪を前記嵌合溝に圧入して前記所望部品の抜け防止
    を図るために使用される止め輪工具において、 本体と、 該本体の長手方向に沿うように積み重ねられた状態で、
    複数のE型止め輪を着脱可能に収納する収納手段と、 該収納手段の開口端部から先頭の唯一枚のE型止め輪を
    分離してから前記嵌合溝に向けて移動して圧入する作動
    手段と、 該作動手段を前記軸体の軸芯に対して略直交するように
    案内する案内手段と、 前記軸体と前記被挿入部品に止め輪工具上に設けられた
    基準部位を当接することで、前記嵌合溝に対するE型止
    め輪の位置を定め、前記軸体の外周面を支持する支持面
    を有する軸体保持手段とを具備することを特徴とする止
    め輪工具。
  2. 【請求項2】 前記軸体保持手段は、前記軸体を前記案
    内手段に対して略直交するように保持するために、前記
    作動手段の移動方向に相対する位置において前記本体に
    固定されることを特徴とする請求項1に記載の止め輪工
    具。
  3. 【請求項3】 前記作動手段の底部において、前記嵌合
    溝から連続するとともに前記軸体に対する挿入状態にさ
    れた前記被挿入部材の側面部位に対して当接する第1基
    準面を形成することを特徴とする請求項1または2のい
    ずれかに記載の止め輪工具。
  4. 【請求項4】 前記軸体保持手段の端面部位において、
    前記嵌合溝から連続するとともに前記軸体に対する挿入
    状態にされた前記被挿入部材の側面部位に対して当接す
    る第2基準面を形成することを特徴とする請求項1に記
    載の止め輪工具。
  5. 【請求項5】 前記軸体保持手段は、前記軸体の外周面
    を案内する円形または多角形の一部をなす断面形状を形
    成した案内部と、該案内部において前記軸体の案内深さ
    を決定するための移動可能な位置決め部とを備えてな
    り、前記嵌合溝が前記作動手段に対向する位置に設定可
    能にすることを特徴とする請求項1に記載の止め輪工
    具。
  6. 【請求項6】 前記軸体保持手段の案内部と前記第1基
    準面、前記第2基準面または前記位置決め部の少なくと
    も一面の2点により前記軸体と前記軸体に対する挿入状
    態にされた前記被挿入部材とを保持して、E型止め輪を
    前記嵌合溝に圧入することを特徴とする請求項3乃至5
    のいずれか1項に記載の止め輪工具。
  7. 【請求項7】 E型止め輪を嵌合する嵌合溝を加工形成
    した軸体に対して所望の被挿入部品を挿入してから一方
    の握り部と他方の握り部を握ることによりE型止め輪を
    前記嵌合溝に圧入して前記所望部品の抜け防止を図るた
    めに使用される止め輪工具において、 本体と、 該本体の長手方向に沿うように積み重ねられた状態で、
    複数のE型止め輪を着脱可能に収納する収納手段と、 該収納手段の開口端部から先頭の唯一枚のE型止め輪を
    分離してから前記嵌合溝に向けて移動して圧入する作動
    手段と、 該作動手段を前記軸体の軸芯に対して略直交するように
    案内する案内手段と、 前記軸体を案内挿入しかつ前記軸体の外周面を受ける軸
    体案内手段と、 前記軸体案内手段を前記軸体に対して挿入案内する際
    に、前記嵌合溝に対して所定の付勢力により弾性的に係
    合してそれ以上の移動を規制すると共に、前記積み重ね
    られたE型止め輪の一枚と前記嵌合溝との間の相対的な
    位置決めを行う位置決め手段とを具備することを特徴と
    する止め輪工具。
  8. 【請求項8】 前記位置決め手段は、前記E型止め輪の
    圧入動作に連動して、前記E型止め輪で押圧されて前記
    嵌合溝から外れ、位置決めを解除するように構成するこ
    とを特徴とする請求項7に記載の止め輪工具。
  9. 【請求項9】 前記一方の握り部を握る方向とは逆方向
    に操作するための操作部を操作することによって、前記
    位置決め手段による前記相対的な位置決めの状態を任意
    に解除するように構成されていることを特徴とする請求
    項7に記載の止め輪工具。
  10. 【請求項10】 前記相対的な位置決めを行うために前
    記位置決め手段を前記嵌合溝に向けて常時付勢するため
    の第1の付勢部材の付勢力が、前記握り部を初期状態に
    移動付勢するための第2の付勢部材の付勢力よりも僅か
    に大きく設定されていることを特徴とする請求項7に記
    載の止め輪工具。
  11. 【請求項11】 E型止め輪を嵌合する嵌合溝を加工形
    成した軸体に対して所望の被挿入部品を挿入してから一
    方の握り部と他方の握り部を握ることによりE型止め輪
    を前記嵌合溝に圧入して前記所望部品の抜け防止を図る
    ために使用される止め輪工具において、 本体と、 該本体の長手方向に沿うように積み重ねられた状態で、
    複数のE型止め輪を着脱可能に収納する収納手段と、 該収納手段の開口端部から先頭の唯一枚のE型止め輪を
    分離してから前記嵌合溝に向けて移動して圧入する作動
    手段と、 該作動手段を前記軸体の軸芯に対して略直交するように
    案内する案内手段と、 前記軸体を案内挿入しかつ前記軸体の外周面を受ける軸
    体案内手段と、 前記軸体案内手段を前記軸体に対して挿入案内する際
    に、前記嵌合溝に対して係合してそれ以上の移動を規制
    すると共に、前記積み重ねられたE型止め輪の一枚と前
    記嵌合溝との間の相対的な位置決めを行う位置決め手段
    と、 前記相対的な位置決めを行うために前記位置決め手段を
    前記嵌合溝に向けて常時付勢するための第1の付勢部材
    の付勢力が、前記握り部を初期状態に移動付勢するため
    の第2の付勢部材の付勢力よりも僅かに大きく設定され
    た第1、第2の付勢部材とを具備し、 前記位置決め手段は、前記E型止め輪の圧入動作に連動
    して、前記E型止め輪で押圧されて前記嵌合溝から外
    れ、位置決めを解除し、かつ前記一方の握り部を握る方
    向とは逆方向に操作するための操作部を操作することに
    よって、前記位置決め手段による前記相対的な位置決め
    の状態を任意に解除するように構成することを特徴とす
    る止め輪工具。
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