JP4402969B2 - ろ過器 - Google Patents

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Description

本発明は、ろ過に係り、特に高温水中に含有される固形不純物(固形懸濁物)を効率的に除去してろ過性能を向上させることができ、懸濁物に起因する腐蝕を効果的に軽減することが可能なろ過に関する。
従来、発電プラントにおいて、復水器の構造材および各種配管材から生成される固形懸濁物、主に鉄の酸化物を除去する場合には、給水を加熱する前にポリエチレン製中空糸膜フィルター型ろ過器やプリーツ(襞)型フィルター等のろ過器が用いられている。また、給水を加熱した後の高温水中から固形懸濁物を除去する場合には、ステンレス製焼結金属フィルターが一般に使用されている。また、フィルターからの溶出物を低減し、熱サイクルによるフィルターの破損および透水性能の低下を防止するために、フッ素樹脂製のフィルタを調製し、使用前にフッ素樹脂の融点以下の温度にて気中および液中のいずれかで熱処理したフッ素樹脂製フィルターを装着したろ過器(特許文献1参照)や芳香族ポリエーテルケトンから成る中空子膜フィルターを装着した復水ろ過器(特許文献2,特許文献3参照)が開発提案されている。
特開2002−346346号公報(第1頁、第1図) 特開平7−110107号公報(第1−3頁、第3図) 特開平8−122489号公報(第1−4頁、第3図)
しかしながら、上記従来のフィルターでは、耐熱性および溶出性能において未だ解決すべき課題があった。すなわち、前記のポリエチレン製中空糸膜型ろ過器に用いられている中空糸膜フィルターの耐熱温度は100℃以下と低いために、給水加熱器以降の高温給水配管系においては使用することが不可能である致命的な欠陥があった。ところが給水中に存在する懸濁物は給水加熱器以降の配管系や構造物からも当然に発生する。また、前記従来のステンレス製金属フィルターは化学的に不安定であり、使用中に短期間の間に金属フィルターを構成する金属材料が溶け出したり、または金属表面が腐蝕して酸化被膜が形成されてフィルターの孔が閉塞してろ過性能が急激に低下してしまうという問題があった。一方で、前記従来のフッ素樹脂製フィルターおよび芳香族ポリエーテルケトン製フィルターは耐熱温度が約250℃程度であるため、250℃を超える温水配管系や構造物には使用できないなど、いずれにしても、フィルターの耐熱温度や溶解性などにより、ろ過器の設置場所やろ過性能が大きく制約を受ける問題点があった。
そこで、本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、特に化学的に安定であり、250℃を超える高温度の水に接触した場合においても溶出することが少なく、高温水中に含有される懸濁物を良好な濾過性能で除去することが可能なろ過を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、フィルターろ材として、特に250℃を超える高温水中においてもフィルターから材料成分が溶出することがなく、長期間に亘り化学的に安定な材料を種々選定してフィルターろ材を調製し、材料の溶出性、耐久性およびろ過性能を比較評価した。その結果、特にニッケル基合金製繊維焼結シートでニッケル基合金製フィルターを作製したときに、材料成分の溶出が少なく、耐久性およびろ過性能に優れたろ過器が初めて得られ、特に発電プラントにおける水質管理を容易にすることができるという知見が得られた。本発明は上記知見に基づいてなされたものである。
発明に係るろ過器は、ニッケル基合金繊維焼結シートで作製されたニッケル基合金製フィルターをろ過材として装着したろ過器であり、上記ニッケル基合金製フィルターにろ過助剤として粉末状チタンもしくは繊維状チタンがプリコートされていることを特徴とする。
さらに、本発明に係る他のろ過器は、ニッケル基合金繊維焼結シートで作製されたニッケル基合金製フィルターをろ過材として装着したろ過器であり、上記ニッケル基合金製フィルターにろ過助剤としてバリウム酸化物系の無機材料がプリコートされていることを特徴とする。
上記ろ過器において、前記バリウム酸化物系の無機材料としてジルコニウム酸バリウムおよびチタン酸バリウムの少なくとも一方が積層もしくは混合された状態でプリコートされていることが好ましい。これらのバリウム酸化物系の無機材料をフィルターのろ過面にプリコートすることにより、高温水中に含有されるイオン鉄等のイオン成分も効果的に除去することができる。したがって、これらのプリコート膜を形成したフィルターを装着したろ過器を設置することにより、発電プラントの給水中または炉水およびヒータドレンに含有される懸濁物やイオン成分濃度を効果的に低減することができ、これらの懸濁物やイオン成分等に起因する配管内面でのエロージョンの発生を防止でき、伝熱管表面への懸濁物付着による伝熱阻害を防止できると共に、伝熱性能を回復するために伝熱管を高頻度で洗浄する必要がなくなるなどの優れた効果が発揮される。
