JP2978382B2 - 超音波モータのステータ - Google Patents

超音波モータのステータ

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JP2978382B2
JP2978382B2 JP5227482A JP22748293A JP2978382B2 JP 2978382 B2 JP2978382 B2 JP 2978382B2 JP 5227482 A JP5227482 A JP 5227482A JP 22748293 A JP22748293 A JP 22748293A JP 2978382 B2 JP2978382 B2 JP 2978382B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波モータのステータ
に係り、詳しくは低コストで効率のよい振動を得ること
のできるステータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の超音波モータのステータとして、
例えば特公平4−77553号に示す振動波モータがあ
る。
【0003】この振動波モータの振動子の両面には電歪
素子が設けられている。そして、電歪素子とは離れた部
分の振動子には移動体が押圧されている。又、前記電歪
素子に所定の高周波電圧を印加すると、その電気エネル
ギーが振動エネルギーに変換される。そして、振動エネ
ルギーによってステータには一方向の進行波が発生し、
この進行波とは逆の方向に摩擦力を介して移動体が移動
する。
【0004】一般に、モータのトルクを大きくするため
には、ステータに発生する進行波の振動振幅を大きくし
たり、ステータに押圧される移動体の押圧力を大きくす
る必要がある。
【0005】ここで、ステータに発生する進行波の振動
振幅を拡大してモータのトルクを大きくする目的とした
超音波モータのステータが図16及び図17に示すよう
に提案されている。このステータ81は支持部82、肉
薄部83、振動発生部84、突起85及び一対の圧電素
子86a,86bとから構成されている。即ち、支持部
82の外周面には肉薄部83が形成され、肉薄部83の
外周には振動発生部84が形成されている。更に、振動
発生部84の外周には上下方向に突出する突起85が形
成されている。又、前記一対の圧電素子86a,86b
は振動発生部84の上下両面に付着されている。
【0006】従って、圧電素子86a,86bに電圧を
印加して振動発生部84を振動させると、その振動は肉
薄部83により支持部82には伝達されないため、突起
85に効率よく伝達される。又、その振動の上下の振幅
は突起85によって拡大されるため、図示しないロータ
が回転して、2倍の振動力により出力を向上させること
ができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ステー
タ81の突起85はカッティングによって精密、かつ、
高精度に形成されるため、その作業時間が大変長く加工
コストが増大するという問題がある。例えば、突起85
がステータ81の片面に72個あり、これらがそれぞれ
180゜対向した位置にあるとする。この場合、フライ
ス盤のエンドミルを直径方向に移動させて突起85を形
する時間は略3分程かかる。そのため、ステータ81
の両面に突起85を形成する製造時間は、72×3=2
16分≒3時間を要することになる。従って、ステータ
81を製造するために膨大な時間と加工機を長時間専有
するので、コストが上昇してしまうという問題がある。
【0008】しかも、肉薄部83を形成する場合もカッ
ティングによって精密に形成するため、更に加工コスト
が増大するという問題がある。本発明は上記問題点を解
決するためになされたものであって、その目的は加工作
業が容易でステータに発生する進行波の振動振幅を拡大
しロータを効率よく回転させ、しかもステータの加工時
間を短くしコストを低減させることができる新規構造の
超音波モータのステータを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに請求項1に記載の発明は、ロータと圧接し半径方向
における複数の切欠きにより形成される複数の弾性片を
有する圧接板と、屈曲振動を発生する円環状の圧電素子
を備える振動発生源とを備えた超音波モータのステータ
であって、前記振動発生源は、前記弾性片の下面に取り
