JP2636447B2 - 半導体回路の温度補償方法 - Google Patents

半導体回路の温度補償方法

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JP2636447B2
JP2636447B2 JP1330202A JP33020289A JP2636447B2 JP 2636447 B2 JP2636447 B2 JP 2636447B2 JP 1330202 A JP1330202 A JP 1330202A JP 33020289 A JP33020289 A JP 33020289A JP 2636447 B2 JP2636447 B2 JP 2636447B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は広い温度範囲にわたって安定した動作精度
が要求される半導体回路の温度補償方法に関するもので
あり、具体的には例えばシリコンダイヤフラム式半導体
圧力センサの温度補償方法、ことに調整抵抗値の決定方
法に関する。
〔従来の技術〕
自動車の各種計測用,制御用に用いられる半導体回路
は、その雰囲気温度が−30℃から80℃といった広い温度
範囲で変化するのに対し、シリコンチップ上に半導体プ
ロセスによって形成される半導体集積回路は通常大きな
温度依存性を持つために、上記広い温度範囲にわたって
半導体回路の動作特性が変化しないよう温度補償を行う
必要がある。以下、自動車の電子式エンジン制御に利用
される半導体圧力センサを例に詳細な内容を説明する。
第5図は従来の半導体圧力センサを示す概略断面図で
ある。図において、中央部にダイヤフラム11Aが形成さ
れたシリコンチップ11は導圧パイプ12Aを有する支持体1
2を介して基台13上に固定され、基台13上には支持体12
を包囲する額縁状の抵抗基板14が固定される。1はセン
シング部としてのストレインゲージブリッジであり、シ
リコンチップ11のダイヤフラム11A上に拡散によって形
成された4個の半導体ストレインゲージG1,G2,G3,G4
らなり、ホイートストンブリッジを形成する。2はIC回
路部としての二つのオペアンプOP1,OP2からなり、ダイ
ヤフラム11Aを包囲するシリコンチップ11の肉厚部分に
半導体プロセスによって形成される。3は温度補償抵抗
であり、シリコンチップ11の肉厚部分にストレインゲー
ジと同じ拡散プロセスによって形成した抵抗値R1,R2,R3
からなる3個の温度補償抵抗素子で構成される。以上セ
ンシング部1,IC回路部2,および温度補償抵抗3からなる
半導体回路4がダイヤフラムを有するシリコンチップ11
上に半導体プロセスによって形成されることにより、温
度依存性を有するすべての素子が一体化したICセンサチ
ップが構成される。また、5はトリミング抵抗であり、
例えば抵抗値r4,r5,r6,r7,r8およびr9からなる6個のト
リミング抵抗素子からなり、抵抗基板14上に温度依存性
のほとんどない厚膜抵抗素子として形成され、例えばボ
ンディングワイヤ15によって半導体回路4の要所に導電
接続されるとともに、半導体回路4の入出力端子もボン
ディングワイヤ15およびピン16を介して外部に引き出さ
れる。
第6図は従来の半導体回路の回路構成をその回路定数
の測定回路を含めて示す接続図であり、半導体ストレイ
ンゲージ素子G1,G2,G3およびG4からなるホイートストン
ブリッジ1の電源側は外部回路としての定電圧直流電源
23に接続され二つの端子間に電源電圧Vccが印加され
る。またブリッジ1の出力側の一方はボルテージフォロ
ワとしてのオペアンプOP1でインピーダンス整合され、
出力抵抗制御用のトリミング抵抗r4を介して出力増幅回
路としてのオペアンプOP2の−入力側に接続され、ブリ
ッジ1の他方端はOP2の+入力側に直結される。OP2のフ
ィードバック抵抗R3はゲージ素子G1,G2と同じ拡散抵抗
であり、したがって正の温度依存性を有する温度補償抵
抗R3と温度依存性を持たない厚膜抵抗からなるトリミン
グ抵抗r7との並列回路からなり、抵抗R3によって検出感
度(OP2のゲイン)の温度補償が行われるとともに、r7
の抵抗値を調整することによって温度補償値の調整が行
われる。一方、温度補償抵抗R1,R2およびトリミング抵
