JP2978434B2 - 発電所の復水系における濾過器の更新方法 - Google Patents

発電所の復水系における濾過器の更新方法

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JP2978434B2 JP8003133A JP313396A JP2978434B2 JP 2978434 B2 JP2978434 B2 JP 2978434B2 JP 8003133 A JP8003133 A JP 8003133A JP 313396 A JP313396 A JP 313396A JP 2978434 B2 JP2978434 B2 JP 2978434B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、力あるいは原子
力発電所の復水系において復水脱塩装置に前置される濾
過装置に関し、設のプレコートフィルタを装備してい
る火力発電所プラント等の濾過装置の濾過器を、運用上
有利な濾過器に変更する更新方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、例えば火力発電所貫流プラント
では、タービンを駆動させた蒸気を復水器で水に戻して
ボイラーに再供給する復水系において、ボイラーに悪影
響を及ぼす不純物をイオン交換樹脂で取り除くために復
水脱塩装置が設けられると共に、このイオン交換樹脂の
表面に懸濁物質が付着してイオン交換能力が低下するの
を防止する目的で懸濁物質除去用の濾過装置が設置され
ている。
【0003】復水脱塩装置に前置される上記濾過装置の
濾過器としては、プレコートフィルタかあるいは電磁フ
ィルタが用いられ、このうちの電磁フィルタは懸濁物質
の殆どが鉄等の磁性体であることからこれを磁気的に液
中から分離するようにした方式のものであるが、設備的
なコストが嵩み特に既設設備を変更する場合は多額の費
用を要するという問題がある。このため、円筒形の多孔
質エレメントの表面に懸濁物質濾過用の濾過剤をコーテ
ィングする構造のプレコートフィルタが濾過器として従
来から多く用いられている。
【0004】図6は、復水系の復水脱塩装置に前置され
る一般的なプレコートフィルタ型の濾過装置の構成概要
の一例を示したものであり、復水器(図示せず)で蒸気
から水とされた復水は復水回収タンク100から、復水
ポンプ102により復水ライン101を通じて復水フィ
ルタ(濾過装置)103に通水され、濾過剤をエレメン
ト104の表面にプレコート保持させた濾過器により懸
濁物質(主に鉄分)を除去した後、処理水ライン105
から復水処理水タンク106に送られ、更に後段の復水
脱塩装置(図示せず)に送水されるようになっている。
そして、この設備には、プレコート濾過剤のプレコート
装置が付帯されている。すなわちこのプレコート装置
は、プレコート時においてプレコート戻りライン107
からプレコートタンク108に戻る循環流にのせて新し
い濾過剤をプレコートポンプ109で上記エレメント1
04表面に供給するようになっている。また、濾過剤を
上記エレメント104表面に保持させておく必要から常
に通水しておかなければならず、このために処理水を上
記復水ポンプ102の上流側に戻す循環系路110が設
けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにプレコー
トフィルタを濾過器として用いる方式では、定期的なプ
レコート操作が必要であるため、これに伴ってプレコー
ト装置、及び排水の処理設備が不可欠である他、定期的
なエレメントの洗浄,交換も必要であり、更に運転操作
上の問題として、エレメント上で濾過剤を保持するため
通水が常に必要であることや、プレコート処理に要する
時間が必ずしも短くないために休止時間が長くなるとい
う欠点があり、その改善が求められている。
【0006】ところで、一般に濾過器としては濾過剤保
持のための通水が不要でかつ交換だけで即時的な再稼働
ができる特徴をもったいわゆる使い捨てタイプのカート
リッジフィルタが知られており、上記プレコートフィル
タや電磁フィルタにないこれらの利点が生かされれば上
記復水系の濾過器として適していると言える。しかし、
カートリッジフィルタは懸濁物質除去能力が低く、特に
運転寿命が短いという大きな欠点があるため、工業的に
は長期間の連続稼働が求められる火力発電所貫流プラン