付けられることをその要旨とする。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の超音波モータのステータにおいて、前記切欠きは打ち
抜き加工であることをその要旨とする。請求項3に記載
の発明は、請求項に記載の超音波モータのステータに
おいて、前記圧接板には、該圧接板を超音波モータの本
体ケースの載置部にネジによって取付固定するための取
付孔を設けたことをその要旨とする。請求項4に記載の
発明は、請求項1に記載の超音波モータのステータにお
いて、前記圧接板は、超音波モータの本体ケースの載置
部に載置されるベース部とベース部の厚さよりも薄い振
動部を有していることをその要旨とする。請求項5に記
載の発明は、請求項4に記載の超音波モータのステータ
において、前記ベース部の半径は前記圧接板の半径の半
分であることをその要旨とする。請求項6に記載の発明
は、請求項に記載の超音波モータのステータにおい
て、前記弾性片と前記振動発生源との間で発生する進行
波の1波長内に前記弾性片が2〜8個入るように形成し
たことをその要旨とする。請求項7に記載の発明は、請
求項に記載の超音波モータのステータにおいて、前記
圧接板は、熱処理表面処理又はショットーニングを
施したことをその要旨とする。請求項8に記載の発明
は、請求項に記載の超音波モータのステータにおい
て、前記圧接板は、バネ鋼りん青銅ベリウム銅、恒
弾性ばね合金又はステンレス鋼により形成したことをそ
の要旨とする。請求項9に記載の発明は、請求項に記
載の超音波モータのステータにおいて、前記切欠きの基
部に円弧部もしくは円孔を形成したことをその要旨とす
る。請求項10に記載の発明は、請求項に記載の超音
波モータのステータにおいて、前記振動発生源は圧電素
子が取り付けられた金属製の弾性体とから構成される
とをその要旨とする。
【0011】
【作用】請求項1乃至10に記載の発明によれば、振動
発生源の表面に弾性片が取り付けられることになるの
で、振動発生源の表面には周方向に切欠きと弾性片とが
交互に配置されることになり、周方向に突起が形成され
た状態になる。また、圧接板の切欠きは板材から形成す
るので複雑な切削加工が不要になる。
【0012】請求項2記載の発明によれば、圧接板の
切欠きは打ち抜き加工されるため、複雑な切削加工が不
要になる。請求項3に記載の発明によれば、圧接板がそ
の取付孔を利用して本体ケースの載置部にネジによって
取付固定されるため、圧接板を前記載置部に強固に固定
することができる。請求項4に記載の発明によれば、ベ
ース部が振動部よりも厚く形成されているため、そのベ
ース部が載置部に、より強固に固定されるようになる。
請求項5に記載の発明によれば、不要な振動の発生を抑
制できるため、振動振幅を効率よく拡大することができ
る。請求項6に記載の発明によれば、弾性片による振動
振幅の拡大を効率よく行うことができる。請求項7及び
8に記載の発明によれば、弾性片の弾性力を向上させる
ことができる。請求項9に記載の発明によれば、弾性片
から発生した不要振動の応力が切欠きの基部に集中する
ことが抑えられるため、圧接板の保護を行いその信頼性
を高めることができる。請求項10に記載の発明によれ
ば、金属製の弾性体により振動発生源における振動を増
幅することができる。
【0013】
【0014】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1,
図2に基づいて説明する。図1に示すように、超音波モ
ータを構成する本体ケース1は基台2と上部カバー3と
から構成され、前記基台2と上部カバー3により収納空
間部4が形成されている。前記基台2の中央上面には円
柱状の載置部5が突出形成されるとともに、該基台2の
中央には挿通孔6が形成され、該挿通孔6を介して回転
軸7の基端が前記収納空間部4に挿入されている。又、
前記回転軸7は前記挿通孔6に配設される軸受8によっ
て回転可能に支持されている。更に、上部カバー3には
カバー凹部3aが形成されている。このカバー凹部3a
には軸受9が配設されており、この軸受9には前記回転
軸7の基端が回転可能に支持されている。又、この回転
軸7には表面に平面部が形成されたシャフト嵌合部7a
及びフランジ7bが形成されている。
【0015】前記載置部5上面には円形状のステータ1
0が載置され、このステータ10はネジ11によって載
置部5に対して取付固定されている。又、前記ステータ
10の中心には貫通孔12が形成され、この貫通孔12
には前記回転軸7が挿通されている。
【0016】前記ステータ10はクロムモリブテン鋼製
