JP2972160B2 - 薬剤収納取出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、薬剤収納取出装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】複数の錠剤フィーダを有し、各錠剤フィ
ーダから排出される錠剤をホッパ上に落下させるように
した錠剤収納装置として、特開昭６０−１７２６０２号
公報に記載されたものが従来から知られている。

【０００３】ところで、上記公報に記載された錠剤収納
装置は、左右方向に並ぶ複数の錠剤フィーダを上下方向
に多段に設けて複数の錠剤フィーダを垂直平面上に配置
した構成であるため、錠剤フィーダの数が少なく、種類
の多い錠剤の取出しに対応することができない問題があ
る。

【０００４】その問題点を解決するため、実公昭６１−
３７６１号公報に記載された錠剤収納取出装置において
は、箱体内から外部に引出し可能に設けた複数の引出体
のそれぞれに複数の棚を上下方向に多段に設け、各段の
棚に複数の錠剤フィーダを取付けた構成としている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、実公昭６１
−３７６１号公報に記載された錠剤収納取出装置におい
ては、引出体を箱体の前方に引き出して錠剤フィーダに
錠剤を補給する必要がある。このため、錠剤収納取出装
置の設置場所には、引出体を引き出し可能とするための
空間を確保しなければならず、広い設置スペースを必要
とする不都合がある。

【０００６】また、錠剤フィーダに対する錠剤の補給に
際して引出体を引き出すと、錠剤の補給が必要とされな
い他の複数の錠剤フィーダも箱体の外部に引き出される
ため、他の複数の錠剤フィーダを作動させることができ
ず、包装作業を中断して錠剤の補給を行なう必要があ
り、包装作業を能率よく行なうことができない。

【０００７】特開昭５７−１０３６４３号公報には、中
空円筒形の錠剤ケース内に錠剤棚を複数段形成し、各段
の錠剤棚上に錠剤フィーダを載置した全自動回転式錠剤
分包機が記載されている。上記分包機においては錠剤の
補給時、他の錠剤フィーダを作動させることができるも
のの、錠剤ケースが固定の支持であるため、錠剤ケース
の外周囲に錠剤を補給するための空間を確保する必要が
生じると共に、錠剤の補給に手間がかかるという不都合
がある。

【０００８】この発明は、上記の不都合を解消し、多数
の錠剤フィーダに対して薬剤を能率よく補給することが
できる薬剤収納取出装置を提供することを技術的課題と
している。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明においては、回転自在に支持され、軸方
向の切り離し部を有する筒状ドラムの外周面における周
方向と上下方向とに、薬剤を薬剤出口から定量排出させ
る多数の薬剤フィーダを取付け、そのドラムの内側に組
込まれて駆動装置により回動される内側ドラムの外周面
における周方向と上下方向とに薬剤を薬剤出口から定量
排出させる多数の薬剤フィーダを取付け、内外２つのド
ラムには各薬剤フィーダの薬剤出口に連通する窓をそれ
ぞれ形成し、前記駆動装置により内側ドラムを回転し、
その内側ドラムに取付けられた薬剤フィーダの、薬剤の
補給が必要とされる薬剤フィーダが外側ドラムの軸方向
の切り離し部に対応したことを検出し、その検出信号に
基づいて駆動装置を停止させる位置検出手段を設け、上
記切り離し部の位置において内側ドラムの薬剤フィーダ
に薬剤を補給する構成を採用している。

【００１０】上記の構成から成る発明において、前記外
側ドラムを回転させる駆動装置を設け、その駆動装置を
作動させ、外側ドラムの軸方向の切り離し部が定位置ま
で移動したことを検出し、その検出信号に基づいて上記
駆動装置を停止させる位置検出手段を設け、前記外側ド
ラムの切り離し部を所定位置にて停止させた状態で内側
ドラムの薬剤フィーダに対して薬剤の補給を行うように
してもよい。

【００１１】また、前記外側ドラムを回転させる駆動装
置を設け、その駆動装置の作動により外側ドラムを回転
し、薬剤の補給が必要とされる外側ドラム上の薬剤フィ
ーダが所定位置まで回転したとき外側ドラムを停止さ
せ、その所定位置において外側ドラムの薬剤フィーダに
薬剤を補給するようにしてもよい。

