JP2972754B2 - ひずみ測定方法及びひずみ測定装置並びにひずみ測定用記録媒体 - Google Patents
ひずみ測定方法及びひずみ測定装置並びにひずみ測定用記録媒体Info
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Description
用したひずみ測定方法、及びこのひずみ測定方法を用い
たひずみ測定装置、並びにこのひずみ測定方法によるひ
ずみ測定に用いる記録媒体に関する。
は、ひずみに応じた抵抗値変化を生じるひずみゲージを
物体に貼着すると共に、このひずみゲージと複数の抵抗
体とにより該ひずみゲージを一辺に有し、且つ残りの三
辺に抵抗体を有するブリッジ回路(詳しくはホイートス
トンブリッジ回路)を構成し、このブリッジ回路を用い
てひずみ測定を行うものが一般に知られている。
如く比例関係にあるので、本明細書では、特にことわら
ない限り、「ひずみ」は本来の意味でのひずみの他、応
力も含むものとし、本来の意味でのひずみには、原則と
して参照符号ε(添え字付を含む)を付するものとす
る。
ジを一辺に組み込んだブリッジ回路を用いるひずみ測定
手法としては、所謂、1ゲージ法と2ゲージコモンダミ
ー法とが従来より一般に知られており、さらに1ゲージ
法には、1ゲージ2線法及び1ゲージ3線法が知られて
いる。
なひずみ測定手法である前記1ゲージ2線法による測定
手法を説明するための回路図である。この手法では、ひ
ずみを測定しようする図示しない物体に貼着されるひず
みゲージ1の両端にあらかじめ一対のリード線2,3が
結線されている(このために2線法といわれる)。そし
て、ひずみゲージ1が、図示のように抵抗体4,5,6
を相互に接続してなる抵抗回路に前記リード線2,3を
介して接続され、これにより、ひずみゲージ1(詳しく
はひずみゲージ1及びリード線2,3)を一辺に有し、
且つ残りの3辺に抵抗体4,5,6をそれぞれ有するブ
リッジ回路7が構成される。
れぞれの抵抗値R2 ,R3 ,R4 が測定対象の物体に生
じるひずみとは無関係に一定となるような抵抗素子(例
えば固定抵抗値の抵抗素子)により構成される。また、
通常、抵抗体4,5,6の抵抗値R2 ,R3 ,R4 は、
ひずみゲージ1のひずみを生じていない状態における基
準抵抗値(ひずみゲージ1の公称抵抗値)をR0 とした
とき、R0 =R2 =R 3 =R4 とされる。
際しては、ひずみゲージ1のリード線2と抵抗体6との
接続部位もしくはこれと同電位の部分と、前記抵抗体4
と抵抗体5との接続部位もしくはこれと同電位の部分と
を一対の電源入力部I1 ,I 2 として(これらの電源入
力部I1 ,I2 はブリッジ回路7の一対の対角点であ
る)、これらの電源入力部I1 ,I2 間にブリッジ回路
7の電源電圧V(定電圧)が付与される。また、ブリッ
ジ回路7の電源入力部I1 ,I2 間に電源電圧Vを付与
した状態で、ひずみゲージ1のリード線3と抵抗体4と
の接続部位もしくはこれと同電位の部分と、前記抵抗体
5と抵抗体6との接続部位もしくはこれと同電位の部分
とを、ブリッジ回路7の一対の出力部O1 ,O2 として
(これらの出力部O1 ,O2 はブリッジ回路7の残りの
一対の対角点である)、前記出力部O1 ,O2 間に生じ
る出力電圧eが検出される。
3のそれぞれの抵抗値ra1,ra2が無視できる程、十分
に小さいとし(ra1≒0、ra2≒0)、さらに、前述の
如くR0 =R2 =R3 =R4 とすると、周知のように、
ひずみゲージ1を貼着した物体に生じるひずみε(本来
の意味でのひずみ)と、ブリッジ回路7の出力電圧eと
の間には、次の関係式(8)が成り立つ。
のゲージ率である。
出することで、この出力電圧eから物体のひずみεを前
記式(8)に基づいて測定することができる。
源電圧VをV=2[V]とすると共に、ゲージ率KがK
=2のひずみゲージ1を使用するのが一般的であり、こ
の場合には、式(8)の関係式は、次式(9)となる。
れる場合(e≪1の場合)には、式(9)の右辺の分母
項を無視し、ε=eとしてひずみεを求める場合もあ
る。また、物体のひずみεと応力σとの間には、σ=E
・ε(但しE:物体のヤング率)なる関係が成り立つの
で、式(8)あるいは式(9)の右辺に物体のヤング率
Eを乗算することで、前記出力電圧eから物体の応力を
求めることもできる。
の基本的手法である。
測定の手法を説明するための回路図である。この手法で
は、物体に貼着されるひずみゲージ1の両端にあらかじ
め一対のリード線2,3が結線されると共に、さらにひ
ずみゲージ1の一端(図ではリード線3側)にもう一つ
のサブリード線8が結線されている(このために3線法
といわれる)。
1ゲージ2線法によるものと同様にリード線2,3を介
して抵抗体4,5,6から成る抵抗回路に接続されてブ
リッジ回路9が構成される。
際しては、前記図1の1ゲージ2線法によるものと同様
に、前記リード線2と抵抗体6との接続部位もしくはこ
れと同電位の部分と、前記抵抗体4と抵抗体5との接続
部位もしくはこれと同電位の部分とを一対の電源入力部
I1 ,I2 (ブリッジ回路9の一対の対角点)として、
これらの電源入力部I1 ,I2 間にブリッジ回路9の電
源電圧Vが付与される。
は、ブリッジ回路9の残りの一対の対角点は、前記リー
ド線3及びサブリード線8を結線したひずみゲージ1の
一端と、前記抵抗体5と抵抗体6との接続部位もしくは
これと同電位の部分とであり、この一対の対角点をブリ
ッジ回路9の一対の出力部O1 ,O2 として、これらの
出力部O1 ,O2 間に生じる出力電圧eがサブリード線
8を介して検出される。この場合、ブリッジ回路9のひ
ずみゲージ1を有する一辺は、該ひずみゲージ1とリー
ド線2とで形成され、また、抵抗体4を有する一辺は該
抵抗体4とリード線3とで形成されることとなる。
eを検出する1ゲージ3線法の測定手法においても、1
ゲージ2線法の場合と同様に、前記リード線2,3のそ
れぞれの抵抗値ra1,ra2が無視できる程、十分に小さ
いとし(ra1≒0、ra2≒0)、さらに、前述の如くR
0 =R2 =R3 =R4 とすると、前記式(8)の関係式
が成立する。さらに、V=2[V]、K=2の場合は式
(9)の関係式が成立する。従って、式(8)あるいは
式(9)の関係式に基づいて物体のひずみεや応力を測
定することができる。尚、この1ゲージ3線法は、環境
温度の変化等に応じたリード線2,3の抵抗値変化によ
るひずみ測定への影響を排除する上で、1ゲージ2線法
よりも有効な測定手法として用いられている。
るひずみ測定の手法を説明するための回路図である。こ
の手法は、前記図1の1ゲージ2線法の測定手法におけ
る抵抗体4の代わりに、ひずみゲージ1と同じ特性の抵
抗体としてのひずみゲージ10(これは通常、ダミーゲ
ージといわれる)を、その両端に結線された一対のリー
ド線11,12を介してブリッジ回路13の一辺に組み
込んで、前記ひずみゲージ1及び抵抗体5,6とにより
ブリッジ回路13を構成するものである。
に貼着するひずみゲージ1の近傍(より詳しくはひずみ
ゲージ1と同じような温度環境の箇所)で、ひずみを生
じないように配置される。また、ダミーゲージ10はひ
ずみゲージ1と同一特性で、しかも上記のようにひずみ
を生じないように設けられるので、該ダミーゲージ10
の抵抗値Rd は基本的にはひずみゲージ1の基準抵抗値
R0 に等しい(Rd =R0 )。尚、この2ゲージコモン
ダミー法においても、通常、抵抗体5,6の抵抗値
R3 ,R4 は、R0 =R3 =R4 とされる。
3を用いる2ゲージコモンダミー法の測定手法では、ひ
ずみ測定に際しては、ひずみゲージ1のリード線2と抵
抗体6との接続部位もしくはこれと同電位の部分と、ダ
ミーゲージ10のリード線12と抵抗体5との接続部位
もしくはこれと同電位の部分とを一対の電源入力部
I 1 ,I2 (ブリッジ回路13の一対の対角点)とし
て、これらの電源入力部I1,I2 間にブリッジ回路1
3の電源電圧Vが付与される。そして、ひずみゲージ1
のリード線3とダミーゲージ4のリード線11との接続
部位もしくはこれと同電位の部分と、前記抵抗体5と抵
抗体6との接続部位もしくはこれと同電位の部分とを、
一対の出力部O1 ,O2 (ブリッジ回路13の残りの一
対の対角点)として、これらの出力部O1 ,O2 間に生
じる出力電圧eが検出される。
圧eを検出する2ゲージコモンダミー法の測定手法にお
いても、リード線2,3及び11,12のそれぞれの抵
抗値ra1,ra2,rd1,rd2が無視できる程、十分に小
さいとし、さらに、前述の如くR0 =Rd =R3 =R4
とすると、1ゲージ2線法と同様に、前記式(8)の関
係式が成立する。さらに、V=2[V]、K=2の場合
は式(9)の関係式が成立する。従って、この2ゲージ
コモンダミー法においても、式(8)あるいは式(9)
の関係式に基づいて、物体のひずみεや応力を測定する
ことができる。
ずみゲージ1の抵抗値が環境温度の影響で変化しても、
ダミーゲージ10の抵抗値もひずみゲージ1と同じよう
な抵抗値変化を生じる。また、ひずみゲージ1のリード
線2,3の抵抗値が環境温度の影響で変化しても、この
とき、ダミーゲージ10のリード線11,12も同じよ
うな抵抗値変化を生じる。このため、2ゲージコモンダ
ミー法は、ひずみゲージ1やリード線2,3,11,1
2の抵抗値変化によるひずみ測定への影響を排除する上
で有効な測定手法として用いられている。
測定を行うひずみ測定装置にあっては、前記1ゲージ法
によるものでは、ひずみゲージ1と併せてブリッジ回路
7,9を構成するための抵抗体4,5,6をあらかじめ
回路基板上で回路パターン等により相互に接続した抵抗
回路が備えられている。また、2ゲージコモンダミー法
によるものでは、ひずみゲージ1及びダミーゲージ10
と併せてブリッジ回路13を構成するための抵抗体5,
6を上記と同様にあらかじめ接続した抵抗回路が備えら
れている。そして、この抵抗回路にひずみゲージ1やダ
ミーゲージ10をそれらに結線されたリード線を介して
接続することで、ブリッジ回路7,9,13を構成する
ようにしている。
物体についての多点ひずみ測定を行う装置では、各測定
点毎に設けたひずみゲージ1(2ゲージコモンダミー法
では、ひずみゲージ1及びダミーゲージ10)を前記抵
抗回路等を内蔵した所謂スイッチボックスに接続してお
く。そして、測定に際しては、スイッチボックスに備え
たスイッチ手段を介して抵抗回路に接続するひずみゲー
ジ1等を順次切り替えることで、各測定点毎に順次、ブ
リッジ回路7,9,13を構成するようにしている。
9,13を構成するひずみ測定装置では、ブリッジ回路
7,9,13に、電源回路からブリッジ回路7,9,1
3に電源電圧Vを付与しつつ、該ブリッジ回路7,9,
13の出力電圧eを増幅回路やA/D変換器等を介して
検出し、その検出した出力電圧eのデータから前記式
(8)あるいは式(9)の関係式を基礎として、物体の
ひずみを示すデータを生成するようにしている。そし
て、その生成したひずみデータを表示器に表示したりす
るようにしている。尚、この場合、検出された出力電圧
eのデータを、パーソナルコンピュータとのオンライン
通信により、あるいは該データを記録したフロッピディ
スク等を介してパーソナルコンピュータに受け渡し、該
パーソナルコンピュータによって、ひずみを示すデータ
を生成したり、そのデータを解析処理する場合もある。
ブリッジ回路7,9,13の出力電圧eから前記式
(8)に基づいてひずみ測定を行うようにしているた
め、物体に貼着するひずみゲージ1のひずみを生じてい
ない状態、すなわちε=0の状態におけるブリッジ回路
7,9,13の出力電圧eがe=0であることを前提と
している。換言すれば、ひずみゲージ1のひずみに応じ
た抵抗値変化を生じていない状態におけるブリッジ回路
7,9,13が平衡状態となることを前提としている。
を使用するひずみ測定装置では、精度よくR0 =R2 =
R3 =R4 (1ゲージ法)、あるいは、R0 =Rd =R
3 =R4 (2ゲージコモンダミー法)となるような高精
度抵抗値のひずみゲージ1や抵抗体4,5,6、ダミー
ゲージ10を用いる等して、できるだけブリッジ回路
