JP2972918B2 - ソフトな表面を有する中味入り焼成菓子の製造方法 - Google Patents
ソフトな表面を有する中味入り焼成菓子の製造方法Info
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Description
造方法に係り、詳しくは、小麦粉、バター、卵などを主
成分とする菓子生地、例えば、シュークリーム用のシュ
ー生地を加熱焼成した菓子台を、内部にほとんど隔壁が
存在せずに1つ又は2つ程度の大きな空洞部を有しソフ
トな表皮から成るシューなどの菓子台を形成し、しか
も、この菓子台の空洞部内にクリームなどの中味を最大
限の充填率で注入できる中味入り焼成菓子の製造方法に
係る。
及している。このシュークリームは所謂シューの菓子台
とカスタードクリームなどの中味とから成って、シュー
は、主として、小麦粉、バター、卵などを含む菓子生地
を焼板上で焼成してつくられている。
の空隙から成る内部室が形成され、各内部室内はシュー
の部を切欠いた切欠き部からクリームなどの中味を入
れ、所謂シュークリームとして市販商品化されている。
また、中味のクリームは通常所謂生の状態にあり、きわ
めて腐敗しやすく、通常は、市販の直前にシューの一部
を切断し、この切断部分からクリームを詰め込み、食べ
られる時間を定めて販売されている。しかし、このよう
にして作るのでは小ロッドのものしか製造できず、大ロ
ッドの製造では、シューを連続的に加熱焼成し、このシ
ューの一部を切欠くことなく、針状の注入器などを差込
み、これを利用してクリームを連続的に注入することが
行なわれている。このようにシューを連続焼成し、その
後のクリームなどの中味の自動注入を行なうと、手作り
のものに比べて、製造過程が合理化され、全く手にふれ
ずに製造されるため、シュークリームは日持ちがよく、
製造後相当の時間が経っても、食中毒も起こったことが
ないとも言われている。
ムを注入する場合、従来例のシューの内部は後記の如く
隔壁で仕切られて多数の内部室が形成されているため、
クリームは仕切られている隔壁を破らなければ全体にわ
たってクリームを注入することができず、隔壁を破るた
めに、注入時の圧力を最大限に高めても、内部室のせい
ぜい50%〜60%程度の充填率でクリームを注入できるに
過ぎない。このところから、従来例のシュークリームで
は、その味や風味を高めるのは、クリーム量をなるべく
多くすることが望まれているのにもかかわらず、シュー
そのものの構造が改善されていないため、クリームなど
の中味の充填率を高めることができない。
面図であって、このシューは小麦粉などを含むシュー生
地を焼板の上で焼き上げたものである。内部には多数の
内部室1a、1b、……1nが形成され、これら各内部室1a、
1b、……1nは隔壁2によって仕切られ、全体的には焼成
された包囲層3、つまり表皮によって覆われている。つ
まり、従来例のシューは内部に多数の内部室1a、……1n
から成る空間が形成されているが、この中空状の包囲層
3は隔壁2によって支持されて、膨脹状態の形状が保た
れている。要するに、従来例のシューは焼き上げた直後
にはやや軟化するが、内部は隔壁によって支持され、そ
の上、包囲層3はほとんど水分がない状態まで強火で硬
く焼成されて焼きはだが形成され、それ自体で剛性を持
っていることもあって、一旦膨脹したシューはほとんど
縮小しない。
3の表皮が硬くかつぜい弱なこともあって、場合によっ
ては包囲層3の表皮が破壊し、破壊しなくとも、注入部
分のあとが残り、注入されたクリームも隔壁2に邪魔さ
れ、クリームは全ての内部室1a、……1nに円滑に行きと
どかない。この割合は、通常内部室の割合に対しクリー
ムの注入される割合はせいぜい50%〜60%どまりと言わ
れ、商品価値が手作りのものに比べると、低くみられが
ちである。
で焼成して硬くぜい弱になることもあって、その表面に
凹凸が生じ、包囲層3は厚さ方向全体にわたって水分が
少なく、なかでも、表面には、こげ目に近い焼きはだが
形成される。このため、内部に注入されるクリームが流
動物でソフトな食感を与えるにも拘らず、包囲層3の表
皮が異常に硬くなって、全体としてアンバランスな食感
を与え、更に、包囲層3の表皮は通常厚さ2mm〜3mm程度
に焼かれ、硬くかつぜい弱な食感が与えられている。
板の上下から菓子生地を加熱焼成してシューなどの菓子
台をつくり、続いて、この菓子台に、例えば、注入器に
よってシューにクリームを注入してシュークリームなど
の中味入り菓子を製造する際に、従来例のような内部の
隔壁がなく、クリームが最大限に注入でき、厚さが1.5m
m以下の如く、きわめて薄い構造の菓子台が連続的に製
造でき、更に、クリームの注入時には菓子台に対しクリ
ームが最大限注入できる方法を提案する。
して菓子台を形成し、この菓子台にクリームその他の中
味を注入して中味入り菓子を製造する際に、この焼板上
に菓子生地を絞ってから、この菓子生地の表面に、水そ
の他の液体を吹き付け、その後、菓子生地に蓋をかぶせ
おおってから、焼板上で蓋を介して加熱焼成して菓子生
地の内部に大きな空洞部を形成して菓子台をつくり、そ
の後、蓋を取りのぞいてから直後又はそれから僅かな時
