JP2974834B2 - 新規エステル化合物、香料組成物および付香物品の匂い特性を改善、強調、付与または修正する方法、付香組成物および物品、および新規化合物を製造するための方法および中間体 - Google Patents

新規エステル化合物、香料組成物および付香物品の匂い特性を改善、強調、付与または修正する方法、付香組成物および物品、および新規化合物を製造するための方法および中間体

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JP2974834B2 JP3214881A JP21488191A JP2974834B2 JP 2974834 B2 JP2974834 B2 JP 2974834B2 JP 3214881 A JP3214881 A JP 3214881A JP 21488191 A JP21488191 A JP 21488191A JP 2974834 B2 JP2974834 B2 JP 2974834B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C69/00Esters of carboxylic acids; Esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C69/003Esters of saturated alcohols having the esterified hydroxy group bound to an acyclic carbon atom

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規エステル化合物お
よび香料製造におけるその使用に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】香料工業は、パーフュ
ーマーに既に利用しうる香調の範囲を拡大および/また
は改善しうる新規香気成分をコンスタントに必要とす
る。従って、この分野に新たに貢献する化合物を見出す
ことが切望された。
【0003】
【課題を解決するための手段】ところで、式
【0004】
【化6】
【0005】[式中Rは3,3−ジメチル−1−シクロ
ペンチル基または3,3−ジメチル−1−シクロヘキシ
ル基を表わし、Rは飽和、線状または枝分れのC
アルキル基を表わし、R〜Rは水素原子または
メチル基を表わし、その際、Rおよび/またはR
メチル基を表わす場合にはRおよびRはそれぞれ水
素原子を表わすか、またはRおよび/またはRがメ
チル基を表わす場合にはRおよびRはそれぞれ水素
原子を表わす]で示される新規化合物は非常に有用な匂
い特性を有し、従って香料組成物および付香物品の製造
のために使用しうることを見出した。
【0006】従って、本発明の対象は、式Iで示される
新規エステル化合物であり、これらは実際にムスクアン
ブレットタイプの香調を、果実様およびときには花様の
タイプ特性と一緒に発現しうる。
【0007】化合物(I)のうちで、望ましい化合物と
して4−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−
2,2−ジメチル−3−オキサペンチルプロパノエート
が、式
【0008】
【化7】
【0009】で示される光学活性異性体の1つの形でま
たはラセミ化合物として挙げられる。
【0010】本発明による他の望ましい化合物は、4−
(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−2−メチ
ル−3−オキサペンチルプロパノエート、4−(3,3
−ジメチル−1−シクロヘキシル)−1−メチル−3−
オキサペンチルプロパノエートまたはその任意の混合物
を包含する。
【0011】また、本発明は、式
【0012】
【化8】
【0013】で示される異性体の形または式
【0014】
【化9】
【0015】[上記式中符号RおよびR5は式(I)に
おいて指示したものを表わす]で示される異性体の形の
化合物(I)の混合物を提供する。
【0016】本発明の他の対象は、香料組成物または付
香物品の匂い特性を改善、強調、付与または修正する方
法を提供することであり、該方法は該組成物または物品
に、上記に定義した式(I)で示される化合物の香気有
効量を添加することを要旨とする。
【0017】また、本発明は上記方法から得られる香料
組成物または付香物品を提供する。
【0018】本発明のもう1つの対象は、式(I)で示
される化合物または上記に定義したような化合物(I)
の混合物の製造方法であり、該方法は式
【0019】
【化10】
【0020】[式中符号RおよびR1〜R4は式(I)に
おいて定義したものである]で示されるヒドロキシ−エ
ーテルまたは式(II)で示される適当な構造異性体の
混合物を適当なエステル化剤で処理することを要旨とす
る。
【0021】本発明による化合物は、それ自体純粋な状
態でまたは異性体混合物の形で存在することができ、こ
れは置換基R1〜R4の種類の関数としてである。こうし
て、化合物(I)はそれ自体、上記に定義したような式
(Ia)および(Ib)で示される異性体の混合物の形
でまたは上記に定義したような式(Ic)および(I
d)で示される異性体の混合物として存在しうる。実際
に、これらの混合物はそれら個々の成分に代わるものと
して使用することのできる有利な香気成分でもあること
が観察された。
【0022】式(Ia)〜(Id)で示される化合物の
うち、式(Ib)または(Id)で示される化合物は本
発明による望ましい化合物として挙げられ、その匂い
は、化合物(Ia)または化合物(Ic)よりも顕著な
ムスクアンブレット特性(純粋かつ一そうエレガント)
を有する。
【0023】さらに、それらの共通のムスクアンブレッ
ト特性にも拘らず、望ましい化合物(Ib)または(I
d)の光学活性異性体も明瞭な匂い特性を有し、若干の
異性体は他のものよりも良好に発現しうることも観察さ
れた。
【0024】本発明の化合物のうち、4−(3,3−ジ
メチル−1−シクロヘキシル)−2,2−ジメチル−3
−オキサペンチルプロピオネートが、望ましい化合物と
して挙げられる。このものは、ムスクアンブレットの匂
いを発し、花様のアンダーノートおよびペア(Pea
r)タイプの果実様特性を有する。アンブレット特性と
ペア特性のこの組合せは、化合物(I)のシリーズのと
くに有用で代表的なものであり、これはそれの配合され
た組成物に、下記の適用例から明らかなように、全く予
想外のペアおよびアンブレットシードタイプの香調を与
える。
【0025】上記した本発明の望ましい化合物によって
与えられる香り効果は、該化合物をその光学活性異性体
の1つの形、つまり式
【0026】
【化11】
【0027】で示される化合物または(+)−(1′
R,4S)−4−(3′,3−ジメチル−1′−シクロ
ヘキシル)−2,2−ジメチル−3−オキサペンチルプ
ロパノエートの形で使用する場合、より強力かつムスク
香である。しかし、本発明の他の光学活性異性体も、非
常に有用な香気成分である。同様に、4−(3,3−ジ
メチル−1−シクロヘキシル)−2,2−ジメチル−3
−オキサペンチルプロパノエートと4−(3,3−ジメ
チル−1−シクロヘキシル)−1,1−ジメチル−3−
オキサペンチルプロパノエートの混合物も、上記した望
ましい純粋な化合物よりも低コストの利点を有する、本
発明による有用な適用の香気成分であることが立証され
