JP2974478B2 - 非満水状態での流量計測方法と、この方法に使う流量検出器及び電磁流量計 - Google Patents

非満水状態での流量計測方法と、この方法に使う流量検出器及び電磁流量計

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JP2974478B2 JP3335050A JP33505091A JP2974478B2 JP 2974478 B2 JP2974478 B2 JP 2974478B2 JP 3335050 A JP3335050 A JP 3335050A JP 33505091 A JP33505091 A JP 33505091A JP 2974478 B2 JP2974478 B2 JP 2974478B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流路内を非満水状態で流
れる流体の流量を計測する方法と、この方法に使う流量
検出器及び電磁流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】流路内を非満水状態で流れる流体の流量
を計測する方法として、次の三つの方法がある。
【0003】1.超音波水位計などにより水位を測定
し、水理学公式により流量を推定算出する水位測定方
式。 2.水路途中に堰を設け、その点での水位を計測して水
理学公式により流量を算出する堰式。
【0004】3.超音波、圧力などにより水位を、超音
波、電磁などにより流速を測定して流量を算出する水位
&流速測定方式。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術では、
次のような問題点があった。 1.水位測定手段が必要なため、構造が複雑になるばか
りでなく、流水表面の波や泡などの影響による計測誤差
が大きい。又、堰式では原理的に満水(例えば圧送状
態)での流量測定ができない。
【0006】2.流路に障害物を生じたり、開放部が必
要になるとかの制約が生じる。例えば堰式は原理的に流
路に障害物ができてしまい、固形物が引っ掛かったり、
沈澱したりする原因となる。又、水位&流速測定方式で
も、流路内に測定器を設置する場合が多く同様の問題を
生じる。水位測定方式では流路上部に開放部を要する場
合があり流路に制約が生じる。
【0007】3.水位測定法では、その近辺の管路勾配
の影響を受けて計測誤差が大きくなる。 4.水位測定方式や堰式では被測定流体の粘性など物性
の影響を受ける。
【0008】本発明は上記従来の方式の問題点を解消で
きる流量計測方法と、この方法に使う流量検出器を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の流量計測方法は、次の手順1から4までの
手順を含むことを特徴とするが、その順番は手順1から
手順4までの数字通りの順番で実行されるに限ることは
ない。
【0010】手順1.流量を計測すべき流路と同じ断面
形状の流路(1)を用い、この流路の勾配を一定にして
水位hを変え、その水位のときの流量Qに応じた出力O
AとOBとを予め計測しておく。なお、出力OAとOB
は電磁流量計の原理による流量検出器を用い、同じ流量
Qを異なる磁束密度分布BAとBBでそれぞれ計測した
ときの流量信号である。
【0011】手順2.被測定流体が流れている流路の未
知の流量Q′を前記流量検出器で計測し、出力OA′と
OB′を得る。 手順3.OB′とOA′の比OB′/OA′を求め、手
順1で求めたOBとOAとの比OB/OAがOB′/O
A′と同じ値になる流量Qαを手順1のデータから求
め、この流量Qαのときの手順1の出力OAαから、手
順1における流量Qαの条件のときの感度OAα/Qα
を算出する。
【0012】手順4.手順2で計測した出力OA′と、
手順3で得た感度OAα/Qαとから、未知の流量Q′