の一対の支持板13a,13bと、リング状に形成され
た一対の圧電素子14a,14bと、リング状に形成さ
れた金属製の弾性体15と、円形状のベークライトより
なる絶縁板16とから構成されている。尚、本実施例で
は、前記支持板13aにより圧接板が構成されている。
【0017】前記一対の支持板13a,13bは載置部
5に載置されるベース部17a,17bと、該ベース部
17a,17bの外周に突出される振動部18a,18
bとから構成されている。又、一対の支持板13a,1
3bの半径の半分がベース部17a,17bの半径とな
っている。更に、本実施例では、振動部18a,18b
の厚さはベース部17a,17bの厚さより薄く形成さ
れている。
【0018】前記一対の支持板13a,13bは互いに
重ね合わされ、該一対の支持板13a,13bのベース
部17a,17b間には絶縁板16が配設されている。
この絶縁板16により一対の支持板13a,13bが電
気的に絶縁された状態になっている。
【0019】又、一対の支持板13a,13bにおける
振動部18a,18b間外周には上下両面に一対の圧電
素子14a,14bを付着した弾性体15が配設されて
いる。尚、圧電素子14aの上面には図示しない電極層
が形成されている。同様に、圧電素子14bの下面には
図示しない電極層が形成されている。又、弾性体15は
図示しないアース線により接地されている。そして、一
対の圧電素子14a,14bの各電極層には90゜位相
を異ならせた高周波電圧がそれぞれ印加されるようにな
っている。従って、絶縁16により圧電素子14a,
14bに印加される高周波電圧の短絡が防止されるよう
になっている。
【0020】前記ステータ10の上面にはアルミニウム
等により構成された金属製のロータ20が載置されてい
る。即ち、ロータ20の外周にはステータ10における
支持板13aの外周面と摺接されるリング状の圧接面2
1が突出形成されている。又、ロータ20における下面
側の圧接面21にはライニング材(耐磨耗性のテフロン
系樹脂)22が設けられている。又、前記ロータ20の
中央には挿入孔23が透設されている。そして、この挿
入孔23には前記回転軸7のシャフト嵌合部7aが挿入
されている。更に、前記ロータ20と回転軸7とは回転
方向において係合された状態にあり、ロータ20を回転
させると、回転軸7が一体回転するようになっている。
又、前記ロータ20は回転軸7の軸線方向に対して移動
することができるようになっている。
【0021】前記回転軸7のシャフト嵌合部7aにはフ
ランジ7bに当接する加圧用プレート24が挿通され、
回転軸7と加圧用プレート24とは回転方向において固
定されている。そして、回転軸7の軸線方向に対して加
圧用プレート24が移動可能となっている。加圧用プレ
ート24の下面には弾性部材25が配設され、この弾性
部材25は防振ゴム26を介して前記ロータ20に当接
されている。更に、回転軸7にはフランジ7bに当接す
るワッシャ27が配設され、このワッシャ27は前記軸
受9に対して当接されている。
【0022】従って、加圧用プレート24は弾性部材2
5及び防振ゴム26を介してロータ20を下方へ押圧し
ている。そのため、ロータ20はライニング材22を介
してステータ10の上面に対して圧接された状態で載置
されている。そして、前記圧電素子14a,14bの屈
曲振動により、一対の支持板13a,13bに発生した
一方向の進行波とは逆の方向に摩擦力を介しロータ20
及び回転軸7が回転するようになっている。尚、この押
圧力は前記ワッシャ27の厚さを変更することにより調
節することができるようになっている。
【0023】図1,図2に示すように、一対の支持板1
3a,13bの振動部18a,18bには該振動部18
a,18bの厚さ方向に貫通するように所定間隔に切欠
きとしての溝30が支持板13a,13bの半径方向に
形成され、この溝30により複数の弾性片31が複数形
成されている。又、圧電素子14a,14bの屈曲振動
により生成される進行波の1波長内に弾性片31が2〜
8個入るように溝30の数及び幅が決定されている。
【0024】又、振動部18a,18bに溝30が形成
されているため、弾性片31の半径方向の長さは一対の
支持板13a,13bの半径の長さの略1/2となって
いる。
【0025】前記一対の圧電素子14a,14bは位置
的に90°ことなり、それぞれ90°位相が異なった状
態で弾性体15に配設されているので、高周波電圧が印
加されると、圧電素子14a,14bが屈曲動作を行っ