トなどの復水系に用いる濾過装置用の濾過器としては適
当でなく、従来採用されることはなかった。
【0007】本発明者は以上のような従来の問題点に鑑
み、カートリッジフィルタがもつ濾過剤保持のための通
水が不要であることや交換による即時的再稼働が可能と
いう利点を得つつ、しかもプレコートフィルタが有する
優れた濾過性能、濾過膜寿命を満足できる濾過器、特に
火力発電所貫流プラントの復水系に用いる濾過装置用の
濾過器として好適な新規濾過器を開発すべく鋭意研究を
進めた。
【0008】そしてその過程で、カートリッジフィルタ
に分類されるプリーツ型濾過器は、平板状濾過シートを
ひだ状に折畳みかつ全体を筒状に形成したプリーツ型濾
過体を備えていて、この濾過体は、中心の集水用コア側
に面して懸濁物質を濾過する作用を有する濾過膜からな
る第2層と、筒外側に面して懸濁物質に対する濾過作用
が実質的にない目の粗い不織布(以下「粗目不織布」と
略称する場合がる)の第1層と、濾過膜裏面側の通水
性を担保するための例えば目の粗い不織布(以下「裏面
粗目不織布」と略称する場合がる)からなる第3層と
の積層構造をなすものであり、その濾過面積は軸方向寸
法を一定とすれば、径方向寸法であるプリーツの折り量
(幅)と折り山数で与えられるから、折り量を大きくす
るか、あるいは折り山数を多くすることで濾過能力の向
上特に膜寿命を延長できる可能性があることに着目して
詳細に検討した。
【0009】しかし、折り量を大きくすることはフィル
タモジュルの径寸法が大径化し、このカートリッジフィ
ルターを1塔あたり数十〜数百設置する火力発電所プラ
ントの復水系では濾過装置の塔が大幅に大型になるとい
う問題があって適当でなく、特に既設設備のプレコート
フィルタをこれに交換することには既設設備容積の制約
の点から採用できないという問題がある。一方、折り山
数を多くすればカートリッジの容積増大を招くことなく
濾過膜面積を大きくできるが、しかしこの方法では、濾
過面積は見かけ上増大するものの、実際には、単純に折
り山数を多くしてもひだが放射状に折り重ねられている
プリーツの特に筒状内縁部分で通水不良が起って実有効
濾過面が小さくなってしまい、結果的に稼働寿命の延長
効果は得られないという問題が知見される。従って単純
に折り量や折り山数を増すことでは上記課題は解決され
ない。
【0010】本発明者は、これらのことから、従来のプ
リーツ型濾過器における折り山数を増すことにより濾過
面積の増大を図りながら、折り山数の増加に伴ってプリ
ーツ内縁部分で発生することがある通水不良の領域を可
及的に小さくする方法を検討して本発明をなすに至った
ものである。
【0011】すなわち、従来一般の外径が150mm程
度、折り山数が90前後のプリーツ型カートリッジフィ
ルタでは、筒状のプリーツ型濾過体において前置スクリ
ーン的な機能をはたしている積層第1層のプレフィルタ
とも言えるメルトブローン(なおこれは従来「マイクロ
スパンボンド」,「スパンボンド」と称されているもの
と同じものである)からなる粗目不織布層は、濾過膜へ
の均等通水を確保するスペーサ機能及び第2層の濾過膜
表面に生成されたケーキ層を保持・固定する機能とをは
たしていると考えられるが、層厚の影響については特に
研究されていなかった。しかし、他の構成を変更せずに
折り山数を100ないしそれを越す程度まで多くする
と、上述のようにプリーツの特に内縁部分で急に通水不
良の領域が拡大する傾向を招き、これがメルトブローン
の厚みと相関していることを見出すに至ったのである。
【0012】かかる知見に基づいて本発明はなされたも
のであって、その目的は、プレコートフィルタでは必要
な常時の通水が不要で、かつ交換による即時的な再稼働
可能という操作上の利便性を満足しながら、優れた濾過
性能、濾過膜寿命を満足できるカートリッジフィルター
を提供するところにある。
【0013】また、本発明の別の目的は、このカートリ
ッジフィルターを火力発電所プラントなどの発電所にお
ける復水系の復水脱塩装置前置の濾過器として用いるこ
とで、構造が簡易でかつ安価な復水系設備を実現できる
濾過装置を提供するところにある。
【0014】更にまた本発明の別の目的は、プレコート
フィルタを設備している既設の火力発電所プラントなど
の復水系に交換して採用できて、しかも容易な交換作業
を可能としたカートリッジフィルタを提供するところに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