を次の式で算出する。 Q′=OA′・Qα/OAα 前記流量計測方法に使用する流量検出器としては、電磁
流量計と同様に電磁誘導の法則を利用する構造で、1対
の電極(2,2)が流路を横切って水平方向に対向配置
されていると共に、磁束密度分布形状が異なる二つの磁
束密度分布BAとBBを発生する励磁コイル(3A,3
B)を具備したものが好適である。
【0013】
【作用】上記、課題を解決するための手段の作用を直接
述べると、反って理解し難いと思われるので、この発明
による流量測定の原理を、以下にいくつかの項目に分け
て解説的に述べることで本発明の作用を説明する。
【0014】1.流管の勾配に対する水位と流量の関係 断面形状が一定の流管を、管路勾配を変えて敷設したと
きの自然流下状態での流下流量は周知の通りマニングの
式で計算できる。この計算式は、下水管の流下流量を算
出するに好都合である。
【0015】図2は口径200mmの塩ビ配管で、横軸に
管路勾配をパーミル〔‰〕で、縦軸に流量を〔m3
h〕で示した、マニングの式での流下流量の計算結果
で、3本の曲線は、それぞれ水位が管内径Dの 0.2
D,0.5 D及び0.9 Dの場合を示している。
【0016】水位が一定値 0.5Dであっても、管路勾配
が0.01〔‰〕から10〔‰〕まで変化すると流下流量は
2.4〔m3 /h〕から77〔m3 /h〕まで変化す
る。 2.一定水位時の非満水電磁流量計の出力 図3のように、円形断面の流路1に流路を横切って水平
方向に対向配置された1 対の電極2,2と、流路1の上
部に配置したくら形の励磁コイルからなる第1の励磁手
段3Aとを有する電磁流量計の流量検出器に流れる流体
の水位が、流路1の直径(内径)Dの半分である 0.5D
に保たれるならば、そのときは、水面以下の半円形断面
の流路をもった満水型電磁流量計で測定しているのと同
じ条件と考えられる。従って、このときの電磁流量計の
出力OAは図4のように流量に比例する直線であらわさ
れ、この直線の傾きkはこの電磁流量計の感度であり、
流量をQとすると、感度kはk=OA/Qであり、水位
hが一定であれば感度kも一定である。つまり感度kは
水位hの関数である。
【0017】勿も、この場合、第1の励磁手段3Aによ
る磁束密度分布BAは一定と考えている。一般に、電磁
流量計では、出力は磁束密度と流速と電極間距離の積で
あらわされるから、この場合も、厳密には、流路断面形
状が一定の場合、感度kは磁束密度分布BAと水位hと
の関数k(BA,h)とあらわすことができる。
【0018】3.水位が変わったときの感度k 水位が、例えば 0.2D, 0.5D, 0.9Dの3種類の値を
とったとすると、図5(a),(b),(c)に示すよ
うな、それぞれ違った断面形状の満水型電磁流量計で測
定しているのと同じことになり、感度kはそれぞれの水
位 0.2D, 0.5D, 0.9D毎に違った値k0.2 ,k0.5
,k0.9 をとる。
【0019】これらの関係を図6に示す。 4.磁束密度分布を変えたときの感度k 電磁流量計の流量検出器の構造を、図5の構造と違え、
励磁コイルだけを流路1の下部に配置する(符号3B)
ように変更し、流路形状、電極形状を図5と同じままに
すると、第2の磁束密度分布BBは前記磁束密度分布B
Aと異なる分布形状となるため、感度kは磁束密度分布
BBと水位hの関数としてk(BB,h)とあらわされ
る。
【0020】図7(a),(b),(c)は、このよう
に第2の励磁手段3Bを流路1の下部に配置したくら形
の励磁コイルで構成した場合で、水位がそれぞれ 0.2
D, 0.5D, 0.9Dの場合を示す。これらの場合の感度
は、磁束密度分布が図5(a),(b),(c)の場合
のBAと違ってBBであるから、水位がそれぞれ図5
(a),(b),(c)と同じ 0.2D, 0.5D, 0.9D
であっても、図5の場合と違う値k′0.2 ,k′0.5 ,
k′0.9 となる。もっとも、図5(a),(b),