【００１２】前記位置検出手段として、外側ドラムの外
周囲に設けられた位置検出センサと、ドラムの外周に取
付けられた位置検出片とから成るものを採用することが
できる。

【００１３】

【作用】上記の構成から成る薬剤収納取出装置におい
て、内側ドラムの薬剤フィーダに対する薬剤の補給は、
外側ドラムを回転し、その外側ドラムに設けられた切り
離し部を所定の位置まで回転させたのち停止させ、次に
内側ドラムを回転し、薬剤の補給が必要とされる薬剤フ
ィーダが上記切り離し部の位置まで移動したとき内側ド
ラムを停止させ、上記切り離し部の位置において内側ド
ラムの薬剤フィーダに薬剤を補給する。

【００１４】外側ドラムの薬剤フィーダに対する薬剤の
補給は、その外側ドラムを回転し、薬剤の補給が必要と
される薬剤フィーダが所定位置まで回転したとき外側ド
ラムを停止させ、上記所定位置において薬剤フィーダに
薬剤を補給する。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。

【００１６】図１乃至図３に示すように、ドラム収納ボ
ックス１は上下に支持板２、２’を有し、各支持板２、
２’に形成された円形孔３の軸心上に、外径寸法が異な
る二つのドラム４ａ、４ｂが設けられている。

【００１７】二つのドラム４ａ、４ｂのうち、径の大き
い外側ドラム４ａは、複数の角筒体５ａを円形に組合わ
せて一部に軸方向の切り離し部５０を設けてあり、上記
角筒体５ａの内側が排出路５１とされている。

【００１８】外側ドラム４ａは上下に環状板５２、５３
を有し、各環状板５２、５３を回転自在に支持するロー
ラ５４をボックス１の支持板２、２’に取付けて外側ド
ラム４ａを回転自在に支持している。この外側ドラム４
ａは駆動装置５５によって回動される。

【００１９】駆動装置５５は、上側環状板５２の外周に
設けた歯５８にピニオン５７を噛合し、そのピニオン５
７をモータ５６によって回転させるようにしている。

【００２０】上記、外側ドラム４ａの外周には、周方向
と上下方向とに薬剤フィーダ２０が取付けられている。
図３に示すように、薬剤フィーダ２０は、外側ドラム４
ａにねじ止め等の手段によって取付けられる支持台２１
と、その支持台２１上に着脱自在に支持された薬剤収納
ケース２２および薬剤収納ケース２２の上部に取付けら
れた蓋２３とから成り、薬剤収納ケース２２の内部には
ロータ２４を回転自在に取付け、そのロータ２４の外周
に複数のポケット２５を設けてある。

【００２１】また、支持台２１にはロータ２４の回転駆
動用モータ２６を取付け、そのモータ２６によりロータ
２４を回転させて薬剤収納ケース２２内に充填した薬剤
をポケット２５内に入り込ませ、その薬剤を薬剤収納ケ
ース２２の底に形成した薬剤出口２７より１つずつ排出
させるようにしている。

【００２２】上記薬剤出口２７は、支持台２１に設けた
通路２８と連通し、また、通路２８は角筒体５ａの外壁
に形成した窓２９と連通している。

【００２３】このため、薬剤フィーダ２０から送り出さ
れた薬剤は、通路２８および窓２９から排出路６に送り
込まれて落下する。ここで、排出路６の下端は下側環状
板５３に形成した落下孔５９と連通し、上記薬剤はその
落下孔５９から排出される。

【００２４】二つのドラム４ａ、４ｂのうち、径の小さ
い内側ドラム４ｂは、円筒形に組合わせた複数の角筒体
５から成り、各角筒体５の内側が排出路６とされてい
る。

【００２５】この内側ドラム４ｂは上下に円板７、８を
有し、下側円板８には、各角筒体５の排出路６に連通し
て落下孔９が形成されている。また、下側円板８の外周
部には複数のローラ６１’が取付けられ、各ローラ６
１’は外側ドラム４ａの下側環状板５３によって回転自
在に支持されている。