た。
【0028】本発明の他の望ましい香気成分は、4−
(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−2−メチ
ル−3−オキサペンチルプロパノエートおよび4−
(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−1−メチ
ル−3−オキサペンチルプロパノエートならびにその混
合物を包含する。これらの組成物は、ウイリアムペア
(William Pear)のストレートな特性と共
に、ムスク様アンブレットタイプの香調を発する。嗅覚
的観点からは、4−(3,3−ジメチル−1−シクロヘ
キシル)−2−メチル−3−オキサペンチルプロパノエ
ートがより望ましい異性体である。
【0029】本発明による他の化合物の匂い特性は、下
記の相応する製造例において詳述する。
【0030】本発明の化合物および混合物は、香料組成
物およびベースの製造のための微妙な調香および種々の
消費物品を付香するための官能的調香の双方において等
しく有利に使用することができる。後者の例は、石け
ん、シャワーまたはバス用ゲル、シャンプーおよび他の
ヘア・ケア製品、身体または空気脱嗅剤を包含する。こ
れらのものは、洗剤または織物柔軟化剤および住居用製
品を付香するためにも有用である。
【0031】上記の用途において、本発明の化合物は単
独か、または他の香料共成分ならびに香料製造において
現在使用されている溶媒またはキャリヤとの混合物で使
用することができる。それらの使用される濃度は、広い
数値範囲で変えることができる。当業者は経験によっ
て、かかる数値は所望の付香効果の関数であり、ならび
に与えられた組成における他の共成分の種類に依存して
いる。実施例により、組成物の重量に対して、本発明に
よる化合物または混合物5〜10重量%または20重量
%以上の程度の値を挙げることができる。これらの値
は、本発明の化合物を上述した機能品を付香するために
使用する場合にはもっと低くてもよい。
【0032】本発明による式(I)の化合物またはその
混合物は式
【0033】
【化12】
【0034】[式中RおよびR1〜R4は式(I)に指示
したものを表わす]で示されるヒドロキシ−エーテルの
適当なエステル化剤での処理を包含するオリジナルな方
法によって製造される。
【0035】本発明方法において出発物質として使用さ
れるヒドロキシ−エーテルは、適当なエタノンから下記
に反応式で表わしたように製造することができる。この
式中、符号RおよびR1〜R4は式(I)に指示したもの
を表わす。
【0036】反応式I
【0037】
【数1】
【0038】この反応式における出発エタノン、即ち1
−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−1−エ
タノンまたはシクラデモン(Cyclademone)
および1−(3,3−ジメチル−1−シクロペンチル)
−1−エタノンは、第1の場合には、公知方法により
[たとえばJ.B.Hall等.,J.Org.Che
m.,第37巻,第920頁(1972年);H.R.
Ansari,Tetrahedron,第29巻,第
1559頁(1973年)参照]、2番目に挙げたエタ
ノンの場合には、上記に記載したような、4,4−ジメ
チル−1−シクロペンテン−1−カルボアルデヒドから
出発して容易に製造することができる。
【0039】上記反応式に表わされた反応は通常の反応
であり、その詳細な条件は製造例に詳細に記載されてい
る。上記に表わした中間体ケタールの還元は式(II)
の異性体の混合物を生じ、次いで該混合物から異性体を
分取ガスクロマトグラフィーのような通常の分離技術に
より分離することができる。
【0040】下記に詳述する条件下で実施される後者の
化合物のエステル化により、所望の式(I)の化合物を
得ることが可能になる。
【0041】または、上述した異性体(II)の混合物
は、本方法により、式(I)で示される異性体化合物の
混合物に変えることができる。この混合物は、本発明に
よる香料調合適用において上述したように使用すること
ができる。
【0042】式(II)で示される化合物は、次に反応
式により表わした別法によって得ることもできる:反応式II
【0043】
【数2】
【0044】この式中、符号RおよびR1〜R4は式
(I)に指示したものを表わす。式(II)に示した方
法は、式(I)に示した方法よりも有利であることが判
明する。それというのも式(Ia)または(Ib)の異
性体のいずれか1つの選択的製造ができ、こうして異性
体分離の工程が不要になるからである。
【0045】この方法における出発アルコールは、反応
式Iの出発ケトンから通常のようにして、または下記に
記載したような他の方法により得ることができる。
【0046】該アルコールと上記のエポキシドとの反応
は、酸性媒体中、たとえばルイス型酸中で実施される。
この反応の詳細な条件は製造例に記載されている。
【0047】上記に示したアルコールを適当な光学活性
異性体の形で使用する場合には、式(I)で示される化
合物は、下記に記載したような相応する光学活性形で得
ることができる。
【0048】本発明を下記の製造例によって詳述する
が、例中温度は℃で示され、略語は通常の意味を有す
る。
【0049】また、本発明は、本発明による化合物およ
び混合物を香料調合の適用例により説明する。
【0050】
【実施例】例1 4−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−2−
メチル−3−オキサペンチルアセテートおよび4−
(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−1−メチ
ル−3−オキサペンチルアセテートの製造 a) 2つの構造異性体の混合物の製造(ワンポット
法) 機械的撹拌機、水分離器、冷却器、温度計および導入漏
斗を備えたシュミゾ(Schmizo)型41反応器中
へ、シクラデモン(Cyclademone)200g
(1.3モル)、1,2−プロパンジオール197.6
g、トルエン500mlおよびp−トルエンスルホン酸
2gを装入した。混合物を81/2時間還流下に加熱し、
その間水および過剰のジオール分が分離し、過剰のジオ
ール分もトルエンと共沸蒸留する。室温に冷却した後、
反応混合物をブライン300mlで洗浄し、これにトル
エン100mlを加え、残留する水およびジオールを除
去するため、水分離器を付して3時間還流下に加熱し
た。
【0051】次いで、80℃に加熱し、これにトルエン
中のジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAH)
の溶液1300ml(1.95モル、1.5M)を徐々
に加えた。反応は開始時に強く発熱した(>100
℃)。導入を加速し、その間温度は〜90℃に保ち、2
時間で完結した。混合物を100℃で1/4時間撹拌し
た。
【0052】室温に冷却した後、無水酢酸220ml
(2.16モル)を導入した。無水酢酸20mlを加え
たときに、発熱反応は停止し、残りの無水物は60℃に
加熱しながら(2h)加えた。次いで、反応混合物を3
時間還流下に加熱した(〜110℃)。冷却した後、氷
上に注ぎ、これに10%HCl 2lおよび石油エーテ
ル(30〜50℃)2lを加えた。ブラインで中和し、
水を石油エーテルにとり、Na2SO4上で乾燥し、濾過