また、本発明に係るその他のろ過器は、前記ニッケル基合金繊維焼結シートで作製されたニッケル基合金製フィルターをろ過材として装着したろ過器であり、上記ニッケル基合金製フィルターにろ過助剤としてフィルター素材と異なる金属がプリコートされていることを特徴とする。
上記ろ過器において、前記フィルター素材と異なる金属が、粉末状チタンまたは繊維状チタンであることが好ましい。
上記構成に係る本発明のろ過器によれば、ニッケル基合金繊維焼結シートで作製された
ニッケル基合金製フィルターをろ過材として装着した構成によって温度250℃を超える
高温水中に含有される懸濁物を安定的に高い除去効率で浄化処理することが可能となり、
またニッケル基合金製フィルターにろ過助剤として粉末状チタン、繊維状チタンもしくは
バリウム酸化物系の無機材料がプリコートされているので、懸濁物およびイオン成分のろ
過性能を向上させることができ、懸濁物に起因する腐食を軽減することができる。
次に本発明に係るろ過器の実施形態について添付図面を参照して以下に説明する。
第1実施形態(図1〜図6)
図1および図2は、沸騰水型原子力発電プラント、加圧水型発電プラント、火力発電プラントなどの発電プラントの復水器から蒸気発生器に接続される配管系に配置される本発明に係るろ過器の一実施例の構成を示す断面図である。このろ過器1は被処理液流入ライン4aと処理液流出ライン4bとを備えた容器内に高温水中で耐久性を有するニッケル基合金(ニッケルクロム合金を含む)、例えばハステロイ繊維焼結シートまたはインコネル繊維焼結シートで作製されたフィルター3(以下、「ニッケル基合金製フィルター」と称する。)をろ材として装着し、高温ろ過器として構成されている。
上記ニッケル基合金としてはインコネル(インコネル社の登録商標)、インコロイ、ナイモニック、ハステロイ、インコ、UHM、カーペンター(いずれも商品名)や耐熱鋼SUH660等の耐熱ニッケル合金、耐熱ニッケルクロム合金が好適に選定される。
さらに、図1および図2を参照しながら本発明に係る上記高温ろ過器の実施形態について、より具体的に説明する。図1はろ過器1の概略構成を示しており、このろ過器1はタンク2内にニッケル基合金製フィルター3を装着する一方、被処理液を流入させる被処理液流入ライン4aと、処理液を流出させる処理液流出ライン4bとを配設して構成されている。ここで、被処理液とはフィルター3によるろ過処理を施す前の溶液を指し、処理液とはフィルター3によりろ過処理された溶液を指す。
被処理液流入ライン4aは例えば発電プラントの復水器から圧力容器または蒸気発生器(図示せず)に接続される給水ラインなどであり、給水中に鉄などの懸濁物を含むラインである。
上記構成のろ過器1において、被処理液は被処理液流入ライン4aを経由してタンク2内に流入し、タンク2内に装着したニッケル基合金製フィルター3でろ過される。すなわち、被処理液中に含有される固形懸濁物はニッケル基合金製フィルター3に形成された多数の細孔で捕集される。ろ過された処理液はタンク上部に配設された処理液流出ライン4bを通り蒸気発生器へと移送される。上記ニッケル基合金製フィルター3はハステロイ繊維で形成されており、その繊維径は100μm以下とすることが好ましく、さらにニッケル基合金製フィルター3には、固形懸濁物を捕集するために孔径が40μm以下の細孔が多数穿設されている。
また、タンク2内に円筒状のニッケル基合金製フィルター3が設置されたろ過器の構成例を図2に示す。ニッケル基合金製フィルター材3bは封止部3aで保持されている。この封止部3aは、被処理液と処理液とを区画する隔壁としても機能する。上記封止部3aを構成する材料としては、温度250℃以上の高温水中で優れた耐久性および安定性を有する材量であるチタンやステンレス、インコネル、ハステロイ等が好適に使用できるが、特に放射性物質や懸濁物質に変化しやすい鉄分を含有しないチタン、または鉄を微量しか含まないハステロイが望ましい。
図3は本実施形態においてタンク2内に設置されたニッケル基合金製フィルターがプリーツ(襞)状に形成されたろ過器の構成例を示す概略図である。図3に示すように、タンク2内に設置されたニッケル基合金製フィルターは、ハステロイ製プリーツ状フィルター材5aとして形成されており、このハステロイ製プリーツ状フィルター5aは一端がニッケル基合金製フィルター材5bにより保持される一方、他端がプリーツフィルタ支持板6にプリーツフィルタ支持棒7で固定される。
