JP2972318B2 - 微生物を利用した光学活性ベンゾヒドロール誘導体の製造方法 - Google Patents
微生物を利用した光学活性ベンゾヒドロール誘導体の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、4′−クロロ−2′−ベンゾイル−イソニ
コチン酸アニリドを基質として、これを光学活性4′−
クロロ−2′−(α−ヒドロキシベンジル)イソニコチ
ン酸アニリドに不斉的に合成する能力を有するキャンデ
ィダ(Candida)属又はシュードプレア(Pseudoplea)
属に属する微生物を、4′−クロロ−2′−ベンゾイル
−イソニコチン酸アニリドに接触させて、光学活性4′
−クロロ−2′−(α−ヒドロキシベンジル)イソニコ
チン酸アニリドに変換し、次いで、これを採取すること
を特徴とする光学活性4′−クロロ−2′−(α−ヒド
ロキシベンジル)イソニコチン酸アニリドの製造方法に
関する。
コチン酸アニリドを基質として、これを光学活性4′−
クロロ−2′−(α−ヒドロキシベンジル)イソニコチ
ン酸アニリドに不斉的に合成する能力を有するキャンデ
ィダ(Candida)属又はシュードプレア(Pseudoplea)
属に属する微生物を、4′−クロロ−2′−ベンゾイル
−イソニコチン酸アニリドに接触させて、光学活性4′
−クロロ−2′−(α−ヒドロキシベンジル)イソニコ
チン酸アニリドに変換し、次いで、これを採取すること
を特徴とする光学活性4′−クロロ−2′−(α−ヒド
ロキシベンジル)イソニコチン酸アニリドの製造方法に
関する。
更に本発明は、2−アミノ−5−クロロベンゾフェノ
ンを基質として、これを光学活性2−アミノ−5−クロ
ロベンゾヒドロールに不斉的に合成する能力を有するシ
ュードプレア(Pseudoplea)属に属する微生物を、2−
アミノ−5−クロロベンゾフェノンに接触させて、光学
活性2−アミノ−5−クロロベンゾヒドロールに変換
し、次いで、これを採取することを特徴とする光学活性
2−アミノ−5−クロロベンゾヒドロールの製造方法に
関するものである。
ンを基質として、これを光学活性2−アミノ−5−クロ
ロベンゾヒドロールに不斉的に合成する能力を有するシ
ュードプレア(Pseudoplea)属に属する微生物を、2−
アミノ−5−クロロベンゾフェノンに接触させて、光学
活性2−アミノ−5−クロロベンゾヒドロールに変換
し、次いで、これを採取することを特徴とする光学活性
2−アミノ−5−クロロベンゾヒドロールの製造方法に
関するものである。
(従来の技術) 4′−クロロ−2′−(α−ヒドロキシベンジル)イ
ソニコチン酸アニリド(以下イナベンフィドと略す。)
は、優れた植物生長調節作用を示し、殊にその光学活性
S体は、植物生長調節剤とする際、活性本体として利用
され得る有用な物質である。(特開平2−28156号公報
参照) また、2−アミノ−5−クロロベンゾヒドロールは、
イナベンフィドの合成中間体として利用することのでき
る有用な物質である。
ソニコチン酸アニリド(以下イナベンフィドと略す。)
は、優れた植物生長調節作用を示し、殊にその光学活性
S体は、植物生長調節剤とする際、活性本体として利用
され得る有用な物質である。(特開平2−28156号公報
参照) また、2−アミノ−5−クロロベンゾヒドロールは、
イナベンフィドの合成中間体として利用することのでき
る有用な物質である。
これまで、光学活性イナベンフィドの製造法として
は、ラセミ体の2−アミノ−5−クロロベンゾヒドロー
ルから、L−酒石酸を用いて、光学活性2−アミノ−5
−クロロベンゾヒドロールを得た後、これとイソニコチ
ン酸とを反応させる方法が行なわれていたが、微生物を
用いた不斉合成法により光学活性2−アミノ−5−クロ
ロベンゾヒドロールを製造する方法は固より、光学活性
イナベンフィドを微生物によって製造する方法も一般に
知られていない。
は、ラセミ体の2−アミノ−5−クロロベンゾヒドロー
ルから、L−酒石酸を用いて、光学活性2−アミノ−5
−クロロベンゾヒドロールを得た後、これとイソニコチ
ン酸とを反応させる方法が行なわれていたが、微生物を
用いた不斉合成法により光学活性2−アミノ−5−クロ
ロベンゾヒドロールを製造する方法は固より、光学活性
イナベンフィドを微生物によって製造する方法も一般に
知られていない。
(発明が解決しようとする課題) 光学活性イナベンフィドを得るために従来の光学分割
法を用いると、光学純度や収率が悪く、また工程数も多
く、さらに再結晶操作を2回も行わなければならない等
の煩雑な操作が必要になる等、設備、コスト面からみて
も工業的に非常に不利であった。
法を用いると、光学純度や収率が悪く、また工程数も多
く、さらに再結晶操作を2回も行わなければならない等
