JP2981689B2 - 高強度Al2 O3 −SiC複合焼結体及びその製造方法 - Google Patents

高強度Al2 O3 −SiC複合焼結体及びその製造方法

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明廣 澤口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常圧焼結により製造さ
れた高強度Al2 3 −SiC複合焼結体とその製造方
法に関するもので、電気的特性及び機械的特性に優れ、
特に半導体基板材料として好適な絶縁体である。
【0002】
【従来の技術】Al2 3 は、絶縁体としての電気的特
性に優れるとともに良好な機械的特性、化学的安定性、
耐熱性等を有するため、半導体基板材料や耐摩耗材料お
よび耐熱材料として広く使用されている。しかし、脆性
材料のため強度は不十分であり、その改良が強く望まれ
てきたところである。たとえば、電子部品の小型化に伴
う基板の薄肉化やコンピューター用基板の大型化が進む
なかで、強度改良に対する要望は非常に強いものがあ
る。
【0003】Al2 3 の強度を向上させる手段とし
て、破壊源となる欠陥を小さくする試みがなされている
が、高いコストのプロセスとなるため実用的ではなかっ
た。一方、TiCやTiN粒子をAl2 3 中に分散強
化する方法があるが、これらの粒子は電気伝導性を有し
ており、そのため電気絶縁性を低下させてしまう。ま
た、ZrO2 粒子を分散強化する方法があるが、熱伝導
性を低下させる欠点があることが知られている。
【0004】さらに、特開昭64−87552号公報に
はSiC粒子がα−Al2 3 粒子内に分散したSiC
−Al2 3 複合焼結体について開示されているが、こ
の複合焼結体を得るためにホットプレスが用いられてお
り、電子部品に応用することは著しく困難である。ま
た、SiCは半導性を示すことが良く知られているが、
SiC−Al2 3 複合焼結体の電気絶縁性については
未だ十分に明らかではなかった。
【0005】したがって、電気絶縁性や高熱伝導性を損
なうことなく常圧焼結によって高強度のAl2 3 焼結
体を得る技術は未だ十分なものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題を解決し、常圧焼結により高強度Al2 3 −SiC
複合焼結体を提供することを目的としたものであり、希
土類酸化物を添加することにより電気絶縁性に優れた高
強度Al2 3 −SiC複合焼結体及びその製造方法を
提供することにある。
【0007】すなわち、本発明は希土類酸化物を0.1
〜5wt%、SiCを2〜10wt%含有し、残部がA
2 3 からなる混合物を常圧焼結常圧焼結することに
より得られる高強度Al2 3 −SiC複合焼結体であ
る。
【0008】また、製造方法は、Al2 3 粉末にSi
C粉末を2〜10wt%添加し、さらに焼結助剤として
希土類酸化物形成化合物を希土類酸化物として0.1〜
5wt%添加して得た混合粉末を調製し、成形した後、
不活性雰囲気または真空中で1350〜1750℃で常
圧焼結することを特徴とするものである。
【0009】本発明で得られる高強度Al2 3 −Si
C複合焼結体は、添加した希土類酸化物が焼結助剤とし
て働くため、絶縁体としての電気的特性を損なうことな
く常圧での焼結が可能になり、その結果、機械的および
電気的特性に優れた複合焼結体を得ることができ、これ
は半導体基板等に応用ができる。
【0010】
【課題を解決するための手段】以下、本発明の高強度A
2 3 −SiC複合焼結体について詳しく説明する。
Al2 3 −SiC複合焼結体へのSiC粉末の添加量
は、2〜10wt%であり、2wt%以下では強度向上
に対する寄与が少なく、一方、10wt%を越えると焼
結密度及び絶縁性が低下する。
【0011】Al2 3 −SiC複合焼結体への希土類
酸化物の添加量は0.1〜5wt%、好ましくは0.3
〜3wt%である。焼結体への希土類酸化物の添加量が
0.3wt%以下では焼結促進の効果が少なく、一方、
5wt%を越えても0.1〜5wt%の含有量で得られ
る以上の焼結促進の効果を示さない。
【0012】本発明において、希土類酸化物が焼結促進
の効果を示す理由は明らかではないが、Al2 3 と希
土類酸化物が焼結時に液相を生じることにより焼結促進
され、その結果、高密度が達成されるものと考えられ
る。
【0013】したがって、希土類酸化物の中でも焼結温
度近くで液相を生じるY2 3 、Yb2 3 、Er2
3 、Ho2 3 、La2 3 、Nd2 3 、Pr
2 3 、CeO2 、Eu2 3 、Sm2 3 等がより好
ましいが、必ずしも上記の酸化物に限定されない。
【0014】次に、本発明のAl2 3 −SiC複合焼
結体の製造方法について詳しく説明する。本発明に用い
ることができるAl23 粉末は、常圧焼結が可能な粉
末であればα型でもγ型等の中間アルミナでもあるいは
その混合物でも良いが、低温焼結が可能な平均粒径1μ
m 以下の微粒粉末が好ましい。
【0015】また、高い寸法精度が要求されるIC基板
等の原料粉末としては、成形密度が高く焼結時の収縮が
少ないα−Al2 3 粉末が好ましい。
【0016】常圧焼結するためにはSiC粉末は平均粒
径が1μm 以下が好ましいが、その結晶型はα型でもβ
型でもどちらでも良い。
【0017】本発明において使用し得る希土類酸化物
は、酸化物またはこれら希土類金属の水酸化物あるいは