間差をおいて菓子台に中味を注入することを特徴とす
る。
て図面によって説明すると、次の通りである。
でも、本発明方法を連続的に実施する装置の一例の正面
図であり、第2図はその平面図であり、第3図は第1図
に示す製造装置の一部を拡大して示す説明図であり、第
4図は本発明法で得られる菓子台の一例の横断面図であ
り、第5図は第4図に示す菓子台に中味を注入した中味
入り焼成菓子の横断面図である。
示し、この焼板11は無終端状に連結され、例えば、一端
の駆動ローラ12に駆動源のモータ13を連結し、このモー
タ13によって連続的に駆動し、焼板11は上流側から下流
側に走行する。これら焼板11は焼成オーブン14に入り、
焼成オーブン14では上火ならびに下火(図示せず)によ
って加熱され、その間に、焼板11上にのった菓子生地15
が連続的に焼成される。焼板11の上流側には絞り装置16
を設け、この絞り装置16から菓子生地15が滴下される。
絞り装置16に隣接させて液体吹き付け装置17を設け、こ
の液体吹き付け装置17によって絞られた菓子生地15の表
面に液体17aが吹き付けられる。
は、彎曲した吹き付けノズル17bを設け、その吹き付け
ノズル17bから下向きに液体17aが菓子生地15の表面に吹
き付けられる。
との間には、蓋搬入載置装置18を設ける一方、焼成オー
ブン14の出口側に隣接させて蓋排除搬出装置19を設け
る。すなわち、菓子生地15は液体吹き付け装置17によっ
て表面に液体が吹き付けられ、蓋搬入載置装置18によっ
て蓋20が菓子生地15の上にかぶされ、この状態で焼成オ
ーブン14に入る。焼成オーブン14内においては上火なら
びに下火によって、焼板11上の菓子生地15は蓋20を介し
て加熱される。
れることなく、蓋20が加熱され、この蓋20からの放射や
蓋20内の空気や蒸気によって、菓子生地15は焼成され
る。
接上火が当たることなく加熱され、とくに、予め液体な
どが吹付けられているから、加熱されると、表面の液体
が直ちに蒸発し、これらの蒸発による蒸気によって蓋20
の内部は充満する。このきわめて蒸気のとんだ雰囲気中
で下火からの焼板による加熱に併せて蓋20からの加熱に
より菓子生地15が焼成される。このため、菓子生地15の
表面からは水分を急速に失なわれることなく、適度な水
分を保って焼き上げられ、表面は適正な焼きはだが形成
され、従来例の硬い表皮と異なってソフトな表皮が形成
される。とくに、菓子生地15が主としてバター、小麦
粉、卵、砂糖、ショートニング、とくに、バター、卵、
砂糖を含んでいると、第4図に示すような内部に大きな
空洞部を有する菓子台が得られる。
とから成って、この包囲層22の表皮は柔軟性を持ってい
る。換言すると、この包囲層22の内部には、第6図に示
す従来例の如く、隔壁が全く又はほとんど形成されるこ
となく、大きな空洞部23が形成されている。この包囲層
22では、その表面は全体にわたり若しくは底面を除い
て、焼きはだが形成されているが、蓋20がかぶされた状
態で焼成されているために、十分に水分が保持されてい
るために、ソフトでかつ弾力性を持っている。また、空
洞部23に接触する内面は表面が多水分でおおわれている
ために、水分などが排出されることがほとんどα化又は
糊化の程度にもよるが、粘着性があって糊状を成してい
る。このため、後述の如く空洞部23にクリームなどの中
味が注入されたときには、内面は中味と良好に混合同化
して大部分が消失し、包囲層22は更に薄くなり、きわめ
て美味しい中味入り菓子が得られる。
装置19により蓋20は持ち上げられて、菓子台15から取り
のぞかれる。この場合、菓子台15から蓋20を取りのぞい
てから直ちに、20秒以内に中味を注入する。
図で示す如く、例えば注入器24を差込んでクリームなど
の中味25が注入それる。このときに、空洞部23は大きな
容量で、しかも、隔壁などもほとんど存在せず、包囲層
22はやわらかく弾力性にとんでいるために、クリームな
どの中味25を注入したときに、包囲層22は良好に広がっ
て、全体にわたって中味25が充満される。従って、クリ
ームなどの中味の充填率がきわめて高くなり、それは85
%以上、90%をこえることも多い。
22の表皮であると、焼成後直ちに中味25を注入しない
と、包囲層22が縮小し、その特性をいかして中味25を注
入することができない。
す如く、包囲層3の表皮はほとんど水分がなく硬く焼成
され、包囲層3そのものが相当の強度を持ち、しかも、
内部は介在する隔壁2によって支持されている。このた
めに、焼成後そのまま放置しても、包囲層3は縮小する
ことなくほとんど原型を保つことができる。これに対し
て、本発明法によって焼成される菓子台では、包囲層22
の構造ならびに性質が従来例の包囲層3と異なり、内部
からは全て支えられていないため、焼成後蓋20をとって
大気中にさらすと、縮小し、極端な場合には、空洞部23
がほとんど失なわれる。
ころ、焼成後の菓子台から蓋をとって外気にさらしたと
きから、20秒以内のうちに中味を注入することが必要で
あった。換言すると、包囲層22が15秒をこえると、縮小
気味になるが、20秒をこえると、包囲層が瞬間的に縮小
する。この意味で、包囲層22の特性を充分に発揮させる
のには、15秒以内で注入するのが好ましい。
