JP2977805B1 - 不等沈下を生じた建物の矯正方法および矯正装置 - Google Patents

不等沈下を生じた建物の矯正方法および矯正装置

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JP2977805B1 JP18122098A JP18122098A JP2977805B1 JP 2977805 B1 JP2977805 B1 JP 2977805B1 JP 18122098 A JP18122098 A JP 18122098A JP 18122098 A JP18122098 A JP 18122098A JP 2977805 B1 JP2977805 B1 JP 2977805B1
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Abstract

【要約】 【課題】 不等沈下を生じた建物の矯正作業を簡単、か
つ、迅速に行うことができ、従来の方法と比較して作業
コストを低減することができる技術の提供。 【解決手段】 PC布基礎1両側面にそれぞれ設けられ
た凹部1d,1eを連通する貫通穴1fを穿設し、この
貫通穴1fを介してジャッキ受け金具4をボルト締結
し、このジャッキ受け金具4と地盤面2との間に油圧ジ
ャッキ3を介装して前記PC布基礎1が水平となるまで
ジャッキアップし、PC布基礎1底面と地盤面2との間
に生じた隙間にグラウト8を注入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不等沈下を生じた
建物の矯正方法およびそれに使用する矯正装置に属し、
特に工場にて生産することで強度が高く一定に維持され
た布基礎を使用して建物を構築することにより、その建
物が不等沈下した際にその不等沈下を簡単に矯正できる
ようにした方法およびそれに使用する矯正装置に属す
る。
【0002】
【従来の技術】住宅などを構築する際、事前に地盤調査
を種々の方法で行ない、それに順じて杭打ち、地盤改良
などの対策を講じるが、それでも地盤沈下が生じて不等
沈下を起こす建物は少なくない。このような不等沈下を
起こした建物を修復するには簡単な作業ではできない。
しかしながら、不等沈下を予測して予めその矯正ができ
るような手段を布基礎側に設けていないので、従来で
は、下記のような方法が採用されている。一度、不等沈
下を生じた建物を元通りに修復するための矯正方法とし
ては、例えば特開平9−279619号公報に開示され
ている下記〜に示すような方法がある。 .地中の布基礎フーチングの底面にジャッキをあてが
うために、当該位置より地中深く、かつ広く掘り下げ、
それで生じた空隙部にジャッキと、そのジャッキの下に
添える反力盤を設置してから布基礎のジャッキアップを
行なう。 .布基礎のジャッキアップ後、このジャッキを別の埋
め込み可能な支持材と交換する。 .の作業の後、前記空隙部にコンクリートまたはグ
ラウト材を充填する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法では下記に列記するような各種の問題があった。 .ほとんどが布基礎フーチング下の作業となって工事
が大掛かりとなり、その工事に関する期間が長くなるこ
とから、居住者は工事が完了するまで仮住まいすること
を強いられている。 .ジャッキアップ工事完了後、地中空隙部分にコンク
リートなどグラウト材を充填することになるが、特にジ
ャッキ設置部には大きな空隙が残っており、前記グラウ
ト材の充填量が余分に多くなるし、二次災害が生じる恐
れもある。また、構造的にも好ましくなく、作業性も悪
い。 .作業時の反力が取り難く、また、反力盤が局部にし
か設定できないために基礎自重、建物自重によりジャッ
キ自身が下がってしまうことにより施工が困難になる場
合が多い。
【0004】また、上記工事の欠点を補うために布基礎