抗r5,r6,r8,r9はオフセットの温度補償用抵抗群であ
り、温度補償の調整は例えばVccライン側に接続された
トリミング抵抗r5,r6の抵抗値を調整することによって
行われる。
上述のように構成された半導体圧力センサの圧力Pに
対する出力電圧特性(感度特性)および基準圧力におけ
る零点移動(オフセット特性)の温度依存性が可使用温
度範囲内で保証値以内に保たれているか否かを検証し、
かつ保証値以内に保つために行うトリミング抵抗r4,r5,
r6およびr7の調整を行うためには、可使用温度範囲の下
限に近い低温Tlおよび上限に近い高温Thの2温度でセン
サの出力電圧Voを測定し、その測定に基づいて各素子の
回路定数を温度Tl,Thおよび出力電圧Voの関数として演
算によって求め、さらにその結果からトリミング抵抗
r4,r5,r6およびr7の抵抗調整値を算出し、出力電圧Voを
監視しながらトリミング抵抗を局部的にカットして抵抗
調整する、いわゆるファンクショントリミング作業を行
う必要がある。
第7図は、上記調整作業を行うための試験装置の概略
構成図であり、複数の供試半導体圧力センサ10は、恒温
槽21に収納され、まず低温Tlに冷却された後、安定化電
源23からスキャナー22を介して印加電圧Vccを印加し、
出力電圧Voをスキャナー22を介して電圧検出器24で検
出、その検出電圧Voをコンピュータ25に記憶させる。ま
た恒温槽21の温度Tlは熱電対等の温度センサ26および温
度測定器27で検出しコンピュータ25に記憶させる。この
操作を複数の半導体圧力センサ10について順次行った
後、恒温槽21の温度を恒温Thに上げ前記同様な測定作業
を行い、得られたデータをコンピュータ25に記憶させ
る。記憶データの解析はコンピュータ25にあらかじめプ
ログラムされた算式に基づいて行われ、得られたトリミ
ング抵抗R4,R5,R6,R7の調整抵抗値に基づいてファンク
ショントリミングが行われる。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の半導体圧力センサの温度補償の調整値の測定お
よび算出方法では、半導体回路が第6図のように結線さ
れた状態で測定を行わなければならないため、抵抗素子
個々の抵抗値を直接測定することは一般に困難である。
そこで、出力電圧Voとその測定温度Tl,Thを正確に測定
し、これに基づいて回路定数および調整抵抗値の計算が
行われる。ところが、恒温槽内の温度には場所による温
度のむらがあり、かつ恒温槽内に挿入した複数の供試半
導体圧力センサの温度が恒温槽内の雰囲気温度と等しく
なるためには1時間前後の待ち時間を必要とするため
に、計算の基礎となる測定温度Tl,Thの測定が不正確に
なり易く、かつ測定までの待ち時間が長く測定設備の回
転率が制約されるために、量産効率を高めるためには複
数台の恒温槽を用意する必要があり、測定設備費がかさ
むという経済的不利益が発生する。また、拡散によって
形成されるストレインゲージ素子や温度補償抵抗素子に
は拡散条件に基づき抵抗値やその温度依存性に差が生ず
ることが多いが、抵抗値の測定が困難なために設計値と
実際値の差を検知できず、これが原因で計算結果に誤差
を生じやすく、ファンクショントリミング作業でこの計
算誤差を含めた調整を行わなければならないために、調
整作業に手間がかゝるという問題もある。
この発明の目的は、測定時に正確な温度測定を必要と
することなく温度補償抵抗値を正確に知ることができ、
したがって測定準備時間の短縮および調整抵抗値の算定
精度の向上が可能な温度補償方法を得ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために、この発明によれば、半導
体プロセスにより一つのシリコンチップ上に形成した検
出すべき力に応じる出力電圧を発生するブリッジ回路か
らなるセンシング部と、該センシング部の一方の出力を
ボルテージフォロワの入力に接続し、前記センシング部
の他方の出力を増幅器の一方の入力に接続し、前記増幅
器のフィードバック回路に感度用の温度補償抵抗を接続
し、前記増幅器の他方の入力に零点用の温度補償抵抗の
一端を接続し、前記増幅器の出力電圧を半導体回路の出
力電圧とする半導体回路と、この半導体回路に導電接続