て、蓋排除搬出装置19の下流側に注入コンベヤ26を設
け、このコンベヤ26上で菓子台に注入器24を用いてクリ
ームなどの中味を注入すれば良い。
粉糖などを用いて、従来法によってシュークリームのシ
ュー用生地を用意し、このシュー用生地を第1図ならび
に第2図に示す製造装置によって焼き上げ、この間、液
体吹き付け装置17によって水を霧状にして表面に吹き付
けて菓子台のシューを焼成し、注入コンベヤ26上でカス
タードクリームを注入した。このときに、蓋20をとって
から注入までの時間を5秒から30秒まで変化させた。
クリームが充填され、包囲層の表皮は1.0mm程度であっ
た。とくに、焼成直後のシューの高さと直径を求め、ク
リーム充填後のシューの高さと直径とを比べたところ、
充填後では約5〜3%程度ふえて、表皮そのものがソフ
トで弾力性があることがわかった。
ューの包囲層は急激に縮小し、クリームを注入しても元
の型に復元できなかった。
そのシューから内部の隔壁をことごとく除去して内部の
空洞部が一つ大きなものから成るシューをつくった。こ
れに注入器を用いてクリームを入れ、これを割って空洞
部に対する充填率を求めたところ、80%程度であった。
また、この注入によるシュー容積の増減をみたところ、
全くかわりはなかった。
として、内部にほとんど隔壁が存在せずに1つ又は2つ
程度の大きな空洞部を有しソフトな表皮を具える菓子台
が形成でき、しかも、表皮がソフトで弾力性を持つため
に、この空洞部内にはクリームなどの中味を最大限に注
入できる。
発明方法を連続的に実施する装置の一例の正面図、第2
図はその平面図、第3図は第1図に示す製造装置の一部
を拡大して示す説明図、第4図は本発明法で得られる菓
子台の一例の横断面図、第5図は第4図に示す菓子台に
中味を注入した中味入り焼成菓子の横断面図、第6図は
従来例に係るシューの横断面図である。 符号11……焼板 14……焼成オーブン 15……菓子生地 16……絞り装置 17……液体吹き付け装置 17a……液体 20……蓋 24……注入器 25……中味 26……注入コンベヤ
Claims (4)
- 【請求項1】焼板上で菓子生地を加熱焼成して菓子台を
形成し、この菓子台にクリームその他の中味を注入して
中味入り菓子を製造する際に、 この焼板上に菓子生地を絞ってから、この菓子生地の表
面に、水その他の液体を吹き付け、その後、菓子生地に
蓋をかぶせおおってから、焼板上で前記蓋を介して加熱
焼成して菓子生地の内部に大きな空洞部を形成して菓子
台をつくり、その後、前記蓋を取りのぞいてから直後又
はそれから僅かな時間差をおいて前記菓子台に中味を注
入することを特徴とするソフトな表皮を有する中味入り
焼成菓子の製造方法。 - 【請求項2】僅かな時間差を、前記蓋を取りのぞいてか
ら20秒以内にすることを特徴とする請求項1記載のソフ
トな表皮を有する中味入り焼成菓子の製造方法。 - 【請求項3】前記菓子生地を、主として、牛乳、バタ
ー、小麦粉、卵、砂糖を含むシュークリーム用シュー生
地とすることを特徴とする請求項1又は2記載のソフト
な表皮を有する中味入り焼成菓子の製造方法。 - 【請求項4】前記中味を、カスタードクリーム、チョコ
レート、アイスクリーム又はあんとすることを特徴とす
る請求項1又は2記載のソフトな表皮を有する中味入り
焼成菓子の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2164844A JP2972918B2 (ja) | 1990-06-21 | 1990-06-21 | ソフトな表面を有する中味入り焼成菓子の製造方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0453440A JPH0453440A (ja) | 1992-02-21 |
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JP2164844A Expired - Fee Related JP2972918B2 (ja) | 1990-06-21 | 1990-06-21 | ソフトな表面を有する中味入り焼成菓子の製造方法 |
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JP (1) | JP2972918B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
JP4178051B2 (ja) * | 2003-02-13 | 2008-11-12 | 株式会社アールアンドエイインターナショナルナゴヤ | レアーチーズケーキ及びその製造方法 |
JP6286766B2 (ja) * | 2013-08-05 | 2018-03-07 | 株式会社ロッテ | 菓子およびその製造方法 |
-
1990
- 1990-06-21 JP JP2164844A patent/JP2972918B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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