JP2970988B2 - 給紙カセット - Google Patents

給紙カセット

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JP2970988B2
JP2970988B2 JP6065193A JP6519394A JP2970988B2 JP 2970988 B2 JP2970988 B2 JP 2970988B2 JP 6065193 A JP6065193 A JP 6065193A JP 6519394 A JP6519394 A JP 6519394A JP 2970988 B2 JP2970988 B2 JP 2970988B2
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武志 藤城
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱記録紙を吸湿させ
ないようにした給紙カセット装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録方式のサーマルプリンタでは、
多数の発熱素子をライン状に形成したサーマルヘッドを
用い、プラテンドラムに巻き付けられた感熱記録紙を直
接に加熱することによって画像を発色記録する。この感
熱記録紙は、片面に感熱発色層を少なくとも一層形成さ
れており、給紙カセットの内部に積み重なった状態で収
納されている。積層された複数の感熱記録紙は、感熱発
色層が下向きにして給紙カセットに装填されるから、上
側の感熱記録紙の感熱発色層がその下の感熱記録紙のベ
ースに接触した状態となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、個人用のビ
デオプリンタは、使用頻度が少ないために、感熱記録紙
を給紙カセットに入れたまま放置されることが多い。こ
の場合には、ベースと感熱発色層の熱膨張率等の違いか
ら、給紙カセットの内部で、感熱記録紙がカールする。
この結果、カールした感熱記録紙とこの下にある感熱記
録紙との間に隙間が形成される。この隙間が形成される
と、カールした感熱記録紙の感熱発色層のほぼ全面が露
出するから、感熱発色層の含水率が大きくなる。感熱発
色層は含水率によって発色特性が変化するため、カール
した感熱記録紙は、画像データに応じた熱エネルギーを
与えても、所望の濃度に発色させることができなくなる
欠点があった。
【0004】本発明は、感熱記録紙のカールに起因する
吸湿を防止することができる給紙カセットを提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、中央部が開口しており、感熱記録紙の
周辺に当接する枠板と、枠板を感熱記録紙の積層方向に
向けて押圧する枠板押圧片と感熱記録紙の中心部を感熱
記録紙の積層方向に向けて押圧する紙押さえ片とをもっ
たバネ板とから押圧手段を構成したものである。
【0006】これによれば、枠板押圧片の押圧を利用し
て枠板が感熱記録紙の周辺を積層方向に押圧し、且つ、
バネ板の紙押さえ片が感熱記録紙の中心部を積層方向に
直接に押圧するから、感熱記録紙の端が捲れ上がるカー
ル、及び中心部が凸となるカールとを防ぐことができ
る。
【0007】
【実施例】図1に示したように、給紙カセット10は、
カセット本体11、枠板12、バネ板13、及びカセッ
ト蓋14とから構成されている。このカセット本体11
と枠板12との間には、多数積層したカラー感熱記録紙
15がセットされる。この給紙カセット10は、カセッ
ト装填室内に装填され、このカセット室内に配置した給
紙ローラによって、カラー感熱記録紙15のうち一番下
にあるものが送り出される。
【0008】カラー感熱記録紙15は、ベースに上質
紙、又はPET(ポリエチレンテレフタレート)が用い
られており、このベースの上にシアン感熱発色層、イエ
ロー感熱発色層、マゼンタ感熱発色層が順次層設されて
いる。
【0009】カセット本体11は、上面に開口16が形
成されており、ここから多数積層したカラー感熱記録紙
15が感熱発色層を下向きにして収納される。カセット