し、減圧下で濃縮した後、粗生成物330.3gが得ら
れた。残分を蒸留して、両所望のアセテートを含有する
混合物310.6gを得た。 沸点100℃/4Pa;収率:90.6% この混合物は非常にナチュラルなアンブレットシード、
ペア特性を有する弱いムスクの香気を有し、混合物は最
初の1嗅(on head sniffing)では実
際に無臭であり、ボトムノートははるかに強力である。
【0053】b) 個々の異性体の製造 4−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−2−
メチル−3−オキサ−1−ペンタノールと5−(3,3
−ジメチル−1−シクロヘキシル)−4−オキサ−2−
ヘキサノールの混合物を、シクラデモンから、a)の最
初の2節に記載したようにして製造した。次に、混合物
を酸化して第一級アルコールを酸に変え、第二級アルコ
ールをケトンに変え、こうしてこれら2つの生成物の化
学的分離を可能にし、次いでこれらを別個に処理して所
望のアセテートを得ることができた。
【0054】次のように実施した:ジメチルホルムアミ
ド(DMF)50ml中のクロルクロム酸ピリジニウム
(PCC)43gの溶液に撹拌下に、DMF50ml中
のアルコールの混合物を滴加した。反応は15時間続け
た。次いで、混合物を水900mlに注ぎ、石油エーテ
ル500mlで2回抽出した。5−(3,3−ジメチル
−1−シクロヘキシル)−4−オキサ−2−ヘキサノン
を含有する有機層を、NaOHの希溶液で4回洗浄し
た。有機相を濃縮し、蒸留してケトン1.2gを得た。
【0055】沸点150℃(浴)/10Pa NMR(1H,360MHz):2.1(s,C 3C=
O)δppm 合して、氷と混和したアルカリ性水を酸性にし、こうし
て形成した酸をエーテルで抽出した。バルブ・ツウ・バ
ルブ蒸留(bulb to bulb distill
ation)後、4−(3,3−ジメチル−1−シクロ
ヘキシル)−2−メチル−3−オキサペンタン酸3gが
得られた。
【0056】沸点170℃(浴)/6Pa NMR(1H,360MHz):10.1(s,C
(O)O)δppm 上述したケトンと(C252O中LiAlH4 0.1
gとの混合物を、2時間還流下に加熱した。冷却した
後、水0.1ml、15%NaOH 0.1mlおよび
水0.3mlを順次に加えた。混合物を濾過し、濃縮し
て、5−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−
4−オキサ−2−ヘキサノール0.1gを得た。これを
撹拌下に無水酢酸1mlおよびピリジン2mlで、室温
で15時間処理した。濃縮し、クロマトグラフィーにか
けた後、4−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシ
ル)−1−メチル−3−オキサペンチルアセテート90
%およびその第一級アセテート異性体約10%を含有す
る生成物0.15gが得られた。
【0057】上記のオキサペンタン酸の類似の処理で、
4−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−2−
メチル−3−オキサペンチルアセテート2gが純粋な形
で得られた。
【0058】分析データ:4−(3,3−ジメチル−1
−シクロヘキシル)−1−メチル−3−オキサペンチル
アセテート (4つの立体異性体) NMR(1H,360MHz):0.87(s,3
H);0.90(s,3H);1.07(d,J=6H
z,3H);1.23(d,J=6Hz,3H);2.
05(s,3H);3.07(m,1H);3.34
(m,1H);3.5(m,1H);5.02(m,1
H)δppm MS:256(M+,0),139,138,123,
101,83,69,55,434−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−2−
メチル−3−オキサペンチルアセテート (4つの立体異性体) NMR(1H,360MHz):0.88(s,3
H);0.91(s,3H);1.07および1.15
(d,6H);2.07(s,3H);3.16(m,
1H);3.66(m,1H);4.0(m,2H)δ
ppm MS:上記参照 匂い特性:a)に記載した混合物の場合と丁度同様であ
り、これら2つの異性体はヘッドノートよりもはるかに
強力なボトムノートを発する。これらは、混合物と同じ
特性を有する香調であるが、第一級アセテートの場合に
は混合物の匂いよりも一そう強力である。第一級アセテ
ートは、著しいアンブレットの特性およびよりエレガン
トな花様のコンテクストを有する。
【0059】例2 4−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−2−
メチル−3−オキサペンチルプロパノエートおよび4−
(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−1−メチ
ル−3−オキサペンチルプロパノエートの製造 水分離器を備えた反応器中へ、シクラデモン500g
(3.2モル)、1,2−プロパンジオール304g
(4モル)、石油エーテル(80〜100℃)3lおよ
びp−トルエンスルホン酸2gを装入した。混合物を1
時間還流下に加熱した。室温に冷却した後、10%Na
OH 100mlで洗浄した。濃縮および残分の蒸留
で、2−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−
2−メチル−1,3−ジオキソラン670gが得られ
た。
【0060】 沸点53〜59℃/8Pa;収率:97.3% トルエン500ml中の上述したケタール212g(1
モル)の溶液を窒素下に撹拌しながら80℃に加熱し、
これにトルエン中のDIBAH170g(1.2モル)
の溶液(溶液約800ml、1.5M)を加えた。導入
は、最初の強い反応発熱を伴なって約2時間かかった。
100℃で1時間撹拌した後、反応混合物を冷却し、氷
に注ぎ、10%HClで酸性にした。中性に洗浄し、濃
縮し、残分を蒸留した後、5−(3,3−ジメチル−1
−シクロヘキシル)−4−オキサ−2−ヘキサノールお
よび4−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−
2−メチル−3−オキサ−1−ペンタノールの混合物2
06gが得られた。
【0061】 沸点70〜78℃/2Pa;収率:97.2% 撹拌しながら反応器中へ、上述したアルコールの混合
物、トルエン450mlおよびピリジン79g(1モ
ル)を装入し、これに塩化プロピオニル54g(0.5
モル)を滴加した。混合物を3時間反応させ、次いで氷
上に注ぎ、10%HClで2回、冷10%NaOHで2
回、ブラインで2回洗浄した。濃縮し、残分を蒸留した
後、2つの所望プロパノエートの混合物(126g)が
得られた。
【0062】 沸点100〜105℃/1.5Pa;収率:96.9% 2つの異性体は個々に、例1に記載したアセテートか
ら、該アセテートを還元し、引き続き再エステル化する
ことによって製造された。
【0063】分析データ:4−(3,3−ジメチル−1
−シクロヘキシル)−1−メチル−3−オキサペンチル
プロパノエート (4つの立体異性体) NMR(1H,360MHz):0.87(s,3
H);0.90(s,3H) ;1.06(d,J=6H
z,3H);1.14(t,J=7Hz,3H);1.
