JP2969414B2 - 画像形成装置の濃度制御方法 - Google Patents

画像形成装置の濃度制御方法

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JP2969414B2
JP2969414B2 JP4236674A JP23667492A JP2969414B2 JP 2969414 B2 JP2969414 B2 JP 2969414B2 JP 4236674 A JP4236674 A JP 4236674A JP 23667492 A JP23667492 A JP 23667492A JP 2969414 B2 JP2969414 B2 JP 2969414B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真技術を用いた
画像形成装置の濃度制御方法に係り、特に、重畳法の低
濃度側の画像濃度再現特性(ガンマカーブとも言う)を
自動的に調整する画像形成装置の濃度制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術を用いた画像形成装置で
は、利用枚数に伴う現像剤の劣化、設置環境変化による
転写効率の低下あるいは感光体の表面電位の低下又は現
像剤の特性変化によって、感光体上に付着するトナー量
が変わり、形成画像濃度が変化する。特にカラー画像形
成装置では三原色の濃度バランスが崩れるとそのハード
コピーは非常に品質が低下する。そのため従来は、一定
の画像濃度を得るために、感光体の表面電位とこの表面
電位に係数を掛けた露光量とで画像濃度を調整してい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のような感光体の
表面電位と、この表面電位に係数を掛けた露光量(係数
補正)とで画像濃度を一定に制御しようとしても、現像
剤の寿命中の電気抵抗の上昇により、エッジ効果が増加
する。このため図12の破線で示すように低濃度(L
D)成分の飽和線画濃度が、初期値より低い方へずれて
くる(図12中にずれる方向を=>で示す)。このため
淡色コピーの色バランスが崩れ、特に人間の視覚が敏感
な肌色の再現が悪くなるという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、電子写真技術
を用いた画像形成装置の濃度制御方法において、高濃度
側の第1の基準画像濃度担体を用いて感光体上にトナー
の第1の特定濃度部を形成する工程と、該感光体上の第
1の特定濃度部のトナー濃度または感光体から転写体へ
転写された第1の特定濃度部のトナー濃度を濃度検出器
により検出する工程と、検出されたトナー濃度に応じて
感光体の表面電位を設定する工程と、その後、低濃度側
第2の基準画像濃度担体と前記設定された感光体の表
面電位を用いて感光体上にトナーの第2の特定濃度部を
形成する工程と、該感光体上の第2の特定濃度部のトナ
ー濃度または感光体から転写体へ転写された第2の特定
濃度部のトナー濃度を濃度検出器により検出する工程
と、検出されたトナー濃度に応じて露光量を設定する工
程とを設けることにより、前記課題を解決するものであ
る。
【0005】
【作用】本発明においては、画像形成装置の電源投入時
およびその後の一定時間経過毎に、高濃度(HD)側の
感光体表面電位および露光量と、低濃度(LD)側の感
光体表面電位および露光量とがそれぞれ自動的に調整さ
れる(図3)。このLD側調整には異なる濃度の基準画
像濃度担体(グレイパッチと呼ばれる)を2種類使用す
る。まず、第1のグレイパッチとプリセットされた感光
体表面電位と露光量を用いて露光・現像を行い、トナー
パッチ像の濃度を濃度検出器(ガンマセンサと呼ばれ
る)で検出する。この検出濃度が第1の標準値となるよ
うに感光体表面電位を設定する(図1)。次に、第2の
グレイパッチと前記設定された感光体表面電位とプリセ
ットされた露光量を用いて露光・現像を行い、トナーパ
ッチ像の濃度をガンマセンサで検出する。この検出濃度
が第2の標準値となるように露光量を設定する(図
2)。
【0006】このように本発明においては、制御対象で
ある画像の濃度をガンマセンサで直接検出する。そし