側面を利用してジャッキアップすることが考えられる
が、この矯正方法は下記理由から不可能であった。 .布基礎側面をジャッキアップするためにはブラケッ
トの固定が必要となるが、このブラケット取り付けのた
めの穴明けは内部の基礎鉄筋を切断する恐れがあって不
可能である。 .従って基礎側面にはジャッキアップに必要不可欠な
ブラケットが取り付かない。 .従来の現場打ち鉄筋コンクリート布基礎では、ジャ
ッキアップに必要な曲げ剛性や強度に不足があり、ジャ
ッキアップ時健全な基礎部に割れ、亀裂発生の恐れがあ
り、ジャッキアップに対応できない。 .予め前記のような機能が具備されていないので、支
障なくジャッキアップしようとすると、時間と労力が予
想以上にかかる。
【0005】この発明は上述の問題点に着目してなされ
たもので、従来の矯正方法と比較して.布基礎が現場
打ちコンクリートより大きな強度を有し、.工事にで
きるだけ時間と労力、コストをかけずに済み、.工事
のため地中深く、かつ広くむやみに地盤の掘削をせずに
済み、.矯正した後の空隙部の充填量を必要最小限に
して後の強度保全を確実にできるようにし、.居住者
が仮住まいすることなく短期間の施工を可能とすること
などができるようにした不等沈下を生じた建物の矯正方
法およびそれに使用する矯正装置を提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、下記〜を含むこととした。 .鉄筋コンクリート布基礎は予めプレキャスト化し、
工場生産とする。 .ジャッキアップするためのブラケットを布基礎側面
に簡単に固定できるように基礎側面下部に凹部を設け
る。 .ジャッキアップする際、ジャッキの局部沈下を防止
するため、反力を均等に分散できるように、またどこに
でも取り付くように凹部を多く設ける。 .凹部を設けるに際し、予め鉄筋の配筋位置を避け
る。従って、請求項1記載の発明では、住宅など建物の
布基礎を予め現場組み立て可能に工場生産し、該布基礎
の両側面にはそれぞれ内部の補強用鉄筋を避ける位置で
対向するように凹部を適宜間隔で配設しておき、前記布
基礎を使用して建物構築後、不等沈下を生じた建物の矯
正を行なう際、沈下した布基礎の前記対向する凹部同士
の間を穿孔して貫通穴を設け、該貫通穴を介して布基礎
側面にジャッキ受け金具をボルト締結し、このジャッキ
受け金具と地面との間にジャッキを介装して前記布基礎
が水平となるまでジャッキアップし、ジャッキアップし
た布基礎底面下方に生じた隙間にグラウトを充填して固
化させることにより、布基礎を建物構築時のレベルに復
元させることを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
不等沈下を生じた建物の矯正方法に使用する矯正装置で
あって、両側面にそれぞれ内部の補強用鉄筋を避ける位
置で対向するように凹部を適宜間隔で配設して予め現場
組み立て可能に工場生産した住宅など建物の布基礎と、
前記布基礎側面に設けた凹部同士の間を現場で穿孔して
設けた貫通穴を介し該布基礎側面とボルト締結するため
のボルト穴が形成された締結部と該締結部から布基礎側
方に突出するように設けられたラム当接部とを有したジ
ャッキ受け金具と、前記ラム当接部と地面との間に装着
されるジャッキと、から構成されていることを特徴とす
る。
【0008】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
不等沈下を生じた建物の矯正装置において、前記ジャッ
キ受け金具が、前記布基礎側面に設けられた凹部に嵌着
可能に形成された凹部嵌着部と、該凹部嵌着部に突設さ
れたねじ軸とからなるボルトを備えていることを特徴と
する。
【0009】請求項4記載の発明では、請求項2または
請求項3記載の不等沈下を生じた建物の矯正装置におい
て、建物の一面側が略均等に沈下した側の布基礎に沿っ
て前記ジャッキ受け金具とジャッキが複数個設置される
