JP2984307B2 - アルミニウム系酸化物、その成型体及びアルミニウム系酸化物の製法 - Google Patents

アルミニウム系酸化物、その成型体及びアルミニウム系酸化物の製法

Info

Publication number
JP2984307B2
JP2984307B2 JP2068273A JP6827390A JP2984307B2 JP 2984307 B2 JP2984307 B2 JP 2984307B2 JP 2068273 A JP2068273 A JP 2068273A JP 6827390 A JP6827390 A JP 6827390A JP 2984307 B2 JP2984307 B2 JP 2984307B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum
powder
oxide
amorphous
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2068273A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03271115A (ja
Inventor
明典 横山
勉 勝又
斉 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Kogyo KK filed Critical Asahi Kasei Kogyo KK
Priority to JP2068273A priority Critical patent/JP2984307B2/ja
Publication of JPH03271115A publication Critical patent/JPH03271115A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2984307B2 publication Critical patent/JP2984307B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は機械部品、電子回路基板やサーディップパッ
ケージ等の電子部品、触媒、触媒担体、センサー、吸着
剤、クロマト用充填剤に用いられるアルミニウム系酸化
物及びアルミニウム系酸化物を成型してなる成型体更に
はこの成型体を加熱処理して得られる成型体並びにアル
ミニウム系酸化物の製法に関する。
[従来の技術] 従来のアルミニウム系酸化物の成型体はアルミナ粉体
に有機化合物や無機化合物をバインダーとして添加して
成型され、機械部品や電子部品の場合は更に1400度以上
の高温で焼結処理を行って製造されている。(例えばア
ルミニウム基板の製法に関する日刊工業新聞、工業材
料、1987年11月別冊、51頁〜参照) 又、従来のアルミニウム酸化物粉体の製法としては、
バイヤー法により製造されたアルミナを粉砕する方法、
アルミニウム化合物から共沈法で得た水酸化アルミニウ
ムを強熱後、粉砕する方法、揮発性を有する特殊なアル
ミニウム化合物から気相で合成するCVD方法(反応気相
析出法)等がある。
従来のアルミニウム酸化物粉体から成型体を製造する
方法は、前述のように有機化合物や無機化合物をバイン
ダーとして添加して成型した後、1400度以上の高温で処
理する操作が必要である。一方、バインダーを用いない
で成型するには、1100度以上の高温での成型、ホットプ
レス等の手段によらなければならない。
一方、バイヤー法や水酸化アルミニウム強熱法などの
従来のアルミニウム酸化物の製造法は、有害な不純物の
除去が厄介であり、又、微粉砕の工程が複雑である。更
にこれらの方法で得られるアルミニウム酸化物は通常結
晶性となる。無定形のアルミニウム酸化物を得る方法と
してスパッタリング法はCVD法が知られているが、原料
の取扱や製法が複雑で面倒である。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、比較例低温で焼結できる新規なアルミニウ
ム系酸化物及びそれを用いる酸化アルミニウムの成形体
の製造法を提供しようとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、アルミニウム酸化物粉体から成形体を