される温度依存性の少ない抵抗素子であり、前記ボルテ
ージフォロワの出力と増幅器の他方の入力との間に接続
する感度調整用の抵抗素子と、前記フィードバック回路
に接続する感度温度補償用の抵抗素子と、前記増幅器の
他方の入力と電源,接地との間にそれぞれ接続する零点
調整用の抵抗素子と、一端を電源および接地にそれぞれ
接続し、これらの他端の一方を前記零点用の温度補償抵
抗の他端に接続し、前記これらの他端の他方を前記零点
用の別の温度補償抵抗の他端および前記増幅器の他方の
入力のいずれかに接続する零点温度補償用の抵抗素子と
からなり、前記抵抗素子のうち感度調整用,感度温度補
償用,零点調整用および零点温度補償用の4つのトリミ
ングすべき抵抗素子(トリミング抵抗素子という)の抵
抗値を調整することにより前記半導体回路の温度依存性
を補償するものにおいて、 前記シリコンチップ上に前記温度補償抵抗と同じプロ
セスによりモニター抵抗素子を形成し、前記センシング
部に第一の力を付与した状態,第二の力を付与した状態
でこのモニター抵抗素子の抵抗値および前記半導体回路
の出力電圧を互いに異なる二つの温度で測定し、この測
定結果に基づいて前記モニター抵抗素子の抵抗値と前記
モニター抵抗素子に対する抵抗パターンの比との積とし
て前記二つの温度それぞれについて前記温度補償抵抗の
抵抗値を求め、前記第一の力を付与した状態、第二の力
を付与した状態における前記二つの温度それぞれについ
て前記センシング部の出力電圧を求め、次いで、前記第
一の力を付与した状態における前記二つの温度でのそれ
ぞれの前記半導体回路の出力電圧を第一の一定値とする
とともに前記第二の力を付与した状態における前記二つ
の温度でのそれぞれの前記半導体回路の出力電圧中に占
める力信号成分を第二の一定値とする所定の算式に基づ
いて前記トリミング抵抗素子の調整抵抗値を求めること
とする。また、トリミング抵抗素子を含む抵抗素子およ
びそのモニター抵抗素子をシリコンチップ上に形成して
もよい。
〔作用〕
この発明の構成によれば、シリコンチップ上に半導体
プロセスにより形成される半導体回路に、この半導体回
路に含まれる温度補償抵抗対と同じ拡散プロセスによっ
てモニター抵抗素子をあらかじめ形成しておき、測定に
際して互いに異なる温度例えばTl,Thに近い温度でモニ
ター抵抗素子の抵抗値Rmおよび出力電圧Voを求めるよう
構成したことにより、同じ拡散プロセスで形成された温
度補償抵抗素子,モニター抵抗素子相互の各温度におけ
る抵抗値は抵抗パターンの比によってほぼ決まるので、
各測定温度でのモニター抵抗の測定値を用いて温度補償
抵抗素子の抵抗値を容易かつ正確に知ることができる。
また、両抵抗素子が同一シリコンチップ上に形成されて
両者の温度を速やかに等しくできるので、温度Tl,Thを
測定することなく二つの温度における補償抵抗素子の抵
抗をそれぞれ相対値として正確に求めることができる。
また、得られた抵抗値および出力電圧の測定値(圧力セ
ンサの場合圧力Pと出力電圧Voの測定値を含む)を用い
れば、二つの温度における半導体回路の感度やオフセッ
ト電圧等のパラメータの値も求まるので、これらの計算
結果に基づいて所定の連立方程式を解くことにより、ト
リミング抵抗の調整抵抗値を精度よく求めることができ
る。さらに、発明方法では補償値やパラメータの計算を
二つの温度それぞれについて独立して行うので、正確な
温度測定値を求めることなく温度補償を行うことが可能
になる。したがって、同じシリコンチップ上に形成され
た半導体回路とモニター抵抗の温度が温度TlおよびThに
近い温度で互いに等しくなればよく、そのための待ち時
間を従来技術のそれより大幅に短縮することができる。
〔実施例〕
以下この発明を実施例に基づいて説明する。
第1図はこの発明の実施例になる半導体回路の温度補
償方法を半導体圧力センサに適用するための半導体圧力
センサの概略断面図、第2図は実施例における測定器を
含めた半導体回路の接続図、第3図は実施例における測
定方法および計算手順を示す温度補償方法の流れ図であ
り、従来技術と同じ部分には同一参照符号を用いること
により詳細な説明を省略する。第1図において、ダイヤ
フラム11Aを有するシリコンチップ11上には、ストレイ
ンゲージブリッジ1,温度補償抵抗3,およびIC回路部2と
