JP2970064B2 - 反射型映写スクリーン - Google Patents
反射型映写スクリーンInfo
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- JP2970064B2 JP2970064B2 JP3143480A JP14348091A JP2970064B2 JP 2970064 B2 JP2970064 B2 JP 2970064B2 JP 3143480 A JP3143480 A JP 3143480A JP 14348091 A JP14348091 A JP 14348091A JP 2970064 B2 JP2970064 B2 JP 2970064B2
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- screen
- projection screen
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- Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、映写スクリーン、とく
に液晶テレビジョン投影用の反射型映写スクリーンに関
する。
に液晶テレビジョン投影用の反射型映写スクリーンに関
する。
【0002】
【従来の技術】反射型映写スクリーンは、液晶テレビジ
ョン、液晶プロジェクターなどの投影装置の普及にとも
ない、より鮮明な画像を得るために種々の改善が提案さ
れている。
ョン、液晶プロジェクターなどの投影装置の普及にとも
ない、より鮮明な画像を得るために種々の改善が提案さ
れている。
【0003】出願人も、映写スクリーンとして適切な拡
散性と反射率をもち、しかもシワがつきにくく取扱いの
容易な反射型映写スクリーンとして、暗色のプラスチッ
クシートである光吸収層上に、ガラス繊維の基布、白色
不透明で柔軟なプラスチックの基材シートの上面に光輝
性顔料または方解石の粉末を含有するインキで印刷した
反射層を有する反射シート、および光輝性顔料または方
解石の粉末を含有する半透明で柔軟なプラスチックの光
拡散層を順に設け、表面にエンボスを施した映写スクリ
ーンを提案し、あわせて、暗色インキのベタ印刷層であ
る光吸収層を有する白色不透明で柔軟なプラスチックの
基材シートの非印刷面上に、ガラス繊維の基布、および
光輝性顔料または方解石の粉末を練り込んだ光拡散層と
なる半透明で柔軟なプラスチックシートの下面に光輝性
顔料または方解石の粉末を含有するインキの層を有する
シートを順に設け、表面にエンボスを施した映写スクリ
ーンを提案した(ともに実願平3−2462号)。
散性と反射率をもち、しかもシワがつきにくく取扱いの
容易な反射型映写スクリーンとして、暗色のプラスチッ
クシートである光吸収層上に、ガラス繊維の基布、白色
不透明で柔軟なプラスチックの基材シートの上面に光輝
性顔料または方解石の粉末を含有するインキで印刷した
反射層を有する反射シート、および光輝性顔料または方
解石の粉末を含有する半透明で柔軟なプラスチックの光
拡散層を順に設け、表面にエンボスを施した映写スクリ
ーンを提案し、あわせて、暗色インキのベタ印刷層であ
る光吸収層を有する白色不透明で柔軟なプラスチックの
基材シートの非印刷面上に、ガラス繊維の基布、および
光輝性顔料または方解石の粉末を練り込んだ光拡散層と
なる半透明で柔軟なプラスチックシートの下面に光輝性
顔料または方解石の粉末を含有するインキの層を有する
シートを順に設け、表面にエンボスを施した映写スクリ
ーンを提案した(ともに実願平3−2462号)。
【0004】このような映写スクリーンを使用したとこ
ろ、ときにモアレ縞が発生し、画像を鮮明にみることが
できないということが経験された。
ろ、ときにモアレ縞が発生し、画像を鮮明にみることが
できないということが経験された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような問題を解消し、常に鮮明な画像を確保できる反