と共に前記ジャッキがそれぞれ共通の圧力源に連通され
ていることを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1記載の方法では、不等沈下した建物の
矯正を行なう際、現場で布基礎に設けた貫通穴は予め設
けられていた凹部位置を穿孔することにより、補強用鉄
筋を切断することなく設けることができる。矯正時は、
前記貫通穴を介し布基礎側面にボルト締結したジャッキ
受け金具をジャッキアップするので、布基礎下面を掘り
込む必要がない。布基礎をジャッキアップしたら、直ち
にグラウチングできるので、施工時間を短縮することが
できる。また、鉄筋コンクリート布基礎を予め工場にて
プレキャスト化することにより、常に現場打ちコンクリ
ートより品質を高く一定させることができ、曲げ剛性、
剪断強度が向上し、基礎に損傷を与えることなしにジャ
ッキアップに十分耐えられる。また、従来の方法のよう
に基礎底盤下の安定した旧地盤を掘り起こすことなく工
事できるため、二次的な地盤沈下を防止することができ
る。
【0011】請求項2,3記載の装置では、前記布基礎
を使用して構築した建物が不等沈下した場合、現場作業
で貫通穴を布基礎に設けるが、布基礎側面の凹部位置を
穿孔することにより、鉄筋を切断しない位置に貫通穴が
設けられるから、予め工場生産にて設定された曲げ剛性
などの強度を維持することができる。穿孔時は凹部を穿
孔工具のガイドにできるから、穿孔位置が低くて作業姿
勢などが悪くても、正確に簡単に穿孔することができ
る。ジャッキアップポイントは任意の位置の凹部に設定
できるが、ジャッキアップポイントを予定より増加させ
るのも凹部の数の範囲内において簡単に行なうことがで
きる。ジャッキ受け金具は、布基礎側面でジャッキをセ
ットするようにさせるから、ジャッキのセット作業を簡
単に行なうことができ、ジャッキアップ状態を目視で
き、また作業後の取り外しも簡単に行なうことができ
る。
【0012】請求項4記載の装置では、共通の圧力源で
圧力を供給すると、複数のジャッキが同時作動するか
ら、簡単に正確に布基礎を矯正することができる。ま
た、ジャッキアップポイントの各部に均等に力を作用さ
せ、布基礎を保護することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。まず、図1のPC布基礎の
矯正装置を示す断面図により、実施の形態1の構成を説
明する。図1(a)において、1はプレキャストコンク
リート布基礎(以下、PC布基礎と称す)、2は地盤
面、3は油圧ジャッキ、4はジャッキ受け金具である。
【0014】前記PC布基礎1は、工場にて適切な管理
の下で製造されたものであり、図に示すように、その下
部にフーチング1aが形成されている。このPC布基礎
1の外側面1bには、円錐台形状の外側凹部1dがフー
チング1aに近い位置で布基礎の長手方向に一定ピッチ
(本実施の形態では500mmピッチ)で配設されてい
る。また、前記布基礎の内側面1cにも、前記外側凹部
1dと対抗する位置に円錐台形状の内側凹部1eが配設
され、この内側凹部1eは、前記外側凹部1dより大径
に設けられている。布基礎布設時は、前記大径な方の内
側凹部1eが囲った布基礎の内側となるように配設され
る。尚、外側凹部1dおよび内側凹部1eは、施行時に
配管類を挿通させるスリーブ穴として設けたものを使用
するが、べつに矯正用として設けてもよい。
【0015】また、このPC布基礎1の内部には、格子
状に組み上げられた補強用の鉄筋1gが設けられてい
る。前記両凹部1d,1eはこの鉄筋1gを避けた位置
に配置されているものである。このように品質管理が十
分できる工場生産を行ない補強用鉄筋を切断しない位置
に穴明けができるようにしたPC布基礎1は、両凹部1
d,1eを貫通させその貫通穴を介してジャッキアップ
しても曲げ剛性などの強度を十分に保持するように形成