の濾過器の更新方法特徴は、復水脱塩装置前置の濾過
器としてプレコートフィルタを備えている既設発電所の
復水系において、中心部の縦筒状の集水用コアと、この
集水用コアの周囲に配置されて平板状の濾過シートを径
方向にひだ状に折畳んで筒状としたプリーツ型濾過体と
を備え、該濾過体を構成する濾過シートが、筒外側から
内側に通る被処理水中の懸濁物質に対する濾過作用が実
質的にない目の粗い不織布からなる第1層と、懸濁物質
に対する濾過作用を有する濾過膜からなる第2層と、該
濾過膜を通った透過側の通水性を担保する第3層との積
層構造に設けられ、かつ自然状態においてその全厚みが
上記平均折畳みピッチの1/2よりも薄いと共に、以下
の〜の構成を有するプリーツ型カートリッジフィル
タを、上記プレコートフィルタに代えて装着するところ
にある。
【0016】上記において濾過体の筒状の内縁側の折目
部分における筒周方向のひだ状の平均折畳みピッチは、
大きくなると折りひだ数が少なくなって濾過面積が小さ
くなるため寿命を短縮するという傾向があり2.5mm
を越えると工業的に利用する際の利益が少なく、また反
対に平均折畳みピッチが1.2mm未満であると濾過材
が薄くなるため製造上の困難さを伴うという理由で適当
でない。このため上記範囲とされる。
【0017】また粗目不織布からなる第1層の厚みは、
200μm未満であると膜面の20%以上が通水しない
状態となって不効率であるために適当でなく、また反対
に400μmを越えると濾過材が厚くなって折りひだピ
ッチが大きくなって折り山数を大きくとれずに不効率と
なってしまうという理由で適当でない。このため上記範
囲とされる。
【0018】このように構成されている濾過体は、その
第1層を構成する粗目不織布は、限定されるものではな
いが、メルトブローン(上述のように「マイクロスパン
ボンド」,「スパンボンド」と呼ばれることもある)か
らなるものが好ましく用いられ、厚みが上記範囲とされ
る他、不織布を構成する繊維(一般的にはポリプロピレ
ン製繊維等の合成樹脂繊維)の繊維径20〜80μm、
不織布の目付量50〜150g/m2 、目開き60〜2
50μmのものが好ましく用いられる。繊維径と目付量
の大きさは、ヒダのピッチの大きさにも影響されるが面
圧による第1層の耐潰れ性、通水性の確保に関係し、主
にプリーツ内縁部分に発生する通水不良部分を可及的に
小さくして膜面有効利用率(透過水通水面積/総膜面
積)を80%以上、好ましくは100%とするために上
記各範囲とするのが寿命延長のために好ましい場合が多
い。また目開きの大きさは懸濁物質を除去しない範囲で
濾過膜(第2層)の面間に流路用のスペースを保持でき
る大きさである必要があるため、上記範囲とするのが好
ましい場合が多い。なお本明細書において「メルトブロ
ーン」というのは、原料のポリマー繊維から直接ウエッ
プ形成して製造されるものをいう。不織布としてはその
他に湿式接着法や湿式法で製造されるものもあり、これ
らの製法によるものであっても、上記した各条件を満足
する不織布であれば限定されることなく用いることがで
きる。
【0019】本発明において用いる上記プリーツ型濾過
体の第2層を形成する濾過膜は、限定されるものではな
いが、合成樹脂繊維の不織布からなる濾過膜、一般的に
は従来のプリーツ型濾過体で採用されている濾過膜と同
じものを用いることができ、必要に応じて、用途に応じ
求められる濾過水水質を満足できる濾過能力を有するも
のが採用される。具体的には例えば、火力発電所プラン
トの復水系における復水脱塩装置前置の濾過器として用
いる場合には、除鉄率80%以上、好ましくは85%以
上を達成するために、平均孔径2〜10μm以下、好ま
しくは3〜8μm以下のものが望ましい。平均孔径が1
0μmを越えると、除鉄率が80%未満となって濾過水
水質が不良となり、反対に平均孔径が2μm未満では限
界捕捉鉄量(捕捉鉄量:設備の運転に支障を生ずること
なく所定の復水流量を流す場合に許容される濾過差圧の
範囲内で濾過により捕捉できる鉄量で、設備により異な
るが一般的には概ね濾過差圧が1kgf/cm2 上昇す
るまでに捕捉できる鉄量を示す場合が多い)が少なく、
稼働寿命が短くなってしまう。
【0020】この濾過膜からなる第2層の厚みは、特に
制限されるものではないが、一般的には200〜600
μm、好ましくは300〜500μmのものが望まし
い。
【0021】本発明において、上記粗目不織布からなる