て、この検出濃度と標準値とを比較して、負帰還をかけ
て感光体表面電位や露光量などのプロセス条件を制御す
るため、制御範囲内であればいかなる環境変化や現像剤
の特性変化があっても常に適切な画像濃度が得られる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面と共に
説明する。最初に、図8で本発明が適用される複写機の
機構部分と6PASSプロセスと呼ばれる複写プロセス
を示す。複写機80の上端には、硬質の透明ガラスで形
成された原稿載置台81が配設される。該原稿載置台8
1上に載置された原稿(図示せず)は、ランプユニット
1によって照射され、原稿からの反射光が、ミラー2,
3,4,レンズユニット5及びミラー6,7を介して、
矢印B方向に回転可能になった感光体ベルト8に露光さ
れる。上記ランプユニット1、ミラー2等でスキャナ1
02が構成される。
【0008】この感光体ベルト8の回転域には、露光に
先だって感光体ベルト8の表面を均一に帯電する帯電チ
ャージャ14が設けられ、露光部に静電潜像が形成され
る。また、帯電チャージャ14の下流側には、図示しな
い像間イレーサ、ブラック現像層9、イエロー現像槽1
0、マゼンタ現像槽11およびシアン現像槽12を備え
た現像装置、転写ベルト15、クリーニング部19およ
び除電ランプ13がこの順に配置される。上記現像装置
の各現像槽9〜12には該当する色のトナーが収納され
ている。
【0009】上記構成において、カラーコピーは以下の
動作手順で行われる。帯電チャージャ14が感光体ベル
ト8の表面を均一に帯電すると、前記スキャナ102に
より1回目のスキャンが行われ、原稿からの反射光が図
示しない色分解フィルタを通して帯電チャージャ14と
像間イレーサ(図示せず)との間に位置する感光体ベル
ト表面にスクリーン108を通してスリット露光され、
露光部にブルーのLD成分静電潜像が形成される。次い
で、像間イレーサ(図示せず)が静電潜像の非画像領域
に相当する部分をイレースし、イレースされない画像領
域の静電潜像にイエロー現像槽10からイエロートナー
が供給され、同色のLD成分トナー像が形成される。
【0010】次いで、該トナー像が矢印B方向に周回移
動し、一部が感光体ベルト8の表面に圧接される転写ベ
ルト15に第1転写ローラ32にDCマイナスの高電圧
を印加することにより転写される。この時、感光体ベル
ト8の表面には転写に寄与しない一部のトナーが残留す
るが、この残留トナーをクリーニング部19がかき落と
す。次いで、除電ランプ13が感光体ベルト表面の残留
電荷を除電する。
【0011】上記工程を終了すると、帯電チャージャ1
4が感光体ベルト表面を再度均一に帯電し、2回目のス
キャンによって得られた原稿からの反射光がスリット露
光され、グリーンのLD成分静電潜像が形成される。以
下同様にして像間イレーサにより非画像領域がイレース
され、イレースされない画像領域の静電潜像に、マゼン
タ現像槽11からマゼンタトナーが供給され、同色のL
D成分トナー像が形成される。そして、このトナー像が
転写ベルト15に転写されて像重ねが行われる。以下同
様にして3回目のスキャンによってシアンのLD成分静
電潜像が形成され、シアン現像槽12からシアントナー
が供給され、同色のLD成分トナー像が重畳される。
【0012】次いで、スクリーン108を通さずに4回
目のスキャンが行われ、イエローのHD成分トナー像が
形成されて転写、重畳される。以下、同様に5回目のス
キャンが行われマゼンタのHD成分トナー像が転写、重
畳され、6回目のスキャンでシアンのHD成分トナー像
が転写、重畳される。このようにして3色のそれぞれL
D成分とHD成分が重畳されるので6PASSプロセス
と呼ばれている。
【0013】その後、今まで非接触であった第二転写ロ
ーラ16が転写ベルトに圧接され、像重ねされた転写ベ
ルト15の上のトナー像がコピー用紙に転写される。第
二転写ローラ16には、転写ベルト表面電位より高いマ
イナス電圧が印加される。トナー像を転写されたコピー
紙は、その後サクション搬送部28により定着装置30
に搬送され、ここでトナーの定着が行われた後、排出ロ
ーラ31により機外に排出される。一方、白黒コピーは