7,9,13の各辺の抵抗値を等しくする方策が採られ
ている。
抗体4,5,6、ダミーゲージ10を相互に接続するた
めのリード線の抵抗等の影響で、物体に貼着するひずみ
ゲージ1のひずみを生じていない状態におけるブリッジ
回路7,9,13の出力電圧eをe=0、もしくは十分
に微小なものにすることは困難である。
測定を、前述のような多点ひずみ測定装置を用いて行う
場合には、測定環境上、ひずみゲージ1、あるいはダミ
ーゲージ10をブリッジ回路7,9,13に組み込むた
めのリード線2,3、あるいは11,12は長いものと
なってそれらの抵抗値が比較的大きなものとなりやすい
と共に、それらのリード線2,3、あるいは11,12
の長さも種々様々なものとなって、該リード線2,3、
あるいは11,12の抵抗値も種々様々なものとなりや
すい。その結果、ひずみゲージ1のひずみを生じていな
い状態におけるブリッジ回路7,9,13の出力電圧e
は一般にはe=0、もしくは十分に微小なものとはなら
ず、比較的大きなものとなる場合も多い。
は、ひずみゲージ1のひずみを生じていない状態でブリ
ッジ回路7,9,13の出力電圧e(≠0)が発生する
(以下、このように発生するブリッジ回路7,9,13
の出力電圧eを初期不平衡出力電圧e0 という)。そし
て、このような初期不平衡出力電圧e0 を生じるブリッ
ジ回路7,9,13によって物体のひずみの測定時(ひ
ずみゲージ1を物体に貼着した状態)に生成される出力
電圧eから前記式(8)の演算を行ってひずみεを求め
ても、精度のよいひずみ測定を行うことはできない。な
ぜなら、初期不平衡出力電圧e0 を発生するブリッジ回
路7,9,13の出力電圧eから式(8)の演算だけで
ひずみεを求めた場合には、ひずみゲージ1のひずみを
生じていない状態でも、ε=(4/K)・[e0 /(V
−2・e0 )]というひずみεが生じていることとなっ
てしまうからである。
ッジ回路7,9,13の初期不平衡出力電圧e0 がひず
み測定に及ぼす影響を排除するようにしていた。
あらかじめ測定しておき、その初期不平衡出力電圧e0
から前記式(8)によって、該初期不平衡出力電圧e0
に相当するひずみゲージ1の見掛け上のひずみε0 (=
(4/K)・[e0 /(V−2・e0 )])を求める。
そして、この見掛け上のひずみε0 を、ひずみ測定時に
ブリッジ回路7,9,13により生成された出力電圧e
から前記式(8)によって求められるひずみεから減算
することで、ひずみεp を求める。言い換えれば、初期
不平衡出力電圧e0 と、ひずみ測定時の出力電圧eとか
ら次式(10)の演算を行うことで、ひずみεp を求め
るのである。
するのが通例であるので、この場合には、式(10)は
次式(11)となる。
によって、上記のような手法で、初期不平衡出力電圧e
0 の影響を排除するようにしても、ひずみε(あるいは
これに応じた応力)を精度よく測定することはできない
ということが判明した。
うに、初期不平衡出力電圧e0 がe 0 =0である場合に
おけるブリッジ回路7,9,13の出力電圧eとひずみ
εとの相関関係は非線形で(但し、ひずみεが十分に小
さい範囲では擬似的に線形とみなせる)、例えば図4に
実線aで示すような曲線となる。そして、初期不平衡出
力電圧e0 (≠0)が発生するブリッジ回路7,9,1
3の出力電圧eとひずみεとの実際の相関関係も例えば
図4に実線bで示すような曲線となり、また、この曲線
の形状は、e0 =0である場合の実線aの曲線の形状と
多少相違したものとなる。
0 の影響を排除する従来の手法は、前記式(10)から
明らかなように、図4の実線a上において、初期不平衡
出力電圧e0 に対応する見掛け上のひずみε0 と、ひず
み測定時に得られる出力電圧e(図では参照符号ex に
より示している)に対応するひずみεxpとの差εp (=
εxp−ε0 )を、初期不平衡出力電圧e0 の影響を排除
したひずみε(=εp)として求めるものである。
≠0である場合の出力電圧eとひずみεとの実際の相関
関係は、実線bで示す曲線である。従って、ひずみ測定
時の出力電圧ex に対応する実際のひずみεは、図4に
参照符号εx を付した値である。そして、この場合、出
力電圧eとひずみεとの相関関係は非線形(曲線)であ
るため、前述の如く従来の手法によって求められるひず
みεp =εxp−ε0 と、本来のひずみε=εx とは明ら
かに一致しない。
平衡出力電圧e0 の影響を排除してひずみ測定を行う従
来の手法では、ひずみ測定を精度よく行うことができな
いものとなっていた。
み測定装置では、前記式(8)に基づくひずみ測定を基
本的前提とし、できるだけブリッジ回路7,9,13の
各辺の抵抗値を等しくするために、前述の如く高精度抵
抗値のひずみゲージ1や抵抗体4,5,6、ダミーゲー
ジ10が用いられていた。このため、ひずみゲージ1や
抵抗体4,5,6、ダミーゲージ10が高価なものとな
ると共に、それらの製造技術も高度な技術を要するもの
となっていた。
定装置にあっては、ひずみゲージ1を接続してブリッジ
回路7,9,13を構成する抵抗回路の回路パターンの
抵抗値をキャンセルするための方策を講じたり、多点ひ
ずみ測定に際して抵抗回路に接続するひずみゲージ1を
切り替えるためのスイッチ手段として接点抵抗の小さい
ものを使用する等の方策を採る必要があり、その結果、
ひずみ測定装置も高価なものとなりやすいものとなって
いた。
鑑み、物体に貼着するひずみゲージを一辺に備えたブリ
ッジ回路の初期不平衡出力電圧の影響を適正に排除し
て、該ブリッジ回路の出力電圧から精度よく物体のひず
みを測定することができると共に、安価で簡略なひずみ
測定システムを構築することができるひずみ測定方法を
提供することを目的とする。
線の抵抗値の影響も排除して、ブリッジ回路の出力電圧
に基づくひずみ測定の精度をより高めることができるひ
ずみ測定方法を提供することを目的とする。
方法を用いて、ひずみ測定を行うことができるひずみ測
定装置を提供することを目的とする。
法をパーソナルコンピュータを用いた汎用性の高いひず
み測定システムに容易に適用することができるひずみ測
定用記録媒体を提供することを目的とする。
背景に鑑み、前記1ゲージ2線法、1ゲージ3線法及び
2ゲージコモンダミー法のそれぞれに関し、前述の如く
構成されるブリッジ回路7,9,13(図1乃至図3参
照)の出力電圧eについて詳細に検討し、次のような知
見を得た。
すように、4個のひずみゲージG1〜G4 をそれぞれ各
辺に具備したブリッジ回路B(この回路は所謂4ゲージ
法によるひずみ測定の回路である)に関して考察する。
ージG1 〜G4 の無ひずみ状態での抵抗値である基準抵
抗値(公称抵抗値)をそれぞれR10〜R40、各ひずみゲ
ージG1 〜G4 のひずみに応じた抵抗値の変化分をそれ
ぞれΔR1 〜ΔR4 とおく(各ひずみゲージG1 〜G4
の抵抗値をそれぞれR10+ΔR1 〜R40+ΔR4 とお
く)。また、各ひずみゲージGn (n=1,2,3,4 )をブ
リッジ回路Bに組み込むべく各ひずみゲージGn の両端
に結線されたリード線Ln1,Ln2(n=1,2,3,4)の抵
抗値をそれぞれrn1,rn2(n=1,2,3,4 )とおき、さ
らに、各ひずみゲージGn の両端に結線されたリード線
Ln1,Ln2(n=1,2,3,4 )の抵抗値rn1,rn2(n=
1,2,3,4 )の総和(rn1+rn2)をそれぞれrn (n=
1,2,3,4 )とおく。
ひずみゲージG4 のリード線L42との接続部位もしくは
これと同電位の部分と、ひずみゲージG2 のリード線L
22とひずみゲージG3 のリード線L31との接続部位もし
くはこれと同電位の部分とをブリッジ回路Bの一対の電
源入力部I1 ,I2 とし、ひずみゲージG1 のリード線
L12とひずみゲージG2 のリード線L21との接続部位も
しくはこれと同電位の部分と、ひずみゲージG3 のリー
ド線L32とひずみゲージG4 のリード線L41との接続部
位もしくはこれと同電位の部分とをブリッジ回路Bの一
対の出力部O1,O2 とする。
ージGn (n=1,2,3,4 )の抵抗値の変化は基本的には
ひずみのみによって生じるものとし、また、リード線L
n1,Ln2(n=1,2,3,4 )の抵抗値は、時間的な変化を
生じない(一定)か、もしくは、その変化が無視できる
程、微小なものであるとする。
入力部I1 ,I2 間に電源電圧Vを付与したとき、出力
部O1 ,O2 間に発生する出力電圧eは、次式(12)
により与えられる。
ジGn (n=1,2,3,4 )のひずみを生じていない状態、
すなわちΔRn =0(n=1,2,3,4 )におけるブリッジ
回路Bの初期不平衡出力電圧e0 は、次式(13)によ
り与えられ、
る。
5)が得られる。
(14)の右辺に置き換え、さらに式(15)の両辺を
整理すると、次式(16)が得られる。
4 )のひずみ(これは各ひずみゲージGn を物体に貼着
したときは基本的には物体のひずみに等しい)をそれぞ
れε n (n=1,2,3,4 )、各ひずみゲージGn のゲージ
率をそれぞれKn (n=1,2,3,4 )とおく。このとき、
ひずみεn (本来の意味でのひずみ)とこれに応じた各
ひずみゲージGn の抵抗値の変化分ΔRn との間には、
次の関係式(17)が成立するので、
れる。
ついて解くと、次式(19)が得られ、
含まれる(R10+R20+r1 +r2 )は次式(20)に
より与えられる。
用すると、式(18)は次式(21)に書き換えられ
る。
のひずみゲージGn (n=1,2,3,4)の抵抗値の変化分
ΔRn に相当するひずみεn と、ブリッジ回路Bの出力
電圧e及び初期不平衡行出力電圧e0 とを相関づける一
般式である。
(21)とに基づいて、1ゲージ2線法、1ゲージ3線
法及び2ゲージコモンダミー法のそれぞれについて考察
する。
ジ回路7は、図5のブリッジ回路Bにおいて、ひずみゲ
ージG2 〜G4 をひずみを生じない状態に維持する(Δ
R2=ΔR3 =ΔR4 =0)と共に、ひずみゲージG1
〜G4 のそれぞれの基準抵抗値R10〜R40をそれぞれ図
1のブリッジ回路7のひずみゲージ1の基準抵抗値
R 0 、抵抗体4〜6の抵抗値R2 〜R4 と同一とし、さ
らに、ひずみゲージG2 〜G4 のリード線L21,L22,
L31,L32,L41,L42の抵抗値r21,r22,r31,r
32,r41,r42をいずれも「0」とすると共にひずみゲ
ージG1 のリード線L11,L12の抵抗値r11,r12をそ
れぞれひずみゲージ1のリード線2,3の抵抗値ra1,
ra2と同一とした回路と等価である。
路7では、前記式(21)において、ε2 =ε3 =ε4
=0、r2 =r3 =r4 =0とし、さらにR10〜R40を
それぞれR0 ,R2 ,R3 ,R4 に置き換えると共に、
ひずみゲージG1 のリード線L11,L12の抵抗値の総和
r1 (=r11+r12)をブリッジ回路7のひずみゲージ
1のリード線2,3の総抵抗値r(=ra1+ra2)に置
き換えてなる次式(22)が成立する。尚、この場合、
式(21)中で用いているひずみゲージG1 のひずみε
1 及びゲージ率K1 をそれぞれブリッジ回路7のひずみ
ゲージ1のひずみε及びゲージ率Kに置き換えている。
が得られる。
弧[ ]内の演算結果の値をεa とおく。すなわち、
られるεa は、式(23)においてr=0とした場合、
より一般的には、前記ブリッジ回路7においてひずみゲ
ージ1と同じ辺に組み込まれるひずみゲージ1のリード
線2,3の総抵抗値rがひずみゲージ1の基準抵抗値R
0 に比して十分に小さい場合(r/R0 ≒0)に、ひず
みゲージ1を貼着する物体のひずみ測定時に得られるブ
リッジ回路7の出力電圧eと前記初期不平衡出力電圧e
0 とを用いて求められる物体のひずみε(=ひずみゲー
ジ1のひずみ)である。言い換えれば、式(24)は、
初期不平衡出力電圧e0 の影響を排除して、ブリッジ回
路7の出力電圧eから物体のひずみεa (本来の意味で
のひずみ)を求めるための基本式である。
式(24)において、R3 =R4 とすると、
すると、
従来の測定手法で初期不平衡出力電圧e0 の影響を排除
するために用いていた前記式(10)、(11)と一致