て電気エネルギーを振動エネルギーに変換する。この振
動エネルギーを一対の支持板13a,13bの弾性片3
1に伝達する。又、弾性片31の弾性的性質により振動
振幅が拡大され、この拡大された振動振幅によってロー
タ20が摩擦力を受けて振動回転するようになってい
る。
【0026】次に、上記のように構成された超音波モー
タの作用について説明する。図示しない駆動回路から圧
電素子14a,14bに90°の位相差を持った高周波
電圧を印加すると、該圧電素子14a,14bは伸縮動
作を行い、屈曲振動を発生する。そのため、圧電素子1
4a,14bは電気エネルギーを振動エネルギーに変換
する。圧電素子14a,14bの屈曲振動の振幅は弾性
体15及び振動部18a,18bによって拡大される。
この振動により振動部18a,18bの弾性片31には
一方向の進行波が発生する。この進行波はロータ20の
圧接面21に伝達される。そのため、ロータ20は一方
向の進行波とは逆方向に摩擦力を介して回転する。
【0027】又、弾性片31の弾性的性質により進行波
の振動振幅が拡大され、この進行波によりロータ20が
効率良く回転し、超音波モータの出力を向上させること
ができる。
【0028】更に、支持板13a,13b及び振動部1
8a,18bの形状を工夫することにより、ベース部1
7a,17bに振動が伝わらないような構成とすること
ができるので、支持板13a,13bに発生する進行波
を効率よくロータ20に伝達させることができる。この
結果、超音波モータ1の出力を向上させることができ
る。
【0029】又、ロータ20等からの外力や加圧力がス
テータ10の弾性片31に加えられても、それらの力を
振動部18a,18bが弾性的性質により不要振動を吸
収するので、安定した駆動ができる。
【0030】更に、支持板13a,13bの振動部18
a,18bに形成された弾性片31は溝30によって形
成される。この溝30はプレス加工等の打ち抜きにより
容易に形成できる。即ち、振動部18a,18bに形成
される溝30のプレス加工により一度に形成することが
できるので、数分で溝30により弾性片31を形成した
支持板13a,13bを製造することができる。
【0031】その後、プレス加工により溝30が形成さ
れた支持板13a,13bの表面を研磨盤で仕上げ加工
すれば数分で完成させることができる。この結果、従来
とは異なり、支持板13a,13bの製造を容易にする
とともに、製造時間を短縮してコストを抑えることがで
きる。
【0032】又、支持板13a,13bに形成された弾
性片31の半径の長さを支持板13a,13bの半径の
略1/2としたので、圧電素子14a,14bの屈曲振
動により発生する進行波の振幅を効率良く拡大すること
ができる。即ち、弾性片31の半径方向の長さが支持板
13a,13bの半径の1/2より長くなると、弾性片
31が受ける振動振幅とは関係ない不要な振動が発生し
やくすなる。逆に、弾性片31の半径方向の長さが支持
板13a,13bの半径の1/2より短くなると、弾性
片31の弾性的性質が減少してしまう。そのため、進行
波の振動振幅を効率良く拡大することができなくなって
しまう。
【0033】ちなみに、半径60mmとなる一対の支持
板13a,13bに半径45mm、厚さ2mmとなるベ
ース部17a,17bを形成し、振動部18a,18b
の厚さを2mmとする。又、弾性体15の厚さを2mm
とし、圧電素子14a,14bの厚さを0.5mmと
し、更に溝30の幅を略2mmとしてステータ10を構
成する。
【0034】このステータ10を電気特性である動アド
ミッタンス特性を測定してみた。その結果、動アドミッ
タンスの値は13ms〜15msであった。一方、直径
67mmとなる従来のステータ81の動アドミッタンス
特性を測定してみた。その結果、動アドミッタンスの値
は15ms〜20msであった。
【0035】この結果、従来のステータ81の特性の方
が特性が良好であるが、ステータ10とステータ81の
直径が異なり、ステータ81の直径の方が大きい。その
ため、ステータ81の直径の増加分だけ動アドミッタン
スの値が向上したと考えられる。従って、従来のステー
タと同一直径となるステータ10とすれば、ステータ1
0の動アドミッタンスの特性を向上させることができ
る。
【0036】更に、ダブルパルスレーザ光源を用いてロ
ータが接触する本発明のステータ10の接触面の振動状
態と静止状態とで二重露光ホログラムを作り、振動振幅
に対応した干渉縞を得る方法により振動姿態を観察し
た。
【0037】この結果から、弾性片31上には、振動波