されている。そして、このPC布基礎1は、前記のよう
に工場生産された後、現場に搬入され、前記フーチング
1bが地盤面2に埋設された状態で布設される。なお、
図において、前記外側凹部1dと内側凹部1eとの間に
設けられた貫通穴1fは、建物の矯正時、前記ジャッキ
受け金具4を取付ける際に電動工具で穿設されたもので
ある。
【0016】前記油圧ジャッキ3は、台板3bを介して
地盤面2上に設置されている。この油圧ジャッキ3は、
ラム3aが後退した状態で先端がジャッキ受け金具4に
当接した状態となっている。
【0017】次に、図2を用いて前記ジャッキ受け金具
4およびボルト5を説明する。前記ジャッキ受け金具4
は、前記油圧ジャッキ3のラム3a先端がその下面に当
接されるラム当接部4aと、前記PC布基礎1にボルト
5を用いてボルト締結される締結部4bとから構成され
ている。
【0018】前記ラム当接部4aは、油圧ジャッキ3の
横幅を十分収容できる長さに設けられたH形鋼4cが使
用され、両端面には補強板4d,4eが溶接固定されて
いる。4fはH形鋼のフランジとウエブを適宜間隔で区
切った状態で補強するリブである。
【0019】前記締結部4bは、前記ラム当接部4aの
フランジ幅と略同一大きさのウエブ幅を有する溝形鋼が
使用され、その先端が前記ラム当接部4aを水平状態に
してその下面側フランジの端部に垂直となるように、か
つそのウエブが外側向きとなるように配置して突合わせ
溶接にて固定されている。4hは両部材の補強用三角リ
ブである。この締結部4bのウエブ下方中央には、ボル
ト穴4gが設けられている。
【0020】前記ボルト5は、凹部嵌着部5aとねじ軸
5bとから構成されている。この凹部嵌着部5aは、モ
ルタルで形成された円錐台形状のもので、前記PC布基
礎1の内側凹部1eに嵌着可能な大きさに形成され、そ
の小径面側の中心には、ジャッキアップ時に作用する外
力に十分耐える大きさのねじ軸5bが突設されている。
前記貫通穴1fおよびボルト穴4gは、このねじ軸5b
を基準にして大きさが設定されている。尚、6は前記ね
じ軸5bに使用するナットであり、7は平座金である。
【0021】次に、本実施の形態の不等沈下を生じた建
物の矯正方法を図1を用いて説明する。図1の(a)
は、不等沈下により図の手前側が奥側よりも大きく沈下
している状態となっている。まず、PC布基礎1の外側
凹部1dから内側凹部1eに向かって、電動工具で穿孔
し貫通穴1fを設ける。この場合、貫通穴1fの大きさ
は、ねじ軸5bが隙間が少なく挿通される大きさがよ
い。
【0022】続いて、内側凹部1eにボルト5の凹部嵌
着部5aが嵌着するようにねじ軸5bを貫通穴1fに挿
入し、その先端部分を外側面1bから突出させる。この
外側面1bから突出したねじ軸5bにボルト穴4gを挿
通させてジャッキ受け金具4をセットし、平座金7を介
してナット6を締め付けることにより、ジャッキ受け金
具4をPC布基礎1の外側面1bに固定させる。
【0023】次に、地盤面2上であって前記ジャッキ受
け金具4をカバーする位置に十分広くて厚い台板3bを
敷設し、この台板3bとラム当接部4aとの間に油圧ジ
ャッキ3を介装する。このとき、上述したように、油圧
ジャッキ3のラム3aは、後退して当接した状態となっ
ている。この油圧ジャッキ3のセットは、必要に応じて
増減する。
【0024】適正なセットが完了した後、前記油圧ジャ
ッキ3に油圧を送ってラム3aを上昇させると、このラ
ム3a先端に当接したラム当接部4aが上方向に押圧さ
れるため、ジャッキ受け金具4とボルト締結されたPC
布基礎1がジャッキアップされる。そして、図1(b)
に示すように、PC布基礎1が水平状態となるまでジャ
ッキアップしたところで油圧ジャッキ3の油圧を保持し
てラム3aの上昇を停止させる。この時、PC布基礎1
の底面と地盤2との間に不等沈下していた深さの大きさ
が隙間として形成される。続いて、前記隙間にグラウト