図4および図5を参照して、本発明に係るろ過器を発電プラントに設置した場合の実施形態について従来例と比較しながら説明する。図4は従来の発電プラントにおけるプラント水および蒸気の流れを示す系統図である。すなわち図4は、復水器11から復水脱塩設備12、低圧ヒータ13および高圧ヒータ14を経由して蒸気発生器8へと流通する給水系と、蒸気発生器8から高圧タービン9を経て低圧タービン10へ流れる主蒸気系と、高圧タービン9から高圧ヒータ14を経由して給水系に流れるヒータドレン系14aと、低圧タービン10から低圧ヒータ13を経由して給水系に流れるヒータドレン系13aとにおける流体の流れを概略的に示している。
一方、図5は図4に示す従来の発電プラントに本発明のろ過器を配置した実施形態を示す図である。すなわち、図5は、復水器11から低圧ヒータ13および高圧ヒータ14を経由して蒸気発生器8へと復水が給水として流れる給水系に、図1〜図3のいずれかに示すような3基の給水ろ過器15、15、15を設置した実施形態を示している。
上記のような給水ろ過器を設置した発電プラントにおいては、発電プラントの給水系に、耐熱性および安定性に優れたニッケル基合金製フィルターを装着した給水ろ過器15が設置されているため、特に250℃を超える高温度の給水中に含まれる懸濁物でも安定した状態で除去できるという優れた効果が発揮される。また、給水ろ過器でのろ過性能が長期間に亘って良好に維持されるため、給水処理液の水質を良好に保つことが可能であり、しかも給水中の懸濁物質量を低減させることが容易になるため、懸濁物に起因する配管内面でのエロージョンの発生量を低減でき、各種ヒータの伝熱管表面への懸濁物付着による伝熱阻害を低減でき、伝熱管の洗浄保守管理を簡素化できる。さらに高温流体が流通するヒータで発生する懸濁物を浄化することが可能になるので、懸濁物に起因するエロージョンの発生を低減することができる。
前記図2〜図3に示すようなろ過器を設置した発電プラントにおいて、ろ過器での被処理液の温度を280℃とし、ろ過圧力を7MPaとし、被処理液の線流速を24m/hrとした運転条件下でろ過器を運転した場合における除鉄性能を評価した。すなわち、ろ過器の入口および出口における固体状およびイオン状の鉄成分の平均濃度を測定し、出口濃度に対する入口濃度の比である除染係数(DF)を算出した。各ニッケル基合金製フィルターの高温高圧下における除鉄性能を図6に示す。
図6に示す結果から明らかなように、温度280℃、圧力7MPa、線流速24m/hrの条件下で、ハステロイ製フィルターまたはインコネル製フィルターを装着したろ過器においては、固体状およびイオン状の鉄成分の除染係数(出口濃度/入口濃度)の平均値として5が得られ、優れた除染性能およびろ過性能が得られることが判明した。また、各ろ過器におけるフィルター出口鉄濃度は、いずれも1μg/L以下であった。これらの測定値から明らかなように、本実施例に係るろ過器およびそのろ過器を配置した発電プラントにおいては、高温水が流通する配管系においても、被処理液中の懸濁物およびイオン状の鉄成分を効率的に安定した状態でろ過分離できることが判明した。
第2実施形態(図7)
図7は、沸騰水型原子力発電プラント、加圧水型発電プラント、火力発電プラントなどの発電プラントのヒータドレン系に、被処理液流入ラインと処理液流出ラインを備えた容器内に高温水中で耐久性のあるニッケル基合金製フィルターを用いた高温ろ過器を設置した本発明の発電プラントの第2実施形態を示す系統図である。
すなわち図7においては、低圧タービン10から低圧ヒータ13を経由して給水系に流れる低圧ヒータドレン系13aに、第1実施形態と同様のろ過器16を設置する一方、高圧タービン9から高圧ヒータ14を経由して給水系に流れる高圧ヒータドレン系14aにも、第1実施形態と同様のろ過器16を設置した実施形態を示している。
各ヒータドレン系13a、14aで発生した懸濁物はニッケル基合金製フィルターを装着した各ろ過器16,16で捕捉される。したがって、各ヒータドレン系13a、14aにおける懸濁物物質濃度を低下させることが可能となる。
このように、第2実施形態に係るろ過器およびそのろ過器を装備した発電プラントにおいては、発電プラントの各ヒータドレン系13a、14aにニッケル基合金製フィルターを装着したろ過器16、16が設置されているため、第1実施形態と同様に、特に250℃を超える高温度のドレン水中に含まれる懸濁物でも安定した状態で除去でき、処理液の水質を良好に保つことができるという優れた効果が発揮される。また、ろ過器16,16でのろ過性能が長期間に亘って良好に維持されるため、ドレン水処理液の水質を良好に保持することが可能であり、しかもドレン水中の懸濁物質量を低減させることが容易になるため、懸濁物に起因する配管内面でのエロージョンの発生量を低減でき、各種ヒータの伝熱管表面への懸濁物付着による伝熱阻害を低減でき、伝熱管の洗浄保守管理が簡素化できる。
第3実施形態(図8〜図9)