製造する方法において、低温で成形体を製造することの
できる方法について鋭意検討した結果、微量のビスマス
成分を含有した組成を有する新規なアルミニウム系酸化
物粉体が有効であることを見出した。又、この粉体を製
造するには、微量の金属ビスマスを添加した金属アルミ
ニウムの融液を急冷凝固し、ついで、酸化すればよいこ
とを見出した。すなわち、本発明は、 (1)下記一般式で表わされる組成を有し、実質的に無
定形であるアルミニウム系酸化物。
一般式 Al1-p-q-rBipM1 qM2 rOs ただし、 M1はSi、P、B、Sb、Se、Te、Sn、Zn、In、Cr、Nb、
Sc、Y、Sr、Ba、Ca、Na、Li、Mg、Mn、W、Ti、Zr、H
f、Be及び希土類金属から選ばれた1種以上の元素、 M2はFe、Ni、Co、Rh、Re、Ru、Cu、Pbから選ばれた1
種以上の元素、 p、q、r、sは原子比であって、 0.0001≦p≦0.10、 0≦q≦0.1 0≦r≦0.01 1.2≦s<1.5 (2)アルミニウム系酸化物が平均粒径0.1〜100μmの
粉体であることを特徴とする上記(1)項記載の無定形
であるアルミニウム系酸化物。
(3)Al−Bi系合金のアモルファス酸化物と金属状態の
Al又はBiとからなるアルミニウム系金属組成物。
(4)下記一般式で表わされる組成を有し、アモルファ
ス酸化物と金属状態のAl又はBiからなるアルミニウム系
金属組成物。
一般式 Al1-p-q-rBipM1 qM2 rOs ただし、 M1はSi、P、B、Sb、Se、Te、Sn、Zn、In、Cr、Nb、
Sc、Y、Sr、Ba、Ca、Na、Li、Mg、Mn、W、Ti、Zr、H
f、Be及び希土類金属から選ばれた1種以上の元素、 M2はFe、Ni、Co、Rh、Re、Ru、Cu、Pbから選ばれた1
種以上の元素、 p、q、r、sは原子比であって、 0.0001≦p≦0.10、 0≦q≦0.1 0≦r≦0.01 1.2≦s<1.5 (5)アルミニウム系金属組成物が平均粒径0.1〜100μ
mの粉体であることを特徴とする上記(3)項又は
(4)項のアルミニウム系金属組成物。
(6)上記(1)〜(2)項記載の無定形であるアルミ
ニウム系酸化物又は上記(3)〜(5)項のアルミニウ
ム系金属組成物を成形してなることを特徴とする成形
体。
(7)下記一般式で表わされる組成を有する融液を急冷
凝固させ、ついで酸化することを特徴とする上記(1)
〜(5)項記載のアルミニウム系酸化物又はアルミニウ
ム系金属組成物の製法。
一般式 Al1-p-q-rBipM1 qM2 r ただし、 M1はSi、P、B、Sb、Se、Te、Sn、Zn、In、Cr、Nb、
Sc、Y、Sr、Ba、Ca、Na、Li、Mg、Mn、W、Ti、Zr、H
f、Be及び希土類金属から選ばれた1種以上の元素、 M2はFe、Ni、Co、Rh、Re、Ru、Cu、Pbから選ばれた1
種以上の元素、 p、q、rは原子比であって、 0.0001≦p≦0.10、 0≦q≦0.1 0≦r≦0.01 (8)上記(1)〜(2)項記載の無定形アルミニウム
系酸化物又は(3)〜(5)項記載のアルミニウム系金
属組成物を加熱処理したことを特徴とする結晶性アルミ
ニウム系酸化物。
(9)上記(6)項記載の成形体を加熱処理したことを
特徴とする結晶性アルミニウム酸化物の成型体。
前記組成においてpが0.0001未満では低温での成型が
困難であり、pが0.10を越えると電気絶縁性が低下して
くる。pの好ましい範囲は、0.001以上0.05以下であ
り、更に好ましい範囲は0.002以上0.02以下である。
M1、M2はなくてもよいが必要に応じて添加することも可
能である。しかし、qが0.1、rが0.01を越える量の場
合には電気絶縁性が低下する。
前記組成においてsの値は酸化条件によって異なる
が、低温での成型性から1.2≦s<1.5であり、1.3≦s
≦1.495が好ましく、1.4≦s≦1.49が更に好ましい。た
だし、sの値は測定時、試料に吸着、及び取り込まれた
水分に基づく酸素量を厳密に補正して計算される値であ
る。
本発明のアルミニウム酸化物粉体の製法として好まし
いのは、Al1-p-q-rBipM1 qM2 r(ただし、0.0001≦p≦0.