の煩雑な操作が必要になる等、設備、コスト面からみて
も工業的に非常に不利であった。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、これらの事情に鑑み、植物生長調節剤
として優れた光学活性イナベンフィドを工業的に優れた
製法で得るべく鋭意研究を重ねた結果、4′−クロロ−
2′−ベンゾイル−イソニコチン酸アニリドを基質とし
て、これを光学活性イナベンフィドに不斉的に還元する
能力を有するキャンディダ(Candida)属又はシュード
プレア(Pseudoplea)属に属する微生物を、4′−クロ
ロ−2′−ベンゾイル−イソニコチン酸アニリドに接触
させることにより、光学活性イナベンフィドを高光学純
度、高収率、短工程で得られることを見出した。更に、
本発明者等は、2−アミノ−5−クロロベンゾフェノン
を基質として、これを光学活性2−アミノ−5−クロロ
ベンゾヒドロールに不斉的に合成する能力を有するシュ
ードプレア(Pseudoplea)属に属する微生物を、2−ア
ミノ−5−クロロベンゾフェノンに接触させることによ
り、光学活性2−アミノ−5−クロロベンゾヒドロール
を高光学純度、高収率、短工程で得られることをも見出
した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたもの
である。
として優れた光学活性イナベンフィドを工業的に優れた
製法で得るべく鋭意研究を重ねた結果、4′−クロロ−
2′−ベンゾイル−イソニコチン酸アニリドを基質とし
て、これを光学活性イナベンフィドに不斉的に還元する
能力を有するキャンディダ(Candida)属又はシュード
プレア(Pseudoplea)属に属する微生物を、4′−クロ
ロ−2′−ベンゾイル−イソニコチン酸アニリドに接触
させることにより、光学活性イナベンフィドを高光学純
度、高収率、短工程で得られることを見出した。更に、
本発明者等は、2−アミノ−5−クロロベンゾフェノン
を基質として、これを光学活性2−アミノ−5−クロロ
ベンゾヒドロールに不斉的に合成する能力を有するシュ
ードプレア(Pseudoplea)属に属する微生物を、2−ア
ミノ−5−クロロベンゾフェノンに接触させることによ
り、光学活性2−アミノ−5−クロロベンゾヒドロール
を高光学純度、高収率、短工程で得られることをも見出
した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたもの
である。
次に本発明の内容について説明する。
本発明による光学活性イナベンフィドの製造に用いら
れる微生物としては、4′−クロロ−2′−ベンゾイル
−イソニコチン酸アニリドを不斉的に合成する能力を有
するキャンディダ(Candida)属又はシュードプレア(P
seudoplea)属に属する微生物であり、これらの微生物
のうちCandida globosa(IFO 0651)又はPseudoplea tr
ifolii(IFO 6691)が特に好ましい。
れる微生物としては、4′−クロロ−2′−ベンゾイル
−イソニコチン酸アニリドを不斉的に合成する能力を有
するキャンディダ(Candida)属又はシュードプレア(P
seudoplea)属に属する微生物であり、これらの微生物
のうちCandida globosa(IFO 0651)又はPseudoplea tr
ifolii(IFO 6691)が特に好ましい。
これらの微生物の培養には、通常これらの微生物が資
化しうる栄養源であれば何でも使用しうる。例えばグル
コース、スクロース、フルクトース等の炭水化物、エタ
ノール、グリセロール等のアルコール類、パラフィン等
の炭化水素、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、大豆油等
の炭素源またはこれらの混合物、酵母エキス、ペプト
ン、肉エキス、コーンスチープリカー、硫安、アンモニ
ア等の含窒素無機もしくは有機栄養源、リン酸塩、マグ
ネシウム、鉄、マンガン、カリウム等の無機栄養源およ
びビオチン、チアミン等のビタミン類を適宜配合した通
常の培地を用いることがてきる。特に、Candia属酵母は
合成培地であるツアペックドックス培地(Czapek−Dox
agar:ショ糖、NaNO3、K2HPO4、MgSO4・7H2O、KCl、FeSO
4・7H2O、及び蒸留水等からなる合成培地)において活
発に不斉合成を行なうため、コスト面を勘案すると非常
に有利である。培養方法としては、pHを6前後に調整し
た液体培地で好気的に、20〜30℃、好ましくは27℃前後
で培養する。微生物は3日ごとに継代したものを用いる
のが好ましい。
化しうる栄養源であれば何でも使用しうる。例えばグル
コース、スクロース、フルクトース等の炭水化物、エタ