しないことに注意)。そして、これらの式(25)、
(26)においてe0 =0とすると、式(25)、(2
6)はそれぞれ従来の測定手法で用いていた前記の基本
式(8)、(9)と一致する。
(R0 +r)/R0 を乗算してなる値、すなわち、前記
式(23)の演算により求められるひずみεを便宜上、
εbとおく(εb =εa ・(R0 +r)/R0 )。この
εb を求める前記式(23)の演算は、ブリッジ回路7
においてひずみゲージ1と同じ辺に組み込まれるひずみ
ゲージ1のリード線2,3の総抵抗値rがひずみゲージ
1の基準抵抗値R0 に比して比較的大きい場合に、前記
初期不平衡出力電圧e0 の影響の排除に加えて、該リー
ド線2,3の総抵抗値rの影響(より詳しくは総抵抗値
rに起因した感度低下)をも排除してひずみεb (本来
の意味でのひずみ)を求めるものである。
る。図2の1ゲージ3線法のブリッジ回路9は、図5の
ブリッジ回路Bにおいて、ひずみゲージG2 〜G4 をひ
ずみを生じない状態に維持する(ΔR2 =ΔR3 =ΔR
4 =0)と共に、ひずみゲージG1 〜G4 のそれぞれの
基準抵抗値R10〜R40をそれぞれ図2のブリッジ回路9
のひずみゲージ1の基準抵抗値R0 、抵抗体4〜6の抵
抗値R2 〜R4 と同一とし、さらに、ひずみゲージG1
のリード線L12の抵抗値r12及びひずみゲージG2 のリ
ード線L22の抵抗値r22、並びにひずみゲージG3 ,G
4 のそれぞれのリード線L31,L32,L41,L42の抵抗
値r31,r32,r41,r42をいずれも「0」とすると共
にひずみゲージG1 のリード線L11の抵抗値r11及びひ
ずみゲージG2 のリード線L21の抵抗値r21をそれぞれ
ひずみゲージ1のリード線2,3の抵抗値ra1,ra2と
同一とした回路と等価である。
路9では、前記式(21)において、ε2 =ε3 =ε4
=0、r3 =r4 =0とし、さらにR10〜R40をそれぞ
れR 0 ,R2 ,R3 ,R4 に置き換えると共に、ひずみ
ゲージG1 のリード線L11,L12の総抵抗値r1 (=r
11+r12)及びひずみゲージG2 のリード線L21,L 22
の総抵抗値r2 (=r21+r22)をそれぞれブリッジ回
路9のひずみゲージ1のリード線2,3の抵抗値ra1,
ra2に置き換えてなる次式(27)が成立する。尚、こ
の場合、式(21)中で用いているひずみゲージG1 の
ひずみε1 及びゲージ率K1 をそれぞれブリッジ回路9
のひずみゲージ1のひずみε及びゲージ率Kに置き換え
ている。
が得られる。
0とした場合、より一般的には、前記ブリッジ回路9に
おいてひずみゲージ1と同じ辺に組み込まれるひずみゲ
ージ1のリード線2の抵抗値ra1がひずみゲージ1の基
準抵抗値R0 に比して十分に小さい(ra1/R0 ≒0)
場合には、式(28)の右辺の演算式は、式(23)の
大括弧[ ]内の演算式となり、これは、前記式(2
4)と一致する。
法のひずみ測定手法においても、初期不平衡出力電圧e
0 の影響を排除して、ブリッジ回路9の出力電圧eから
ひずみεa を求めるための基本式となる。
(R0 +ra1)/R0 を乗算してなる値(=εa ・(R
0 +ra1)/R0 )を求める前記式(28)の演算は、
1ゲージ3線法のブリッジ回路9においてひずみゲージ
1と同じ辺に組み込まれるひずみゲージ1のリード線2
の抵抗値ra1がひずみゲージ1の基準抵抗値R0 に比し
て比較的大きい場合に、前記初期不平衡出力電圧e0 の
影響の排除に加えて、該リード線2の抵抗値ra1の影響
(より詳しくは抵抗値ra1に起因した感度低下)をも排
除してひずみε(これは、前記1ゲージ2線法における
前記ひずみεb に相当する)を求めるものである。
ジ回路7,9のひずみゲージ1と同じ辺に存するリード
線(1ゲージ2線法ではリード線2,3。1ゲージ3線
法ではリード線2)の総抵抗値と考えれば、式(23)
は、1ゲージ2線法だけでなく、1ゲージ3線法につい
ても成立する式である。
て考察する。図3の2ゲージコモンダミー法のブリッジ
回路13は、図5のブリッジ回路Bにおいて、ひずみゲ
ージG2 〜G4 をひずみを生じない状態に維持する(Δ
R2 =ΔR3 =ΔR4 =0)と共に、ひずみゲージG1
〜G4 のそれぞれの基準抵抗値R10〜R40をそれぞれ図
3のブリッジ回路13のひずみゲージ1の基準抵抗値R
0 、ダミーゲージ10の基準抵抗値Rd 、抵抗体5,6
の抵抗値R3 ,R4 と同一とし、さらに、ひずみゲージ
G3 ,G4 のそれぞれのリード線L31,L32,L41,L
42の抵抗値r31,r32,r41,r42をいずれも「0」と
すると共にひずみゲージG1 のリード線L11,L12の抵
抗値r11,r12及びひずみゲージG2 のリード線L21,
L22の抵抗値r21,r22をそれぞれひずみゲージ1のリ
ード線2,3の抵抗値ra1,ra2及びダミーゲージ10
のリード線11,12の抵抗値rd1,rd2と同一とした
回路と等価である。
リッジ回路13では、前記式(21)において、ε2 =
ε3 =ε4 =0、r3 =r4 =0とし、さらにR10〜R
40をそれぞれR0 ,Rd ,R3 ,R4 に置き換えると共
に、ひずみゲージG1 のリード線L11,L12の総抵抗値
r1 (=r11+r12)及びひずみゲージG2 のリード線
L21,L22の総抵抗値r2 (=r21+r22)をそれぞれ
ブリッジ回路13のひずみゲージ1のリード線2,3の
総抵抗値r(=ra1+ra2)及びダミーゲージ10のリ
ード線11,12の総抵抗値(rd1+rd2)に置き換え
ることで、前記1ゲージ2線法の場合と全く同一の前記
式(22)、ひいては前記式(23)が得られることと
なる。そして、式(23)においてひずみゲージ1のリ
ード線2,3の総抵抗値rがr=0であるとした場合、
より一般的には、リード線2,3の総抵抗値rがひずみ
ゲージ1の基準抵抗値R0 に比して十分に小さい(r/
R 0 ≒0)場合には、前記式(24)が得られることと
なる。
ージ2線法、1ゲージ3線法及び2ゲージコモンダミー
法のいずれの手法についても、ひずみゲージ1と同じ辺
に存するリード線(1ゲージ2線法及び2ゲージコモン
ダミー法ではリード線2,3。1ゲージ3線法ではリー
ド線2)の総抵抗値がひずみゲージ1の基準抵抗値R 0
に比して十分に小さい場合に、ブリッジ回路7,9,1
3の初期不平衡出力電圧e0 の影響を排除して、ひずみ
測定時のブリッジ回路7,9,13の出力電圧eからひ
ずみεa を適正に求めるための基本式となる。
及び2ゲージコモンダミー法のそれぞれのブリッジ回路
7,9,13において、ひずみゲージ1と同じ辺に存す
る該ひずみゲージ1のリード線(1ゲージ2線法及び2
ゲージコモンダミー法ではリード線2,3。1ゲージ3
線法では、リード線2)の総抵抗値を式(23)中のr
と考えれば、式(23)は、ブリッジ回路7,9,13
の初期不平衡出力電圧e0 の影響に加えて、ひずみゲー
ジ1のリード線の抵抗値の影響(より詳しくはリード線
の抵抗値に起因した感度低下)をも排除して、ひずみ測
定時のブリッジ回路7,9,13の出力電圧eからひず
みε(=εb )を求めるための式となる。
明する。尚、以下の本発明の説明において、括弧( )
内の参照符号は、本発明の理解の便宜のために付した図
1乃至図3の参照符号である。
の目的を達成するために、物体に生じるひずみに応じた
抵抗値変化が生じるように該物体に貼着されるひずみゲ
ージ(1)を一辺に具備し、且つ残りの三辺にそれぞれ
前記物体のひずみと無関係な所定抵抗値の抵抗体(1ゲ
ージ法では4,5,6、2ゲージコモンダミー法では1
0,5,6)を具備してなるブリッジ回路(7,9,1
3)を用い、該ブリッジ回路(7,9,13)の所定の
一対の対角点を一対の電源入力部(I1 ,I2)、該ブ
リッジ回路(7,9,13)の残りの一対の対角点を一
対の出力部(O 1 ,O2 )として、前記ブリッジ回路
(7,9,13)の一対の電源入力部(I 1 ,I2 )に
電源電圧を付与した状態で、前記一対の出力部(O1 ,
O2 )間に生じる出力電圧を検出し、その検出した出力
電圧から前記物体のひずみを測定するひずみ測定方法に
おいて、あらかじめ前記ひずみゲージ(1)のひずみを
生じていない状態における前記ブリッジ回路(7,9,
13)の出力電圧を該ブリッジ回路(7,9,13)の
初期不平衡出力電圧e0 として検出する工程を備え、前
記物体のひずみの測定時に検出された前記ブリッジ回路
(7,9,13)の出力電圧eと、前記初期不平衡出力
電圧e0 とを用いた前記の式(24)の演算により求め
られる値εa に基づき前記物体のひずみを測定すること
を特徴とするものである。
ッジ回路(7,9,13)のひずみ測定時の出力電圧e
0 及び初期不平衡出力電圧e以外のパラメータを改めて
定義すると、次の通りである。
電源電圧、K:前記ひずみゲージ(1)のゲージ率、R
3 :前記ブリッジ回路(7,9,13)の各辺のうち、
前記ひずみゲージ(1)を具備する辺の対辺に存する抵
抗体(5)の抵抗値、R4 :前記ブリッジ回路(7,
9,13)の各辺のうち、前記ひずみゲージ(1)を具
備する辺に前記一対の電源入力部の一方(I1 )を介し
て隣接する辺に存する抵抗体(6)の抵抗値。
の測定時に検出された前記ブリッジ回路(7,9,1
3)の出力電圧eと、前記初期不平衡出力電圧e0 とを
用いた前記の式(24)の演算を行うことで、前述の如
く、ブリッジ回路(7,9,13)の初期不平衡出力電
圧e0 によるひずみ測定への影響を適正に排除すること
ができ、この式(24)の演算結果の値εa に基づき物
体のひずみを測定することで、そのひずみ測定の精度を
高めることができる。
(7,9,13)の各辺の抵抗値が等しいこと等を前提
としない。このため、ブリッジ回路(7,9,13)の
各辺に備える前記ひずみゲージや抵抗体は、検出可能な
出力電圧eをブリッジ回路(7,9,13)に発生させ
ることができるものであれば、基本的にはどのような抵
抗値のものを使用してもよい。特に、物体に貼着するひ
ずみゲージ(1)の基準抵抗値や、前記抵抗値R4 の抵
抗体(6)の対辺に存する抵抗体(1ゲージ法では抵抗
体4、2ゲージコモンダミー法ではダミーゲージ10)
の抵抗値については、式(24)の演算と無関係であ
る。このため、これらのひずみゲージ(1)や抵抗体
(4又は10)は、高精度な抵抗値のものを使用する必
要がない。この結果、ひずみ測定のためのブリッジ回路
を構成する際の柔軟性が高まり、ひいては、ひずみ測定
のための装置のコスト低減を図ることが可能となる。
初期不平衡出力電圧の影響を適正に排除して、該ブリッ
ジ回路の出力電圧から精度よく物体のひずみを測定する
ことができると共に、安価で簡略なひずみ測定システム
を構築することが可能となる。
ジ(1)のゲージ率Kは、該ひずみゲージ(1)の材質
等によって定まるゲージ率の値を用いればよい。また、
式(24)中の電源電圧Vはブリッジ回路(7,9,1
3)に付与すべき電圧としてあらかじめ定められた値、
あるいは該電源電圧Vの計測値を使用すればよい。ま
た、式(24)中の抵抗値R3 ,R4 は、これらに対応
する抵抗体(5,6)のあらかじめ計測してなる抵抗値
を用いればよく、あるいは、該抵抗体(5,6)の抵抗
値が高精度のものである場合には、該抵抗体(5,6)
の公称抵抗値を使用するようにしてもよい。
の分母に現れるV・R3 /(R3 +R4 )は、ブリッジ
回路(7,9,13)に電源電圧Vを付与したときに、
抵抗値R3 の抵抗体(5)の存する辺に生じる電圧に相
当する。同様に、式(24)の右辺の分母に現れるV・
R4 /(R3 +R4 )は、抵抗値R4 の抵抗体(6)の
存する辺に生じる電圧に相当する。また、抵抗値R3 の
抵抗体(5)の存する辺に生じる電圧と抵抗値R4 の抵
抗体(6)の存する辺に生じる電圧との和が電源電圧V
である。
回路(7,9,13)の一対の電源入力部(I1 ,
I2 )間に前記電源電圧Vを付与した状態で、前記ブリ
ッジ回路(7,9,13)の各辺のうち、前記ひずみゲ
ージ(1)を具備する辺の対辺に生じる電圧V3 と、前
記ひずみゲージ(1)を具備する辺に前記一対の電源入
力部の一方(I1 )を介して隣接する辺に生じる電圧V
