JP3141154B2 - 絵箔糸の製造方法 - Google Patents

絵箔糸の製造方法

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JP3141154B2 JP09293932A JP29393297A JP3141154B2 JP 3141154 B2 JP3141154 B2 JP 3141154B2 JP 09293932 A JP09293932 A JP 09293932A JP 29393297 A JP29393297 A JP 29393297A JP 3141154 B2 JP3141154 B2 JP 3141154B2
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滋夫 中塚
勝治 西原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、模様乃至は紋様が
見た目に立体感のある絵箔糸の製造方法に関する。
【0002】本明細書において本発明に関し、「絵箔
糸」なる語は、模様乃至は紋様を絵付けした平箔から得
られた箔糸のみならず、紙やフィルム等のシート状基材
に金色箔や銀色箔を施さずに、模様乃至は紋様を絵付け
したものを所要幅に裁断して得られた糸を含む広義の意
味で使用されている。このことは、特許請求の範囲の項
及び以下の記載についても同じである。
【0003】
【従来の技術】従来、絵箔糸で立体感のある紋様を織物
に現出するには、箔糸を羅でん等の細片や千切り紙等か
らなる立体模様付きとし、これを用いて織物に立体紋様
を織り出すという、仕様に依存している。
【0004】このような従来技法は、高い生産性を望む
ことはできず、立体紋様の織り出しがコスト高となる
し、立体模様に深みのある遠近感に富む外観のものが得
られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、深み
のある遠近感に富む外観の紋様を付与することができ、
しかも、その紋様付与を低コストで達成できる絵箔糸の
製造方法を開発しようというものである。
【0006】また本発明は、多品種小ロットの場合、特
に有用な絵箔糸の製造法を開発しようというものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のため本発
明では、立体形象をスキャナにより記憶装置に入力し、
架橋ポリビニルアルコールの厚さ5μm以上のコーティ
ングを表面に施したシート状基材を絵付け素材に充て、
前記記憶装置に入力した立体形象データに基づき、イン
キジェット式プリンタにより、前記素材上のコーティン
グ面にモノクローム或いはカラー絵付けしたものを裁断
して絵箔糸とする。
【0008】本発明においては、表面に架橋ポリビニル
アルコールの厚さ5μm以上のコーティングを施したシ
ート状基材を絵付け素材に充てている。
【0009】この素材上のコーティン表面にインキジェ
ット式プリンタで絵付けすると、インキの滲み等のない
良好な絵付けが得られる。このようなコーティングが施
されていない面では、箔糸の基材に適した和紙やフィル
ム等のシート状素材の場合、インキジェット式プリンタ
による絵付けが不良となる。
【0010】本発明では、インキジェット式プリンタに
よる絵付けのための一種の原稿として、立体形象を充当
している。
【0011】立体形象をスキャナで記憶装置に入力し、
その入力した立体形象データに基づき、絵付け素材上の
前記コーティング面に、インキジェット式プリンタによ
りモノクロームまたはカラー絵付けすると、その絵付け
紋様は、見た目に深みのある遠近感に富む外観であるこ
とが本発明者の研究結果から認められた。特に、カラー
絵付けの場合、深みのある遠近感の外観はより良好であ
った。
【0012】本発明に係る当該素材における紋様は、前
記のように見た目に深みのある遠近感に富む外観であ
る。従って、この素材を裁断して得られた絵箔糸を織り
込んで織物に現出される紋様も、見た目に深みのある遠
近感に富む外観のものである。(この成果を便宜上Aと
いう) このように本発明において、絵箔糸を得るための素材に
遠近感に富む紋様の絵付けを、インキジェット式プリン
タにより達成し得ることは、織物に立体紋様を織り出す
べく、箔糸を羅でん等の細片や千切り紙等からなる立体
模様付きとする場合と異なり、得ようとする絵箔糸に対
して、高い生産性の下に、立体感ある紋様の現出能を付