10、M1、M2は前記元素より選ばれた1種以上、0≦q≦
0.1、0≦r≦0.01、原子比)の組成からなる融液を急
冷凝固し、ついで酸化する方法である。原料のアルミニ
ウム及び金属ビスマス、M1、M2は少量の不純物を含んだ
ものであっても構わない。
急冷速度は103℃/秒以上が好ましく、104℃/秒以上
が更に好ましい。急冷凝固する方法てしてはガスアトマ
イズ法、高圧水アトマイズ法及び回転体に衝突させて急
冷させる方法、回転電極法及びガスアトマイズ法と回転
体に衝突させる方法の両者を組み合わせた方法等があ
る。ガスアトマイズ法に用いられるガスとしてはアルゴ
ン、ヘリウム、窒素等、本発明の融液と反応しないか、
もしくは反応性の低いガスが好ましいが、少量の酸素、
水分が含まれていても構わない。
ガスアトマイズ法は微量の金属ビスマス(必要に応じ
てM1、M2を添加)を添加した金属アルミニウムの混合融
液(以下本発明の融液と呼ぶ)をノズルから噴出し、高
速のガス流によりアトマイズ化して微粒子化し、急冷凝
固する方法である。低温かつ高速のガス流は、高圧ガス
を断熱膨脹させる方法、又は液化ガスを噴射させる方法
等により得ることができる。
高圧水アトマイズ法はノズルから噴出させた融液に向
って高圧の水を衝突させアトマイズ化し、急冷凝固する
方法である。
回転体に衝突させて急冷させる方法は、本発明の融液
をスリット状のノズルから流出させ、低温表面を有する
回転体上に供給させて急冷凝固させリボン状薄片を得る
方法である。この方法において使用する回転体として
は、好ましくは熱伝導性のよい金属等で作られたドラ
ム、ロール、円盤等の形状を有する回転体が使用でき
る。回転体の回転速度は本発明の融液の衝突位置で100
ないし100000m/minが好ましく、200ないし10000m/minが
更に好ましい。又、回転体の表面温度は200℃以下が好
ましく、100℃以下が更に好ましい。ガスアトマイズ法
と回転体に衝突させて急冷させる方法の両者を組み合わ
せた方法は、本発明の融液をノズルより噴出し、高速の
ガス流によりアトマイズ化して、該アトマイズ化された
液滴をただちに低温表面を有する回転体に衝突させ急冷
する方法である。
急冷凝固した本発明のアルミニウム系合金は、酸素含
有ガスと接触させることによって容易に酸化が進む。一
般にアルミニウムは酸素によって表面に強固な酸化皮膜
が形成されるため内部まで酸化が進まないが驚くべきこ
とに微量のビスマスを含む本発明のアルミニウム合金
は、低温においてさえ内部までアルミニウムの酸化が進
み実質的に無定形のアルミニウム系酸化物となる。
酸化に用いる酸素含有ガスとしては空気、酸素あるい
は酸素とアルゴンや窒素等の不活性ガスとの混合ガスが
ある。酸素含有ガスの酸素濃度には特に制限はないが、
簡便性からは空気が好ましい。酸素含有ガスと接触させ
る温度は常温でよいが、必要に応じて加熱して酸化を促
進させることも、冷却して酸化を緩やかに進行させるこ
とも可能である。又、少量の水分を含む酸素含有ガスを
用いると粉体化の速度を促進させることもできる。
本発明の融液を急冷凝固する方法により、一次的にリ
ボン状、粉砕片状の粉末等の凝固物が得られる。ついで
単に酸化するだけで、機械的粉砕なしでもリボン状、破
砕片状等の凝固物は粉体化するが、必要に応じてボール
ミルなどにより更に微粉化したり、粉体化に要する時間
を早めることもできる。
本発明のAl1-p-q-rBipM1 qM2 r融液においてpの値が0.