してのオペアンプOP1,OP2からなる半導体回路4が半導
体プロセスによって形成されるとともに、温度補償抵抗
素子R1,R2,R3と同じ拡散プロセスによってモニタ抵抗31
(抵抗値Rm)がシリコンチップ11の厚肉部分に形成され
る。また、半導体回路4は第2図に示すように半導体プ
ロセスにより結線され、かつ抵抗基板14上に厚膜抵抗と
して形成された図では6個のトリミング抵抗5が半導体
回路4の要所に導電接続され、かつモニタ抵抗31はボン
ディングワイヤ35A,35Bおよび図示しない端子を介して
外部に引き出され、半導体圧力センサ30が構成される。
上述のように構成された半導体圧力センサ30の温度補
償特性の測定はつぎのようにして行われる。複数個の供
試半導体圧力センサは、その可使用温度範囲下限に近い
温度Tlにあらかじめセットされた恒温槽,つぎに上限に
近い温度Thにあらかじめセットされた恒温槽とを例えば
ベルトコンベアーに載せられてゆっくりと通過する過程
で温度Tlへの冷却と温度Thへの加熱が行われるが、半導
体回路4とモニター抵抗31とが同一シリコンチップ上に
近接して形成されていることにより、両者の温度差は短
時間のうちに小さくなる。そこで従来の方法と同様に半
導体回路4の端子をスキャナー22を介して安定化電源2
3,電圧検出器24に接続するとともに、モニター抵抗31を
スキャナー22を介して抵抗検出器28に接続,さらにはシ
リコンチップ11の導圧パイプ12Aを図示しない圧力制御
装置に連結する測定準備作業が行われ、ついで第3図に
示す測定手順によって測定が行われる。すなわち、温度
Tlにおいてはモニター抵抗31の温度Tlにおける抵抗値Rm
lの測定,温度Tl基準圧力(これを圧力零とする)にお
ける出力電圧Voloの測定,温度Tl,基準圧力+圧力Pに
おける出力電圧Volpの測定が行われ、その測定データは
コンピュータ25に記憶される。また温度Thにおいても同
様にモニター抵抗の抵抗値Rmh,基準圧力の出力電圧Voh
o,基準圧力+Pでの出力電圧Vohpの測定が行われ、それ
ぞれの測定データはコンピュータ25に記憶される。な
お、低温側,高温側それぞれの測定時間中シリコンチッ
プ11の温度がTlおよびThに近い一定温度に保たれてさえ
いればよく、したがって従来方法のように温度Tl,Thを
正確に測定する必要はない。
次に、上記測定データに基づいて行う半導体回路4の
回路定数の算出方法について説明する。まず、3個の温
度補償抵抗3の抵抗値R1,R2,R3とモニター抵抗31の抵抗
値Rmは同じ拡散プロセスで形成されることにより、両者
の温度が互いに等しい温度Tl,Thそれぞれに保たれた条
件下では、両者の抵抗はそれぞれ抵抗パターンの比Sに
依存する。したがって次式を用いて温度TlおよびThにお
ける補償抵抗の抵抗値RnlおよびRnh(n=1,2,3)をそ
れぞれ0.5%程度の精度で求めることができる。ただ
し、添字l,hはそれぞれ温度Tl,Thを意味する。
Rnl=S×Rml ……(1) Rnh=S×Rmh ……(2) なお、トリミング抵抗5の抵抗値rn(n=4,5,6,7,8,
9)の温度特性は無視できる程度であり、かつ半導体回
路4に導電接続する前に常温で簡単に測定することも可
能なので、その抵抗値は既知であるものとする。
また、上記以外の抵抗値以外のパラメータであるスト
レインゲージブリッジ1の基準圧力における出力電圧を
Vino,基準圧力におけるオペアンプOP2のオフセット電圧
をVofとした場合、それぞれのパラメータ値は出力電圧V
o,および抵抗値Rn,rnの関数として次式で表わされる。
したがって上記のVoを温度TlまたはThにおける出力電
圧測定値VoloまたはVohoとし、補償抵抗Rn(n=1,2,
3)を(1)式または(2)式で求めた抵抗値Rnlまたは
Rnh(n=1,2,3)とすることにより、温度TlまたはThで
の基準圧力に対応したブリッジ出力Vinoとオフセット電
圧Vofとの和をそれぞれ求めることができる。
また、温度TlまたはThにおいて圧力を基準圧力+Pと
した場合のブリッジ出力をVinpとすると、次式が成り立
したがって、VopおよびRnを各温度での測定値Volp,Rn
l、またはVohp,Rnhとおくことにより、基準圧力+Pな