ノール、グリセロール等のアルコール類、パラフィン等
の炭化水素、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、大豆油等
の炭素源またはこれらの混合物、酵母エキス、ペプト
ン、肉エキス、コーンスチープリカー、硫安、アンモニ
ア等の含窒素無機もしくは有機栄養源、リン酸塩、マグ
ネシウム、鉄、マンガン、カリウム等の無機栄養源およ
びビオチン、チアミン等のビタミン類を適宜配合した通
常の培地を用いることがてきる。特に、Candia属酵母は
合成培地であるツアペックドックス培地(Czapek−Dox
agar:ショ糖、NaNO3、K2HPO4、MgSO4・7H2O、KCl、FeSO
4・7H2O、及び蒸留水等からなる合成培地)において活
発に不斉合成を行なうため、コスト面を勘案すると非常
に有利である。培養方法としては、pHを6前後に調整し
た液体培地で好気的に、20〜30℃、好ましくは27℃前後
で培養する。微生物は3日ごとに継代したものを用いる
のが好ましい。
イナベンフィドの不斉合成反応は、基質を培地に添加
してからオートクレーブ滅菌(121℃、15分間)した
後、微生物を植菌して1〜20日間培養するかあるいは、
基質を添加せずに前培養し、次いで基質を添加してさら
に本培養を行うことにより進行する。ここにおいて前培
養は不斉合成活性が最も高くなるまで行い、通常3〜10
日、好ましくは5〜7日で行う。また本培養は1〜3日
間が好ましい。またこの場合、基質を加える際、必ずし
も無菌的に行う必要はない。
してからオートクレーブ滅菌(121℃、15分間)した
後、微生物を植菌して1〜20日間培養するかあるいは、
基質を添加せずに前培養し、次いで基質を添加してさら
に本培養を行うことにより進行する。ここにおいて前培
養は不斉合成活性が最も高くなるまで行い、通常3〜10
日、好ましくは5〜7日で行う。また本培養は1〜3日
間が好ましい。またこの場合、基質を加える際、必ずし
も無菌的に行う必要はない。
反応によって生成した光学活性イナベンフィドの採取
は、反応液から直接あるいは菌体分離後、酢酸エチル、
ジクロロメタン等の溶剤で抽出し、脱水後シリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより高純度の目的化
合物が容易に得られる。また、光学活性イナベンフィド
の光学純度は、光学活性化合物分割カラムを装着した高
速液体クロマトグラフィーにより決定することができ
る。
は、反応液から直接あるいは菌体分離後、酢酸エチル、
ジクロロメタン等の溶剤で抽出し、脱水後シリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより高純度の目的化
合物が容易に得られる。また、光学活性イナベンフィド
の光学純度は、光学活性化合物分割カラムを装着した高
速液体クロマトグラフィーにより決定することができ
る。
一方、本発明による光学活性2−アミノ−5−クロロ
ベンゾヒドロールの製造に用いられる微生物は、2−ア
ミノ−5−クロロベンゾフェノンを不斉的に還元する能
力を有するシュードプレア(Pseudoplea)属に属する微
生物であり、とりわけPseudoplea trifoliiが好まし
い。この微生物は前記のように、IFO 6691の番号で寄託
されている。
ベンゾヒドロールの製造に用いられる微生物は、2−ア
ミノ−5−クロロベンゾフェノンを不斉的に還元する能
力を有するシュードプレア(Pseudoplea)属に属する微
生物であり、とりわけPseudoplea trifoliiが好まし
い。この微生物は前記のように、IFO 6691の番号で寄託
されている。
Pseudoplea属の微生物の培養には、上記の通常の培地
を用いることができる。培養方法としては、pHを6前後
に調整した液体培地で好気的に、20〜30℃、好ましくは
27℃前後で振とう培養を行なう。微生物は3日ごとに継
代したものを用いる。
を用いることができる。培養方法としては、pHを6前後
に調整した液体培地で好気的に、20〜30℃、好ましくは
27℃前後で振とう培養を行なう。微生物は3日ごとに継
代したものを用いる。
2−アミノ−5−クロロベンゾヒドロールの不斉合成
反応は、上述したイナベンフィドの不斉合成反応の場合
と全く同様にして行なうことができる。
反応は、上述したイナベンフィドの不斉合成反応の場合
と全く同様にして行なうことができる。
反応によって生成した光学活性2−アミノ−5−クロ
ロベンゾヒドロールの採取は、反応液から直接あるいは
菌体分離後、酢酸エチル、ジクロロメタン等の溶剤で抽
出し、脱水後シリカゲルクロマトグラフィーで精製する
ことにより高純度の目的化合物が容易に得られる。ま
た、本発明により得られる一般式(II)で示されるベン
