JP2979113B2 - プレハブ壁筋およびその組立方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、耐力壁、地中連続壁等
の厚みのある鉄筋コンクリート壁の配筋をプレハブで行
うプレハブ壁筋およびその組立方法に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】厚みのある鉄筋コンクリート壁の従来の
配筋は、図７に示すように、横筋１と縦筋２との格子体
相互を壁の厚さ方向に拘束する剪断補強筋３は、左右端
を折り曲げたフック３ａを設けたものであり、これは１
本ずつ短い単品として形成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように剪断補強筋
３が１本ずつ短い単品として形成されているので、その
数量が多くなり、組立の作業工程も多く、多くの人手が
必要である。

【０００４】そして、前記壁筋を床にて先行地組する場
合、剪断補強筋３だけでは手際よく配筋できないために
別に「ウマ」とよぶ何らかの治具が必要であった。

【０００５】さらに、前記のごとく剪断補強筋３が短い
単品であるため、多くの結束個所が必要であり、作業治
具の種類によっては治具と鉄筋との結束も必要であり、
結束個所が非常に多くなる。

【０００６】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、組立における作業性がよく、結束個所も低減するの
で人工数が大幅に削減でき、治具も簡単で数量も少ない
ものでよいプレハブ壁筋およびその組立方法を提供する
ことにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、プレハブ壁筋としては、相互間隔を存する横
筋に壁を厚さ方向に拘束する稲妻型剪断補強筋を沿わ
せ、この稲妻型剪断補強筋の両側の屈曲部をそれぞれ相
互の横筋より外側に突出させ、各屈曲部内であって前記
横筋よりも外側に該横筋と直交する縦筋を収め、これら
稲妻型剪断補強筋・横筋・縦筋を一緒に結束したことを
要旨とするものである。

【０００８】また、プレハブ壁筋の組立方法としては、
稲妻型剪断補強筋を立て起こした状態で設置し、この稲
妻型剪断補強筋の谷に縦筋を落とし込んで並べ、この縦
筋の上に横筋を稲妻型剪断補強筋の列に沿って落とし込
み、該稲妻型剪断補強筋の谷部で稲妻型剪断補強筋・横
筋・縦筋を一緒に結束し、上側の横筋を稲妻型剪断補強
筋の列に沿って落とし込み、上側の縦筋を上側横筋の上
部に稲妻型剪断補強筋の横から一本ずつ差し込み、上側
の横筋と上側の縦筋を同時に持ち上げて、稲妻型剪断補
強筋の山部内部において、稲妻型剪断補強筋・縦筋・横
筋を一緒に結束することを要旨とするものである。

【０００９】

【作用】本発明によれば、稲妻型剪断補強筋は単品でな
く連続性のあるものなので、結束個所の低減、加工にか
かる人工数の低減になる。

【００１０】また、稲妻型剪断補強筋を立て起こした状
態で設置するための端部仮止め材は必要であるが、この
仮止め材は従来の作業用治具より簡単で数量も少なくて
すむ。

【００１１】

【実施例】以下、図面について本発明の実施例を詳細に
説明する。図１は本発明のプレハブ壁筋の１実施例を示
す平面図で、前記従来例を示す図７と同じく、横筋１と
縦筋２との格子体相互は壁を厚さ方向に間隔を存して配
置される。

【００１２】そして、本発明では壁を厚さ方向に拘束す
る剪断補強筋は波形もしくはジグザグに連続的に形成し
た稲妻型剪断補強筋４をこれら平行する横筋１，１に沿
わせ、その際、この稲妻型剪断補強筋４の山部、谷部を
なす両側の屈曲部５をそれぞれ相互の横筋１より外側に
突出させる。

【００１３】また、この屈曲部５内であって前記横筋１
よりも外側に横筋１と直交する縦筋２を収め、これら稲
妻型剪断補強筋・横筋・縦筋を一緒に結束したものであ
る。なお、縦筋２の間隔は横筋１同士では稲妻型剪断補
強筋４の山の１／２ピッチずつずれることになる。