(c)の場合と図7(a),(b),(c)の場合とで
は、何れも管路勾配は同じとしている。
【0021】5.磁束密度分布を変えたときの出力 上述のように、励磁コイル3Aによる第1の磁束密度分
布BAで計測したときの流量に対する電磁流量計の出力
OAは、例えば図8の曲線OAのように示され、管路勾
配が一定である限り、その関係は変わらない。
【0022】又、同じ管路勾配で、第2の磁束密度分布
BBで計測すると、そのときの出力OBは流量Qと一定
の関係となり、曲線OBで示される。なお、図8はある
管路勾配が10〔‰〕の場合の仮想的データで、流量Qに
対し、水位hは一義的に定まる。水位hは流路の内径D
に対する比率で目盛り、横軸には流量Q〔m3 /h〕と
水位h〔/D〕の両者を目盛っている。
【0023】6.出力OBとOAとの比OB/OAと水
位hとの関係 上述のように、流量Q,水位h,磁束密度分布BA,出
力OAのとき、感度はk(BA,h)であり、同じ流
量,水位で、磁束密度分布がBB,出力OBのとき感度
はk(BB,h)であるから、 OA=k(BA,h)Q ……(1) OB=k(BB,h)Q ……(2) とあらわせる。
【0024】(2)式と(1)式の比をとると、 OB/OA=k(BB,h)Q/k(BA,h)Q =k(BB,h)/k(BA,h) ……(3) となる。磁束密度分布BAとBBは励磁コイル3Aと3
Bで得られる固定の密度分布であるから、k(BB,
h)/k(BA,h)は水位hだけの関数として扱うこ
とができ、これをK(h)とおくことにより、上記
(3)式を次の(4)式に書き換えれる。
【0025】OB/OA=K(h) このように出力OBとOAとの比OB/OA、即ちK
(h)は図9に示すように、水位hが定まれば決まる。
逆にOB/OAの比が決まれば図9から水位hが求めら
れる。
【0026】例えば、管路勾配と、流量Q′が未知のと
きの出力が、OA′とOB′であったとする。OB′/
OA′の値を計算して、この値を図9の縦軸にとり、K
(h)=OB/OAの曲線からOB′/OA′に対する
水位h′を求める。
【0027】この図9によって、h′を求める過程は、
いわば h′=K-1(OB′/OA′) ……(4) を解いたことに他ならない。
【0028】7.水位h′から未知の流量Q′を求め
る。水位h′における感度はk(BA,h′)であり、
この感度の数値はその水位h′における流量Qαとその
流量(水位)における出力OAとから k(BA,h′)=OA/Qα ……(5) で求められる。
【0029】前述のように未知の流量Q′を計測したと
きの出力がOA′とOB′であるから、未知の流量Q′
は次の式から求められる。 Q′=OA′/k(BA,h′)=OA′・Qα/OA ……(6) このように、水位h′に対応した流量Qαを用い、しか
も、h′に対応した感度k(BA,h′)に代えて流量
Qαに対応した感度OA/Qαを使って未知の流量Q′
をもとめることができる。
【0030】こうすれば、水位h′を具体的に特定する
ことなく、次のような補正方法で未知の流量Q′が求め
られる。 8.実際の補正方法 上記1〜7では説明のために水位hや水位h′を用いた
が、実際の補正では水位を求める必要はない。
【0031】まず、実流量を変化させ、磁束密度分布を
BAとBBの2種類でそれぞれ電磁流量計の出力OAと
OBを求める。このとき管路勾配は特定の勾配に固定し
ておく。こうして得られた出力を図1(a)の曲線O
A,OBに示す。この図1(a)は前記図8に相当す
る。
【0032】ここで、水位hと流量Qとの間には、管路
勾配を仲介としての関数関係が成立していて、勾配が一
定なら、水位hと流量Qとは1対1の対応関係がある。
つまり、勾配一定の条件では、水位又は流量が決まれば
流量又は水位が一義的に決まる。
【0033】次にOB/OAなる演算をほどこしてやれ
ば図1(b)の線図が得られる。さて今、未知の勾配の