4 との少なくともいずれか一方を検出する工程を備え、
その検出した電圧V3 及び/又はV4 を用いて、前記式
(24)の演算を次式(29)、(30)及び(31)
のいずれか一つの式により行う。
のひずみゲージ(1)を具備する辺の対辺に生じる電圧
V3 と、ひずみゲージ(1)を具備する辺に前記一対の
電源入力部の一方(I1 )を介して隣接する辺に生じる
電圧V4 との少なくともいずれか一方を検出するように
することで、それらの辺に存する抵抗体(5,6)の抵
抗値R3 ,R4 が判っていなくても、検出した電圧V3
及び/又はV4 を用いて前記式(29)〜(31)のい
ずれかの演算を行うことで、初期不平衡出力電圧e0 に
よる影響を適正に排除してひずみ測定を行うことができ
る。そして、この場合、ひずみゲージ(1)を具備する
辺の対辺に生じる電圧V3 と、前記ひずみゲージ(1)
を具備する辺に前記一対の電源入力部の一方(I1 )を
介して隣接する辺に生じる電圧V4 との少なくも一方を
検出することで、それらの電圧V 3 ,V4 は、それらの
辺に存する抵抗体(5,6)をブリッジ回路(7,9,
13)に組み込むための回路パターン等の抵抗値の影響
も含んだものとなる。このため、該回路パターン等の抵
抗値の影響も排除されることとなり、より高精度のひず
み測定を行うことができる。また、回路パターン等の抵
抗値の影響も排除されることで、本発明のひずみ測定方
法をひずみ測定装置に適用した場合に、上記回路パター
ン等の抵抗値をキャンセルする等の手法を講じたりする
必要がなくなって、該ひずみ測定装置の製造コストを低
減することができる。
場合には、式(31)中のVの値として、電圧V3 ,V
4 の検出値の和(=V3 +V4 )を用いてもよい。
=R4 としてなる前記式(25)は、次式(32)に書
き換えることができる。
の項を次式(33)のようにεp とおく。
値εp は、図1及び図2にそれぞれ示した1ゲージ2線
法及び1ゲージ3線法のブリッジ回路7,9において、
R0=R2 =R3 =R4 という条件を前提とし、また、
2ゲージコモンダミー法のブリッジ回路13において、
R0 =Rd =R3 =R4 という条件を前提として、ブリ
ッジ回路7,9,13の初期不平衡出力電圧e0 の影響
を排除してひずみεを求めるために従来用いていた前記
式(10)の演算により求まる値に他ならない。
εp は、上記の条件下において、従来のようにひずみ測
定時のブリッジ回路(7,9,13)の出力電圧eから
前記式(8)に基づいて求めた値εから、ブリッジ回路
(7,9,13)の初期不平衡出力電圧e0 に相当する
見掛け上のひずみε0 として、前記式(8)に基づく次
式(34)により求まる値ε0 を差し引いたものであ
る。
力電圧e0 をε0 を用いて表すと、次式(35)が得ら
れる。
2)の大括弧[ ]以外の項(V−2e0 )/(V+2
e0 )は、式(34)により求まる値ε0 を用いて次式
(36)により表されることとなる。
3)とから、本発明において、ブリッジ回路(7,9,
13)の初期不平衡出力電圧e0 の影響を排除してひず
みεaを求めるための前記式(24)は、従来におい
て、初期不平衡出力電圧e0 の影響を排除するために用
いていた式(33)の演算により求まる値εp と、初期
不平衡出力電圧e0 に相当する見掛け上のひずみε0 と
して前記(34)の演算により求まる値ε0 とを用いれ
ば、次式(37)により表されることとなる。
(7,9,13)の前記ひずみゲージ(1)を具備する
辺以外の三辺にそれぞれ存する前記抵抗体(1ゲージ法
では4,5,6、2ゲージコモンダミー法では10,
5,6)の抵抗値は、前記ひずみゲージ(1)のひずみ
を生じていない状態における基準抵抗値(R0 )と略同
一の抵抗値であり、前記物体のひずみの測定時に検出さ
れた前記ブリッジ回路(7,9,13)の出力電圧e
と、前記初期不平衡出力電圧e0 とを用いた前記式(3
3)の演算を行う工程と、前記初期不平衡出力電圧e0
を用いた前記式(34)の演算を行う工程とを備え、前
記式(33)の演算により求まる値εp と前記式(3
4)の演算により求まる値ε0 とを用いた前記式(3
7)の演算により、前記式(24)の演算を行う。
記式(24)の演算を行うことで、従来において、ブリ
ッジ回路(7,9,13)の初期不平衡出力電圧e0 の
影響を排除するために用いていた式(33)の演算によ
り求まる値εp と、初期不平衡出力電圧e0 に相当する
見掛け上のひずみε0 として前記(34)の演算により
求まる値ε0 とから、ブリッジ回路(7,9,13)の
初期不平衡出力電圧e 0 の影響を正しく排除してなるひ
ずみεa を求めることができる。
っては、前記ひずみゲージ(1)は、その両端に結線さ
れた一対のリード線(2,3)を介して前記抵抗体(1
ゲージ法では5,4、2ゲージコモンダミー法では5,
10)に接続されて、該一対のリード線のうちの少なく
とも一方(1ゲージ2線法及び2ゲージコモンダミー法
では2,3、1ゲージ3線法では2)が該ひずみゲージ
(1)と同一の辺に存する状態で前記ブリッジ回路
(7,9,13)に組み込まれる。この場合、前記の演
算により求められる前記値εa に、さらに、前記ひずみ
ゲージ(1)のひずみを生じていない状態における基準
抵抗値R0 と、該ひずみゲージと同一の辺に存する前記
リード線(1ゲージ2線法及び2ゲージコモンダミー法
では2,3、1ゲージ3線法では2)の総抵抗値rとの
和(R0 +r)の前記基準抵抗値R0に対する比(R0
+r)/R0 を乗算してなる値εb に基づき前記物体の
ひずみを測定することが好ましい。
演算により求められる値ε(=εb)に基づきひずみ測
定を行うこととなり、その結果、前述の如く、ブリッジ
回路(7,9,13)の初期不平衡出力電圧e0 の影響
を排除することに加えて、ひずみゲージ(1)に結線さ
れたリード線(詳しくはひずみゲージと同じ辺に存する
リード線)の抵抗値の影響(より詳しくは該抵抗値に起
因した感度低下)をも排除することができる。このた
め、該リード線が比較的大きな抵抗値を有するような場
合であっても、精度のよいひずみ測定を行うことができ
る。
ひずみゲージ(1)の基準抵抗値R 0 は、該ひずみゲー
ジ(1)のあらかじめ定められた基準抵抗値(公称
値)、あるいは該ひずみゲージ(1)のあらかじめ計測
してなる基準抵抗値を使用すればよい。また、前記リー
ド線の総抵抗値rは、例えばそれをあらかじめ計測して
なる値、あるいは、該リード線の材質や長さ、太さ等に
基づいてあらかじめ求めた値を使用すればよい。またさ
らに、ひずみゲージ(1)のひずみを生じていない状態
でブリッジ回路(7,9,13)に電源電圧Vを付与し
たときに、ひずみゲージ(1)に印加される電圧を
VG 、ひずみゲージ(1)と同じ辺に存するリード線全
体に印加される電圧をVr とおくと、明らかに、(R0
+r)/R0 =(VG +Vr )/VG である。従って、
例えば上記電圧VG ,Vr を計測しておき、その計測値
VG ,Vr に基づく比(VG +Vr )/VG の値をひず
みゲージ(1)の基準抵抗値R0 とリード線の抵抗値r
とに基づく比(R0 +r)/R0 の値として用いるよう
にしてもよい。
とも前記ブリッジ回路(7,9,13)の初期不平衡出
力電圧e0 と前記物体のひずみの測定時の前記ブリッジ
回路(7,9,13)の出力電圧eとの検出データを用
いて前記物体のひずみを示すデータを生成するひずみ測
定装置であって、前記初期不平衡出力電圧e0 及び前記
ひずみの測定時の出力電圧eの検出データを用いて前述
の本発明のひずみ測定方法に基づき前記物体のひずみを
示すデータを生成するための演算処理手順をあらかじめ
記憶保持した記憶手段と、前記初期不平衡出力電圧e0
及び前記ひずみの測定時の出力電圧eの検出データを用
いて、該記憶手段に記憶保持された前記演算処理手順に
基づき前記物体のひずみを示すデータを生成するデータ
処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
前記データ処理手段が、前記初期不平衡出力電圧e0 及
び前記ひずみの測定時の出力電圧eの検出データを用い
て前記記憶手段に記憶保持した演算処理手順に基づく処
理を行って、物体のひずみを示すデータを生成すること
で、前述した本発明のひずみ測定方法を適用した精度の
よいひずみ測定を実行することができる。
少なくとも前記ブリッジ回路(7,9,13)の初期不
平衡出力電圧e0 と前記物体のひずみ測定時の前記ブリ
ッジ回路(7,9,13)の出力電圧eとの検出データ
を入力可能なパーソナルコンピュータに適用する記録媒
体であって、該パーソナルコンピュータに入力される前
記初期不平衡出力電圧e0 と前記ひずみの測定時の前記
ブリッジ回路(7,9,13)の出力電圧eとの検出デ
ータを用いて前述の本発明のひずみ測定方法に基づき前
記物体のひずみを示すデータを生成するための演算処理
手順を前記パーソナルコンピュータが処理するアプリケ
ーションプログラムとしてあらかじめ記録したことを特
徴とするものである。
前記初期不平衡出力電圧e0 と前記ひずみの測定時の前
記ブリッジ回路(7,9,13)の出力電圧eとの検出
データから前述の本発明のひずみ測定方法に基づき前記
物体のひずみを示すデータを生成するための演算処理手
順を前記パーソナルコンピュータが処理するアプリケー
ションプログラムとしてあらかじめ記録されている。こ
のため、この記録媒体(例えばフロッピディスクやCD
−ROM)をパーソナルコンピュータに適用して、該パ
ーソナルコンピュータに前記初期不平衡出力電圧e0 と
前記ひずみの測定時の前記ブリッジ回路(7,9,1
3)の出力電圧eとの検出データを入力することで、該
パーソナルコンピュータに前述の本発明のひずみ測定方
法に基づく演算処理を実行させて、ひずみを示すデータ
を生成させることができる。従って、本発明のひずみ測
定方法をパーソナルコンピュータを用いた汎用性の高い
ひずみ測定システムに容易に適用することができる。
み測定装置の第1の実施形態を図6及び図7を参照して
説明する。図6はひずみ測定装置の回路構成図、図7は
該ひずみ測定装置による演算処理を示すフローチャート
である。尚、本実施形態は1ゲージ2線法によるもので
あり、前記図1と同一構成部分については、図1と同一
の参照符号を用いて説明する。
あり、このひずみ測定装置20には、図示しない物体に
貼着するひずみゲージ1の両端にあらかじめ結線された
一対のリード線2,3をそれぞれ接続する接続端子2
1,22が備えられている。
別すると測定ユニット23と、コントロールユニット2
4とにより構成されている。尚、測定ユニット23とコ
ントロールユニット24とは、必ずしも一体的に構成す
る必要はなく、別体に構成してもよい。
と併せてブリッジ回路7を構成するための抵抗体4,
5,6が備えられている。これらの抵抗体4,5,6は
例えば固定抵抗値の抵抗素子により構成されたもので、
ひずみゲージ1のリード線2,3をそれぞれ接続端子2
1,22に接続したとき、前記図1に示したブリッジ回
路7が構成されるように、図示しない回路基板に形成さ
れた回路パターンを介して相互に接続されていると共
に、前記接続端子21,22に接続されている。
路7の一対の電源入力部I1 ,I2に付与する電源電圧
Vを外部から入力するための一対の電源入力端子25,
26と、ブリッジ回路7の一対の出力部O1 ,O2 に生
成される出力電圧e、及びブリッジ回路7の抵抗体5を
有する辺に生じる電圧V3 のいずれかを外部に出力する
ための一対の出力端子27,28とが備えられている。
れぞれブリッジ回路7の電源入力部I1 ,I2 に接続さ
れている。また、一対の出力端子27,28のうち、出
力端子28は、ブリッジ回路7の一方の出力部O2 に接
続され、出力端子27は、ブリッジ回路7の他方の出力
部O1 と電源入力部I2 とにそれぞれ外部からの制御信
号により断接するスイッチ素子29,30を介して接続
されている。
与した状態で、スイッチ素子29,30をそれぞれON
状態、OFF状態にすると、出力端子27,28間に
は、ブリッジ回路7が生成する出力電圧eが発生し、ま