001以上では酸化により容易に粉体化が進むが、pの値
が0.002以上においては常温で空気中に放置するのみで
大きな表面積を有する平均粒径100μm以下の粉体とな
る。
本発明のアルミニウム系酸化物には、金属状態のビス
マス及び/又はアルミニウムが少量含まれていることが
好ましく、条件(温度、時間等)を適当に選ぶことによ
り達成することができる。金属状態のアルミニウム、又
はビスマスは各々0.1、0.02以下が電気絶縁性の面から
好ましい。
本発明のアルミニウム系酸化物は実質的に無定形であ
るが、高温で加熱処理することにより結晶質にすること
ができる。例えば700℃で8時間加熱すれば結晶性アル
ミナとなる。この加熱処理の際、不活性ガス中で行え
ば、一部の金属ビスマス及び/又は金属アルミニウムを
含む結晶性アルミナを製造することができる。
本発明のアルミニウム系酸化物粉体の平均粒径は走査
型電子顕微鏡により観測し、例えば100個の粒子の平均
値により求めることができる。本発明のアルミニウム系
酸化物成型体用粉体の平均粒径は100μm以下が好まし
い。平均粒径が100μmを越えると成型体の強度が低下
する。好ましくは0.1ないし30μmである。
本発明のアルミニウム系酸化物粉体から成型体を成型
する方法としては、加圧成型法、鋳込み成型法、ドクタ
ーブレード法、押出成型法、射出成型法等がある。成型
の際、樹脂等の公知のバインダーは加えなくてもよい
が、必要に応じて加えてもよい。
本発明の粉体を使用する場合、バインダーを用いなく
ても低温加熱下の加圧成型が行える。加熱温度は250℃
にないし700℃が好ましく、300ないし500℃が特に好ま
しい。加圧の圧力は100MPa(メガパスカル)以上が好ま
しく、500MPa以上が更に好ましい。この成型体はそのま
まで高い硬度と高い電気絶縁性を有しているが、ついで
700℃以上の高温で加熱することによって、更に優れた
強度、高度、電気絶縁性等を有する結晶性のアルミニウ
ム系酸化物の焼結成型体を得ることができる。
[実施例] 以下実施例及び比較例によって本発明を具体的に説明
する。
実施例1 金属アルミニウム粉(高純度化学製、純度99.9%以
上)17.6gと金属ビスマス(高純度化学製、純度99.9%
以上)0.48gをアーク炉中で溶解混合したのちノズル付
き石英管(ノズル径0.5mmφ)に充填し、高周波誘導加
熱により融解し、アルゴン雰囲気中で3000rpmで回転す
る常温の金属ロール(銅製、直径200mm、幅10mm)へ差
圧0.2kg/cm2で噴出した。得られたリボン状薄片を大気
中に常温で放置したところ、3時間後に粉化した。得ら
れた粉体を走査型電子顕微鏡で観察して求めた平均粒径
は15μmであった。
本発明のアルミニウム系酸化物の各組成の定量は(A
l、Bi、O)、ICP、熱天秤を用いて行った。まず、粉体
化前の重量を測定し、更に濃塩酸に一定量溶解し、その
液をICP(高周波誘導結合型プラズマ発光分析系)分析
を行いAl、Biの組成比を求めた。更に酸素含有気体中
(例えば空気中)に放置し粉体化させて得られる粉末を
300℃、1時間真空乾燥し、充分水分を取り除いた後、
溶剤を用いて一定量溶解し、ICPを用いて測定し、Al、B
iの残りより酸素量を求めた。
得られた粉末の組成比はAl0.9965Bi0.00351.41(原
子比)であった。X線回折測定の結果、若干の金属ビス
マス0.0001、金属アルミニウム0.0589の結晶が存在する
他は無定形であった。
実施例2 金属アルミニウム粉17.6gと金属ビスマス粉0.41gを実
施例1と同様にして混合、急冷凝固した。得られたリボ
ン状の凝固物を常温の大気中に2時間放置して粉化させ
た。粉体の平均粒径は17ミクロンであった。BET法(ビ
ーイーテー法)により、窒素を用いて求めた比表面積は
16m2/gであった。X線回折によれば、若干の金属ビスマ
ス0.0001と金属アルミニウム0.033の結晶以外は無定形
であった。粉体の組成はICPにより求めると、Al0.997Bi
0.0031.45(原子比)であった。
実施例3 金属アルミニウム粉17.6gと金属ビスマス粉0.27gを実
施例1と同様にして混合、急冷凝固した。得られたリボ
ン状の凝固物を大気中に一夜放置し、粉体化した。粉体
の平均粒径は20μm、組成Al0.998Bi0.0021.4(原子
比)であった。X線回折の結果は若干の金属ビスマス0.