る圧力における各温度のパラメータ値Vinp+Vofを求め
ることができる。
また、出力電圧Vop中に占める圧力信号成分をΔVop=
Vop−Vo,ブリッジ出力のそれをΔVin=Vinp−Vinoとし
た場合ΔVinは次式で表わされる。
ΔVin=ΔVop/f(Rn,rn) ……(5) したがって、温度TlおよびThにおける抵抗値および出
力電圧を用いてブリッジの出力電圧Vinの圧力パラメー
タとしての圧力信号成分ΔVinlおよびΔVinhを各測定温
度ごとに求めることができる。
次に、上記抵抗値およびパラメータの計算結果に基づ
き、トリミング抵抗5(抵抗値r4,r5‥‥r9等rn)の調
整抵抗値を求める方法について説明する。圧力センサの
場合、基準圧力における出力電圧および圧力信号成分が
次式に示すように一定値AおよびBを保つようトリミン
グ抵抗値を調整する必要がある。
Volo=Voho=A ……(6) ΔVolp=ΔVohp=B ……(7) ただし、VoloおよびVohoは温度TlおよびThにおける基
準圧力に対応する出力電圧、ΔVolpおよびΔVohpは温度
TlおよびThにおける出力信号の圧力信号成分である。第
2図に示す半導体回路では、トリミング抵抗r8,r9は固
定値とし、r4,r5,r6,r7の抵抗値を調整して6式および
7式を満たすファンクショントリミングを行うので、上
記4個の抵抗値を変数とする4元連立方程式を必要とす
る。これらの方程式は、6式に3式をあてはめることに
より下記の8式および9式が得られ、ここで、8式のVi
nlo及び9式のVinhoは、それぞれ温度Tl及びThにおける
ストレインゲージブリッジ1の基準圧力での出力電圧で
ある。また7式に5式をあてはめることにより下記の10
式および11式が得られる。
Volo=f(Rn,rn)(Vinlo+Vof) +g(Rn,rn)=A ……(8) Voho=f(Rn,rn)(Vinho+Vof) +g(Rn,rn)=A ……(9) ΔVolp=f(Rn,rn)ΔVinl=B ……(10) ΔVohp=f(Rn,rn)ΔVinh=B ……(11) したがって、上記4元連立方程式を複数のトリミング
抵抗値rn中のr4,r5,r6,r7を変数として解くことにより
トリミング抵抗の調整抵抗値r4,r5,r6およびr7を求める
ことができる。なお、出力電圧Voを監視しつつトリミン
グ抵抗のファンクショントリミングを行う場合、3式お
よび4式を用いて出力電圧Voに換算したトリミング抵抗
の調整値を求める。
第2図の実施例の場合のf(Rn,rn)及びg(Rn,rn)
を求める。第2図の半導体ストレインゲージ素子G4とG3
との接続点の電位VG43及びG1とG2との接続点の電位VG12
は、それぞれ次の(12)式及び(13)式で表される。
(ただし、VofはオペアンプOP2のオフセット電圧であ
る) 出力電圧VOは、次の(14)式で表される。
この(14)式を(8)式の形に整理すると、(15)式
で表される。
これより、f(Rn,rn)及びg(Rn,rn)は、それぞれ
次の(16)式及び(17)式で表される。
トリミング抵抗r4の抵抗値を調整することによってオ
ペアンプOP2、フィードバック抵抗を含む増幅回路の増
幅度を調整して感度特性調整が行われる。オペアンプOP
2のフィードバック抵抗として接続された抵抗R3及びr7
のうち温度補償抵抗R3によって感度特性の温度補償が行
われるとともに、トリミング抵抗r7の抵抗値を調整する
ことによって感度特性の温度補償値の調整が行われる。
また、抵抗r5及びr8は出力電圧VOの零点(オフセット)
特性調整用の抵抗であり、この実施例ではトリミング抵
抗をr5とし、このr5の抵抗値を調整することによって行
われる。さらに、抵抗r6、R1、R2及びr9は出力電圧VO
零点温度特性補償の抵抗であり、ここでは温度補償抵抗
はR1及びR2の二つであるがどちらか一方だけであっても
よく、この実施例ではトリミング抵抗をr6とし、このr6
の抵抗値を調整することによって零点特性の温度補償値
の調整が行われる。
上述の計算においては、補償抵抗3の抵抗値や各パラ
メータ,および4元連立方程式が温度TlおよびThそれぞ
れの測定値を互いに独立した形で取り扱っており、二つ
の温度の関数となる部分を含まないので、測定の過程で