22(d,J=6Hz,3H);2.31(q,J=7
Hz,2H);3.06(m,1H);3.34(m,
1H);3.50(m,1H);5.0(m,1H)δ
ppm MS:270(M+,0),159,139,115,
83,69,574−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−2−
メチル−3−オキサペンチルプロパノエート (4つの立体異性体) NMR(1H,360MHz):0.87(s,3
H);0.90(s,3H);1.07(t,J=5H
z,3H);1.05〜1.18(d/t,9H);
2.35(q,J=7.5Hz,2H);3.12〜
3.22(m,1H);3.6〜3.7(m,1H);
3.94〜5.09(m,2H)δppm MS:270(M+,0),183,159,139,
115,83,69,57,41 これら2つの化合物ならびにその混合物の匂い特性は導
入部に記載されている。
【0064】例3 4−(3,3−ジメチル−1−シクロペンチル)−1−
メチル−3−オキサペンチルアセテートおよび4−
(3,3−ジメチル−1−シクロペンチル)−2−メチ
ル−3−オキサペンチルアセテートの製造 これら2つの化合物の混合物は、中間体ケタール生成の
ため1−(3,3−ジメチル−1−シクロペンチル)−
1−エタノンおよび1,2−プロパンジオールを使用
し、例1a)または例2に記載した方法によりエステル
化反応において無水酢酸を使用し、他の試薬は不変に維
持して製造した。
【0065】上記混合物の分析データ: NMR(1H,360MHz):0.95(s,3
H);1.0(s,3H);1.06〜1.17(d,
6H);2.03および2.05(2s,3H);3.
10〜3.70(m,2H);3.94〜5.03
(m,2H)δppm MS:242(M+,0),145,125,109,
101,69,43 匂い特性:この混合物は、例2に記載した化合物よりも
かなり少ないムスク香調、より強いペア様およびより強
いアンブレットの香調を有する。ヘッドノートも例2の
ものよりも強力であるが、匂いは匂い紙においてあまり
持続しなかった。 出発1−(3,3−ジメチル−1−シ
クロペンチル)−1−エタノンは次のようにして製造さ
れた:覆うために数mlのエーテルを加えたMg2.1
g(0.088モル)を、窒素下に保たれた250ml
の容器中へ装入し、これに反応を開始させるために約1
0滴のCH3Iを加えた。反応が開始したら、エチルエ
ーテル30ml中のCH3I 11.9g(0.084
モル)を導入し、その間軽度の還流を維持する。次に、
混合物を1/2時間還流下に加熱し、室温に冷却し、こ
れに4,4−ジメチル−1−シクロペンテン−1−カル
ボアルデヒド[Magnusson等,J.Org.C
hem.,第38巻,第1380頁(1973年)によ
り製造した]10g(0.08モル)を、エーテル30
ml中の溶液で加えた。次いで、1時間還流下に再加熱
した。冷後、氷上に注ぎ、減圧下に濃縮した。バルブ・
ツウ・バルブ蒸留後、1−(4,4−ジメチル−1−シ
クロペンテン−1−イル)−1−エタノールが得られ、
その分析データは次のとおりであった: NMR(1H,360MHz):1.08(s,3
H);1.09(s,3H);1.26(d,J=7H
z,3H);4.35(q,J=7Hz,1H);5.
45(s,1H)δppm MS:140(M+,11),125(12),122
(23),107(100),91(63),79(5
6),43(21) N2下の250mlの容器中へ、CH2Cl2 100m
l中のクロルクロム酸ピリジニウム13.2g(60.
8ミリモル)を装入し、混合物を約10℃に冷却した。
CH2Cl2 50ml中の上記のアルコール6g(43
ミリモル)の溶液を滴加した。撹拌を室温で3時間続け
た。反応混合物をエーテル200mlに注ぎ、SiO2
カラム(200g)で濾過した。減圧下に濃縮し、バル
ブ・ツウ・バルブ蒸留(100℃/12×102Pa)
後、1−(4,4−ジメチル−1−シクロペンテン−1
−イル)−1−エタノン3.2g(収率:54%)が得
られ、その分析データは次のとおりであった: NMR(1H,360MHz):1.09(s,6
H);2.3(s,3H);2.37(s,4H);
6.64(s,1H)δppm MS:138(M+,53),123(100),95
(72),67(70),43(98) こうして製造した不飽和ケトンを250mlの容器に装
入し、これに酢酸エーテル100mlならびにPd10
%/C約0.2gを加えた。真空を印加して、H2気流
を3時間通過させた(吸収H2約450ml)。反応生
成物を焼結ガラスで濾過し、減圧下で濃縮し、バルブ・
ツウ・バルブ蒸留(100℃/9×102Pa)して、
所望のケトン、つまり1−(3,3−ジメチル−1−シ
クロペンチル)−1−エタノン2.4g(収率:80
%)を得、その分析データは次のとおりであった: NMR(1H,360MHz):0.98(s,3
H);1.02(s,3H);2.15(s,3H);
3.02(q,J=7Hz,1H)δppm MS:140(M+,7),125(21),97(5
3),81(28),71(41),55(100),
43(87)例4 4−(3,3−ジメチル−1−シクロペンチル)−1−
メチル−3−オキサペンチルプロパノエートおよび4−
(3,3−ジメチル−1−シクロペンチル)−2−メチ
ル−3−オキサペンチルプロパノエートの製造 これら2つの化合物の混合物は、例1a)または例2に
記載した方法により、1−(3,3−ジメチル−1−シ
クロペンチル)−1−エタノンおよび1,2−プロパン
ジオールを用いて中間体ケタールを生成し、エステル化
反応においては塩化プロピオニルを用いて(他の試薬は
引用例に記載したものと同じであった)製造した。
【0066】分析データ: NMR(1H,360MHz):0.95(s,3
H);1.0および1.01(2s,3H);1.08
〜1.18(d+t,9H);2.34(q,J=7.