感光体ベルト8の静電潜像にブラック現像槽9からブラ
ックトナーが供給され、このトナー像を転写ベルト15
を介してコピー用紙に転写して行なわれる。
【0014】次に本発明の制御対象である感光体表面電
位及びコピーランプ電圧と画像濃度との関係について図
面を参照して説明する。図13は、感光体表面電位と形
成される特定濃度部のトナー濃度との関係を表した図で
ある。図から分かるように、感光体表面電位がB領域に
あるときにはトナー濃度がほぼ飽和状態となっているた
め、感光体表面電位が変わってもトナー濃度には差がほ
とんど表れないが、感光体表面電位がA領域にあるとき
には感光体表面電位に合わせてトナー濃度が変化する。
このため、感光体表面電位をA領域内で選択すれば感光
体表面電位の変化に応じて正確にトナー濃度を検出でき
る。
【0015】なお、このA領域の範囲は200〜300
V程度であり、本実施例では、感光体表面電位のプリセ
ット値を250Vとし、テスト毎の感光体表面電位増減
値を30Vとしている。しかし、複写機により良好な画
像を形成する場合には、感光体の表面電位を設定するだ
けでは不十分である。そこで設定された感光体の表面電
位に合わせて原稿を照射するランプの電圧を調節して露
光量も設定する。これにより原稿の中間調を良好に再現
できるようになる。
【0016】また、図13では複写機の設置環境の温度
や湿度が変わった時の感光体表面電位とトナー濃度との
関係も表しており、環境変化により感光体の表面電位が
一定であっても特定濃度部のトナー濃度(グレイパッチ
で形成されたパッチ像のトナー濃度)が変わってしまう
ことが分かる。そのため、特定濃度部のトナー濃度を検
出し、その検出されたトナー濃度が標準濃度に一致する
ように感光体表面電位や露光量を設定すれば環境の変化
に関わりなく良好な画像を形成できる。
【0017】図14(a)は感光体の表面電位を変化さ
せたときの原稿濃度と複写画像濃度との関係(ガンマ特
性)を表した図、同図(b)はコピーランプの露光量を
変化させたときの原稿濃度と複写画像濃度との関係(ガ
ンマ特性)を表した図である。同図(a)において、帯
電チャージャの電圧を上げると感光体の表面電位が全体
的に高くなる。このため、露光量が低いままであると光
電効果により発生する電荷も低いままであるので残留電
位レベル(露光部の電位)が高くなって低濃度領域の濃
度も高くなり硬調の画像となってしまう。同図(b)に
おいて、露光量を上げると原稿の高濃度域における電荷
のキャンセル量はほとんど変わらず、そのため露光量を
上げれば低濃度域の画像濃度が淡くなって画像が硬調な
ものになってしまうのが防止される。
【0018】また、同図(a),(b)の感光体表面電
位と露光量を2個のプロセスパラメータとして見れば、
まず最初に原稿濃度の高いところで感光体表面電位を設
定し、次に原稿濃度の低いところで露光量を設定すれば
よい。こうすれば、露光量の設定が原稿濃度の高いとこ
ろの複写画像濃度におよぼす影響が避けられる。
【0019】以上のことから、本実施例では第1の基準
画像濃度担体として画像濃度(Image Densi
ty 以下IDと略す)1.4のグレイパッチ36を使
用して、原稿濃度の高濃度域で第1の特定濃度部を形成
し、この濃度が第1の基準濃度となるように感光体表面
電位を調整する。次いで第2の基準画像濃度担体として
ID0.6のグレイパッチ37を使用して、原稿濃度の
低濃度域で第2の特定濃度部を形成し、この濃度が第2
の基準濃度となるようにコピーランプ電圧すなわち露光
量を調整する。
【0020】この2つのプロセスパラメータの調整点の
γカーブ上の位置を図12に示す。同図中のLD成分γ
カーブ上のX印は、第1のグレイパッチによるLD表面
電位調整点であり、原稿濃度ID1.4に相当する第1
のグレイパッチを使用してトナーパッチ像を形成したと
き、その濃度が1.0(これに相当するγセンサの出力
値が1.7V)になるようにLD表面電位を調整する。
また、同図中のLD成分γカーブ上の△印は、第2のグ
レイパッチによるLDコピーランプ電圧調整点であり、
原稿濃度ID0.6に相当する第2のグレイパッチを使
用してトナーパッチ像を形成したとき、その濃度が0.