射型映写スクリーンを提供することにある。
のような問題を解消し、常に鮮明な画像を確保できる反
射型映写スクリーンを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の反射型映写スク
リーンのひとつの態様は、暗色のプラスチックシートで
ある光吸収層上に、可撓性をもった基布または剛性をも
った基板、白色不透明で柔軟なプラスチックの基材シー
トの上面に光輝性顔料または方解石の粉末を含有するイ
ンキで印刷した反射層を有する反射シート、および光輝
性顔料または方解石の粉末を含有する半透明で柔軟なプ
ラスチックの光拡散層を順に設け、表面にエンボスを施
してなる反射型映写スクリーンにおいて、エンボスの凹
凸パターンが周期性を有しないものであるか、または周
期性を有するときも、凹凸パターンの周期の方向が投影
画素の周期の方向に対して15〜75°の傾きをもって
いることを特徴とする。
リーンのひとつの態様は、暗色のプラスチックシートで
ある光吸収層上に、可撓性をもった基布または剛性をも
った基板、白色不透明で柔軟なプラスチックの基材シー
トの上面に光輝性顔料または方解石の粉末を含有するイ
ンキで印刷した反射層を有する反射シート、および光輝
性顔料または方解石の粉末を含有する半透明で柔軟なプ
ラスチックの光拡散層を順に設け、表面にエンボスを施
してなる反射型映写スクリーンにおいて、エンボスの凹
凸パターンが周期性を有しないものであるか、または周
期性を有するときも、凹凸パターンの周期の方向が投影
画素の周期の方向に対して15〜75°の傾きをもって
いることを特徴とする。
【0007】本発明の反射型映写スクリーンのいまひと
つの態様は、暗色インキのベタ印刷層である光吸収層を
有する白色不透明で柔軟なプラスチックの基材シートの
非印刷面上に、可撓性をもった基布または剛性をもった
基板、および光輝性顔料または方解石の粉末を練り込ん
だ光拡散層となる半透明で柔軟なプラスチックシートの
下面に光輝性顔料または方解石の粉末を含有するインキ
の層を有するシートを順に設け、表面にエンボスを施し
てなる反射型映写スクリーンにおいて、エンボスの凹凸
パターンが周期性を有しないものであるか、または周期
性を有するときも、凹凸パターンの周期の方向が投影画
素の周期の方向に対して15〜75°の傾きをもってい
ることを特徴とする。
つの態様は、暗色インキのベタ印刷層である光吸収層を
有する白色不透明で柔軟なプラスチックの基材シートの
非印刷面上に、可撓性をもった基布または剛性をもった
基板、および光輝性顔料または方解石の粉末を練り込ん
だ光拡散層となる半透明で柔軟なプラスチックシートの
下面に光輝性顔料または方解石の粉末を含有するインキ
の層を有するシートを順に設け、表面にエンボスを施し
てなる反射型映写スクリーンにおいて、エンボスの凹凸
パターンが周期性を有しないものであるか、または周期
性を有するときも、凹凸パターンの周期の方向が投影画
素の周期の方向に対して15〜75°の傾きをもってい
ることを特徴とする。
【0008】基材シートおよび光拡散層に使用するプラ
スチックは、柔軟なものであればよく、たとえばポリ塩
化ビニルが代表的であり、そのほかにポリプロピレンや
ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフ
タレート等のポリエステル、ポリカーボネート、アクリ
ル樹脂などが適当である。 とくに、ポリ塩化ビニル1
00重量部に対して可塑剤を50〜60重量部程度加え
た、軟質の材料が好適である。 基材シートおよび光拡
散層の厚さは、ともに0.05〜1mmの範囲でよい。
スチックは、柔軟なものであればよく、たとえばポリ塩
化ビニルが代表的であり、そのほかにポリプロピレンや
ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフ
タレート等のポリエステル、ポリカーボネート、アクリ
ル樹脂などが適当である。 とくに、ポリ塩化ビニル1
00重量部に対して可塑剤を50〜60重量部程度加え
た、軟質の材料が好適である。 基材シートおよび光拡
散層の厚さは、ともに0.05〜1mmの範囲でよい。
【0009】基材シートとしては、白色顔料と光輝性顔
料とをプラスチックに混練して製膜したシートを用いる
こともできるが、粗粒の光輝性顔料を多量に、かつ均一
にプラスチック中に分散させることは困難であるし、高
価な光輝性顔料を多量に使用することは得策でなく、さ
らにこのようなシートは可撓性が低いから、白色顔料だ
けを混練して製膜したシート上に光輝性顔料入りのイン
キを印刷することが有利である。 白色顔料としては、
二酸化チタン(チタンホワイト)が、白色度、隠蔽性の
点で最適であるが、そのほかに三酸化アンチモン、亜鉛
華等も使用できる。
料とをプラスチックに混練して製膜したシートを用いる
こともできるが、粗粒の光輝性顔料を多量に、かつ均一
にプラスチック中に分散させることは困難であるし、高
価な光輝性顔料を多量に使用することは得策でなく、さ
らにこのようなシートは可撓性が低いから、白色顔料だ
けを混練して製膜したシート上に光輝性顔料入りのイン
キを印刷することが有利である。 白色顔料としては、
二酸化チタン(チタンホワイト)が、白色度、隠蔽性の
点で最適であるが、そのほかに三酸化アンチモン、亜鉛
華等も使用できる。
【0010】基材シートへの印刷に使用するインキは、
通常のインキビヒクル中に光輝性顔料または方解石の粉
末を分散したインキ(以下、「光輝性インキ」という)
である。 光輝性顔料の例をあげれば、次のとおりであ
る。 (イ)パール顔料と称するもの、具体的には貝が
らの内側の部分や真珠を砕粉したもの、マイカ、マイカ
の微粒子にTiO2または酸化鉄を焼き付けたもの、
(ロ)金属粉、具体的には銅、アルミニウム、真ちゅ
う、青銅、金、銀などの、好ましくは1〜120μmの
微粒子、(ハ)蒸着されたプラスチックフィルムの砕
片、たとえばポリエチレンテレフタレートフィルムに上
記のような金属、通常はアルミニウムを蒸着し、粉砕し
たもの。
通常のインキビヒクル中に光輝性顔料または方解石の粉
末を分散したインキ(以下、「光輝性インキ」という)
である。 光輝性顔料の例をあげれば、次のとおりであ
る。 (イ)パール顔料と称するもの、具体的には貝が
らの内側の部分や真珠を砕粉したもの、マイカ、マイカ
の微粒子にTiO2または酸化鉄を焼き付けたもの、
(ロ)金属粉、具体的には銅、アルミニウム、真ちゅ
う、青銅、金、銀などの、好ましくは1〜120μmの
微粒子、(ハ)蒸着されたプラスチックフィルムの砕
片、たとえばポリエチレンテレフタレートフィルムに上
記のような金属、通常はアルミニウムを蒸着し、粉砕し
たもの。
【0011】インキに占める光輝性顔料の割合は高い方
が好ましいが、ビヒクルの割合が低すぎると基材シート
上の印刷層形成が難しくなるので、インキ組成は、顔料
100重量部に対しビヒクル5〜50重量部が好まし
い。
が好ましいが、ビヒクルの割合が低すぎると基材シート
上の印刷層形成が難しくなるので、インキ組成は、顔料
100重量部に対しビヒクル5〜50重量部が好まし
い。
【0012】方解石の粉末は、平均粒径が2〜20μm
のものが好適であって、その粒度分布はなるべく狭いこ
とが好ましい。 たとえば平均粒径5μmの場合、80
重量%以上が3〜7μmの範囲に入るような粒度分布で
ある。 上記と同じ理由により、インキの組成は、方解
石粉末100重量部に対しビヒクル10〜100重量
部、とくに10〜50重量部の範囲が好ましい。
のものが好適であって、その粒度分布はなるべく狭いこ
とが好ましい。 たとえば平均粒径5μmの場合、80
重量%以上が3〜7μmの範囲に入るような粒度分布で
ある。 上記と同じ理由により、インキの組成は、方解
石粉末100重量部に対しビヒクル10〜100重量