【００２６】一方、上側円板７は、外側ドラム４ａの上
側環状板５２に取付けたローラ６０で回転自在に支持さ
れている。

【００２７】上記内側ドラム４ｂは駆動装置１１によっ
て回転される。駆動装置１１は、上側円板７の外周にギ
ヤ１２を形成し、そのギヤ１２に噛合したピニオン１３
をモータ１４で回転させるようにしている。

【００２８】内側ドラム４ｂの外周には周方向に隣接し
て設けられた複数の薬剤フィーダ２０が上下方向に多段
に設けられている。

【００２９】ここで、薬剤フィーダ２０は、外側ドラム
４ａの外周に設けられた薬剤フィーダ２０と同一の構成
であるため、同一部品に同一の符号を付して説明を省略
する。

【００３０】図３に示すように、上記薬剤フィーダ２０
の薬剤出口２７から通路２８に排出された薬剤は、角筒
体５の外壁に形成した窓２９から排出路６に落下する。
排出路６の下端は、図２に示すように、下側円板８に形
成された落下孔９と連通している。

【００３１】上記二つのドラム４ａ、４ｂの下方には薬
剤収集用のホッパ３０’が設けられている。ホッパ３
０’の下部に設けられた出口３１’はドラム４ａ、４ｂ
の中心軸上に配置されている。このホッパ３０’の出口
３１’から落下する薬剤は、その下方に設けられた分包
装置４０によって分包される。

【００３２】ここで、分包装置４０は、熱融着性分包紙
Ｓの移送路に三角形の板体４１を設け、その板体４１に
より分包紙Ｓを幅方向にＶ形に折り曲げて上記板体４１
とその前側に設けた一対の加熱ロール４２間に袋部を形
成し、前記ホッパ出口３１’から袋部に薬剤が供給され
たとき、分包紙Ｓを送り、その送り時に一対の加熱ロー
ラ４２を分包紙Ｓと同速度で回転させて２つ折りされた
分包紙Ｓの幅方向と両側縁部を同時に帯状に熱融着させ
るようにしている。

【００３３】実施の形態で示す薬剤収納取出装置は上記
の構造から成り、この装置は制御装置を通じて薬剤フィ
ーダ２０を作動し、外側ドラム４ａの薬剤フィーダ２０
から送り出される薬剤を排出路５１からホッパ３０’上
に落下せしめ、また、内側ドラム４ｂの薬剤フィーダ２
０から送り出される薬剤を内側ドラム４ｂの排出路６か
らホッパ３０’上に落下させる。

【００３４】このとき、外側ドラム４ａの薬剤フィーダ
２０から送り出された薬剤のホッパ３０’上での落下位
置と内側ドラム４ｂの薬剤フィーダ２０から送り出され
た薬剤のホッパ３０’上での落下位置とは異なるが、両
落下位置間の距離は薬剤フィーダ２０の幅寸法に略等し
い短い長さであるため、落下位置からホッパ出口３１’
に至る薬剤の排出時間を略均一化することができる。

【００３５】外側ドラム４ａの薬剤フィーダ２０に対す
る薬剤の補給に際しては、外側ドラム４ａを回転し、補
給を必要とする薬剤フィーダ２０を補給可能な所定の位
置まで移動させたのち、薬剤収納ケース２２を取外し、
内部に薬剤を補給する。

【００３６】また、内側ドラム４ｂの薬剤フィーダ２０
に対する薬剤の補給に際しては、内側ドラム４ｂを回転
し、補給を必要とする薬剤フィーダ２０を外側ドラム４
ａの切り離し部５０に臨む位置で停止させたのち、切り
離し部５０から薬剤フィーダ２０の薬剤収納ケース２２
を取外し、薬剤の補給を行なう。

【００３７】このとき、外側ドラム４ａを停止させて切
り離し部５０を所定の位置に保持する。その切り離し部
５０の停止位置を規制するため、図１に示すように、外
側ドラム４ａに位置検出片６１を設け、位置検出センサ
６２がその位置検出片６１を検出したとき外側ドラム４
ａの駆動装置５５を停止させるようにしている。