の振動モードが観察され、外周ほど振動振幅が大きくな
る様子が確認された。そのため、弾性片31の弾性的性
質により進行波の振動振幅が確実に拡大されていること
が分かった。又、ベース部17a,17bには縞模様が
見られず、弾性片31からの振動が振動部18a,18
bによって確実に伝達されないように遮断されているこ
とが分かった。
【0038】本実施例の支持板13a,13bを熱処
理、表面処理、ショットピーニング(ストレインピーニ
ング)等を施せば弾性片31の弾性力を向上させること
ができる。
【0039】更に、支持板13a,13bをクロムモリ
ブデン鋼により形成したが、この他に、弾性片31の弾
性力を更に向上させる目的で、バネ鋼、りん青銅、ベリ
リウム銅、恒弾性ばね合金、ステンレス鋼等により支持
板13a,13bを形成することも可能である。
【0040】次に、上記のように構成されたステータ1
0を構成する各種部材を次のように変更することも可能
である。尚、前記実施例と同一部材に付いては同一番号
を付してその詳細な説明を省略する。
【0041】図3に示すように、一対の支持板13a,
13bのベース部17a,17bの厚さと溝30により
形成される弾性片31の厚さを同じにする。又、弾性片
31の略中央には互いに拡開する斜状部33をプレス形
成する。そして、斜状部33により互いに拡開された弾
性片31の先端に弾性体15及び該弾性体15の両面に
取り付けられた圧電素子14a,14bを配設する。そ
して、厚さ方向を大きくしたステータ10の外周面にロ
ータ20を圧接させる。
【0042】この場合、弾性片31の斜状部33により
弾性片31の先端の厚さ方向を大きくすることができる
ので、圧電素子14a,14b及び弾性体15の厚さを
大きくすることができる。この結果、圧電素子14a,
14bの伸縮に基づく進行波性の屈曲振動を拡大するこ
とができる。
【0043】又、斜状部33は溝30を形成する打ち抜
きプレス加工時にて形成することができるので、支持板
13a,13bの製造時間が長くなるようなことない。
更に、図4に示すように、弾性片31には互いに離間す
る方向にクランク部34を形成して上記と同様の効果を
得るようにすることも可能である。
【0044】図5に示すように、一対の支持板13a,
13bのベース部17a,17bの厚さと、溝30によ
り形成される弾性片31の厚さを同じにする。又、一対
の支持板17a,17bの上下両面には振動抑制板35
a,35bを取付固定する。
【0045】振動抑制板35a,35bには支持板13
a,13bに形成される溝30と一致する溝36を形成
して抑制片37を形成する。この抑制片37の半径方向
の長さは弾性片31の半径方向の長さより短くする。そ
して、抑制片37により覆われていない弾性片31にロ
ータ20を圧接させる。
【0046】この構成により、圧電素子14a,14b
の伸縮による進行波性の屈曲振動が弾性片31を介して
ベース部17a,17bに伝達されないように確実に阻
止することができる。この結果、弾性片31に生成され
る進行波の振動振幅を効率よく拡大してロータ20に伝
達することができるので、超音波モータの出力を向上さ
せることができる。
【0047】本実施例においては、ロータ20における
下面側の圧接面21にライニング材22を設けたが、図
6に示すように、支持板13aの弾性片31の先端上面
にライニング材22を取り付けてもよい。従って、ライ
ニング材22の厚さの分だけ進行波の振動振幅を拡大す
ることができる。又、ライニング材22の代わりに振幅
を拡大するための付加質量を設けることも可能である。
【0048】更に、図7に示すように、一対の支持板1
3a,13におけるベース部17a,17b及び振動部
18a,18bの厚さを同じにする。そして、プレス加
工により溝30を形成する際、支持板13aの上面側に
おける弾性片31の基部側及び支持板13bの下面側に
おける弾性片31の基部側に凹部38を形成し、該弾性
片31の先端に厚さ方向の突起39を形成する。
【0049】この突起39を形成することにより弾性片
31の高さを稼ぐことができるので、進行波の振動振幅
を拡大することができる。又、弾性片31に形成された
凹部38によって進行波性屈曲振動をベース17a,1
7bに伝達しないように音響ギャップを設けることで確
実に阻止することができる。
【0050】この結果、弾性片31に生成される進行波
性が屈曲振動が突起39によって確実に拡大され、その
振動振幅をロータ20に伝達することができ、超音波モ