5Hz,2H);3.1〜3.8および4.0(m,4
H)δppm MS:256(M+,0),141,125,115,
109,95,81,69,57,41 匂い特性:この混合物の香調において再び、例2に記載
した本発明の望ましい組成物の心持よいムスク様および
アンブレット特性が、より大きいヘッドリフト(hea
d lift)で見出される。しかし、この混合物の匂
いは、ヘッドノートでは、上記組成物よりも鋭敏で、よ
り強力であるが、ボリームが僅かで、匂い紙における匂
いの持続性は少ない。
【0067】例5 4−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−1−
メチル−3−オキサペンチルイソブチレートおよび4−
(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−2−メチ
ル−3−オキサペンチルイソブチレートの製造 これら2つの化合物の混合物は、例2に記載した方法に
より、5−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)
−4−オキサ−2−ヘキサノールと4−(3,3−ジメ
チル−1−シクロヘキシル)−2−メチル−3−オキサ
−1−ペンタノールの混合物を塩化イソブチリルと反応
させることによって製造した。
【0068】分析データ: 沸点120℃/20Pa NMR(1H,360MHz):0.87(s,3
H);0.90(s,3H);1.07および1.17
(d,12H);2.55(m,1H);3.1〜4.
05(m,4H)δppm MS:284(M+,0),139,129(10
0),83,71,55,4 匂い特性:この混合物は比較的弱い、ムスク香、木様、
こはく、アンブレットの香りを発した。
【0069】例6 4−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−2,
2−ジメチル−3−オキサペンチルプロパノエートおよ
び4−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−
1,1−ジメチル−3−オキサペンチルプロパノエート
の製造 例2に記載した方法に従い、シクラデモン10gおよび
シクロヘキサン中の小過剰の2−メチル−1,2−プロ
パンジオール[ヒドロキシアセトン(Fluka)およ
びCH3MgIから製造;NMR(1H,360MH
z):1.19(s,6H;3.4(s,2H)δpp
m;MS:90(M+,0),75(17),59(1
00),57(25),43(31)]およびp−トル
エンスルホン酸0.1gを使用する。2−(3,3−ジ
メチル−1−シクロヘキシル)−2,4,4−トリメチ
ル−1,3−ジオキソラン14.3g(収率:97%)
が得られた。 沸点50℃/40Pa NMR(1H,360MHz):0.88(s,3
H);0.92(s,3H) ;1.265/1.27
(2s,3H);1.28(s,3H);1.33
(s,3H);3.27(m,2H)δppm MS:226(M+,0),211(1),168
(1),154(1),139(2),115(10
0),69(23),55(15),43(61) このケタールを、例2に記載したと同様に、DIBAH
溶液(トルエン中2M)100mlで処理した。5−
(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−2−メチ
ル−4−オキサ−2−ヘキサノール(73%)と4−
(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−2,2−
ジメチル−3−オキサ−1−ペンタノール(27%)の
混合物13.2g(収率:90%)が得られた。
【0070】沸点40〜75℃/20Pa これらのアルコールは、分取ガス相クロマトグラフィー
により分離し、これらは双方共2つの光学活性異性体の
ラセミ混合物の形であった。
【0071】分析データ:5−(3,3−ジメチル−1
−シクロヘキシル)−2−メチル−4−オキサ−2−ヘ
キサノール NMR(1H,360MHz):0.89(s,3
H);0.91(s,3H) ;1.08(d,J=6H
z,3H);1.20(s,3H);1.21(s,3
H);3.12(m,2H);3.32(m,1H)δ
ppm MS:(2つの異性体):異性体1:228(M+
0),169(5),139(25),123(2
6),117(40),83(74),73(98),
59(100),41(29) 異性体2:228(M+,0),170(5),139
(21),123(25),117(41),83(6
9),73(100),59(95),41(26)4−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−2,
2−ジメチル−3−オキサ−1−ペンタノール NMR(1H,360MHz):0.86/0.865
(2s,3H);0.90(s,3H);1.055/
1.06(2d,J=6Hz,3H);1.135
(s,3H);1.15/1.155(2s,3H);
3.5(s,2H);3.7(m,1H)δppm MS(2つの異性体):異性体1:228(M+
0),197(10),139(96),117(2
7),97(25),83(96),73(100),
55(42),41(25) 異性体2:228(M+,0),197(10),13
9(99),117(31),97(24),83(1
00),73(99),55(50),41(29) これら2つのアルコール(10g)の混合物をピリジン
30ml中で、例2に記載したと同様に、塩化プロピオ
ニルで処理して、2つの所望プロパノエートの混合物
(11.2g;収率:90%;沸点160℃/15P
a)。 2つの固形プロパノエートは分取ガスクロマトグ
ラフィーにより分離した。
【0072】分析データ:5−(3,3−ジメチル−1
−シクロヘキシル)−2−メチル−4−オキサ−2−ヘ
キサノール NMR(1H,360MHz):0.89(s,3
H);0.91(s,3H);1.08(d,J=6H
z,3H);1.20(s,3H);1.21(s,3
H);3.12(m,2H);3.32(m,1H)δ
ppm MS(2つの異性体):異性体1:228(M+
0),169(5),139(25),123(2
6),117(40),83(74),73(98),
59(100),41(29) 異性体2:228(M+,0),170(5),139
(21),123(25),117(41) ,83(6
9),73(100),59(95),41(26)4−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−2,
2−ジメチル−3−オキサ−1−ペンタノール NMR(1H,360MHz):0.86/0.865
(2s,3H);0.90(s,3H);1.055/
1.06(2d,J=6Hz,3H);1.135
(s,3H);1.15/1.155(2s,3H);
3.5(s,2H);3.7(m,1H)δppm MS(2つの異性体):異性体1:228(M+
0),197(10),139(96),117(2
7),97(25),83(96),73(100),
55(42),41(25) 異性体2:228(M+,0),197(10),13
9(99),117(31),97(24),83(1
00),73(99),55(50),41(29) これら2つのアルコールの混合物(10g)をピリジン
中で、例2に記載したと同様に、塩化プロピオニルで処
理して、2つの所望プロパノエートの混合物(11.2
g;収率:90%;沸点160°/15Pa)を得た。
【0073】該2つのプロパノエートを分取ガスクロマ
トグラフィーによって分離した。
【0074】分析データ:4−(3,3−ジメチル−1
−シクロヘキシル)−1,1−ジメチル−3−オキサペ
ンチルプロパノエート NMR(1H,360MHz):0.87(s,3
H);0.89(s,3H);1.05(d,J=6H
z,3H);1.08(t,J=7Hz,3H);1.