図8は、ニッケル基合金製フィルターの表面に付着した懸濁物を除去する逆洗設備および洗浄設備の両方を備えたろ過器17の実施形態を示す断面図であり、図9は、図8に示す逆洗設備および洗浄設備の両方を設けたろ過器17を、実施形態1に示す復水器11から蒸気発生器8に接続される配管系に設置した発電プラントの実施形態を示している。
すなわち、図8は、ニッケル基合金製フィルター3の表面に付着した懸濁物を落下させるために、水および空気または水蒸気もしくは超音波による振動によってフィルター3の逆洗を可能にする逆洗設備17aおよびフィルター3をバブリングガスにより洗浄する洗浄設備を設置した実施形態の構成を系統図で示している。
ろ過器17の処理液の流量および水質を良好に維持するためには、被処理液流入ライン4aと処理液流出ライン4bとの差圧が一定値に達した時点でろ過器1への通水を中止し、水および空気または水蒸気を利用してフィルター3表面に付着堆積した懸濁物を取り除くことが必要となる。
そこで本実施形態においては、ろ過器17の出入口での差圧が一定値に達した時点で、被処理液流入ライン4aからタンク2への通水を中止し、水もしくは空気等の逆洗媒体を逆洗設備17aから逆洗ライン17bを経由してタンク2内に送り込み、ニッケル基合金製フィルター3を通して逆洗液排出ライン17cから排出されるように構成される。この逆洗操作により、フィルター表面に付着した懸濁物は取り除かれる。
さらに、洗浄設備としてのバブリングガス供給設備18aからバブリングガスを、バブリングガス供給ライン18bを経由してタンク2内に供給し、フィルター3を洗浄したバブリングガスをバブリングガス排出ライン18cより排出することによりフィルター表面に付着した懸濁物が取り除かれる。また、超音波発生装置18eにて発生させた超音波によりフィルター表面に付着堆積した懸濁物が効果的に除去される。フィルター表面から取り除かれてタンク3下部に沈降した懸濁物はドレンライン18dを経由して排出される。
図9は、復水器11から低圧ヒータ13および高圧ヒータ14を経由して蒸気発生器8へと流通する給水系に、図8に示す給水ろ過器17を3基配置すると共に、各ろ過器17に逆洗媒体を供給する逆洗設備19を設置した実施形態の構成を示している。
上記第2実施形態に係るろ過器17およびそのろ過器17を装備した発電プラントにおいては、ろ過器17に逆洗設備19が設置されているため、ニッケル基合金製フィルター3の表面に緩やかに捕捉された懸濁物を適宜取り除くことが可能となる。したがって、各ろ過器17におけるろ過性能を適宜復活させて長期間に亘ってろ過性能を良好に維持することができる。
すなわち、被処理液中に含有される懸濁物は、処理操作の進行に伴ってニッケル基合金製フィルター3の表面に付着堆積する。仮に、付着堆積した懸濁物を除去しないままでろ過処理を続行した場合には、タンク2内部での圧力損失が大きくなるため、タンク入口と出口との差圧が大きくなり、被処理液の流れを阻害し、ろ過性能が経時的に低下する。一方、フィルター3から間歇的に剥離した懸濁物の一部がろ過器外に押し流され、タンク出口における水質を悪化させる要因となる。
しかるに、本実施形態によれば、給水ろ過器17に逆洗設備および洗浄設備の両方を設けているため、ろ材としてのニッケル基合金製フィルター3を適宜洗浄することが可能になり、ろ材としてのニッケル基合金製フィルター3を長期間に亘り交換することなく再使用でき、しかも処理液の水質を良好に保持することが可能になる。
第4実施形態(図10)
図10は、ニッケル基合金製フィルターの表面に付着した懸濁物を除去する逆洗設備および洗浄設備の両方を備えたろ過器16を、第2実施形態のヒータドレン系に設置した発電プラントの構成を示す系統図である。
すなわち図10においては、低圧タービン10から低圧ヒータ13を経由して給水系に流通する低圧ヒータドレン系13aと、高圧タービン9から高圧ヒータ14を経由して給水系に流通する高圧ヒータドレン系14aとに、それぞれ前記ろ過器16を配設する一方、各ろ過器16に逆洗媒体を供給するヒータドレンろ過器逆洗設備20を設置した実施形態を示している。
上記実施形態4において導入された逆洗設備20から逆洗媒体が各ろ過器16に適宜供給され、この逆洗媒体による逆洗効果により、各ろ過器16に装着したニッケル基合金製フィルターの表面に付着した懸濁物の汚れが適宜除去される。また、ニッケル基合金製フィルター表面にルーズに付着した懸濁物は水および空気などの逆洗媒体による逆洗効果により取り除かれる。
上記第4実施形態の発電プラントによれば、各ヒータドレンろ過器16に逆洗設備20および洗浄設備の両方を設けているため、ろ材としてのニッケル基合金製フィルター3を適宜逆洗・洗浄することが可能であり、ろ過性能を長期間に亘って維持することが可能となり、ろ材としてのニッケル基合金製フィルターを長期間に亘り交換することなく再使用でき、しかも処理液の水質を良好に保持することができる。
第5実施形態(図11)