温度TlおよびThを正確に測定する必要がなく、したがっ
て恒温槽の温度分布および複数の供試半導体センサ間の
温度のむらをなくすために必要とした待ち時間を大幅に
短縮することが可能になり、これに伴なって設備の稼動
率を向上することができる。
第4図はこの発明の異なる実施例を示す半導体圧力セ
ンサの回路素子の配置図であり、r44,r45……r49からな
る6個のトリミング抵抗45を薄膜抵抗としてシリコンチ
ップ11の厚肉部分に形成していわゆるオンチップ形の半
導体圧力センサ40を構成とするとともに、同一チップ上
に温度補償抵抗R1,R2,R3と同じ拡散プロセスで形成した
モニター抵抗31と、トリミング抵抗45と同じ金属材料を
用いて薄膜抵抗例えばクロム系,タンタル系などとして
形成したモニター抵抗41とを設けた点が前述の実施例と
異なっている。このように構成した場合、モニター抵抗
41の抵抗値R42を測定することにより、トリミング抵抗4
5の抵抗値r44,r45……r49等rnの値を両者の抵抗パター
ンの比Sを用いて正確に求めることができるので、これ
ら既知の抵抗値を用いて前述の実施例と同様な計算方法
によって各種パラメータおよびトリミング抵抗の調整値
を求めることができ、またこの計算値に基づいてトリミ
ング抵抗の抵抗パターンをトリミングすることにより、
基準圧力における出力電圧および基準圧力+Pにおける
圧力信号成分を一定値AおよびBに調整するファンクシ
ョントリミングを行うことができる。
なお、前述の実施例は半導体圧力センサへの適用例に
基づいて説明したが、温度補償を必要とする種々の半導
体回路の温度補償にも広く適用できることはいうまでも
ないことである。
〔発明の効果〕
この発明は前述のように、同じシリコンチップ上に温
度補償抵抗を含む半導体回路および温度補償抵抗と同じ
拡散プロセスで形成したモニター抵抗とを設け、このモ
ニター抵抗の抵抗値を互いに異なる二つの温度で測定す
るよう構成した。その結果、それぞれの温度における温
度補償抵抗の抵抗値をモニター抵抗の測定値に抵抗パタ
ーンの比を乗ずることによって容易かつ正確に求めるこ
とが可能になるとともに、求めた精度の高い抵抗値と出
力電圧の測定値とを用いて行うパラメータおよび抵抗調
整値の計算を二つの温度に対してそれぞれ独立して精度
よく行うことが可能となり、二つの温度の測定値から抵
抗値を推定する従来方法で問題になった温度の測定誤差
や拡散プロセスによって生ずる抵抗値の誤差が排除され
抵抗調整値の計算精度が高く、したがってファンクショ
ントリミング作業を容易化できる半導体回路の温度補償
方法を提供することができる。
また、半導体回路とモニター抵抗が同一シリコンチッ
プ上に形成され、測定時における両者の温度を短時間の
うちに同じ温度にすることができ、かつ温度の測定値を
計算に使用しないので、温度の測定そのものが不要にな
るとともに、複数の供試半導体回路間の温度差を減らす
ために従来必要とした待ち時間を大幅に短縮することが
可能になり、これによって恒温槽などの試験設備の利用
率向上し設備費を低減できるとともに、例えばベルトコ
ンベアを用いた量産化に適した試験設備の導入が容易に
なるなどの利点が得られる。
さらに、トリミング抵抗を薄膜抵抗とし、同一プロセ
スで形成したモニター抵抗とともにシリコンチップ上に
形成するよう構成すれば、抵抗パターン比を換算係数と
してトリミング抵抗値を正確に求めることができ、した
がって温度補償抵抗およびトリミング抵抗の関数として
求められる調整抵抗値およびパラメータの計算精度を一
層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例になる半導体回路の温度補償
方法を半導体圧力センサに適用するための半導体圧力セ
ンサの概略断面図、第2図は実施例における測定器を含
めた半導体回路の接続図、第3図は実施例における測定
方法および計算手順を示す温度補償方法の流れ図、第4
図はこの発明の異なる実施例を示す半導体圧力センサの
回路素子の配置図、第5図は従来の半導体圧力センサを
示す概略断面図、第6図は従来の半導体圧力センサの回
路構成をその回路定数の測定回路を含めて示す接続図、
第7図は測定装置の概略構成図である。 1……センシング部(ストレインゲージブリッジ)、2