ータの出力を向上させることができる。
【0051】又、図7の変形例であるが、図8に示すよ
うに、弾性片31の基部側に形成した凹部38を支持板
13a,13bが互いに対向する対向面側に形成しても
よい。更に、図8には、弾性片31の進行波性の屈曲振
動伝達部位にスリット32を設け、弾性片31を細分化
し、振動追従性を良好にすることができる。この弾性片
31の細分化は本発明の実施例全ての支持盤13a,1
3bに適用することができる。
【0052】本実施例においては、溝30の加工幅を一
定にしたので弾性片31は外周に向かう程、幅が広くな
るようにしたが、図9に示すように、溝30の加工幅を
変化させることにより弾性片31の幅を全て同じにした
り、図10に示すように、外周に向かう程、幅が細くな
るように形成してもよい。
【0053】この他に、良好な形状のバリエーションと
しては、図11に示すように、弾性片31の中央幅方向
両側に内側に屈曲形成される屈曲部40を形成したり、
図12に示すように、弾性片31の幅方向両側に内側に
湾曲する湾曲部41を形成してもよい。この構成によ
り、弾性片31からベース部17a,17bに不要な振
動を伝達しないようにすることができる。
【0054】更に、図13,図14に示すように、溝3
0の基部を円弧部42を形成したり、溝30の基部に丸
孔43を形成してもよい。この構成により、弾性片31
から発生した不要振動の応力を溝30の基部に集中しな
いようにして支持板13a,13bの保護を行い信頼性
を高めることができる。
【0055】本実施例においては、一対の支持板13
a,13b、一対の圧電素子14a,14b、弾性体1
5及び絶縁板16によりステータ10を構成した。この
他に、必要に応じて、図15に示すように、溝30によ
り弾性片31が形成された1枚の支持板13aの外周下
面に圧電素子14a,14bが上下両面にそれぞれ取り
付けられた弾性体15を取り付けるようにステータ10
を構成するようにしてもよい。更に、振動発生源は圧電
素子14a,14bと弾性体15とから構成するもので
なくても、圧電素子1枚並びに圧電素子の積層体を配設
したものでもよい。
【0056】
【0057】
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1乃至10
に記載の発明によれば、加工作業が容易でステータに発
生する進行波の振動振幅を拡大してロータを効率よく回
転させ、しかもステータの加工時間が短いのでコストを
低減できるという優れた効果を奏する。特に、請求項3
に記載の発明によれば、圧接板がその取付孔を利用して
本体ケースの載置部にネジによって取付固定されるた
め、圧接板を前記載置部に強固に固定することができ
る。請求項4に記載の発明によれば、ベース部が振動部
よりも厚く形成されているため、そのベース部を載置部
に、より強固に固定することができる。請求項5に記載
の発明によれば、不要な振動の発生を抑制できるため、
振動振幅を効率よく拡大することができる。請求項6に
記載の発明によれば、弾性片による振動振幅の拡大を効
率よく行うことができる。請求項7及び8に記載の発明
によれば、弾性片の弾性力を向上させることができる。
請求項9に記載の発明によれば、弾性片から発生した不
要振動の応力が切欠きの基部に集中することが抑えられ
るため、圧接板の保護を行いその信頼性を高めることが
できる。請求項10に記載の発明によれば、金属製の弾
性体により振動発生源における振動を増幅することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波モータを示す断面図である。
【図2】本発明に係る超音波モータのステータを示す部
分断面斜視図である。
【図3】別例となるステータの構成を示す部分断面斜視
図である。
【図4】別例となるステータの構成を示す部分断面斜視
図である。
【図5】別例となるステータの構成を示す部分断面斜視
図である。
【図6】別例となるステータの構成を示す部分断面斜視
図である。
【図7】別例となるステータの構成を示す部分断面斜視
図である。
【図8】別例となるステータの構成を示す部分断面斜視
図である。
【図9】支持板に溝により形成される弾性片の形状の別
例を示す部分平面図である。
【図10】支持板に溝により形成される弾性片の形状の
別例を示す部分平面図である。
【図11】支持板に溝により形成される弾性片の形状の
別例を示す部分平面図である。
【図12】支持板に溝により形成される弾性片の形状の
別例を示す部分平面図である。