第1層及び濾過膜からなる第2層と積層される第3層
は、該濾過シートの透過水の通水路の確保、濾過シート
の構造強度の補強のために設けられるものであり、これ
らの要求を満足しかつ濾過シートの全厚みを上記した範
囲に保つことができれば、その構造,材質等は限定され
ることなく採用され、ネット状のものや上記第1層の粗
目不織布と同様のもの(以下「裏面粗目不織布」という
場合がある)、またより簡単には第1層と第3層を全く
同じ構成として濾過膜をサンドイッチした構成とするこ
ともできる。厚みは200〜400μm程度のものを好
ましいものとして挙げることができる。
【0022】上記のように濾過体を形成する3層の構造
の濾過シートは、これを形成する平板状濾過シートの全
厚みが自然状態(ひだ状に折畳む前の状態)において、
上述した濾過体の平均折畳みピッチの1/2以下とさ
れ、一般的には600〜1250μm、好ましくは70
0〜1250μmとされるのが好ましい場合が多い。ま
た3層の構造は、各層を別々に製造して接着あるいは単
に積層して形成してもよいし、層構造を有する一体のも
のとして製造してもよい。
【0023】本発明のプリーツ型カートリッジフィルタ
は、特に火力発電所プラントの復水系における復水脱塩
装置前置の濾過装置用の濾過器として好適に用いること
ができるが、これに限定されるものではなく、原子力発
電所の復水系における復水脱塩装置前置の濾過装置用の
濾過器として用いることもできるし、発電所以外の用途
であっても長寿命の濾過器として有用なものである。
【0024】なお、本発明のプリーツ型濾過器は、円筒
形コアの周囲に濾過体を筒状に配置するものに限定され
ることなく他の構成としてもよく、例えば、角筒形コア
の周囲に濾過体を筒状に配置するものであってもよい
が、本発明が適用される一般的なカートリッジフィルタ
としては、限定されるものではないが、外径50mm〜
150mm、長さ250mm〜1000mm程度の円形
のものを代表的に挙げることができる。
【0025】本発明によれば、プレコートフィルタを装
備している既設火力発電所プラントの復水系の濾過装置
を、低コストでかつ容易な作業で、略同等のモジュル寸
法をもった使い捨てタイプのカートリッジフィルタに更
新できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図面に基
づいて更に説明する。
【0027】実施形態1 図1は、本発明により構成されるプリーツ型カートリッ
ジフィルタであるプリーツ型濾過器1の構成概要を示し
たものであり、図2はその一部を断面してプリーツ型濾
過体を一部展開して示した図、図3はこの濾過器を一部
水平断面にして示した図であり、図5は、火力発電所の
復水系の復水脱塩装置前置の濾過装置50として、この
濾過器を装着した構成概要一例をフロー図で示したもの
である。これらの図において、2は外周を保護するため
のステンレス金網製の円筒形プロテクタであり、その下
端部にはエンドプレート4が組み付けられて閉塞される
と共に、上端部にはエンドプレート3が組み付けられ
て、図5に示した濾過装置(復水フィルタ)50の隔板
501に対して図示しない締結手段により吊持され、隔
板501の下側室に給水された被処理水(復水)を、該
濾過器1を通して隔板501の上側室に通水できるよう
に設けられている。
【0028】5は中心部に設けられた集水用のコアであ
り、補強リング6が組み付けられていると共に、その周
囲に図3に示すようにプリーツ型濾過体7が筒状に配置
されている。なおこのプリーツ型濾過体7の上下端は、
接着剤シール8により筒内外が水密的にシールされてい
る。
【0029】上記のプリーツ型濾過体7は、本例では図
2に示すように、粗目不織布からなる第1層701と、
濾過膜からなる第2層702と、裏面粗目不織布からな
る第3層703の3層積層構造をなすように設けられて
いる。
【0030】実施形態2 本例は、図5に示すように、本発明よりなるプリーツ型
濾過器(カートリッジフィルタ)1を装着した濾過装置
(復水フィルタ)50を、火力発電所プラントの復水系
の復水脱塩装置前置の濾過器として設けた例を示したも
のである。
【0031】この図5の例においては、復水器(図示せ
ず)で蒸気から水とされた復水は、復水ポンプ102に
より復水ライン101を通じて復水フィルタ(濾過装
置)50に通水され、プリーツ型濾過器1で懸濁物質