部、とくに10〜50重量部の範囲が好ましい。
【0013】印刷は、グラビア法、シルクスクリーン法
等の印刷法や、スプレーコート、ロールコート等の塗布
法をはじめとする既知の手法によればよく、印刷層の厚
さは、乾燥状態で1μm以上あれば足りる。
等の印刷法や、スプレーコート、ロールコート等の塗布
法をはじめとする既知の手法によればよく、印刷層の厚
さは、乾燥状態で1μm以上あれば足りる。
【0014】光拡散層とするプラスチックに添加する光
輝性顔料または方解石粉末は、上記と同様なものでよい
が、分散する量は0.5〜10重量%、とくに2重量%
程度が好ましい。 光反射層は、光の均一で等方的な反
射の点からは前記した光輝性顔料を含む塗料を印刷塗工
して形成することが好ましいが、基材シート上にアルミ
ニウム、クロム等の金属薄膜を蒸着させて、形成しても
よい。
輝性顔料または方解石粉末は、上記と同様なものでよい
が、分散する量は0.5〜10重量%、とくに2重量%
程度が好ましい。 光反射層は、光の均一で等方的な反
射の点からは前記した光輝性顔料を含む塗料を印刷塗工
して形成することが好ましいが、基材シート上にアルミ
ニウム、クロム等の金属薄膜を蒸着させて、形成しても
よい。
【0015】可撓性をもつ基布は、スクリーンの寸法安
定性を高めるためのものであり、とくに巻上げ式スクリ
ーンとして使用したときには、引き下したスクリーンが
たるまないようにするはたらきを要求される。 また、
巻き上げて保管したスクリーンを再度巻戻して映写に使
用するときに、巻きぐせが残っていると映像が歪むた
め、基布は十分な弾性復元性をもつことを要求される。
これらの要求を満たすものは、ガラス繊維の織布また
は不織布である。
定性を高めるためのものであり、とくに巻上げ式スクリ
ーンとして使用したときには、引き下したスクリーンが
たるまないようにするはたらきを要求される。 また、
巻き上げて保管したスクリーンを再度巻戻して映写に使
用するときに、巻きぐせが残っていると映像が歪むた
め、基布は十分な弾性復元性をもつことを要求される。
これらの要求を満たすものは、ガラス繊維の織布また
は不織布である。
【0016】巻上げ可能な可撓性シート状の映写スクリ
ーンには、種々の態様が考えられる。 たとえば、前記
したプラスチック基材シート、基布の単体または積層体
の中に前記の光輝性顔料を練り込むか、または表面塗工
したシートの表面に、微細凹凸をエンボス加工により全
面に設けたものである。
ーンには、種々の態様が考えられる。 たとえば、前記
したプラスチック基材シート、基布の単体または積層体
の中に前記の光輝性顔料を練り込むか、または表面塗工
したシートの表面に、微細凹凸をエンボス加工により全
面に設けたものである。
【0017】固定式のスクリーンには、剛性をもった基
板、たとえば金属板、木質板、プラスチック板を用い
る。
板、たとえば金属板、木質板、プラスチック板を用い
る。
【0018】光吸収層となるプラスチックシートは、暗
色たとえばアニリンブラック、カーボンブラック、べん
がら等の黒色、黒褐色、濃紺色の顔料を、基材シートと
同様なプラスチック材料に練り込み、成形したものであ
る。 このシートの厚さは、反射シートと光拡散層との
合計の厚さと同程度にすると、スクリーンが厚さ方向に
バランスのとれたものとなり好ましい。
色たとえばアニリンブラック、カーボンブラック、べん
がら等の黒色、黒褐色、濃紺色の顔料を、基材シートと
同様なプラスチック材料に練り込み、成形したものであ
る。 このシートの厚さは、反射シートと光拡散層との
合計の厚さと同程度にすると、スクリーンが厚さ方向に
バランスのとれたものとなり好ましい。
【0019】上記のスクリーンは、光吸収層となるプラ
スチックシートと、反射層と光拡散層との積層体を、基
布または基板を挟んで加熱加圧して一体化し、同時に拡
散層の表面にエンボスを施すことによって製造できる。