金属塩等で、焼結過程において分解して酸化物を形成す
るものであれば良い。
【0018】本発明において、Al2 3 粉末、SiC
粉末および希土類酸化物形成化合物を均質に混合し、有
機バインダーや分散剤等の成形助剤を必要に応じて添加
した後、テープキャスティング、乾式プレス、スリップ
キャスティングまたは射出成形等の方法により成形する
ことができる。
【0019】このようにして得た成形体は、必要に応じ
て接合や機械加工さらには脱バインダー処理を行った
後、不活性雰囲気または真空中で昇温し、1350〜1
750℃の温度で常圧焼結を行う。焼結温度が1350
℃以下では高密度焼結体を得ることは困難であり、一
方、1750℃を越える温度の場合、Al2 3 粒子が
粒成長し強度が低下することがある。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、Al2 3 粉末にSi
C粉末および希土類酸化物形成化合物を添加して常圧焼
結により機械的特性および電気的特性に優れたAl2
3 −SiC複合焼結体を得ることができ、半導体基板材
料等の電子部材の用途に最適な材料としてその工業的価
値は極めて大なるものがある。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるもの
ではない。なお、得られた焼結体は下記の方法で測定を
行った。 密度 :水を用いたアルキメデス法 曲げ強度 :株式会社島津製作所製 オ−トグラフ DSS−500 試料寸法 35(長さ)×4(幅)×3(厚み)mm スパン 30mm 歪速度 0.5mm/min 破壊靭性値 :株式会社明石製作所製 マイクロビッカース硬度計 AVK −C2 IM法(Indentation Microfractu re Method) 荷重 1000g 電気抵抗測定:横河ヒュ−レットパッカ−ド株式会社製 インピ−ダンスア ナライザ− 4192A 2端子法 誘電率測定 :横河ヒュ−レットパッカ−ド株式会社製 インピ−ダンスア ナライザ− 4192A 2端子法(1MHZ)
【0022】実施例1 純度99.99%、平均粒径0.4μm のα−Al2
3(住友化学工業株式会社製 AKP−30)95.5
gに平均粒径0.3μm のβ−SiC(イビデン株式会
社製 ベーターPランダムウルトラファイン)を4gと
平均粒径2.6μm の酸化イットリウム(日本イットリ
ウム株式会社製)0.5gとを混合し、さらに蒸留水1
00gを加えてボールミルにより20時間混合した。得
られた混合物を80℃にて乾燥、解砕した後、100メ
ッシュのふるいを通して混合粉末を得た。得られた混合
粉末を29.4MPaの成形圧力で50×35×4mm
の形状に一軸プレス後に147MPaの成形圧力で静水
圧プレスを行い、成形体を作製した。この成形体を窒素
雰囲気下で300℃/hrの昇温速度で1600℃まで加
熱し、2時間保持して常圧焼結した。得られた焼結体の
密度は3.95g/cm3 で3点曲げ強度が950MP
a、IM法により測定した破壊靭性値(K1C)は4.6
MPa0.5 であった。また、上記と同じ方法で15
(径)×2mmの成形体を作製し、同じ条件で焼成した焼
結体を用いて電気的特性を測定した。その結果、体積固
有抵抗は1013Ω・cmであり、比誘電率は10であっ
た。得られた結果を表1に示す。
【0023】実施例2〜7 実施例1で用いたものと同じα−Al2 3 粉末、Si
C粉末および酸化イットリウム粉末を用い、表1に示す
条件で実施例1と同様にして焼結体を作製し、諸特性を
測定した。得られた結果を表1に示す。
【0024】比較例1 実施例1で用いたものと同じα−Al2 3 粉末96g
にβ−SiCを4g混合し、蒸留水100gを加えてボ
ールミルにより20時間混合した後、実施例1と同様に
して焼結体を得た。得られた焼結体の密度は3.70g
/cm3 で3点曲げ強度が280MPaであった。
【0025】比較例2〜6 実施例1で用いたものと同じα−Al2 3 粉末、Si
C粉末および酸化イットリウム粉末を用い、表1に示す
条件で実施例1と同様にして焼結体を作製し、諸特性を
測定した。得られた結果を表1に示す。
【0026】表1 (注)──:測定不能
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中根 堅次 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株 式会社内 (56)参考文献 特開 平2−83252(JP,A) 特開 昭60−210571(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】希土類酸化物を0.1〜5wt%、SiC
    を2〜10wt%含有し、残部がAl2 3 からなる混
    合物を常圧焼結することにより得られる高強度Al2
    3 −SiC複合焼結体。
  2. 【請求項2】Al2 3 粉末にSiC粉末を2〜10w
    t%添加し、さらに焼結助剤として希土類酸化物形成化
    合物を希土類酸化物として0.1〜5wt%添加して得
    た混合粉末を調製し、成形した後、不活性雰囲気または
    真空中で1350〜1750℃で常圧焼結することを特
    徴とする請求項1記載の高強度Al2 3 −SiC複合
    焼結体の製造方法。
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