【００３８】実施の形態で示す薬剤収納取出装置におい
ては、複数の角筒体５、５ａでドラム４ａ、４ｂを形成
したが、上記ドラム４ａ、４ｂはこれに限定されず、例
えば、単壁構造とし、その壁の内側に沿って薬剤を落下
させるようにしたものであってもよい。

【００３９】

【発明の効果】この発明は、以上のように構成したので
下記に示す効果を奏する。

【００４０】 駆動装置の作動によって内側ドラムを
回転し、薬剤の補給が必要とされる薬剤フィーダが外側
ドラムの切り離し部の位置まで回転したとき内側ドラム
を停止させ、上記切り離し部の位置において薬剤フィー
ダに薬剤を補給するようにしたので、内側ドラムの薬剤
フィーダに対して薬剤を能率よく補給することができ
る。また、外側ドラムを回転し、薬剤の補給が必要とさ
れる薬剤フィーダが所定位置まで回転したとき外側ドラ
ムを停止させて薬剤の補給を行なうようにしたので、外
側ドラムの薬剤フィーダに対しても薬剤を能率よく補給
することかできる。

【００４１】 外側ドラムの外周囲一箇所に薬剤補給
用のスペースを確保すればよいため、薬剤収納取出装置
の設置スペースの縮小化を図ることができる。

【００４２】 位置検出手段によって外側ドラムの切
り離し部の停止位置を規制したことにより、内側ドラム
の薬剤フィーダに対する薬剤の補給をより能率よく行な
うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る薬剤収納取出装置の実施の形態
を示す斜視図

【図２】同上の縦断正面図

【図３】同上の薬剤フィーダの支持部を拡大して示す断
面図

【符号の説明】

４ａ 外側ドラム ４ｂ 内側ドラム １１ 駆動装置 ２０ 薬剤フィーダ ２７ 薬剤出口 ２９、２９ａ 窓 ５０ 切り離し部 ５５ 駆動装置 ６１ 位置検出片 ６２ 位置検出センサ

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転自在に支持され、軸方向の切り離し
   部を有する筒状ドラムの外周面における周方向と上下方
   向とに、薬剤を薬剤出口から定量排出させる多数の薬剤
   フィーダを取付け、そのドラムの内側に組込まれて駆動
   装置により回動される内側ドラムの外周面における周方
   向と上下方向とに薬剤を薬剤出口から定量排出させる多
   数の薬剤フィーダを取付け、内外２つのドラムには各薬
   剤フィーダの薬剤出口に連通する窓をそれぞれ形成し、
   前記駆動装置により内側ドラムを回転し、その内側ドラ
   ムに取付けられた薬剤フィーダの、薬剤の補給が必要と
   される薬剤フィーダが外側ドラムの軸方向の切り離し部
   に対応したことを検出し、その検出信号に基づいて駆動
   装置を停止させる位置検出手段を設け、上記切り離し部
   の位置において内側ドラムの薬剤フィーダに薬剤を補給
   することを特徴とする薬剤収納取出装置。
2. 【請求項２】 前記外側ドラムを回転させる駆動装置を
   設け、その駆動装置を作動させ、外側ドラムの軸方向の
   切り離し部が定位置まで移動したことを検出し、その検
   出信号に基づいて上記駆動装置を停止させる位置検出手
   段を設け、前記外側ドラムの切り離し部を所定位置にて
   停止させた状態で内側ドラムの薬剤フィーダに対して薬
   剤の補給を行うことを特徴とする請求項１に記載の薬剤
   収納取出装置。
3. 【請求項３】 前記外側ドラムを回転させる駆動装置を
   設け、その駆動装置の作動により外側ドラムを回転し、
   薬剤の補給が必要とされる外側ドラム上の薬剤フィーダ
   が所定位置まで回転したときドラムを停止させ、その所
   定位置において外側ドラムの薬剤フィーダに薬剤を補給
   する請求項１又は２に記載の薬剤収納取出装置。
4. 【請求項４】 前記位置検出手段が、外側ドラムの外周
   囲に設けられた位置検出センサと、外側ドラムの外周に
   取付けられた位置検出片とから成る請求項１乃至３のい
   ずれか１つに記載の薬剤収納取出装置。