一体化は、熱融着法、ドライラミネート法のいずれに
よってもよい。
スチックシートと、反射層と光拡散層との積層体を、基
布または基板を挟んで加熱加圧して一体化し、同時に拡
散層の表面にエンボスを施すことによって製造できる。
一体化は、熱融着法、ドライラミネート法のいずれに
よってもよい。
【0020】反射シートと光拡散層との積層は、反射シ
ート上に、光拡散層となるプラスチックシートをラミネ
ートすることによって行なえるほか、光拡散層となるプ
ラスチックのゾルをコーティングすることによっても可
能である。
ート上に、光拡散層となるプラスチックシートをラミネ
ートすることによって行なえるほか、光拡散層となるプ
ラスチックのゾルをコーティングすることによっても可
能である。
【0021】エンボスのパターンは、梨地、砂目、ヘア
ラインのような、凹凸パターンに周期性が全くないもの
が好適である。 在来の反射型映写スクリーンに常用さ
れている、波型が90°交叉するパターンや、格子、四
角形や六角形のセル状凹みが連続するパターンも可能で
ある。 ただし、このような周期性をもった凹凸パター
ンの場合は、前記したように、凹凸パターンの周期の方
向が投影画素の周期の方向に対して15〜75°の傾き
をもっていなければならない。
ラインのような、凹凸パターンに周期性が全くないもの
が好適である。 在来の反射型映写スクリーンに常用さ
れている、波型が90°交叉するパターンや、格子、四
角形や六角形のセル状凹みが連続するパターンも可能で
ある。 ただし、このような周期性をもった凹凸パター
ンの場合は、前記したように、凹凸パターンの周期の方
向が投影画素の周期の方向に対して15〜75°の傾き
をもっていなければならない。
【0022】第二の態様における光吸収層は、通常の印
刷を使用して、グラビア法、スクリーン法など既知の手
法で形成すればよい。 スクリーンの製造も、基材シー
トと半透明なプラスチックシートを、基布または基板を
挟んで加熱加圧して一体化すると同時に、エンボスを施
すという前記と同様の方法でよい。
刷を使用して、グラビア法、スクリーン法など既知の手
法で形成すればよい。 スクリーンの製造も、基材シー
トと半透明なプラスチックシートを、基布または基板を
挟んで加熱加圧して一体化すると同時に、エンボスを施
すという前記と同様の方法でよい。
【0023】本発明の反射型映写スクリーンの表面に、
暗色のインキで外枠を、シルクスクリーン印刷など適宜
の手段で印刷しておくと、画像の端のトリミングが適切
に行われる上に、画面が一層鮮明になるから、これは推
奨される態様である。
暗色のインキで外枠を、シルクスクリーン印刷など適宜
の手段で印刷しておくと、画像の端のトリミングが適切
に行われる上に、画面が一層鮮明になるから、これは推
奨される態様である。
【0024】映写スクリーンの使用時に臨場感を出した
い、という要望に対しては、スクリーンの後にスピーカ
ーを置き、その位置に多数の小孔を設けるとよい。 ス
クリーンに設ける小孔の大きさは、直径が0.5〜2.
0mmの範囲が適当であり、その開口比は、大きすぎる
と孔が目立つ上にスクリーンの裏側が見えてしまい、小
さすぎると音が通過しにくくなるので、15〜65%、
とくに30〜50%の範囲にすることが好ましい。 こ
こで「開口比」とは、スクリーンの音が通過する部分の
面積に対する、小孔の面積の合計の割合である。 小孔
の形状は、円または楕円にすると、スクリーンが引張ら
れたときにも裂けにくくて好ましい。小孔はスクリーン
の全面に設けてもよいが、固定式スクリーンのようにそ
の背後に配置するスピーカーの位置が定まっている場合
は、スピーカーに対向する部分にのみ小孔を設ければよ
い。 スクリーンの穿孔は、刃型による打抜き、ドリル
穿孔、CO2レーザによる溶融などの手段で行なう。
い、という要望に対しては、スクリーンの後にスピーカ
ーを置き、その位置に多数の小孔を設けるとよい。 ス
クリーンに設ける小孔の大きさは、直径が0.5〜2.