本体11の底面には、図2に示すように、先端側に開口
17が形成されており、この開口17を通って一番下に
あるカラー感熱記録紙15が送り出される。この開口1
7には、カラー感熱記録紙15の先端側の両角に一対の
分離爪18が設けられている。この一対の分離爪18
は、カラー感熱記録紙15の多数枚送りを防止する。そ
して、開口17を除いた底面には、給紙ローラ30が入
り込むための切り欠き部20が形成されており、切り欠
き部20を構成する周りには、多数枚のカラー感熱記録
紙15を下方から支持する支持枠21がカセット本体1
1に一体に形成されている。
【0010】枠板12は、図3及び図4に示すように、
4つの縁12a〜12dで構成された輪郭サイズがカラ
ー感熱記録紙15のサイズと同じとなっており、カセッ
ト本体11に収納された一番上のカラー感熱記録紙15
の周辺に載置される。
【0011】カセット蓋14には、弾性自在なバネ板1
3が取り付けられている。バネ板13には、一対の枠板
押圧片14aと4つの紙押さえ片15bとがそれぞれ形
成されている。カセット蓋14をカセット本体11に被
せると、カセット蓋14に設けられ凹部23がカセット
本体11に設けられた凸部24に係合し、一対の枠板押
圧片13aが枠板12のうちカラー感熱記録紙15の給
紙方向に沿った縁12a,12cを上方から押圧する。
4つの紙押さえ片13bは、一対の枠板押圧片13aの
両側にそれぞれ形成されており、カセット蓋14をカセ
ット本体11に被せると、カセット本体11に収納され
た一番上のカラー感熱記録紙15の中心部を上方から押
圧する。
【0012】これらの一対の枠板押圧片13a、及び紙
押さえ片13bは、弾性を得るために折り曲げて形成さ
れており、最終のカラー感熱記録紙15までも押圧する
ことができる。また紙押さえ片13bは、カラー感熱記
録紙15にスリ傷等を付けないように、カラー感熱記録
紙15に当接する部分がくの字型に折り曲げられてい
る。
【0013】サーマルプリンタ26は、図5に示すよう
に、カセット装填室27、プリント部28、排出口29
等から構成されている。カセット装填室27には、給紙
ローラ30と、カセット装填室27からプリント部28
に送り出す際のガイドとなる給紙通路31とが設けられ
ている。プリント部28は、カラー感熱記録紙15を感
熱記録方式によってカラープリントするものであり、例
えば、プラテンドラムの周りにカラー感熱記録紙15を
巻き付け、プランテンドラムの回転中にサーマルヘッド
でカラー感熱記録紙15にイエロー、マゼンタ、及びシ
アンの3色の画像を面順次で熱記録する。この際、イエ
ロー色の画像を熱記録した後にはイエロー定着用紫外線
ランプでイエロー感熱発色層の定着を、またマゼンタ色
の画像を熱記録した後にはマゼンタ定着用紫外線ランプ
でマゼンタ感熱発色層の定着を行う。そして、最後のシ
アン色の画像が熱記録された後にカラー感熱記録紙15
を排出口29に送り出す。
【0014】次に、上記実施例の作用を説明する。ま
ず、カセット本体11に複数枚のカラー感熱記録紙15
を積層して収納する。その後、枠板12をカラー感熱記
録紙15の一番上に載置した後にカセット蓋14を取り
付ける。これにより、給紙カセット10は、カセット蓋
14の凹部23にカセット本体11の凸部24が係合
し、カセット蓋14がカセット本体11に固定される。
このとき、一対の枠板押圧片13aが枠板12の縁12
a,12cを上方から押圧し、カラー感熱記録紙15の
給送方向に沿った縁が上方に捲れ上がるカールが防止さ
れる。さらに、4つの紙押さえ片13bが一番上のカラ
ー感熱記録紙15の中心部を上方から押圧するため、カ
ラー感熱記録紙15の中心部が凸となるカールが防止さ
れる。そして、この給紙カセット10を図5に示すよう
にカセット装填室27にセットする。
【0015】プリントする際には、プリントキーが操作
される。これにより、給紙ローラ30が図5に示す矢印
方向に回転して一番下のカラー感熱記録紙15を給紙す
る。この給紙時には、分離爪18によって多数枚送りが
防止される。給紙されたカラー感熱記録紙は、開口17
を通って給紙通路31に送り出され、さらに、給紙通路
31を通ってプリント部28に搬送される。プリント部