与することが可能である。
【0013】本発明で成果Aが得られることは、次の意
義がある。
【0014】(1)典型的な引箔からなる絵糸を用いる
紋様の現出では、抽象的な紋様しか表現できない。例え
ば、西陣織の場合、絵画的な紋様は殆ど紋織物が主で、
従来の引箔は、抽象柄の背景としての現出にしか寄与し
ない。
【0015】本発明によれば、前記の絵付をした素材か
ら得られた糸を引箔に充てることにより、当該問題は解
消される。
【0016】(2)スキャナで記憶装置に立体形象を入
力する原稿として、紋織物の現物を充てる場合は、次の
結果が得られる。
【0017】本発明に係る絵箔糸で織物に現出される紋
様の外観は、前記紋織物の現物からなる原稿の紋におけ
る凹凸差、光沢差、及び経緯糸の交差部分の凹凸感等の
風合が、光りと陰の織りなした深みのある好ましい態様
を呈する。絵付けがカラーのときは、更に原稿の紋にお
ける色糸と金銀糸等との色の差及び光沢差が輻輳するの
で、織物の現出紋様の風合いにおける光と陰の織りなし
が、趣のより好ましいものとなる。即ち、本発明によれ
ば、紋織物による場合と異なり、紋織物の豪華な風合に
近似する趣の風合を簡潔に現出できる。
【0018】(3)また従来のスクリーンやグラビア印
刷等により、絵付け素材に光と陰の立体感ある多色模様
を表現するには、それに要する版の下絵の作製に長時間
がかかり、多品種小ロットの絵付け素材に対しては不向
きである。特に引箔の場合は、製紙の関係から絵付け素
材に幅の制約があって、現出すべき紋様が織物の経方向
に長く連続するときは、幾枚もの素材に分割して絵付け
を行わなければならず、多品種小ロットの絵付け素材に
一層不向きとなる。本発明によれば、この問題は解消さ
れる。
【0019】本発明において、ポリビニルアルコールの
ための架橋剤は、熱処理により活性イソシアネート基を
再生するブロック化イソシアネートタイプのポリイソシ
アネート系の架橋剤であり、京都市の第一工業製薬株式
会社製 エラストロン BNー08(商品名)を例とし
て挙げることができる。
【0020】この架橋剤はポリビニルアルコール水溶液
に添加して加熱すると、ブロック剤を解離して、活性イ
ソシアネート基が再生し、ポリビニルアルコールの官能
基と架橋反応する。所要の加熱は、前記架橋剤を添加し
たポリビニルアルコール水溶液をシート状基材に塗工し
た後に行う。ポリビニルアルコールに対する前記架橋剤
の添加量は、微量例えば、ポリビニルアルコール水溶液
がポリビニルアルコール原液と水の等量配合の場合で、
2〜5重量%でよい。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態につき、添付図
面を参照して、次に説明する。
【0022】絵付けをする素材Iには、シート状基材a
の表面に、架橋ポリビニルアルコールの少なくとも厚さ
5μmのコーティングbを施したものを充てる。コーテ
ィングbの膜厚は15μmもあれば十分であり、一般的
には7〜10μmである。シート状基材aは、和紙、薄
葉和紙、正絹紙(正絹繊維を混ぜて漉いた和紙について
の当業者称呼)、フイルム、金属化和紙、金属化薄葉和
紙、金属化正絹紙、金属化フィルム等を用いることがで
きる。ここで、金属化和紙、金属化薄葉和紙、金属化正
絹紙、金属化フィルムとは、表面に公知の方法によって
金属膜、例えば金箔や銀箔様の外観風合の金属膜を形成
した和紙、薄葉和紙、正絹紙、フィルムのことである。
【0023】基材a表面にコーティングbを施すには、
エラストロン BNー08(商品名)と称されている架
橋剤をポリビニルアルコール水溶液に微量添加した塗材
をコータ(ドクタ、ロール、スクリーン等)による方法
やスプレー方式により塗工する仕様を例として挙げるこ
とができる。この塗材には無機質微粉末の顔料を微量添
加してもよい。
【0024】コータやスプレーによる仕様でコーティン
グbを施す場合、基材表面が和紙や正絹紙の地であれ
ば、架橋剤を添加したポリビニルアルコールによる塗材
を基材表面に直接塗工して、必要とする付着強度の塗工
が得られる。金属化和紙、金属化薄葉和紙、金属化正絹
紙、フィルムの場合、コータやスプレーによる前記塗材
の塗工では、付着強度は低いが、プライマコートをすれ
ば、必要付着強度の塗工が達成される。コーティングb
の施工は、下記の転写法で行ってもよい。
【0025】剥離紙或いはプラスチックフィルムの剥離
面に架橋ポリビニルアルコールのコーティングを形成し