(主に鉄分)を除去した後、処理水ライン105から復
水処理水タンク106に送られ、更に後段の復水脱塩装
置(図示せず)に送水されるようになっている。
【0032】この設備では、図6で説明したプレコート
濾過剤のプレコート装置は不要であると共に、濾過剤を
エレメント表面に保持させておく常時の通水も必要ない
ため処理水を戻す循環系路も不要であり、図6との対比
から分かるように、プレコートフィルタを濾過器として
用いた濾過設備と比べてその構造が極めて簡易かつ簡単
である。
【0033】
【実施例】
実施例1,2、比較例1〜3 図5に示した装置の基本的な構成を以下の条件で構成す
ると共に、濾過体7の構成を下記表1のように種々の条
件で設定して濾過性能、濾過寿命を調べた。
【0034】なお濾過試験条件、測定は以下の通りであ
る。
【0035】(濾過試験条件)下記表1に示した構成の
濾過体7を有するプリーツ型カートリッジフィルタの1
本を用いて図5に示した復水フィルタ50を構成させ、
火力発電所の復水を被処理水として通水流量0.75m
3 /hで濾過を行った。
【0036】濾過寿命は、濾過の経過に伴ってプリーツ
型カートリッジフィルタが捕捉する鉄量と濾過差圧の関
係を測定し、濾過差圧が1kgf/cm2 上昇するまで
の限界捕捉鉄量から算出し、従来のフィルタ仕様である
比較例1の限界捕捉鉄量を1(130gasFe/フィ
ルタ)とした場合の相対値で評価した(寿命比1は通常
時の復水鉄濃度が10ppbレベルの火力発電所での通
水の約1年分に相当する。)なお、捕捉鉄量は、復水フ
ィルタ50の入口鉄濃度から出口鉄濃度を差し引いた濃
度に通水流量と通水時間を乗ずることにより測定した
が、復水の鉄濃度は運転状態によっても変動(例えば5
ppb〜100ppb)するので、適当な期間毎に区切
って計算した値を累積することにより求めた。この間の
平均の除鉄率は、各実施例1,2及び比較例1〜3のい
ずれにおいても目標値80%を満足していた。
【0037】また膜有効利用率は、濾過終了後にプリー
ツ型カートリッジフィルタを解体して濾過体7を取出
し、開膜して、鉄が捕捉されていない面(被処理水の透
過量が極めて少なく鉄による汚れが極めて少ないために
面積の測定が可能な面であり、コア5に近い側の折部近
傍の濾過面に集中して観察される)の面積を濾過面積か
ら差し引いた面積の割合として算出した。
【0038】結果を下記表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】この濾過試験結果から次のことがわかる。
【0041】比較例1の従来の一般的なフィルタにおい
ては、膜面有効利用率は80%が満足されたが濾過寿命
は短かった。これは膜面積が不足するためと考えられ
る。
【0042】比較例2においては、折り山数を100に
した以外は比較例1と略同じ構成(ただし折り山数の増
した分折目ピッチは小さくなる)の濾過体を用いたた
め、見掛け上の膜面積は約11%増加したが、膜面有効
利用率は60%に低下し、結果として寿命は比較例1よ
りも低下した。
【0043】比較例3においては、比較例2の濾過体に
比べ第1層の厚みを40μm増加させて150μmとし
た濾過体を用いたところ、膜面有効利用率及び寿命が比
較例2に比べてそれぞれ増加したが、比較例1と同等な
いしそれ以下であり、不十分であった。
【0044】実施例1においては、比較例3の濾過体に
比べ第1層の厚みを更に150μm増加させて300μ
mとした濾過体を用いたところ、膜面有効利用率は10
0%となり、寿命は比較例1の2倍と飛躍的に延長され
るという優れた結果が得られた。
【0045】実施例2においては、実施例1よりも折り
山数を110と約10%増したところ、膜面有効利用率
100%が維持され、しかも寿命が比較例1の2.4倍
と更に延長されるという優れた結果が得られた。
【0046】以上の結果から得られる膜面有効利用率と
濾過体の第1層の厚みとの相関関係を、折り山数100
のものについて図4に示した。
【0047】この図4から、プリーツ型カートリッジフ
ィルタについて従来一般に求められている膜面有効利用
率80%は濾過体の第1層の厚み200μm以上とする
ことで達成されることが分かる。すなわち、この第1層
が200μm以上の厚みを有することにより、プリーツ
型カートリッジフィルタのコア側近くまで被処理水が通
水される状態が確保されて、濾過膜を有効に利用できる