0mmの範囲が適当であり、その開口比は、大きすぎる
と孔が目立つ上にスクリーンの裏側が見えてしまい、小
さすぎると音が通過しにくくなるので、15〜65%、
とくに30〜50%の範囲にすることが好ましい。 こ
こで「開口比」とは、スクリーンの音が通過する部分の
面積に対する、小孔の面積の合計の割合である。 小孔
の形状は、円または楕円にすると、スクリーンが引張ら
れたときにも裂けにくくて好ましい。小孔はスクリーン
の全面に設けてもよいが、固定式スクリーンのようにそ
の背後に配置するスピーカーの位置が定まっている場合
は、スピーカーに対向する部分にのみ小孔を設ければよ
い。 スクリーンの穿孔は、刃型による打抜き、ドリル
穿孔、CO2レーザによる溶融などの手段で行なう。
【0025】
【作用】液晶テレビジョンの画像は、縦方向および横方
向に周期的に繰り返される四角形などの画素パターンと
して、映写スクリーンの反射面に投影される。 映写ス
クリーンの表面のエンボスが、映画用に使われて来たよ
うな、四角形の凹部が縦横方向に周期的に分布したパタ
ーン(たとえば、実開昭64−40835号公報に開示
のもの)であると、投影された画素とスクリーンの凹凸
パターンとの間の相互作用でモアレ縞を発生する。 こ
れが、画像の鮮明さを損う原因であることがわかった。
向に周期的に繰り返される四角形などの画素パターンと
して、映写スクリーンの反射面に投影される。 映写ス
クリーンの表面のエンボスが、映画用に使われて来たよ
うな、四角形の凹部が縦横方向に周期的に分布したパタ
ーン(たとえば、実開昭64−40835号公報に開示
のもの)であると、投影された画素とスクリーンの凹凸
パターンとの間の相互作用でモアレ縞を発生する。 こ
れが、画像の鮮明さを損う原因であることがわかった。
【0026】そこで、エンボスの凹凸パターンを周期性
が全く無いもの、たとえば前掲の梨地や砂目のパターン
にすれば、上記の問題は解消する。 周期性があって
も、凹凸パターンの周期の方向と画素の周期の方向が並
行でなくある程度傾いていれば、相互の干渉が起こり難
く、モアレ現象は生じない。 この程度が、前記した少
なくとも15°の傾斜である。 75°の上限は、凹凸
パターンの周期の方向が、多くの場合90°の角度で交
叉する二方向にわたっていて、一方の傾斜が75°を超
えると、他方の傾斜から15°を下回る結果となるから
である。 一般に、傾斜は30°とか45°にすると、
上記の効果が確実になって好ましい。
が全く無いもの、たとえば前掲の梨地や砂目のパターン
にすれば、上記の問題は解消する。 周期性があって
も、凹凸パターンの周期の方向と画素の周期の方向が並
行でなくある程度傾いていれば、相互の干渉が起こり難
く、モアレ現象は生じない。 この程度が、前記した少
なくとも15°の傾斜である。 75°の上限は、凹凸
パターンの周期の方向が、多くの場合90°の角度で交
叉する二方向にわたっていて、一方の傾斜が75°を超
えると、他方の傾斜から15°を下回る結果となるから
である。 一般に、傾斜は30°とか45°にすると、
上記の効果が確実になって好ましい。
【0027】
[実施例1]厚さ0.13mmの白色塩ビカレンダーシー
ト(DOP:60phr)を基材シートとし、その上に下
記組成の光輝性インキを、乾燥時の厚さが3μmとなる
ようにグラビア印刷して反射シートを得た。
ト(DOP:60phr)を基材シートとし、その上に下
記組成の光輝性インキを、乾燥時の厚さが3μmとなる
ようにグラビア印刷して反射シートを得た。
【0028】 光輝性インキ ビヒクル(PVC) 100重量部 顔料(チタンコーティング雲母) 20重量部 厚さ0.28mmの黒色PVCシート(可塑性としてDO
Pを60phr含む)を光吸収層とし、その上にガラス繊
維織布の基布、上記の反射シート、パール顔料(チタン
コーティング雲母)約2重量%を混練し押出し成形した
厚さ0.15mmの半透明なPVCシート(DOP:60
phr)、および砂目調のエンボス版を順に重ね、熱圧ダ
ブリングにより一体化するとともにエンボス加工した。
Pを60phr含む)を光吸収層とし、その上にガラス繊
維織布の基布、上記の反射シート、パール顔料(チタン