7(これに相当するγセンサの出力値が0.7V)にな
るようにLDコピーランプ電圧を調整する。
【0021】図9に基準画像濃度担体として使われるグ
レイパッチの配置図を示す。図から分かるように原稿載
置台81と同一平面となる面に、原稿載置位置に接して
ID1.4のグレイパッチ36とID0.6のグレイパ
ッチ37を配置する。
【0022】図11は、このグレイパッチ36,37を
使用して作像、現像した転写ベルト上のトナー像(特定
濃度部)の濃度を読み取るγセンサ35の出力特性であ
る。
【0023】図10は、複写機の制御部のブロック図で
ある。複写機全体の制御はCPU40によってなされ、
その処理プログラムは予めROM41に記憶されてい
る。CPU40にはI/O45を介して定着装置30の
温度を検知した定着温度検知部51の出力およびγセン
サ35の検出結果が入力される。γセンサ35は前述し
たように、特定濃度部の濃度検出を行い、その結果をC
PU40に入力する。CPU40はこの検出結果をもも
とに帯電チャージャ14の帯電電位(感光体の表面電
位)やコピーランプ1の露光量を設定してそれぞれの制
御部48,49に設定を出力する。
【0024】次に、図3は、ROM41に記憶されてい
る複写機全体の処理手順を表した概略フローチャートで
ある。メインSWが投入された状態では、CPU40は
電源SW押下待ちになっている(S310)。電源ON
が検出されると、S315へ移る。電源が投入される
と、CPU40はRAM42の初期化や、タイマ作動開
始や、その他の予備動作処理等を行うとともに、定着装
置30のウォームアップを開始する(S315)。
【0025】次いで定着装置30の温度を判断する(S
320)。定着装置の温度が70℃以下であれば、未使
用状態で長時間放置されていたとしてS325に進んで
γ補正のプロセスが行われる。同温度が70℃以上であ
れば、リセットのための電源再投入と判断してγ補正は
行わずS340へ移り、コピーSW押下待ちとなる。
【0026】S325からS335までが、γ補正のプ
ロセスである。まず、高濃度(HD)成分のγ補正のプ
ロセスが従来の方法で行われる。ここでHD露光時の感
光体の表面電位、コピーランプ電圧(露光量)が調整さ
れる(S325)。次いで、本発明の低濃度(LD)成
分の感光体の表面電位が調整される(S330)。この
詳細は、図1のフローチャートで後に説明する。次い
で、本発明の低濃度(LD)成分のコピーランプ電圧
(露光量)が調整される(S335)。この詳細は、図
2のフローチャートで後に説明する。
【0027】γ補正のプロセスが終わると、S340の
コピーSW押下待ちとなる。コピーSWが押下される
と、コピープロセスが実行されてつぎのコピーSW押下
待ちとなる(S345)。コピーSWが押下されてない
と、次にタイマ値を読み出して、一定時間経過したかど
うかを調べる(S350)。一定時間経過しているとタ
イマをクリアして(S355)、γ補正のプロセスへ移
る。まだ一定時間経過していないと、電源OFFかどう
かを調べる(S360)。電源OFFであると、電源O
FFプロセスを実行して(S365)終了する。電源O
FFでなければ、コピーSWを調べるS340へ移る。
本実施例では、前記一定時間は2時間に設定されてい
る。すなわち、2時間毎にγ補正プロセスが実行される
ことになる。また、通常の待機状態では、S340〜S
360をループして待つことになる。
【0028】次に、図1のフローチャートを用いて本実
施例の感光体のLD表面電位調整プロセスの原理を説明
する。なお、説明の簡略化のために単色で説明する。始
めに、コピーランプ1を含むミラーベース102を第1
のグレイパッチ(ID1.4)36の下へ移動する(S
104)。次いで、表面電位及びランプ電圧のプリセッ
ト値をROM41より読み出して、それぞれの制御部4
8,49に設定する(S108)。次いで、スクリーン
108を通してこのグレイパッチ像を露光し、現像、転