た転写紙乃至はフィルムを、その架橋ポリビニルアルコ
ールのコーティングがシート状基材a表面側となるよう
これに重ね、加熱下加圧して、該転写紙乃至はフィルム
上の架橋ポリビニルアルコールのコーティングをシート
状基材a表面に転写する方法。この転写に必要とする接
着剤は、転写紙乃至はフィルム上の架橋ポリビニルアル
コールのコーティング表面に施されたもの、或いはシー
ト状基材a表面に施されたものが充てられる。接着剤
は、架橋ポリビニルアルコールのコーティングが水溶性
であるので、これに悪影響を与えないよう、溶剤型のも
のを用いるのがよい。
【0026】前記絵付け素材Iに絵付けを施すための一
種の原稿として、立体形象、例えば紋織物,玉砂利,落
葉等の立体形象を、スキャナにより記憶装置に入力す
る。スキャナとしては、例えば、大日本スクリーン製造
株式会社製のGenascan300(商品名)(以下
ジェナスキャンという)を挙げることができる。
【0027】立体形象が紋織物の場合は、前記ジェナス
キャンの原稿載置ガラス面に載せて走査すればよい。立
体形象が玉砂利、落葉等の「ばら」ものでは、台紙に該
「ばら」ものを敷き詰め或いは積み重ねて貼り、その貼
ったものを、前記「ばら」ものが前記ジェナスキャンの
原稿載置ガラス面側となるよう、該ガラス面に載置して
走査すればよい。これらの立体形象の原稿である物体
は、押さえつけない方がよい。それは、立体形象を扁平
化させずに、記憶装置に入力できるからである。上記記
憶装置に入力した立体形象のデータに基づき、前記シー
ト状基材a上の架橋ポリビニルアルコールのコーティン
グb面に、インキジェット式プリンタにより、モノクロ
ームまたはカラーの紋様cを絵付けする。インキジェッ
ト式プリンタとしては、例えば、グラフテック株式会社
のMasterjet JC2008ー50(商品名)
やエヌエス・カルコンプ株式会社のTechJET<テ
ックジェット>175i(商品名)を挙げることができ
る。 その絵付き素材IIを所要幅に裁断し
て絵箔糸を得る。
【0028】得られた絵箔糸を織り込んで織物に現出し
た紋様は、深みのある遠近感に富む外観の風合であっ
た。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、次の効果が得られる。
【0030】(1)深みのある遠近感に富む外観の紋様
を付与することができ、しかも、その紋様付与を低コス
トで体現できる絵箔糸を提供できる。
【0031】(2)特に多品種小ロットの場合、より有
用性の高い絵箔糸を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる絵付け素材の一例を示す斜視図
である。
【図2】本発明に係る絵付き素材の一例の斜視図を示
す。
【符号の説明】
I 絵付け素材 II 絵付き素材 a シート状基材 b コーティング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−71031(JP,A) 特開 平5−71030(JP,A) 特開 平11−131337(JP,A) 特開 平11−12965(JP,A) 実開 昭60−20574(JP,U) 実開 平2−97069(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04D 1/00 - 11/00 D06Q 1/00 - 1/14 D02G 1/00 - 3/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】立体形象をスキャナにより記憶装置に入力
    し、架橋ポリビニルアルコールの厚さ5μm以上のコー
    ティングを表面に施したシート状基材を絵付け素材に充
    て、前記記憶装置に入力した立体形象データに基づき、
    インキジェット式プリンタにより、前記絵付け素材上の
    コーティング面にモノクローム或いはカラー絵付けした
    ものを裁断することを特徴とする絵箔糸の製造方法。
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JP5008150B2 (ja) * 2009-03-26 2012-08-22 夢らく商事株式会社 顔パック用の金箔の積層体及び金箔の顔パック方法
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