流路で未知の流量Q′が流れていて、流量Q′を第1と
第2の磁束密度分布BA,BBで計測したときの電磁流
量計の出力をそれぞれOA′,OB′であったとする。
【0034】OB′/OA′=αの値を、図1(b)の
縦軸に適用して、図1(c)のように、前記図1(a)
のデータを求めた特定の勾配のときのOB/OAがαで
あるときの水位と同じであることから、対応する流量Q
αを得る。この流量Qαは前記特定の管路勾配でOB/
OAがαであるときの流量であり、このときの出力OA
の値は図1(a)の曲線OAの流量Qαのときの出力O
Aαである(図1(d)参照)。
【0035】この水位の条件における感度kは、図1
(d)から明らかなようにk=OAα/Qαである。従
って未知の流量Q′は Q′=OA′/k=OA′・Qα/OAα として求められる。
【0036】請求項3の電磁流量計では、基準データ
(14)としてROM(11b)に記憶した流量Qと出
力OAと出力比OB/OAに基づいて、出力OA′とO
B′とからCPU回路(9)により、上記の補正計算方
法で未知の流量Q′を求められる。
【0037】
【実施例】図11と図12において、1は断面が円形の
流路、2,2は流路1の中心を通る垂直線に対し対称の
位置に設けた1対の電極、3Aと3Bは第1と第2の励
磁コイルで、それぞれ異なる磁束密度分布BAとBBを
異なる期間(時間)の間に発生する。符号4は、このよ
うな構造の流量検出器を示す。
【0038】5は励磁回路で、タイミング回路6の信号
に応じて、第1と第2の励磁コイル3Aと3Bとを交互
に励磁する。7は電極2,2間に誘起した電圧を増幅し
て出力する増幅器、S1は切替スイッチで、タイミング
回路6の信号で切替作動し、前記2つの励磁コイル3A
と3Bの励磁時期の切替と同期して切替作動し、第1の
励磁コイル3Aが励磁されているときにa側に、第2の
励磁コイル3Bが励磁されているときにb側に切替えら
れる。
【0039】8Aと8Bは切替スイッチS1のa接点と
b接点の信号を入力してサンプルアンドホールドする第
1と第2のサンプルアンドホールド回路、9はCPU回
路、10はサンプルアンドホールド回路8A,8Bから
のアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換
器、11は補正演算回路で、前記の補正演算を行うプロ
グラムを備えている。12は演算結果としての流量信号
Q′を出力する出力端子である。
【0040】図13は図12の電磁流量計のタイミング
チャートで、上から順に、タイミング回路6の信号、第
1の励磁コイル3Aの励磁電流、第2の励磁コイル3B
の励磁電流、切替スイッチS1の動作、増幅器7の出
力、サンプルアンドホールド回路8Aの入力、サンプル
アンドホールド回路8Bの入力をそれぞれ示す。
【0041】図14は、図11,図12の流量検出器4
を口径 200mmの塩ビ管13に取付けて、本発明の計測方
法の精度を検証するために実験した装置の全体で、塩ビ
管13の長さは約8mで、この塩ビ管の管路勾配を先ず2
/1000に固定し、第1の励磁コイル3Aを使って測定し
た実流量Qと電磁流量計の出力OAとの関係を図15の
曲線OAに示す。又、同一勾配で第2の励磁コイル3B
を使って測定した結果を曲線OBに示す。
【0042】図15の両データOAとOBから、比OB
/OAを求めたのが図16である。図16で、流量Qが
ほぼ100[m3 /h〕以上ではOB/OAが一定の最
小値になっているが、この範囲はいわゆる満水状態であ
る。図15においても、この流量Qがほぼ100〔m3
h〕以上の範囲では曲線OAとOBが共に座標の原点を
通る直線の線分になっていることからも、いわゆる普通
の満水型電磁流量計として作動している範囲であること
が理解できる。
【0043】図17は、図14の装置を使って、流路1
3の管路勾配を6/1000に変えて測定した実流量
Q′〔m3 /h〕と、各励磁コイル3A,3B,でそれ