図11は、沸騰水型原子力発電プラント(以下、「BWRプラント」という。)の復水器11から熱交換器(高圧ヒータ14および低圧ヒータ13)もしくは圧力容器21に接続される配管系に、処理液中の懸濁物を濾過するろ過器15,16が設置され、このろ過器15,16は、被処理液流入ラインと処理液流出ラインとを備えた容器内に高温水中で耐久性を有するニッケル基合金繊維焼結シートで作製されたニッケル基合金製フィルターを装着したろ過器であることを特徴とする発電プラントの実施形態を示す。
また図11に示す実施形態では、BWRプラントにおける復水器11から復水脱塩設備12および低圧ヒータ13および高圧ヒータ14を経由して圧力容器21へと流通する給水系と、圧力容器から高圧タービン9および低圧タービン10へ蒸気を流通させる主蒸気系と、高圧タービン9から高圧ヒータ14を経由して給水系に接続される高圧ヒータドレン系14aと、低圧タービン10から低圧ヒータ13を経由して給水系に接続される低圧ヒータドレン系13aとにおける各流体の流れをも概略的に示している。
さらに、復水器11から低圧ヒータ13および高圧ヒータ14を経由して圧力容器21へ接続される給水系に、前記の給水ろ過器15を設置すると共に、低圧タービン10から低圧ヒータ13を経由して給水系に接続される低圧ヒータドレン系13aに、ヒータドレンろ過器16を設置する一方、高圧タービン9から高圧ヒータ14を経由して給水系に接続される高圧ヒータドレン系14aに、ヒータドレンろ過器16を設置した実施形態を示している。
高圧ヒータ14および低圧ヒータ13で発生した懸濁物はヒータドレンろ過器16で効果的に捕捉される一方、給水系に混入した懸濁物は各給水ろ過器15によって除去されるので、給水中の懸濁物質濃度を低下させることが可能となる。
このように、上記第5実施形態の発電プラントによれば、BWRプラント給水系およびヒータドレン系13a、14aにろ材として耐熱性に優れたニッケル基合金製フィルターを装着したろ過器15,16が設置されているため、給水およびヒータドレン中に含有された懸濁物質量を低減することが可能に成り、この懸濁物に起因する配管内面でのエロージョンを低減でき、また伝熱管表面への懸濁物の付着による伝熱阻害を防止でき、さらには伝熱特性を回復させるための伝熱管の洗浄頻度を緩和できる上に、懸濁物の放射化によって発生する放射能を低減することも可能になる。
第6実施形態(図12)
図12は、加圧水型原子力発電プラント(以下「PWRプラント」という。)の復水器11から脱気器または熱交換器もしくは蒸気発生器に接続される配管系に、処理液中の懸濁物を濾過するろ過器が設置され、このろ過器は被処理液流入ラインと処理液流出ラインとを備えた容器内に高温水中で耐久性を有するニッケル基合金繊維焼結シートで作製されたニッケル基合金製フィルターを装着したろ過器であることを特徴とする発電プラントの実施形態を示している。
すなわち、図12に示す実施形態は、PWRプラントにおける復水器11から復水脱塩設備12、低圧ヒータ13、脱気器23、高圧ヒータ14を経由して蒸気発生器22へ接続される給水系と、蒸気発生器22から高圧タービン9および低圧タービン10へ蒸気を供給する主蒸気系と、高圧タービン9から高圧ヒータ14を経由して給水系に接続される高圧ヒータドレン系14aと、低圧タービン10から低圧ヒータ13を経由して給水系に接続される低圧ヒータドレン系13aとを備えて概略的に構成されている。
さらに、復水器から低圧ヒータ13、脱気器23、高圧ヒータ14を経由して圧力容器へと流れる給水系に、給水ろ過器15が配置されている。また、低圧タービン10から低圧ヒータ13を経由して給水系に接続される低圧ヒータドレン系13aに、ヒータドレンろ過器16が設置されていると共に、高圧タービン9から高圧ヒータ14を経由して給水系に接続される高圧ヒータドレン系14aにも、ヒータドレンろ過器16が設置されている。
高圧ヒータ14および低圧ヒータ13で発生した懸濁物はそれぞれのヒータドレンろ過器16で効果的に捕捉される一方、給水系に混入した懸濁物は各給水ろ過器15によって除去されるので、給水中の懸濁物質濃度を低下させることが可能となる。
このように、上記第6実施形態の発電プラントによれば、PWRプラント給水系およびヒータドレン系13a、14aにろ材として耐熱性に優れたニッケル基合金製フィルターを装着したろ過器15,16が設置されているため、給水およびヒータドレン中に含有された懸濁物質量を低減することが可能になり、この懸濁物に起因する配管内面でのエロージョンを低減でき、また伝熱管表面への懸濁物の付着による伝熱阻害を防止でき、さらには伝熱特性を回復させるための伝熱管の洗浄頻度を緩和できる上に、懸濁物の放射化によって発生する放射能を低減することも可能になる。
第7実施形態(図13)