ゾヒドロール誘導体の光学純度は、光学活性体分割用カ
ラムを装着した高速液体クロマトグラフィーにより決定
することができる。
ロベンゾヒドロールの採取は、反応液から直接あるいは
菌体分離後、酢酸エチル、ジクロロメタン等の溶剤で抽
出し、脱水後シリカゲルクロマトグラフィーで精製する
ことにより高純度の目的化合物が容易に得られる。ま
た、本発明により得られる一般式(II)で示されるベン
ゾヒドロール誘導体の光学純度は、光学活性体分割用カ
ラムを装着した高速液体クロマトグラフィーにより決定
することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はこれらによって何ら限定されるものではな
い。
が、本発明はこれらによって何ら限定されるものではな
い。
実施例1 蒸留水1中にグルコース40g、ポリペプトン10g、酵
母エキス5g、KH2PO4 5g、MgSO4・7H2O 2gを加えた液
体培地20mlに2′−ベンゾイル−4′−クロロイソニコ
チン酸アニリド結晶を10mg加えて滅菌した後、Pseudopl
ea trifoliiを植菌し、27℃で7日間前培養を行なっ
た。この培養液を酢酸エチルで抽出した後、硫酸マグネ
シウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた反応
混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒=ヘ
キサン:酢酸エチル{3:1})で分離することにより、
イナベンフィド7.3mgが得られた。これを高速液体クロ
マトグラフィー(カラム:ダイセル社製CHIRALCEL−O
G、溶出溶媒=ヘキサン:イソプロピルアルコール{1:
1}、流速:0.9ml/min)により分析すると、R体が8.864
分、S体が11.734分の保持時間で分離され、得られたイ
ナベンフィドの光学純度はS体が99%e.e.以上であっ
た。
母エキス5g、KH2PO4 5g、MgSO4・7H2O 2gを加えた液
体培地20mlに2′−ベンゾイル−4′−クロロイソニコ
チン酸アニリド結晶を10mg加えて滅菌した後、Pseudopl
ea trifoliiを植菌し、27℃で7日間前培養を行なっ
た。この培養液を酢酸エチルで抽出した後、硫酸マグネ
シウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた反応
混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒=ヘ
キサン:酢酸エチル{3:1})で分離することにより、
イナベンフィド7.3mgが得られた。これを高速液体クロ
マトグラフィー(カラム:ダイセル社製CHIRALCEL−O
G、溶出溶媒=ヘキサン:イソプロピルアルコール{1:
1}、流速:0.9ml/min)により分析すると、R体が8.864
分、S体が11.734分の保持時間で分離され、得られたイ
ナベンフィドの光学純度はS体が99%e.e.以上であっ
た。
実施例2 蒸留水1中にシュクロース30g、KNO3 3g、K2HPO4
1g、MgSO4・7H2O 0.5g、KCl 0.5g、FeSO4・7H2O 0.0
1gを加えた液体培地20mlに2′−ベンゾイル−4′−ク
ロロイソニコチン酸アニリド結晶を25mg加えて滅菌した
後、Candida globosaを植菌し、27℃で7日間前培養を
行なった。この培養液を実施例1と同様に処理し、イナ
ベンフィド18.5mgを得た。このイナベンフィドを実施例
1と同じ高速液体クロマトグラフィーにより分析した結
果、光学純度はS体が99%e.e.以上であった。
1g、MgSO4・7H2O 0.5g、KCl 0.5g、FeSO4・7H2O 0.0
1gを加えた液体培地20mlに2′−ベンゾイル−4′−ク
ロロイソニコチン酸アニリド結晶を25mg加えて滅菌した
後、Candida globosaを植菌し、27℃で7日間前培養を
行なった。この培養液を実施例1と同様に処理し、イナ
ベンフィド18.5mgを得た。このイナベンフィドを実施例
1と同じ高速液体クロマトグラフィーにより分析した結
果、光学純度はS体が99%e.e.以上であった。
実施例3 蒸留水1中にグルコース40g、ポリペプトン10g、酵
母エキス5g、KH2PO4 5g、MgSO4・7H2O 2gを加えた液
体培地20mlにPseudoplea trifoliiを植菌し、27℃で5
日間前培養を行なった。これに、2−アミノ−5−クロ
ロベンゾフェノンを5mg加え、さらに1日培養した。反
応後、この培養液を酢酸エチルで抽出した後、硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた反