8を注入して固化させPC布基礎1を水平状態で固定す
ることにより、不等沈下を生じた建物を正規なレベルに
矯正することができる。
【0025】以上説明してきたように、本実施の形態に
おいては、PC布基礎1の側面にジャッキ受け金具4を
ボルト締結し、それを用いて油圧ジャッキ3によりPC
布基礎1をジャッキアップするため、布基礎底面に油圧
ジャッキ3を介装したりくさびを打ち込むための穴を掘
削する従来の方法と比較して、矯正作業を迅速、かつ、
簡単に行うことができ、作業コストの低減を図ることが
できる。
【0026】また、矯正作業時に現場穿設される貫通穴
1fは、PC布基礎の工場生産時に形成された外側凹部
1dおよび内側凹部1eを利用して電動工具などで簡単
に穿設可能なため、作業効率をより一層向上させること
ができる。さらに、PC布基礎1内部に配設された補強
用の鉄筋1gは、前記両凹部1d,1eが鉄筋位置を避
けて配設されているため、貫通穴1f穿設時に鉄筋1g
を切断してPC布基礎1の曲げ強度を低下させるような
危険性がない。また、このため、誰でも簡単に貫通穴を
穿孔し、作業を進めることができる。
【0027】さらに、前記ボルト5の凹部嵌着部5a
は、前記PC布基礎1の内側面1cに設けられた内側凹
部1eに嵌着可能に形成されているため、大きな引き抜
き力に対して集中応力を避け、亀裂が生じることなく、
ジャッキ受け金具4を安全に固定することが可能であ
る。
【0028】次に、実施の形態2を図3に基づいて説明
する。尚、本実施の形態において、前記実施の形態1と
同一の構成部分には、同一の符号を付してその説明は省
略する。図3に示すように、本実施の形態のPC布基礎
10は、布基礎部10aとフーチング部10bがそれぞ
れ別々に工場生産され、施行時には、まずフーチング部
10bを地盤面2に布設しておき、その後で、布基礎部
10aの下端をフーチング部10bの上面に形成された
嵌合溝10cに嵌め込む構成となっている。
【0029】また、本実施の形態は、台板3bとフーチ
ング部10bのテーパ面との間に敷板11が介装されて
いる。この敷板11の底面に形成されたテーパ面は、前
記フーチング部10bのテーパ面と同一のテーパ角度を
有しているため、油圧ジャッキ3は地面と水平にフーチ
ング部10bに載置された状態となっている。尚、この
敷板11の代わりに、前記フーチング部の上面に予め水
平台部分を一体に形成していてもよい。
【0030】次に、本実施の形態の不等沈下を生じた建
物の矯正方法を説明する。本実施の形態においては、敷
板11とラム当接部4aとの間に油圧ジャッキ3を介装
させる。油圧ジャッキ3に油圧を送ってラム3aを上昇
させると、ジャッキ受け金具4とボルト締結された布基
礎部10aはジャッキアップされるが、フーチング部1
0bは沈下したままである。
【0031】そして、図3(b)に示すように、前記布
基礎部10aが水平となったときにジャッキアップを停
止し、このとき布基礎部10aの底面とフーチング部1
0bの嵌合溝10cとの間に生じた隙間に、グラウト8
を注入して固化させ布基礎部10aを水平状態で固定す
ることにより、建物の沈下による傾斜を矯正することが
できる。
【0032】本実施の形態は、ジャッキアップ時にフー
チング部10bを持ち上げないため、ジャッキアップ力
を少なくできるため、ジャッキアップ作業をより一層簡
便、かつ、迅速に行うことができる。また、PC布基礎
10と地盤2とが固く馴染んだ状態で建物の傾きを矯正
することができる。
【0033】次に、実施の形態3を図4に基づいて説明
する。図4は、実施の形態3のジャッキ受け金具40を
示す側面図である。本実施の形態においても、前記実施
の形態1または2と同一の構成部分には同一の符号を付
してその説明は省略する。
【0034】このジャッキ受け金具40は、ラム当接部
40aの上面中央にナット41が溶接され、このナット