コーティング雲母)約2重量%を混練し押出し成形した
厚さ0.15mmの半透明なPVCシート(DOP:60
phr)、および砂目調のエンボス版を順に重ね、熱圧ダ
ブリングにより一体化するとともにエンボス加工した。
【0029】得られた本発明の映写スクリーンは、ピー
クゲインが縦方向2.16、横方向1.84であって、
液晶テレビジョンの画像を投影したとき、鮮明な反射画
像を見ることができた。
クゲインが縦方向2.16、横方向1.84であって、
液晶テレビジョンの画像を投影したとき、鮮明な反射画
像を見ることができた。
【0030】[実施例2]基材シートとして厚さ0.2
0mmの白色塩ビカレンダーシート、厚さ5mmのアクリル
樹脂製の基板、および実施例1と同様な厚さ0.20mm
の半透明PVCシートを用意した。
0mmの白色塩ビカレンダーシート、厚さ5mmのアクリル
樹脂製の基板、および実施例1と同様な厚さ0.20mm
の半透明PVCシートを用意した。
【0031】基材シートにカーボンブラック等の顔料を
用いた黒色インキをベタ印刷し、非印刷面上に、基板、
および実施例1の光輝性インキで厚さ5μmの印刷層を
設けた半透明シートを印刷面を下にして重ね、実施例1
と同様に一体化するとともに、エンボス加工を施した。
エンボスは、一方向に並行な突条が微細なピッチで並
び、その間を多数の、両端において高く、中央でやや低
くなった突条で連結したパターンである。 ただし、そ
の方向を、45°傾斜させた。
用いた黒色インキをベタ印刷し、非印刷面上に、基板、
および実施例1の光輝性インキで厚さ5μmの印刷層を
設けた半透明シートを印刷面を下にして重ね、実施例1
と同様に一体化するとともに、エンボス加工を施した。
エンボスは、一方向に並行な突条が微細なピッチで並
び、その間を多数の、両端において高く、中央でやや低
くなった突条で連結したパターンである。 ただし、そ
の方向を、45°傾斜させた。
【0032】得られたスクリーン表面に、黒色インキを
シルクスクリーン印刷して幅3cmの黒線で外枠を設け、
対角線の長さが100インチの正方形状に囲われた本発
明の反射型映写スクリーンを製造した。 このスクリー
ンも、液晶プロジェクターからの画像を鮮明さを損うこ
となく投影できた。
シルクスクリーン印刷して幅3cmの黒線で外枠を設け、
対角線の長さが100インチの正方形状に囲われた本発
明の反射型映写スクリーンを製造した。 このスクリー
ンも、液晶プロジェクターからの画像を鮮明さを損うこ
となく投影できた。
【0033】
【発明の効果】本発明の映写スクリーンは、周期性をも
って繰り返される画素の集まりである画像を投影したと
きも、モアレ縞などに悩まされることなく、常に鮮明な
画像を見ることのできるスクリーンである。 そのほ
か、通常の映画などを見る映写スクリーンとしても有用
であることは、もちろんである。
って繰り返される画素の集まりである画像を投影したと
きも、モアレ縞などに悩まされることなく、常に鮮明な
画像を見ることのできるスクリーンである。 そのほ
か、通常の映画などを見る映写スクリーンとしても有用
であることは、もちろんである。
Claims (3)
- 【請求項1】 暗色のプラスチックシートである光吸収
層上に、可撓性をもった基布または剛性をもった基板、
白色不透明で柔軟なプラスチックの基材シートの上面に
光輝性顔料または方解石の粉末を含有するインキで印刷
した反射層を有する反射シート、および光輝性顔料また
は方解石の粉末を含有する半透明で柔軟なプラスチック
の光拡散層を順に設け、表面にエンボスを施してなる反
射型映写スクリーンにおいて、エンボスの凹凸パターン
が周期性を有しないものであるか、または周期性を有す
るときも、凹凸パターンの周期の方向が投影画素の周期
の方向に対して15〜75°の傾きをもっていることを
特徴とする反射型映写スクリーン。 - 【請求項2】 暗色インキのベタ印刷層である光吸収層
を有する白色不透明で柔軟なプラスチックの基材シート
の非印刷面上に、可撓性をもった基布または剛性をもっ
た基板、および光輝性顔料または方解石の粉末を練り込
んだ光拡散層となる半透明で柔軟なプラスチックシート
の下面に光輝性顔料または方解石の粉末を含有するイン