42(s,6H);2.225(quint.,J=7
Hz,2H);3.07(hext.,J=7Hz,1
H);3.48(dd,J1=4.3,J2=9.4H
z);3.57(dd,J1=4.3Hz,J2=9.4
Hz)δppm MS:(2つの異性体):異性体1:284(M+
0),210(2),155(2),139(18),
129(34 ),83(73),72(79),57
100),41(38) 異性体2:284(M+,0),210(2),155
(3),139(18),129(39),83(7
5),72(73),57(100),41(23) 匂い特性:弱い匂い、下記の構造異性体よりも興味が少
ない。
【0075】4−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキ
シル)−2,2−ジメチル−3−オキサペンチルプロパ
ノエート NMR(1H,360MHz):0.86/0.865
(2s,3H);0.895/0.90(2s,3
H);1.05/1.055(2d,J=6Hz,3
H);1.16(t,J=7Hz,3H);1.18
(s,6H);2.37(q,J=7Hz,2H);
3.37(m,1H);3.94(分裂s,2H)δp
pm MS(2つの異性体):異性体1:284(M+
0),197(2),139(28),129(7
8),83(41),69(32),57(100),
41(22) 異性体2:284(M+,0),197(2),139
(27),129(82),83(43), 69(3
2),57(100),41(22) 匂い特性:導入部に記載した。
【0076】例7 (1′RS,4RS)−4−(3′,3′−ジメチル−
1′−シクロヘキシル)−2,2−ジメチル−3−オキ
サペンチルプロパノエートの製造 THF(テトラヒドロフラン)中の(Z)−2−(3,
3−ジメチル−1−シクロヘキシリデン)−1−エタノ
ール[たとえばA.Gutmann等,J.Chem.
Ecology,第7巻,第919頁(1981年)参
照]2.5gの溶液を、−40℃の無水THF中のLi
AlH4(2g)とチタノセンジクロリド(Fluk
a,4へら先分)の混合物に、撹拌およびアルゴン下に
滴加した。反応混合物を撹拌下室温で2日間放置した。
水(2ml)、15%NaOH(2ml)および再び水
(6ml)で洗浄して加水分解し、濾過した後、(Z)
−3−エチリデン−1,1−ジメチルシクロヘキサン
1.9gが得られ、そのまま次の工程において使用し
た。この生成物の少量を分析のためバルブ・ツウ・バル
ブ蒸留した: NMR(1H,360MHz):0.88(s,6
H);1.54(d,J=6Hz,3H);5.24
(q,J=6Hz,1H)δppm この生成物の残りをTHF中のB26の1モル溶液に加
え、混合物を室温で24時間撹拌した。次いで、15%
NaOHおよび電解過酸化水素20mlを加え、撹拌を
一晩中維持した。エーテルで抽出し、ブラインで洗浄
し、濃縮し、蒸留(沸点100°/20Pa)した後、
生成物0.7gが得られ、そのガスクロマトグラフィー
は、それが(1RS,1′RS)−1−(3′,3′−
ジメチル−1′−シクロヘキシル)−1−エタノール8
2%およびその(1RS,1′SR)異性体約18%を
含有していることを示した。
【0077】NMR(1H,360MHz):0.88
5および0.915(2s,6H);1.15(d,J
=6Hz,3H);1.85(幅広d,1H);3.5
(m,1H)δppm NMR(13C):20.6(q);22.1(t);2
4.8(q);28.1(t);3.07(s);3
3.8(q);39.1(t);40.9(d);4
2.0(t);72.4(d)δppm MS:異性体(1RS,1′RS):154(M+
1),138(4),123(30),112(3
3),97(73),81(39),69 (100),
55(46),45(33),41(42) 異性体(1RS,1′RS):154(M+,1),1
38(6),123(30),112(30),97
(70),81(37),69(100),55(4
7),45(30),41(41) こうして製造したアルコール700mgに、トルエン1
0ml中の溶液で、イソブテンオキシド(BASF)1
mlおよびBF3・(C252O 5滴を、撹拌下0℃
で加えた。反応を室温で4時間実施し、次に反応生成物
を通常のように処理した。単離した生成物のガスクロマ
トグラフィーは、出発物質の約40%がなお残留してい
ることを示した。このため方法を繰返し反応混合物を一
晩放置した。次いで、ピリジン中のプロピオン酸無水物
でエステル化し(一夜)、(1′RS,4RS)−4−
(3′,3′−ジメチル−1′−シクロヘキシル)−
2,2−ジメチル−3−オキサペンチルプロパノエート
84%およびその(1′SR,4RS)異性体16%を
含有する生成物を得た。
【0078】大量異性体 NMR(1H,360MHz):0.86and0.9
0(2s,6H);1.055(d,J=6Hz,3
H);1.155(t,J=7Hz,3H);1.18
(s,6H);1.82(幅広d,1H);2.36
(d,J=7Hz,2H);3.37(5重線,J=6
Hz,1H);3.95(分裂s,2H)δppm NMR(13C):174.3(s);73.9(s);
71.9(d);70.5(t);41.8(t);4
0.6(d);39.5(t);33.7(q);3
0.7(s);29.4(t);27.7(t);2
4.8(q);24.2(q);23.9(q);2
2.4(t);19.9(q);9.2(q)δppm MS:284(M+,0),197(2),139(2
7),129(82),83(43),69(32),
57(100),41(22) 少量異性体 NMR(1H,360MHz):0.86and0.9
0(2s,6H);1.05(d,J=6Hz,3
H);1.16(t,J=7Hz,3H);1 .165
/1.175(2s,6H);1.66(幅広d,1
H);2.365(d,J=7Hz,2H);3.37
(5重線J=6Hz,1H);3.94(分裂s,2
H)δppm NMR(13C):174.3(s);73.8(s);
71.9(d);70.5(t);42.3(t);4
0.5(d);39.5(t);33.7(q);3
0.7(s);28.4(t);27.7(t);2
4.7(q);24.2(q);23.8(q);2