図13は、火力発電プラントの復水器から脱気器または熱交換器もしくは蒸気発生器に接続される配管系に、処理液中の懸濁物を濾過するろ過器が設置され、このろ過器は被処理液流入ラインと処理液流出ラインとを備えた容器内に高温水中で耐久性を有するニッケル基合金繊維焼結シートで作製されたニッケル基合金製フィルターを装着したろ過器であることを特徴とする発電プラントの実施形態を示す。
すなわち、図13に示す火力発電プラントにろ過器を設置した実施形態は、復水器11から復水脱塩設備12、低圧ヒータ13、脱気器23、高圧ヒータ14および節炭器25を経由して蒸発器24に接続される給水系と、蒸発器24から高圧タービン9および低圧タービン10へ蒸気を供給する主蒸気系と、高圧タービン9から高圧ヒータ14を経由して給水系に接続される高圧ヒータドレン系14aと、低圧タービン10から低圧ヒータ13を経由して給水系に接続される低圧ヒータドレン系13aとを備えて概略的に構成される。
また、復水器11から復水脱塩設備12、低圧ヒータ13、脱気器23、高圧ヒータ14、節炭器25を経由して蒸発器24へ接続される給水系に、本発明に係る給水ろ過器15が配置される。さらに、低圧タービン10から低圧ヒータ13を経由して給水系に接続される低圧ヒータドレン系13aにヒータドレンろ過器16が設置される一方、高圧タービン9から高圧ヒータ14を経由して給水系に接続される高圧ヒータドレン系14aにも、本発明に係るヒータドレンろ過器16が設置されている。
高圧ヒータ14および低圧ヒータ13で発生した懸濁物はそれぞれのヒータドレンろ過器16で効果的に捕捉される一方、給水系に混入した懸濁物は各給水ろ過器15によって除去されるので、給水中の懸濁物質濃度を低下させることが可能となる。
このように、上記第7実施形態の火力発電プラントによれば、火力プラント給水系およびヒータドレン系13a、14aに、ろ材として耐熱性に優れたニッケル基合金製フィルターを用いたろ過器を設置しているため、給水中およびヒータドレン中に含有される懸濁物質量を低減することが可能になり、この懸濁物質に起因する配管内面でのエロージョンが低減できる上に、伝熱管表面への懸濁物の付着による伝熱阻害を効果的に解消できる。さらに、伝熱性能を回復させるための伝熱管の洗浄頻度を緩和できる上に、火力発電プラントの起動前における洗浄時間の短縮が可能となる。
第8実施形態(図14〜図15)
図14は、沸騰水型原子力発電所の再循環ラインまたは炉水浄化系に、処理液中の懸濁物を濾過するろ過器が設置され、このろ過器は被処理液流入ラインと処理液流出ラインとを備えた容器内に高温水中で耐久性を有するニッケル基合金繊維焼結シートで作製されたニッケル基合金製フィルターを装着したろ過器であることを特徴とする発電プラントの実施形態を示す。
すなわち、図14に示す発電プラントの実施形態は、沸騰水型原子力発電プラントの再循環ライン27aにろ過器29を設置し、炉水浄化系に接続されるライン27bにろ過器30を設置し、さらに再循環ライン27aから分岐した循環ライン31設け、この循環ライン31にろ過器32を設置して構成される。なお、上記ろ過器29,30、32としては、第1ないし第3実施形態で使用したろ過器であり、ハステロイまたはインコネルから成るニッケル基合金繊維焼結シートで作製されたニッケル基合金製フィルターを装着したろ過器を使用した。
沸騰水型原子力発電所における圧力容器26には再循環ライン27aが付設され、この再循環ライン27aを用いて炉水を循環している。本実施形態では、再循環ライン27aで循環する炉水はろ過器29によってろ過処理され、含有する懸濁物質が除去される。また、再循環ライン27aから分岐したライン27bを通り、ろ過器30によってろ過処理された炉水は炉水浄化設備28に送られて、さらに浄化された後に給水系35に送られる。再循環ライン27aから分岐した循環ライン31を循環する炉水は、ろ過器32によってろ過処理され、含有する懸濁物質が除去される。
上記ハステロイまたはインコネルから成るニッケル基合金繊維焼結シートで作製されたニッケル基合金製フィルターを装着したろ過器29において、温度280℃、ろ過圧力7MPa、線流速24m/hrの高温高圧条件下で炉水をろ過処理した場合におけるろ過器29の出入口でのコバルト濃度を測定した結果を図15に示す。
図15に示す結果から明らかなように、コバルトの除染係数(出口濃度/入口濃度)としてDF2〜3が得られ、ニッケル基合金製フィルターの高温高圧下におけるコバルトの除去性能は良好であることが確認できた。これらの測定データより、250℃以上の高温水中においても被処理液中のコバルト成分を効果的に安定してろ過し除去できることが確認された。
このように、上記第8実施形態のBWR発電プラントによれば、炉水中のコバルト成分をろ過器29,30,32で効果的に捕捉することができるので、炉水中のコバルト濃度を低減することが可能となり、放射線被曝を減少させることができる。また、炉水浄化系で使用されているイオン交換樹脂に捕捉されるコバルト量が減少するので、イオン交換樹脂の廃棄再生処分に要する費用を低減することが可能になる。