キで印刷した反射層を有するシートを順に設け、表面に
エンボスを施してなる反射型映写スクリーンにおいて、
エンボスの凹凸パターンが周期性を有しないものである
か、または周期性を有するときも、凹凸パターンの周期
の方向が投影画素の周期の方向に対して15〜75°の
傾きをもっていることを特徴とする反射型映写スクリー
ン。 - 【請求項3】 光拡散層の表面の周囲に、暗色のインキ
で外枠を印刷した請求項1または2のスクリーン。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3143480A JP2970064B2 (ja) | 1991-06-14 | 1991-06-14 | 反射型映写スクリーン |
KR1019930700245A KR970002673B1 (ko) | 1991-06-03 | 1992-06-03 | 반사형 영사스크린, 그 제조방법 및 그 제조장치 |
PCT/JP1992/000715 WO1992022009A1 (fr) | 1991-06-03 | 1992-06-03 | Ecran de projection du type a reflection, procede et systeme de fabrication d'un tel ecran |
US08/155,660 US5361163A (en) | 1991-06-03 | 1992-06-03 | Reflection type projection screen, production process thereof, and production apparatus thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3143480A JP2970064B2 (ja) | 1991-06-14 | 1991-06-14 | 反射型映写スクリーン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04366939A JPH04366939A (ja) | 1992-12-18 |
JP2970064B2 true JP2970064B2 (ja) | 1999-11-02 |
Family
ID=15339684
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3143480A Expired - Fee Related JP2970064B2 (ja) | 1991-06-03 | 1991-06-14 | 反射型映写スクリーン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2970064B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2944926B2 (ja) * | 1996-02-29 | 1999-09-06 | 大日本印刷株式会社 | 反射型映写スクリーン |
JP3876718B2 (ja) * | 2002-01-15 | 2007-02-07 | オーエス工業株式会社 | 映写用スクリーン |
FR2859288B1 (fr) * | 2003-09-02 | 2006-02-10 | Screen Res | Ecran de projection, notamment pour video |
JP2014115581A (ja) * | 2012-12-12 | 2014-06-26 | Dainippon Printing Co Ltd | スクリーン構造体 |
JP5794435B2 (ja) * | 2013-09-25 | 2015-10-14 | ウシオ電機株式会社 | 画像表示システム、及び、反射型スクリーン |
-
1991
- 1991-06-14 JP JP3143480A patent/JP2970064B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04366939A (ja) | 1992-12-18 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |