JP2978279B2 - 原子周波数標準器用恒温槽 - Google Patents

原子周波数標準器用恒温槽

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JP2978279B2 JP3109771A JP10977191A JP2978279B2 JP 2978279 B2 JP2978279 B2 JP 2978279B2 JP 3109771 A JP3109771 A JP 3109771A JP 10977191 A JP10977191 A JP 10977191A JP 2978279 B2 JP2978279 B2 JP 2978279B2
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子周波数標準器に係
り、特に原子周波数標準器用空胴共振器の温度制御用ヒ
ータに流れる電流による磁界の発生を防止した原子周波
数標準器用恒温槽に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、原子周波数標準器の一種である
水素メーザの発振原理及びその空胴共振器の重要性並び
に水素メーザ周波数標準器の特長及びその利用について
は、既に同一出願人の出願に係る発明「水素メーザ用共
振器(特開昭60−183782号)」及び「水素メー
ザ用空胴共振器(特開昭64−067002号)」に詳
細に記述されている。ここでは、そのうち、本発明に関
連の有る事項について説明する。
【0003】水素メーザの発振周波数は空胴共振器の共
振周波数により引き込まれる。そのため、水素メーザ用
空胴共振器は堅牢であり、かつ発振中高い精度で、一定
温度に温度制御されることが要求されている。空胴共振
器は石英ガラスなど熱膨張係数の小さい材料を使用して
も、変化温度範囲ΔT=1×10-3degの温度制御が必
要である。
【0004】図3に空胴共振器の構造を示すが、その外
側部はアルミニウム又は銅で作られた、共振器全体を囲
う円筒形の恒温槽8を用い、この恒温槽8の円筒部に温
度制御用ヒータ9が巻かれ、この温度制御用ヒータ9に
流す電流を制御することにより、恒温槽8の温度を一定
に保つようにしている。このような構造になっているた
め、内部に熱絶縁材で支持された共振器7の熱変動が充
分小さく留められている。また、水素メーザの発振周波
数は空胴共振器内の磁界によりシフトする。その周波数
シフト量は νz=−2750H2 Hz ・G-2 (1) である。ここで、Hは静磁場強度である。高安定な水素
メーザの発振周波数を得るためには、空胴共振器内の不
要な磁界を、極力小さくしなければならない。ところ
が、恒温槽の円筒に巻かれた温度制御用ヒータ9に流れ
る電流により、磁界が発生し、水素メーザの発振周波数
をシフトさせる。
【0005】従来の温度制御は、電流による磁界の発生
を防止するために、温度制御用ヒータ線はよりあわせた
ものを使用し、巻き始め部を温度制御用ヒータ電圧入力
端子に接続し、例えば、下から巻き上げていった場合
は、上の巻き終わり部でショートしていた。前記入力端
子から供給された電流は、よりあわされた温度制御用ヒ
ータ線の片側を流れ、巻き終わり部のショートされた所
から、もう一方の側を通って端子に戻る。このよりあわ
された線の中を流れる行き帰りの電流により、磁界の発
生を防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、発明者が、
さらに、発振周波数のシフトをおさえるべく空胴共振器
内の磁界の測定をしたところ、次のようなことが分かっ
た。すなわち、温度制御用ヒータ線をよりあわすことに
より、ほとんどの磁界は消されるが、なお、微小の磁界
が残り、中でも端子接続部近傍の磁界は特に強いという
ことである。
【0007】この不要な磁界は、共振周波数のシフトを
おさえるためには問題となる。例えば、原子周波数標準
器の一種である水素メーザの安定度は1000秒間で 1秒あ
たりおよそ 2×10-15 であり、発振周波数fm はfm =
1420 MHz(=1.42×109 Hz)である。従って、10μGの
磁界が発生すると、式(1) より発振周波数にνz =−27
50×10-10 Hz(=−2.75×10-7Hz)の変動が有り、この
変動は発振周波数fm の1.94×10-16 〔≒(2.75 ×1
0-7)/(1.42 ×109)〕に相当し、水素メーザの安定度の1
/10〔≒(1.94 ×10-16 )/(2×10-15)〕に相当する。今
後、他の部分の改善により、安定度が向上すると、ヒー
タ線に流れる電流が発生する磁界による安定度への影響
の割合は一層大きなものとなる。
【0008】ここまでは、先に挙げた同一出願人の出願
に係る発明も有ることから、専ら水素メーザ周波数標準
器について述べた。しかし、前述の問題は、水素メーザ
に限らず、空胴共振器を用いる原子周波数標準器が共通
に持っている問題である。本発明は前述の課題を解決す
るために成されたものであり、温度制御用ヒータ線に流
れる電流によって磁界が発生することを防止した原子周
波数標準器用恒温槽を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明の原子周波数標準器用恒温槽は、温度制御
用ヒータ線として、単に、よりあわせたものを使用した
だけでなく、よりあわせたヒータ線を恒温槽円筒にスパ
イラル状に巻いて往復させた。一往復の例で説明する
と、恒温槽円筒の下側から巻き始めた場合、上側で折り
返し、巻き上げたスパイラルに沿って下側に巻き戻し、
巻き始め部まで巻いて、端末をショートする。
【0010】また、端子近傍での磁界の発生を防止する
手段として、図2に示すように、端子に接続される温度
制御用ヒータ線と外部から電流を供給するリード線とを
よりあわせた。
【0011】
【作用】以上述べたように、よりあわせたヒータ線を恒
温槽円筒にスパイラル状に往復して巻くことにより、温
度制御用ヒータに流れる電流による磁界の発生を二重に
打ち消す。さらに、端子に接続されるヒータ線と外部か
ら電流を供給するリード線とをよりあわせることによ
り、端子近傍での磁界の発生も防止する。
【0012】
【実施例】図1は、第1の発明に係る原子周波数標準器
用恒温槽の一実施例を示す。この恒温槽は、空胴共振器
を囲う上下に蓋を有する外径約400mm、高さ約40
0mmの金属製円筒5から成り、その円筒部に、太さ
0.5mm、よりあわせのピッチ2mm以下の温度制御
用ヒータ線3を60mm間隔で下側よりスパイラル状に
巻く、上まで5〜6回巻き上側の巻き終わり部3cをボ
ス4にからげて、同じラインに沿わせて下側に巻き戻
す。下側の巻き終わり部3eでよりあわされたヒータ線
同士をショートする。この実施例では、スパイラル状に
一往復巻いたが、勿論複数回往復させてもよい。
【0013】第2の発明である端子部の配線は、図2に
示す通りであり、よりあわされたヒータ線の端末近傍3
a,3aとよりあわされたリード線の端末近傍1a,1
aを各々よりあわせ端子2,2にハンダ付けする。第1
の発明、第2の発明を各々単独で実施しても、それ相当
の効果を得られるが、両方共実施すると効果が大きい。
【0014】図4及び図5は、第1及び第2の発明を共
に実施した場合と、いずれも実施しない場合の恒温槽内
部の磁場分布を示す。第1及び第2の発明を共に実施し
た場合は、磁界の発生が極めて小さいことが分かる。該
磁場分布はヒータ線に電流0.5Aを流したときと流さ
ないときの磁界の変動を測定して得たものである。
【0015】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の原子周
波数標準器用恒温槽によれば、円筒に巻かれた温度制御
用ヒータ線より生ずる磁界が、よりあわせたヒータ線を
往復して巻くことにより打ち消される。また、端子部の
温度制御用ヒータ線の配線によりループが形成され、磁
界の発生原因となっていたところを、温度制御用ヒータ
線とリード線とをそれぞれよりあわせループの形成を小
さくしたことにより、磁界の発生を非常に小さく抑える
ことができる。
【0016】即ち、原子周波数標準器の空胴共振器の内
部磁界の発生をほとんどなくすことができ、VLBIや
深宇宙人工衛星追跡など、電波の位相差を用いた超精密
測定技術用として、高性能を要求される原子周波数標準
器の周波数安定度に対し、充分満足できる原子周波数標
準器用恒温槽を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の原子周波数標準器用恒温槽
の構造を示す概略図
【図2】本発明に係る端子部分の配線を示す図
【図3】空胴共振器の構造を示す概略図
【図4】本発明による恒温槽の内部磁場分布を示す図
【図5】従来の恒温槽の内部磁場分布を示す図
【符号の説明】
1 リード線 2 端子 3 温度制御用ヒータ線 4 ボス 5 恒温槽 6 水素蓄積球 7 共振器 8 内恒温槽 9 温度制御用ヒータ 10 ループ端子 11 ポスト 12 端子 15 恒温槽