第9実施形態(図16〜図18)
図16は、高温水中に含有される懸濁物やイオン成分に対するフィルターのろ過性能を向上させるために、ニッケル基合金製フィルター表面に各種のろ過助剤をプリコートした実施形態を示す斜視図および部分拡大断面図である。
図16において、ニッケル基合金製フィルター33の被処理液側にろ過助剤34がプリコートされている。上記プリコート材としては、フィルター構成材と同一の材料を用いることにより、フィルター本体材とのなじみが良好になる。しかしながら、プリコート材として、フィルター構成材料とは異なる材料を用いることも可能である。例えば、繊維状のチタンや粒子径が100μm以下のチタン粉末も好適に使用できる。フィルター構成材料とは異なる金属材料を用いることにより、ろ過器内に電位が生じ高温水中において被処理液中のイオン成分を含む鉄成分を効果的にろ過して除去できる。
さらにプリコート材として、バリウム酸化物系の無機材料、例えばジルコニウム酸バリウム(BaZr)やチタン酸バリウム(BaTi)を用いることも可能である。但し、x、y、zは化学量論比に近似した原子比である。複数の酸化物系の無機材料を使用する場合には、それらをフィルター33の被処理液側に層状に積層したり、もしくは混合して単層のプリコート膜として使用することもできる。
上記ニッケル基合金製フィルター表面に各種のろ過助剤をプリコートした実施形態によれば、ろ過助剤のプリコート膜によって被処理水がフィルターを通過する経路を小さくなり、隙間腐食を考慮することなく、懸濁物に対するろ過性能を向上させることが可能になる。
次に具体的に、ろ過助剤(プリコート材)として粒径が45μm以下のチタン粒子を用意し、第6〜第7実施形態で使用したろ過器15に装着したハステロイ合金製フィルターの被処理液側に、上記ろ過助剤のプリコート量が1〜12g/mの範囲で変化するようにプリコートして、各種のハステロイ合金製フィルターを調製した。
次に、各ハステロイ合金製フィルターのろ過特性を評価するために、それぞれ第7実施形態で使用したろ過器15に装着し、室温で線流速が48m/Hrの通水条件で水酸化鉄を含有する懸濁水をろ過処理し、ろ過器の出入口での水酸化鉄濃度を測定し室温における水酸化鉄の除染係数(DF)を算出した。室温における水酸化鉄の除染係数(DF)とチタンプリコート量との関係を図17に示す。
図17に示す結果から明らかなように、プリコート材としてチタン粒子をプリコートしたハステロイ合金製フィルターを使用することにより、ろ過器における除染係数が大きくなり、即ちろ過性能が顕著に向上することが判明した。
前記のように、ろ過助剤(プリコート材)として所定粒径のチタン粒子をプリコートしたハステロイ合金製フィルターをそれぞれ第7実施形態で使用したろ過器15に装着し、温度280℃、ろ過圧力7MPa、炉水pH9、線流速24m/hrの通水条件下で、鉄、固形成分およびイオン成分を含有する炉水をろ過処理し、ろ過器15の出入口での鉄、固形成分およびイオン成分濃度を測定し、各成分の除染係数(DF)を算出した。各成分の除染係数DF(出口濃度/入口濃度)の測定結果を図18に示す。
図18に示す結果から明らかなように、高温高圧条件下での鉄の除染係数は、チタン粒子をフィルターにプリコートすることにより、大幅に増加させることができた。また、固形成分およびイオン成分についても、共に除染係数が大きくなる。これらの結果より、フィルター構造材と異なる金属材料をプリコート材として形成することにより、電位が生じ高温水中において被処理液中のイオン成分を含む鉄成分を効果的にろ過し除去できることが判明した。
ろ過助剤(プリコート材)として粒径が40μm以下のバリウム酸化物としてのBaZrO粒子を用意し、第6〜第7実施形態で使用したろ過器15に装着したニッケル基合金製フィルターの被処理液側に、上記ろ過助剤のプリコート量が0〜220g/mの範囲で変化するようにプリコートして、各種のニッケル基合金製フィルターを調製した。
次に、各ニッケル基合金製フィルターのろ過特性を評価するために、それぞれ第7実施形態で使用したろ過器15に装着し、室温で線流速が48m/Hrの通水条件で水酸化鉄を含有する懸濁水をろ過処理し、ろ過器の出入口での水酸化鉄濃度を測定し室温における水酸化鉄の除染係数(DF)を算出した。室温における水酸化鉄の除染係数(DF)とチタンプリコート量との関係を図19に示す。
図19に示す結果から明らかなように、プリコート材としてBaZrO粒子をプリコートしたニッケル基合金製フィルターを使用することにより、ろ過器における除染係数が大きくなり、即ちろ過性能が顕著に向上することが判明した。