応混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒=
ヘキサン:酢酸エチル{3:1})で分離することによ
り、2−アミノ−5−クロロベンゾヒドロール2.7mgが
得られた。これを高速液体クロマトグラフィー(カラ
ム:ダイセル社製CHIRALPAC−OP、溶出溶媒=ヘキサ
ン:エタノール{10:1}、流速:1ml/minにより分析を行
なうと、S体が15.215分、R体が16.897分の保持時間で
分離され、光学純度はS体が99%e.e.以上であった。
母エキス5g、KH2PO4 5g、MgSO4・7H2O 2gを加えた液
体培地20mlにPseudoplea trifoliiを植菌し、27℃で5
日間前培養を行なった。これに、2−アミノ−5−クロ
ロベンゾフェノンを5mg加え、さらに1日培養した。反
応後、この培養液を酢酸エチルで抽出した後、硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた反
応混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒=
ヘキサン:酢酸エチル{3:1})で分離することによ
り、2−アミノ−5−クロロベンゾヒドロール2.7mgが
得られた。これを高速液体クロマトグラフィー(カラ
ム:ダイセル社製CHIRALPAC−OP、溶出溶媒=ヘキサ
ン:エタノール{10:1}、流速:1ml/minにより分析を行
なうと、S体が15.215分、R体が16.897分の保持時間で
分離され、光学純度はS体が99%e.e.以上であった。
(発明の効果) 本発明によれば、植物生長調節剤として有用な光学活
性イナベンフィド及びイナベンフィドの合成中間体とし
て利用てきる光学活性2−アミノ−5−クロロベンゾヒ
ドロールを、極めて高光学純度かつ高収率に製造でき、
その上工程数も少ないことから、工業的に優れた光学活
性体の製造が可能となった。
性イナベンフィド及びイナベンフィドの合成中間体とし
て利用てきる光学活性2−アミノ−5−クロロベンゾヒ
ドロールを、極めて高光学純度かつ高収率に製造でき、
その上工程数も少ないことから、工業的に優れた光学活
性体の製造が可能となった。
Claims (2)
- 【請求項1】1.2−アミノ−5−クロロベンゾフェノン
を光学活性2−アミノ−5−クロロベンゾヒドロールに
不斉的に合成する能力を有するシュードプレア(Pseudo
plea)属に属する微生物を、2−アミノ−5−クロロベ
ンゾフェノンに接触させて、光学活性2−アミノ−5−
クロロベンゾヒドロールに変換し、次いで、これを採取
することを特徴とする、光学活性2−アミノ−5−クロ
ロベンゾヒドロールの製造方法。 - 【請求項2】微生物がシュードプレア・トリフォリィ
(Pseudoplea trifolii,IFO 6691)である、請求項1記
載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29102990A JP2972318B2 (ja) | 1990-10-29 | 1990-10-29 | 微生物を利用した光学活性ベンゾヒドロール誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29102990A JP2972318B2 (ja) | 1990-10-29 | 1990-10-29 | 微生物を利用した光学活性ベンゾヒドロール誘導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04166093A JPH04166093A (ja) | 1992-06-11 |
JP2972318B2 true JP2972318B2 (ja) | 1999-11-08 |
Family
ID=17763527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29102990A Expired - Lifetime JP2972318B2 (ja) | 1990-10-29 | 1990-10-29 | 微生物を利用した光学活性ベンゾヒドロール誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2972318B2 (ja) |
-
1990
- 1990-10-29 JP JP29102990A patent/JP2972318B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04166093A (ja) | 1992-06-11 |
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