JP2981741B1 - 戻しスクリュー付き多重板型スクリュープレス濾過装置 - Google Patents

戻しスクリュー付き多重板型スクリュープレス濾過装置

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JP2981741B1
JP2981741B1 JP10164351A JP16435198A JP2981741B1 JP 2981741 B1 JP2981741 B1 JP 2981741B1 JP 10164351 A JP10164351 A JP 10164351A JP 16435198 A JP16435198 A JP 16435198A JP 2981741 B1 JP2981741 B1 JP 2981741B1
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Abstract

【要約】 【課題】 多重板型スクリュープレス濾過装置で出口側
の処理済ケーキの排出を適切に制御しようとする。 【解決手段】 多数の環状固定プレート11と、多数の
環状可動プレート12との、各微小の濾過用間隙を置い
た交互重畳配列からなる濾過筒2を、処理原水受け入れ
用の入口室1と処理済ケーキ排出用の出口室3との間に
設置し、前記入口室内から始まって前記濾過筒の全長を
貫通する主スクリュー5を配置するとともに、前記可動
プレートを揺動させる機構13を設け、出口室内におい
て、主スクリューと同軸且つ対向的に配置され主スクリ
ューと逆方向にケーキを押動するための戻しスクリュー
6を付設した多重板型スクリュープレス濾過装置であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は汚泥その他の懸濁物
を含む処理原水を濾過して濾液と脱水ケーキとに分離す
る多重板型スクリュープレス濾過装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の多重板型スクリュープレス濾過装
置としては、例えば特公昭63─65364号(特許第
1520106号)公報に記載されたような、スクリュ
ー貫通型濾過筒設置方式が存在する。この方式の濾過装
置は、ドラム内の両端部を除く実質的範囲において、筒
内から筒外へ半径方向に処理原水を濾過するための濾過
筒を設置するとともに、前記実質的範囲におけるドラム
周面に多数の透孔を配設し、さらに前記濾過筒を貫通す
るスクリューをドラム全長に渡り配置して、前記ドラム
内の両端部を処理原水の入口室、及び脱水ケーキの出口
室として用いるようにしたものである。濾過筒における
濾過通路は、この筒を構成する環状固定プレートと環状
可動プレートとの交互配列におけるプレート間の微小間
隙によって形成される。
【0003】上記の構成において、濾過筒内に導入され
た処理原水はスクリューにより推進されて出口室に向か
うが、最初導入時における処理原水相は前方に障害物が
ないため、濾過筒下半部での自重による濾過のみで脱水
不十分なまま出口室に達する。この状態は暫く続き、濾
過筒全体で効果的に濾過されるためには出口室が処理相
(濾過筒導入後、脱水が始まりケーキ化するまでの処理
原水相を、すべてこう呼ぶこととする。)で満たされる
とともに徐々にケーキ排出速度が遅くなって、それら処
理相がスクリューにより圧搾されるという一種の平衡状
態を待たなければならない。
【0004】そこで、従来は例えば特公昭63─653
65号(特許第1520107号)公報に記載されたよ
うな、出口制御弁を用いるのが一般的であった。この制
御弁は、出口室内においてスクリュー軸に嵌合した弁体
を配置し、これを濾過筒出口部のスクリュー翼端に向か
ってバネ支持したものである。したがって、濾過筒内へ
の処理原水の最初導入時、弁体はバネ圧力によって濾過
筒出口部を塞ぐ位置にあるが、この部分に処理相が充満
し、その圧力がバネ圧力を上回ったとき始めて開放する
ものである。しかしながら、この制御弁方式においてバ
ネ圧力及び弁開放間隔は設定値に従い、弁動作は“閉”
又は“開”のいずれかという二者択一的であるため、処
理相の状態に対応した制御を行うことは困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、多重
板型スクリュープレス濾過装置において、開閉制御とな
らない出口制御であって、処理相の状態に対応した制御
を行うことが可能な出口制御の機構を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、本発明は、a)多数の環状固定プレートと、前記固
定プレートの開口径より僅かに大きい開口径を有しその
口径差に応じた振幅において同一面内で揺動することが
できる多数の環状可動プレートとの、各微小の濾過用間
隙を置いた交互重畳配列からなり、前記固定プレートの
開口列によって固定的な筒状空間を画成した濾過筒を、
処理原水受け入れ用の入口室と処理済ケーキ排出用の出
口室との間に設置し、 b)前記入口室内から始まり、前記濾過筒の筒状空間の
全長を貫通した主スクリューを配置するとともに、この
主スクリューの回転により前記可動プレートを揺動させ
る機構を設けたことにより、前記入口室から濾過筒内に
受け入れた処理原水を前記出口室に向けて押圧・推進
し、前記可動プレートの揺動により各プレート間の前記
濾過用間隙を常時再生するようにしたスクリュープレス