0001と金属アルミニウム0.066の結晶以外は無定形であ
った。
実施例4 金属アルミニウム粉11gと金属ビスマス粉0.085gを実
施例1と同様にして混合、急冷凝固した。得られたリボ
ン状の凝固物を100℃の大気中に一夜放置し、粉体を得
た。粉体の平均粒径は30μm、組成はAl0.998Bi0.001
1.49であった。
実施例5 金属アルミニウム粉11gと金属ビスマス粉0.425gを実
施例1と同様にして混合、急冷凝固した。得られたリボ
ン状の凝固物を大気中に放置し、粉体にした。粉体の平
均粒径は10ミクロン、組成はAl0.995Bi0.0051.49(原
子比)であった。X線回折の結果、若干の金属ビスマス
0.0066の結晶以外は無定形であった。
実施例6 金属アルミニウム粉11gと金属ビスマス0.85gを実施例
1と同様にして混合、急冷凝固した。得られたリボン状
の凝固物を大気中に放置し、粉体にした。粉体の平均粒
径は10μm、組成はAl0.99Bi0.011.46(原子比)であ
った。X線回折の結果は若干の金属ビスマス0.0066の結
晶以外は無定形であった。
実施例7 金属アルミニウム粉11gと金属ビスマス粉0.2gを実施
例1と同様にして混合、急冷凝固した。得られたリボン
状の凝固物を大気中に放置し、粉体にした。粉体の平均
粒径は10μm、組成はAl0.9977Bi0.00231.49であっ
た。
実施例8 金属アルミニウム粉17.6gと金属ビスマス粉4.94gを実
施例1と同様にして混合、急冷凝固した。得られたリボ
ン状の凝固物を大気中に3時間放置し粉体化した。粉体
の平均粒径は8μm組成はAl0.965Bi0.0351.49(原子
比)であった。X線回折の結果、若干の金属ビスマス0.
0133の結晶以外は無定形であった。
実施例9 金属アルミニウム粉17.6gと金属ビスマス粉0.1gを実
施例12と同様にして混合、急冷凝固した。得られたリボ
ン状の凝固物を大気中に一夜放置したところ、リボン状
の一部が粉体化した。リボン状部分と粉体部分を混合後
組成を測定したところAl0.9993Bi0.00071.35であっ
た。
実施例10 実施例1の方法で調製したアルミニウム系酸化物粉体
100mgを、真空乾燥後、直径5mm、長さ50mmの穴のあるダ
イス(マルエージング鋼製)に充填し、室温で30分間、
真空引き(2×10-3Torr)した。ついで30分間で380℃
まで昇温し、900メガパスカルの圧を、10分間かけた。
真空引きしながら室温まで下げてから成型体を取り出し
た。成型体は直径5mm、厚さ1.5mmの円盤であった。荷重
100gで測定したビッカース硬度は318kgf/mm2であって。
JIS K 6911−1979 5.13節の規定に従って測定した電気
抵抗は1.1×1012Ω・cmであった。又、熱伝導率は0.25c
al/cm・s・℃であった。
実施例11 金属アルミニウム粉11gと金属ビスマス粉8.55gを実施
例1と同様にして混合、急冷凝固した。得られたリボン
状の凝固物を大気中に放置し、粉体にした。粉体の平均
粒型は10μmであった。組成はAl0.9Bi0.11.49(原子
比)であった。X線回折の結果、若干の金属ビスマス0.