28では、搬送されてきたカラー感熱記録紙15の先端
をクランプ部材によって固定し、クランプ部材とともに
プランテドラムを回転させ、カラー感熱記録紙15をプ
ラテンドラムの外周に巻き付ける。このとき、カラー感
熱記録紙15は、感熱発色層を外側に向けた状態で巻き
付けられる。
【0016】サーマルヘッドは、プラテンドラムの1周
目の搬送時にカラー感熱記録紙15のイエロー感熱発色
層を熱記録する。この熱記録が行われた部分がイエロー
定着用紫外線ランプの下にくると、イエロー感熱発色層
の定着が行われる。
【0017】プラテンドラムが更に回転され、カラー感
熱記録紙15の搬送が2周目に入ると、サーマルヘッド
がマゼンタ感熱記録層を熱記録する。このときにはイエ
ロー定着紫外線ランプが消灯され、代わりにマゼンタ定
着用紫外線ランプが点灯され、マゼンタ感熱発色層の定
着が行われる。そして、カラー感熱記録紙15が3周目
に入ると、サーマルヘッドがシアン感熱発色層を熱記録
する。なお、このシアン感熱発色層は定着が行われな
い。
【0018】その後、カラー感熱記録紙15の搬送が4
周目に入ると、クランプ部材が退避してカラー感熱記録
紙15を排出口29に排出する。
【0019】なお、カセット蓋14を上方に引いて凸部
24が凹部23を乗り越えさせればカセット蓋14が簡
単に取り外せるから、カラー感熱記録紙15の補充が簡
単に行える。
【0020】上記実施例では、カセット本体11の形状
としては、底面の支持枠21を塞いだ形状としてもよ
い。この場合には、給紙ローラ30の入り込む分だけ開
口17を大きく形成すればよい。
【0021】また、上記実施例では、枠板12とバネ板
13とから構成される押圧手段をカラー感熱記録紙15
の上方から押圧しているが、本発明ではこれに限らず、
例えば押圧手段によってカラー感熱記録紙15の下方か
ら上方に向けて押圧させるようにしてもよい。この場合
には、給紙カセット10の上面から給紙ローラによって
カラー感熱記録紙15を給紙させる。
【0022】さらに、上記実施例では、カラー感熱記録
紙の副走査方向に相対移動して記録するラインプリンタ
としているが、サーマルヘッドを副走査方向に相対移動
して記録するラインプリンタとしてもよい。さらにま
た、上記実施例では、二次元に相対移動して記録するシ
リアルプリンタに対しても適用することができる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
枠板押圧片の押圧を利用して枠板が感熱記録紙の周辺を
押圧し、且つ、バネ板の紙押さえ片が感熱記録紙の中心
部を直接に押圧するから、感熱記録紙の端が捲れ上がる
カール、及び中心部が凸となるカールとを防ぐことがで
きる。これにより、感熱記録紙を相互に密着させた状態
に維持することができるから、感熱記録紙を湿気から保
護することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】給紙カセットの分解斜視図である。
【図2】カセット本体の底面図である。
【図3】給紙カセットの横断面図である。
【図4】給紙カセットの縦断面図である。
【図5】サーマルプリンタの概略を示す説明図である。
【符号の説明】
10 給紙カセット 11 カセット本体 12 枠板 13 バネ板 13a 枠板押圧片 13b 紙押さえ片 14 カセット蓋 15 カラー感熱記録紙

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の感熱記録紙を収納し、前記感熱
    記録紙がカールしないように感熱記録紙の積層方向に沿
    って押圧する押圧手段を備えた給紙カセットにおいて、 前記押圧手段は、中央部が開口しており、前記感熱記録
    紙の周辺に当接する枠板と、 前記枠板を感熱記録紙の積層方向に向けて押圧する枠板
    押圧片と、前記感熱記録紙の中心部を感熱記録紙の積層
    方向に向けて押圧する紙押さえ片とをもったバネ板とか
    ら構成されていることを特徴とする給紙カセット。
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