濾過装置であって、 c)前記出口室内において、主スクリューと逆方向にケ
ーキを押動するために、主スクリュー軸と同軸線上にお
いて逆回転駆動される制御用シャフトに取り付けられ
た、主スクリューと同一螺旋方向の戻しスクリューを付
設したことを特徴とする。
【0007】上記の構成によれば、出口室に達した処理
相(ケーキ)は戻しスクリューにより濾過筒内に押し戻
そうとする力を受け、この力と背圧との関係において出
口室から排出されることになる。当然ながら、主スクリ
ューに対して戻しスクリューの回転速度を早めれば押し
戻し力は強くなり、主スクリューの回転速度に対応した
制御が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施例における多重板型スクリュープレス濾過装
置につき説明する。
【0009】本発明のスクリュープレス濾過装置の実施
例は、図1に示すとおり、右より入口室1、濾過筒2及
び出口室3が連設され、濾過筒2内の筒状空間4には主
スクリュー5が貫通し、入口室1から出口室3まで本濾
過装置のほぼ全長に渡って延びるスクリューシャフト5
aに支持されている。入口室1の上部には処理原水を受
け入れるための入口孔1aが形成され、出口室3の下部
には出口孔3aが形成されている。スクリューシャフト
5aは、濾過筒2から出口室3に入った直後で終わる主
スクリュー5に対応した主先端縁5bを有し、ここから
細径の先端軸5cを形成している。この先端軸5cは、
出口室3の外端壁3bに軸受け支持された第2シャフト
6aの開口軸孔6b中に回転自在に支持される。第2シ
ャフト6aは本発明に従って形成された戻しスクリュー
6を支持している。この実施例において、戻しスクリュ
ー6は主スクリュー5と同一の螺旋方向においてやや短
いピッチを有するとともに、逆方向に回転して処理相を
押し戻し駆動するものである。互いに対向した両スクリ
ュー5、6における先端縁の回転軌跡は、主スクリュー
シャフトの主先端縁5bを挟んで一定の間隔を有する。
【0010】濾過筒2の入口端板7a及び出口端板7b
は、それぞれ入口室1及び出口室3との境界を成し、出
口端板7bの濾過筒2に整合した開口からは、濾過筒内
壁の延長部をなす後端筒8が突設される。後端筒8は戻
しスクリュー6に嵌合し、その周囲を規制することによ
り処理済ケーキへの実質的な押し戻し力の発生を助け、
外端壁3bに達する上端から後方に戻るように斜めに形
成された開口9より、通り抜けたケーキを出口孔3aに
向かって落下させるものである。
【0011】濾過筒2は入口端板7a及び出口端板7b
間に架設された、例えば4本の支持棒10(図2)等に
より固定された多数の環状固定プレート11と、それら
の固定プレートの中心開口径より僅かに大きい中心開口
径を有する多数の環状可動プレート12との、各濾過用
微小間隙を置いた交互重畳配列からなり、可動プレート
12は後述のカム機構により固定プレート11との口径
差に応じた振幅において同一面内で揺動することができ
る。この場合、全固定プレート11の開口列によって前
述した筒状空間4を画成し、可動プレート12はその揺
動によって筒状空間4の内周面を狭めることはない。従
ってスクリュー5の外縁はこの内周面に嵌合し、連続回
転することができる。
【0012】スクリューシャフト5、6の各外端は入口
室1及び出口室3の各外端板1b及び3bに設置された
軸受に支持され、入口室外端板1bの軸受から突出した
主スクリューシャフト5aの外端は歯車列13により、
また出口室3bの軸受から突出した戻しスクリューシャ
フト6aの外端は歯車14により互いに逆方向に駆動さ
れるとともに、前者(5a)は歯車列13により別の回
転軸15と連動するようになっている。図2を参照して
明らかな通り、回転軸15は、濾過装置の下部において
外端板1b及び出口端板7b間に延びて、濾過筒2の範
囲内の直径を細めるとともに、その細径部15’の周面
において軸方向に突起したカムキー16を有する。
【0013】固定プレート11は濾過筒2の外周面を形
成する外周と、前述した筒状空間4を規定する開口とを
有する完全円環板であって前記4本の支持棒10に貫通
・支持され、各プレート11は同じく支持棒10に貫通
・支持された小円板からなるスペーサ17により相互間
隔を維持される。一方、可動プレート12は、スペーサ
17を余裕をもって囲む凹部18を形成した、固定プレ
ート11よりやや小さい外周と、固定プレート11の開
口(筒状空間4)よりやや大きい直径の開口19を有す
る円環板であり、その上下部分に上部孔20a及び下部
孔20bをそれぞれ形成し、上部孔20aには支点棒2
1を遊嵌させ、下部孔20bには前述した回転軸15の
中間細径部15’を嵌合させたものである。細径部1
5’が貫通する各固定プレート11の下部孔は図1から
明らかな通り、カムキー16の円軌跡に対応するか、そ
れ以上の大きさの直径を有することにより固定状態にお
いて細径部15’、従って回転軸15の回転を許容する
が、各可動プレート12の前述した下部孔20bは細径
部15’の本体直径にカムキー16の突起寸法を加えた
大きさより僅かに大きい直径しか有しないため、カムキ
ー16の回動に伴いカム駆動されて偏心回転し、上部孔
20aを貫通した支点棒21を支点として可動プレート
12自体を主として上下に揺動させる。
【0014】次ぎに、図2のII−II矢視線に従い且つ拡
大して描かれた部分断面図である図3を参照して明らか