写する(S112)。次いで、このパッチ像のトナー濃
度をγセンサ35を用いて検出する(S114)。次い
で、検出されたパッチ像の濃度とROM41より読み出
された標準濃度とを比較する(S116)。
【0029】この比較の結果、両者が等しければ、その
時の表面電位を決定値としてRAM42に記憶する(S
150)。前記比較の結果、パッチ像の濃度が標準濃度
より低ければ、表面電位を1単位上げる(S120)。
前記比較の結果、パッチ像の濃度が標準濃度より高けれ
ば、表面電位を1単位下げる(S130)。
【0030】次いで、前回と同様に、パッチ像の露光、
現像、転写を行い(S122,S132)、パッチ像の
濃度を検出し(S124,S134)、パッチ像の濃度
と標準濃度とを比較する(S126,S136)。いず
れの比較においても、両者が一致すれば、S150へ移
る。S126において、パッチ像の濃度が標準濃度より
低ければ、S120へ移り再度表面電位を上げて繰り返
す。S126において、パッチ像の濃度が標準濃度より
高ければ、S140へ移り表面電位比例計算を行う。S
136において、パッチ像の濃度が標準濃度より高けれ
ば、S130へ移り再度表面電位を下げて繰り返す。S
136において、パッチ像の濃度が標準濃度より低けれ
ば、S140へ移り表面電位比例計算を行う。
【0031】S140の表面電位比例計算では、前回検
出したパッチ像濃度と今回検出したパッチ像濃度とが、
標準濃度を挟む関係にあるので、前回の表面電位と今回
の表面電位から比例計算で標準濃度となる表面電位を求
めることができる。次いで、この求めた表面電位をRA
M42に記憶して(S150)、終了する。
【0032】次に、図2のフローチャートを用いて本実
施例のコピーランプ電圧調整プロセスの原理を説明す
る。図1と同様に説明の簡略化のために単色で説明す
る。始めに、コピーランプ1を含むミラーベース102
を第2のグレイパッチ(ID0.6)37の下へ移動す
る(S204)。次いで、表面電位をRAM42から、
コピーランプ電圧のプリセット値をROM41より読み
出して、それぞれの制御部48,49に設定する(S2
06,S210)。次いで、スクリーン108を通して
このグレイパッチ像を露光し、現像、転写する(S21
2)。次いで、このパッチ像のトナー濃度をγセンサ3
5を用いて検出する(S214)。次いで、検出された
パッチ像の濃度とROM41より読み出された標準濃度
とを比較する(S216)。
【0033】この比較の結果、両者が等しければ、その
時のコピーランプ電圧を決定値としてRAM42に記憶
する(S250)。前記比較の結果、パッチ像の濃度が
標準濃度より低ければ、コピーランプ電圧を1単位下げ
る(S220)。前記比較の結果、パッチ像の濃度が標
準濃度より高ければ、コピーランプ電圧を1単位上げる
(S230)。
【0034】次いで、前回と同様に、パッチ像の露光、
現像、転写を行い(S222,S232)、パッチ像の
濃度を検出し(S224,S234)、パッチ像の濃度
と標準濃度とを比較する(S226,S236)。いず
れの比較においても、両者が一致すれば、S250へ移
る。S226において、パッチ像の濃度が標準濃度より
低ければ、S220へ移り再度コピーランプ電圧を下げ
て繰り返す。S226において、パッチ像の濃度が標準
濃度より高ければ、S240へ移りコピーランプ電圧の
比例計算を行う。S236において、パッチ像の濃度が
標準濃度より高ければ、S230へ移り再度コピーラン
プ電圧上げて繰り返す。S236において、パッチ像の
濃度が標準濃度より低ければ、S240へ移りコピーラ
ンプ電圧の比例計算を行う。
【0035】S240のコピーランプ電圧の比例計算で
は、前回検出したパッチ像濃度と今回検出したパッチ像
濃度とが、標準濃度を挟む関係にあるので、前回のコピ
ーランプ電圧と今回のコピーランプ電圧から比例計算で
標準濃度となるコピーランプ電圧を求めることができ