41にアイボルト42がボルト締結されているもので、
このアイボルト42にフックを引っ掛け、ウインチやク
レーンでつり上げることが可能となる。
【0035】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定される
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更
などがあっても本発明に含まれる。
【0036】たとえば、実施の形態においては、ジャッ
キ受け金具4は一つの貫通穴に対して一つ取付ける場合
について説明したが、締結部4bを横長に形成して複数
の穴にボルト締結させ、その長い締結部に対して複数の
油圧ジャッキを配置し、または大きな容量の油圧ジャッ
キを一カ所に配置してジャッキアップするようにしても
よい。油圧ジャッキを複数使用する場合は、各油圧ジャ
ッキ3に供給する油圧を流量調整弁などで傾きに応じて
調整するようにしてもよい。また、前記ジャッキ受け金
具をボルト締結するための貫通穴を、予めPC布基礎に
設けてその内部を石膏、ゴム、金属、プラスチックなど
で密栓し前記凹部1d,1eを形成しておき、矯正時に
その密栓を除去して貫通穴を再生するようにしてもよ
い。
【0037】また、図1(b)および図3(b)では、
グラウト8は内側面1c側から注入する様子を示してい
るが、外側面1b側から注入しても構わないし、注入箇
所および注入方法は任意である。
【0038】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明では予
期せぬ地盤沈下により住宅などの小規模な建物が不等沈
下した際に適用して下記の効果が得られる。 .簡単、かつ敏速に修復が可能となり居住者に引っ越
し、仮住まいを強いることなく迷惑をかけずに工事がで
きる。 .短期間に工事が完了するため、工事費の低減ができ
る。 .必要に応じジャッキの本数を加減した工事が可能と
なり、地盤からの反力が取り易くなり、工事が安易にな
る。 .工事が基礎底面ほか周辺を余分に掘り起こすことな
く確実にできるので、二次沈下を防止できる。 .簡単に修復が可能になることで地盤改良、基礎補強
など過剰な工事を省け、工事費の低減になる。 また、本発明請求項1記載の不等沈下を生じた建物の矯
正方法にあっては、PC布基礎側面に穿設された貫通穴
にジャッキ受け金具をボルト締結し、このジャッキ受け
金具と地盤面との間に油圧ジャッキを介装して前記PC
布基礎が水平となるまでジャッキアップし、PC布基礎
側面と地盤面との間に生じた隙間にグラウトを注入する
方法としたため、建物の不等沈下を簡単、かつ、迅速に
行うことができる。このため、作業効率を向上させ、コ
ストの低減を図ることができる。
【0039】請求項2,請求項3記載の不等沈下を生じ
た建物の矯正方法に使用する矯正装置にあっては、不等
沈下の矯正に際し、PC布基礎側面の凹部に従って穿孔
するだけで補強用鉄筋を切断することなく貫通穴を設け
ることができる。このため、予め工場生産にて設定され
た曲げ剛性などの強度を維持し、安全にジャッキアップ
することができる。穿孔時は凹部を穿孔工具のガイドに
できるから、穿孔位置が低くて作業姿勢などが悪くて
も、正確に、簡単に、かつ安全に穿孔することができ
る。また、ジャッキアップポイントは任意の位置の凹部
に設定できるが、ジャッキアップポイントを予定より増
加させるのも凹部の数の範囲内において、簡単に行なう
ことができる。ジャッキ受け金具は、PC布基礎側面で
ジャッキをセットするようにさせるから、ジャッキのセ
ット作業を簡単に行なうことができ、ジャッキアップ状
態を目視でき、また作業後の取り外しも簡単に行なうこ
とができる。また、前記ジャッキ受け金具が、前記PC
布基礎側面に設けられた凹部に嵌着可能に形成された凹
部嵌着部とねじ軸とからなるボルトを備えているため、
ジャッキアップ時に大きな引き抜き力に対して集中応力