な通り、凹部18内のスペーサ17は2枚の固定プレー
ト11、11間の間隔を設定する厚さ、この場合可動プ
レート12の厚さより僅かに大きい厚さを有することに
より、プレート10、11間に微小の濾過間隙を形成
し、かくして多数枚のプレート11、12の配列からな
る濾過筒2(図1)が完成する。
【0015】以上述べた第1実施例の構造において、主
スクリューシャフト5aが駆動されると、歯車列13に
より回転軸15も同時に回転し、カムキー16が回動す
ることにより、前記の通り可動プレート12の下部孔2
0b(図2参照)は偏心回動し、これに伴って可動プレ
ート12の全体は上部孔20aが支点棒21の周りに遊
動できる範囲において揺動する。この場合、カムキー1
6の高さは固定プレート11と可動プレート12との内
径差に等しく設定され、小孔20aの内径と支点棒21
の直径との差もほぼこれと等しく設定されるため、可動
プレート12の開口19は図2に示す最下位状態におい
ては上縁が固定プレート11の開口、即ち濾過筒2内周
面の上端と一致し、回転軸15が半回転した最上位状態
においては下縁が固定プレート10の開口、即ち濾過筒
2内周面の下端と一致し、回転軸15の1回転中におい
て濾過筒内周面4の内側に侵入することはない。
【0016】入口孔1aから導入された処理原水は、入
口室1内においてスクリュー5に推進され、停滞するこ
となく濾過筒2内に供給される。濾過筒2内において主
スクリュー5により推進力を受ける処理原水は、徐々に
圧搾され、前述した可動プレート12の揺動によりプレ
ート11、12間において常時(摺動的に)再生される
濾過間隙を通じて放射状に水分を濾過され、外周より脱
水される。出口室3に達した処理相は、主スクリューと
同一の螺旋方向において逆方向に回転する戻しスクリュ
ー6により適度な押し戻し力を受ける。処理相は処理開
始時には後方からの押圧力が増大するまでその位置に停
滞してさらに脱水を進めるか、少しずつしか戻しスクリ
ュー6を通り抜けられない。しかし、やがて後方からの
押圧力が増大すると、好ましくは回転を停止した戻しス
クリュー6が形成する案内通路を経て常時一定量のケー
キが通り抜け、出口孔に向かって落下する。この結果、
出口孔3aからは含水率が十分に低下したケーキを排出
することができる。
【0017】戻しスクリュー6のための駆動歯車14
は、歯車列13と伝動連結されてもよいが、単独のモー
タ(図示せず)で制御可能に駆動されるようにすれば、
戻しスクリュー6を処理原水の濃度や流量に応じて主ス
クリューとは無関係に制御することができる。
【0018】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明は多重板型濾過
筒の出口側に戻しスクリューを設けたので、処理済ケー
キの排出状態を適当に制御し、運転時間を通じて濾過筒
内での脱水を十分に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した多重板型スクリュープレス濾
過装置の実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1のI−I矢視断面図である。
【図3】図2のII−II矢視部分断面図である。
【符号の説明】
1 入口室 2 濾過筒 3 出口室 4 筒状空間 5 主スクリュー 5a 主スクリューシャフト 5b 主先端縁 6 戻しスクリュー 6a 戻しスクリューシャフト 7a 入口端板 7b 出口端板 8 後端筒 9 開口 10 支持棒 11 固定プレート 12 可動プレート 13 歯車列 14 歯車 15 回転軸 16 カムキー 17 スペーサ 18 凹部 19 可動プレートの開口 20a 上部孔 20b 下部孔 21 支点棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 33/11 B30B 9/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)多数の環状固定プレートと、前記固
    定プレートの開口径より僅かに大きい開口径を有しその
    口径差に応じた振幅において同一面内で揺動することが
    できる多数の環状可動プレートとの、各微小の濾過用間
    隙を置いた交互重畳配列からなり、前記固定プレートの
    開口列によって固定的な筒状空間を画成した濾過筒を、
    処理原水受け入れ用の入口室と処理済ケーキ排出用の出
    口室との間に設置し、 b)前記入口室内から始まり、前記濾過筒の筒状空間の
    全長を貫通した主スクリューを配置するとともに、この
    主スクリューの回転により前記可動プレートを揺動させ
    る機構を設けたことにより、前記入口室から濾過筒内に
    受け入れた処理原水を前記出口室に向けて押圧・推進
    し、前記可動プレートの揺動により各プレート間の前記
    濾過用間隙を常時再生するようにしたスクリュープレス
    濾過装置であって、 c)前記出口室内において、主スクリューと逆方向にケ
    ーキを押動するために、主スクリュー軸と同軸線上にお
    いて逆回転駆動される制御用シャフトに取り付けられ
    た、主スクリューと同一螺旋方向の戻しスクリューを付
    設したことを特徴とする多重板型スクリュープレス濾過
    装置。
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