0133の結晶以外は無定形であった。
実施例10に示された成型機を用いて同じ条件で成型し
た。成型体は硬度340kgf/mm2であった。又、電気抵抗は
5.6×1010Ω・cmであった。
実施例12 実施例2〜9で得られた粉体を実施例10に示された成
型機を用いて温度を250〜400℃、圧力500〜1000メガパ
スカルの範囲で成型した。ただし、実施例9の場合はリ
ボン状凝固物をボールミルを用いて平均粒径10μmに粉
砕したものを用いた。成型体はいずれも硬度300kgf/mm2
以上の強固な成型体であった。
実施例13 金属アルミニウム220gと金属ビスマス6gを混合し、石
英るつぼ(ノズル付き)にいれ、窒素雰囲気中で高周波
誘導加熱を用いて1100℃まで溶解した。この融液を窒素
大気圧下でノズルより10秒間で噴出した。同時にボンベ
入り窒素ガス(ボンベ圧150気圧)1.7NTPm3を噴出する
融液に向って周囲のノズルより噴出した。得られた粉体
を走査型電子顕微鏡で観察したところ、球状(平均35ミ
クロン)であった。この粉体を100℃で大気中に一昼夜
放置したところ平均粒径10μmに微粉化していた。この
微粉をX線回折したところ、若干の金属ビスマス0.002
と金属アルミニウム0.018の結晶以外は無定形であり、
又、組成はAl0.9965Bi0.00351.47(原子比)であっ
た。
実施例14 実施例8で成型した成型体を1000℃の温度で大気中で
焼成し、実施例8に記載されている方法によってビッカ
ース硬度と電気抵抗を測定したところ900kgf/mm2、1.5
×1014Ω・cmであった。
実施例15 実施例1と同様な方法によってAl0.994Bi0.005
0.001 1OSを製造した。M1はSi、B、Sn、Mnについて実施
した。得られたリボン状の凝固物を大気中に一昼夜放置
し、粉体にした。Sの測定値は1.45〜1.48の範囲であっ
た。この粉末を用いて実施例10に示された成型機を用い
て実施例10と同一条件で成型した。成型体はいずれも硬
度300kgf/mm2以上の強固な成型体であった。
実施例16 実施例1と同様な方法によってAl0.994Bi0.004Si
0.0010.001 を噴出した。M2はFe、Ni、Pbについて実
施した。得られたリボン状の凝固物を大気中に一昼夜放
置し、粉体化した。得られた粉末の組成はAl0.994Bi
0.004Si0.0010.001 2OSでs′は1.44〜1.49であった。
この粉体を用いて実施例10と同一条件で成型機を用いて
実施例10と同様にして成型した。成型体はいずれも硬度
が300kgf/mm2以上の強固な成型体であった。
比較例1 市販の酸化アルミニウム粉(2〜3ミクロンのα−ア
ルミナ、2〜3ミクロンのγ−アルミナ、純度は99.9%
以上)を用いて実施例8に示された成型機を用いて温度
400℃、圧力1000メガパスカルの条件で成型を試みた。
型から取り出した成型体は極めて崩壊しやすくビッカー
ス硬度を測定することすらできず、実質的に成型不可能
であった。
比較例2 金属ビスマスを加えず、金属アルミニウムだけを用い
て実施例1と同様にして急冷凝固し、アルミニウムのリ
ボン状薄片を得た。これを常温で大気中で一昼夜放置し
ても粉体化は起らなかった。又、X線回折の結果、金属
アルミニウムの状態であった。
この試料を500℃で3時間空気中で加熱しても粉体化
は全く起こらず、X線回折測定の結果、金属アルミニウ
ムの酸化はほとんど生じなかった。
比較例3 Al1-XMX(ただし、MはMo、Si、Pb、Zn、Sn、Mnより
選ばれた1種以上)で表わされx=0.005(原子比)の
組成の融液を用いて実施例1と同様にして急冷凝固しア
ルミニウム系合金のリボン状薄片を得た。これを常温で
大気中に一昼夜放置しても粉体化は全く起こらなかっ
た。又、X線回折の結果、金属アルミニウムの状態であ
り、アルミニウムの酸化はほとんど起こらなかった。
このようにアルミニウムが低温で酸化され、粉体化さ
れる現象はビスマスの添加だけに起こる特異的な現象で
ある。
[発明の効果] 本発明のアルミニウム系酸化物粉体は、バインダーを
使用しなくても低温成型が可能である。又、本発明のア
ルミニウム系酸化物粉体の製造法は特別な粉砕工程を経
なくても単に酸化するだけで容易に微細化された粉体が
得られる。更に、本発明のアルミニウム系酸化物及びそ
の粉体及び成型体は機械部品、電子部品、触媒等の原料
として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−88425(JP,A) 特開 昭58−49623(JP,A) 特開 昭59−52247(JP,A) 特開 昭61−222987(JP,A) 特開 昭56−55547(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01G 29/00 C04B 35/10 C22C 21/00 C22C 32/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式で表わされる組成を有し、実質