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空胴共振器を収容するための円筒(5)
    と、該円筒の温度を検出するための温度センサと、該円
    筒を加熱するための温度制御用ヒータ線(3)とを備え
    た原子周波数標準器用恒温槽において、該温度制御用ヒ
    ータ線として、よりあわされた絶縁被覆ヒータ線を前記
    円筒の側面(5a)にスパイラル状に巻き、巻き終わり
    部(3c)を折り返し、スパイラル状の巻線(3b)に
    沿わせて巻き戻したことを特徴とする原子周波数標準器
    用恒温槽。
  2. 【請求項2】 空胴共振器を収容するための円筒と、該
    円筒の温度を検出するための温度センサと、該円筒を加
    熱するための温度制御用ヒータ線とを備えた原子周波数
    標準器用恒温槽において、該温度制御用ヒータ線とし
    て、よりあわされた絶縁被覆ヒータ線を前記円筒の側面
    にスパイラル状に巻き、該よりあわされた絶縁被覆ヒー
    タ線の端末近傍(3a、3a)とよりあわされた電流供
    給用リード線(1)の端末近傍(1a、1a)とを各々
    よりあわせ、前記円筒の側面に取りつけた端子(2、
    2)に配線したことを特徴とする原子周波数標準器用恒
    温槽。
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