る。次いで、この求めたコピーランプ電圧をRAM42
に記憶して(S250)、終了する。
【0036】次に、本実施例のLD表面電位調整プロセ
スについて、実際に使用するパラメータと共に詳細フロ
ーチャートで説明する。なお、以下の説明では、RAM
の記憶番地のLABELでその内容の値を示すことがあ
る。カラー複写機では、イエロー(Y),マゼンタ
(M),シアン(C)の3色のトナー像についてそれぞ
れこの順序でLD表面電位を調整する。図4及び図5
は、LD表面電位調整プロセスの詳細フローチャートで
ある。ここで表面電位の今回値をVa,同前回値をV
b,γセンサの出力電圧の今回値をγa,同前回値をγ
b、コピーランプ電圧をVlaとする。
【0037】始めに、コピーランプ1を含むミラーベー
ス102をID1.4のグレイパッチ36の下へ移動す
る(S404)。次いで、プリセット値を設定する(S
408)。表面電位のプリセット値Vaは各色共通の2
50Vであるが、コピーランプ電圧のプリセット値は
Y,M,Cでそれぞれ異なり、Y・Vla=75
(V),M・Vla=60(V),C・Vla=58
(V)である。
【0038】次いで、イエローの現像槽を選択する(S
410)。次いで、スクリーン108を通してパッチ像
を作成(露光、現像、転写)する(S412)。次い
で、パッチ像のトナー濃度をγセンサ35で検出し、そ
の出力値をγaと名付けられたRAMの番地に格納する
(S414)。次いで、この検出値γaと、第1の標準
濃度1.0に相当するγセンサ出力値1.7(V)と比
較する(S416)。
【0039】S416の比較の結果、γa=1.7であ
れば、現在のVaすなわち250(V)が標準濃度を得
る表面電位であるので、Y・SPLDとLABELづけ
されたRAMの番地にVaを格納してイエローLD表面
電位設定は終了する(S450)。
【0040】S416の比較の結果、γa<1.7であ
れば、パッチ像濃度が標準濃度より低いので、Vaの値
を前回の値を格納するVbとLABEL付けされた番地
に格納して、Vaの値を1制御単位である30(V)だ
け上げて新しいVaとする(S420)。次いで、この
新しい表面電位であるVaを使用してS412と同様に
パッチ像を作成する(S422)。次いで、γaをγb
に格納して、新しいγセンサの出力をγaに格納する
(S424)。次いで、S416と同様に、γaと1.
7を比較する(S426)。S426の比較の結果、γ
a=1.7であれば、目標値に達したのでS450へ移
る。S426の比較の結果、γa<1.7であれば、ま
だパッチ像濃度が標準濃度より低いので、さらにVaを
上げて繰り返すためにS420へ戻る。S426の比較
の結果、γa>1.7であれば、パッチ像濃度が標準濃
度を上回ったので、今回のγa,Vaと前回のγb,V
b及び標準濃度のセンサ値1.7を使用して比例計算に
よりγa=1.7となる表面電位を求めるS440へ移
る。
【0041】S416に戻って、同比較の結果、γa>
1.7であれば、パッチ像濃度が標準濃度より高いの
で、Vaの値をVbに格納して、Vaの値を1制御単位
である30(V)だけ下げて新しいVaとする(S43
0)。次いで、この新しい表面電位であるVaを使用し
てS422と同様にパッチ像を作成する(S432)。
次いで、S424と同様に、γaをγbに格納して、新
しいγセンサの出力をγaに格納する(S434)。次
いで、S416と同様に、γaと1.7を比較する(S
436)。S436の比較の結果、γa=1.7であれ
ば、目標値に達したのでS450へ移る。S436の比
較の結果、γa>1.7であれば、まだパッチ像濃度が
標準濃度より高いので、さらにVaを下げて繰り返すた
めにS430へ戻る。S436の比較の結果、γa<
1.7であれば、パッチ像濃度が標準濃度下回ったの
で、今回のγa,Vaと前回のγb,Vb及び標準濃度
のセンサ値1.7を使用して比例計算によりγa=1.