    的に無定形であるアルミニウム系酸化物。 一般式 Al1-p-q-rBipM1 qM2 rOs ただし、 M1はSi、P、B、Sb、Se、Te、Sn、Zn、In、Cr、Nb、S
    c、Y、Sr、Ba、Ca、Na、Li、Mg、Mn、W、Ti、Zr、H
    f、Be及び希土類金属から選ばれた1種以上の元素、 M2はFe、Ni、Co、Rh、Re、Ru、Cu、Pbから選ばれた1種
    以上の元素、 p、q、r、sは原子比であって、 0.0001≦p≦0.10、 0≦q≦0.1 0≦r≦0.01 1.2≦s<1.5
  2. 【請求項2】アルミニウム系酸化物が平均粒径0.1〜100
    μmの粉体であることを特徴とする上記請求項(1)記
    載の無定形であるアルミニウム系酸化物。
  3. 【請求項3】Al−Bi系合金のアモルファス酸化物と金属
    状態のAl又はBiとからなるアルミニウム系金属組成物。
  4. 【請求項4】下記一般式で表わされる組成を有し、アモ
    ルファス酸化物と金属状態のAl又はBiからなるアルミニ
    ウム系金属組成物。 一般式 Al1-p-q-rBipM1 qM2 rOs ただし、 M1はSi、P、B、Sb、Se、Te、Sn、Zn、In、Cr、Nb、S
    c、Y、Sr、Ba、Ca、Na、Li、Mg、Mn、W、Ti、Zr、H
    f、Be及び希土類金属から選ばれた1種以上の元素、 M2はFe、Ni、Co、Rh、Re、Ru、Cu、Pbから選ばれた1種
    以上の元素、 p、q、r、sは原子比であって、 0.0001≦p≦0.10、 0≦q≦0.1 0≦r≦0.01 1.2≦s<1.5
  5. 【請求項5】アルミニウム系金属組成物が平均粒径0.1
    〜100μmの粉体であることを特徴とする請求項(3)
    又は(4)のアルミニウム系金属組成物。
  6. 【請求項6】請求項(1)〜(2)記載の無定形である
    アルミニウム系酸化物又は請求項(3)〜(5)のアル
    ミニウム系金属組成物を成形してなることを特徴とする
    成形体。
  7. 【請求項7】下記一般式で表わされる組成を有する融液
    を急冷凝固させ、ついで酸化することを特徴とする上記
    請求項(1)〜(5)記載のアルミニウム系酸化物又は
    アルミニウム系金属組成物の製法。 一般式 Al1-p-q-rBipM1 qM2 r ただし、 M1はSi、P、B、Sb、Se、Te、Sn、Zn、In、Cr、Nb、S
    c、Y、Sr、Ba、Ca、Na、Li、Mg、Mn、W、Ti、Zr、H
    f、Be及び希土類金属から選ばれた1種以上の元素、 M2はFe、Ni、Co、Rh、Re、Ru、Cu、Pbから選ばれた1種
    以上の元素、 p、q、rは原子比であって、 0.0001≦p≦0.10、 0≦q≦0.1 0≦r≦0.01
  8. 【請求項8】上記請求項(1)〜(2)記載の無定形ア
    ルミニウム系酸化物又は請求項(3)〜(5)記載のア
    ルミニウム系金属組成物を加熱処理したことを特徴とす
    る結晶性アルミニウム系酸化物。
  9. 【請求項9】上記請求項(6)記載の成形体を加熱処理
    したことを特徴とする結晶性アルミニウム酸化物の成型
    体。
JP2068273A 1990-03-20 1990-03-20 アルミニウム系酸化物、その成型体及びアルミニウム系酸化物の製法 Expired - Fee Related JP2984307B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2068273A JP2984307B2 (ja) 1990-03-20 1990-03-20 アルミニウム系酸化物、その成型体及びアルミニウム系酸化物の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2068273A JP2984307B2 (ja) 1990-03-20 1990-03-20 アルミニウム系酸化物、その成型体及びアルミニウム系酸化物の製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03271115A JPH03271115A (ja) 1991-12-03
JP2984307B2 true JP2984307B2 (ja) 1999-11-29

Family