ぞれ励磁したときの出力OA′とOB′との関係であ
る。この実験では、図17で実流量が既知であるが、実
流量Q′〔m3 /h〕を未知と仮定してOB′/OA′
=αを求め、その値と、一値する図16のOB/OAの
値の点の実流量Qαを求め、その流量Qαにおける図1
5の曲線OAからの感度OAα/Qαを算出すれば、前
述の補正演算方法により次の式で未知の流量Q′が求め
られる。
【0044】Q′=OA′・Qα/OAα この方法で、いくつかの流量Q′の点で、器差を求めた
ところ、図18のように、比較的小さな値となり、この
計測方法の実用性が確認できた。
【0045】図19は本発明の電磁流量計の第2実施例
で、図12の電磁流量計の励磁回路5、切替スイッチS
1 、第1と第2のサンプルアンドホールド回路8A、8
B及びCPU回路9の細部構成が追加されている。
【0046】5の励磁回路は、タイミング回路6の信号
に応じて交互に励磁コイル3Aと3Bを励磁する二つの
励磁ユニットを備えている。切替スイッチS1 は切替ス
イッチSwaとSwbとで構成され、一方の切替スイッ
チ例えばSwaが増幅7の出力信号を第1のサンプルア
ンドホールド回路8Aに入力している図示の状態では、
他方の切替スイッチSwbは第2のサンプルアンドホー
ルド回路8Bの入力bを接地するように作動する。
【0047】第1と第2のサンプルアンドホールド回路
8Aと8Bは、同じ細部構成で、オフセット電圧除去回
路8a、絶対値回路8b、積分回路8c、サンプルホー
ルド回路8d及びオフセット、増幅度調整回路8eとで
構成されている。
【0048】なお、第1と第2のサンプルアンドホール
ド回路8Aと8Bの各出力端子を符号AとBで示す。C
PU回路9は、A/D変換器10、内蔵RAM11aと
内蔵ROM11bを備えたマイクロプロセッサユニット
11cと、D/A変換器11d及びV/I変換回路11
eとで構成されている。
【0049】内蔵ROM11cには、後述するように補
正プログラム14と補正基準データ15とが記憶され
る。CPU回路9の出力端子12には4〜20mAのア
ナログ流量信号が出力される。
【0050】次に図19の第2実施例の作動を説明す
る。励磁回路5の二つの励磁ユニットが交互に働らい
て、励磁コイル3Aと3Bに交互に励磁電流を流す。
【0051】電極2,2に発生する起電力は、増幅7へ
導かれ、その出力は励磁コイル3A,3Bのどちらかが
励磁されているかによって、切替スイッチSwa又はと
Swbによって第1又は第2のサンプルアンドホールド
回路8A,8Bへ交互に供給される。
【0052】第1と第2のサンプルアンドホールド回路
8A,8Bは基本的な動きが全く同じであるから、以下
第1のサンプルアンドホールド回路8Aを例にとってそ
の作動を説明する。
【0053】なお、以下の説明は、図20のタイミング
チャートに基づいて説明する。,,…はタイミング
チャート番号である。 励磁コイル3Aの励磁電流は、このように間欠的に
流れる。期間t1 ,t 3 ,…の間にこの励磁コイル3A
が励磁される。(他の期間t2 ,…の間は他方の励磁コ
イル3Bが励磁される。) このときの増幅器7の出力電圧V1 はこのようにな
る。不可避的に直流オフセットVD が重畳されることが
知られている。
【0054】 切替スイッチSwaにより、期間
1 ,t3 ,…の間の増幅器7の出力が第1のサンプル
アンドホールド回路8Aへ導かれる。期間t2 ではサン
プルアンドホールド回路8Aの入力は切替スイッチSw
aにより接地される。
【0055】 まず信号は、オフセット電圧除去回路
8aへ導かれる。期間t1 のうちtロ , tニ に相当する
期間だけ除去回路8aが働き、入力電圧の積分値を入力
から差し引く為に、このような電圧波形となる。
【0056】 オフセット電圧除去回路の出力V3
絶対値回路8bへ入れ、期間tハ ,tニ のマイナス分を
反転させ出力V4 を得る。 絶対値回路8bの出力V4 を、期間tロ , tニ の間
積分回路8cで積分する。最終的に達する電圧V5 が、
の増幅器7の出力の振幅V1 に相当することは言うま
でもない。
【0057】 この電圧V5 はタイミングts におい
てサンプルホールド回路8dでサンプル・ホールドさ
れ、出力V6 を得る。その後で、この出力V6 はオフセ
ット,増幅度調整回路8eを経て出力電圧V 7 として、
出力端子Aに出力される。この出力電圧V7 は前記出力
OAやOA′に相当する。
【0058】又、同様にして、第2のサンプルアンドホ
ールド回路8Bの出力端子Bに出力される出力電圧は前
記出力OBやOB′に相当する。CPU回路9は次のよ
うに作動する。
【0059】このCPU回路は、タイミング的には上述
のサンプルアンドホールド回路8A,8Bと独立に動い
ている。両者を同期させれば効率は良いが、特に同期さ
せなければならぬと言うこともない。
【0060】図21はCPU回路9の作動の流れで、図
示のステップ乃至の処理を周期tr で繰り返す。第
1と第2のサンプルアンドホールド回路8A,8Bの出
力端子A,Bの電圧出力は、図20のタイミングチャー
トで明らかなように、(t1 +t2 )時間毎に更新され
るから、周期tr を(t1 +t2 )時間より短くするこ
とは同じ出力を複数回取り込むことになり、効果的では
ない。
【0061】その意味では、tr =(t1 +t2 )とす
れば、サンプルアンドホールド回路8A,8Bからの情
報は全て取り込まれることになる。次に図21に示すフ
ローチャートに基づいてCPU回路9の作動を詳しく説
明する。
【0062】手順.サンプルアンドホールド回路8
A,8Bの出力端子A,Bの出力をA/D変換器10で
A/Dサンプリングする。このとき、未知の流量Q′を
測定していて、出力端子Aの出力は前記出力O′Aに、
出力端子Bの出力は前記出力O′Bに相当するものとす
る。
【0063】手順.移動平均処理 出力O′A,O′Bにはノイズが重畳されている。本発
明では出力比O′B/O′Aを取るなど、補雑な補正を
行なうから、先ずある程度ノイズ分を除去してから補正
手続きに移った方がよい。
【0064】さもないと、ノイズ分による誤差が補正手
続きの間に増幅される可能性がある。ノイズを除去する
には色々な方法が考えられるが、一例として移動平均を
取ることにする。これは過去n回分のA/Dサンプリン
グデータを、常にA/Dサンプリング毎に更新しつつメ
モリ上に保持し、その算術平均値を以後の補正手続きに
使う手法である。
【0065】手順.補正処理 前述の補正方法の説明で詳しく記述した補正手順を行な
う。先ず、予め一定の流路勾配で、いくつかの流量Q毎
に測定した出力OA,OBから、図1(b)と(d)に
相当するデータを補正用基準データ15として図19の
ROM11bに記録しておく。
【0066】これらのデータは実測により求められる。
先ず本発明の電磁流量計を一定の勾配を持った管路に取
り付け、流下流量を別途基準メータなどにより管理しつ
つ、出力OA,OBを測定すれば、表1のようなデータ
が得られよう(但し、表内の数値は出たら目である)。
【0067】
【表1】
【0068】この表1から図22と図23に示すよう
に、前記図1(b),(d)の曲線上に、「・」で示し
た番号1,2,3,4,…,nの点の座標が得られる。
ROM11bには、この「・」の座標のデータを補正基
準データ15(図19)として、図24のように並べて
記憶しておく。
【0069】補正手続きを行なうには、この座標データ
から、線形補間(点同志を直線で結ぶこと)により、近
似的に図1(b)(d)の曲線を再現してやればよい。
蛇足とは思うが、線形補間により補正手続きを行なうア
ルゴリズムの1例を図25(a)に示す。
【0070】図25は図1(c)の、出力比O′B/
O′Aから流量Qαを求めるアルゴリズムのフロ−チャ
−トで、前提としていくつかの点の基準データが内蔵R
OM11bに記録されているものとする。
【0071】又、k番目の流量をQk 、そのときの出力
比OB/OAをOBk /OAk と表わす。なお、図25
(a)のフロ−チャ−トで、O′B/O′A>OBk
OAk の判断ステップで、結果がYESになったときに
は、図25(b)のような位置関係の座標になってい
る。
【0072】又、図25(a)の最終処理の数式は、O
A/OB=O′A/O′Bの関係より得る。そして、本
来の補正手続きの基本的流れは、図26のステップ10
1乃至ステップ105の手順で処理されるが、その詳細
は上述の説明で明らかであろう。なお、これらの処理を
行なうための補正プログラム14は図19に示す内蔵R
OM11bに記憶させておく。
【0073】又、図19で、RAM11aやROM11
bはマイクロプロセッサ11cに内蔵するに限ることは
なく、マイクロプロセッサ11cに外付けしてもよい。 手順.補正結果をD/A変換器11dでアナログ値に
変換し、更にV/I変換回路11eで4〜20mAのア
ナログ電流出力に変換する。
【0074】この方法で、いくつかの流量Q′の点で、
器差を求めたところ、図18のように、比較的小さな値と
なり、この計測方法の実用性が確認できた。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、周知の電磁流量計と比
べて殆ど違いのない流量検出器を用い、単に2つの励磁
コイルを切替え使用することで異なる磁束密度分布BA
とBBを発生させ、これらの磁束密度BA,BBで得た
出力OA,OBをもとに補正演算して非満水状態の流量
を計測できる。
【0076】そのため、ハードウェアの構成が従来の電
磁流量計と比較して、特別に複雑にならず、しかも、水
位測定を直接行わないで良いため、流れの表面の波や泡
などの悪影響を受けることがない。又、通常の周知の電
磁流量計と同様に流路に障害を生じない。
【0077】さらに又、管路勾配の影響を受けないで精
度良く流量測定ができる。そのうえ、満水状態では通常
の満水型電磁流量計と同様に精度よく流量計測ができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による流量計測方法の手順を説明する線
図で、(a)は流量対出力線図、(b)は流量対出力比
を示す線図、(c)は未知の流量から得た出力比から、
同一水位を流量Qαを求める手順を説明する図、(d)
は出力曲線OAから感度を求める手順を説明する図であ
る。
【図2】水位をパラメータとして、管路勾配と流量との
関係を示す図。
【図3】本発明の流量検出器の原理を説明するための略
図である。
【図4】図3の検出器で水位が0.5Dのときの流量と
出力との関係を示す線図である。
【図5】図3に相当する図で、(a),(b),(c)
それぞれ水位が違う場合の図である。
【図6】図5(a),(b),(c)に対応する流量と
出力との関係を示す線図である。
【図7】本発明の流量検出器の原理を説明する略図で、
励磁コイルが流路の下部に配置されている。(a),
(b),(c)はそれぞれ水位の異なる態様を示す。
【図8】本発明の流量計測方法の手順を説明するための
線図である。
【図9】本発明の流量計測方法の手順を説明するための
線図である。
【図10】本発明の流量計測方法の手順を説明するため
の線図である。
【図11】本発明の流量検出器の実施例で、(a)は正
面図、(b)は同図(a)のA−A断面図である。
【図12】本発明に使う電磁流量計の一例を示すブロッ
ク図である。
【図13】図12の電磁流量計の作動を説明するタイミ
ングチャートである。
【図14】本発明の流量計測方法の精度の検証に使用し
た実験装置の略図である。
【図15】実流量Qと本発明の流量検出器の出力OA,
OBの関係の一例を示す線図である。
【図16】図15のデータから計算した比OB/OAと
実流量Qとの関係を示す線図である。
【図17】管路勾配を変えた状態での図15に相当する
出力線図である。
【図18】本発明の実施例の器差特性線図である。
【図19】本発明の電磁流量計の第2実施例のブロック
図である。
【図20】図19の実施例のタイミングチャートであ
る。
【図21】図19の実施例のCPU回路の作動を示すフ
ローチャートである。
【図22】補正用基準データの座標を示す図である。
【図23】補正用基準データの座標を説明する図であ
る。
【図24】ROMへの補正用基準データの記録を説明す
る図である。
【図25】(a)は出力比から流量を求めるフローチャ
ート、(b)はYESの時の記憶データと補間データの
関係を示す図である。
【図26】本発明の補正手順の基本的流れ図である。
【符号の説明】
1 流路 2 電極 3A,3B 励磁コイル 4 流量検出器 8A,8B サンプルアンドホールド回路 9 CPU回路 11b ROM 14 補正プログラム 15 補正基準データ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の手順を有する非満水状態での流量計
    測方法。 手順1.流量を計測すべき流路と同じ断面形状の流路
    (1)を用い、この流路の勾配を一定にして水位hを変
    え、その水位のときの流量Qに応じた出力OAとOBと
    を予め計測しておく。なお、出力OAとOBは電磁流量
    計の原理による流量検出器を用い、同じ流量Qを異なる
    磁束密度分布BAとBBでそれぞれ計測したときの流量
    信号である。 手順2.被測定流体が流れている流路の未知の流量Q′
    を前記流量検出器で計測し、出力OA′とOB′を得
    る。 手順3.OB′とOA′の比OB′/OA′を求め、手
    順1で求めたOBとOAとの比OB/OAがOB′/O
    A′と同じ値になる流量Qαを手順1のデータから求
    め、この流量Qαのときの手順1の出力OAαから、手
    順1における流量Qαの条件のときの感度OAα/Qα
    を算出する。 手順4.手順2で計測した出力OA′と、手順3で得た
    感度OAα/Qαとから、未知の流量Q′を次の式で算
    出する。 Q′=OA′・Qα/OAα
  2. 【請求項2】 請求項1記載の流量計測方法に使用する
    流量検出器であって、電磁流量計と同様に電磁誘導の法
    則を利用する構造で、1対の電極(2,2)が流路を横
    切って水平方向に対向配置されていると共に、磁束密度
    分布形状が異なる二つの磁束密度分布BAとBBを発生
    する励磁コイル(3A,3B)を具備したことを特徴と
    する流量検出器。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の流量計測方法に使用する
    電磁流量計であって、請求項2の流量検出器(4)と、
    該流量検出器(4)を用いて一定の流路勾配でいくつか
    の流量Qについて測定した出力OAとOBのうち一方の
    出力OAと、出力比OB/OAを流量Qと共に補正基準
    データ(15)として記憶するROM(11b)と、前
    記未知の流量Q′を計測したときの出力OA′とOB′
    とから前記ROMに記憶したデータを用いて請求項1の
    方法で未知の流量Q′を算出する補正プログラム(1
    4)を捕えたCPU回路(9)を具備した電磁流量計。
  4. 【請求項4】 一方の励磁コイル(3A)を励磁したと
    きに出力OA′を得る第1のサンプルアンドホールド回
    路(8A)と、他方の励磁コイル(3B)を励磁したと
    きに出力OB′を得る第2のサンプルアンドホールド回
    路(8B)を具備した請求項3の電磁流量計。
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