た、スイッチ素子29,30をそれぞれOFF状態、O
N状態にすると、出力端子27,28間には、ブリッジ
回路7の抵抗体5を有する辺に生じる電圧V3 が発生す
る。
動作を行わしめる制御信号を後述するコントロールユニ
ット24の制御回路35から該スイッチ素子29,30
に付与するための制御端子である。
ニット23の一対の電源入力端子25,26に接続され
て、該電源入力端子25,26を介してブリッジ回路7
の電源入力部I1 ,I2 間に付与する電源電圧V(定電
圧)を生成するブリッジ電源回路32と、測定ユニット
23の一対の出力端子27,28に接続されて、該出力
端子27,28間に発生する電圧(e又はV3 )を増幅
する増幅回路33と、この増幅回路33の出力をA/D
変換するA/D変換回路34と、後述の各種データ処理
や制御処理を行う制御回路35(データ処理手段)と、
後述の各種データや制御回路35が行う処理に必要なプ
ログラム等を記憶保持する記憶回路36(記憶手段)
と、制御回路35により表示回路37を介して駆動さ
れ、ひずみ測定値等を表示する表示器38と、制御回路
35がコントロールユニット24の外部の図示しない操
作器やパーソナルコンピュータ等との間で各種データの
授受を行うためのインターフェース回路39と、コント
ロールユニット24全体の電源電圧を商用電源等から生
成する主電源回路40とを備えている。尚、制御回路3
5はマイクロプロセッサ等により構成され、また、記憶
回路36は、ROM,RAM,EEPROM等により構
成されたものである。また、増幅回路33は、その入力
インピーダンスが十分に大きなものである。また、コン
トロールユニット24の電源として電池を使用するよう
にしてもよい。
0では、コントロールユニット24の制御回路35は、
後述の如く増幅回路33及びA/D変換回路34を介し
て検出されるブリッジ回路7の初期不平衡出力電圧
e0 、ひずみ測定時のブリッジ回路7の出力電圧e、ブ
リッジ回路7の抵抗体5が存する辺に生じる電圧V3 等
のデータを用いて、次式(38)の演算処理を行い、こ
の演算処理により、ひずみゲージ1を貼着する図示しな
い物体に生じるひずみεを求めるようにしている。
3)の右辺の大括弧[ ]内の演算を前記式(29)の
演算により行ってひずみεを求めることと同じであり、
さらに換言すれば、前記式(29)の演算により得られ
る値εa に、(R0 +r)/R0 (但しr=ra1+
ra2)を乗算してなる値εb をひずみεとして求めるこ
とと同じである。
処理を制御回路35に行わしめるために、図7のフロー
チャートで示すような演算処理手順が記憶回路36にプ
ログラムされている。
作動を具体的に説明する。
ずみ測定に先立って、あらかじめ、ひずみゲージ1のゲ
ージ率Kの値及び基準抵抗値R0 と、ブリッジ電源回路
32からブリッジ回路7に付与する電源電圧Vの値と、
ひずみゲージ1をひずみ測定装置20の接続端子21,
22に接続してブリッジ回路7に組み込むための前記リ
ード線2,3(ひずみゲージ1と同じ辺に存するリード
線)の総抵抗値r(=ra1+ra2)とが、ひずみ測定装
置20の外部の適宜の操作器等から前記インターフェー
ス回路39及び制御回路35を介して記憶回路36に入
力されて、該記憶回路36に記憶保持される。
ひずみゲージ1のゲージ率Kの値は、例えばひずみ測定
装置20で使用するひずみゲージ1のゲージ率としてあ
らかじめ定められた値や、使用するひずみゲージ1のゲ
ージ率の公称値を使用する。また、ひずみゲージ1の基
準抵抗値R0 は、その公称値や、該ひずみゲージ1につ
いてあらかじめ実測してなる基準抵抗値を使用する。同
様に、電源電圧Vの値は、ブリッジ電源回路32からブ
リッジ回路7の電源入力部I1 ,I2 に付与する電源電
圧としてあらかじめ定められた値、あるいは、該電源電
圧をあらかじめ実測してなる値を用いる。さらに、リー
ド線2,3の総抵抗値rは、リード線2,3のそれぞれ
についてあらかじめ実測した抵抗値の和、あるいは、リ
ード線2,3の材質や長さ、太さ等から求めた値を用い
る。
め記憶保持するデータのうち、例えば電源電圧Vは、ひ
ずみ測定装置20に固有のものとなるので、該ひずみ測
定装置20の製造段階で、記憶回路36のROMに記憶
保持させておくようにしてもよい。また、例えばひずみ
測定装置20に使用すべきひずみゲージ1のゲージ率K
があらかじめ定められている場合には、該ゲージ率Kの
値もひずみ測定装置20の製造段階で記憶回路36のR
OMに記憶保持させておくようにしてもよい。
に、ひずみ測定装置20の接続端子21,22にリード
線2,3を介して接続した状態で、ひずみ測定装置20
の所定の操作等により、コントロールユニット24を動
作させる。
御回路35は、まず、ブリッジ電源回路32を起動し
て、該ブリッジ電源回路32からブリッジ回路7の電源
入力部I1 ,I2 に電源入力端子25,26を介して電
源電圧Vを付与させる。
ユニット23のスイッチ素子29,30をそれぞれON
状態、OFF状態に制御することで、ブリッジ回路7の
出力部O1 ,O2 間に発生する出力電圧eを前記出力端
子27,28を介して増幅回路33に入力させる。そし
て、制御回路35は、この時ブリッジ回路7が生成した
出力電圧eを、増幅回路33及びA/D変換回路34を
介して与えられるデータによって検出し、その検出した
出力電圧eの値をブリッジ回路7の初期不平衡出力電圧
e0 として記憶回路36に記憶保持させる。
平衡出力電圧e0 を記憶回路36に記憶保持させた後、
スイッチ素子29,30をそれぞれOFF状態、ON状
態に制御することで、ブリッジ回路7の抵抗体5を備え
た辺に生じる電圧V3 を増幅回路33に入力させる。そ
して、制御回路35は、この時増幅回路33に入力され
る電圧V3 を、増幅回路33及びA/D変換回路34を
介して与えられるデータによって検出し、その検出した
電圧V3 の値を記憶回路36に記憶保持させる。尚、上
記電圧V3 の検出及びその記憶保持は、ひずみゲージ1
を物体に貼着した後に行うようにしてよく、あるいは、
ひずみゲージ1をひずみ測定器20に接続する前に行う
ようにしてもよい。
貼着した後、制御回路35は、測定者の所定の操作等に
より指示されたタイミングや、あらかじめ設定されたタ
イムスケジュールに従って、次のようにひずみ測定を行
う。
ングにおいて、前記初期不平衡出力電圧e0 を検出した
場合と同様にして、ブリッジ電源回路32からブリッジ
回路7の電源入力部I1 ,I2 に電源電圧Vを付与せし
めた状態で、測定ユニット23のスイッチ素子29,3
0をそれぞれOFF状態、ON状態に制御することで、
ブリッジ回路7の出力電圧eを増幅回路33に入力させ
る。そして、制御回路35は、この増幅回路33に入力
される出力電圧eの値を、該増幅回路33及びA/D変
換回路34を介して与えられるデータによって検出し、
その検出した出力電圧eの値を記憶回路36に記憶保持
させる。
あらかじめプログラムされた図7のフローチャートの処
理を行うことで、物体のひずみε(本来の意味でのひず
み)を求める。
憶回路36に記憶保持された、ひずみゲージ1のゲージ
率K及び基準抵抗値R0 、ブリッジ回路7に付与する電
源電圧V、リード線2,3の抵抗値ra1,ra2の総和r
(=ra1+ra2)、ブリッジ回路7の初期不平衡出力電
圧e0 、ブリッジ回路7の抵抗体5を備えた辺の電圧V
3 、及びひずみ測定時のブリッジ回路7の出力電圧eの
データを記憶回路36から読み込む。
用いて、前記式(38)の演算を行うことで、ひずみε
を求める。
を表示回路37を介して表示器38に表示させる。
式(38)の演算によってひずみεを求めるので、この
式(38)の大括弧[ ]内の演算、すなわち、前記式
(29)の演算によって、ブリッジ回路7の各辺の抵抗
値によらずにブリッジ回路7の初期不平衡出力電圧e0
の影響(詳しくは初期不平衡出力電圧e0 が出力電圧e
に基づくひずみεの測定精度に及ぼす影響)を適正に排
除することができる。さらに、式(38)の大括弧[
]内の演算結果に(R0 +r)/R0 を乗算してなる
値をひずみεとして求めることで、ひずみゲージ1をひ
ずみ測定装置20に接続するリード線2,3の抵抗値r
a1,ra2に起因した感度低下も排除され、式(38)に
よって求めたひずみεの精度を高精度なものとすること
ができる。
の抵抗値によらずにブリッジ回路7の初期不平衡出力電
圧e0 の影響を適正に排除することができるため、ひず
み測定装置20にあっては、ブリッジ回路7の各辺に備
えるひずみゲージ1や抵抗体4,5,6としてさほど高
精度の抵抗値のものを使用する必要がないと共に、種々
の抵抗値のものを使用することができる。さらに、ブリ
ッジ回路7の各辺の抵抗値によらないため、抵抗体4,
5,6を相互に接続するための回路パターンの抵抗値等
を考慮する必要もない。この結果、ひずみゲージ1やひ
ずみ測定装置20の測定ユニット23の製造コストを低
減することが可能となる。
測定装置の第2の実施形態を図8を参照して説明する。
図8は本実施形態のひずみ測定装置の回路構成図であ
る。尚、本実施形態は1ゲージ3線法によるものであ
り、前記図2と同一構成部分については、図2と同一の
参照符号を用いて説明する。また、本実施形態における
ひずみ測定装置において、前記図6のひずみ測定装置2
0と同一構成部分については図6と同一の参照符号を用
いて詳細な説明を省略する。
に貼着するひずみゲージ1の両端にあらかじめ結線され
た一対のリード線2,3をそれぞれ接続する接続端子2
1,22の他、該ひずみゲージ1のリード線3側の一端
に該リード線3と共に結線されたサブリード線8を接続
する接続端子42が備えられている。
ずみ測定装置20と同様に、測定ユニット43とコント
ロールユニット24とにより構成され、このうち、コン
トロールユニット24の回路構成はひずみ測定装置20
と同一とされている。
はひずみ測定装置20の測定ユニット23と同一であ
り、ひずみゲージ1と併せてブリッジ回路9を構成する
ための抵抗体4,5,6と、ブリッジ回路9の電源電圧
Vを入力する一対の電源入力端子25,26とが該測定
ユニット23と同一の接続構成で設けられている。
測定装置20の測定ユニット23と同様にコントロール
ユニット24の増幅回路33に接続した一対の出力端子
27,28と、一対のスイッチ素子29,30と、これ
らのスイッチ素子29,30を断接制御する制御信号を
コントロールユニット24の制御回路35から入力する
制御端子31とを備えている。但し、この場合、出力端
子27は、ブリッジ回路9の一つの出力部O1 であるひ
ずみゲージ1の一端がサブリード線8を介して接続され
た接続端子42と、ブリッジ回路9の電源入力部I2 と
にそれぞれスイッチ素子29,30を介して接続されて
おり、この点で測定ユニット23と相違している。尚、
出力端子28は、測定ユニット23と同様に、ブリッジ
回路9の出力部O2 に接続されている。
て、出力端子27,28間には、ブリッジ回路9の電源
入力部I1 ,I2 間に電源電圧Vを付与した状態で、ス
イッチ素子29,30をそれぞれON状態、OFF状態
にすると、ブリッジ回路9の出力部O1 ,O2 間に生成
される出力電圧eが発生し、また、スイッチ素子29,
30をそれぞれOFF状態、ON状態にすると、ブリッ
ジ回路9の抵抗体5を有する辺に生じる電圧V3 が発生
する。
35は、前述の第1実施形態と同様に、前記式(38)
の演算処理により物体のひずみεを求めるようにしてお
り、この演算処理を制御回路35に実行させるために、
前記記憶回路36には、前記図7のフローチャートに示
した演算処理手順があらかじめプログラムされている。
は、前記第1実施形態の場合と同様に、ひずみ測定に先
立って、あらかじめ、ひずみゲージ1のゲージ率Kの値
及び基準抵抗値R0 と、ブリッジ回路9に付与する電源
電圧Vの値とが、記憶回路36に入力されて、該記憶回
路36に記憶保持される。さらにこの場合、ひずみゲー
ジ1のリード線2,3のうち、ブリッジ回路9における
ひずみゲージ1と同一の辺に存するリード線2の抵抗値
ra1がひずみゲージ1と同一辺のリード線の総抵抗値r
として記憶回路36に入力されて記憶保持される。