ID=13368987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2068273A Expired - Fee Related JP2984307B2 (ja) 1990-03-20 1990-03-20 アルミニウム系酸化物、その成型体及びアルミニウム系酸化物の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2984307B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69009473T2 (de) * 1990-03-27 1995-01-12 Asahi Chemical Ind Auf aluminium basierende oxide, formkörper daraus und die herstellung derartiger oxide.
US7056853B2 (en) * 2003-02-05 2006-06-06 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Oxide ceramic material, ceramic substrate employing the same, ceramic laminate device, and power amplifier module

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03271115A (ja) 1991-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR950001661B1 (ko) 알루미늄계 산화물, 그의 성형품 및 알루미늄계 산화물의 제조방법
KR102490248B1 (ko) 분말 야금 스퍼터링 표적 및 그의 생성 방법
JP5191620B2 (ja) 希土類永久磁石合金の製造方法
EP1263004B1 (en) Method for manufacturing magnetic metal powder, and magnetic metal powder
JP6242828B2 (ja) 磁気熱量素子の製造方法、及びそれによって得られる磁気熱量素子
CN112143926B (zh) 一种含铝合金粉体的制备方法及其应用及一种合金条带
JP2004100000A (ja) 珪化鉄スパッタリングターゲット及びその製造方法
KR20230098581A (ko) 합금 분말 및 이의 제조방법과 용도
JP2001155913A (ja) ナノコンポジット磁石粉末および磁石の製造方法
US6869461B2 (en) Fine powder of metallic copper and process for producing the same
JPS6289803A (ja) 硬質合金物品製造用チタン基硬質合金粒子の調製方法
JPH02196010A (ja) アルミニウム窒化物の製法
JP2984307B2 (ja) アルミニウム系酸化物、その成型体及びアルミニウム系酸化物の製法
JP3604308B2 (ja) ナノコンポジット磁石用原料合金、その粉末および製造方法、ならびにナノコンポジット磁石粉末および磁石の製造方法
JP4332982B2 (ja) 鉄基合金磁石の製造方法
EP0615952B1 (en) Method for preparing composite ultrafine particles of aluminum nitride and rare earth nitride
JP2556970B2 (ja) 熱電材料の製造方法
JPH0288425A (ja) アルミニウム系酸化物粉体、成形体、及び粉体の製法
JPH0455314A (ja) α―アルミナ粉末の製造法
JP2003059708A (ja) ナノコンポジット磁石粉末および磁石の製造方法
JP2006169559A (ja) 銅合金微粒子とその製造方法
JPH04362105A (ja) 金属間化合物微粉末の製造方法
CA2056382C (en) Aluminum-containing oxide, its molded article, and process for producing aluminum-containing oxide
Cho et al. Synthesis of nickel and copper nanopowders by plasma arc evaporation
JPH0582319A (ja) 永久磁石

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees