JP4112700B2 - 非満水電磁流量計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は非満水状態で流れる流体の流量を計測する非満水電磁流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
出願人は、流路内を非満水状態で流れる流体の流量を電磁流量計の原理に基いて計測する流量計測方法と、その方法に使う流量検出器を特願平3−5631号で提案した(以下これを第1の従来技術という)。
【0003】
この第1の従来技術を図3〜図11に基いて説明する。
図3と図4において、1は断面が円形の流路、2,2は流路1の中心を通る垂直線に対し対称の位置に設けた1対の電極、3Aと3Bは第1と第2の励磁コイルで、それぞれ異なる磁束分布BAとBBを異なる期間(時間)の間に発生する。符号4はこのような構造の流量検出器を示す。
【0004】
5は励磁回路で、タイミング回路6の信号に応じて、第1と第2の励磁コイル3Aと3Bとを交互に励磁する。7は電極2,2間に誘起した電圧を増幅して出力するプリアンプ、S1 は切り替えスイッチで、タイミング回路6の信号で切替作動し、前記2つの励磁コイル3Aと3Bの励磁時期の切替と同期して切替作動し、第1の励磁コイル3Aが励磁されているときにa側に、第2の励磁コイル3Bが励磁されているときにb側に切り替えられる。
【0005】
8Aと8Bは切替スイッチS1 のa接点とb接点の信号を入力してオフセット補償、サンプル&ホールドする増幅回路、9はCPU回路、10は増幅器8A,8Bからのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路、11は演算回路で、後述する演算を行うプログラムを備えている。12は演算結果としての流量信号を出力する出力端子である。
【0006】
満水の管路を流れる流量を測定対象とする一般の電磁流量計では、流量と信号との関係は正比例関係となる。しかし、本発明が属する技術分野である非満水状態で流れる流路の場合は、この関係は曲線関係となってしまう。
【0007】
ただ曲線関係になるだけであれば、これを校正曲線として使用することで、信号から流量を知ることができる。しかし、非満水流路の場合においては、特に流路の勾配を変えることによって、流速分布や水位と流量の関係など流れの状態が変化するため、この曲線が変化してしまう。従って、この方法によって流量を知ることは不可能ではないが、取付現場ごとに流路の正確な勾配を知ることは、困難で手間もかかるうえ、勾配以外にも流路内面の粗さの程度など流れの条件に影響を与える条件は他にもあり、設置後も変化することがあるため、実用性に欠ける。
【0008】
出願人が提案した第1の従来技術は、この点に鑑みてなされたものであり、その発明の原理的側面の要点は、非満水電磁流量計の感度は水位により一定であるということである。言い換えれば、前述のように「流量と信号」の関係として流量計の特性を捉えると、その関係は一定ではないが、「水位と流量計の感度」として捉えれば、その関係は流路の勾配などの条件によらず一定となるという点にある。
【0009】
流路1に流れる非満水状態の流体の流量を計測するには、次の手順による。
手順1.流量を計測すべき流路1と同じ断面形状の流路を用い、この流路の勾配を一定にして水位hを変え、その水位のときの流量Qに応じた出力OAとOBを予め計測しておく。なお、出力OAとOBは電磁流量計の原理による流量検出器4を用い、同じ流量Qを第1と第2の励磁コイル3Aと3Bでそれぞれ計測したときの流量信号である(図6(a))。同一条件の流路において、水位と流量は1対1の関係にあるため、実務上便利な流量Qに対して関係を示している。
【0010】
手順2.被測定流体が流れている流路1の未知の流量Q′を前記流量検出器4で計測し、出力OA′とOB′を得る。
手順3.OB′とOA′の比OB′/OA′を求め、手順1で求めたOBとOAとの比OB/OAがOB′/OA′と同じ値になる流量Qαを手順1のデータから求め(図6(b)(c))、この流量Qαのときの手順1の出力OAαから、手順1における流量Qαの条件のときの感度OAα/Qαを算出する(図6(d))。
【0011】
手順4. 手順2で計測した出力OA′と、手順3で得た感度OAα/Qαとから、未知の流量Q′を次の式で算出する。
Q′=OA′・Qα/OAα
このようにして、未知の流量Q′を求める方法を提案した。
【0012】
図7は、図3、図4の流量検出器4を口径200mmの塩ビ管13に取り付けてこの計測方法の精度を検証するために実験した装置の全体で、塩ビ管13の長さは約8mで、この塩ビ管の管路勾配を先ず2/1000に固定し、第1の励磁コイル3Aを使って測定した実流量Qと電磁流量計の出力OAとの関係を図8の曲線OAに示す。又同一勾配で第2の励磁コイル3Bを使って測定した結果を曲線OBに示す。
【0013】
図8の両データOAとOBから、比OB/OAを求めたのが図9である。図9で、流量Qがほぼ100〔m3 /h〕以上ではOB/OAが一定の最小値になっているが、この範囲はいわゆる満水状態である。図8においても、この流量Qがほぼ100〔m3 /h〕以上の範囲では曲線OAとOBが共に座標の原点を通る直線の線分になっていることからも、いわゆる普通の満水型電磁流量計として作動している範囲であることが理解できる。
【0014】
図10は図7の装置を使って、流路13の管路勾配を6/1000に変えて測定した実流量Q′〔m3 /h〕と、各励磁コイル3A,3Bでそれぞれ励磁したときの出力OA′とOB′との関係である。この実験では、図10で実流量が既知であるが、実流量Q′〔m3 /h〕を未知と仮定してOB′/OA′=αを求め、その値と、一致する図9のOB/OAの値の点の実流量Qαを求め、その流量Qαにおける図8の曲線OAからの感度OAα/Qαを算出すれば、前述の演算方法により次の式で未知の流量Q′が求められる。
【0015】
Q′=OA′・Qα/OAα
この方法で、いくつかの流量Q′の点で、器差を求めたところ、図11のように、比較的小さな値となり、この計測方法の実用性が確認できた。
【0016】
上記流量計測方法では、用いる流量検出器4が、非満水状態での水の満たされ方や電極形状と励磁磁束密度分布の関係等、その上下対称性が低いので、導電率の影響による計測誤差が生じるという欠点があった。
【0017】
そこで、出願人は、かかる欠点を解消できる非満水用電磁流量計を国際公開番号WO93−05367で提案した(これを第2の従来技術という)。
この非満水用電磁流量計は、図12,図13に示すように、個々に励磁できる上側励磁コイルCuと下側励磁コイルClと1対の対抗する電極22を有する本体部分24と、次の(a)〜(g)の要件を有する変換器部分32とを具備している。
【0018】
図14は図12の電磁流量計タイミングチャートで、上から順に、タイミング回路6の信号、第1の励磁コイル3Aの励磁電流、第2の励磁コイル3Bの励磁電流、切替スイッチS1 の動作、プリアンプ7の出力、増幅回路8Aの入力、増幅回路8Bの入力をそれぞれ示す。
【0019】
(a)励磁回路25へ励磁のタイミングを知らせ、増幅回路AMPへタイミングを知らせる励磁タイミング回路26を設ける。
(b)短絡スイッチS2 の開閉を制御するタイミング信号を発生し、同時に演算処理部31へこのタイミングを知らせる導電率測定タイミング回路28を設ける。
【0020】
(c)励磁タイミング回路26からの信号を受け、二つの励磁コイルCu,Clを励磁する励磁回路25を設ける。
(d)電極22からプリアンプ27へ至る導線をアースへ短絡する短絡抵抗Rsと、導電率測定タイミング回路28からの信号により、短絡抵抗Rsを接続したり、切り離したりするスイッチS2 を設ける。
【0021】
(e)電極22間の信号電圧を増幅するプリアンプ27を設ける。
(f)増幅回路AMPの出力をA/D変換するA/D変換回路30と、このデータを処理して流量出力信号を出力する演算処理回路31を設ける。
【0022】
演算処理回路31が、A/D変換回路30のデータを処理して導電率出力を出力するようにすることもできる。
図12〜図17に基いて作用を説明する。
【0023】
図14に典型的な測定1サイクルのタイミングチャートを示す。図の期間a〜fで測定の1サイクルである。まず各々の信号について簡単に説明する。
(i)上側励磁コイルCuは期間a,bと期間e,fに励磁される。
【0024】
(ii)下側励磁コイルC1は期間c,dに励磁される。
(iii)導電率測定用短絡スイッチS2 は期間e,fの間だけ閉となる。
(iv) プリアンプ27の出力には励磁の違い、短絡スイッチS2 の位置に応じた出力が現れる。
【0025】
(v)第1の増幅回路AMPuは上側励磁コイルCuで励磁されている間のプリアン27の出力を積分し積分が完了した時点でこれをホールドし出力する。従って期間a,bの積分値が時刻t2 に確定し、期間e,fの積分値は時刻t6 に確定する。
【0026】
次に得られた信号の処理手順について説明する。
1.予め次の3種のデータを測定し演算処理部31に記憶しておく。
▲1▼上側励磁(下側でも可)の時の第1の増幅回路AMPuの出力Euと、その時の実流量Qとの比g≡Q/Eu(第1の従来技術における感度の在数)は第1の従来技術においては、水位hにより決まっていたが、ここでは更に水位hと導電率cを決めてやれば一定値となる。このg(h,c)を測定しておく。
【0027】
▲2▼上側励磁の時の第1の増幅回路AMPuの出力Euと、下側励磁の時の第2の増幅回路AMPlの出力Elとの比p≡El/Euも水位hと導電率cを決めれば一定値となる。このp(h,c)を測定しておく。
【0028】
▲3▼上側励磁で短絡スイッチS2 開の時の出力Euと、短絡スイッチS2 閉の出力Eu′との比s≡Eu′/Euも水位hと導電率cにより決定される。このs(h,c)を測定しておく。
2.実際の計測時に得られた信号Eu,Elにより、比p0 =El/Euを求める。p(h,c)=p0 とおけばh−c平面上に一つの曲線が図15のように描ける。勿も、この曲線はp=p0 平面上にあるが、これをh−c平面へ正射影した曲線を使う。
【0029】
第1の従来技術で説明した計測方法ではp0 と水位hとが一対一の関係にあるとの前提に立っていた。即ち、p0 は、図15の点線に示すように、縦軸に平行な直線で表されると考えていた。この発明は、p0 が図15の実線で示すように、水位hと一対一の関係になく、そこに導電率が関与しており、これが測定誤差の原因となるという発明者らが新たにみつけた事柄を解決するものである。
【0030】
つまり、上側コイルと下側コイルの出力Eu及びElのみから正確に水位を求めることができない。
3.そこで、本発明者らは、上側コイル及び/又は下側コイルの出力に何らかの処理を加え、得られた結果を図15と同様にh−c平面上の曲線とするよう検討した。そのような曲線が得られれば、それと図15の曲線との交点を求めることにより、上下コイルの出力から水位h及び導電率cを特定できることとなるからである。換言すれば、2つの変数h及びcを持つ方程式を2つ得ることにより、その解として水位hを求める。そのとき同時に導電率cが求まる。
【0031】
本発明者らは既述の比s≡Eu′/Euに注目した。そして、s0 =Eu′/Euを求め、s(h,c)=s0 とおくと、同じく一つの曲線が図16のように得られた。h−c平面へ正射影することは同じ。
【0032】
なお、流管1内の水位hと被測定流体の導電率cで決まる流量計本体部分24の出力インピーダンスをRwとすると、流量計本体に発生する流量信号Eは図18に示すように、出力インピーダンスRwとプリアンプ27の入力インピーダンスRiで分圧されてプリアンプ27へ入るが、通常Rw≪Riなので、Ei≒Eである。
【0033】
ここで短絡スイッチS2 を閉じてやると、同じくRs≪Riとしておけば
Ei≒Rs・E/(Rw+Rs)
である。従って前記sの定義により
s=Rs/(Rw+Rs)
である。Rsは既知であり、Rw(h,c)だからs(h,c)と書ける。
【0034】
4.この図15と図16の二つの曲線の交点が現在の水位h0 と導電率c0 を現している(図17)から、g=g0 (h0 ,c0 )によりg0 が求まる。gの定義により、現在の流量Q0 をQ0 =g0 Euとして求める。
【0035】
本手法は、gに影響を与えるパラメータhとcと、
s(h,c)=s0
p(h,c)=p0
なる連立方程式を解いて求めようとするもので、導電率Cを求めることで導電率の変化による誤差を補正するものである。
【0036】
次に第2の従来技術の具体例を説明する。
図19に示すように、流路1の内径がφ200、短絡抵抗Rsが100Ω、プリアンプ27の入力インピーダンスが100MΩの場合、前記図15、図16に相当する曲線を取ると図20,図21になる。
【0037】
図21の水位hが1.0以上の部分は満管のまま流体を圧送している状態で、便宜上プロットされている。
図23は導電率1300μS/cmの流体の流量を本第2の従来技術に基づき測定したデータを横軸実流量、縦軸器差(器差=(測定値−真値)/真値×100%)で表したものである。
【0038】
図22に示したデータは、前記第1の従来技術で説明した方法で同一の流体を測定したときの結果である。
この第2の従来技術は、導電率の変化が測定精度に与える悪影響を補正して測定誤差を小さくする。
【0039】
又、本体部分の対称性に留意する制約が小さくなるので、電磁流量計本体部分の設計の自由度が増す。
更に又、導電率の情報を外部へ出力することで、導電率計としての機能を果たすことができる。
【0040】
次に、この第2の従来技術による測定方法を図24のフローチャートに基いて説明する。
なお、図25は、比g≡Q/Euと水位h及び導電率cとの関係を示すグラフである。この図25の関係、更には図20及び21の関係は演算処理部31のメモリに予め格納されている。
【0041】
ステップ1では、短絡スイッチS2 が開のときの上側コイルの出力Eu、同スイッチS2 が閉のときの出力Eu′及び下側コイルの出力Elを検出して、演算処理部31のレジスタへ保存しておく。
【0042】
ステップ3では、演算処理部の演算回路がレジスタからそこに保存されているEu、Elを読みだして、p0 =El/Euを計算し、結果を他のレジスタに保存する。
【0043】
ステップ5では、同様にして、S0 =El′/Euを計算し、結果を他のレジスタへ保存しておく。
ステップ7では、ステップ3で得られたp0 の値をメモリに格納されている図20のデータと比較して、図20のデータから得られたp0 に最も近いデータを選択する。一方、ステップ5で得られたS0 の値をメモリに格納されている図21のデータと比較して、その中から得られたS0 に最も近いデータを選択する。このようにして得られた2つのデータの交点から測定時の水位h0 及び導電率c0 が得られる。
【0044】
ステップ9では、メモリに格納されている図25のデータを参照して、ステップ7で決定された水位h0 及び導電率c0 からg0 を特定する。
ステップ11では、上側コイルの出力Euをレジスタから読みだすとともに、該Euとステップ9で得られた比g0 を乗算し、実流量Q0 を計算する。
【0045】
なお、具体例の管路の内径は240mmである。電極22の寸法は、流れ方向に40mmの幅を持ち、90°の開き角度及び2mmの厚さを持つ。
【0046】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の技術では、図3、図4及び図18、図19に開示されているように上側励磁コイルと下側励磁コイルとは同じ大きさのコイルが使用されていた。
【0047】
その理由としては次の点が挙げられる。
▲1▼.最終的な流量算出に最も支配的であるがために、流量に対する出力の直線性ができる限り望まれる曲線OA の、その直線性を得るために、上側励磁コイルの形状は鞍型が良いことがわかっていた(特願昭63−124285号)。
【0048】
▲2▼.電磁流量計としては上下同一寸法の励磁コイルを使用するのが一般的であった。
▲3▼.当時はさほどの小流量までの計測は要求されておらず、この励磁コイルで充分な特性が得られていた。
【0049】
ところが、更に小流量域までの測定をしようとしたとき、従来の励磁コイルでは、OB /OA の曲線が図26に示すように低水位領域で二価関数になってしまい、図6(c)で説明した手順でQαを正しく求めることができなくて、結果的に小流量(低水位)の計測ができないという問題点があることに発明者は気づいた。
【0050】
従来の鞍型の下側励磁コイルでは、図27に示すように、磁束密度の強い領域と弱い領域ができ、一番低水位になる部分がちょうど鞍型の中央部分に当るため、下側励磁コイルによって発生される磁束密度BB が相対的に弱くなってしまい、その結果、OB /OA の曲線が図26のように、小流量域で二価関数になってしまうからである。
【0051】
従来技術のOB /OA の曲線の具体的な数値例を図28に示すが小流量域で二価関数になっている。
そこで、本発明はかかる問題点を解消できる非満水電磁流量計を提供することを目的とする。
【0052】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、計測流管の上部に上側励磁コイルを、下部に下側励磁コイルを相対して配置し、これら両励磁コイルの磁路内で、かつ流管内面の両側に流路の側面中央部近くから下面側まで延長された一対の電極を備えた非満水電磁流量計において、
上側励磁コイルを励磁したときの信号OA と下側励磁コイルを励磁したときの信号OB の比OB /OA を低水位まで流量Qの一価関数とし
低水位部分になる程、上側励磁コイルによって発生される磁束密度B A に対する下側励磁コイルによって発生される磁束密度B B の比が大きくなるように定めたことを特徴とする非満水電磁流量計である。
【0054】
そして、請求項の発明は、計測流管の上部に上側励磁コイルを、下部に下側励磁コイルを相対して配置し、これら両励磁コイルの磁路内で、かつ流管内面の両側に流路の側面中央部近くから下面側まで延長された一対の電極を備えた非満水電磁流量計において、
上側励磁コイルを励磁したときの信号O A と下側励磁コイルを励磁したときの信号O B の比O B /O A を低水位まで流量Qの一価関数とし、
上側励磁コイルの流れに直角な方向の幅に比較して、側励磁コイルの流れに直角な方向の幅を狭くしたことを特徴とするものである。
【0055】
こうすることで、低い水位(小流量)領域までOB /OA の曲線の一価性を保つことができるようになり、先に説明した図16(c)を用いての手順3においてQαを正しく求めることが可能となる。つまり本発明では後述する図1(b)を用いて正しいQαを求めることができ、結果的に低水位(小流量)領域までの流量を正しく計測できる。
【0056】
【発明の実施の形態】
次に本発明の好ましい実施の形態を説明する。
一例として、図1(a)に示すように、計測流管20の上部に配置した上側励磁コイルCA の流れに直角な方向の幅WA に比較して、下部に配置した下側励磁コイルCB の流れに直角な方向の幅WB を狭くした。22は流管20内面に流路21の側面中央部近くから下面側まで延長された一対の電極である。
【0057】
こうすることで、OB /OA 曲線を低水位(小流量)まで一価関数にすることが出来る。
B /OA の曲線を小流量(低水位)域まで一価関数に保っておくには、低水位部分になるほど、上側励磁コイルによって発生される磁束密度BA に対する下側励磁コイルによって発生される磁束密度BB の比が大きくなるようにしておけばよい。
【0058】
低水位部分では、上側励磁コイルからの距離が離れているため、水位方向の位置によるBA の変化率は小さい。従って、低水位になるほどBA に対するBB の比を大きく保つには、大ざっぱに言ってBB の方が常に低水位方向に強くなっていればよい。
【0059】
本実施例によれば、最も低水位に相当する部分でBB が弱くなってしまうことを避けることができるため、OB /OA の曲線を低水位まで一価関数に保っておくことができる。
【0060】
図1(b)は図1(a)の構成によるOB /OA の曲線で、低水位(小流量)域まで一価関数を保っている(図1(b))。従って、従来技術で説明した手順3のときにQαを正しく求めることができ、正しい流量計測ができる。
【0061】
図2は、OB /OA 曲線の本発明における具体的な数値例を示す。図28の従来例と比較して改善されているのが明らかである。
【0062】
【発明の効果】
本発明の非満水電磁流量計は上述のように構成されているので、低水位(小流量)までの正確な計測が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例の励磁コイルの配置を示す断面図、(b)は本発明のOB /OA 曲線である。
【図2】本発明のOB /OA 曲線の具体的な数値例である。
【図3】第1の従来技術の電磁流量計のブロック図である。
【図4】第1の従来技術の流量検出器で、(a)は正面図、(b)は同図(a)のA−A断面図である。
【図5】図3の電磁流量計のタイミングチャートである。
【図6】第1の従来技術による流量計測方法の手順を説明する線図で、(a)は流量計出力線図、(b)は流量計出力比を示す線図、(c)は未知の流量から得た出力比から同一水位の流量Qαを求める手順を説明する図、(d)は出力曲線OAから感度を求める手順を説明する図である。
【図7】第1の従来技術の計測精度の検証に使用した実験装置の略図である。
【図8】第1の従来技術での実流量Qと流量検出器の出力OA,OBの関係の一例を示す線図である。
【図9】図8のデータから計算した比OB/OAと実流量Qとの関係を示す線図である。
【図10】管路勾配を変えた状態での図18に相当する出力線図である。
【図11】第1の従来技術の器差特性線図である。
【図12】第2の従来技術のブロック図である。
【図13】図12の一部の詳細を示す図である。
【図14】タイミングチャートである。
【図15】h−c平面上でのp曲線の図である。
【図16】h−c平面上でのs曲線の図である。
【図17】h−c平面上でのp曲線とs曲線の図である。
【図18】第2の従来技術の電気回路の要部である。
【図19】第2の従来技術の具体例の要部の電気回路である。
【図20】第2の従来技術の具体例によるh−c平面上でのp曲線の図である。
【図21】第2の従来技術の具体例によるh−c平面上でのs曲線の図である。
【図22】第1の従来技術の一例の器差曲線である。
【図23】第2の従来技術の一例の器差曲線である。
【図24】フローチャートである。
【図25】水位hと導電率cとの関係を示す線図である。
【図26】従来技術のOB /OA 曲線の二価関数を示す図である。
【図27】従来技術の下側励磁コイルの磁束密度を説明する図である。
【図28】従来技術のOB /OA 曲線の数値例を示す線図である。

Claims (2)

  1. 計測流管の上部に上側励磁コイルを、下部に下側励磁コイルを相対して配置し、これら両励磁コイルの磁路内で、かつ流管内面の両側に流路の側面中央部近くから下面側まで延長された一対の電極を備えた非満水電磁流量計において、
    上側励磁コイルを励磁したときの信号OA と下側励磁コイルを励磁したときの信号OB の比OB /OA を低水位まで流量Qの一価関数とし
    低水位部分になる程、上側励磁コイルによって発生される磁束密度B A に対する下側励磁コイルによって発生される磁束密度B B の比が大きくなるように定めたことを特徴とする非満水電磁流量計。
  2. 計測流管の上部に上側励磁コイルを、下部に下側励磁コイルを相対して配置し、これら両励磁コイルの磁路内で、かつ流管内面の両側に流路の側面中央部近くから下面側まで延長された一対の電極を備えた非満水電磁流量計において、
    上側励磁コイルを励磁したときの信号O A と下側励磁コイルを励磁したときの信号O B の比O B /O A を低水位まで流量Qの一価関数とし、
    上側励磁コイルの流れに直角な方向の幅に比較して、側励磁コイルの流れに直角な方向の幅を狭くしたことを特徴とす非満水電磁流量計。
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