て、ブリッジ回路9の初期不平衡出力電圧e0 、ブリッ
ジ回路9の抵抗体5を有する辺の電圧V3 、並びにひず
み測定に際してのブリッジ回路9の出力電圧eの検出及
び記憶保持が行われる。そして、コントロールユニット
24の制御回路35は、記憶回路36にプログラムされ
た前記図7のフローチャートの処理を行って、上記の検
出データ並びに先に記憶回路36に記憶保持した前述の
ゲージ率K等のデータからひずみεを求め、それを表示
器37に表示させる。
実施形態と同様に、式(38)の演算によりひずみεを
求めることで、ブリッジ回路9の各辺の抵抗値によらず
にブリッジ回路9の初期不平衡出力電圧e0 の影響を適
正に排除することができ、さらには、ブリッジ回路9の
ひずみゲージ1と同じ辺に存するリード線2の抵抗値r
(=ra1)に起因した感度低下をも排除することができ
る。従って、ひずみεの測定を精度よく行うことができ
る。また、ブリッジ回路9の各辺の抵抗値の精度がさほ
ど要求されないことから、ひずみゲージ1やひずみ測定
装置41の測定ユニット43の製造コストを低減するこ
とが可能となる。
測定装置の第3の実施形態を図9を参照して説明する。
図9は本実施形態のひずみ測定装置の回路構成図であ
る。尚、本実施形態は2ゲージコモンダミー法によるも
のであり、前記図3と同一構成部分については、図3と
同一の参照符号を用いて説明する。また、本実施形態に
おけるひずみ測定装置において、前記図6のひずみ測定
装置20と同一構成部分については図6と同一の参照符
号を用いて詳細な説明を省略する。
に貼着するひずみゲージ1の両端にあらかじめ結線され
た一対のリード線2,3をそれぞれ接続する接続端子2
1,22の他、ひずみゲージ1と同一特性のひずみゲー
ジ(ダミーゲージ)10の両端に結線された一対のリー
ド線11,12をそれぞれ接続する接続端子45,46
が備えられている。
ずみ測定装置20と同様に、測定ユニット47とコント
ロールユニット24とにより構成され、このうち、コン
トロールユニット24の回路構成はひずみ測定装置20
と同一とされている。
ージ1及びダミーゲージ10と併せてブリッジ回路13
を構成するための抵抗体5,6が備えられている。ま
た、測定ユニット47は、その内部において、ひずみゲ
ージ1のリード線3を接続する接続端子22とダミーゲ
ージ10のリード線11を接続する接続端子45とを回
路パターンにより接続している。そして、前記抵抗体
5,6は、ひずみゲージ1のリード線2,3をそれぞれ
接続端子21,22に接続し、且つダミーゲージ10の
リード線11,12をそれぞれ接続端子45,46に接
続したとき、前記図3に示したブリッジ回路13が構成
されるように、回路パターンを介して相互に接続されて
いると共に、前記接続端子21,46に接続されてい
る。
測定装置20の測定ユニット23と同様にブリッジ回路
13の電源電圧Vがコントロールユニット24のブリッ
ジ電源回路32から入力される一対の電源入力端子2
5,26がブリッジ回路13の一対の電源入力部I1 ,
I2 に接続して設けられている。
ルユニット24の増幅回路33に接続した一対の出力端
子27,28と、一対のスイッチ素子29,30と、こ
れらのスイッチ素子29,30を断接制御する制御信号
をコントロールユニット24の制御回路35から入力す
る制御端子31とが備えられている。
力端子27は、ブリッジ回路13の一方の出力部O1 、
すなわち測定ユニット47の内部における接続端子2
2,45の接続箇所と、ブリッジ回路13の電源入力部
I2 とにそれぞれスイッチ素子29,30を介して接続
されている。尚、出力端子28は、測定ユニット23と
同様に、ブリッジ回路13の出力部O2 に接続されてい
る。
て、出力端子27,28間には、ブリッジ回路13の電
源入力部I1 ,I2 間に電源電圧Vを付与した状態で、
スイッチ素子29,30をそれぞれON状態、OFF状
態にすると、ブリッジ回路13の出力部O1 ,O2 間に
生成される出力電圧eが発生し、また、スイッチ素子2
9,30をそれぞれOFF状態、ON状態にすると、ブ
リッジ回路13の抵抗体5を有する辺に生じる電圧V3
が発生する。
35は、前述の第1実施形態と同様に、前記式(38)
の演算処理により物体のひずみεを求めるようにしてお
り、この演算処理を制御回路35に実行させるために、
前記記憶回路36には、前記図7のフローチャートに示
した演算処理手順があらかじめプログラムされている。
は、前記第1実施形態の場合と同様に、ひずみ測定に先
立って、あらかじめ、ひずみゲージ1のゲージ率Kの値
及び基準抵抗値R0 と、ブリッジ回路13に付与する電
源電圧Vの値と、ひずみゲージ1のリード線2,3の総
抵抗値r(=ra1+ra2)とが、記憶回路36に入力さ
れて、該記憶回路36に記憶保持される。
て、ブリッジ回路13の初期不平衡出力電圧e0 、ブリ
ッジ回路13の抵抗体5を有する辺の電圧V3 、並びに
ひずみ測定に際してのブリッジ回路13の出力電圧eの
検出及び記憶保持が行われる。そして、コントロールユ
ニット24の制御回路35は、記憶回路36にプログラ
ムされた前記図7のフローチャートの処理を行って、上
記の検出データ並びに先に記憶回路36に記憶保持した
前述のゲージ率K等のデータからひずみεを求め、それ
を表示器37に表示させる。
実施形態と同様に、式(38)の演算によりひずみεを
求めることで、ブリッジ回路13の各辺の抵抗値によら
ずにブリッジ回路13の初期不平衡出力電圧e0 の影響
を適正に排除することができ、さらには、ブリッジ回路
13のひずみゲージ1と同じ辺に存するリード線2,3
の総抵抗値r(=ra1+ra2)に起因した感度低下をも
排除することができる。従って、ひずみεの測定を精度
よく行うことができる。また、ブリッジ回路13の各辺
の抵抗値の精度がさほど要求されないことから、ひずみ
ゲージ1やダミーゲージ10、ひずみ測定装置44の測
定ユニット47の製造コストを低減することが可能とな
る。
測定装置の第4の実施形態を図10を参照して説明す
る。図10は本実施形態のひずみ測定装置の回路構成図
である。尚、本実施形態のひずみ測定装置は前述した図
8の1ゲージ3線法によるひずみ測定装置と基本的構成
が同一のものであり、図8のひずみ測定装置と同一の構
成部分については図8と同一の参照符号を付して説明を
省略する。
定装置48は、図示しない物体の複数箇所あるいは複数
の物体(以下、これらを測定点という)についての多点
ひずみ測定を1ゲージ3線法で行うものであり、測定ユ
ニット49(これは一般にスイッチボックスと称され
る)とコントロールユニット50とにより構成されてい
る。
るひずみゲージ1に結線されたリード線2,3及びサブ
リードリード線8をそれぞれ接続する接続端子21,2
2,42が各測定点毎に各別に備えられている。
ージ1に対応する接続端子21,22,42にそれぞれ
接続されたスイッチ素子51a,51b,51cが接続
端子21,22,42の組毎に備えられている。さらに
測定ユニット49には、図8の測定ユニット43と同様
に抵抗体4,5,6、スイッチ素子29,30、一対の
電源入力端子25,26、一対の出力端子27,28、
及び制御端子31が備えられている。
のスイッチ素子51a,51b,51cは、これらをO
N状態にしたとき、該ひずみゲージ1のリード線2,3
を接続した接続端子21,22を抵抗体4,5,6の抵
抗回路に接続して、図2に示したブリッジ回路9を構成
すると共に、ひずみゲージ1のサブリード線8を接続し
た接続端子42をスイッチ素子29を介して出力端子2
7に接続するように設けられている。
51cは、そのON/OFF状態が測定ユニット49に
備えた制御端子52に付与する制御信号によって制御さ
れるようになっている。以上説明した以外の測定ユニッ
ト49の構成は図8の測定ユニット43と同一である。
のひずみ測定装置41のコントロールユニット24と基
本的回路構成は同一で、ブリッジ電源回路32、増幅回
路33、A/D変換回路34、制御回路35、記憶回路
36、表示回路37及び表示器38、インターフェース
回路39、並びに主電源回路40を備え、ひずみ測定装
置41と同様に、ブリッジ電源回路32及び増幅回路3
3が測定ユニット49に接続されている。但し、この場
合、制御回路35は、測定ユニット49の制御端子52
に制御信号を付与することで、各組のスイッチ素子51
a,51b,51cのON/OFF状態を制御するよう
にしている。
35は、各測定点毎に、前記式(38)の演算処理によ
り各測定点におけるひずみεを求めるようにしており、
この演算処理を制御回路35に実行させるために、前記
記憶回路36には、前記図7のフローチャートに示した
演算処理手順があらかじめプログラムされている。
よるひずみ測定は次のように行われる。
あらかじめ、ブリッジ回路9に付与する電源電圧Vの値
(この値は各測定点について共通である)が前記の各実
施形態と同様に記憶回路36に入力されて該記憶回路3
6に記憶保持される。さらに、各測定点毎の各ひずみゲ
ージ1のゲージ率Kの値及び基準抵抗値R0 が記憶回路
36に入力されて記憶保持されると共に、各ひずみゲー
ジ1のリード線2の抵抗値ra1がブリッジ回路9のひず
みゲージ1と同じ辺に有するリード線の総抵抗値rとし
て記憶回路36に入力されて記憶保持される。
に貼着せずに、測定ユニット49に接続した状態で、ひ
ずみ測定装置20の所定の操作等により、コントロール
ユニット50を動作させる。
御回路35は、まず、ブリッジ電源回路32を起動し
て、該ブリッジ電源回路32から電源入力部I1 ,I2
に電源入力端子25,26を介して電源電圧Vを付与さ
せ、さらに、測定ユニット49のスイッチ素子29,3
0をそれぞれON状態、OFF状態に制御する。そし
て、この状態において、制御回路35は、各ひずみゲー
ジ1に対応するスイッチ素子51a,51b,51cの
組を順番にON状態に制御することで、各ひずみゲージ
1を順番に抵抗体4,5,6の抵抗回路に接続して各測
定点毎にブリッジ回路9を順番に構成する。このとき、
各測定点毎にブリッジ回路9が構成される毎に、該ブリ
ッジ回路9の出力部O1 ,O2 間に発生する出力電圧e
が前記出力端子27,28を介して増幅回路33に入力
される。そして、制御回路35は、こように各測定点毎
のブリッジ回路9が発生する出力電圧eを、増幅回路3
3及びA/D変換回路34を介して与えられるデータに
よって検出し、その検出した出力電圧eの値を該ブリッ
ジ回路9の初期不平衡出力電圧e0 として記憶回路36
に記憶保持させる。このようにして、各測定点毎のブリ
ッジ回路9の初期不平衡出力電圧e0 が時系列的に記憶
回路36に記憶保持される。
点毎のブリッジ回路9の初期不平衡出力電圧e0 を記憶
回路36に記憶保持させた後、スイッチ素子29,30
をそれぞれOFF状態、ON状態に制御することで、ブ
リッジ回路9の抵抗体5を備えた辺に生じる電圧V3 を
増幅回路33に入力させる。そして、制御回路35は、
この時増幅回路33に入力される電圧V3 を、増幅回路
33及びA/D変換回路34を介して与えられるデータ
によって検出し、その検出した電圧V3 の値(この値は
全ての測定点に対応するブリッジ回路9について同一で
ある)を記憶回路36に記憶保持させる。尚、上記電圧
V3 の検出及びその記憶保持は、スイッチ素子51a,
51b,51cの全ての組をOFF状態として行って
も、あるいはいずれか一つの組のスイッチ素子51a,
51b,51cをON状態として行っても、どちらでも
よい。また、該電圧V3 の検出及びその記憶保持は、前
記初期不平衡出力電圧e0 の検出及びその記憶保持の前
に行うようにしてもよく、あるいは各ひずみゲージ1を
測定点に貼着した後に行うようにしてもよい。
着して、各測定点のひずみ測定を行う際には、コントロ
ールユニット50の制御回路35は、前記初期不平衡出
力電圧e0 の検出の場合と同様にして、ブリッジ電源回
路32からブリッジ回路9の電源入力部I1 ,I2 間に
電源電圧Vを付与させると共に、スイッチ素子29,3
0をそれぞれON状態、OFF状態に制御する。そし
て、この状態において、初期不平衡出力電圧e0 の検出
