JP2982980B2 - トンネル用裏込め注入材 - Google Patents
トンネル用裏込め注入材Info
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- Lining And Supports For Tunnels (AREA)
Description
ド工法等において発生するテールボイドに充填する裏込
め注入材に関するものである。
でリング状に組み立てられるシールドセグメントと地山
との間に生じるテールボイドを裏込め注入材料の充填に
よって補うもので、迅速かつ確実に充填されることによ
って地山の緩みや崩壊による地盤沈下を防止することが
でき、また遮水性を保つことによって地山からトンネル
坑内への漏水を抑制することが可能となる。
廉で、作業性及び注入特性に優れたものが好ましい。す
なわち、裏込め注入材には次のような性質が要求され
る。 流動性に富み、ブリージングが少なく長距離圧送が可
能なこと。 充填時に地下水による希釈が少ないこと。 充填後、早期に地山相当の強度が得られること。 硬化後、体積減少が少なく透水性が小さいこと。 無公害で安価なこと。
プラントからセグメント注入孔までポンプによりパイプ
圧送されテールボイドに充填される。図5において、1
は立坑、2は地山、3は切羽、4はシールド機械、5は
推進ジャッキ、6はテールボイド、7はセグメント、8
は裏込め材、9はホース、10はモルタルミキサー、1
1はA液圧送用ポンプ、12はB液タンク、13はB液
圧送用ポンプを示す。
溶液Aという)は、早期に地山相当の強度を得るため及
び地下水による希釈を避けるため等の理由でセグメント
注入孔付近で水ガラス溶液(以下溶液Bという)と混合
撹拌されることが多い。
す地上プラントからセグメント注入孔までの溶液Aの圧
送距離が長くなった場合、経時後の材料粘度の増加及び
経時後の材料分離等に伴うパイプ詰まりが問題となっ
た。また、パイプ内の清掃が、これらの原因により苦渋
する場合があった。
Aと溶液Bとの混合撹拌後、その硬化反応時間が遅いた
め地下水により希釈されること、あるいは相反して硬化
反応時間が早いためテールボイド内の注入孔付近で固結
体を形成し、テールボイド全体に充填できないこと等に
よって確実で完全なテールボイドへの充填ができなかっ
たことも問題となった。
改善するために提案されたもので、その目的は、製紙工
場および再生紙製造工場等から排出される製紙スラッジ
から生成した微細繊維物質(以下PMFと呼ぶ)を硬化
材のセメント及び水と混練りすることにより長距離圧送
可能なスラリーとし、また、このスラリーと水ガラス溶
液とを混合撹拌することにより充填後の地下水による希
釈をなくし、チキソトロピー性に優れた裏込め注入材を
提供することにある。
は、溶液Aのパイプ圧送性の改善と溶液Bとの混合撹拌
後のテールボイド内への完全充填を達成するところにあ
り、前者については、経時後の材料粘度の増加及び材料
分離を抑制することが、また後者については、早期にゲ
ル化し地下水による希釈がなく、しかもテールボイドの
隅々までゆきわたるようにすることにある。
め、本発明は、1m3あたりの配合がセメント300〜
400kgf 、製紙スラッジから生成した微細繊維物質2
00〜400kgf 及び水600〜750kgf とを混練り
したスラリーと、これに水ガラス溶液100〜150kg
f とを混合してトンネル用裏込め注入材としたものであ
る。
より、長距離圧送可能なチキソトロピカルな性質を保持
した安価で地下水に希釈されない、充填性の良い裏込め
注入材を得ることができ、溶液Aのパイプ圧送時及び溶
液Bとの混合撹拌後テールボイドへの充填時の悪影響を
回避することが可能となる。
お、実施例は一つの例示であって、本発明の精神を逸脱
しない範囲で、種々の変更あるいは改良を行い得ること
は言うまでもない。
現材とし、これにPMF及び水を混練りし、長距離圧送
可能なスラリーとして、これに水ガラス溶液を添加混合
し、チキソトロピカル(可塑状ゲル)な性質を保持させ
たものである。
の中間のゲル状をいい、指で押せば簡単に変形し、力を
除去したとき元の形状に復元しないような性質を意味
し、この性質は、上述のセメント、PMF及び水との混
合スラリーに水ガラス溶液を混合してゲル化させること
により生起するものである。
たスラリー(溶液A)に、水ガラス溶液(溶液B)を混
合して種々の実験を行ったところ図1〜図4に示すごと
き結果を得た。
量比(水セメント比W/C)とPMFの添加量に対する
ブリージング率及び見かけ粘度の関係を表したもので、
横軸にPMF添加量、縦軸にブリージング率と初期粘度
をとってある。水(W)セメント(C)比W/Cに関わ
らずPMFの添加量を増すほどブリージング率が小さく
なっており、材料分離が生じ難くなることが分かった。
しかも、水セメント比W/Cが小さくなると見かけ粘度
の増大が懸念されるが、本発明の溶液Aは水セメント比
W/Cが小さくなっても長距離圧送可能な粘性を示し流
動性に富んでいることが分かった。
化を示したもので、横軸に経時粘度、縦軸に見かけ粘度
をとってある。約8時間を経過すると、勾配が非常に緩
やかになり、長時間にわたって固結せず圧送可能な流動
性を有していることが分かった。したがって、このよう
な結果から溶液Aは長距離圧送性に極めて優れているこ
とが分かった。
により生成するゲル状物質の可塑状態の経時変化を示し
たもので、横軸に時間、縦軸に一軸圧縮強度をとってあ
る。これによると、約30分を経ても可塑状態を保って
おり、チキソトロピー性に富んでいることが分かった。
したがって、充填時のテールボイド内では地下水による