を避け、布基礎に亀裂などの損傷を与えることがないな
どの効果が得られる。
【0040】請求項4記載の不等沈下を生じた建物の矯
正方法に使用する矯正装置にあっては、共通の圧力源で
圧力を供給すると、複数のジャッキが同時作動するか
ら、簡単に正確にPC布基礎を矯正することができる。
また、ジャッキアップポイントの各部に均等に力を作用
させ、PC布基礎を保護することができるなどの効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態1のPC布基礎の矯正装置を
示す断面図である。
【図2】実施の形態1のジャッキ受け金具およびボルト
を示す斜視図である。
【図3】実施の形態2の布基礎を示す幅方向断面図であ
る。
【図4】実施の形態3のジャッキ受け金具を示す側面図
である。
【符号の説明】
1 プレキャストコンクリート布基礎(PC布基礎) 1a フーチング 1b 外側面 1c 内側面 1d 外側凹部 1e 内側凹部 1f 貫通穴 1g 補強用鉄筋 2 地盤面 3 油圧ジャッキ 3a ラム 4 ジャッキ受け金具 4a ラム当接部 4b 締結部 4g ボルト穴 5 ボルト 5a 凹部嵌着部 5b ねじ軸 8 グラウト 10 プレキャストコンクリート布基礎 10a 布基礎部 40 ジャッキ受け金具

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 住宅など建物の布基礎を予め現場組み立
    て可能に工場生産し、該布基礎の両側面にはそれぞれ内
    部の補強用鉄筋を避ける位置で対向するように凹部を適
    宜間隔で配設しておき、前記布基礎を使用して建物構築
    後、不等沈下を生じた建物の矯正を行なう際、沈下した
    布基礎の前記対向する凹部同士の間を穿孔して貫通穴を
    設け、該貫通穴を介して布基礎側面にジャッキ受け金具
    をボルト締結し、このジャッキ受け金具と地面との間に
    ジャッキを介装して前記布基礎が水平となるまでジャッ
    キアップし、ジャッキアップした布基礎底面下方に生じ
    た隙間にグラウトを充填して固化させることにより、布
    基礎を建物構築時のレベルに復元させることを特徴とす
    る不等沈下を生じた建物の矯正方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の不等沈下を生じた建物の
    矯正方法に使用する矯正装置であって、両側面にそれぞ
    れ内部の補強用鉄筋を避ける位置で対向するように凹部
    を適宜間隔で配設して予め現場組み立て可能に工場生産
    した住宅など建物の布基礎と、前記布基礎側面に設けた
    凹部同士の間を現場で穿孔して設けた貫通穴を介し該布
    基礎側面とボルト締結するためのボルト穴が形成された
    締結部と該締結部から布基礎側方に突出するように設け
    られたラム当接部とを有したジャッキ受け金具と、前記
    ラム当接部と地面との間に装着されるジャッキと、から
    構成されていることを特徴とする不等沈下を生じた建物
    の矯正装置。
  3. 【請求項3】 前記ジャッキ受け金具が、前記布基礎側
    面に設けられた凹部に嵌着可能に形成された凹部嵌着部
    と、該凹部嵌着部に突設されたねじ軸とからなるボルト
    を備えていることを特徴とする請求項2記載の不等沈下
    を生じた建物の矯正装置。
  4. 【請求項4】 建物の一面側が略均等に沈下した側の布
    基礎に沿って前記ジャッキ受け金具とジャッキが複数個
    設置されると共に前記ジャッキがそれぞれ共通の圧力源
    に連通されていることを特徴とする請求項2または請求
    項3記載の不等沈下を生じた建物の矯正装置
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