の場合と同様に、各ひずみゲージ1に対応するスイッチ
素子51a,51b,51cの組を順番にON状態に制
御することで、各測定点毎にブリッジ回路9を順番に構
成すると共に、各測定点毎のブリッジ回路9の出力電圧
eを増幅回路33及びA/D変換回路34を介して検出
し、該出力電圧eを記憶回路36に記憶保持される。こ
のようにして、各測定点毎のひずみ測定時のブリッジ回
路9の出力電圧eが時系列的に記憶回路36に記憶保持
される。
あらかじめプログラムされた前記図7のフローチャート
の処理を各測定点毎に行うことで、各測定点のひずみε
を求める。
憶回路36に記憶保持された、各測定点について共通で
あるブリッジ回路9の電源電圧V、抵抗体5を備える辺
の電圧V3 を読み込み、さらに、ひずみεを求めようと
する測定点に対応するひずみゲージ1のゲージ率K及び
基準抵抗値R0 、リード線2の抵抗値r(=ra1)、ブ
リッジ回路9の初期不平衡出力電圧e0 、及びひずみ測
定時のブリッジ回路9の出力電圧eのデータを記憶回路
36から読み込む。
用いて、前記式(38)の演算を行うことで、ひずみε
を求め、このひずみεの算出を各測定点について行う。
ずみεの値を表示回路37を介して表示器38に表示さ
せる。
至第3の各実施形態と同様に、式(38)の演算により
各測定点のひずみεを求めることで、各測定点毎のブリ
ッジ回路9の各辺の抵抗値によらずに該ブリッジ回路9
の初期不平衡出力電圧e0 の影響を適正に排除すること
ができ、さらには、該ブリッジ回路9のひずみゲージ1
と同じ辺に存するリード線2の総抵抗値r(=ra1)に
起因した感度低下も排除することができる。従って、各
測定点のひずみεの測定を精度よく行うことができる。
また、ブリッジ回路9の各辺の抵抗値の精度がさほど要
求されないことから、ひずみゲージ1やひずみ測定装置
48の測定ユニット49の製造コストを低減することが
可能となる。
る多点ひずみ測定を行うものを示したが、1ゲージ2線
法や2ゲージコモンダミー法についても、本実施形態と
同様に多点ひずみ測定を行うようにすることが可能であ
ることはもちろんである。
形態では、ブリッジ回路7,9,13の抵抗体5を有す
る辺の電圧V3 を検出し、その検出した電圧V3 を用い
て前記式(38)の演算を行うものを示したが、ブリッ
ジ回路7,9,13の抵抗体6を有する辺の電圧V4 を
検出し、その検出した電圧V4 を用いて前記式(38)
の大括弧[ ]内の演算を前記式(30)の演算により
行うようにしてもよい。あるいは、電圧V3 ,V4 の両
者を検出し、前記式(38)の大括弧[ ]内の演算を
前記式(31)の演算により行うようにしてもよい。そ
して、電圧V3,V4 の両者を検出する場合には、式
(38)の演算に用いるブリッジ回路7,9,13の電
源電圧Vの値として、検出した電圧V3 ,V4 の和(=
V3 +V4)を用いるようにしてもよい。
の抵抗体6を有する辺の電圧V4 は、例えばブリッジ回
路7,9,13の出力部O2 の電位を出力端子28を介
して増幅回路33に付与すると共に、ブリッジ回路7,
9,13の電源入力部I1 の電位をスイッチ素子(図示
せず)及び出力端子27を介して増幅回路33に付与す
るようにすることで、抵抗体5を有する辺の電圧V3 の
場合と同様に検出することが可能である。
は、ブリッジ回路7,9,13の抵抗体5を有する辺の
電圧V3 を検出するものを示したが、ブリッジ回路7,
9,13の抵抗体5,6の抵抗値R3 ,R4 をあらかじ
め記憶回路36に記憶保持しておき、それらの抵抗値R
3 ,R4 を用いて前記式(23)の演算により、ひずみ
εを求めるようにしてもよい。この場合には、抵抗体5
を有する辺の電圧V3 、あるいは抵抗体6を有する辺の
電圧V4 を検出する必要はない。そして、この場合にお
いて、例えば抵抗体5,6の抵抗値R3 ,R4 が等しい
場合には、式(23)の大括弧[ ]内の演算を、抵抗
値R3 ,R4 のデータを用いずに、前記式(25)の右
辺の演算により行うようにしてもよい。さらには、ブリ
ッジ回路7,9,13の電源電圧VがV=2[V]で、
且つひずみゲージ1のゲージ率KがK=2である場合に
は、式(23)の大括弧[ ]内の演算を、前記式(2
6)の右辺の演算により行うようにしてもよい。
び前記図6を参照して説明する。尚、本実施形態は、例
えば図6に示した1ゲージ2線法による第1の実施形態
のひずみ測定装置20と同一の回路構成のひずみ測定装
置を用いてひずみ測定を行うものであり、該ひずみ測定
装置の装置構成については、図6のひずみ測定装置20
と同一の参照符号を用いて詳細な説明を省略する。
定ユニット23の抵抗体4,5,6のそれぞれの抵抗値
R2 ,R3 ,R4 は、ひずみゲージ1の基準抵抗値R0
と同一とされている(R0 =R2 =R3 =R4 )。ま
た、本実施形態では、前記式(33)により求まる値ε
p と、前記式(34)により求まる値ε0 とを用いて、
次式(39)の演算により物体のひずみεを求めるよう
にしている。そして、この処理を制御回路35に行わし
めるために、図11のフローチャートで示すような演算
処理手順が記憶回路36にプログラムされている。
3)の右辺の大括弧[ ]内の演算を前記式(37)の
演算により行ってひずみεを求めることと同じであり、
さらに換言すれば、前記式(37)の演算(但し、式
(37)の演算に用いるεp ,ε0 はそれぞれ式(3
3)、(34)により求める)により得られる値ε
a に、(R0 +r)/R0 (但しr=ra1+ra2)を乗
算してなる値εb をひずみεとして求めることと同じで
ある。
態と全く同一である。
を用いた本実施形態のひずみ測定では、前記第1実施形
態の場合と同様に、ひずみ測定に先立って、あらかじ
め、ひずみゲージ1のゲージ率Kの値及び基準抵抗値R
0 と、ブリッジ回路7に付与する電源電圧Vの値と、ひ
ずみゲージ1のリード線2,3の総抵抗値r(=ra1+
ra2)とが、記憶回路36に入力されて、該記憶回路3
6に記憶保持される。
ブリッジ回路9の初期不平衡出力電圧e0 、及びひずみ
測定に際してのブリッジ回路7の出力電圧eの検出及び
記憶保持が行われる。但し、この場合、本実施形態で
は、ブリッジ回路7の抵抗体5を有する辺の電圧V3 の
検出及び記憶保持を行う必要はない。
回路35は、記憶回路36にプログラムされた図11の
フローチャートの処理を行って、上記の検出データ並び
に先に記憶回路36に記憶保持した前述のゲージ率K等
のデータからひずみεを求める。
7の電源電圧V、ひずみゲージ1のゲージ率K、ひずみ
ゲージ1の基準抵抗値R0 及びリード線2,3の総抵抗
値r(=ra1+ra2)、並びにブリッジ回路7の初期不
平衡出力電圧e0 及びひずみ測定時の出力電圧eのデー
タを記憶回路36から読み込む(STEP11−1)。
ージ率K、初期不平衡出力電圧e0及びひずみ測定時の
出力電圧eのデータから、前記式(33)の演算を行っ
て値εp を求める(STEP11−2)。この値ε
p は、前述した従来のひずみ測定手法において、ブリッ
ジ回路7の初期不平衡出力電圧e0 を排除し得るものと
して前記式(10)の演算により求めていたひずみεで
ある。
の電源電圧V、ひずみゲージ1のゲージ率K、ブリッジ
回路7の初期不平衡出力電圧e0 のデータから前記式
(34)の演算を行って値ε0 を求める(STEP11
−3)。この値ε0 は、前述した従来のひずみ測定手法
において、ブリッジ回路7の初期不平衡出力電圧e0 に
相当する見掛け上のひずみε0 として求めていたもので
ある。
及びε0 、ひずみゲージ1のゲージ率K、並びにひずみ
ゲージ1の基準抵抗値R0 及びリード線2,3の総抵抗
値r(=ra1+ra2)のデータから、前記式(39)の
演算処理を行って、ひずみεを求める(STEP11−
4)。尚、この求めたひずみεは、表示器37に表示さ
せる。
実施形態と同様に、ブリッジ回路7の初期不平衡出力電
圧e0 の影響を適正に排除することができ、さらには、
ブリッジ回路7のひずみゲージ1と同じ辺に存するリー
ド線2,3の総抵抗値r(=ra1+ra2)に起因した感
度低下も排除することができる。従って、ひずみεの測
定を精度よく行うことができる。また、この場合、従来
の測定手法で得られる値εp 及びε0 を用いて式(3
9)の大括弧[ ]内の演算、すなわち、式(37)の
演算を行うことで、ブリッジ回路7の初期不平衡出力電
圧e0 の影響を適正に排除することができるため、従来
のひずみ測定装置に用いていた処理手順をわずかに変更
するだけで、精度のよいひずみ測定を行うことができる
ひずみ測定装置を提供することができる。
抗体5の辺に生じる電圧V3 を検出する必要がない。従
って、スイッチ素子29,30を省略し、出力端子27
をブリッジ回路7の出力部O1 のみに接続しておいても
よい。
例にとって説明したが、1ゲージ3線法や2ゲージコモ
ンダミー法においても、式(39)の演算により初期不
平衡出力電圧e0 の影響とひずみゲージ1のリード線
2,3の抵抗値に起因した感度低下とを排除したひずみ
εを求めることができる。尚、この場合において、ブリ
ッジ回路9、13の各辺の抵抗値に関し、1ゲージ3線
法では、R0 =R2 =R 3 =R4 とし、2ゲージコモン
ダミー法では、R0 =Rd =R3 =R4 とすることは1
ゲージ2線法の場合と同様である。
形態では、ブリッジ回路7,9,13におけるひずみゲ
ージ1と同じ辺に存するリード線(1ゲージ2線法及び
2ゲージコモンダミー法ではリード線2,3。1ゲージ
3線法ではリード線2)の抵抗値rに起因した感度低下
を排除するものを示したが、リード線の抵抗値rがひず
みゲージ1の基準抵抗値R0 に比して十分に小さいよう
な場合には、前記式(24)、あるいは式(29)〜
(31)、あるいは、式(37)のいずれかの演算によ
り、ひずみεを求めるようにしてもよい。
は、ひずみゲージ1と同じ辺に存するリード線の抵抗値
rに起因した感度低下を排除するための比の値(R0 +
r)/R0 をひずみゲージ1の基準抵抗値R0 及びリー
ド線の抵抗値rを直接用いて決定するものを示したが、
例えば次のようなことをしてよい。すなわち、ひずみゲ
ージ1のひずみを生じていない状態で、ブリッジ回路
7,9,13にその電源電圧Vを付与したときにひずみ
ゲージ1に生じる電圧VG と、ひずみゲージ1と同じ辺
に組み込まれるリード線に生じる電圧Vr とをあらかじ
め計測しておく。そして、それらの計測した電圧VG ,
Vr により定まる比の値(VG +Vr )/V G をリード
線の抵抗値rに起因した感度低下を排除するための比の
値(R0 +r)/R0 として用いる。
及び第4の実施形態では、ひずみゲージ1と同じ辺に存
するリード線の抵抗値rとして、リード線2の抵抗値r
a1そのものを用いたが、一般に、ひずみゲージ1のリー
ド線2,3は同一長さで同一の線種のものが使用され、
それぞれの抵抗値ra1,ra2はほぼ等しい。従って、1
ゲージ3線法に係わる前記第2及び第4の実施形態で
は、ひずみゲージ1と同じ辺に存するリード線の抵抗値
rとして、リード線2,3の総抵抗値r(=ra1+
ra2)の半分の値r/2を用いてもよい。
は、本来の意味でのひずみεを測定するものを示した
が、例えば前記式(38)、あるいは式(39)の演算
により求めたひずみεに、さらにひずみゲージ1を貼着
した物体のヤングEを乗算することで応力を求めるよう
にしてもよい。
実施形態を図12及び図13を参照して説明する。図1
2は本実施形態の記録媒体を適用するひずみ測定システ
ムのシステム構成図、図13は本実施形態の記録媒体に
記録したソフトウェア(アプリケーションプログラム)
の要部の処理を示すフローチャートである。
定システムは、例えば前記図8に示した1ゲージ3線法
によるひずみ測定装置41と、パーソナルコンピュータ
53(以下、パソコン53という)とにより構成したも
のであり、パソコン53は、ひずみ測定装置41のコン
トロールユニット24と通信可能なように、該コントロ
ールユニット24の前記インターフェース回路39(図
8参照)に通信ケーブル54を介して接続されている。
尚、パソコン53としては、通常的なパソコンの他、所