【図13】支持板に溝により形成される弾性片の形状の
別例を示す部分平面図である。
【図14】支持板に溝により形成される弾性片の形状の
別例を示す部分平面図である。
【図15】別例のステータの構成を示す部分断面斜視図
である。
【図16】従来のステータの構成を示す断面図である。
【図17】従来のステータの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…ステータ、3a…圧接板としての支持板、14
a,14b…振動発生源を構成する圧電素子、15…振
動発生源を構成する弾性体、30…切欠きとしての溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 半田 昇 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ 株 式会社 内 (72)発明者 福井 孝 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ 株 式会社 内 (72)発明者 足立 祥広 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ 株 式会社 内 (56)参考文献 特開 平4−17582(JP,A) 特開 平6−269183(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02N 2/10 - 2/16

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータと圧接し半径方向における複数の
    切欠きにより形成される複数の弾性片を有する圧接板
    と、 屈曲振動を発生する円環状の圧電素子を備える振動発生
    源と を備えた超音波モータのステータであって、 前記振動発生源は、前記弾性片の下面に取り付けられる
    ことを特徴とする超音波モータのステータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超音波モータのステー
    タにおいて、前記切欠きは打ち抜き加工であることを特
    徴とする超音波モータのステータ。
  3. 【請求項3】 請求項に記載の超音波モータのステー
    タにおいて、前記圧接板には、該圧接板を超音波モータ
    の本体ケースの載置部にネジによって取付固定するため
    の取付孔を設けたことを特徴とする超音波モータのステ
    ータ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の超音波モータのステー
    タにおいて、前記圧接板は、超音波モータの本体ケース
    の載置部に載置されるベース部とベース部の厚さよりも
    薄い振動部を有していることを特徴とする超音波モータ
    のステータ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の超音波モータのステー
    タにおいて、前記ベース部の半径は前記圧接板の半径の
    半分であることを特徴とする超音波モータのステータ。
  6. 【請求項6】 請求項に記載の超音波モータのステー
    タにおいて、前記弾性片と前記振動発生源との間で発生
    する進行波の1波長内に前記弾性片が2〜8個入るよう
    に形成したことを特徴とする超音波モータのステータ。
  7. 【請求項7】 請求項に記載の超音波モータのステー
    タにおいて、前記圧接板は、熱処理表面処理又はショ
    ットーニングを施したことを特徴とする超音波モータ
    のステータ。
  8. 【請求項8】 請求項に記載の超音波モータのステー
    タにおいて、前記圧接板は、バネ鋼りん青銅ベリウ
    ム銅、恒弾性ばね合金又はステンレス鋼により形成した
    ことを特徴とする超音波モータのステータ。
  9. 【請求項9】 請求項に記載の超音波モータのステー
    タにおいて、前記切欠きの基部に円弧部もしくは円孔を
    形成したことを特徴とする超音波モータのステータ。
  10. 【請求項10】 請求項に記載の超音波モータのステ
    ータにおいて、前記振動発生源は圧電素子が取り付けら
    れた金属製の弾性体とから構成されることを特徴とする
    超音波モータのステータ。
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