希釈や固結による詰まりがないことが分かった。
する一軸圧縮強度を示したもので、横軸に材令、縦軸に
一軸圧縮強度をとってある。材令初期に強度の増加率が
大きいことから、裏込め注入の目的の一つである地山の
緩みや崩壊の早期対応が可能であることが分かった。
あるが、一般に裏込め注入材は強度として3〜5kgf /
cm2 程度の地山相当の強度でよく、本発明の裏込め注
入材はこれを十分満足していることが分かった。しか
も、強度がでているということは止水性についても期待
でき、地山からトンネル坑内への漏水の抑制が可能とな
る。一般に裏込め注入材の透水性は、セメントの水和反
応並びに水ガラス溶液とセメントの水和によって生じる
Ca(OH)2 との化学反応等によって生成する化合物
によって決まり、本発明の裏込め注入材には、この化合
物の結合を助長する形でPMFの微細繊維物質の作用、
すなわち微細繊維がこれら化合物の結合力を強固にする
作用が存在する。本発明の裏込め注入材の透水係数は極
めて小さく、その値は10-7cm/sec 程度であった。
す。この配合例は、ひとつの例示であり、材料その他に
より本発明の精神を逸脱しない範囲で変更、改良を行い
得ることは可能である。
Aにおける水、セメント及びPMFの合計は1m3 であ
り、溶液Bにおけるケイ酸ソーダ(水ガラス溶液)及び
水の合計は0.1m3 である。
f 未満になると、単位体積当りの水量が多くなりブリー
ジング率が大きくなる。その結果、材料分離を起こし均
一なA液としてパイプ圧送ができなく、また強度が低下
する。400kgf を超過すると、単位体積当りの水量が
少なくなり、粘性度が高くなる。その結果、パイプ詰ま
りを起こし長距離圧送ができない。
0kgf 未満になると、単位体積当りの水量が多くなりブ
リージング率が大きくなる。その結果、材料分離を起こ
し均一なA液としてパイプ圧送ができない。400kgf
を超過すると、単位体積当りの水量が少なくなり、粘性
度が高くなり、その結果、パイプ詰まりを起こし長距離
圧送ができない。
単位体積当りの水分量が少なくなり粘性度が高くなり、
その結果、パイプ詰まりを起こし長距離圧送ができな
い。750kgf を超過すると、単位体積当りの水分量が
多くなりブリージング率が大きくなり、材料分離を起こ
し均一なA液としてパイプ圧送ができない。
になると、A液とB液が均一に混ざらない。150kgf
を超過すると、ゲルタイムが長くなり、水に希釈されや
すい。
紙スラッジから生成した微細繊維物質と、水とを混練り
することによって、スラリーとして長距離圧送が可能と
なること、及び水ガラス溶液と混合することによって、
充填後の地下水による希釈をなくすことができる等の効
果を有する。
験結果及び粘性特性試験結果を表す。
結果を表す。
示す。
Claims (1)
- 【請求項1】 1m3あたりの配合がセメント300〜
400kgf 、製紙スラッジから生成した微細繊維物質2
00〜400kgf 及び水600〜750kgfとを混練り
したスラリーと、これに水ガラス溶液100〜150kg
f とを混合してなることを特徴とするトンネル用裏込め
注入材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3109712A JP2982980B2 (ja) | 1991-04-15 | 1991-04-15 | トンネル用裏込め注入材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3109712A JP2982980B2 (ja) | 1991-04-15 | 1991-04-15 | トンネル用裏込め注入材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05321578A JPH05321578A (ja) | 1993-12-07 |
JP2982980B2 true JP2982980B2 (ja) | 1999-11-29 |
Family
ID=14517311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3109712A Expired - Lifetime JP2982980B2 (ja) | 1991-04-15 | 1991-04-15 | トンネル用裏込め注入材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2982980B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7050188B1 (ja) * | 2021-01-12 | 2022-04-07 | 日本シビックコンサルタント株式会社 | トンネルの裏込め材注入方法及び装置、裏込め材 |
CN114961789B (zh) | 2022-05-26 | 2023-03-24 | 北方矿业有限责任公司 | 一种含水层中斜坡道掘进分段注浆方法 |
JP7289968B1 (ja) * | 2022-06-30 | 2023-06-12 | 日本シビックコンサルタント株式会社 | 裏込め材注入方法及び装置、裏込め材 |
-
1991
- 1991-04-15 JP JP3109712A patent/JP2982980B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05321578A (ja) | 1993-12-07 |
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