謂ワークステーションを使用してもよい。
ールユニット24の制御回路35(図8参照)は、前述
のように検出して記憶回路36に記憶保持したブリッジ
回路9の初期不平衡出力電圧e0 、ブリッジ回路9の抵
抗体6を有する辺の電圧V4、及びひずみ測定時のブリ
ッジ回路9の出力電圧eのデータを、パソコン53との
通信によって該パソコン53に受け渡すようにしてい
る。
においてひずみεの算出を行う必要はなく、従って、前
記記憶回路36に、前記式(38)の演算処理のための
プログラムや、その演算処理に使用するひずみゲージ1
のゲージ率K及び基準抵抗値R0 、ブリッジ回路9の電
源電圧V、及びリード線2の抵抗値ra1(=r)のデー
タをあらかじめ記憶保持しておく必要はない。
ディスプレイ55、キーボード56、フロッピディスク
の装填スロット57(以下、FDスロット57)等を備
えている。そして、ひずみ測定装置41から通信ケーブ
ル54を介してブリッジ回路9の初期不平衡出力電圧e
0 、ブリッジ回路9の抵抗体5を有する辺の電圧V3、
及びひずみ測定時のブリッジ回路9の出力電圧eのデー
タを入力可能とされている他、キーボード56の操作に
よって、ひずみゲージ1のゲージ率K及び基準抵抗値R
0 、ブリッジ回路9の電源電圧V、及びリード線2の抵
抗値ra1(=r)のデータを入力可能とされている。
ずみ測定用記録媒体としてのフロッピディスクであり、
このフロッピディスク58には、パソコン53にひずみ
測定の解析処理を行わしめるために、例えば図13のフ
ローチャートに示すような処理を含むアプリケーション
プログラムがあらかじめ記録されている。
ずみ測定装置41を用いた測定の終了後に、ひずみ測定
装置41を通信ケーブル54を介してパソコン53に接
続し、さらに、前記フロッピディスク58をパソコン5
3のFDスロット57に装填して、該フロッピディスク
58のアプリケーションプログラムを起動する。
は、パソコン53に次のような処理を行わしめる。
ションプログラムは、パソコン53に、ひずみゲージ1
のゲージ率K及び基準抵抗値R0 、ブリッジ回路9の電
源電圧V、及びリード線2の抵抗値ra1(=r)のデー
タの入力要求をディスプレイ55上で行わしめる(ST
EP13−1)。
ボード56を介して入力されると、次に、上記アプリケ
ーションプログラムは、ひずみ測定装置41の記憶回路
36に記憶されているブリッジ回路9の初期不平衡出力
電圧e0 及びブリッジ回路9の抵抗体5を有する辺の電
圧V3 のデータを通信ケーブル54を介してパソコン5
3に取り込ませる(STEP13−2)。
は、ひずみ測定装置41によるひずみ測定時のブリッジ
回路9の出力電圧eのデータ(この場合、このデータ
は、時間差をおいて検出された複数の出力電圧eの時系
列データである)を記憶回路36からパソコン23に取
り込ませる(STEP13−3)。
は、STEP1でパソコン53に入力されたデータと、
STEP2,3でパソコン53に取り込まれたデータと
から、前記式(38)の演算処理をパソコン53に行わ
しめることで、ひずみ測定時のブリッジ回路9の出力電
圧eの各データに対応するひずみεを算出させる(ST
EP13−4)。
は、算出したひずみεのデータの所定の解析処理や、デ
ィスプレイ55への表示処理等をパソコン53に行わし
める。
携帯自在なフロッピディスク58に記録しておくこと
で、パソコン53を使用したひずみ測定の汎用性を高め
ることができる。
ッピディスク58を使用したが、CD−ROM等の他の
記録媒体を使用してもよい。
1からパソコン53へのデータの受け渡しを通信によっ
て行うようにしたが、ひずみ測定装置41側で、パソコ
ン53に受け渡すべきデータをフロッピディスク等の記
録媒体に記録しておくことができるようにし、その記録
媒体を介して該データをパソコン53に受け渡すように
してもよい。
1により1ゲージ3線法のひずみ測定を行う場合につい
て説明したが、ひずみ測定装置20による1ゲージ2線
法のひずみ測定や、ひずみ測定装置44による2ゲージ
コモンダミー法のひずみ測定を行う場合にも本実施形態
で採用したアプリケーションプログラムを記録した記録
媒体を適用することができる。さらには、前記ひずみ測
定装置48等による多点ひずみ測定の場合にも、本実施
形態と同様にパソコンに適用する記録媒体を用いてひず
み測定を行うようにすることも可能である。
前記式(38)の演算により行うようにしたが、ひずみ
測定装置によって前記ブリッジ回路7,9,13の抵抗
体6を有する辺の電圧V4 を検出するような場合には、
式(38)の大括弧[ ]内の演算を前記式(30)の
演算により行うようなアプリケーションプログラムを記
録媒体に記録しておけばよい。さらに、ブリッジ回路
7,9,13の抵抗体5を有する辺の電圧V3 と抵抗体
6を有する辺の電圧V4 との両者をひずみ測定装置で検
出するような場合には、式(38)の大括弧[ ]内の
演算を前記式(31)の演算により行うようなアプリケ
ーションプログラムを記録媒体に記録しておけばよい。
しないような場合には、抵抗体5,6の抵抗値R3 ,R
4 をパソコンに入力させるようにすると共に、前記式
(23)の演算によりひずみεを求めるようなアプリケ
ーションプログラムを記録媒体に記録しておけばよい。
前記式(38)の演算により行うようにしたが、1ゲー
ジ法によるブリッジ回路7,9の抵抗体4〜6の抵抗値
R2〜R4 がひずみゲージ1の基準抵抗値R0 に等し
く、また、2ゲージコモンダミー法によるブリッジ回路
13のダミーゲージ1の基準抵抗値Rd 及び抵抗体5,
6の抵抗値R3 ,R4 がひずみゲージ1の基準抵抗値R
0 に等しいような場合には、前記第5の実施形態の場合
と同様に、式(38)演算に代えて、式(39)の演算
によりひずみεを求めるようなアプリケーションプログ
ラム(例えば図13のSTEP13−4の処理を図11
のSTEP11−2〜11ー4の処理に置き換えたプロ
グラム)を記録媒体に記録しておいてもよい。
みεを測定するものを示したが、物体のヤング率Eをパ
ソコンに入力させるようにすると共に、前述の如く算出
されるひずみεに物体のヤング率Eを乗算するようなア
プリケーションプログラムを記録媒体に記録しておくこ
とで、パソコンを使用して応力測定を行うようにするこ
とも可能である。
るための回路図。
るための回路図。
を説明するための回路図。
示す線図。
図。
装置の第1の実施形態の回路構成図。
フローチャート。
装置の第2の実施形態の回路構成図。
装置の第3の実施形態の回路構成図。
定装置の第4の実施形態の回路構成図。
定装置の第5の実施形態における演算処理を説明するた
めのフローチャート。
ずみ測定システムのシステム構成図。
媒体に記録したアプリケーションプログラムの要部の処
理を示すフローチャート。
抗体、7,9,13…ブリッジ回路、10…ダミーゲー
ジ(抵抗体)、20,41,44,48…ひずみ測定装
置、35…制御回路(データ処理手段)、36…記憶回
路(記憶手段)、53…パーソナルコンピュータ、58
…フロッピディスク(記憶媒体)。
Claims (6)
- 【請求項1】物体に生じるひずみに応じた抵抗値変化が
生じるように該物体に貼着されるひずみゲージを一辺に
具備し、且つ残りの三辺にそれぞれ前記物体のひずみと
無関係な所定抵抗値の抵抗体を具備してなるブリッジ回
路を用い、該ブリッジ回路の所定の一対の対角点を一対
の電源入力部、該ブリッジ回路の残りの一対の対角点を
一対の出力部として、前記ブリッジ回路の一対の電源入
力部に電源電圧を付与した状態で、前記一対の出力部間
に生じる出力電圧を検出し、その検出した出力電圧から
前記物体のひずみを測定するひずみ測定方法において、 あらかじめ前記ひずみゲージのひずみを生じていない状
態における前記ブリッジ回路の出力電圧を該ブリッジ回
路の初期不平衡出力電圧e0 として検出する工程を備
え、前記物体のひずみの測定時に検出された前記ブリッ
ジ回路の出力電圧eと、前記初期不平衡出力電圧e0 と
を用いた次式(1)の演算により求められる値εa に基
づき前記物体のひずみを測定することを特徴とするひず
み測定方法。 【数1】 但し、上記式(1)において、V:前記ブリッジ回路の
電源電圧、K:前記ひずみゲージのゲージ率、R3 :前
記ブリッジ回路の各辺のうち、前記ひずみゲージを具備
する辺の対辺に存する抵抗体の抵抗値、R4 :前記ブリ
ッジ回路の各辺のうち、前記ひずみゲージを具備する辺
に前記一対の電源入力部の一方を介して隣接する辺に存
する抵抗体の抵抗値。 - 【請求項2】前記ブリッジ回路の一対の電源入力部間に
前記電源電圧Vを付与した状態で、前記ブリッジ回路の
各辺のうち、前記ひずみゲージを具備する辺の対辺に生
じる電圧V3 と、前記ひずみゲージを具備する辺に前記
一対の電源入力部の一方を介して隣接する辺に生じる電
圧V4 との少なくともいずれか一方を検出する工程を備
え、その検出した電圧V3 及び/又はV4 を用いて、前
記式(1)の演算を次式(2)、(3)及び(4)のい
ずれか一つの式により行うことを特徴とする請求項1記
載のひずみ測定方法。 【数2】 【数3】 【数4】 - 【請求項3】前記ブリッジ回路の前記ひずみゲージを具
備する辺以外の三辺にそれぞれ存する前記抵抗体の抵抗
値は、前記ひずみゲージのひずみを生じていない状態に
おける基準抵抗値と略同一の抵抗値であり、 前記物体のひずみの測定時に検出された前記ブリッジ回
路の出力電圧eと、前記初期不平衡出力電圧e0 とを用
いた次式(5)の演算を行う工程と、 【数5】 前記初期不平衡出力電圧e0 を用いた次式(6)の演算
を行う工程とを備え、 【数6】 前記式(5)の演算により求まる値εp と前記式(6)
の演算により求まる値ε0 とを用いた次式(7)の演算
により、前記式(1)の演算を行うことを特徴とする請
求項1記載のひずみ測定方法。 【数7】 - 【請求項4】前記ひずみゲージは、その両端に結線され
た一対のリード線を介して前記抵抗体に接続されて、該
一対のリード線のうちの少なくとも一つが該ひずみゲー
ジと同一の辺に存する状態で前記ブリッジ回路に組み込
まれており、 前記の演算により求められる前記値εa に、さらに、前
記ひずみゲージのひずみを生じていない状態における基
準抵抗値R0 と、該ひずみゲージと同一の辺に存する前
記リード線の総抵抗値rとの和(R0 +r)の前記基準
抵抗値R0 に対する比(R0 +r)/R0 を乗算してな
る値εb に基づき前記物体のひずみを測定することを特
徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のひずみ測
定方法。 - 【請求項5】少なくとも前記ブリッジ回路の初期不平衡
出力電圧e0 と前記物体のひずみの測定時の前記ブリッ
ジ回路の出力電圧eとの検出データを用いて前記物体の
ひずみを示すデータを生成するひずみ測定装置であっ
て、 前記初期不平衡出力電圧e0 及び前記ひずみの測定時の
出力電圧eの検出データを用いて請求項1〜4のいずれ
か1項に記載のひずみ測定方法に基づき前記物体のひず
みを示すデータを生成するための演算処理手順をあらか
じめ記憶保持した記憶手段と、前記初期不平衡出力電圧
e0 及び前記ひずみの測定時の出力電圧eの検出データ
を用いて、該記憶手段に記憶保持された前記演算処理手
順に基づき前記物体のひずみを示すデータを生成するデ
ータ処理手段とを備えたことを特徴とするひずみ測定装
置。 - 【請求項6】少なくとも前記ブリッジ回路の初期不平衡
出力電圧e0 と前記物体のひずみ測定時の前記ブリッジ
回路の出力電圧eとの検出データを入力可能なパーソナ
ルコンピュータに適用する記録媒体であって、該パーソ
ナルコンピュータに入力される前記初期不平衡出力電圧
e0 と前記ひずみの測定時の前記ブリッジ回路の出力電
圧eとの検出データを用いて請求項1〜4のいずれかに
記載のひずみ測定方法に基づき前記物体のひずみを示す
データを生成するための演算処理手順を前記パーソナル
コンピュータが処理するアプリケーションプログラムと
してあらかじめ記録したことを特徴とするひずみ測定用
記録媒体。
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