【００１４】次に、このようなプレハブ壁筋の組立方法
について説明する。図２〜図５は組立の工程を示す側面
図であるが、床において配筋作業を行う場合である。

【００１５】図２に示すように稲妻型剪断補強筋４の端
部に立て起こし用仮止材６を結合し、この稲妻型剪断補
強筋４を必要段立て起こした状態で設置する。

【００１６】次いで、図３に示すように、この稲妻型剪
断補強筋４の谷に下側の縦筋２ａを落とし込んで並べ、
この下側の縦筋２ａの上に下側の横筋１ａを稲妻型剪断
補強筋４の列に沿って落とし込み、稲妻型剪断補強筋４
の谷部において稲妻型剪断補強筋４・下側の横筋１ａお
よび下側の縦筋２ａを結束線７で一緒に結束する。

【００１７】それから図４に示すように、上側の横筋１
ｂを稲妻型剪断補強筋４の列に沿って落とし込み、上側
の縦筋２ｂを前記上側の横筋１ｂの上部に載せるように
して稲妻型剪断補強筋４の山部内の横から一本ずつ差し
込む。

【００１８】この状態で図５に示すように、上側の横筋
１ｂと上側の縦筋２ｂを同時に持ち上げて、稲妻型剪断
補強筋４の山部内の最上位置で、稲妻型剪断補強筋４・
上側の縦筋２ｂ・上側の横筋１ｂを一緒に結束線７で結
束する。

【００１９】なお、このようなプレハブ壁筋のパネル間
ジョイントは、図６に示すように外側に横筋８ａと縦筋
８ｂによる鉄筋メッシュ８を配置し、この横筋８ａを下
側の横筋１ａや上側の横筋１ｂ同士に重ね継手で必要継
手長掛け渡すものとすればよい。

【００２０】

【発明の効果】以上述べたように本発明のプレハブ壁筋
およびその組立方法は、組立における作業性がよく、結
束個所も低減するので人工数が大幅に削減でき、治具も
簡単で数量も少ないものでよいので、安価ですむもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のプレハブ壁筋の１実施例を示す平面図
である。

【図２】本発明のプレハブ壁筋の組立方法の１実施例を
示す第１工程の側面図である。

【図３】本発明のプレハブ壁筋の組立方法の１実施例を
示す第２工程の側面図である。

【図４】本発明のプレハブ壁筋の組立方法の１実施例を
示す第３工程の側面図である。

【図５】本発明のプレハブ壁筋の組立方法の１実施例を
示す第４工程の側面図である。

【図６】本発明のプレハブ壁筋のパネル間ジョイント部
の平面図である。

【図７】従来例を示す平面図である。

【符号の説明】 １…横筋 １ａ…下側の横
筋 １ｂ…上側の横筋 ２…縦筋 ２ａ…下側の縦筋 ２ｂ…上側の縦
筋 ３…剪断補強筋 ３ａ…フック ４…稲妻型剪断補強筋 ５…屈曲部 ６…仮止材 ７…結束線 ８…鉄筋メッシュ ８ａ…横筋 ８ｂ…縦筋

フロントページの続き (72)発明者 阿部 達也 東京都港区元赤坂一丁目２番７号 鹿島 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 昭47−40926（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) E04C 5/00 - 5/20 E04G 21/12

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 相互間隔を存する横筋に壁を厚さ方向に
   拘束する稲妻型剪断補強筋を沿わせ、この稲妻型剪断補
   強筋の両側の屈曲部をそれぞれ相互の横筋より外側に突
   出させ、各屈曲部内であって前記横筋よりも外側に該横
   筋と直交する縦筋を収め、これら稲妻型剪断補強筋・横
   筋・縦筋を一緒に結束したことを特徴とするプレハブ壁
   筋。
2. 【請求項２】 稲妻型剪断補強筋を立て起こした状態で
   設置し、この稲妻型剪断補強筋の谷に縦筋を落とし込ん
   で並べ、この縦筋の上に横筋を稲妻型剪断補強筋の列に
   沿って落とし込み、該稲妻型剪断補強筋の谷部で稲妻型
   剪断補強筋・横筋・縦筋を一緒に結束し、上側の横筋を
   稲妻型剪断補強筋の列に沿って落とし込み、上側の縦筋
   を上側横筋の上部に稲妻型剪断補強筋の横から一本ずつ
   差し込み、上側の横筋と上側の縦筋を同時に持ち上げ
   て、稲妻型剪断補強筋の山部内部において、稲妻型剪断
   補強筋・縦筋・横筋を一緒に結束することを特徴とする
   プレハブ壁筋の組立方法。