ことが理解できる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、カートリッジフィルタ
における濾過剤保持のための通水が不要で、かつ交換に
よって即時的に再稼働が可能という利便性を有しなが
ら、従来のプレコートフィルタと同等の優れた濾過性
能、濾過膜寿命を満足することができるカートリッジフ
ィルターを提供できるという効果がある。
【0049】また、このカートリッジフィルターを火力
発電所貫流プラントの復水系における復水脱塩装置前置
の濾過器として用いることで、復水系の設備を極めて簡
易なものとすることができる効果がある。
【0050】そして、プレコートフィルタを設備してい
る既設の火力発電所貫流プラントの復水系において、こ
のプレコートフィルタに代えて本発明のカートリッジフ
ィルタを採用することができるという効果得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の更新方法で用いるプリーツ型カートリ
ッジフィルタである濾過器の構成概要を示した図。
【図2】図1の濾過器の一部を断面してプリーツ型濾過
体を一部展開して示した図。
【図3】図1の濾過器を一部水平断面にして示した図。
【図4】本発明で交換してされるプリーツ型カートリッ
ジフィルタにより示される膜面有効利用率(%)と第1
層の粗目不織布の層厚の大きさとの関係を示した図。
【図5】火力発電所の復水系の復水脱塩装置前置の濾過
装置として、本発明のプリーツ方濾過器を装着した構成
概要一例を示したフロー図。
【図6】従来のプレコートフィルタを用いた火力発電所
の復水系における復水脱塩装置前置の濾過装置の構成概
要一例を示したフロー図。
【符号の説明】
1・・・プリーツ型濾過器、 2・・・円筒形プロテクタ、 3,4・・・エンドプレート、 5・・・濾過装置、 501・・・隔板、 6・・・補強リング、 7・・・プリーツ型濾過体、 701・・・粗目不織布からなる第1層、 702・・・濾過膜からなる第2層、 703・・・粗目不織布からなる第3層 8・・・接着剤シール、 50・・・濾過装置(復水フィルタ)、 501・・・隔板、 100・・・復水回収タンク、 101・・・復水ライン、 102・・・復水ポンプ、 103・・・濾過装置(復水フィルタ)、 104・・・エレメント、 105・・・処理水ライン、 106・・・復水処理水タンク、 107・・・プレコート戻りライン、 108・・・プレコートタンク、 109・・・プレコートポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−289817(JP,A) 特開 平4−271815(JP,A) 特開 平4−277017(JP,A) 特開 昭63−296807(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 復水脱塩装置前置の濾過器としてプレコ
    ートフィルタを備えている既設発電所の復水系におい
    て、中心部の縦筒状の集水用コアと、この集水用コアの
    周囲に配置されて平板状の濾過シートを径方向にひだ状
    に折畳んで筒状としたプリーツ型濾過体とを備え、該濾
    過体を構成する濾過シート、筒外側から内側に通る被
    処理水中の懸濁物質に対する濾過作用が実質的にない目
    の粗い不織布からなる第1層と、懸濁物質に対する濾過
    作用を有する濾過膜からなる第2層と、該濾過膜を通っ
    た透過側の通水性を担保する第3層との積層構造に設け
    られ、かつ自然状態においてその全厚みが上記平均折畳
    みピッチの1/2よりも薄いと共に、以下の〜の
    成を有するプリーツ型カートリッジフィルタを、上記プ
    レコートフィルタに代えて装着することを特徴とする発
    電所の復水系における濾過器の更新方法 :筒状の内縁側の折目部分における筒周方向のひだ状
    の平均折畳みピッチが1.2mm〜2.5mm、 :濾過体を構成する濾過シートの第1層の厚みが20
    0μm〜400μm、 :濾過体を構成する濾過シートの第2層の厚みが20
    0μm〜600μm、 :濾過体を構成する濾過シートの第3層の厚みが20
    0μm〜400μm、 :自然状態において、第1層〜第3層の全厚みが60
    0μm〜1250μm。
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