2.4(t);19.7(q);9.2(q)δppm MS:284(M+,0),197(2),139(2
8),129(78),83(41),69(32),
57(100),41(22) 匂い特性:ペア、ムスク香、アンブレット、非常に快
適。
【0079】例8 (−)−(1′S,4R)−4−(3′,3′−ジメチ
ル−1′−シクロヘキシル)−2,2−ジメチル−3−
オキサペンチルプロパノエート (−)−(1R,1′S)−1−(3′,3′−ジメチ
ル−1′−シクロヘキシル)−1−エタノール
[“(−)−Cyclademol”,Origin:
DRT,フランス;[α]D 20=−11°,(1R,
1′R)ジアステレオマー13%含有]、イソブチレン
オキシド(BASF)およびシクロヘキサン100ml
の撹拌混合物を氷浴で冷却した。この混合物に、BF3
・(C252O 1mlを加え、30分後さらにBF3
・(C252O 1mlを加えた。冷却した混合物を
3時間反応させ、次いで希NaOHで洗浄し、濃縮し、
50cmの充填塔で蒸留した。こうして得た、(1′
S,4R)−4−(3′,3−ジメチル−1′−シクロ
ヘキシル)−2−メチル−4−オキサ−2−エタノール
76%を含有する生成物(3.8g)を、プロピオン酸
無水物10mlと一緒に6時間100℃に加熱し、次い
でバルブ・ツウ・バルブ装置で蒸留して所望のプロパノ
エート4.4gを得た。
【0080】 沸点130°(浴)/10Pa;収率:94% αD 20=−7.12°(純粋) NMR(1H,360MHz):0.86および0.9
0(2s,6H);1. 05(d,J=6Hz,3
H);1.16(t,J=7Hz,3H);1.18
(s,6H);1.66(幅広d,1H);2.37
(d,J=7Hz,2H);3.37(5重線,J=6
Hz,1H);3.94(分裂s,2H)δppm MS:284(M+,0),197(2),139(2
8),129(78),83(41),69(32),
57(100),41(22) 匂い特性:鋭敏なムスク香およびアンブレット、ペア、
花様。
【0081】例9 (+)−(1′R,4S)−4−(3′,3′−ジメチ
ル−1′−シクロヘキシル)−2,2−ジメチル−3−
オキサペンチルプロパノエート (+)−(1′R,1S)−1−(3′,3′−ジメチ
ル−1′−シクロヘキシル)−1−エタノール[(+)
−β−シトロネレン(Fluka)から、H.R.An
sari(Tetrahedron 第29巻,第15
59頁(1973年))により記載された方法に従って
製造された;[α]D 20=11.8°]6.2gを、イ
ソブチレンオキシド(BASF)と反応させた。蒸留
後、出発アルコール3.3gおよび所望の中間生成物2
gが得られた。後者をプロピオン酸無水物と反応させ
て、分取ガスクロマトグラフィー後、所望のプロパノエ
ートを得た。
【0082】αD 20=+6.5°(純粋) 匂い特性:ムスク香、アンブレット、ペア。
【0083】例10 香料組成物の製造 次の成分を混合することによりベース香料組成物を製造
した: 成 分 重量部 酢酸ヘキシル 50 ポリメチロールアセテート 1) 1500 TCD アセテート 2) 1500 ケイ皮酸メチル 250 10% * γ−デカラクトン 200 γ−デカラクトン 50 50% * β−ダマスコン(Damascone) 250 イソペンチレート 3) 100 マイロキシド(Myroxyde登録商標) 100 ベルートン(Veloutone 5) ) 700 10% * ブールジオナル(Bourgeonal 6) ) 300 10% * リリアル(Lilial登録商標 7) ) 2700 1% * n−オクタナール 100 マヨール(Mayol登録商標 8) ) 200 合 計 8000 * ジプロピレングリコール(DIPG)中 1) テトラメチルノニルアセテート;出所:フィルメニ
ッヒSA、ジュネーブ、スイス国 2) (トリシクロ[5.2.1.02,6]デシ−4−イ
ル)メチルアセテート;出所:フィルメニッヒSA、ジ
ュネーブ、スイス国 3) 1,3−ジメチル−3−ブテニルイソブチレート;
出所:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス国 4) オシメンエポキシドの異性体混合物;出所:フィル
メニッヒSA、ジュネーブ、スイス国 5) 2,2,5−トリメチル−5−ペンチルシクロペン
タノン;出所:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイ
ス国 6) 3−(4−t−ブチル−1−フェニル)プロパナー
ル;出所:クエスト・インターナショナル(Quest
International) 7) 3−(4−t−ブチル−1−フェニル)−2−メチ
ルプロパナール;出所:L.ギボーダン(Givaud
an)、ベルニエール、スイス国 8) 1−ヒドロキシメチル−4−イソプロピルシクロヘ
キサン;出所:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイ
ス国 例2または例6〜9に記載した、本発明の望ましい化合
物の任意の1つ2000重量部をこのベース組成物に加
えると、新規組成物が得られ、その匂いは明瞭なウイリ
アムペアの暗示を有していた。さらに、新規組成物は、
ペアを想起させかつベース組成物の匂いを全く有しない
アンブレットノートを発する。この嗅覚的効果は、例9
に記載した化合物をベース組成物に加えた場合、とくに
著しくかつエレガントであった。
【0084】例11 粉末洗剤用香料組成物の製造 次の成分を混合することによって、粉末洗剤を付香する
ためのベース香料組成物を製造した: 成 分 重量部 シトロネリルアセテート 200 アミルシンナムアルデヒド 1000 10% * アムブロックス(Ambrox登録商標 1) )DL 100 イソノニルアセテート 200 ベルジルアセテート(Verdyl acetat) 400 ベルジルプロピオネート 500 10% * イントレレベンアルデヒド (Intreleven aldehyde 2) ) 100 10% * 13−13アルデヒド 3) 200 クマリン 100 リリアル(Lilial登録商標 4) ) 1000 4−t−ブチル−シクロヘキシルアセテート 5) 1300 フラモン(Fleuramone登録商標 6) ) 200 3−メチル−5−フェニル−1−ペンタノール 7) 500 サリチル酸ベンジル 700 テトラヒドロムゴール(Tetrahydromuguol 8) ) 400 10% * α−ダマスコン(Damascone) 250 ポリウッド(Polywood登録商標 9) ) 150 イソラルダイン(Isoraldeine登録商標 10) ) 70P 300 ベルトフィックス クール(Vertofix coeur 11) ) 400 合 計 10000 * DIPG中 1) ラセミのテトラメチルペルヒドロナフトフラン;出
所:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス国 2) ウンデセナールの異性体混合物;出所:インターナ
ショナル フラボールスアンド フラグランセス(In
ternational Flavors& Frag
rances)、米国 3) n−/i−トリデカナール;出所:ヘンケル(He
nkel) 4) 例10参照 5) シス異性体富有;出所:フィルメニッヒSA、ジュ
ネーブ、スイス国 6) 2−ヘプチル−1−シクロペンタノン;出所:イン
ターナショナル・フラボールス・アンド・フラグランセ
ス、米国 7) 出所:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス国 8) 異性体混合物;出所:インターナショナル・フラボ
ールス・アンド・フラグランセス、米国 9) ペルヒドロ−5,5,8a−トリメチル−2−ナフ
チルアセテート;出所:フィルメニッヒSA、ジュネー
ブ、スイス国 10) イソメチルイオノン;出所:ギボーダン、ベルニ
エ、スイス国 11) 出所:インターナショナル・フラボールス・アンド
・フラグランセス、米国 例2または例6〜例9に記載した本発明の化合物の任意
1つ1000重量部を、粉末洗剤用ベース組成物に加え
て得られた新規組成物の香調はより強力で大きいボリュ
ームを有し、ならびに明瞭なムスク様および僅かな果実
様暗示を有していた。
【0085】嗅覚効果は、この新規組成物により付香し
た粉末洗剤で洗濯した織物において認めうる。こうして
洗濯した織物の匂いにも存在した本発明による新規組成
物の匂いのムスク様暗示は、市場で利用しうるムスクタ
イプの化合物によって代表的に与えられるムスク香調と
は完全に異なっていた。実際に、本発明の化合物は、ム
スクの香りを有する公知の大環状またはインドール化合
物で得られる匂いの効果よりも一そう粉末状アンブレッ
トである香り効果の達成を可能にした。
【0086】先行例の場合におけるように例9に記載し
た本発明の望ましい化合物は、上記したタイプの最良の
嗅覚効果を提供した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C11D 3/50 C11D 3/50 (72)発明者 ツィリル マーハイム スイス国 エヒヒェンス ルト デュ ヴィラージュ ベー (番地なし) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 69/14 C07C 43/13 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 【化1】 [式中Rは3,3−ジメチル−1−シクロペンチル基ま
    たは3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル基を表わ
    し、Rは飽和、線状または枝分れのC〜Cアルキ
    ル基を表わし、 〜R は水素原子またはメチル基を
    表わし、その際、R および/またはR がメチル基を
    表わす場合にはR およびR はそれぞれ水素原子を表
    わすか、または および/またはR がメチル基を表
    わす場合にはR およびR はそれぞれ水素原子を表わ
    す]で示される化合物。
  2. 【請求項2】 式 【化2】 [式中符号RおよびRは式(I)に指示したものを表
    わす]で示される異性体の形の、請求項1記載の化合物
    の混合物。
  3. 【請求項3】 式 【化3】 [式中符号RおよびRは式(I)に指示したものを表
    わす]で示される異性体の形の、請求項1記載の化合物
    の混合物。
  4. 【請求項4】 式 【化4】 で示されるラセミ形または光学活性異性体の1つの形の
    4−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−2,
    2−ジメチル−3−オキサペンチルプロパノエート。
  5. 【請求項5】 4−(3,3−ジメチル−1−シクロヘ
    キシル)−2−メチル−3−オキサペンチルプロパノエ
    ート、4−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)
    −1−メチル−3−オキサペンチルプロパノエートまた
    はこれら2つの化合物の任意混合物。
  6. 【請求項6】 香料組成物または付香物品に、請求項1
    に定義したような式(I)で示される化合物の香り有効
    量を添加する、香料組成物または付香物品の匂い特性を
    改善、強調、付与または修正する方法。
  7. 【請求項7】 活性香料成分として、請求項1に定義し
    たような式(I)で示される化合物を含有する、香料組
    成物または付香物品。
  8. 【請求項8】 香水または化粧水、石けん、シャワーま
    たはバス用ゲル、シャンプーまたは他のヘア・ケア製
    品、ボディまたは空気デオドラント、洗剤または衣服用
    柔軟仕上げ剤、または住居用製品の形の、請求項7記載
    の付香品。
  9. 【請求項9】 式 【化5】 [式中符号RおよびR〜Rは式(I)に指示したも
    のを表わす]で示されるヒドロキシエーテルまたは式
    (II)で示される適当な構造異性体の混合物を、適当
    なエステル化剤で処理する、請求項1に定義したような
    式(I)で示される化合物、または請求項2または3に
    よる化合物の混合物の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に定義したような式(II)
    で示されるヒドロキシエーテルまたは式(II)で示さ
    れる構造異性体の任意混合物。
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