このように、第9実施形態に係るろ過器によれば、ニッケル基合金製フィルターのプリコート材として異種金属のチタン粒子を用いているため、固形成分およびイオン成分のろ過性能を向上することが可能となる。またBaZrO粒子をフィルターにプリコートすることにより、高温水中に含有されるイオン鉄を除去することができるので、これらのプリコート膜を形成したフィルターを装着したろ過器を設置することにより、発電プラントの給水中または炉水およびヒータドレンに含有される懸濁物やイオン成分濃度を効果的に低減することができ、これらの懸濁物等に起因する配管内面でのエロージョンの発生を防止でき、伝熱管表面への懸濁物付着による伝熱阻害を防止できると共に、伝熱性能を回復するために伝熱管を高頻度で洗浄する必要がなくなるなどの優れた効果が発揮される。
本発明に係るろ過器の一実施形態の構成を示す系統図。 本発明に係るろ過器の一実施形態の内部構造を示す断面図。 本発明に係るろ過器の一実施形態の内部構造例を示す断面図。 従来の発電プラントの構成を概略的に示す系統図。 発電プラントの給水系に本発明に係るろ過器を設置した発電プラントの系統図。 ニッケル基合金製フィルターの鉄成分に対する除染係数と、ろ過器の出口鉄濃度との関係を示すグラフ。 発電プラントのヒータドレン系に本発明に係るろ過器を設置した発電プラントの系統図。 本発明に係るろ過器に逆洗を可能にする逆洗設備を設置した構成を示す系統図。 給水系に本発明に係るろ過器を設置し、かつろ過器用の逆洗設備を設置した発電プラントの系統図。 ヒータドレン系に本発明に係るろ過器を設置し、かつろ過器用の逆洗設備を設置した発電プラントの系統図。 沸騰水型原子力発電プラントにろ過器を設置した発電プラントの系統図。 加圧水型原子力発電プラントにろ過器を設置した発電プラントの系統図。 火力発電プラントにろ過器を設置した発電プラントの系統図。 沸騰水型原子力発電プラントの再循環ラインに本発明に係るろ過器を設置し発電プラントの系統図。 ニッケル基合金製フィルターの高温高圧下におけるコバルトの除去性能を示すグラフ。 ニッケル基合金製フィルターにろ過助剤をプリコートした状態を示すフィルターの斜視図および部分拡大断面図。 水酸化鉄の除染係数とチタンプリコート量との関係を示すグラフ。 チタン粒子のプリコートによる、高温水中での鉄の除染係数への影響を示すグラフ。 ニッケル基合金製フィルターにBaZrO粒子をプリコートした量と除染係数(ろ過性能)との関係を示すグラフ。
符号の説明
1 ろ過器
2 タンク
3 ニッケル基合金製フィルター
3a 封止部
3b I型フィルタ
4a 被処理液流入ライン
4b 処理液流出ライン
5a ニッケル基合金製プリーツ状フィルター
5b 封止部
6 プリーツフィルタ支持板
7 プリーツフィルタ支持棒
8 蒸気発生器
9 高圧タービン
10 低圧タービン
11 復水器
12 復水脱塩設備
13 低圧ヒータ
14 高圧ヒータ
15 給水ろ過器
16 ヒータドレン用ろ過器
17a 逆洗設備
17b 逆洗ライン
17c 逆洗液排出ライン
18a バブリングガス供給設備
18b バブリングガス供給ライン
18c バブリングガス排出ライン
18d ドレンライン
18e 超音波発生装置
19 給水ろ過器逆洗設備
20 ヒータドレンろ過器逆洗設備
21 圧力容器
22 蒸気発生器
23 脱気器
24 蒸発器
25 節炭器
26 圧力容器
27a 再循環ライン
27b 分岐ライン
28 炉水浄化設備
29 ろ過器
30 ろ過器
31 循環ライン
32 ろ過器
33 ニッケル基合金フィルター
34 ろ過助剤
35 給水系

Claims (5)

  1. ニッケル基合金繊維焼結シートで作製されたニッケル基合金製フィルターをろ過材として装着したろ過器であり、上記ニッケル基合金製フィルターにろ過助剤として粉末状チタンもしくは繊維状チタンがプリコートされていることを特徴とするろ過器。
  2. ニッケル基合金繊維焼結シートで作製されたニッケル基合金製フィルターをろ過材として装着したろ過器であり、上記ニッケル基合金製フィルターにろ過助剤としてバリウム酸化物系の無機材料がプリコートされていることを特徴とするろ過器。
  3. バリウム酸化物系の無機材料としてジルコニウム酸バリウムおよびチタン酸バリウムの少なくとも一方が積層もしくは混合された状態でプリコートされていることを特徴とする請求項記載のろ過器。
  4. ッケル基合金繊維焼結シートで作製されたニッケル基合金製フィルターをろ過材として装着したろ過器であり、上記ニッケル基合金製フィルターにろ過助剤としてフィルター素材と異なる金属がプリコートされていることを特徴とする請求項記載のろ過器。
  5. フィルター素材と異なる金属が、粉末状チタンまたは繊維状チタンであることを特徴とする請求項記載のろ過器。
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