……IC回路部(オペアンプ)、3……温度補償抵抗(拡
散抵抗)、4……半導体回路、5……トリミング抵抗
(厚膜抵抗)、10,30,40……半導体圧力センサ、11……
シリコンチップ、11A……ダイヤフラム、12……支持
体、13……基台、14……抵抗基板、21……恒温槽、22…
…スキャナー、23……安定化電源、24……電圧検出器、
25……コンピュータ、26……温度センサ、28……抵抗検
出器、31……モニター抵抗(拡散抵抗)、41……モニタ
ー抵抗(薄膜抵抗)、45……トリミング抵抗(薄膜抵
抗)、G1,G2,G3,G4……半導体ストレインゲージ素子、R
m……モニター抵抗値、R1,R2,R3……温度補償抵抗素子
(抵抗値)、r1,r2,r3…r9……トリミング抵抗素子(抵
抗値)、Vcc……印加電圧、Vo……出力電圧、Tl……下
限側の測定温度、Th……上限側の測定温度、Rml……温
度Tlでのモニター抵抗測定値、Rmh……温度Thでのモニ
ター抵抗測定値。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体プロセスにより一つのシリコンチッ
    プ上に形成した検出すべき力に応じる出力電圧を発生す
    るブリッジ回路からなるセンシング部と、該センシング
    部の一方の出力をボルテージフォロワの入力に接続し、
    前記センシング部の他方の出力を増幅器の一方の入力に
    接続し、前記増幅器のフィードバック回路に感度用の温
    度補償抵抗を接続し、前記増幅器の他方の入力に零点用
    の温度補償抵抗の一端を接続し、前記増幅器の出力電圧
    を半導体回路の出力電圧とする半導体回路と、この半導
    体回路に導電接続される温度依存性の少ない抵抗素子で
    あり、前記ボルテージフォロワの出力と増幅器の他方の
    入力との間に接続する感度調整用の抵抗素子と、前記フ
    ィードバック回路に接続する感度温度補償用の抵抗素子
    と、前記増幅器の他方の入力と電源,接地との間にそれ
    ぞれ接続する零点調整用の抵抗素子と、一端を電源およ
    び接地にそれぞれ接続し、これらの他端の一方を前記零
    点用の温度補償抵抗の他端に接続し、前記これらの他端
    の他方を前記零点用の別の温度補償抵抗の他端および前
    記増幅器の他方の入力のいずれかに接続する零点温度補
    償用の抵抗素子とからなり、前記抵抗素子のうち感度調
    整用,感度温度補償用,零点調整用および零点温度補償
    用の4つのトリミングすべき抵抗素子(トリミング抵抗
    素子という)の抵抗値を調整することにより前記半導体
    回路の温度依存性を補償するものにおいて、 前記シリコンチップ上に前記温度補償抵抗と同じプロセ
    スによりモニター抵抗素子を形成し、前記センシング部
    に第一の力を付与した状態,第二の力を付与した状態で
    このモニター抵抗素子の抵抗値および前記半導体回路の
    出力電圧を互いに異なる二つの温度で測定し、この測定
    結果に基づいて前記モニター抵抗素子の抵抗値と前記モ
    ニター抵抗素子に対する抵抗パターンの比との積として
    前記二つの温度それぞれについて前記温度補償抵抗の抵
    抗値を求め、前記第一の力を付与した状態、第二の力を
    付与した状態における前記二つの温度それぞれについて
    前記センシング部の出力電圧を求め、次いで、前記第一
    の力を付与した状態における前記二つの温度でのそれぞ
    れの前記半導体回路の出力電圧を第一の一定値とすると
    ともに前記第二の力を付与した状態における前記二つの
    温度でのそれぞれの前記半導体回路の出力電圧中に占め
    る力信号成分を第二の一定値とする所定の算式に基づい
    て前記トリミング抵抗素子の調整抵抗値を求めることを
    特徴とする半導体回路の温度補償方法。
  2. 【請求項2】トリミング抵抗素子を含む抵抗素子および
    そのモニター抵抗素子をシリコンチップ上に形成したこ
    とを特徴とする請求項1記載の半導体回路の温度補償方
    法。
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