7となる表面電位を求めるS440へ移る。
【0042】次いで、S440では Va←Va+(Vb−Va)(1.7−γa)/(γb−γa)・・・・(1) (1)の代入式により比例計算して、γセンサの出力が
1.7となる表面電位を求める(S440)。次いで、
VaをY・SPLD(イエローLD表面電位)に格納し
て後のコピー時の使用に備える(S450)。次の、S
505〜S540はマゼンタLD表面電位、S555〜
S590はシアンLD表面電位をそれぞれ調節する工程
であり、その内容はイエローLD表面電位調節工程と同
じであるので詳細な説明は省略する。
【0043】次の、図6及び図7は、LDコピーランプ
電圧調整プロセスの詳細フローチャートである。ここで
表面電位の値をVa,γセンサの出力電圧の今回値をγ
a,同前回値をγb、コピーランプ電圧の今回値をVl
a、前回値をVlbとする。
【0044】始めに、コピーランプ1を含むミラーベー
ス102をID0.6のグレイパッチ37の下へ移動す
る(S604)。次いで、プリセット値を設定する(S
608)。表面電位の値は図4,5で求めたY・SPL
D,M・SPLD,C・SPLDであるが、コピーランプ
電圧のプリセット値はY,M,Cでそれぞれ異なり、Y
・Vla=75(V),M・Vla=60(V),C・V
la=58(V)である。
【0045】次いで、イエローの現像槽を選択する(S
610)。次いで、スクリーン108を通してパッチ像
を作成(露光、現像、転写)する(S612)。次い
で、パッチ像のトナー濃度をγセンサ35で検出し、そ
の出力値をγaに格納する(S614)。次いで、この
検出値γaと、第2の標準濃度0.7に相当するγセン
サ出力値0.7(V)と比較する(S616)。
【0046】S616の比較の結果、γa=0.7であ
れば、現在のVlaすなわち75(V)が標準濃度を得
るコピーランプ電圧であるので、Y・VlLDとLAB
ELづけされたRAMの番地にVlaを格納してイエロ
ーLDコピーランプ電圧設定は終了する(S650)。
【0047】S616の比較の結果、γa<0.7であ
れば、パッチ像濃度が標準濃度より低いので、Vlaの
値を前回の値を格納するVlbとLABEL付けされた
番地に格納して、Vlaの値を1制御単位である2
(V)だけ下げて新しいVlaとする(S620)。次
いで、この新しいコピーランプ電圧であるVlaを使用
してS612と同様にパッチ像を作成する(S62
2)。次いで、γaをγbに格納して、新しいγセンサ
の出力をγaに格納する(S624)。次いで、S61
6と同様に、γaと0.7を比較する(S626)。S
626の比較の結果、γa=0.7であれば、目標値に
達したのでS650へ移る。S626の比較の結果、γ
a<0.7であれば、まだパッチ像濃度が標準濃度より
低いので、さらにVlaを下げて繰り返すためにS62
0へ戻る。S626の比較の結果、γa>0.7であれ
ば、パッチ像濃度が標準濃度を上回ったので、今回のγ
a,Vlaと前回のγb,Vlb及び標準濃度のセンサ
値0.7を使用して比例計算によりγa=0.7となる
表面電位を求めるS640へ移る。
【0048】S616に戻って、同比較の結果、γa>
0.7であれば、パッチ像濃度が標準濃度より高いの
で、Vlaの値をVlbに格納して、Vlaの値を1制
御単位である2(V)だけ上げて新しいVlaとする
(S630)。次いで、この新しいコピーランプ電圧で
あるV1aを使用してS622と同様にパッチ像を作成
する(S632)。次いで、S624と同様に、γaを
γbに格納して、新しいγセンサの出力をγaに格納す
る(S634)。次いで、S616と同様に、γaと
0.7を比較する(S636)。S636の比較の結
果、γa=0.7であれば、目標値に達したのでS65
0へ移る。S636の比較の結果、γa>0.7であれ
ば、まだパッチ像濃度が標準濃度より高いので、さらに
Vlaを上げて繰り返すためにS630へ戻る。S63
6の比較の結果、γa<0.7であれば、パッチ像濃度
が標準濃度下回ったので、今回のγa,Vlaと前回の
γb,Vlb及び標準濃度のセンサ値0.7を使用して
比例計算によりγa=0.7となる表面電位を求めるS
640へ移る。
【0049】次いで、S640では Vla←Vla+(Vlb−Vla)(0.7−γa)/(γb−γa)・・・・(2) (2)の代入式により比例計算して、γセンサの出力が
0.7となるコピーランプ電圧を求める(S640)。
次いで、VlaをY・VlLD(イエローLDコピーラ
ンプ電圧)に格納して後のコピー時の使用に備える(S
650)。次の、S705〜S740はマゼンタLDコ
ピーランプ電圧、S755〜S790はシアンLDコピ
ーランプ電圧をそれぞれ調節する工程であり、その内容
はイエローLDコピーランプ電圧調節工程と同じである
ので詳細な説明は省略する。
【0050】以上、好ましい実施例を説明したが、これ
は発明の範囲を限定することを意味するものではない。
上記の説明から当業者には多くの変更が明らかであろ
う。発明の範囲はあくまでも特許請求の範囲によっての
み限定されるべきである。
【0051】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明によれば、電
子写真式画像形成装置の利用枚数に伴う現像剤の劣化、
設置環境変化による転写効率の低下あるいは感光体の表
面電位の低下又は現像剤の特性変化によって、感光体上
に付着するトナー量が変わり、形成画像濃度が変化する
ことを防止する効果がある。また、本発明によれば、現
像剤の寿命中の電気抵抗の上昇からくるエッジ効果の増
加による飽和線画濃度の低下を防止し、常に、淡色コピ
ーの色バランスを保ち、特に人間の視覚が敏感な肌色の
再現が美しくなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のLD表面電位調整プロセスの
原理を示すフローチャートである。
【図2】図2は、本発明のLDコピーランプ電圧調整プ
ロセスの原理を示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の複写機全体の処理を示すフロ
ーチャートである。
【図4】図4は、本発明のLD表面電位調整プロセスの
詳細フローチャートの前半である。
【図5】図5は、本発明のLD表面電位調整プロセスの
詳細フローチャートの後半である。
【図6】図6は、本発明のLDコピーランプ電圧調整プ
ロセスの詳細フローチャートの前半である。
【図7】図7は、本発明のLDコピーランプ電圧調整プ
ロセスの詳細フローチャートの後半である。
【図8】図8は、本発明の複写機の正面構成図である。
【図9】図9は、グレイパッチ配置図である。
【図10】図10は、複写機の制御部のブロック図であ
る。
【図11】図11は、転写ベルト上のトナー濃度に対す
るγセンサの出力である。
【図12】図12は、重畳法によるγカーブ(画像濃度
再現特性)である。
【図13】図13は、感光体表面電位に対する特定濃度
部のトナー濃度の関係を表した図である。
【図14】図14(a),(b)は、それぞれ感光体表
面電位を変えたときのガンマ特性の変化、露光量(コピ
ーランプ電圧)を変えたときのガンマ特性の変化を表し
た図である。
【符号の説明】
1 ランプユニット 2,3,4,6,7 ミラー 5 レンズユニット 8 感光体ベルト 9 ブラック現像槽 10 イエロー現像槽 11 マゼンタ現像槽 12 シアン現像槽 13 除電ランプ 14 帯電チャージャ 15 転写ベルト 16 第二転写ローラー 19 クリーニング部 28 サクション搬送部 30 定着装置 31 排出ローラー 32 第一転写ローラー 35 ガンマセンサ 36 第一の基準画像濃度担体(ID1.4のグレイパ
ッチ) 37 第二の基準画像濃度単体(ID0.6のグレイパ
ッチ) 40 CPU 41 ROM 42 RAM 43 タイマ部 44 トナー濃度検出部 45 I/O 48 表面電位制御部 49 コピーランプ制御部 51 定着温度検知部 61 定着装置温度センサ 80 複写機 81 原稿載置台 102 スキャナ 108 スクリーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03G 15/043 G03G 15/04 120 15/08 115 H04N 1/40 101E H04N 1/407 (56)参考文献 特開 平3−71157(JP,A) 特開 平4−110865(JP,A) 特開 平1−116570(JP,A) 特開 昭62−244071(JP,A) 特開 平4−337749(JP,A) 特開 平5−127469(JP,A) 実開 平4−16457(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 15/00 303 G01N 21/47 G03G 15/01 G03G 15/02 102 G03G 15/04 G03G 15/043 G03G 15/08 115 H04N 1/407

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真技術を用いた画像形成装置の濃
    度制御方法において、高濃度側の 第1の基準画像濃度担体を用いて感光体上に
    トナーの第1の特定濃度部を形成する工程と、 該感光体上の第1の特定濃度部のトナー濃度または感光
    体から転写体へ転写された第1の特定濃度部のトナー濃
    度を濃度検出器により検出する工程と、 検出されたトナー濃度に応じて感光体の表面電位を設定
    する工程と、その後、低濃度側の 第2の基準画像濃度担体と前記設定
    された感光体の表面電位を用いて感光体上にトナーの第
    2の特定濃度部を形成する工程と、 該感光体上の第2の特定濃度部のトナー濃度または感光
    体から転写体へ転写された第2の特定濃度部のトナー濃
    度を濃度検出器により検出する工程と、 検出されたトナー濃度に応じて露光量を設定する工程と
    を含むことを特徴とする画像形成装置の濃度制御方法。
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